JPH06322258A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH06322258A
JPH06322258A JP11026793A JP11026793A JPH06322258A JP H06322258 A JPH06322258 A JP H06322258A JP 11026793 A JP11026793 A JP 11026793A JP 11026793 A JP11026793 A JP 11026793A JP H06322258 A JPH06322258 A JP H06322258A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形加工性、薄肉成形加工性が良好で、さらに
耐熱性、機械的物性、特にウェルド強度、寸法安定性の
優れた樹脂組成物を提供する。 【構成】(A)(1)ポリフェニレンエーテルと(2)
第1級アミンおよび/または第2級アミンとが反応して
なる変性ポリフェニレンエーテル、および(B)液晶ポ
リエステルからなり、成分(A)が75重量%を超え9
9.5重量%以下であり、成分(B)が25重量%未満
0.5重量%以上である熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形や押出成形な
どにより、成形品などに利用できる新規な熱可塑性樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは耐熱性、耐熱
水性、寸法安定性および機械的、電気的性質などの優れ
た性質を有する樹脂であるが、一方、その溶融粘度が高
いために成形加工性が非常に悪い、また耐薬品性が悪
い、耐熱衝撃性が低い、薄肉成形ができない等の欠点を
有している。
【0003】ポリフェニレンエーテルの成形加工性を改
良する試みとしては、ポリフェニレンエーテルにポリス
チレンを配合する方法が知られている。ただし、この方
法ではポリフェニレンエーテルの成形加工性は改良され
るが、ポリフェニレンエーテルの耐熱性が低下するとい
う問題が生じる。
【0004】一方、液晶ポリエステルは、ポリエチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートのような
結晶性ポリエステルと異なり、分子が剛直なため溶融状
態でも絡み合いを起こさず、液晶状態を有するポリドメ
インを形成し、低剪断により分子鎖が流れ方向に著しく
配向する挙動を示し、一般に溶融型液晶(サーモトロピ
ック液晶)ポリマーと呼ばれている。この特異的な挙動
のため、溶融流動性が極めて優れ、0.2〜0.5mm
程度の薄肉成形品を容易に得ることができ、しかもこの
成形品は高強度、高剛性を示すという長所を有してい
る。しかし、異方性が極めて大きくそのため成形品の寸
法安定性が悪く、ウェルド強度が著しく低いという欠点
がある。さらに、成形加工温度が高いため用途が限られ
ていた。また、液晶ポリエステルは一般に高価であるこ
とも問題であった。
【0005】ポリフェニレンエーテルの有する優れた寸
法安定性、機械的性質、耐熱性、および低価格である点
などと液晶ポリエステルの有する優れた成形加工性、薄
肉物性、耐熱性、機械的性質など、各々の樹脂の特徴を
生かした樹脂組成物は強く市場から要望されていた。
【0006】例えば、特公平3−45107号公報に
は、ポリフェニレンエーテルなどの重合体に液晶ポリエ
ステルを配合し、該重合体の溶融粘度を減少することに
よりその成形加工性を改良した記載がみられる。また、
特開平2−97555号公報には、ハンダ耐熱性を向上
させる目的で液晶ポリエステルに各種のポリアリーレン
オキサイドを配合した記載がみられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
成形加工性が極端に悪いポリフェニレンエーテルに液晶
ポリエステルなどを配合してなる組成物は、成形性に大
きな向上が認められないか、組成物の成形加工性は向上
しても、薄肉成形品の成形には至っていなかった。ま
た、成形温度の高い液晶ポリエステルを配合しているた
め成形温度が高くなり、成形加工の際に配合樹脂の熱分
解のために成形品の外観不良が生じるという問題があっ
た。さらに、該組成物の機械的物性、耐熱性等が不十分
という問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するため鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、次に記す発明からなる。 (1)(A)(1)ポリフェニレンエーテルと(2)第
1級アミンおよび/または第2級アミンとが反応してな
る変性ポリフェニレンエーテル、および(B)液晶ポリ
エステルからなり、成分(A)が75重量%を超え9
9.5重量%以下であり、成分(B)が25重量%未満
0.5重量%以上である熱可塑性樹脂組成物。(2)
(A)(1)ポリフェニレンエーテルと(2)第1級ア
ミンおよび/または第2級アミンと、(3)アミノ基を
有するおよび/または第2級アミンが結合したスチレン
系単量体以外のスチレン系単量体とが反応してなる変性
ポリフェニレンエーテル、および(B)液晶ポリエステ
ルからなり、成分(A)が75重量%を超え99.5重
量%以下であり、成分(B)が25重量%未満0.5重
量%以上である熱可塑性樹脂組成物。 (3)第1級アミンが炭素−炭素二重結合または三重結
合を有することを特徴とする(1)記載の熱可塑性樹脂
組成物。 (4)第2級アミンが炭素−炭素二重結合または三重結
合を有することを特徴とする(1)記載の熱可塑性樹脂
組成物。 (5)第1級アミンおよび/または第2級アミンが、ア
ミノ基を有するスチレン系単量体および/または第2級
アミンが結合したスチレン系単量体であることを特徴と
する(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂組成物。
【0009】本発明における成分(A)の変性ポリフェ
ニレンエーテルの原料となるポリフェニレンエーテルと
は一般式 化1
【0010】
【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 はそれぞれ
独立に水素,ハロゲン原子,炭素数1〜6の炭化水素基
および炭素数1〜8の置換炭化水素基からなる群から選
ばれたものであり、そのうち、少なくとも1個は水素原
子であり、少なくとも1個は水素原子ではない。)で示
されるフェノール化合物の少なくとも1種を酸化カップ
リング触媒を用い、酸素または酸素含有ガスで酸化重合
させて得られる重合体である。
【0011】上記一般式におけるR1 ,R2 ,R3 ,R
4 およびR5 の具体例としては、それぞれ独立に水素、
塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−ま
たはiso−プロピル、pri−、sec−またはt−
ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエ
チル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチ
ル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニ
ル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニ
ル、エチルフェニル、アリル基などからなる群から選ば
れたものが挙げられる。
【0012】上記一般式の具体例としては、o−または
m−クレゾール、2,6−、2,5−、または3,5−
ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノ
ール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチ
ルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、
2,3,5−または2,3,6−トリメチルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモー
ル、2−メチル−6−アリルフェノールなどが挙げられ
る。これらの化合物の中で好ましいものとしては、2,
6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノールおよび2−
メチル−6−アリルフェノールが挙げられる。特に2,
6−ジメチルフェノールが好ましい。本発明の樹脂組成
物の成分(A)の変性ポリフェニレンエーテルの原料の
ポリフェニレンエーテルとして、2,6−ジメチルフェ
ノールまたは2,6−ジフェニルフェノールの重合体並
びに大量部の2,6−ジメチルフェノールと小量部の3
−メチル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6
−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましい。特に
2,6−ジメチルフェノールの重合体が好ましい。
【0013】さらに、本発明の樹脂組成物の成分(A)
の変性ポリフェニレンエーテルの原料のポリフェニレン
エーテルとして、上記一般式 化1以外のフェノール化
合物、たとえばビスフェノール−A、テトラブロモビス
フェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラ
ック樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合物と上記一
般式 化1で示されるフェノール化合物との共重合体も
使用できる。
【0014】フェノール化合物を酸化重合させる際に用
いられる酸化カップリング触媒は、特に限定されるもの
ではなく、重合能を有するいかなる触媒でも使用し得
る。たとえば、その代表的なものとしては、塩化第1銅
を含む触媒や二価のマンガン塩類を含む触媒が挙げられ
る。
【0015】ポリフェニレンエーテルを得る酸化重合
を、40℃より高い温度で行う場合(高温重合) と40℃以
下で行う場合(低温重合)とでは、得られる重合体の物
性等に違いがあることが知られている。本発明の樹脂組
成物の成分(A)の原料ポリフェニレンエーテルの製法
においては、高温重合または低温重合のどちらでも採用
することができる。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(A)
において、上記のポリフェニレンエーテルに反応させる
単量体として、第1級アミンおよび/または第2級アミ
ンが挙げられる。たとえば、ステアリルアミン等が挙げ
られる。さらに、第1級アミンとして、アミノ基を有す
るスチレン系単量体が挙げられる。また、第2級アミン
として、第2級アミンが結合したスチレン系単量体が挙
げられる。
【0017】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分
(A)において、上記のポリフェニレンエーテルに反応
させる単量体として、第1級アミンおよび/または第2
級アミンに加えてさらに、アミノ基を有するおよび/ま
たは第2級アミンが結合したスチレン系単量体以外のス
チレン系単量体が挙げられる。ここで、第1級アミンま
たは第2級アミンは、アミノ基または第2級アミンの窒
素を含む基のほかに、ポリフェニレンエーテルと反応可
能な基を有することが好ましい。ポリフェニレンエーテ
ルと反応可能な基として、重合性の基が好ましい。重合
性の基として、炭素−炭素二重結合または三重結合が挙
げられる。
【0018】このような第1級アミンとして、具体的に
はアリルアミン、アリルアニリン、N−アクリロイルア
ミン、N−メタクリロイルアミン、N−フェニル−N−
メタクリロイルアミン、アミノスチレン、アミノメチル
スチレンなどが挙げられる。これらの中でアミノ基を有
するスチレン系単量体として、アミノスチレン、アミノ
メチルスチレンなどが挙げられる。いずれも各種異性体
が含まれる。第2級アミンとして、ジアリルアミン、ビ
ニルイミダゾールなどが挙げられる。これらアミンのな
かでも、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルイミダ
ゾールなどが好ましく用いられる。該第1級アミン、第
2級アミンは単独または2種以上混合して用いることが
できる。これらの単量体は、1分子の形でポリフェニレ
ンエーテルと結合していてもよく、また2分子以上の重
合体の形でポリフェニレンエーテルとグラフト共重合し
ていてもよい。
【0019】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分
(A)において、ポリフェニレンエーテルに反応させる
単量体として、アミノ基を有するおよび/または第2級
アミンが結合したスチレン系単量体以外のスチレン系単
量体が挙げられる。ここで、アミノ基を有するおよび/
または第2級アミンが結合したスチレン系単量体以外の
スチレン系単量体とは、一般式化2
【0020】
【化2】 (式中、R6 、R7 、R8 、R9 およびR10は、それぞ
れ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化
水素基および炭素数1〜8の置換炭化水素基、炭素数1
〜6の炭化水素オキシ基および炭素数1〜8の置換炭化
水素オキシ基からなる群から選ばれたものである。R11
は水素原子または炭素数1〜4の低級アルキル基であ
る。)で示されるものが挙げられる。
【0021】上記の一般式中のR6 、R7 、R8 、R9
およびR10の具体例としては、水素原子;塩素、臭素、
ヨウ素などのハロゲン原子;メチル、エチル、プロピ
ル、ビニル、アリル、ベンジル、メチルベンジルなどの
炭化水素基;クロロメチル、ブロモメチルなどの置換炭
化水素基;メトキシ、エトキシ、フェノキシ、モノクロ
ロメトキシなどの炭化水素オキシ基または置換炭化水素
オキシ基などが挙げられる。また、R11の具体例として
は、水素原子、メチル、エチルなどの低級アルキル基な
どが挙げられる。
【0022】該スチレン系単量体の具体例としては、ス
チレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p
−ジビニルベンゼン、p−(クロロメトキシ)−スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチル−α−メチルスチ
レン、m−メチル−α−メチルスチレン、p−メチル−
α−メチルスチレン、p−メトキシ−α−メチルスチレ
ンなどが挙げられる。これらは単独または2種以上混合
して用いることができる。これらの中でもスチレンが好
ましく用いられる。
【0023】本発明で使用される液晶ポリエステル樹脂
組成物の成分(A)において、変性ポリフェニレンエー
テルを調製するために、これまで挙げた単量体または単
量体の組合せのほかに、スチレン系単量体を用いるとき
には、必要に応じてスチレン系単量体と共重合し得る単
量体を少量部用いることもできる。
【0024】ここで、スチレン系単量体と共重合し得る
単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、酢酸
ビニル、2−ビニルナフタリン、ビニルカルバゾールな
どを挙げることができる。また、これら単量体の誘導体
も使用することができる。これらは単独または2種以上
混合して用いることができる。
【0025】本発明の成分(A)における変性ポリフェ
ニレンエーテルを製造する方法としては、ポリフェニレ
ンエーテル、第1級アミンおよび/または第2級アミン
などを溶融混練または懸濁反応させて、変性ポリフェニ
レンエーテルを得る方法などが挙げられる。この際に、
ラジカル開始剤を用いることができる。該ラジカル開始
剤は特に限定されず、所望のものを適宜選択使用するこ
とができる。たとえば、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトニルなどのアゾ系化合物を始めとして、特開平2−
160856号公報に記載されているような各種ラジカ
ル開始剤が挙げられる。
【0026】本発明の熱可塑性樹脂組成物における成分
(A)の変性ポリフェニレンエーテルに、必要に応じて
未変性のポリフェニレンエーテル、スチレングラフトポ
リフェニレンエーテル、ポリスチレンなどを添加するこ
ともできる。
【0027】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(A)
の変性ポリフェニレンエーテル、およびその原料ポリフ
ェニレンエーテルの還元粘度ηSP/c(0.5g/dl
のクロロホルム溶液について25℃で測定した値)は、
0.30〜0.65dl/gの範囲が好ましい。ηSP
cが0.30dl/g未満では組成物の耐熱性が著しく
低下し、またηSP/cが0.65dl/gを越えると組
成物の成形加工性が悪くなり好ましくない。
【0028】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(B)
の液晶ポリエステルはサーモトロピック液晶ポリマーと
呼ばれるポリエステルである。具体的には、 (1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸との組み合わせからなるもの (2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせ
からなるもの (3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとの
組み合わせからなるもの (4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
に芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたものなどが
挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成す
るものである。なお、これらの芳香族ジカルボン酸、芳
香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わ
りに、それらのエステル形成性誘導体が使用されること
もある。該液晶ポリエステルの繰返し構造単位としては
下記のものを例示することができるが、これらに限定さ
れるものではない。 芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】 芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位:
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】 芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位:
【0033】
【化7】 耐熱性、機械的特性、加工性のバランスから特に好まし
い液晶ポリエステルは
【0034】
【化8】 なる繰り返し構造単位を含むものであり、具体的には繰
り返し構造単位の組み合わせが下記(I)〜(V)のも
のである。
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】 該液晶ポリエステル(I)、(II)、(III)、
(IV)については、それぞれ、例えば特公昭47−4
7870号公報、特公昭63−3888号公報、特公昭
63−3891号公報、特公昭56−18016号公報
などに記載されている。
【0040】本発明における熱可塑性樹脂組成物を製造
する方法に特に制限はなく、周知の方法を用いることが
できる。たとえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を
蒸発させるか、非溶剤中に沈澱させる方法が挙げられ
る。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混練する
方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている一
軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を
用いることができる。特に二軸の高混練機が好ましい。
混練に際しては、各成分は予めタンブラーもしくはヘン
シェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合して
もよいし、必要な場合には混合を省き、混練装置にそれ
ぞれ別個に定量供給する方法も用いることができる。
【0041】たとえば、混練において、ポリフェニレン
エーテルおよびそれと反応し得る第1級アミンおよび/
または第2級アミン等を有機過酸化物などと共に混練機
の第一投入口から投入し、第二投入口から液晶ポリエス
テルを投入して一回の混練で液晶ポリエステル樹脂組成
物を得ることもできる。また、変性ポリフェニレンエー
テルと液晶ポリエステルとをヘンシェルミキサーで混合
したのち混練機で混練して該樹脂組成物を得ることもで
きる。混練された該樹脂組成物は、射出成形、押出成
形、その他各種の成形法によって成形されるが、予め混
練の過程を経ず、射出成形や押出成形時にドライブレン
ドして溶融加工操作中に混練して本発明の樹脂組成物と
し、直接成形加工品を得ることもできる。
【0042】本発明の成分(A)、成分(B)からなる
熱可塑性樹脂組成物においては、成分(A)、成分
(B)の組成比が特定の範囲内の値をとることによっ
て、目的とする熱可塑性樹脂組成物を得ることができ
る。本発明における成分(A)と成分(B)の比率は成
分(A)が75重量%を超え99.5重量%以下であ
り、成分(B)が25重量%未満0.5重量%以上であ
る。成分(A)が75重量%以下であると、コストダウ
ンの効果が顕著ではなく、また99.5重量%を越える
と成形性、薄肉成形性などが不良となり好ましくない。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、
所望により無機充填剤が用いられる。このような無機充
填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリ
カ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ア
ルミナ、石膏、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、
シリカアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チ
タン酸カリウム繊維等が例示される。
【0044】本発明の熱可塑性樹脂組成物に、必要に応
じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光
安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系
着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑
剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤など
の各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程
において添加することができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。なお、ポリフェニレンエーテルをPPEと
略記することがある。
【0046】(I)物性測定方法 物性測定は、得られた組成物について、東芝機械(株)
製IS150E−V型射出成形機を用いて、成形温度3
20℃、金型温度100℃で射出成形した成形品につい
て行った。
【0047】ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηSP
/c):濃度0.5g/dlのクロロホルム溶液につい
て25℃で測定した値である。 引張強度、荷重たわみ温度(TDUL):ASTM4号
引張ダンベル、TDUL測定用試験片(127mm長×
12.7mm幅×6.4mm厚)をそれぞれ成形し、A
STM D638、ASTM D648に準じて引張強
度、TDUL(荷重18.6kg)をそれぞれ測定し
た。
【0048】ウェルド部強度、非ウェルド部強度:本発
明の組成物から図1に示す試験片を成形した。この試験
片は厚み3mm、外寸64mm、内寸38mmであっ
た。これから図1に示すウェルドラインを含む斜線部
(64×13mm)を切り出し、スパン間距離40m
m、曲げ速度2mm/分で曲げ強度を測定した。また、
同一形状の試験片から非ウェルド部(64×13mm)
を切り出し、同様にして曲げ強度を測定した。
【0049】成形収縮率、異方性比:射出成形品の流れ
方向(MD)と流れに垂直な方向(TD)の寸法を測定
し、金型原寸(64×64×2mm)に対する比として
求めた。また、成形収縮率の異方性比はMD方向の収縮
率とTD方向の収縮率の比(TD/MD)として求め
た。
【0050】薄肉成形品の引張強度:組成物から肉厚
0.8mm、長さ75mm、ネック部の幅5mmである
引張りダンベル試験片を成形し引張強度を測定した。
【0051】射出成形品および薄肉成形品の外観は以下
の基準で評価した。 ここで、観察した射出成形品は、引
張強度、荷重たわみ温度、ウェルド部強度および非ウェ
ルド部強度の測定に用いた試験片であるが、それぞれの
評価結果に差がなかったので、表1ではまとめて射出成
形品の欄に評価結果を記載した。また、観察した薄肉成
形品は、薄肉成形品の引張強度の測定に用いた試験片で
ある。 ○:外観は美しく、色調変化などは認められない。 ×:成形品表面に色調変化などが認められる。
【0052】(II)使用した原料 (1)成分(A)の変性ポリフェニレンエーテル ηSP/c=0.40の日本ポリエーテル(株)製ポリフ
ェニレンエーテル(以下、R−1と略記することがあ
る。)100重量部、ジアリルアミン4.1重量部を安
定剤と共に配合し、ヘンシェルミキサーを用いて混合
後、池貝鉄工(株)製二軸押出機PCM−30型を使用
してシリンダー温度260℃、スクリュー回転数80r
pmで脱揮しながら混練、造粒し変性ポリフェニレンエ
ーテルを得た。以下該変性ポリフェニレンエーテルをA
−1と略記することがある。
【0053】(2)成分(B)の液晶ポリエステル (i)p−アセトキシ安息香酸10.8kg(60モ
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型
撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に
副生する酢酸を除去しながら、強力な撹拌下で重合させ
た。その後、系を徐々に冷却し、200℃で得られたポ
リマーを系外へ取出した。この得られたポリマーを細川
ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm
以下の粒子とした。これを更にロータリーキルン中で窒
素ガス雰囲気下に280℃で3時間処理することによっ
て、流動温度が324℃の粒子状の下記の繰り返し構造
単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。以下該液晶
ポリエステルをB−1と略記することがある。このポリ
マーは加圧下で340℃以上で光学異方性を示した。液
晶ポリエステルB−1の繰り返し構造単位は、次の通り
である。
【0054】
【化14】
【0055】(ii)p−アセトキシ安息香酸8.1k
g(45モル)と6−アセトキシ−2−ナフトエ酸6.
9kg(30モル)とを櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込
み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながち昇温し、300℃
で30分間、320℃で30分間、そしてさらに8.0
torrの減圧下に320℃で2時間重合させた。この
間に、副生する酢酸を系外へ留出し続けた。その後、系
を徐々に冷却し、180℃で得られたポリマーを系外へ
取出した。この得られたポリマーを前記の(i)と同様
に粉砕したあと、ロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気
下に240℃で5時間処理することによって、流動温度
が260℃の粒子状の下記の繰り返し単位からなる全芳
香族ポリエステルを得た。以下該液晶ポリエステルをB
−2と略記する。このポリマーは静置下で320℃以上
で光学異方性を示した。液晶ポリエステルB−2の繰り
返し構造単位の比率は次の通りである。
【0056】
【化15】
【0057】実施例1〜2、比較例1〜2 表1に示す組成で各成分を安定剤と共に配合し、池貝鉄
工(株)製PCM−30型二軸押出機を用いてシリンダ
ー温度320℃で混練し、諸物性を測定した。得られた
結果を表1に示す。本発明の熱可塑性樹脂組成物は耐熱
性、機械的性質、特にウェルド強度、薄肉物性などの諸
物性、溶融加工性が優れ、成形品外観も良好であり、し
かも安価なポリフェニレンエーテルを主成分としている
ので、液晶ポリエステルと比較して安価な樹脂組成物で
あることがわかる。特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、実施例1に示すように、ポリフェニレンエーテルを
95重量%も含む組成物においても、優れた外観を有す
る薄肉成形品が得られるという優れた効果を有する。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形加
工性、薄肉成形加工性が良好で、さらに耐熱性、機械的
物性、特にウェルド強度、寸法安定性の優れた樹脂組成
物であり、このような特性を生かして射出成形や押出成
形により大型成形品、薄肉成形品を始めとする各種成形
品、シート、チューブ、フィルム、繊維、積層物、コー
ティング材等に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェルド強度測定用の試験片の平面図。
【符号の説明】
1.ウェルドライン 2.ウェルドラインを含む切り出し部(斜線部) 3.ゲート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(1)ポリフェニレンエーテルと
    (2)第1級アミンおよび/または第2級アミンとが反
    応してなる変性ポリフェニレンエーテル、および(B)
    液晶ポリエステルからなり、成分(A)が75重量%を
    超え99.5重量%以下であり、成分(B)が25重量
    %未満0.5重量%以上である熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)(1)ポリフェニレンエーテルと
    (2)第1級アミンおよび/または第2級アミンと、
    (3)アミノ基を有するおよび/または第2級アミンが
    結合したスチレン系単量体以外のスチレン系単量体とが
    反応してなる変性ポリフェニレンエーテル、および
    (B)液晶ポリエステルからなり、成分(A)が75重
    量%を超え99.5重量%以下であり、成分(B)が2
    5重量%未満0.5重量%以上である熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】第1級アミンが炭素−炭素二重結合または
    三重結合を有することを特徴とする請求項1記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】第2級アミンが炭素−炭素二重結合または
    三重結合を有することを特徴とする請求項1記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】第1級アミンおよび/または第2級アミン
    が、アミノ基を有するスチレン系単量体および/または
    第2級アミンが結合したスチレン系単量体であることを
    特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
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