JPH06322076A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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JPH06322076A
JPH06322076A JP10841393A JP10841393A JPH06322076A JP H06322076 A JPH06322076 A JP H06322076A JP 10841393 A JP10841393 A JP 10841393A JP 10841393 A JP10841393 A JP 10841393A JP H06322076 A JPH06322076 A JP H06322076A
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JP
Japan
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compound
resin composition
diamino
triazin
epoxy resin
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JP10841393A
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English (en)
Inventor
Mikio Kitahara
幹夫 北原
Tetsuya Oishi
哲也 大石
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】多官能エポキシ化合物と一般式(1)および一
般式(2)で表されるジグアナミン類の中から選ばれる
少なくとも1種を含有するアミノ化合物と無機充填剤を
必須成分とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 (式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
−2−イル)基の結合位置は、2,5−、または2,6
−位を示す) (式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
−2−イル)基の結合位置は、1,2−、1,3−また
は1,4−位を示す) 【効果】高ガラス転移温度を示し、高温時においても高
い強度を有する樹脂組成物が得られる。耐半田浸漬性を
要求される半導体装置用の封止材として最適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐クラック性
に優れたエポキシ樹脂組成物に関する。すなわち、電子
・電気部品の樹脂封止用材料として、耐熱性、耐クラッ
ク性の向上をはかる樹脂組成物に関わり、特に耐半田ク
ラック性を要求される表面実装型の半導体装置を封止す
るのに適したエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子部品、半導体等の分野
で耐熱性、耐クラック性の優れた樹脂組成物が求められ
ている。例えば、電気・電子部品、とりわけ半導体の分
野では、これを使用する機器、装置の小型化、薄型化に
ともなって部品を取り付ける配線基板への実装密度が高
くなる傾向にあり、また、部品そのものも多機能化の傾
向にある。これを封止する材料には、配線基板への半田
付け工程における高温半田に対して、耐熱性に優れた樹
脂組成物の開発が強く望まれている。
【0003】従来、このような用途に対する樹脂組成
物、いわゆる半導体封止用樹脂組成物としては、O-クレ
ゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂に代表されるエポキシ
樹脂、その硬化剤としてフェノールノボラック樹脂およ
びシリカを主成分とする樹脂組成物が成形性、信頼性の
点で優れており、この分野での主流となっている(例え
ば特開昭52―86069)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂封
止型半導体装置について言えば、前述の高密度実装化の
流れにより表面実装型の半導体装置に変わりつつある。
このような表面実装型の半導体装置においては、従来の
挿入型半導体装置と違って、基板への半田付け工程で半
導体装置全体が 200℃以上の半田付け温度に曝される。
この際、封止樹脂にクラックが発生し、半導体装置の信
頼性を大幅に低下させるという問題が生じてきた(日経
エレクトロニクス、 1988年6月13日号、p114-11
8)。この半田付け時におけるクラックは、半導体装置
の保管中に吸湿した水分が 200℃以上の温度で爆発的に
膨張し、応力が発生し、これが封止樹脂の強度を超える
とクラックが発生する。この際、樹脂に加わる応力は、
近似的に次式で表される(成岡、丹羽、山田、白石、
「構造力学III」、丸善)。 σ=k・p・a2 /t2 ただしσ:樹脂に加わる応力 k:定数 p:水蒸気圧 a:ダイパッドの短辺の長さ t:ダイパッド下部の樹脂の厚み
【0005】従って、封止樹脂のガラス転移温度を高く
し水分の膨張により発生する応力に打ち勝つだけの十分
な樹脂強度をもたせることが必要である。本発明の目的
は、実装時に於ける耐半田クラック性を要求される樹脂
封止型半導体装置に適用できる、耐熱性、耐クラック性
の優れたエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、特殊な構造を
有するジグアナミン化合物を多官能エポキシ化合物の硬
化剤として使用することで、高温において高い強度を付
与することに成功し、本発明を完成するに至った。すな
わち本発明は、多官能エポキシ化合物と、その硬化剤と
してジグアナミン化合物を樹脂成分とし、これに無機充
填剤を配合してなる半導体封止用として最適なエポキシ
樹脂組成物である。より詳しくは、多官能エポキシ化合
物と一般式(1)(化3)
【0007】
【化3】 [式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
−2−イル)基の結合位置は、2,5−又は2,6−位
を示す]、及び一般式(2)(化4)
【0008】
【化4】 [式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
−2−イル)基の結合位置は、1,2−、1,3−又は
1,4−位を示す]で表されるジグアナミン類の中から
選ばれる少なくとも1種を含有するアミノ化合物と無機
充填剤を必須成分として含有する半導体封止用エポキシ
樹脂組成物である。
【0009】本発明に係わる多官能エポキシ化合物とし
ては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物が全て使用できる。このようなエポキシ化合物を
例示すると、フェノール、クレゾール、レゾルシノー
ル、ナフトール等のフェノール類、あるいはこれらをハ
ロゲン化したフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズア
ルデヒド、トルアルデヒド、グリオキザール、アルカン
ジアール等のアルデヒド類との縮合反応により得られる
反応生成物とエピクロルヒドリンとの反応により得られ
るエポキシ化合物。上記フェノール類とアラルキルアル
コール誘導体との反応物とエピクロルヒドリンとの反応
により得られるエポキシ化合物が最も好ましく使用され
るが、次に示した1分子中に2個以上の活性水素を有す
る化合物から誘導されるエポキシ化合物も使用できる。
例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾル
シン、ビスヒドロキシジフェニルエーテル、ビスヒドロ
キシビフェニル、ビスヒドロキシナフタレン、トリヒド
ロキシフェニルメタン等の多価フェノール類;エチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価ア
ルコール類;エチレンジアミン、アニリン、ビス(4−
アミノフェニル)メタン等のアミン類;アジピン酸、フ
タル酸、イソフタル酸等の多価カルボン酸類とエピクロ
ルヒドリンを反応させて得られるエポキシ化合物が挙げ
られる。これらのエポキシ化合物の1種類又は2樹類以
上の混合物が使用できる。また、前記のエポキシ化合物
は、オイル状、ゴム状のシリコーン化合物等で変性して
使用することもできる。
【0010】本発明に係わるジグアナミン類(1)にお
いて、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−
2−イル)基の結合位置は、2,5−又は2,6−位で
あるが、かかる基の立体配置は、エンド−エンド形、エ
ンド−エキソ形又はエキソ−エキソ形であり、いずれも
有用な化合物である。さらには、ジグアナミン類(1)
は、上記した結合位置、立体配置の異性体からなる群よ
り選ばれる化合物であるが、かかる群より選ばれる異な
る化合物の集合体においても、単一化合物の場合と同様
に産業上きわめて有用なものである。かかるジグアナミ
ン類(1)の具体例としては、2,5−ビス(4,6−
ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−ビシ
クロ[2,2,1]ヘプタン(エンド−エキソ形)、
2,5−ビス(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリア
ジン−2−イル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン
(エキソ−エキソ形)、2,6−ビス(4,6−ジアミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−ビシクロ
[2,2,1]ヘプタン(エンド−エンド形)、2,6
−ビス(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−
2−イル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン(エキソ
−エキソ形)等が挙げられるが、これらの化合物に限定
されるものではない。本発明に係わるジグアナミン類
(1)は、一般式(3)(化5)
【0011】
【化5】 (式中、シアノ記の結合位置は、2,5−または2,6
−位を示す)で表されるジカルボニトリル類(3)とジ
シアンジアミドとを塩基性触媒存在下にて反応せしめる
方法、ジカルボニトリル類(3)に相当するジカルボン
酸のエステルとビグアニド類とを必要により塩基性化合
物の存在下にて反応せしめる方法等により得ることがで
きる。前者の方法は、原料の入手が容易であり取扱が簡
単であること、副生物が著しく少なく高純度で初期目的
化合物が得られ、精製分離工程等製造が簡便であり、原
料ロスが著しく少なく、且つ初期目的化合物を高収率で
得ることができること等の点から、技術的、経済的に優
れ、極めて実用性のあるものである。尚、かかるジグア
ナミン類(1)の製造方法はこれらの方法に限定される
ものではない。
【0012】本発明に係わるジグアナミン類(1)の製
造方法におけるジカルボニトリル類(3)は、シアノ基
の結合位置が2,5−または2,6−位であるが、かか
る基の立体配置はエンド−エンド形、エンド−エキソ形
またはエキソ−エキソ形であり、いずれも有用である。
また、かかるジカルボニトリル類(3)は、上記した結
合位置、立体配置の異性体からなる群より選ばれる化合
物であるが、かかる群より選ばれる異なる化合物の集合
体においても、単一化合物の場合と同様に有用である。
【0013】上記したジカルボニトリル類(3)は、例
えば、米国特許第2666748号等に開示されている
如く、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−5−エン−2−
カルボニトリルとシアン化水素とをCo2 (CO)8
Fe(CO)5 、Ni[P(OC6 5 3 4 等の特
定の触媒存在下にて反応せしめる方法、米国特許第31
43570号等に開示されている5−(および/または
6−)シアノ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−カ
ルバルデヒドとヒドロキシルアミン類とを反応せしめる
方法、2,5−(および/または2,6−)ジクロロ−
ビシクロ[2,2,1]ヘプタンとシアノ化アルカリ金
属塩、シアノ化アルカリ土類金属塩等のシアノ化剤とを
反応せしめる方法等により得ることができるが、これら
の方法に限定されるものではない。
【0014】かかるジカルボニトリル類(3)の具体例
としては、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,5−
ジカルボニトリル(エンド−エキソ形)、ビシクロ
[2,2,1]ヘプタン−2,5−ジカルボニトリル
(エンド−エンド形)、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ン−2,6−ジカルボニトリル(エンド−エキソ形)、
ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,6−ジカルボニ
トリル(エキソ−エキソ形)等が挙げられるがこれらの
化合物に限定されるものではない。
【0015】本発明に係わるジグアナミン類(2)にお
いて、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−
2−イル)基の結合位置は、1,2−、1,3−又は
1,4−位であるが、かかる基の立体配置は、トランス
形又はシス形であり、いずれも有用な化合物である。さ
らには、かかるジグアナミン類(2)は、上記したで結
合位置、立体配置の異性体からなる群より選ばれる化合
物であるが、かかる群より選ばれる異なる化合物の集合
体においても、単一化合物の場合と同様に産業上きわめ
て有用なものである。
【0016】かかるジグアナミン類(2)の具体例とし
ては、1,2−ビス(4,6−ジアミノ−1,3,5−
トリアジン−2−イル)−シクロヘキサン(シス形)、
1,3−ビス(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリア
ジン−2−イル)−シクロヘキサン(トランス形)、
1,3−ビス(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリア
ジン−2−イル)−シクロヘキサン(シス形)、1,4
−ビス(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−
2−イル)−シクロヘキサン(トランス形)、1,4−
ビス(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2
−イル)−シクロヘキサン(シス形)等が挙げられる
が、これらの化合物に限定されるものではない。本発明
に係わるジグアナミン類(2)は、一般式(4)(化
6)
【0017】
【化6】 (式中、シアノ記の結合位置は、1,2−1,3−また
は1,4−位を示す)で表されるジカルボニトリル類
(4)とジシアンジアミドとを塩基性触媒存在下にて反
応せしめる方法、ジカルボニトリル類(4)に相当する
ジカルボン酸のエステルとビグアニド類とを必要により
塩基性化合物の存在下にて反応せしめる方法等により得
ることができる。前者の方法は、原料の入手が容易であ
り取扱が簡単であること、副生物が著しく少なく高純度
で初期目的化合物が得られ、精製分離工程等製造が簡便
であり、原料ロスが著しく少なく、且つ初期目的化合物
を高収率で得ることができること等の点から、技術的、
経済的に優れ、極めて実用性のあるものである。尚、か
かるジグアナミン類(2)の製造方法はこれらの方法に
限定されるものではない。
【0018】本発明に係わるジグアナミン類(2)の製
造方法におけるジカルボニトリル類(4)は、シアノ基
の結合位置が1,2−、1,3−または1,4−位であ
るが、かかる基の立体配置はトランス形またはシス形で
あり、いずれも有用である。また、かかるジカルボニト
リル類(4)は、上記した結合位置、立体配置の異性体
からなる群より選ばれる化合物であるが、かかる群より
選ばれる異なる化合物の集合体においても、単一化合物
の場合と同様に有用である。
【0019】上記したジカルボニトリル類(4)は、例
えば、米国特許第3496217号等に開示されている
如く、4−シアノ−シクロヘキセンとシアン化水素と
を、Ni[P(OC6 5 3 4 等の触媒存在下にて
反応せしめる方法、3−(および/または4−)シアノ
−シクロヘキサンカルバルデヒドとヒドロキシルアミン
類とを反応せしめる方法、上記したジカルボニトリル類
(4)に相当するジハロゲン化シクロヘキサンとシアノ
化アルカリ金属塩、シアノ化アルカリ土類金属塩等のシ
アノ化剤とを反応せしめる方法、上記したジカルボニト
リル類(4)に相当するジカルボン酸あるいはそれらの
ジアンモニウム塩、ジアミド、ジエステル誘導体とアン
モニアとをアルミナ触媒あるいは塩化チオニル等の脱水
剤を用いて反応せしめる方法、1−シアノ−シクロヘキ
センとシアン化水素とを苛性ソーダ等のアルカリ存在下
にて反応せしめる方法等により得ることができるが、こ
れらの方法に限定されるものではない。
【0020】かかるジカルボニトリル類(4)の具体例
としては、1,2−シクロヘキサンジカルボニトリル
(トランス形)、1,3−シクロヘキサンジカルボニト
リル(トランス形)、1,3−シクロヘキサンジカルボ
ニトリル(シス形)、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ニトリル(トランス形)、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボニトリル(シス形)等が挙げられるがこれらの化合
物に限定されるものではない。多官能エポキシ化合物の
硬化剤として、前記ジグアナミン化合物以外にも、ポリ
アミン化合物、ポリフェノール化合物、酸無水物等の公
知の硬化剤を併用してもかまわない。
【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物において、多
官能エポキシ化合物とジグアナミン類の配合割合は、多
官能エポキシ化合物のエポキシ基に対して、ジグアナミ
ン類のアミノ基の当量比が0.1〜10の範囲、好まし
くは0.5〜2.0の範囲である。本発明に係わる無機
充填剤は、無機質の粉体、例えば、溶融シリカ、結晶シ
リカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化
ケイ素、タルク、ケイ酸カルシュウム、炭酸カルシュウ
ム、マイカ、クレー、チタンホワイト等の粉体が使用で
きる。これらの中で、熱膨張率と熱伝導率の点から、溶
融シリカおよび/または結晶シリカ粉末が好ましい。さ
らに、成形時の流動性の点から球形、または球形と不定
形のシリカ粉末の混合物が好ましい。
【0022】無機充填剤の配合量は、多官能エポキシ化
合物とジグアナミン類との合計量100重量部に対し
て、100〜900重量部であることが必要であり、好
ましくは200〜600重量部である。また上記の無機
充填剤は、機械的強度、耐熱性の点から、樹脂との接着
性向上の目的でカップリング剤を併用することが好まし
く、かかるカップリング剤としては、シラン系、チタネ
ート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等
のカップリング剤が使用できる。その中でもシラン系カ
ップリング剤が好ましく、特に、反応性の官能基を有す
るシラン系カップリング剤が最も好ましい。
【0023】かかるシラン系カップリング剤の例として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等を挙げることができ、これらの1種類または2種
類以上が使用される。これらのシラン系カップリング剤
は、予め無機充填剤表面に吸着ないしは反応により固定
されていることが好ましい。
【0024】本発明において、樹脂組成物を短時間で硬
化させるにあたっては、硬化促進剤を含有させることが
望ましく、かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミ
ダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−
ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類;トリエ
タノールアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモ
ルホリン等のアミン類;トリブチルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィン、トリトリルホスフィン等の有機ホス
フィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニル
ボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレ
ート等のテトラフェニルボロン塩類;1,8−ジアザ−
ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7およびその誘導
体が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いて
も2種類以上を併用してもよい。
【0025】これら硬化促進剤の含有量は、多官能エポ
キシ化合物とジグアナミン類との合計量に対して、0.
01〜10重量%の範囲である。本発明の樹脂組成物は
前記成分の他、必要に応じて各種シリコーンオイル;脂
肪酸、脂肪酸塩、ワックスなどの離型剤;ブロム化合
物、アンチモン、リン等の難燃剤;カーボンブラック等
の着色剤等を配合し、混合・混練し、成形材料とするこ
とができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例において、組成物の性能の試験方法は
次の通りである。 ・ガラス転移温度:TMA法 ・曲げ強さ:JIS K−6911 ・VPSテスト:試験用の半導体装置を85℃、85%
の恒温恒湿槽に120時間放置した後、直ちに215℃
のフロリナート液(FC−70;住友3M(株)製)に
投入し、パッケージ樹脂にクラックの発生した半導体装
置の数を数えた。(分子はクラックの発生した半導体装
置の数、分母は試験に供した半導体装置の総数)。
【0027】参考例1 ジグアナミン類(1)の製造 温度計、撹拌機、液導入管および冷却器を装着した500m
l フラスコに、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−5−エ
ン−2−カルボニトリル297.92g (2.50モル)、 Ni[P(O
6 H5)3]4 8.77g(6.75 ミリモル) 、ZnCl2 4.80g(35.22
ミリモル) 、P(O6H5) 32.27g(0.104モル) を仕込み、窒
素ガスで十分系内を置換した後、撹拌しながら反応混合
物を65℃に保った。次に、氷冷した液状青酸 94.59g
( 3.50 モル) を、流量45〜55ml/hr にて3時間かけて
反応器に供給した後、更に1時間反応を行った。 次
に、窒素ガスにて系内を置換した後、脱イオン水を加
え、水層部を分離除去して、半固形状の油状物を得た。
この油状物を濾過後減圧蒸留し、362.20g (収率99.1%
)のビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,5−ジカ
ルボニトリルおよびビシクロ[2,2,1]ヘプタン−
2,6−ジカルボニトリルの混合物(沸点129 〜137 ℃
/1mmHg )を得た。
【0028】撹拌機、温度計、還流冷却器を装着した3
リットルフラスコに、上記の方法により得られたジカル
ボニトリルの混合物 146.2g(1.0 モル) 、ジシアンジア
ミド210.2g(2.5モル) 、苛性カリ 16.8g、メチルセロソ
ルブ 1000ml を仕込、徐々に加熱した。温度が上昇して
ゆくと反応溶液は透明になり、温度が 150℃近くになる
と急激に反応が進行し、発熱が著しく溶媒が還流した。
還流開始後しばらくすると反応溶液は濁ってきた。この
溶液を温度120〜125 ℃で撹拌しながら10時間反応を
行った。
【0029】次に、この反応混合物より脱溶剤を行った
後、3リットルの脱イオン水を注ぎ、析出した白色沈澱
を濾別し、この固形分を脱イオン水で洗浄後、メタノー
ルで洗浄し減圧乾燥した。更に、この固形分をエチルセ
ロソルブに溶解させ、この溶液に脱イオン水を加えて再
沈澱後濾別を行い、得られた固形分を水洗した。この固
形分を減圧乾燥して、2,5−ビス(4,6−ジアミノ
−1,3,5−トリアジン−2−イル)−ビシクロ
[2,2,1]ヘプタンおよび2,6−ビス(4,6−
ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−ビシ
クロ[2,2,1]ヘプタンの混合物[白色粉末状結
晶、融点 317〜324 ℃(DSC測定)]を得た。尚、こ
の反応混合物(処理前)を液体クロマトグラフィーで分
析した結果、上記したグアナミン類(1)の収率(モル
%)は98.2%[対ジカルボニトリル仕込量]であり原料
および初期目的化合物以外の化合物は0.08%[対ジカル
ボニトリル仕込量]であった。該目的物の元素分析、 1
H核磁気共鳴吸収スペクトル分析結果を下記に示す。 元素分析 C H N 測定値: 49.7 % 5.8 % 44.5 % 計算値: 49.67 % 5.77 % 44.56 %1 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析(内部標準物質:TMS
、溶媒:d6-DMSO) NH2基にもとづく吸収 δ値 6.50ppm (シング
レット) 6.72ppm (シングレット)
【0030】参考例2 ジグアナミン類(2−1)の製造 温度計、撹拌機、ガス導入管および冷却器を装着した50
0ml フラスコに、4−シアノ−シクロヘキセン 188.6g
、Ni[P(O6 H5)3]4 6.0g、ZnCl2 3.0g 、PO6 H 5) 23.9
g を仕込み、窒素ガスで十分系内を置換した後、撹拌し
ながら反応混合物を75℃に保った。次に、窒素希釈され
た42モル%の青酸ガスを 177.0ミリモル/時間の速度
で反応器に7時間供給した。次に、窒素ガスにて系内を
置換した後、反応液を冷却し分析した結果、収率64.9%
のジカルボニトリルを得た。
【0031】この反応液に水および酢酸エチルを各々 5
00g 加え、撹拌後、5時間放置させた後、有機層を分離
し、酢酸エチルを蒸発留去させた。次に、減圧蒸留を行
い、圧力 0.5〜1.0mmHg 、温度 120〜 130℃の留分とし
て、132.0gの1,3−シクロヘキサンジカルボニトリル
および1,4−シクロヘキサンジカルボニトリルの混合
物を得た。尚、この留分を分析した結果、1,3−シク
ロヘキサンジカルボニトリル 64.4%、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボニトリル 35.6%の組成であった。撹
拌機、温度計、還流冷却器を装着した3リットルフラス
コに、上記の方法により得られたジカルボニトリルの混
合物 134.2g( 1.0モル) 、ジシアンジアミド 210.2g(
2.5モル) 、苛性カリ 15.8g、メチルセロソルブ 1000ml
を仕込、徐々に加熱した。温度が上昇してゆくと反応
溶液は透明になり、温度が 150℃近くになると急激に反
応が進行し、発熱が著しく溶媒が還流した。還流開始後
しばらくすると反応溶液は濁ってきた。この溶液を温度
120 〜 125℃で撹拌しながら10時間反応を行った。
【0032】次に、この反応混合物より脱溶剤を行った
後、3リットルの脱イオン水を注ぎ、析出した白色沈澱
を濾別し、この固形分を脱イオン水で洗浄後、メタノー
ルで洗浄し減圧乾燥した。更に、この固形分をエチルセ
ロソルブに溶解させ、この溶液に脱イオン水を加えて再
沈澱後濾別を行い、得られた固形分を水洗した。この固
形分を減圧乾燥して、1,3−ビス(4,6−ジアミノ
−1,3,5−トリアジン−2−イル)−シクロヘキサ
ンおよび1,4−ビス(4,6−ジアミノ−1,3,5
−トリアジン−2−イル)−シクロヘキサンの混合物
[白色粉末状結晶、融点 317〜 321℃(DSC測定)]
を得た。尚、この反応混合物(処理前)を液体クロマト
グラフィーで分析した結果、上記したグアナミン類
(2)の収率(モル%)は97.3%[対ジカルボニトリル
仕込量]であり原料および初期目的化合物以外の化合物
は0.12%[対ジカルボニトリル仕込量]であった。該目
的物の元素分析、 1H核磁気共鳴吸収スペクトル分析結
果を下記に示す。 元素分析 C H N 測定値: 47.6 % 6.1 % 46.3 % 計算値: 47.67 % 6.00 % 46.33 %1 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析(内部標準物質:TMS
、溶媒:d6-DMSO ) NH2基にもとづく吸収 δ値 6.49ppm (シング
レット)
【0033】参考例3 ジグアナミン類(2−2)の製造 参考例2におけるジカルボニトリルの混合物 134.2g(
1.0モル) の代わりに1,4−シクロヘキサンジカルボ
ニトリル 147.6g( 1.1モル) を用いる以外は参考例2と
同様の手順で反応を行い、反応混合物の処理を行った。
この得られた固形分を減圧乾燥して、1,4−ビス
(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イ
ル)−シクロヘキサン[白色粉末状結晶、融点 319〜 3
22℃(DSC測定)]を得た。尚、この反応混合物(処
理前)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、上記
したグアナミン類(2)の収率(モル%)は95.8%[対
ジカルボニトリル仕込量]であった。該目的物の赤外線
吸収スペクトルには、原料化合物の有するニトリルの吸
収(2237cm-1)が消失し、新たにトリアジン環の吸収
(821cm -1)が現れ、元素分析の測定値は下記の通り計
算値とよく一致した。 元素分析 C H N 測定値: 47.7 % 6.1 % 46.2 % 計算値: 47.67 % 6.00 % 46.33 %1 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析(内部標準物質:TMS
、溶媒:d6-DMSO ) NH2基にもとづく吸収 δ値 6.50ppm (シング
レット)
【0034】実施例1〜4および比較例1 第1表に示す組成(重量部)の配合物をヘンシェルミキ
サーで混合し、さらに80 〜 100℃の熱ロールにて3分
間溶融・混練した。この混合物を冷却、粉砕し、打錠し
て成形用樹脂組成物を得た。
【0035】なお、第1表中で使用した原料で、参考例
以外の物は、次のものを使用した。 ・エポキシ化合物(1);o−クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂(EOCN-1020 、日本化薬(株)製) ・エポキシ化合物(2);臭素化フェノールノボラック
型エポキシ樹脂(BREN-S、日本化薬(株)製) ・フェノール化合物;ノボラック型フェノール樹脂(PN
-80 、日本化薬(株)製) ・無機充填剤;球形溶融シリカ(FB−20S、電気化
学工業(株)製) ・シランカップリング剤;3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン(A-187 、日本ユニカー(株)製)
【0036】以上のようにして得られた成形用樹脂組成
物を用いてトランスファー成形(180℃、30kg/cm2、3
分間)により、物性測定用の試験片を成形した。また、
フラットパッケージ型半導体装置用リードフレームの素
子搭載部に、試験用素子(10mm×10mm角)を搭載した後
トランスファー成形(180 ℃、30kg/cm2、3分間)によ
り、試験用半導体装置を得た。これらの試験用成形物
は、各試験を行う前に、180 ℃で6時間、後硬化を行っ
た。試験結果を第1表に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】実施例および比較例にて説明したごと
く、本発明によるエポキシ樹脂組成物は、ガラス転移温
度が高く、高温における強度が高いので、リフロー半田
付け方法が適用される表面実装型の半導体装置を封止し
た場合、優れた耐半田クラック性を示し、信頼性の高い
樹脂封止型半導体装置を得ることができ、工業的に有益
な発明である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多官能エポキシ化合物と、一般式(1)
    (化1) 【化1】 [式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
    −2−イル)基の結合位置は、2,5−又は2,6−位
    を示す]、及び一般式(2)(化2) 【化2】 [式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
    −2−イル)基の結合位置は、1,2−、1,3−又は
    1,4−位を示す]で表されるジグアナミン類の中から
    選ばれる少なくとも1種を含有するアミノ化合物と無機
    充填剤を必須成分として含有する事を特徴とする半導体
    封止用エポキシ樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016009730A1 (ja) * 2014-07-16 2016-01-21 住友ベークライト株式会社 封止用樹脂組成物及び半導体装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016009730A1 (ja) * 2014-07-16 2016-01-21 住友ベークライト株式会社 封止用樹脂組成物及び半導体装置
JP2016020464A (ja) * 2014-07-16 2016-02-04 住友ベークライト株式会社 封止用樹脂組成物及び半導体装置

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