JPH0632096Y2 - 噴流ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、家庭において、噴流マッサージを行うための
噴流ノズルに関するものである。

〔従来の技術〕

従来の業務用噴流マッサージ装置は、浴槽の内壁面にジ
ェット噴流の噴出孔を設け、浴槽外に設置したポンプに
よって供給した湯水に空気を混合して供給し、ジェット
噴流を噴出孔から浴中に向けて噴出するものであった。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、浴槽の内壁面に直接設けられた噴出孔か
らジェット噴流を噴出する形式のものにあっては、浴中
に噴出する噴出方向に定まってしまい、身体の好みの部
分をマッサージすることができないという不便があっ
た。

このような不便を解消するものとして、本考案者はジェ
ット噴出部を手に持って、あるいは吸盤等を利用して浴
槽内壁面の適宜の位置に付けることにより、ジェット噴
流を身体の好みの部分に向けて噴出することができるノ
ズルをさきに開発したが、噴流マッサージが終了したと
きに、ポンプを直接停止させるよりは手元で噴流を停止
できれば便利であり、また、浴中マッサージを楽しむた
めには、ジェット噴流によるマッサージだけでなく他の
形式のマッサージを行うことができればよいことに着目
した。

本考案は、上記観点に立って考案したものであり、その
目的は、手元でジェット噴流の発生停止操作を行うこと
ができるようにすると共に、ジェット噴流によるマッサ
ージとシャワー噴流によるマッサージを好みに応じて手
元で選択することができ、その上、噴出方向を自在に可
変調整して流勢の衰えのないジェット噴流によるマッサ
ージを行うことができる噴流ノズルを提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は次のような手段を
採用している。すなわち、本考案は、ノズル本体を揚水
ポンプと分離させて形成し、湯水の噴出面にジェット噴
出孔とシャワー噴出孔を分けて形成し、ノズル本体内に
は湯水供給流路をジェット噴出孔に通じる第１の流路と
シャワー噴出孔に通じる第２の流路とに分岐して区画形
成するとともに、前記第１の流路と第２の流路とに流路
を選択的に切り換える手動の流路切り換え手段を設け、
前記第１の流路の出側は椀形状をした椀状ノズルを被せ
た形態で覆って内部に気液混合室を形成し、この気液混
合室には空気導入用の空気通路を開口し、椀状ノズルは
前記気液混合室を形成する椀状凹壁と、この椀状凹壁の
底部に形成したジェット噴出孔を設けたもので構成し、
前記椀状凹壁を気密、かつ、摺動自在に支持して椀状ノ
ズルを回動自在とした構成をもって課題を解決する手段
としている。

［作用］ 手動の流路切り換え手段を操作して、前記第１の流路を
ポンプ側に切り換えると、揚水ポンプにより汲み上げら
れた湯水は第１の流路を通ってジェット噴出孔に導か
れ、空気と混合して該ジェット噴出孔からジェット噴流
となって噴出する。切り換え手段を逆方向に手動操作
し、湯水を第２の流路に導くと、湯水は第２の流路を通
ってシャワー噴出孔に導かれ、空気と混合することなし
に該シャワー噴出孔からシャワーとなって噴出される。

また、切り換え手段をニュートラル位置に操作し、上記
湯水の流路を閉鎖すると、ジェット噴流もシャワー停止
する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１〜第３図に示すノズル本体１のノズル枠体２の背面
側にはバルブ収容室３が隔壁４ａ，４ｂを設けて形成さ
れている。この隔壁４ａとノズル枠体２の外周壁との間
には通路空間５が形成されており、また、隔壁４ａには
同空間５と収容室３とを連通させる弁孔６が穿設されて
いる。バルブ収容室３内には球面状の手動切り換えバル
ブ７が位置決めパッキン８と、位置決めとシールとを兼
ねるシールパッキン10とによって保持されて収容されて
いる。この切り換えバルブ７は内部にＬ形状の切り換え
通路９を有しており、また、同バルブの回転中心線方向
の両側には軸部12,13が突設されている。軸部12側には
切り換えレバー14の回動軸15の一端側が嵌合固定され、
その回動軸15の他端側はノズル枠体２の側壁16にあけた
軸孔17を貫通してノズル枠体外に突出し、その突出先端
部にはレバー部18が設けられている。なお、軸孔17の周
面と回動軸15との間にはパッキン20を設けられ、両者1
7,15は気密的に嵌合されている。

軸部13側にはパッキン21を介して保持筒22の一端側が嵌
め込まれている。前記保持筒22収容室の基端側内面には
中心孔23を有する栓体24の鍔部が嵌合固定されており、
この栓体24の中心孔23には前記保持筒22の他端側が嵌め
込まれている。栓体24には接続筒部19が形成されてお
り、この筒部19には図示しないポンプの吐出口に通じる
ホース25が接続されている。また、ノズル枠体２には把
持ケース26の一端側が嵌合されており、同ケース26の他
端側はゴム製スリーブ27を介してホース25を保持してい
る。このホース25の通路は栓体24の中心孔23と保持筒22
の筒孔22aとを介して前記切り換えバルブ７の切り換え
通路９に通じている。28は空気をノズル枠体２内に導入
する空気導入ホースである。

ノズル枠体２の内部には第１の隔壁30と第２の隔壁31が
ケース後枠部32と表面縁枠部33とによって保持されて収
容されている。ケース後枠部32と第１の隔壁30との間に
は湯水流入室34が形成され、また、両隔壁30,31間には
羽根車収容室35が形成されている。この羽根車収容室35
と湯水流入室34とは通路36,37を介して通じている。湯
水流入室34のケース後枠部32側の壁部には透孔38が形成
され、この透孔38を介して通路空間５と湯水流入室34と
は連通している。

また、羽根車収容室35の前壁面には第４図に示すように
ほぼ円周３等分位置に数個ないし10数個のシャワー噴出
孔40からなるシャワー噴出孔群41a,41b,41cが形成され
ている。前記羽根車収容室35の内部には羽根車42が回転
自在に収容されている。この羽根車42回転軸部から円周
３等分位置に３枚の羽根43を突設させたものであり、そ
のうち２枚の羽根43の基端側には対向するシャワー噴出
孔群41a,41b,41cを覆うのに十分な面積を有する遮蔽板4
4が連結されている。

前記第１の隔壁30の中央部には流通路45が穿設されてお
り、該流通路45の前方の出側は開放空間46となってい
る。前記第１の隔壁30の前端面側には流通路45を囲む支
持筒47の基端側が嵌合固定されており、同支持筒47の先
端側にはゴム製の第１の支持パッキン48が固定されてい
る。また、第２の隔壁31からは前記第１の支持パッキン
48の近傍に腕部50が突設されており、この腕部50には第
２のゴム製支持パッキン51が固定されている。

また、前記開放空間46内には椀状のノズル52が配設され
ている。この椀状のノズル52の湾曲した椀状凹壁の周壁
は前記第１および第２の支持パッキン48,51に気密に、
かつ、摺動自在に挟まれて支持され、流通路45の出側部
分の開放空間、つまり、第１の隔壁30の中央部は椀状ノ
ズル52を被せた形態で覆われて、内部に気液混合室53が
形成されており、また、バルブノズル52の椀状の底部54
の中心部にはジェット噴出孔55が形成されている。

前記第１の隔壁30には前記空気導入ホース28に通じる空
気通路56が形成されており、この空気通路56を介して空
気導入ホース28からの空気は気液混合室53に導かれるよ
うになっている。

上記噴流ノズルにおいて、ホース25から中心孔23、筒孔
22aを通って切り換えバルブ７に至る通路は湯水の主流
路となり、また、流通路45と気液混合室53を通ってジェ
ット噴出孔55に至る通路は第１の流路を構成し、弁孔
６、通路空間５、透孔38、湯水流入室34を順に通って羽
根車収容室35に至る通路は第２の流路を構成しており、
第１の流路と第２の流路は区画されている。切り換えバ
ルブ７と切り換えレバー14は主流路を経て供給される湯
水を第１の流路と第２の流路に切り換える手動切り換え
手段を構成している。

次に上記第１実施例の作用を説明する。

図示しない揚水ポンプによって供給される湯水はホース
25を通ってノズル本体１の保持筒22の筒孔22aに入る。
このとき、切り換えレバー14を手動操作しジェット噴出
流位置にすると、第１図に示すように、切り換え通路９
の入口側は筒孔22aに接続し、同通路９の出口側は流通
路45に接続するから、湯水は切り換え通路９から流通路
45を通って気液混合室53に入り、このとき、空気通路56
に導入されている空気はエゼクタ効果によって気液混合
室53に吸引されるので、同室53で湯水と空気とが混合
し、この混合液がジェット噴流となってジェット噴出孔
55から噴出する。このジェット噴流の噴出方向は椀状ノ
ズル52を回動することにより自在に変化し、好みの方向
に調整できる。

次に、切り換えレバー14をシャワー噴出流位置に合わせ
ると、第２図に示すように、流通路45の入口側は切り換
えバルブ11によって閉じられる。その一方において、切
り換え通路９の出口側は弁孔６に接続されるから、揚水
ポンプによって供給される湯水は弁孔６、通路空間５、
透孔38、湯水流入室34、通路36,37を順に通って羽根車
収容室35に噴射する。この噴射湯水を羽根43が受けて羽
根車42が回転し、この羽根車42の回転に連動して遮蔽板
44が回転する。シャワー孔群41b,41cが遮蔽板44によっ
て閉鎖されているときには、開放されているシャワー孔
群41aからシャワーが噴出されるが、羽根車42が回転し
て行くと、シャワー孔群41a,41cが閉じられ、シャワー
孔群41bからシャワー噴流が噴出するので、シャワー孔
群41a,41b,41cから間欠的なシャワー噴流（以下、間欠
シャワー噴流という）が順次噴出する。

次に、切り換えレバー14をニュートラル位置にすると、
切り換え通路９の出口は第２図の想像線で示すように、
弁孔６と流通路45にわずかに通じているにすぎないほと
んど閉鎖の状態であるから、ポンプによって供給される
湯水は隔壁４ａとシールパッキン10とによってほとんど
止められ、微小な隙間を通って弁孔６および流通路45に
入り込むわずかの湯水だけがシャワー噴出孔40とジェッ
ト噴出孔55から垂れ落ちるにすぎない。

このニュートラル位置はシャワー噴出孔40とジェット噴
出孔55のいずれからも湯水が出ない位置であるので、例
えば、弁孔６の反対側の壁面、つまり、隔壁４ｂ側に切
り換え通路９の出口を対向させるようにすれば、湯水の
出口はパッキン８，10によって完全に閉鎖され、シャワ
ー噴出孔40とジェット噴出孔55からは全く湯水が出ない
状態になる。

前記本考案の噴流ノズルは、例えば第５図に示すよう
に、浴槽57の内壁面に吸盤58を利用して湯水に浸漬した
位置に吸着固定したホルダ60に装着して使用するか、あ
るいは、ノズル本体１の背面側に吸盤を設け、噴流ノズ
ルを直接浴槽内壁面に吸着固定して使用するものである
が、ノズル本体１を浴槽内壁面に固定しないで、該噴流
ノズルを手に持って使用することもできる。前記間欠シ
ャワー噴流によりマッサージを行う場合には、噴流圧が
小さくなるので、ノズル本体１を湯水面から外に出して
使用する。

ジェット噴流の場合でも間欠シャワー噴流の場合でも、
噴流面を好みの部位、例えば、肩や首筋に向けて当てれ
ば良い。このジェット噴流によるマッサージと間欠シャ
ワー噴流によるマッサージとを併用することにより、刺
激の異なるマッサージを行うことが可能となり、マッサ
ージ効果を更に高めることができる。

第６図は本考案の第２実施例を示したもので、この実施
例は、ノズル本体１の把持ケース26の部分に切り換えレ
バー14が設けられている。すなわち、把持ケース26の内
部には、ホース25に通じる主流路と、この主流路から分
岐する第１の流路61と第２の流路62とを設け、この分岐
部分に切り換え手段としての切り換えバルブ７を設け
る。この実施例は前記第１実施例と同様に、この切り換
えバルブ７に切り換えレバー14が連結され、この切り換
えレバー14の操作により主流路からの湯水を第１の流路
61と第２の流路62に選択的に切り換えることができる。
この第１の流路61は前記第１実施例と同様に、流通路45
側に通じ、また、第２の流路26は羽根車収容室35側に通
じており、したがって、前記切り換えレバー14の手動操
作により基幹流路の湯水を第１の通路に切り換えれば、
ジェット噴出孔55からジェット噴流が噴出し、第２の流
路62側に切り換えれば、シャワー噴出孔40から間欠シャ
ワー噴流が噴出する。このように、この第２実施例によ
っても、前記第１実施例の噴流ノズルと同様に、切り換
えレバー14の手動操作により好みの噴流を選択でき、異
なる刺激のマッサージを行うことができる。

本考案は上記各実施例に限定されることはなく様々な実
施の態様を採り得るもので、上記各実施例では、流路の
切り換え動作をレバー操作によって行っているが、この
流路の切り換え手段として、例えば、ピストンの摺動動
作により流路を切り換えることも可能である。

〔考案の効果〕

本考案はノズル本体に設けた湯水の流路を手動的な切り
換え手段により切り換えうるようにしたものであるか
ら、ジェット噴流の断続や、ジェット噴流とシャワー噴
流との切り換え手元で行うことが可能となり、噴流マッ
サージを行う上で非常に便利である。また、ジェット噴
出孔に通じる第１の流路の出側に気液混合室を設け、こ
の気液混合室内で湯水と空気通路から導入される空気と
を混合するようにしており、この気液混合室は椀状ノズ
ルを被せた内部空間によって形成されるものであるから
噴流ノズルの装置が小型化されても椀状壁面が凹壁とな
っている分、気液混合室の空間容積を大きくすることが
できる。

そのため、気液混合室に空気通路から導入される空気を
多量に保有することができるとともに、この気液混合室
に保有される多量の空気を噴流湯水に導入することがで
きる。したがって、この空気量の多いジェット噴流を浴
槽内湯水中に噴出させることにより、浴槽内湯水から受
ける抵抗を小さくすることができ、強い噴出圧でもって
浴中マッサージを行うことができる。

しかも、気液混合室を覆う椀状ノズルはその内壁面ジェ
ット噴出孔側を底部として抉られた格好の凹面となるの
で、ジェット噴出孔の管路長を短くすることができ、こ
れにより管路抵抗を小さくできる結果、噴出流湯水の流
勢の衰えを防止でき、前記空気量の多いジェット噴流が
得られることと相俟ってより強いマッサージ圧力が得ら
れ、マッサージ効果を格段に高めることができる。

さらに、椀状ノズルの内周壁自体が気液混合室の壁面と
して機能するので、気液混合室を作製するための別途の
壁面部材を設ける必要がなく、その分、噴流ノズルの小
型、かつ、薄型化を図ることができる。

さらに、噴流を噴出するノズルを椀状ノズルとしたこと
により湯水流入口が大きくなり、該椀状ノズルを回動し
て噴出方向を可変調整する際、大きい角度範囲で椀状ノ
ズルを回動しても、同ノズルの湯水流入口が閉鎖される
ことがなく、これにより、噴流噴出方向の調整角度範囲
が広くなり、使い勝手上優れたものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る噴流ノズルの第１実施例を示す縦
断側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は縦
断背面図、第４図は噴出面の正面図、第５図は使用状態
図、第６図は本考案の第２実施例を示す背面図である。 １……ノズル本体、７……切り換えバルブ、14……切り
換えレバー、40……シャワー噴出孔、55……ジェット噴
出孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】揚水ポンプと分離させて形成したノズルで
   あって、湯水の噴出面にはジェット噴出孔とシャワー噴
   出孔を分けて形成し、ノズル本体内には湯水供給流路を
   ジェット噴出孔に通じる第１の流路とジェット噴出孔に
   通じる第２の流路とに分岐して区画形成するとともに、
   前記第１の流路と第２の流路とに流路を選択的に切り換
   える手動の流路切り換え手段を設け、前記第１の流路の
   出側は椀形状をした椀状ノズルを被せた形態で覆って内
   部に気液混合室を形成し、この気液混合室には空気導入
   用の空気通路を開口し、椀状ノズルは前記気液混合室を
   形成する椀状凹壁と、この椀状凹壁の底部に形成したジ
   ェット噴出孔を設けたもので構成し、前記椀状凹壁を気
   密、かつ、摺動自在に支持して椀状ノズルを回動自在と
   した噴流ノズル。