JPH0632093A - 直液式筆記具 - Google Patents

直液式筆記具

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JPH0632093A
JPH0632093A JP21549292A JP21549292A JPH0632093A JP H0632093 A JPH0632093 A JP H0632093A JP 21549292 A JP21549292 A JP 21549292A JP 21549292 A JP21549292 A JP 21549292A JP H0632093 A JPH0632093 A JP H0632093A
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groove
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Takao Inaba
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インキ調節部材5のインキがインキ貯留部2へ
導出中に、空気がインキ貯留部2に侵入することを防止
する。 【構成】連通溝6の少なくとも一部に、インキ誘導溝5
3より小さい溝幅の箇所を設ける。あるいは、連通溝6
の横断面開口量をインキ誘導溝53より小さくする。こ
れにより、連通溝6の毛細管力を強めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直液式筆記具に関する。
さらに詳細には、多数の櫛歯を適宜間隔に並設してイン
キ保留溝を形成すると共に、前記インキ保留溝と連通す
るスリット状のインキ誘導溝を軸方向に設け、さらに前
記インキ誘導溝に接続し且つインキ貯留部側に開口する
連通溝を後部に設けてなるインキ調節部材を、筆記先端
とインキ貯留部との間に配置してなる直液式筆記具に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の直液式筆記具において、
インキ調節部材の連通溝は、インキ貯留部とインキ調節
部材との間で、インキ貯留部の内圧変化に伴う溢出イン
キを出入りさせるための、インキ導入及び導出孔として
機能すると同時に、インキ貯留部の減圧時、該インキ貯
留部に空気を取り入れるための空気交替孔としての機能
を兼ね備えている。
【0003】一般に、前記連通溝は、スリット状のイン
キ誘導溝と連続して設けられ、該インキ誘導溝と同寸法
の溝幅に設定されている(例えば、実公平3−3158
1号公報等)。
【0004】また、インキ貯留部内が減圧時、インキ調
節部材のインキ保留溝内の全てのインキがインキ貯留部
に戻るまで、インキ貯留部への空気侵入を阻止する目的
で、インキ調節部材の後端部にリング状部材等を取り付
けることによって前記連通溝の溝長さを小にして該連通
溝の毛細管力を強めてなる構成が知られている(例え
ば、実開平2−78383号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記実公平
3−31581号公報の直液式筆記具にあっては、連通
溝は、インキ誘導溝がインキ調節部材後端まで延設され
てインキ貯留部側に開口されてなる構成であり、インキ
誘導溝と同寸法の溝幅であるため、インキ貯留部減圧時
のインキ貯留部への空気侵入の抵抗力、即ち該連通溝内
にインキを保持させるための毛細管力がまだ不十分であ
るため、インキ保留部にインキを残留させたまま空気交
替させがちであり、次第にインキ保留部内のインキを増
加させ、インキ調節部材前部よりインキを漏出させる恐
れがあった。
【0006】また、実開平2−78383号公報の直液
式筆記具にあっては、確かに、溝長さを小にさせること
によって連通溝の毛細管力をある程度強めることができ
るが、毛細管力は、溝長さよりも溝幅によって大きく変
化するものであるため、溝長さを小にしても毛細管力を
強める効果は小さかった。また、前記構成ではリング状
部材等の別部材の取り付けを必要とし、構造を複雑にし
ていた。
【0007】本発明は、前記従来の問題点を解決するた
めのものであって、インキ貯留部減圧時、インキ調節部
材からインキ貯留部へインキを戻す場合、インキ調節部
材のインキを空気に優先してインキ貯留部に戻すことが
でき、即ちインキ調節部材にインキを残留させたまま空
気交替させず、しかもインキ保留溝に該残留インキで溢
れさせることがない。その結果、インキ調節部材前部よ
りインキを漏出させる恐れのない直液式筆記具を提供し
ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、多数の櫛
歯51を適宜間隔に並設してインキ保留溝52を形成す
ると共に、前記インキ保留溝52と連通するスリット状
のインキ誘導溝53を軸方向に設け、さらに前記インキ
誘導溝53に接続し且つインキ貯留部2側に開口する連
通溝6を後部に設けてなるインキ調節部材5を、筆記先
端8とインキ貯留部2との間に配置してなる直液式筆記
具であって、溝幅がインキ誘導溝53の溝幅より小であ
る箇所を、前記連通溝6の少なくとも一部に設けてなる
ことを要旨とする。
【0009】さらに、第2の発明は、後部に鍔部54が
形成され、該鍔部54に連通溝6が貫設されてなるイン
キ調節部材5を軸筒3前部に密嵌させた際、前記軸筒3
内壁による前記鍔部54の径方向の挟圧によって前記連
通溝6の横断面開口量がインキ誘導溝53の横断面開口
量より小に形成されてなることを要旨とする。
【0010】第1の発明において、連通溝6は、インキ
貯留部2側に開口していればよく、例えばインキ調節部
材5の後端面より開口されるタイプ(図2)や、インキ
貯留部2に連通するインキ調節部材5の中心孔55に開
口されるタイプ(図8)等、種々のタイプが有効であ
る。また、連通溝6の、インキ誘導溝53より溝幅が小
である箇所は、前部、後部或いは中間部等の連通溝6の
一部(図5、図9)に限らず、連通溝6の全領域の溝幅
を小にする構成(図6、図7)であってもよい。
【0011】第2の発明において、連通溝6は、インキ
調節部材5を軸筒2前部に装着した後において、連通溝
6の横断面開口量がインキ誘導溝53の横断面開口量よ
り小であればよく、装着前の、連通溝6とインキ誘導溝
53の横断面開口量の大小関係は問わない。
【0012】尚、 第1及び第2の発明において、イン
キ貯留部2は、軸筒3に一体的に形成されるタイプや、
インキ調節部材5後端にカートリッジ容器4が装着され
るタイプのもの等、適宜採用される。
【0013】
【作用】連通溝6は、インキ誘導溝53よりも溝幅又は
横断面開口量を小さくしたので、インキ誘導溝53より
強い毛細管力を有することができる。前記毛細管力によ
って連通溝6内にインキを確実に保持し、該保持インキ
によって障壁を構成するため、インキ貯留部2減圧時、
インキ調節部材5からインキ貯留部2へインキが戻され
る場合、インキ調節部材5の全てのインキがインキ貯留
部2へ戻される以前に、空気がインキ貯留部2に取り込
まれることを阻止する。
【0014】
【実施例】本発明実施例を図面に従って説明する。
【0015】第1実施例を、図1乃至図5に示す。軸筒
3後部にはインキ貯留部2が形成され、軸筒3前部には
インキ調節部材5が装着されてなる。
【0016】前記インキ調節部材5は、外周面に多数の
櫛歯51が形成され、該櫛歯51によってインキ保留溝
52が構成される。さらに、前記櫛歯51には、スリッ
ト状のインキ誘導溝53が軸方向に設けられると共に、
該インキ誘導溝53の対向位置に空気交替溝56が形成
される。また、前記インキ調節部材5には、中心孔55
が貫設され、該中心孔55にインキ誘導芯7が装着され
る。インキ調節部材5の前部には、筆記先端8としてボ
ールペンチップが固着されると同時に、前記インキ誘導
芯7と接続されてインキ貯留部2からインキが導出可能
となる。
【0017】連通溝6は、前記インキ誘導溝53に連続
してインキ調節部材5後端の鍔部54に貫設され、イン
キ貯留部2側に開口されている。連通溝6の中間部に
は、両側壁面に凸部61が対向して形成され、溝幅をイ
ンキ誘導溝53より小さくしている。
【0018】第2実施例を、図6及び図7に示す。連通
溝6は、第1実施例同様、前記インキ誘導溝53に連続
してインキ調節部材5後端の鍔部54に貫設され、イン
キ調節部材5後端面に開口されている。前記連通溝6
は、インキ調節部材5後端面からインキ誘導溝53後端
に到達するスリット全領域において、インキ誘導溝53
よりも溝幅が小さく形成されている。
【0019】第3実施例を図8に示す。連通溝6は、イ
ンキ調節部材5のインキ貯留部2と連通する中心孔55
に開口している。前記連通溝6を有する鍔部54の前方
は、インキ誘導溝53よりも溝幅が小さく形成されてい
る。
【0020】また、前記インキ調節部材5は、後端に突
出部57が設けられ、該突出部57にカートリッジ容器
4が挿着されると同時に開栓され、インキ貯留部2が接
続される。
【0021】第4実施例を図9に示す。本実施例は第1
実施例の変形例であって、連通溝6後部の壁面の片側の
みに凸部が形成されることによって、インキ誘導溝53
より溝幅の小さい箇所が構成されている。
【0022】第5実施例を図10に示す。本実施例は第
2実施例の変形例であって、鍔部54に貫設の連通溝6
の全領域を溝幅小に構成して毛細管力を強めると共に、
該連通溝6の後部の径方向スリット深さを浅く形成して
より一層、連通溝6の毛細管力を強めることができる。
【0023】第6実施例を、図11乃至図14に示す。
インキ調節部材5は、多数の櫛歯51によってインキ保
留溝52が形成されると共に、後端の鍔部54にインキ
誘導溝53と同形状且つ同寸法の溝幅のスリット状の連
通溝6が設けられている。組立前のインキ調節部材5単
体では、前記連通溝6は、軸心から径方向外方に向かっ
て幅広となるテーパ形状であり、前記鍔部54に軸方向
に貫設されると同時に、径方向外周面にも開口されてい
る(図11、図12)。
【0024】前記インキ調節部材5を軸筒3前部に装着
すると、前記鍔部54のみが軸筒3内壁の縮径部31に
密嵌され、径方向内方に挟圧される。そのため、前記連
通溝6の外周側の溝幅が小さく変形され、即ち、横断面
開口量が小にされる(図13、図14)。このことによ
り、連通溝6の毛細管力をインキ誘導溝53の毛細管力
よりもさらに強くすることができる。
【0025】また、本実施例では、組立前より予め、第
1乃至第3実施例のインキ調節部材5の如く、連通溝6
の溝幅がインキ誘導溝53よりも小さく形成されていて
もよく、この場合、より効果的に連通溝6の毛細管力を
強めることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明は、前記構成により、インキ貯留
部減圧時、インキ貯留部への空気侵入が抑制され、イン
キ調節部材のインキを空気に優先してインキ貯留部に戻
すことができ、インキ調節部材にインキを残留させな
い。その結果、インキ調節部材前部よりインキを漏出さ
せる恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】第1実施例を示す要部拡大縦断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】第1実施例のインキ調節部材の要部平面図であ
る。
【図6】第2実施例のインキ調節部材の要部縦断面図で
ある。
【図7】第2実施例のインキ調節部材の要部平面図であ
る。
【図8】第3実施例を示す要部拡大縦断面図である。
【図9】第4実施例のインキ調節部材の要部平面図であ
る。
【図10】第5実施例のインキ調節部材の要部縦断面図
である。
【図11】第4実施例のインキ調節部材の要部縦断面図
である。
【図12】図9のC−C線断面図である。
【図13】第4実施例のインキ調節部材の軸筒装着後の
要部縦断面図である。
【図14】図11のD−D線断面図である。
【符号の説明】
1 直液式筆記具 2 インキ貯留部 3 軸筒 31 縮径部 4 カートリッジ容器 5 インキ調節部材 51 櫛歯 52 インキ保留溝 53 インキ誘導溝 54 鍔部 55 中心孔 56 空気交替溝 57 突出部 6 連通溝 61 凸部 7 インキ誘導芯 8 筆記先端

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の櫛歯を適宜間隔に並設してインキ
    保留溝を形成すると共に、前記インキ保留溝と連通する
    スリット状のインキ誘導溝を軸方向に設け、さらに前記
    インキ誘導溝に接続し且つインキ貯留部側に開口する連
    通溝を後部に設けてなるインキ調節部材を、筆記先端と
    インキ貯留部との間に配置してなる直液式筆記具におい
    て、 溝幅がインキ誘導溝53の溝幅より小である箇所を、前
    記連通溝6の少なくとも一部に設けてなることを特徴と
    する直液式筆記具1。
  2. 【請求項2】 多数の櫛歯を適宜間隔に並設してインキ
    保留溝を形成すると共に、前記インキ保留溝と連通する
    スリット状のインキ誘導溝を軸方向に設け、さらに前記
    インキ誘導溝に接続し且つインキ貯留部側に開口する連
    通溝を後部に設けたインキ調節部材を軸筒前部に装着
    し、軸筒後部にはインキ貯留部を形成してなる直液式筆
    記具において、 後部に鍔部54が形成され、該鍔部54に連通溝6が貫
    設されてなるインキ調節部材5を軸筒3前部に密嵌させ
    た際、前記軸筒3内壁による前記鍔部54の径方向の挟
    圧によって前記連通溝6の横断面開口量がインキ誘導溝
    53の横断面開口量より小に形成されてなることを特徴
    とする直液式筆記具1。
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