JPH0621744Y2

JPH0621744Y2 - 水性ボ−ルペン等筆記具のリフイ−ル

Info

Publication number: JPH0621744Y2
Application number: JP1987090423U
Authority: JP
Inventors: 小林　　清一; 治人白石
Original assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date: 1987-06-12
Filing date: 1987-06-12
Publication date: 1994-06-08
Anticipated expiration: 2002-06-12
Also published as: JPS63198575U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、インク吸蔵体を内蔵して、このインク吸蔵体
からのインクの蒸発を抑制すると共に軸筒外部へのイン
クの漏出も防止する水性ボールペン等筆記具のリフィー
ルに関する。

（従来の技術）インクの内部に収容した筆記具のリフィールには内圧を
調節するために軸筒の内部と外部の通気路を設ける必要
があり、従来のリフィールでは一般に軸筒の前端部に空
気孔が穿設されることが多かった。その反面、空気孔を
設けることによりインクが揮発して減量し筆記寿命が短
縮するのでその対策として軸筒内部の空気流通路を細く
且つ長くする手段が講じられている。然しながら細く長
い空気流通路は、リフィールに落下又はノック操作等に
よる衝撃が加わった場合、又は急激な温度変化が生じた
場合等にインク吸蔵体から飛散したインクが流入すると
完全に閉塞しやすく、従って内圧調整が殆ど不能となっ
て、ペン先部へのインクの誘導が阻害されて筆記が掠れ
たり、又は空気孔やペン先部からインクが吹き出して周
囲を汚損する等の問題があった。

（考案が解決しようとする問題点）本考案は、インクの蒸発をできるだけ抑制してインクの
減量による筆記寿命の短縮化を阻止すること、及びリフ
ィールに落下又はノック操作による衝撃が加わった場合
又は急激な温度変化が生じた場合等にたとえインク吸蔵
体からインクが吐出した場合でもそのインクによる通気
路の閉塞を防止して内圧調節を常に可能となし良好な筆
記性能を維持すると共にインクの空気孔やペン先部から
の吹き出しを防止して周囲の汚損を防ぐこと等を目的と
する。

（問題点を解決するための手段）上記目的を達成するために案出された本考案の水性ボー
ルペン等筆記具のリフィールは、前端に筆記部を構成し
内部にはインク吸蔵体(4)を収納し後端側面部に空気孔
(1e)を設けた軸筒(1)の後端開口部に尾栓(6)を嵌着し、
当該尾栓(6)にインク吸蔵体(4)の後端面と対面する前面
に開口して後端部は閉塞した内孔(7)を設けると共に、
軸筒(1)への圧入部(6b)の外面には前後方向に所要間隔
はなれて位置する複数の円周方向の周溝(9)(10)(11)
と、それら周溝の隣接するものどうしを互いに連通し且
つ円周方向に互いに離れて位置する複数の軸方向の縦溝
(13)(14)とを設け、更に上記の内孔(7)と前端の周溝(9)
とを連通する横孔(12)(12)′を設けて一連の空気流通路
を構成し、この尾栓(6)の空気通路における後端の周溝
(11)と軸筒(1)に設けた上記の空気孔(1e)とを連通させ
たことを特徴とするものである。

（実施例）以下図面に基づき本考案の実施例を詳説する。

先ず第１図は第１実施例の水性ボールペンリフィールの
縦断面を示したものである。(1)が軸筒であり、前端に
小径部(1a)を有しその後方に大径部(1b)を有し、小径部
(1a)の内部には後述する誘導芯の案内筒部(1c)を一体的
に設け、大径部(1b)の前端内面部には軸方向のリブ(1d)
を又後端近傍には空気孔(1e)を設けている。(2)はチッ
プであり、前端にボール(3)を抱持し、後端に設けた外
径縮小部(2a)を軸筒(1)の小径部(1a)の前端部へ圧入し
ている。(4)はインク吸蔵体であり、軸筒(1)の大径部(1
b)の内部に収納され、前端側面部を軸筒(1)のリブ(1d)
により嵌着されている。(5)が誘導芯であり、前端をチ
ップ(2)に挿入してボール(3)に近接し、略中央部を軸筒
(1)の小径部(1a)の案内筒部(1c)に挿通し、後端をイン
ク吸蔵体(4)の前端部に差し込んでいる。(6)が尾栓であ
り、後端に軸筒(1)の大径部(1b)と同一の外径の鍔部(6
a)を有し、その前方に圧入部(6b)を有し、圧入部(6b)に
は前端から順に、軸筒(1)の大径部(1b)の内径より外径
の小さい小外径部(6c)と軸筒(1)の大径部(1b)の内径よ
り外径が僅かに大きい大外径部(6d)を設け、又前端面に
開口して圧入部(6b)の略後端位置まで達する内径の大き
な内孔(7)を設け、圧入部(6d)の前端縁には内孔(7)から
小外径部(6c)の外面へ開通する切欠溝(8)を設け、更に
圧入部(6b)の大外径部(6d)の外周面の前端部，中央部，
及び後端部の３箇所に夫々円周状の周溝Ａ(9)、周溝Ｂ
(10)及び周溝Ｃ(11)を設け、周溝Ａ(9)には内孔(7)と連
通する横孔(12)を設け、該横孔(12)の位置から円周方向
に略１８０°回転した外面には周溝Ａ(9)と周溝Ｂ(10)
を連通する縦溝Ａ(13)を設けると共に更に該縦溝Ａ(13)
から円周方向に再び略１８０°回転した外面に周溝Ｂ(1
0)と周溝Ｃ(11)を連通する縦溝Ｂ(14)を設けている。尾
栓(6)は勿論その圧入部(6b)を軸筒(1)の後端口からその
内部へ圧入してその大外径部(6d)の外面を軸筒(1)の大
径部(1b)の内面に密着するが、その嵌着状態に於て前端
縁がインク吸蔵体(4)の後端面に略当接し又周溝Ｃ(11)
が軸筒(1)の空気孔(1e)の位置に対応して位置するよう
寸法設定されている。尚、尾栓(6)の横孔(12)、周溝Ａ
(9)、周溝Ｂ(10)、周溝Ｃ(11)、縦溝Ａ(13)、縦溝Ｂ(1
4)は夫々インクの流入により閉塞されない範囲で寸法を
できる限り小さく設置し、これらによって一連の空気流
通路が構成される。

次に第２図及び第３図は第２実施例の水性ボールペンの
リフィールを示したものであり、前記の第１実施例との
相違点は、尾栓(6)の内孔(7)の内面にリブ(15)を突設し
て当該リブ(15)に内孔(7)と周溝Ａ(9)を連通する長めの
横孔(12)′を設けた点である。その他は全て前記第１実
施例と同一構造である。

（作用）本考案のリフィールでは、前述したように尾栓(6)に空
気流通路を形成している。このように空気流通路を軸筒
(1)の後端部に配することにより先ず空気流通路へイン
クが侵入する可能性を低く抑えられる。その理由は、先
ず筆記具は前端のチップ(2)を下側にした姿勢をとる時
間の方が長くてインクが重力により前端側へ移動してい
る傾向があるからであり、又、インク吸蔵体(4)におけ
るインクの含有密度は一般に誘導芯(5)に近い前端部が
より高くされているからである。次に、たとえインク吸
蔵体(4)の後端部からインクが吐出されてもそのインク
は内孔(7)に溜まり、横孔(12)へは侵入しにくい。仮り
にインクが内孔(7)の内面を伝わって横孔(12)へ侵入し
て横孔(12)を通過してもその先には周溝Ａ(9)が存在す
るのでインクはそこに溜まる。更に縦横Ａ(13)は横孔(1
2)の位置から略１８０°回転した位置にあるのでそこを
インクが通過することは極めて難しい。更に周溝Ｂ(1
0)、縦溝Ｂ(14)、周溝Ｃ(11)が存在するのでインクが軸
筒(1)の空気孔(1e)から漏出することは殆どあり得な
い。又、第２実施例の如く内孔(7)の内面にリブ(15)を
突設して該リブ(15)に横孔(12)′を設けると内孔(7)の
内面を伝うインクがリブ(15)に阻止されるので横孔(1
2)′へのインクの侵入が更に困難化するので効果はより
顕著となる。以上のように尾栓(6)に設けた空気流通路
によって軸筒外部へのインクの漏出が阻止され周囲の汚
損が防止される。又、尾栓(6)に設けられた空気流通路
は複雑に曲折して全体の長さもかなり長くなり且つイン
クの流入により閉塞されない範囲でできる限り小さく寸
法を設定されているので空気流通路からのインクの蒸発
は極めて抑制される。

（考案の効果）本考案は以上のように、インクの蒸発を抑制してインク
の減量による筆記寿命の短縮を阻止し、又、リフィール
に落下又はノック操作による衝撃が加わった場合や急激
な温度変化が生じた場合等にたとえインク吸蔵体からイ
ンクが吐出してもそのインクによる空気流通路の閉塞を
防止して内圧調節を常に可能となし良好な筆記性能を維
持すると共にインクの空気孔やペン先部からの吹き出し
を防止して周囲の汚損を防ぐ効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第１実施例の縦断面図、第２図は本考案
第２実施例の縦断面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線位置
における横断面図である。 (1)……軸筒，(1a)……小径部，(1b)……大径部，(1c)
……案内筒部，(1d)……リブ、(1e)……空気孔，(2)…
…チップ，(2a)……外径縮小部，(3)……ボール，(4)…
…インク吸蔵体，(5)……誘導芯，(6)……尾栓，(6a)…
…鍔部，(6b)……圧入部，(6c)……小外径部，(6d)……
大外径部，(7)……内孔，(8)……切欠溝，(9)……周溝
Ａ，(10)……周溝Ｂ，(11)……周溝Ｃ，(12)(12)′……
横孔，(13)……縦溝Ａ，(14)……縦溝Ｂ，(15)……リ
ブ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】前端に筆記部を構成し内部にはインク吸蔵
体(4)を収納し後端側面部に空気孔(1e)を設けた軸筒(1)
の後端開口部に尾栓(6)を嵌着し、当該尾栓(6)にインク
吸蔵体(4)の後端面と対面する前面に開口して後端部は
閉塞した内孔(7)を設けると共に、軸筒(1)への圧入部(6
b)の外面には前後方向に所要間隔はなれて位置する複数
の円周方向の周溝(9)(10)(11)と、それら周溝の隣接す
るものどうしを互いに連通し且つ円周方向に互いに離れ
て位置する複数の軸方向の縦溝(13)(14)とを設け、更に
上記の内孔(7)と前端の周溝(9)とを連通する横孔(12)(1
2)′を設けて一連の空気流通路を構成し、この尾栓(6)
の空気流通路における後端の周溝(11)と軸筒(1)に設け
た上記の空気孔(1e)とを連通させたことを特徴とする水
性ボールペン等筆記具のリフィール。