JPH0434066Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案はインキ吸蔵体からインキ誘導芯を介して
ボール部へインキを供給してなるボールペンレフ
イルの改良に関する。

「従来技術と考案が解決しようとする問題点」 従来から水性インキを含浸したインキ吸蔵体を
軸筒内に収容し、このインキ吸蔵体からインキ誘
導芯を介してボール部へインキを供給する構造の
ボールペンレフイルにおいては、筆記状態にある
ときのインキ吸蔵体内への外気の流入はインキ吸
蔵体の後端露出面と連通する通気孔をレフイルの
先端部に穿設して行なつている場合が多くこのよ
うな場合、レフイル先端部にあるインキ誘導芯の
乾燥からしばしば、インキの追従性が阻害される
という問題が生じていた。

また、筆記中にボールペン自体を落下させるな
ど、その軸心方向での衝撃によるインキ吸蔵体内
のインキの飛散現象から、その溢出したインキに
よつて通気孔が閉塞されるという事故の原因にも
なつていた。

本案はこの従来技術の状態に鑑みてなされたも
のであつて、インキ吸蔵体との通気作用を奏する
空気の流通路をインキ誘導芯と絶縁するとともに
インキ吸蔵体の先端露出面とも絶縁する状態で設
定した水性インキボールペンレフイルの実現を意
図するものである。

「問題を解決するための手段」 本案はかかる問題に対して、中心孔の先端開口
部からボール部を保持しかつ、インキ誘導芯を収
容してなるチツプホルダーを密嵌するとともにそ
の後端開口部からインキ誘導芯の一端部を突出さ
せてなる保持部材をインキ吸蔵体を収容した軸筒
に密嵌し、この保持部材の後部に中心孔の後端開
口部の端面から直角方向へ延びるつば部を設けか
つ、この保持部材の外側面に先端口を軸筒外に開
口し、後端口はつば部を介してのみ軸筒内に開口
する空気流通路を設けるとともにインキ吸蔵体を
その先端面が保持部材中心孔の後端開口部の端面
に当接するように収容することをもつてその解決
手段としている。

「作用」 本案の空気流通路は保持部材の外側面に穿設さ
れるとともに保持部材の後部に延設したつば部を
介してのみインキ吸蔵体の後端露出面と連通する
ものであるから、この空気流通路はインキ誘導芯
と絶縁状態になることは勿論のこと、インキ吸蔵
体の先端露出面ともほぼ完全なかたちで絶縁する
ことになり、インキ誘導芯の乾燥問題や、衝撃に
よるインキの飛散問題が防止できることになる。

「実施例」 以下、本案の実施例について図面を基に説明す
る。

ボールペンレフイルＲは、先端面１ａと後端面
１ｂを露出しその外周を適宜な部材２で被覆した
インキ吸蔵体１を収容する軸筒３の先端開口部３
ａに、ボール部Ｂを保持するとともにインキ誘導
芯４を収容してなるチツプホルダー５を具備した
保持部材６を密嵌しまた、当該軸筒３の後端開口
部３ｂにインキ吸蔵体１の後端露出面１ｂと接す
る尾栓７を密嵌してなるものである。

しかして、この保持部材６は中心孔８の先端開
口部８ａからチツプホルダー５を密嵌しまた、そ
の後端開口部８ｂからインキ吸蔵体１内に埋設す
るインキ誘導芯４の後端部４ａを突出させてなり
更にその後部に後端開口部８ａの端面から直角方
向へ延びるつば部６ａを有する。保持部材６の外
側面６′には先端口９ａを軸筒３外に開口しまた、
後端口９ｂを先端のつば部６を介してのみ軸筒２
内に開口する空気流通路９が穿設してある。

つば部６は中心孔８の後端開口部８ｂの端面か
ら直角方向へ延設してあることが重要であつて、
その幅や、長さあるいは肉厚などは特に問わない
が、インキ吸蔵体１の先端露出面１ａからの溢出
インキに対し、より安全を求めれば、当該先端露
出面１ａと空気流通路９の後端口９ｂとの間に相
当の距離を設けておくのが好ましい。

また、保持部材６の外側面６′に設けた空気流
通路９は直線状のものであつてもよいが、より高
率なインキの乾燥防止を求めようとすると、ここ
に挙げたような螺旋状のものの方が好ましい。

更に、この空気流通路９は保持部材６の外側面
６′上でその後端口９ｂがつば部６ａを介しての
み軸筒３内に開口できるものであることが重要で
あつて、本例の如くつば部６ａの端部にかならず
しも開口していなければならないものではなく、
つば部６ａの後方部側面から軸筒３内に開口でき
るようにしてもよい。

図中１０は保持部材６の中心孔後端開口部８ａ
の後面に設けたインキ貯留部であつて、インキ誘
導芯４が溢出インキを吸収しきれないときにこの
溢出インキを一時、貯留する作用を奏する。

「考案の効果」 本案は以上のとおりの構成からなるので、空気
流通路はインキ誘導芯に対して常に、絶縁状態を
維持しまた、その後端口は保持部材のつば部を介
してのみ軸筒内に開口するので、従来から発生し
ていたインキ誘導芯の乾燥から生じるインキ追従
性の悪さや、ボールペン自体への衝撃によるイン
キの飛散から生じる溢出インキによる空気流通路
の閉塞といつた事故が安直にかつ、確実に防止で
きるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案を実施したボールペンレフイルの
一部省略側断面図、第２図は本案の保持部材を説
明した上面図、第３図は第２図Ａ−Ａ面図、第４
図は第２図Ｂ−Ｂ面図である。 １……インキ吸蔵体、１ａ……先端面、１ｂ…
…後端面、３……軸筒、４……インキ誘導芯、５
……チツプホルダー、６……保持部材、６ａ……
つば部、８……中心孔、８ａ……先端開口部、８
ｂ……後端開口部、９……空気流通路、９ａ……
先端口、９ｂ……後端口、１０……インキ貯留
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心孔の先端開口部からボール部を保持してな
   るチツプホルダーを密嵌しかつ、このチツプホル
   ダー内に収容したインキ誘導芯の後端部をインキ
   吸蔵体内に埋没するように中心孔の後端開口部か
   ら突出させてなる保持部材をインキ吸蔵体を収容
   した軸筒に密嵌してなるボールペンレフイルにお
   いて、前記保持部材６の後部に中心孔８の後端開
   口部８ｂの端面から直角方向へ延びるつば部６ａ
   を設けかつ、この保持部材６の外側面６′に先端
   口９ａを軸筒３外に開口しまた、後端口９ｂはつ
   ば部６ａを介してのみ軸筒３内に開口する空気流
   通路９を設けるとともにインキ吸蔵体１をその外
   端面１ａが保持部材６の中心孔後端開口部８ｂの
   端面に当接するように収容したことを特徴とする
   ボールペンレフイルの構造。