JPH06320172A - 鉄鋼酸洗廃液の処理方法 - Google Patents
鉄鋼酸洗廃液の処理方法Info
- Publication number
- JPH06320172A JPH06320172A JP14005993A JP14005993A JPH06320172A JP H06320172 A JPH06320172 A JP H06320172A JP 14005993 A JP14005993 A JP 14005993A JP 14005993 A JP14005993 A JP 14005993A JP H06320172 A JPH06320172 A JP H06320172A
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- electric furnace
- pickling waste
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- steel pickling
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、電気炉スラグを有効利用して、沈澱
分離が良好で、とりわけ経済的に鉄鋼酸洗廃液を処理で
きる、鉄鋼酸洗廃液の処理方法を提供するものである。 【構成】本発明は、鉄鋼酸洗廃液を少なくとも電気炉ス
ラグを用いて中和することを特徴としている。
分離が良好で、とりわけ経済的に鉄鋼酸洗廃液を処理で
きる、鉄鋼酸洗廃液の処理方法を提供するものである。 【構成】本発明は、鉄鋼酸洗廃液を少なくとも電気炉ス
ラグを用いて中和することを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄鋼酸洗廃液の処理方法
に関する。熱処理した鋼材の表面に固着している酸化ス
ケール等を除去して該鋼材の表面を清浄化するのに塩酸
や硫酸を用いた酸洗が行なわれる。その性質上、酸洗に
より生じる廃液は極めて低いpHを示すので、そのまま
では放出できない。一般に、酸洗廃液は中和剤を用いて
中和し、該中和剤と共に浮遊物等を沈澱分離することに
より処理している。いうまでもなく酸洗廃液の処理は、
その中和及び沈澱分離が所期の通りに行なわれ、とりわ
けこれらを経済的になし得ることが要請される。本発明
はかかる要請に応える、鉄鋼酸洗廃液の処理方法の改良
に関するものである。
に関する。熱処理した鋼材の表面に固着している酸化ス
ケール等を除去して該鋼材の表面を清浄化するのに塩酸
や硫酸を用いた酸洗が行なわれる。その性質上、酸洗に
より生じる廃液は極めて低いpHを示すので、そのまま
では放出できない。一般に、酸洗廃液は中和剤を用いて
中和し、該中和剤と共に浮遊物等を沈澱分離することに
より処理している。いうまでもなく酸洗廃液の処理は、
その中和及び沈澱分離が所期の通りに行なわれ、とりわ
けこれらを経済的になし得ることが要請される。本発明
はかかる要請に応える、鉄鋼酸洗廃液の処理方法の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄鋼酸洗廃液の処理には中和剤と
して苛性ソーダや石灰スラリーが使用されている。鉄鋼
酸洗廃液に石灰スラリーを加えて中和し、引き続き静置
して沈澱分離しているのである。ところが、かかる従来
法には、沈澱分離に時間がかかり、その上澄液は相応に
濁っていて、とりわけ石灰スラリーの消耗費用が嵩むと
いう欠点がある。
して苛性ソーダや石灰スラリーが使用されている。鉄鋼
酸洗廃液に石灰スラリーを加えて中和し、引き続き静置
して沈澱分離しているのである。ところが、かかる従来
法には、沈澱分離に時間がかかり、その上澄液は相応に
濁っていて、とりわけ石灰スラリーの消耗費用が嵩むと
いう欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来法では、沈澱分離が不良で、とりわけ
非経済的な点である。
する課題は、従来法では、沈澱分離が不良で、とりわけ
非経済的な点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者は、上
記課題を解決するべく研究した結果、中和剤の全部又は
一部として電気炉スラグを用いるのが好適であることを
見出した。
記課題を解決するべく研究した結果、中和剤の全部又は
一部として電気炉スラグを用いるのが好適であることを
見出した。
【0005】すなわち本発明は、鉄鋼酸洗廃液を少なく
とも電気炉スラグを用いて中和することを特徴とする鉄
鋼酸洗廃液の処理方法に係る。
とも電気炉スラグを用いて中和することを特徴とする鉄
鋼酸洗廃液の処理方法に係る。
【0006】本発明で用いる電気炉スラグは例えばスク
ラップをアーク炉で溶解する際に発生するスラグであ
る。かかる電気炉スラグは、路盤材として利用されてい
るものの、一部では使い途がなく、その処分に困ってい
るのが実情である。本発明はこのような電気炉スラグを
鉄鋼酸洗廃液の中和剤として有効利用する。
ラップをアーク炉で溶解する際に発生するスラグであ
る。かかる電気炉スラグは、路盤材として利用されてい
るものの、一部では使い途がなく、その処分に困ってい
るのが実情である。本発明はこのような電気炉スラグを
鉄鋼酸洗廃液の中和剤として有効利用する。
【0007】電気炉スラグは相当量のカルシウムの他
に、マグネシウム、鉄、アルミニウム等を含んでいて、
鉄鋼酸洗廃液の中和剤として有効であり、しかもこれら
が沈澱分離の際の核になるものと推察されるが、該沈澱
分離が速く、上澄液が透明になる。電気炉スラグのうち
では還元スラグを用いるのが好ましい。酸化期に発生す
る酸化スラグに比べて、還元期に発生する還元スラグの
方がカルシウム含量が高く、通常50重量%以上のCa
Oを含んでいるからである。
に、マグネシウム、鉄、アルミニウム等を含んでいて、
鉄鋼酸洗廃液の中和剤として有効であり、しかもこれら
が沈澱分離の際の核になるものと推察されるが、該沈澱
分離が速く、上澄液が透明になる。電気炉スラグのうち
では還元スラグを用いるのが好ましい。酸化期に発生す
る酸化スラグに比べて、還元期に発生する還元スラグの
方がカルシウム含量が高く、通常50重量%以上のCa
Oを含んでいるからである。
【0008】本発明では、中和剤として電気炉スラグだ
けを用いることもできるが、電気炉スラグと石灰スラリ
ーとを併用するのが好ましい。この場合、電気炉スラグ
と石灰スラリーとを同時に用いてもよいが、鉄鋼酸洗廃
液を先ず電気炉スラグを用いてpH4〜5まで部分中和
し、次に石灰スラリーを用いて完全中和するのが更に好
ましい。鉄鋼酸洗廃液を電気炉スラグで中和すると、p
H4〜5まで部分中和するのに要する時間は石灰スラリ
ーの場合と殆ど変わらないが、pH5を超えて完全中和
するのに要する時間が急に長くなるからである。
けを用いることもできるが、電気炉スラグと石灰スラリ
ーとを併用するのが好ましい。この場合、電気炉スラグ
と石灰スラリーとを同時に用いてもよいが、鉄鋼酸洗廃
液を先ず電気炉スラグを用いてpH4〜5まで部分中和
し、次に石灰スラリーを用いて完全中和するのが更に好
ましい。鉄鋼酸洗廃液を電気炉スラグで中和すると、p
H4〜5まで部分中和するのに要する時間は石灰スラリ
ーの場合と殆ど変わらないが、pH5を超えて完全中和
するのに要する時間が急に長くなるからである。
【0009】図1は鉄鋼酸洗廃液の中和曲線を例示する
グラフである。いずれもpH1未満の硫酸、硝酸及び塩
酸を主とする鉄鋼酸洗廃液に、中和剤として、中和曲線
1は還元スラグだけを加えて中和した場合、中和曲線2
は還元スラグを加えてpH4.5まで部分中和した後、
石灰スラリーを加えて完全中和した場合、中和曲線3は
石灰スラリーだけを加えて中和した場合である。図1か
らも明らかなように、鉄鋼酸洗廃液を還元スラグだけで
中和すると(中和曲線1)、当初の中和速度は速いが、
pH5を超える近辺から中和速度が急に遅くなってお
り、また先ず還元スラグで部分中和した後に石灰スラリ
ーで完全中和すると(中和曲線2)、石灰スラリーだけ
で中和する場合(中和曲線3)とその中和速度が殆ど同
じであることが判る。
グラフである。いずれもpH1未満の硫酸、硝酸及び塩
酸を主とする鉄鋼酸洗廃液に、中和剤として、中和曲線
1は還元スラグだけを加えて中和した場合、中和曲線2
は還元スラグを加えてpH4.5まで部分中和した後、
石灰スラリーを加えて完全中和した場合、中和曲線3は
石灰スラリーだけを加えて中和した場合である。図1か
らも明らかなように、鉄鋼酸洗廃液を還元スラグだけで
中和すると(中和曲線1)、当初の中和速度は速いが、
pH5を超える近辺から中和速度が急に遅くなってお
り、また先ず還元スラグで部分中和した後に石灰スラリ
ーで完全中和すると(中和曲線2)、石灰スラリーだけ
で中和する場合(中和曲線3)とその中和速度が殆ど同
じであることが判る。
【0010】
【実施例】焼鈍処理した線材を酸洗後の硫酸、硝酸及び
塩酸を主とするpH1未満の鉄鋼酸洗廃液1リットルに
CaO含量51重量%の還元スラグ446gを加えて撹
拌した(実施例1)。上記と同じ鉄鋼酸洗廃液1リット
ルに上記と同じ還元スラグ128gを加えて撹拌し、p
H4.5になったところで更に30重量%Ca(OH)2
の石灰スラリー100mlを加えて撹拌した(実施例
2)。上記と同じ鉄鋼酸洗廃液1リットルに上記と同じ
石灰スラリー190mlを加えて撹拌した(比較例1)。
塩酸を主とするpH1未満の鉄鋼酸洗廃液1リットルに
CaO含量51重量%の還元スラグ446gを加えて撹
拌した(実施例1)。上記と同じ鉄鋼酸洗廃液1リット
ルに上記と同じ還元スラグ128gを加えて撹拌し、p
H4.5になったところで更に30重量%Ca(OH)2
の石灰スラリー100mlを加えて撹拌した(実施例
2)。上記と同じ鉄鋼酸洗廃液1リットルに上記と同じ
石灰スラリー190mlを加えて撹拌した(比較例1)。
【0011】各例について、pH8.0まで中和するの
に要した時間を表1に示した。また中和後の各例を静置
し、沈澱分離したときの、分離状態及び上澄液の状態を
下記の基準で肉眼判定し、その結果を表1に示した。 ○:沈澱分離が速く、上澄液が透明である ×:沈澱分離が遅く、上澄液が濁っている
に要した時間を表1に示した。また中和後の各例を静置
し、沈澱分離したときの、分離状態及び上澄液の状態を
下記の基準で肉眼判定し、その結果を表1に示した。 ○:沈澱分離が速く、上澄液が透明である ×:沈澱分離が遅く、上澄液が濁っている
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、電気炉スラグを有効利用して、沈澱分離が良好
で、とりわけ経済的に鉄鋼酸洗廃液を処理できるという
効果がある。
明には、電気炉スラグを有効利用して、沈澱分離が良好
で、とりわけ経済的に鉄鋼酸洗廃液を処理できるという
効果がある。
【図1】本発明において鉄鋼酸洗廃液の中和曲線を例示
するグラフである。
するグラフである。
1,2,3・・・中和曲線
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄鋼酸洗廃液を少なくとも電気炉スラグ
を用いて中和することを特徴とする鉄鋼酸洗廃液の処理
方法。 - 【請求項2】 電気炉スラグ及び石灰スラリーを用いて
中和する請求項1記載の鉄鋼酸洗廃液の処理方法。 - 【請求項3】 先ず電気炉スラグを用いてpH4〜5ま
で部分中和し、次に石灰スラリーを用いて完全中和する
請求項2記載の鉄鋼酸洗廃液の処理方法。 - 【請求項4】 電気炉スラグが還元スラグである請求項
1、2又は3記載の鉄鋼酸洗廃液の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14005993A JPH06320172A (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 鉄鋼酸洗廃液の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14005993A JPH06320172A (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 鉄鋼酸洗廃液の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06320172A true JPH06320172A (ja) | 1994-11-22 |
Family
ID=15260036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14005993A Pending JPH06320172A (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 鉄鋼酸洗廃液の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06320172A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002307079A (ja) * | 2001-04-13 | 2002-10-22 | Nisshin Steel Co Ltd | 廃酸処理用中和剤およびその製造方法 |
JP2006192370A (ja) * | 2005-01-13 | 2006-07-27 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ステンレス鋼酸洗廃液から有価資源の分離回収方法 |
KR20100070624A (ko) * | 2008-12-18 | 2010-06-28 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 제철소의 고로에서 발생되는 슬러지의 처리 방법 |
CN103833156A (zh) * | 2012-11-20 | 2014-06-04 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种冷轧盐酸酸洗废酸的处理方法 |
-
1993
- 1993-05-18 JP JP14005993A patent/JPH06320172A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002307079A (ja) * | 2001-04-13 | 2002-10-22 | Nisshin Steel Co Ltd | 廃酸処理用中和剤およびその製造方法 |
JP2006192370A (ja) * | 2005-01-13 | 2006-07-27 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ステンレス鋼酸洗廃液から有価資源の分離回収方法 |
KR20100070624A (ko) * | 2008-12-18 | 2010-06-28 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 제철소의 고로에서 발생되는 슬러지의 처리 방법 |
CN103833156A (zh) * | 2012-11-20 | 2014-06-04 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种冷轧盐酸酸洗废酸的处理方法 |
CN103833156B (zh) * | 2012-11-20 | 2015-10-28 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种冷轧盐酸酸洗废酸的处理方法 |
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