JP2013001979A - 銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金の表面に形成された酸化皮膜を効率良く除去する酸化皮膜の除去液と、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液を直接的に電解処理することにより回収される高純度でハンドリング性が良く再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金が提供される。
【解決手段】硫酸:100〜500g/L、硝酸、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸イオン、3価鉄イオンからなるグループから選択された少なくとも一つの酸化剤: 1〜100g/L、塩化物イオン:10〜300mg/L、 非イオン性界面活性剤:0.5〜300mg/L、硫酸銅:10〜300g/Lを含有する熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱処理加工にて成形された後の銅或いは銅基合金の表面に形成された酸化皮膜の除去液に関し、特に詳しくは、その酸化皮膜を効率良く除去する酸化皮膜の除去液と、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液を直接的に電気分解することにより回収された高純度でハンドリング性が良く再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金に関する。
熱間圧延や熱間押出しなどの熱処理加工が施された後の銅或いは銅基合金は、その表面に生成された酸化被膜や微細な欠陥を除去することを目的として、酸洗或いはエッチング処理が通常に行われている。その酸洗或いはエッチング液には、硫酸や硫酸に過酸化水素を混合した硫酸系の酸や、塩酸、硝酸が用いられ、場合によっては、フッ酸やその他界面活性剤などの添加剤も共用される。近年では、資源回収の観点や排水処理の問題から、酸洗或いはエッチング処理でその液中に溶解された酸化銅や金属銅を電解法で回収すると共に、使用された酸洗液或いはエッチング液を再生利用することが広く試みられている。
特許文献1には、銅の酸洗仕上工程にて生じる銅及び硝酸を含有する廃液から、電解により硝酸及び金属銅粉末を再生し回収する方法として、銅又は銅合金製品の酸洗工程で生じる銅及び硝酸を含有する廃液を、両極のうち少なくとも陽極をフェライト電極とし、かつ、陽極と陰極との間にアニオン隔膜とカチオン隔膜との組合せ、或いは、複数の両性膜の組合せにより、陽極域、中間域及び陰極域を形成させた装置内で、陰極域のpHを0.2〜2.0の範囲内に維持しながら電解処理し、陽極域に硝酸を、陰極域に粉末状態の銅を再生させる方法が開示されている。
特許文献2には、銅合金酸洗廃液を再利用する場合に問題となる、細かい固形物となる錫酸化物、水酸化物を発生させることなく、効率的に錫を除去し、更に処理液中の銅を効率よく回収し、処理後の硫酸を再利用する方法として、廃液を40℃以上に加熱し、錫を選択的に沈降分離処理する前処理を施した後に、再生処理することを特徴とする銅合金酸洗廃液の再生方法が開示されている。
特公昭61−60148号公報 特開2003−342763号公報
従来の熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金の表面に形成された酸化皮膜を除去する酸化皮膜除去液或いはエッチング液では、酸化皮膜の除去速度および酸化皮膜除去後の銅或いは銅基合金の表面に付着残留するガスの問題が生じており、また、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜除去液を電解処理することにより回収される銅或いは銅基合金は、回収効率、純度、ハンドリング性に問題があり、銅或いは銅基合金の再生原料として利用するには難があった。
本発明は、熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金の表面に形成された酸化皮膜を、効率良く除去する酸化皮膜の除去液と、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液を直接的に電気分解することにより回収される、高純度でハンドリング性が良く再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金を提供することを目的とする。
本発明の酸化皮膜の除去液には、その後のステップでの、除去された酸化皮膜中に含まれる酸化銅或いは酸化銅基合金、或いは、金属銅或いは金属銅基合金を電解回収する際に必要とされる最適量の電解液成分が含有されているので、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液に手を加えることなく、直ちに電解処理でき、効率良く、高純度でハンドリング性が良好な再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金を得ることができる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、酸化皮膜の除去速度および酸化皮膜除去後の銅或いは銅基合金表面に付着残留するガスの問題を解決するには、酸化皮膜の除去液中に適切で適量の非イオン性界面活性剤を含有させることが重要であり、また、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液を電解処理することにより回収される銅或いは銅基合金を、高効率にて、高純度でハンドリング性良く再生原料化するには、その酸化皮膜の除去液中に、その後のステップにて電解回収する際に、必要とされる好適で最適量の電解液成分を予め含有させておくことが重要であることを見出した。
即ち、本発明の熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液は、硫酸:100〜500g/L、硝酸、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸イオン、3価鉄イオンからなるグループから選択された少なくとも一つの酸化剤:1〜100g/L、塩化物イオン:10〜300mg/L、 非イオン性界面活性剤:0.5〜300mg/L、硫酸銅:10〜300g/Lを含有することを特徴とする。
本発明での熱処理加工とは、銅或いは銅基合金を、熱間圧延、熱間押出し、熱間鍛造、焼鈍などで熱処理することを意味し、一般的に、加工後に、その表面に酸化膜や微細な欠陥が形成される。
硫酸が100g/L未満では、酸化皮膜の除去効果が低下し、500g/Lを超えると、効果が飽和してコスト的に無駄となる。
酸化剤が1g/L未満では、酸化皮膜の除去効果が低下し、100g/Lを超えると、除去時に発生するガス量が増加し不都合である。発生するガスは、使用される酸化剤によるが、主にNOx、酸素ガスである。
塩化物イオンが10〜300mg/Lであり、 非イオン性界面活性剤が0.5〜300mg/Lであることにより、塩化物イオンと非イオン性界面活性剤との量のバランスが取れ、次のステップでの電解処理で、陰極上に銅或いは銅基合金が、高純度でハンドリング性良く回収され易い形で析出する。
また、塩化物イオンは、イオン交換水でなくて安価な浄水に含まれており、これを使用することにより、酸化皮膜の除去液の製造コストを低下させることができる。
また、非イオン性界面活性剤は、酸化剤に起因して発生するガスが、酸化皮膜が除去された後の銅或いは銅基合金の表面に付着するのを防ぎ、酸化皮膜の除去速度を更に早める効果もある。具体的には酸洗い液が酸化スケールに染み込みやすくなり、スケール除去速度が向上する。
硫酸銅が10g/L未満では、次のステップでの電解の効率が減少し、300g/Lを超えると、飽和溶解度近くになるため硫酸銅が除去液中に析出してしまい無駄となる。
ここでイオンの濃度を重量濃度で記載しているのは、イオン性化合物の濃度を重量濃度で表した時に、その重量濃度を計算で陽イオン部分と陰イオン部分とに分けた時の一方のイオンの部分に相当する重量濃度の事である。
更に、本発明の熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液は、前記塩化物イオンの前記非イオン性界面活性剤に対する濃度比が1〜20であることを特徴とする。
塩化物イオンの非イオン性界面活性剤に対する濃度比(塩化物イオン濃度/非イオン性界面活性剤濃度)が1〜20であることにより、電解の効率が更にあがり、陰極上に銅或いは銅基合金が高純度でハンドリング良く回収され易い形で析出する。
更に、本発明の熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液は、前記非イオン性界面活性剤が、芳香族環または縮合芳香族環を疎水基に有し、HLBが12以上であることを特徴とする。
非イオン性界面活性剤が、芳香族環または縮合芳香族環を有すると、UV吸収能力を持つので、非イオン性界面活性剤の濃度管理が、通常の分析機器、例えば、分光光度計などで容易に可能となる。
非イオン性界面活性剤のHLBが12未満であると、水への溶解が不充分となり、全ての効果が低減する傾向がある。
更に、本発明の熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液は、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルフェノールポリエトキシレート、ナフトールポリエトキシレート、スチレン化フェノールポリエトキシレート、クミルフェノールエトキシレートからなるグループから選択された少なくとも一種であることを特徴とする。
本発明では、非イオン性界面活性剤であるなら、種類は問わないが、アルキルフェノールポリエトキシレート、ナフトールポリエトキシレート、スチレン化フェノールポリエトキシレート、クミルフェノールエトキシレートからなるグループから選択された少なくとも一種であることが特に好ましく、酸化剤に起因して発生するガスの銅或いは銅基合金表面への付着防止効果が強まり、酸化皮膜の除去を促進する効果が更に向上する。そして、電解処理の効率が更にあがり、陰極上に銅或いは銅基合金が高純度でハンドリング良く回収され易い形で析出する。
更に、本発明の再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金は、前述の熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液により除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液を直接電気分解することにより得られたことを特徴とする。
除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液には、酸化皮膜中に含まれる酸化銅或いは酸化銅基合金、或いは、金属銅或いは金属銅基合金を電解回収する際に必要とされる好適で最適量の電解液成分が含有されているので、特別な手段を加えることなく、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液を電解処理することができ、効率良く、再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金を回収することができる。
また、電解処理にて陰極上に回収された銅或いは銅基合金は、従来技術で回収されるような粉状ではなく、高純度で適度な硬さを有する板状であり、ハンドリング性も良く、洗浄が容易であり不純物が入り難いので、回収された銅或いは銅基合金を再生原料として溶解鋳造された鋳塊は、不純物の含有量が少なく、その後の熱間圧延や熱間押出しにて割れなどの問題が発生し難い。
本発明により、熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金の表面に形成された酸化皮膜を効率良く除去する酸化皮膜の除去液と、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液を直接的に電解処理することにより回収される高純度でハンドリング性が良く再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金とを得ることができる。
本発明を実施するための酸化皮膜除去装置の簡略構成図である。 本発明を実施するための電解処理装置の簡略構成図である。
図1は、本発明を実施するための酸化皮膜除去装置の簡略構成図であり、本発明の酸化皮膜除去装置1では、銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液2が満たされた容器3内に熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金4が浸漬され、その表面の酸化皮膜が除去される。酸化皮膜は、熱処理の程度にもよるが、厚さが0.05〜10μmであり、酸化皮膜の除去液の温度は、30〜60℃が適切であり、浸漬時間は、20〜60分が適切である。
酸化皮膜の除去液は、硫酸:100〜500g/L、硝酸、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸イオン、3価鉄イオンからなるグループから選択された少なくとも一つの酸化剤:1〜100g/L、塩化物イオン:10〜300mg/L、 非イオン性界面活性剤:0.5〜300mg/L、硫酸銅:10〜300g/Lを含有し、残部が水から構成される。
硫酸が100g/L未満では、酸化皮膜の除去効果が低下し、500g/Lを超えると、効果が飽和してコスト的に無駄となる。
酸化剤が1g/L未満では、酸化皮膜の除去効果が低下し、100g/Lを超えると、除去時に発生するガス量が増加し不都合である。発生するガスは、使用される酸化剤により変わるが、主にNox、酸素ガスである。
ペルオキソ二硫酸イオン源としては、ペルオキソ二硫酸イオンナトリウム、ペルオキソ二硫酸カルシウムなどである。
塩化物イオンが10〜300mg/Lであり、非イオン性界面活性剤が0.5〜300mg/Lであることにより、塩化物イオンと非イオン性界面活性剤との量のバランスが取れ、次のステップでの電解処理で陰極上に銅或いは銅基合金が高純度でハンドリング性良く回収され易い形で析出する。塩化物イオンは、イオン交換水でなくて安価な浄水に含まれており、これを使用することにより、酸化皮膜の除去液の製造コストを低下させることができる。
塩化物イオン源としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅等があげられる
また、非イオン性界面活性剤は、酸化剤に起因して発生するガスが、酸化皮膜が除去された後の銅或いは銅基合金の表面に付着するのを防ぎ、酸化皮膜の除去速度を更に早める効果もある。具体的には酸洗い液が酸化スケールに染み込みやすくなり、スケール除去速度が向上する。
塩化物イオンの非イオン性界面活性剤に対する濃度比(塩化物イオン濃度/非イオン性界面活性剤濃度)は、電解の効率を更にあげ、陰極上に銅或いは銅基合金が高純度でハンドリング良く回収され易い形で析出させるためには、特に1〜20であることが好ましい。
非イオン性界面活性剤は、芳香族環または縮合芳香族環を疎水基に有し、HLBが12以上であることが好ましく、芳香族環または縮合芳香族環を有すると、UV吸収能力を持つので、非イオン性界面活性剤の濃度管理が通常の分析機器、例えば、分光光度計などで容易に可能となる。
非イオン性界面活性剤のHLBが12未満であると、水への溶解が不充分となり、全ての効果が低減する傾向がある。
また、本発明では、非イオン性界面活性剤であるなら、種類は問わないが、アルキルフェノールポリエトキシレート、ナフトールポリエトキシレート、スチレン化フェノールポリエトキシレート、クミルフェノールエトキシレートからなるグループから選択された少なくとも一種であることが特に好ましく、酸化剤に起因して発生するガスが、銅或いは銅基合金の表面に付着するのを防止する効果が強まり、酸化皮膜の除去を促進する効果が更に向上する。そして、電解処理の効率が更にあがり、陰極上に銅或いは銅基合金が高純度でハンドリング良く回収され易い形で析出する。これら非イオン性界面活性剤を複数種用いる場合は、それぞれの濃度の合計に対する塩化物イオン濃度の比が1〜20であるのがよい。
硫酸銅が10g/L未満では、次のステップでの電解の効率が減少し、300g/Lを超えると、飽和溶解度近くになるため硫酸銅が除去液中に析出してしまい無駄となる。
図2は、本発明を実施するための電解処理装置図である。この電解処理装置5は、図1の酸化皮膜除去装置1より、酸化皮膜が除去された銅或いは銅基合金を引き上げて装置外に除去し、その容器3中に陽極6、陰極7をセットし、通電することにより、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液2’が電気分解され、効率良く再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金8を陰極上に回収する。
陰極7にはタフピッチ銅板、陽極6には酸化イリジウムコートチタン板を使用し、酸化皮膜の程度にもよるが、電流密度3〜10A/dmにて6〜10時間電解処理を施すことにより、酸化皮膜から銅或いは銅基合金8が、陰極7上に取扱い容易な板形状に析出される。
本発明の除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液には、酸化皮膜中に含まれる酸化銅或いは酸化銅基合金、或いは、金属銅或いは金属銅基合金を電解回収する際に必要とされる好適で最適量の電解液成分が含有されているので、特別な手段を加えることなく、除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液を電解処理に供せることができ、これにより、効率良く再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金を回収することができる。
電解処理にて陰極上に回収された銅或いは銅基合金は、従来技術で回収されるような粉状ではなく、高純度で適度な硬さを有する板状であり、ハンドリング性も良く、洗浄が容易であり不純物が入り難いので、回収された銅或いは銅基合金を再生原料として溶解鋳造された鋳塊は、不純物の含有量が少なく、その後の熱間圧延や熱間押出しにて割れが発生し難いという利点を有する。
長さ500mm、幅100mm、厚さ3.0mmの三菱マテリアル株式会社製のタフピッチ銅(Cu:99.92%、O:300ppm、P:0ppm)板に、熱間圧延加工(600℃、圧下率50%)を施し、急冷して、厚さ1.5mmのタフピッチ銅板を作製した。このタフピッチ銅板の表面には、約0.05μmの厚さの酸化皮膜が形成されていた。
このタフピッチ銅板を表1、2、3に示す3種の組成の酸化皮膜除去剤中に40℃にて30分間浸漬して洗浄し、その表面の酸化皮膜を除去し、酸化被膜除去後のタフピッチ銅板の表面を目視にて観察した。
各表中のAはアルキルフェノールポリエトキシレート、Bは、ナフトールポリエトキシレート、Cはスチレン化フェノールポリエトキシレート、Dはクミルフェノールエトキシレートである。表中、非イオン性界面活性剤を二種類以上添加したものについては、それらを並べて表記し、その並びの順序でそれぞれの濃度を記載した。
その結果を表1、2、3に示す。タフピッチ銅板の表面の酸化被膜が完全に除去され、ガス付着の痕跡が見られなかったものを○とし、酸化被膜が完全には除去されず、ガス付着の痕跡が見られたもの×とした。
参考として、通常の混酸(硫酸+過酸化水素)を除去剤として使用したところ、40℃にて50分浸漬しなければ、除去は終了せず、ガス付着の痕跡がかなり見られた。
Figure 2013001979
Figure 2013001979
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次に、除去された酸化皮膜を含む表1、2、3の3種の組成の酸化皮膜除去剤を電解液として、陰極にタフピッチ銅板、陽極に酸化イリジウムコートチタン板を用いて、電流密度5A/dmにて8時間電気分解を施し、陰極上に酸化皮膜からの銅を板状に析出させた。
この板状銅を回収し、平均表面粗さRa、銅の純度、表面の硬度を測定した。
銅板の平均表面粗さRaは、SPM(SIIナノテクノロジー社)を用いて測定した。
銅板表面の硬度の測定は、MVK−G1(AKASHI社)を用いて、ビッカース硬さ試験法、JIS Z 2244に準じてN=3で測定を行った。
銅板の純度の測定は、銅の中に含まれる不純物を測定して、その不純物比率を100%から差し引いて求めた。不純物測定には、Cを除いてグロー放電質量分析装置(GD−MS:Glow Discharge Mass Spectrometry)を用いて行い、Cは脱脂した銅試料を酸素雰囲気中高周波加熱燃焼により発生するCO2ガスの赤外吸収を測定しC量に換算した。
その結果を表1、表2、表3に対応する順に、表4、5、6に示す。
Figure 2013001979
Figure 2013001979
Figure 2013001979
これらの結果より、実施例の板状銅は、高純度で、適度の硬度を有しておりハンドリング性が良く、次のステップでの洗浄液の影響を受けにくいことがわかる。
次に、これらの板状銅を硫酸水溶液で洗浄した後、溶解鋳造して鋳塊を作製し、鋳塊中のS含有量を測定した。また、その鋳塊を600℃に加熱して押出加工により棒材を成形し、割れの有無を観察した。
その結果を表4、5、6に示す
S含有量は、赤外吸収法にて測定した。
これらの結果より、実施例の回収された板状銅は、洗浄液よりの不純物が入りにくく、高純度であり、銅原料として充分に再生利用可能であることがわかる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることは可能である。
1 酸化皮膜除去装置
2 酸化皮膜の除去液
2’ 除去された酸化皮膜を含む酸化皮膜の除去液
3 容器
4 熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金
5 電解処理装置
6 陽極
7 陰極
8 銅或いは銅基合金

Claims (5)

  1. 硫酸:100〜500g/L、硝酸、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸イオン、3価鉄イオンからなるグループから選択された少なくとも一つの酸化剤:1〜100g/L、塩化物イオン:10〜300mg/L、 非イオン性界面活性剤:0.5〜300mg/L、硫酸銅:10〜300g/Lを含有する、熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液。
  2. 前記塩化物イオンの前記非イオン性界面活性剤に対する濃度比が1〜20であることを特徴とする請求項1に記載の熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液。
  3. 前記非イオン性界面活性剤が、芳香族環または縮合芳香族環を疎水基に有し、HLBが12以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液。
  4. 前記非イオン性界面活性剤が、アルキルフェノールポリエトキシレート、ナフトールポリエトキシレート、スチレン化フェノールポリエトキシレート、クミルフェノールエトキシレートからなるグループから選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱処理加工にて成形後の銅或いは銅基合金表面の酸化皮膜の除去液。
  5. 除去された酸化皮膜を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸化皮膜の除去液を直接電気分解することにより得られた再生原料として利用可能な銅或いは銅基合金。
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