JPH0631920B2 - 放射線像変換パネル - Google Patents

放射線像変換パネル

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JPH0631920B2
JPH0631920B2 JP41069690A JP41069690A JPH0631920B2 JP H0631920 B2 JPH0631920 B2 JP H0631920B2 JP 41069690 A JP41069690 A JP 41069690A JP 41069690 A JP41069690 A JP 41069690A JP H0631920 B2 JPH0631920 B2 JP H0631920B2
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phosphor
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正憲 寺岡
照美 松田
久 山崎
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線像変換パネルに
関するものである。さらに詳しくは、本発明は、防傷性
が改良された放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、放射線像を画像として得
る方法としては、銀塩感光材料からなる乳剤層を有する
放射線写真フィルムと増感紙(増感スクリーン)とを組
合わせた、いわゆる放射線写真法が利用されている。上
記の放射線写真法にかわる方法のひとつとして、たとえ
ば、米国特許第3,859,527号明細書および特開
昭55−12145号公報等に記載されているように、
輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換方法が知られてい
る。この放射線像変換方法は、輝尽性蛍光体を有する放
射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するも
ので、被写体を透過した放射線エネルギーあるいは被検
体から発せられた放射線エネルギーを上記パネルの輝尽
性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光
線および赤外線から選ばれる電磁波(以下「励起光」と
称する)で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光
体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発
光)として放出させ、この蛍光を光電的に読取って電気
信号を得、得られた電気信号を画像化するものである。
【0003】この方法で使用される放射線像変換パネル
自体は、放射線による照射、および励起光の照射によっ
ても殆ど変質することがないため、長期間にわたって繰
り返し使用することができる。ただし、実際の使用にお
いては励起光の走査だけではパネルに蓄積していた放射
線エネルギーが充分に放出し尽されないので、残存する
放射線エネルギーを消去するために、走査後に(次に使
用する前に)、用いる蛍光体の輝尽発光の励起波長領域
の光または熱をパネルに加えることが行なわれる。
【0004】上述の放射線像変換方法によれば、従来の
放射線写真法を利用した場合に比較して、はるかに少な
い被曝線量で情報量の豊富なX線画像を得ることができ
るとの利点がある。従って、この放射線像変換方法は、
特に医療診断を目的とするX線撮影等の直接医療用放射
線撮影において利用価値の非常に高いものである。
【0005】上記の放射線像変換方法に用いる放射線像
変換パネルは、基本構造として、支持体と、その片面に
設けられた蛍光体層とからなるものである。なお、この
蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支持体に面してい
ない側の表面)には一般に、透明な保護膜が設けられて
いて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃か
ら保護している。さらに、特願昭56−168141号
明細書に記載されているように、機械的強度を向上させ
るためにパネルの端面がポリマー被膜により被覆され、
縁貼りがなされる場合がある。
【0006】上述のように放射線像変換パネルは、残存
エネルギーの消去・放射線の照射・励起光の走査(読み
出し)という順からなるサイクルで繰り返し使用される
が、各ステップへの放射線像変換パネルの移動は搬送系
により行なわれる。放射線像変換パネルは一サイクル終
了した後は通常は積層して保存される。
【0007】 [発明の背景]放射線像変換方法において使用するパネ
ルは、従来の放射線写真法においてカセッテ内に固定し
て使用する増感紙とは使用状況が全く異なるため、その
パネルに対しては、増感紙を用いた場合には起こりえな
かった種々の問題が発生する。
【0008】たとえば、放射線像変換パネルにあって
は、このような搬送と積層状態との繰返しの使用におい
て、パネルが積層される際もしくは積層状態から搬送系
に移る際に、一枚のパネルの表面(支持体側表面)と他
のパネルの表面(蛍光体層側表面)との擦れ、およびパ
ネルの端縁と他のパネルの表面との擦れなどの物理的接
触により、パネルの両表面が損傷を受けるという問題が
生じる。特に、蛍光体層側表面に生じた物理的損傷は、
励起光の散乱、パネル中の蛍光体から放出される蛍光の
散乱などを生じさせる原因となって、放射線撮影により
得られる情報量の低下および情報の不明瞭化が発生する
ことになる。すなわち、この情報を画像化した場合に
は、得られる画像に画質の著しい低下が認められる。
【0009】従って、従来の支持体とその上に設けられ
た蛍光体層とからなる基本構造を有する放射線像変換パ
ネルについては、搬送あるいは積層の際にパネル表面、
特に蛍光体層側表面に生じる損傷を極力防ぐことが望ま
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な理由から、パネル表面の防傷性が向上した放射線像変
換パネルを提供することをその目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、支持体
と、この支持体上に設けられた輝尽性蛍光体を分散状態
で含有支持する結合剤からなる蛍光体層とから実質的に
構成されている放射線像変換パネルにおいて、該パネル
の蛍光体層側表面に摩擦係数が0.6以下の摩擦低減層
が設けられていることを特徴とする本発明の放射線像変
換パネルにより達成することができる。
【0012】本発明において、蛍光体層側表面とは、蛍
光体層の支持体と接している側とは反対側のパネル表面
(蛍光体層のその側の表面に保護膜などが設けられてい
る場合には、その表面)を意味する。
【0013】なお、本発明において摩擦係数とは、ある
速度で運動している物体にかかる運動摩擦の大きさを表
わす数値、すなわち動摩擦係数を意味し、以下に述べる
ような測定方法によって決定されるものである。
【0014】ポリエチレンテレフタレートシート上に、
放射線像変換パネルを、2cm×2cmの正方形に切断
した試料を、摩擦係数の測定対象表面を下側にして置
き、この試料の上に100gの荷重(試料の重量も含め
る)をかける。次に、この荷重がかけられている試料
を、引張り速度4cm/分にて引張り、テンシロン(U
TM−11−20;東洋ボールドウイン社製)を用い
て、温度25℃、湿度60%の条件下で、速度4cm/
分の運動状態にある試料の引張力F(g)を測定する。
この引張力Fと上記の荷重(100g)とから測定対象
表面の摩擦係数が、引張力/荷重の値として決定され
る。
【0015】本発明の放射線像変換パネルは、たとえば
次に述べるような方法により製造することができる。
【0016】本発明において使用する支持体は、従来の
放射線写真法における増感紙の支持体として用いられて
いる各種の材料から任意に選ぶことができる。そのよう
な材料の例としては、セルロースアセテート、ポリエス
テル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ
イミド、トリアセテート、ポリカーボネートなどのプラ
スチック物質のフィルム、アルミニウム箔、アルミニウ
ム合金箔などの金属シート、通常の紙、バライタ紙、レ
ジンコート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグ
メント紙、ポリビニルアルコールなどをサイジングした
紙などを挙げることができる。ただし、放射線像変換パ
ネルの情報記録材料としての特性および取扱いなどを考
慮した場合、本発明において特に好ましい支持体の材料
はプラスチックフィルムである。このプラスチックフィ
ルムにはカーボンブラックなどの光吸収性物質が練り込
まれていてもよく、あるいは二酸化チタンなどの光反射
性物質が練り込まれていてもよい。前者は高鮮鋭度タイ
プの放射線像変換パネルに適した支持体であり、後者は
高感度タイプの放射線像変換パネルに適した支持体であ
る。
【0017】公知の放射線像変換パネルにおいて、支持
体と蛍光体層の結合を強化するために、あるいは放射線
像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状
性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支
持体表面にゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性
付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性
物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなど
の光吸収性物質からなる光吸収層を設けることも行なわ
れている。本発明において用いられる支持体について
も、これらの各種の層を設けることができ、それらの構
成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じ
て任意に選択することができる。
【0018】さらに、本出願人による特願昭57−82
431号明細書に記載されているように、得られる画像
の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層が設け
られる側の表面(支持体のその側の表面に接着性付与
層、光反射層、あるいは光吸収層などが設けられている
場合には、その表面)に微小の凹凸が形成されていても
よい。
【0019】次に支持体の表面に蛍光体層を形成する。
蛍光体層は、基本的には輝尽性蛍光体の粒子を分散状態
で含有支持する結合剤からなる層である。
【0020】輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線
を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光
体であるが、実用的な面からは波長が450〜800n
mの範囲にある励起光によって輝尽発光を示す蛍光体で
あることが望ましい。本発明の放射線像変換パネルに用
いられる輝尽性蛍光体の例としては、
【0021】米国特許第3,859,527号明細書に
記載のSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、Th
:Er、およびLaS:Eu,Sm、 特開昭55−12142号公報に記載されているZn
S:Cu,Pb、BaO・xAl:Eu(ただ
し、0.8≦x≦10)、およびMIIO・xSiO
A(ただし、MIIはMg、Ca、Sr、Zn、Cdまた
はBaであり、AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、T
l、Bi、またはMnであり、xは、0.5≦x≦2.
5である)、
【0022】特開昭55−12143号公報に記載の
(Ba1-x-y,Mg,Ca)FX:aEu2+(ただ
し、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つであ
り、xおよびyは0<x+y≦0.6、かつxy≠0で
あり、aは10-6≦a≦5×10-2である)、
【0023】特開昭55−12144号公報に記載され
ているLnOX:xA(ただしLnはLa、Y、Gd、
およびLuのうちの少なくとも一つ、XはClおよびB
rのうちの少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうち
の少なくとも一つ、そして、xは、0<x<0.1であ
る)、
【0024】特開昭55−12145号公報に記載され
ている(Ba1-x,M2+ x)FX:yA(ただし、M2+
Mg、Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なくと
も一つ、XはCl、BrおよびIのうちの少なくとも一
つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、
Nd、YbおよびErのうちの少なくとも一つ、そして
xは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2であ
る)、 などを挙げることができる。
【0025】ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体
は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射
したのちに励起光を照射した場合に、輝尽発光を示す蛍
光体であればいかなるものであってもよい。
【0026】蛍光体層の結合剤の例としては、ゼラチン
等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカランド、また
はアラビアゴムのような天然高分子物質;および、ポリ
ビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロー
ス、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコ
ポリマー、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル・酢
酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテ
ートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエス
テルなどような合成高分子物質などにより代表される結
合剤を挙げることができる。このような結合剤のなかで
特に好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエス
テル、およびニトロセルロースと線状ポリエステルとの
混合物である。
【0027】蛍光体層は、たとえば、次のような方法に
より支持体上に形成することができる。
【0028】まず上記の輝尽性蛍光体粒子と結合剤とを
適当な溶剤に加え、これを充分に混合して、結合剤溶液
中に輝尽性蛍光体粒子が均一に分散した塗布液を調製す
る。 塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級ア
ルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドな
どの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級ア
ルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテルなどのエーテル;そして、それらの混合物を挙
げることができる。
【0029】塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との
混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光
体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光
体との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範
囲から選ばれ、そして特に1:8ないし1:40(重量
比)の範囲から選ぶことが好ましい。
【0030】塗布液には、上記塗布液中における蛍光体
の分散性を向上させるための分散剤、または、形成後の
蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向
上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されて
いてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例と
しては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性
界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の
例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐
酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、
フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グ
リコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチル
フタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、
トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステ
ル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステル
などのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポ
リエステルなどを挙げることができる。
【0031】上記のようにして調製された蛍光体と結合
剤を含有する塗布液を、次に、支持体の表面に均一に塗
布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操
作は通常の塗布手段、たとえばドクターブレード、ロー
ルコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行
なうことができる。
【0032】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、支持体上への蛍光体層の形成を完
了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パ
ネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比
などによって異なるが、通常は20μmないし1mmと
する。ただし、この層厚は、50ないし500μmとす
るのが好ましい。
【0033】なお、蛍光体層は、必ずしも上記のように
支持体上に塗布液を直接塗布して形成する必要はなく、
たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラスチックシー
トなどのシート上に塗布液を塗布し乾燥することにより
蛍光体層を形成した後、これを支持体上に押圧するか、
あるいは接着剤を用いるなどして支持体と蛍光体層とを
接合してもよい。通常の放射線像変換パネルにおいて
は、支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表面に、
蛍光体層を物理的および化学的に保護するための透明な
保護膜が設けられている。このような透明保護膜は、本
発明の放射線像変換パネルについても設置することが好
ましい。
【0034】透明保護膜は、たとえば酢酸セルロース、
ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポ
リメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分
子物質のような透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解し
て調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により
形成することができる。あるいは、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリア
ミドなどから別に形成した透明な薄膜を蛍光体層の表面
に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても
形成することができる。上記のうちで特に好ましい保護
膜材料はポリエチレンテレフタレートである。このよう
にして形成する透明保護膜の膜厚は、約3ないし20μ
mとするのが望ましい。
【0035】次に、支持体とこの上に設けられた蛍光体
層(あるいはさらに保護膜)とから実質的に構成された
パネルの蛍光体層(あるいはその保護膜)の上に摩擦低
減層を形成する。
【0036】本発明の特徴的な要件である摩擦低減層の
形成は、たとえば、摩擦係数が小さい材料からなるシー
ト、あるいは物理的もしくは化学的方法により表面の摩
擦係数を小さくしたシートなどを適当な接着剤を用い
て、上記パネルの蛍光体層(あるいはその保護膜)の上
に接着することにより行なわれる。摩擦係数の小さい材
料の代表的な例としてはテフロンフィルムを挙げること
ができる。
【0037】ただし、本発明において摩擦低減層として
用いられる材料は上記の材料に限定されるものではな
く、表面の摩擦係数が小さく、かつ接着などにより上記
パネル上に設けることのできるものであればいかなるも
のであってもよい。
【0038】また摩擦低減層は、支持体および蛍光体層
とからなる上記パネルの蛍光体層(あるいはその保護
膜)の表面に潤滑剤を塗布することにより形成されても
よい。本発明において使用することのできる潤滑剤は、
たとえば公知の各種の潤滑剤から選ぶことができるが、
そのような潤滑剤の例としてはシリコンオイル、オレイ
ン酸、ミルスチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸、
高級脂肪酸のエステル、高級脂肪酸の塩、およびフッ素
系界面活性剤などを挙げることができる。
【0039】このほかに、摩擦低減層は上記パネルの蛍
光体層(あるいはその保護膜)の上にマット剤を塗布す
るなどにより形成することも可能である。本発明におい
て、摩擦低減層は、損傷箇所での光の散乱、屈折などの
光学上のトラブルを解決するのに有効であり、得られる
パネルの感度及び画質(鮮鋭度、粒状性など)の点か
ら、その形成は、潤滑剤を塗布することにより行なわれ
るのが特に好ましい。
【0040】蛍光体層側表面への摩擦低減層の形成は、
必ずしも上記のように支持体とこの上に設けられた蛍光
体層(あるいはさらに保護膜)とから実質的に構成され
たパネル上で直接行なう必要はなく、支持体、予め別に
形成された蛍光体層、あるいは保護膜のそれぞれの表面
に上記摩擦低減層を形成した後、これらを接着剤を用い
るなどして接合してもよい。
【0041】本発明においては、上記のようにして摩擦
低減層を設け、その摩擦低減層の設けられたパネル表面
の摩擦係数(前述の測定方法により決定される動摩擦係
数)が、0.6以下となるようにする。より好ましく
は、0.5以下である。
【0042】本発明の放射線像変換パネルにおいては、
パネルの搬送性を高め、かつ、本発明の目的であるパネ
ルの防傷性を一層高めるために、上記のようにして形成
されたパネルの端縁のエッジを面取りしたのち、この面
取りされたエッジを含む該パネルの端面がポリマー被膜
によって被膜(縁貼り)されているのが好ましい。
【0043】放射線像変換パネルの面取りおよび縁貼り
は、本出願人による特願昭57−87799号明細書に
記載されているような方法を用いて行なうことができ
る。
【0044】すなわち、パネルの面取りは、搬送性を向
上させるためには、パネルの進行方向の支持体側の端縁
のエッジに施されればよいが、パネル表面の損傷を防止
するためには、パネルの支持体側のすべての端縁のエッ
ジが面取りされるのが好ましい。また、蛍光体層側の端
縁のエッジも面取りされることが、パネルの搬送性およ
び防傷性をより一層向上させるのに好ましい。
【0045】本発明において、面取りとは、面取りされ
た部分が平面である場合および湾曲した面である場合の
両方を含むものとする。
【0046】なお、支持体側の面取りは、パネルの垂直
方向に測定した場合支持体の厚さに対し1/50〜1の
範囲の比率であるのが好ましい。蛍光体層側が面取りさ
れる場合も同様に蛍光体層の厚さに対し1/50〜1の
範囲の比率であるのが好ましい。また、支持体側の端縁
のエッジとこのエッジに対向する蛍光体層側の端縁のエ
ッジの両方が面取りされる場合においては、新たな角が
形成されないように、支持体側および蛍光体層側のうち
の少なくとも一方の面取りの範囲が比率で1未満である
のが望ましい。
【0047】次に、上記のように面取りされた放射線像
変換パネルの端面にポリマー被膜からなる縁貼りを形成
する。
【0048】縁貼り材料としては、ポリマー被膜材料と
して一般に知られているものを使用することができる
が、たとえば、特願昭56−168141号明細書に記
載されているように、次のようなポリウレタン、アクリ
ル系樹脂が挙げられる。
【0049】ポリウレタンとしては、分子鎖中にウレタ
ン基(NH−COO)を有するポリマーが好ましく、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,
2′−ジエチル−1,3−プロパンジオールとの重付加
反応生成物、ヘキサメチレンジイソシアネートと2−n
−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールとの
重付加反応生成物、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネートとビスフェノールAとの重付加反応生成物、
およびヘキサメチレンジイソシアネートとレゾルシノー
ルとの重付加反応生成物などが挙げられる。
【0050】アクリル系樹脂としてはアクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
メチルアクチル酸、メチルメタアクリル酸などのホモポ
リマーまたはコポリマー(たとえばアクリル酸・スチレ
ンコポリマー、アクリル酸・メチルメタクリレートコポ
リマー)が挙げられる。縁貼り材料として特に好ましい
ものはメチルメタアクリル酸のホモポリマーであるポリ
メチルメタクリレートである。なお、アクリル系樹脂と
して重合度が1×10〜5×10のものを使用する
のが好ましい。
【0051】また、上記ポリウレタンあるいはアクリル
系樹脂(特にアクリル系樹脂)と種々のほかのポリマー
材料(ブレンド用ポリマー)とを組み合わせたものも縁
貼り材料として使用することができる。ブレンド用ポリ
マーとして最も好ましいものは、塩化ビニル・酢酸ビニ
ルコポリマーである。そのような例としては、塩化ビニ
ルの含有率が70〜90%、重合度が400〜800の
塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーを用いたアクリル系
樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーとの混合物
(混合比が1:1〜4:1(重量比)である)が挙げら
れる。
【0052】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示す。
【0053】 [実施例1]輝尽性のユーロピウム賦活弗化臭化バリウ
ム蛍光体(BaFBr:Eu)の粒子と線状ポリエステ
ル樹脂との混合物にメチルエチルケトンを添加し、さら
に硝化度11.5%のニトロセルロースを添加し蛍光体
粒子を分散状態で含有する分散液を調製した。次に、こ
の分散液に燐酸トリクレジル、n−ブタノール、そして
メチルエチルケトンを添加したのち、プロペラミキサー
を用いて充分に撹拌混合して、蛍光体粒子が均一に分散
し、かつ粘度が25〜35PS(25℃)の塗布液を調
製した。
【0054】次に、ガラス板上に水平に置いたポリエチ
レンテレフタレートフィルム(支持体、厚み:250μ
m)の上に塗布液をドクターブレードを用いて均一に塗
布した。そして塗布後に、塗膜が形成された支持体を乾
燥器内に入れ、この乾燥器の内部の温度を25℃から1
00℃に徐々に上昇させて、塗膜の乾燥を行なった。こ
のようにして、支持体上に層厚300μmの蛍光体層を
形成した。次いでこの蛍光体層の上にポリエチレンテレ
フタレートの透明フィルム(厚み:12μm、ポリエス
テル系接着剤が付与されているもの)を接着剤層側を下
に向けて置いて接着することにより、透明保護膜を形成
した。
【0055】さらに、この保護膜の表面に、シリコンオ
イルを布を用いて塗布したのち、乾拭きすることによ
り、保護膜上に摩擦低減層を形成した。
【0056】このようにして順に、支持体、蛍光体層、
透明保護膜、および摩擦低減層から構成された放射線像
変換パネルを製造した。
【0057】 [実施例2]実施例1で用いた材料と同じものを用い、
実施例1の方法と同様な処理を行なうことにより、支持
体上に蛍光体層および透明保護膜を形成した。この保護
膜の表面に、ネオペンチルポリオール脂肪酸エステル
(ユニスターH−381、日本油脂(株)製)のメタノ
ール溶液を布を用いて塗布したのち、乾拭きすることに
より、保護膜上に摩擦低減層を形成した。
【0058】このようにして順に、支持体、蛍光体層、
透明保護膜、および摩擦低減層から構成された放射線像
変換パネルを製造した。
【0059】 [比較例1]実施例1で用いた材料と同じものを用い、
実施例1の方法と同様な処理を行なうことにより、支持
体上に蛍光体層および透明保護膜を形成した。
【0060】このようにして順に、支持体、蛍光体層、
および透明保護膜から構成された放射線像変換パネル
(摩擦低減層は付設されていない)を製造した。
【0061】 [評価例]上記のようにして製造した各々の放射線像変
換パネルの摩擦低減層表面(比較例1においては支持体
表面のおよび保護膜表面)の摩擦係数を、前述の方法に
より測定した。すなわち、ポリエチレンテレフタレート
シートの上に、放射線像変換パネルを2cm×2cmの
正方形に切断した試料を摩擦低減層(あるいは、測定対
象のパネル表面)を下側にして置き、この試料の上に、
試料の重量も含めて100gとなるように荷重をかけ
た。次に、この荷重がかけられている試料を、引張り速
度4cm/分にて引張り、テンシロン(UTM−11−
20;東洋ボールドウイン社製)を用いて温度25℃、
湿度60%の条件下で、速度4cm/分の運動状態にあ
る試料の引張力F(g)を測定した。この引張力Fと上
記の荷重(100g)とから、パネルに設けられている
摩擦低減層(あるいは、測定対象のパネル表面)の摩擦
係数を、引張力/荷重の値により算出した。
【0062】次に、上記ようにして製造した各々の放射
線像変換パネルを、以下に記載する擦り傷試験により評
価した。
【0063】まず、放射線像変換パネルを、25.2c
m×30.3cmの長方形に切断して擦り傷試験用試料
とした。次に、放射線像変換パネルの支持体側表面に使
用されている材料と同一の材料(本実施例においては、
ポリエチレンテレフタレートフィルム)からなる基材シ
ートの上に、試料の摩擦低減層を下側にして置いた。次
に、この試料を10cmの幅で1000回擦ったのち、
試料の摩擦低減層の設けられた蛍光体層側表面を目視に
より判定した。ただし、比較例1の試料の場合には、試
料の保護膜および支持体を下側にして、上記と同様に試
験してそれらの結果により評価した。
【0064】その結果を次のような三段階で表示した。 A:擦り傷は殆ど生じていない B:擦り傷が多少は生じているが実用上問題のない程度
である C:擦り傷が非常に多い
【0065】各々の放射線像変換パネルについて得られ
た結果を第1表に示す。
【0066】 第1表 摩擦係数 防傷性 実施例1 0.44 A 実施例2 0.45 A 比較例1a 0.67 C 比較例1b 0.67 C
【0067】註:比較例1aでは、保護膜を下側にした
時のパネルの蛍光体層側表面(保護膜)の擦り傷を、比
較例1bでは、支持体を下側にした時の基材シートの擦
り傷を、それぞれ評価した。
【0068】
【発明の効果】本発明は、放射線像変換パネルの蛍光体
層側表面に、摩擦係数が0.6以下の摩擦低減層を設け
ることにより、それらのパネル表面の防傷性を改良した
ものである。この改良により、従来、パネルの搬送およ
び積層の際にパネル表面とパネル表面との擦れなどによ
って、パネル表面に生じやすかった損傷を効果的に防止
することができる。特に、パネルが積層される際にパネ
ルの蛍光体層側表面に生じやすかった損傷を効果的に防
止することができ、従って本発明の放射線像変換パネル
を用いた場合には、摩擦低減層が付設されていないパネ
ルを用いた場合に比較して特に画質が向上した画像を得
ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、この支持体上に設けられた輝尽
    性蛍光体を分散状態で含有支持する結合剤からなる蛍光
    体層とから実質的に構成されている放射線像変換パネル
    において、該パネルの蛍光体層側表面に摩擦係数が0.
    6以下の摩擦低減層が設けられていることを特徴とする
    放射線像変換パネル。
  2. 【請求項2】上記摩擦低減層が、潤滑剤からなる層であ
    る請求項第1項記載の放射線像変換パネル。
JP41069690A 1982-10-26 1990-12-14 放射線像変換パネル Expired - Lifetime JPH0631920B2 (ja)

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