JPH0631766B2 - 原子炉の初装荷炉心 - Google Patents

原子炉の初装荷炉心

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JPH0631766B2
JPH0631766B2 JP60220106A JP22010685A JPH0631766B2 JP H0631766 B2 JPH0631766 B2 JP H0631766B2 JP 60220106 A JP60220106 A JP 60220106A JP 22010685 A JP22010685 A JP 22010685A JP H0631766 B2 JPH0631766 B2 JP H0631766B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、原子炉の炉心に係り、特に沸騰水型原子炉に
適用するのに好適な原子炉の炉心に関する。
〔発明の背景〕
沸騰水型原子炉の炉心は第2図に示すように、1本の制
御棒とそれを囲む4本の燃料集合体からなるセルを複数
個配置することにより構成される。
一般に、沸騰水型原子炉では、最初の運転時の炉心、い
わゆる初装荷炉心に装荷される燃料集合体の平均濃縮度
は同一で一種類であつた。ところで、原子炉では1サイ
クル毎に全数の約1/3〜1/4の燃料集合体を取出
し、新燃料と交換するが、初装荷炉心用燃料集合体の平
均濃縮度は2〜3サイクル炉心内で燃焼が可能なように
設定されているため、初装荷炉心用燃料集合体を用いる
運転サイクル(以下「第1サイクル」と称し、それ以後
に部分的に燃料を交換し引続き運転するサイクルを「第
2サイクル」、「第3サイクル」…と称する。)終了時
の燃料交換では、まだ充分に燃焼の進んでなく、ウラン
235残留量の高い燃料集合体を炉心から取り出すこと
により不経済であつた。
第2サイクル以後の初めに装荷される新燃料集合体は取
替燃料集合体と呼ばれ、第1サイクル以後、数サイクル
にわたり継続的に取替燃料集合体を装荷した炉心は、炉
内全体の燃料成分がほとんど一定の状態に達したサイク
ルで、その前のサイクルおよび次のサイクルとの熱特性
が変らず安定したサイクルとなり、これは平衡サイクル
と呼ばれ、平衡サイクルとなつた炉心を平衡サイクルと
いう。
このような原子炉においては、第1サイクルから平衡サ
イクルへ移行する中間のサイクル(以後「移行サイク
ル」という。)での熱特性およびサイクル増分燃焼度が
平衡サイクルのそれらと同程度あるいは、速やかにそれ
らに収束するのが好ましい。しかしながら、従来の初装
荷炉心のように集合体平均濃縮度が一種類の場合には、
平衡サイクルへの移行も長くかかり、移行サイクルでの
燃料取替体数の変動も大きく必ずしも満足なものではな
かつた。
このため、沸騰水型原子炉において、平均濃縮度の異な
る他種類の燃料集合体を組み合せて初装荷炉心を構成
し、1サイクル毎に濃縮度の低い燃料集合体から取出
し、これを新燃料集合体と交換することにより、初装荷
燃料集合体の平均取出燃焼度を増大させるとともに、次
サイクルへの移行を速やかにする試みがなされている。
しかしながら、このように濃縮度の異なる多種類の燃焼
集合体から構成される炉心では、燃焼による反応度の変
化が、燃料集合体ごとに異なるために、燃料物質の燃焼
にともなう炉心の余剰反応度の変化が大きくなり、この
余剰反応度制御のための制御棒操作が増加していた。
ところで、制御棒を操作した時には、制御棒囲りの燃料
集合体での出力が急激に変化するので、燃料集合体の建
全性を維持するために、出力運転中の制御棒操作方法が
きびしく制限されている。通常、制御棒を操作する時に
は、まず炉心流量の調整によつて、出力を約5割低下さ
せた状態で、制御棒を操作し、その後、炉心流量を増大
して出力を回復させる手順をとつている。このため、制
御棒操作時ごとに、出力を低下せねばならず、これはプ
ラントの稼動率を低下させるとともに、反応度制御のた
めにあまり多く制御棒を操作することは、プラントの運
転性をもそこなつていた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、初装荷炉心における炉心余剰反応度の
変化を抑制して、プラントの稼動率を向上できる原子炉
の炉心を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明の特徴は、炉心に装荷される燃料集合体は、平均
濃縮度によつて第1燃料集合体、第2燃料集合体及び第
3燃料集合体の3種類に分類されて第1燃料集合体、第
2燃料集合体及び第3燃料集合体の順に平均濃縮度がだ
んだん低くなつており第1燃料集合体及び第2燃料集合
体は可燃性毒物を含んでいるが、第3燃料集合体は可燃
性毒物を含んでおらず、第2燃料集合体に設けられた可
燃性毒物入り燃料棒の本数は、第1燃料集合体に設けら
れた可燃性毒物入り燃料棒の本数よりも少ないことにあ
る。
発明者等は、初装荷炉心を平均濃縮度の異なる複数の燃
料集合体により構成し、これらの燃料集合体の平均濃縮
度と、可燃性毒物を含む燃料棒の数を特定化することに
より、本発明の目的を達成できることを見出した。
すなわち、初装荷炉心において平均濃縮度の異なる多種
類の燃料集合体を用いることは、たとえば、特開昭57-8
486号公報に述べられており、初装荷炉心から平衡炉心
への移行がスムーズに行われ、また、集合体濃縮度が単
一の初装荷炉心に比較して、取出燃焼度が増加できる効
果が述べられている。しかし、これだけでは、本発明の
目的とする余剰反応度の平担化を達成することが難し
い。発明者等は、以下に示す機能をさらに初装荷炉心に
付加することによつて初装荷炉心における余剰反応度の
平担化を達成できることを見い出した。
初装荷炉心に3種類の燃料集合体を用いて第1サイクル
での余剰反応度を平担化する方法の一つは、例えば、各
燃料集合体の無限増倍率の第1サイクルでの燃焼変化を
次のように規定することである。これは、最も望しい例
である。
まず第一の燃料集合体の無限増倍率は、燃焼とともに減
少するように設定する(第3図の特性aを参照)。そし
て、第二の燃料集合体の無限増倍率を燃焼によらずほぼ
一定となるように設定する(第4図の特性b参照)。さ
らに第三の燃料集合体の無限増倍率は、燃焼とともに増
加するようにし、その増加率は、第一の燃料集合体の無
限増倍率の減少率とほぼ等しくなるように設定する(第
5図の特性c参照)。このような無限増倍率の燃焼変化
を持つ3種類の燃料集合体を用いて初装荷炉心を構成す
れば、3種類の燃料集合体の無限増倍率の平均値であ
る。炉心平均余剰反応度の燃焼変化を少なくすることが
原理的に可能となる。
このような無限増倍率の燃焼変化を実現する方法として
は、第1図に示すように、燃料集合体の平均濃縮度とガ
ドリニア棒本数を規定することが適切であることを発明
者等が発見した。
第1図において110は高濃縮度燃料集合体、120中
濃縮度燃料集合体、及び130は低濃縮度燃料集合体を
示し、それぞれの集合体平均濃縮度をe,e及びe
とする。e,e及びeの間には、e>e
の関係がある。そして、高濃縮度燃料集合体がN本
(Nは整数)の可燃性毒物(例えばガドリニア)入り燃
料棒を含むとき、中濃縮度燃料集合体は約半数、すなわ
ちN/2本の可燃性毒物入り燃料棒を含む。ただしNが
奇数のときには、中濃縮度燃料集合体中の可燃性毒物入
り燃料棒の本数は、(N+1)/2又は(N−1)/2
本に設定される。そして、低濃縮度燃料集合体は、可燃
性毒物入り燃料棒を含まない。このように中濃縮度燃料
集合体の可燃性毒物入り燃料棒の本数を高濃縮度燃料集
合体のその本数の約半分にすることは、後述するように
初装荷炉心の余剰反応度の変化をほぼ零にする最も好し
い例である。中濃縮度燃料集合体の可燃性毒物入り燃料
棒の本数を高濃縮度燃料集合体のその本数よりも少なく
する(0本ではない)ことによつて、初装荷炉心の余剰
反応度の変化は、従来よりも小さくなる。
濃縮度とガドリニア入り燃料棒を上述のように規定する
理由を第6図を用いて説明する。
第6図は、典型的なウラン燃料の無限増倍率と燃焼度と
の関係を示したものである。ガドリニアを含まない場合
には、燃焼度10Gwd/stあたり無限増倍率は約0.1の
割合で減少する。おの減少率は初期濃縮度にかかわらず
ほぼ一定である。一方、ガドリニア入り燃料棒は燃焼初
期で1本当り約0.25〜約0.3ΔKの反応度制御量がある
ため、ガドリニア入り燃料棒を4本とした場合には、第
6図の破線に示すように、燃焼初期の無限増倍率を燃焼
末期の無限増倍率(A点)とほぼ等しくできる。この場
合、ガドリニアの濃度を適正に選べば、第6図の破線に
示すように、無限増倍率の燃焼変化を無くすることがで
きる。濃縮度約2.6%の場合で、無限増倍率を平担にで
きるガドリニア濃度は約6%であつた。
さらに、ガドリニア入り燃料棒の数を2倍にして8本と
すると、ガドリニアによる反応度制御量が2倍となっ
て、第6図の一点鎖線で示すように、第1サイクルの燃
焼度区間では、無限増倍率は燃焼とともに増加する。そ
の増加率は、ガドリニア入り燃料棒がない場合(第6図
の実線)の無限増倍率の減少率とほぼ等しくなる。第6
図の特性は、ガドリニア入り燃料棒の本数が異なる燃料
集合体において、ガドリニア入り燃料棒のガトリニア濃
度が等しくした場合のものである。
なお、第6図に示した例では、第1サイクルの運転期間
が約12ケ月の場合の例で、この場合には、無限増倍率
の燃焼変化が平担となるガドリニア入り燃料棒の本数は
4本であつた。このガドリニア入り燃料棒の本数は、第
1サイクル運転長さに依存する。典型的な例では、第1
サイクル9ケ月の場合にはガドリニア入り燃料棒の本数
は3本であつて、ガドリニア濃渡も約4%となり、第1
サイクルが15ケ月の場合には、ガドリニア入り燃料棒
の本数は5本、ガドリニア濃度も8%以上となる(第7
図参照)。
このように、無限増倍率を平担化できるガドリニア入り
燃料棒の本数は、運転サイクル長さにより変わるが、こ
の本数の2倍のガドリニア入り燃料棒を用いた場合に
は、ガドリニア入り燃料棒がない場合の無限増倍率の減
少率と等しい増加率の無限増倍率が得られるという関係
は保存される。
濃縮度の異なる3種類の燃料集合体を用いる場合には、
高濃縮度燃料集合体にガドリニア入り燃料棒の本数を最
も多く用い、過剰な反応度を抑制する必要がある。した
がつて、高濃縮度燃料集合体に最も多いN本のガドリニ
ア入り燃料棒を設けて、中濃縮度燃料集合体には、その
約半分のN/2本のガドリニア入り燃料棒を入れ、低濃
縮度燃料集合体にはガドリニア入り燃料棒が含まれてな
いようにすることが最もよい。
この場合の無限増倍率の燃焼変化を第8図に示す。第8
図において、BOCはサイクル初期(Begining of Cycl
e)、EOCはサイクル末期(End of Cycle)の略である。
高濃縮度燃料集合体の無限増倍率は、第8図の特性aに
示すように、燃焼度零で低い値を示す。しかし、ガドリ
ニアの燃焼によつてその集合体の無限増倍率は増加し、
EOC1(第1サイクル末期)付近でほぼ最大となる。
一方、中濃縮度燃料集合体は、EOC1まで無限増倍率
が第8図の特性bのように燃焼を通じて平担となり、E
OC1以降で無限増倍率が減少する。低濃縮度燃料集合
体は、第8図の特性cのように、燃焼が進むにつれて単
調に減少する。
このように、各燃料集合体の無限増倍率を設定すること
により、第1サイクルの炉心平均余剰反応度を平担にす
ることができる。
〔発明の実施例〕
以下、本発明に基づく初装荷炉心の一実施例を説明す
る。
第9図は、本実施例で用いる高濃縮度燃料集合体11、
第10図は、同様に中濃縮度燃料集合体12及び第11
図は低濃縮度燃料集合体を示している。
高濃縮度燃料集合体11は第9図に示すように、ガドリ
ニアを含まない燃料棒21〜26を54本ガドリニアを
含む燃料棒27を8本、及びウオータロツド14を2本
から有している。燃料棒21〜26の軸方向の濃縮度分
布を第1表に示す。燃料棒21〜26は燃料棒の上端部
及び下端部に燃料有効部の長さの1/24の長さにわた
つて天然ウランを配置してある。燃料有効部とは燃料ペ
レツトが充填されている長さをいう。特に燃料棒22及
び24は燃料有効部の下端から8/24と、20/24
とで濃縮度の異なる3領域に区分されている。燃料集合
体11も、燃料棒22及び24に対応して軸方向に平均
濃縮度の異なる3領域に分割されており、これらの3領
域を下から下部領域、中部領域及び上部領域と呼ぶこと
にする。この下部領域及び上部領域には、前述の天然ウ
ラン領域が含まれていない。高濃縮度燃料集合体11の
下部領域の平均濃縮度は約3.1重量%、中部領域の平
均濃縮度は約3.3重量%及び上部領域の平均濃縮度は
約3.1重量%である。高濃縮度燃料集合体11の平均
濃縮度は約3.0重量%となる。また、高濃縮度燃料集
合体11は、ガドリニア入り燃料棒27を8本含んでい
る。燃料棒27も、燃料棒22及び24と同じ位置で3
領域に分割されている。燃料棒27は、3領域の濃縮度
が同じであるが、それらの3領域でガドリニア濃度が異
なつている。すなわち、燃料棒27の下部領域がガドリ
ニア濃度7.0重量%、中部領域が5.5重量%、上部
領域が2.5重量%である。
中濃縮度燃料集合体12は、第10図に示すように、ガ
ドリニアを含まない燃料棒31〜34を58本、ガドリ
ニアを含む燃料棒35を4本及びウオータロツド14を
2本有している。燃料棒31〜35の濃縮度を第2表に
示す。燃料棒31〜35は、燃料有効部の上端部及び下
端部の1/24の長さにわたつて天然ウランを配置して
いる。特に、燃料棒31の濃縮部は、燃料有効部の下端
から1/24で2領域に区分され、燃料有効部の下端か
ら1/12〜11/24の領域と燃料有効部の下端から
11/24〜23/24の領域とに分けられ、しかも、
後者の領域の濃縮度が前者の領域のそれよりも高くなつ
ている。またガドリニア入り燃料棒35は、第2表に示
すようにガドリニア濃度について3領域に分割される。
このため、燃料集合体12は軸方向に濃縮度について2
領域にガドリニア濃度について3領域に分割され、下か
ら下部領域、中部領域、上部領域と呼ぶことにする。燃
料集合体12の下部領域の平均濃縮度は約2.4重量
%、上部領域及び中部領域の平均濃縮度は約2.6重量
%である。燃料集合体12の平均濃縮度は2.4重量%
である。また燃料集合体12は、ガドリニア入り燃料棒
35を4本含み、燃料棒35は、燃料有効部の下端から
11/24と20/24でガドリニア濃度について3領
域に分割される。燃料棒35のガドリニア濃度は、下部
より7.0重量%、5.5重量%、2.5重量%であ
る。
低濃縮度燃料集合体13は、第11図に示すように、ガ
ドリニアを含まない燃料棒41〜43を62本及びウオ
ータロツド14、2本を有しており、ガドリニアを含む
燃料棒は含んでいない。燃料棒41〜43の濃縮度は第
3表に示す。燃料棒41,42は燃料有効部の上端及び
下端の1/24の長さにわたつて天然ウランを配置して
ある。燃料棒43は燃料有効部の全長にわたつて天然ウ
ランが配置されている。上下端部を除く濃縮部の濃縮度
は約1.3重量%であり、燃料集合体平均濃縮度は約
1.2重量%である。
第9図〜第11図に示した燃料集合体の無限増倍率の燃
焼変化を第12図に示す。第12図において、aとb、
第9図に示した高濃縮度燃料集合体の大部分をしめる中
部領域と下部領域の無限増倍率を示したもので、特性A
が中部領域、特性Bが下部領域に相当する。高濃縮度燃
料集合体11は、8本と多数のガドリニア入り燃料棒を
含んでいるので、第1サイクルでの燃焼度区間約10Gw
d/stまでは、燃焼が進むにつれて中部領域及び下部領域
で無限増倍率が増加している(特性A,B)。それらの
無限増倍率の増加率は、低濃縮度燃料集合体13の無限
増倍率(特性E)の減少率にほぼ等しくなつている。
一方中濃縮度燃料集合体12は、高濃縮度燃料集合体1
1の半数の4本のガドリニア入り燃料棒を含んでおり、
中部領域の無限増倍率が特性Cで下部領域の無限増倍率
が特性Dに示されるように、燃焼度10Gwd/stまでの無
限増倍率の変化は少なくほぼ平坦である。
第12図の特性Eは、低濃縮度燃料集合体13の中央領
域の無限増倍率を示したもので、ガドリニアを含まない
ために、無限増倍率は燃焼により単調に減少する。
第9図〜第11図に示す燃料集合体11〜13を用いて
構成した初装荷炉心を第13図に示す。第13図は、11
00MWe級沸騰水型原子炉の炉心の1/4を模式的に示し
た平面図で、図中、41,42は制御棒を示し、その周
囲には4体の燃料集合体が配置され、この制御棒1体と
燃料集合体4体で単位セルを構成し、この単位セルを複
数個配置して炉心が構成される。制御棒は、通常運転時
に炉心に挿入され、炉心の反応度を調整することを目的
とした制御棒41と、出力運転中は炉心から引抜かれ炉
心停止時のみ炉心に挿入される制御棒42に分類され
る。燃料集合体は濃縮度について3種類に分類され、1
1が高濃縮度燃料集合体、12が中濃縮度燃料集合体、
13が低濃縮度燃料集合体である。本実施例では、全燃
料装荷体数は764体で、このうち、高濃縮度燃料集合
体が248体、中濃縮度燃料集合体が220体、低濃縮
度燃料集合体が256体である。
この炉心の余剰反応度の燃焼変化を第14図に示す。余
剰反応度は、燃焼度約9GWd/tまで平坦であり変化は
ほとんどなく、燃焼度約9GWd/t以後減少し始め、第
1サイクル末期となる11.5GWd/tで余剰反応度は
零となる。第1サイクルの大部分で、余剰反応度の変化
が少ないことから、低濃縮度燃料4体に囲まれた制御棒
41だけを利用して、制御棒パターン交換を不要とし
た、単一パターン運転が、第一サイクルから可能とな
る。第15図は、本炉心の運転計画図を示したもので、
運転の大半を9本の制御棒を使つての単一パターンで運
転できるために、制御棒パターン交換・調整に伴う出力
低下がなくなり稼動率が向上する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、初装荷炉心の余剰反応度の燃焼変化を
抑制することができ、稼動率が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は集合体平均濃縮度とガドリニア入り燃料棒数の
関係を示す図、第2図は原子炉炉心を構成する制御棒と
燃料集合体の水平断面図、第3図〜第5図は無限増倍率
の燃焼変化を示す特性図、第6図はガドリニア本数と無
限増倍率の関係を示す特性図、第7図は、無限増倍率の
燃焼変化を抑制するガドリニア本数と運転長さの関係を
示す特性図、第8図は高濃縮度燃料集合体、中濃縮度燃
料集合体、低濃縮度燃料集合体の無限増倍率の原理図、
第9図は高濃縮度燃料集合体の水平断面図、第10図は
中濃縮度燃料集合体の水平断面図、第11図は低濃縮度
燃料集合体の水平断面図、第12図は高濃縮度燃料集合
体、中濃縮度燃料集合体及び低濃縮度燃料集合体の無限
増倍率の変化を示す特性図、第13図は第9図〜第11
図の燃料集合体を装荷した初装荷炉心の局部水平断面
図、第14図は第1サイクル余剰反応度の燃焼変化を示
す特性図、第15図は第1サイクル運転計画例の説明図
である。 110…高濃縮度燃料集合体、120…中濃縮度燃料集
合体、130…低濃縮度燃料集合体、101…制御棒、
102…燃料棒、103…燃料集合体、11…高濃縮度
燃料集合体、12…中濃縮度燃料集合体、13…低濃縮
度燃料集合体、14…ウオータロツド。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の燃料集合体が装荷された原子炉の初
    装荷炉心において、装荷される前記燃料集合体は、平均
    濃縮度によつて第1燃料集合体、第2燃料集合体及び第
    3燃料集合体の3種類に分類されて前記第1燃料集合
    体、前記第2燃料集合体及び前記第3燃料集合体の順に
    平均濃縮度がだんだん低くなつており、前記第1燃料集
    合体及び前記第2燃料集合体は可燃性毒物を含んでいる
    が前記第3燃料集合体は可燃性毒物を含んでおらず、前
    記第2燃料集合体に設けられた可燃性毒物入り燃料棒の
    本数は、前記第1燃料集合体に設けられた可燃性毒物入
    り燃料棒の本数よりも少ないことを特徴とする原子炉の
    初装荷炉心。
  2. 【請求項2】前記第2燃料集合体内の前記可燃性毒物入
    り燃料棒の本数は、前記第1燃料集合体内のその本数の
    約半数である特許請求の範囲第1項記載の原子炉の初装
    荷炉心。
  3. 【請求項3】前記可燃性毒物がガドリニアである特許請
    求の範囲第1項または第2項記載の原子炉の初装荷炉
    心。
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