JPH0631749B2 - 変位燃料集合体 - Google Patents

変位燃料集合体

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JPH0631749B2
JPH0631749B2 JP63117175A JP11717588A JPH0631749B2 JP H0631749 B2 JPH0631749 B2 JP H0631749B2 JP 63117175 A JP63117175 A JP 63117175A JP 11717588 A JP11717588 A JP 11717588A JP H0631749 B2 JPH0631749 B2 JP H0631749B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は原子炉の燃料チャネルに関し、特に、核燃料集
合体の価値を高めうる、D格子炉形沸騰水型原子炉(B
WR)用の変位燃料チャネルを開示するものである。
先行技術の要約 沸騰水型原子炉(BWR)では、通例、核分裂性物質が
各燃料棒内に密封されており、燃料棒は各燃料集合体内
に密封されている。核燃料集合体は結合板と呼ばれる底
部入口を持ち、底部支持炉心板と炉心支持鋳物とを経て
流入する水を受け入れる。多角形断面、好ましくは正方
形断面のチャネルが核燃料集合体の全長にわたって上下
に延在する。
これらの正方形断面核燃料集合体は通例4個を1群とす
る複数の群に配置される。各群の4個のこのような燃料
集合体を隔置することにより、十字形空隙を4個の隣合
う核燃料集合体間に画成する。この十字形空隙の補完的
な十字形制御棒を挿入して核反応を制御する。
核燃料集合体内で沸騰すべき水は、通例、炉心板に設け
た入口を経て圧入される。この水は炉心板からチャネル
内を通りかつ個々の燃料内蔵棒の周囲を流れる。この通
水水、熱が燃料棒から奪われ水が沸騰する。発生した蒸
気をタービン発電機で利用して電力を発生しうる。
BWRでは、4個毎の核燃料集合体の群の配列に従来2
種の方式が利用されてきた。第1の最古のものはいわゆ
るD格子燃料集合体配列である。この種の配列では、燃
料集合体間の制御棒を挿入した十字形空隙の寸法は、制
御棒を挿入しない燃料集合体間の空隙寸法より大きい。
このようなD格子型燃料集合体では、核燃料を内蔵する
個々の棒の不均等ピーキングの問題が存在した。
このピーキング問題は簡単に説明しうる。BWRで用い
るような核分裂反応は高速中性子を発生する。しかし、
核分裂反応は低速中性子によって開始される。BWRに
存在する水は発生した高速中性子を減速して核分列開始
用の低速中性子にする。
多量の水に隣接する核燃料集合体の燃料チャネル内の棒
は、通例、比較的多くの低速中性子にさらされるので、
比較的多くの核分裂反応が起こる。これらの棒は、「ピ
ーク」する、すなわち、多くの核分裂反応を生ずる。
少量の水に隣接する核燃料集合体の燃料チャネル内の棒
は、通例、比較的少量の低速中性子にさらされるので、
より少ない核分裂反応が起こる。これらの棒は「ピー
ク」せず、より少ない核分裂反応を生ずる。
「ピーキング」の問題は、核燃料集合体を横切る方向の
個々の棒の濃縮度分布を変えることによって軽減され
る。通例、棒濃縮度分布は反応の適度な均等性を確保す
るように変えられる。
残念ながら、棒濃縮度分布が、特に、ほぼ均等かつ対称
的な状態から変わるにつれ、核燃料集合体の全エネルギ
ー出力または「価値(worth )」が低下する。価値が低
下すると、全出力が低下しそして(または)燃料交換の
度数を増す必要がある。
第2の、比較的最近のものは、いわゆるC格子燃料集合
体配列である。この種の配列では、核燃料集合体間の制
御棒を挿入した十字形空隙の幅は、制御棒を挿入しない
核燃料集合体間の幅と同じ寸法である。このような原子
炉は「ピーキング」現象の発生が比較的少なく、そして
装荷燃料の濃縮度の利用効率がより高い。
C格子型とD格子型の原子炉では、制御棒を挿入する4
つの隣合う核燃料集合体間の十字形空隙との干渉を避け
るように多大の注意が払われてきたしまた払われなけれ
ばならない。特に、制御棒を挿入した十字形空隙内への
燃料チャネルの湾曲の防止に注意が払われる。このよう
な注意の理由は明らかである。もし制御棒が重大な摩擦
なしに空隙を貫通しえなければ、制御棒は作用不能と判
定されて完全に挿入され、その結果サイクルエネルギー
の損失が生ずる。
偏心的に装着する入口または不側結合板をD格子BWR
の燃料チャネルに配置することは公知である。通例、こ
のような偏心装着入口は、元々設計された比較的小さな
燃料集合体の代わりにより大きな燃料集合体を取り付け
るためのものであった。バリ(Barry )等の「核燃料集
合体」と題する米国特許第4560532号を参照され
たい。残念ながら、このような変位した大形燃料チャネ
ルの取り付けは元々設計された原子炉流量および水量を
変える可能性がある。このような流量と水量の変化は核
燃料集合体の内外で起こる。このような変化は、もしす
べての核燃料集合体が同時に変えられれば許容しうるか
も知れない。しかし、核燃料集合体のすべてではなく一
部の置換は、元の設計からかなり離れた流量変化を起こ
すおそれがある。
D格子原子炉の形状に関しては、このような原子炉のト
ップガイドと炉心支持鋳物すなわち燃料集合体を炉心板
上に支持する鋳物が製造時に特殊形状に作られる。この
元の設計の故に、いかなる種類の炉心改造にも否定的な
意向が当業界に広く存在する。
炉心改造に否定的なこの意向は運転経験に大いに根差し
ている。詳述すると、原子炉は通例、燃料交換なしに1
5箇月以下の期間運転される。その後、原子炉を燃料交
換期間、通例3箇月の範囲の期間、取り出す必要があ
る。このような原子炉燃料交換時の運転停止は信じがた
い程費用がかかる。燃料集合体の3分の1程度がこのよ
うな運転停止中に交換されることを想起すると、原子炉
を炉心改造に十分な期間停止させることは考えられな
い。これは、所要停止の期間が通常の場合の3倍程長く
かつその結果としての原子炉効率の向上が比較的少なく
2%程度に過ぎない場合特にそうである。
炉心改造に否定的な上記の意向は、特に、制御棒用十字
形空隙に関係する時に存在する。詳述すると、制御棒挿
入のために隣合う燃料チャネル間に画成された空間の妨
げとなることを回避することが従来の慣例であった。さ
らに、チャネルをあらかじめ湾曲させることが、制御棒
の間隙を確保するために実行されてきた。
予備湾曲方式の実施に関し、ジルカロイという名で知ら
れる合金で作られた燃料チャネルがそれらの設置時に周
囲湾曲について観察される。この湾曲、すなわち、真の
垂直方向からの偏りは、その後、燃料チャネルを用いた
製造ずみ燃料集合体の配置の際に利用される。さらに詳
述すると、燃料チャネルは、十字形空隙から離れるよう
に湾曲して制御棒用間隙を確保するように整合される。
従って、問題は完全の問題ではなく、むしろ原子炉全エ
ネルギーの損失である。もし制御棒が重大な摩擦なしに
空隙を貫通しえなければ、制御棒は作用不能と判定され
るので完全に挿入され、その結果サイクルエネルギーの
損失が生ずる。
通例、制御棒は周期的に用いられる。このような使用の
際、制御棒は駆動装置により比較的多大な力を受けて挿
入され、十字形空隙内の所望の制御用挿入位置に達す
る。所要挿入位置に達すると、制御棒は重力により機械
的に停止する。なんらかの理由、例えば、燃料集合体間
の所要間隙を維持し損ねることにより制御棒が停止しな
いと、それらは作用不能と判定される。このような判定
を受けると、制御棒は完全に挿入されなければならな
い。この挿入は制御棒駆動装置から大きな力を受けて生
ずる。その結果、制御棒挿入が起こらないことは事実上
知られない。燃料交換が行われそして制御棒の修理が可
能になるまで、完全挿入制御棒は原子炉にエネルギー損
失をもたらす。当然、慎重な運転にはこのようなエネル
ギー損失の回避が必要である。
発見 D格子原子炉の燃料交換に関し、我々は次のこと、すな
わち、個々の燃料集合体をそれらにシムを付けることに
よって制御棒挿入用の大形の十字形断面空隙の方へ移す
と、核燃料集合体の可能濃縮度の予期せぬ増大が得られ
ることを発見した。この発見は開示の燃料設計によって
補足される。各核燃料集合体を十字形断面の制御棒用空
隙の方へ斜めに57ミル(1ミル=1000分の1イン
チ)移すと、燃料集合体の寿命を2.0%延ばす程の濃
縮が可能であることがわかった。764個の核燃料集合
体を持つ代表的なD格子原子炉全体にわたって合計する
と、費用がかなり節約される。例えば、1.5%の濃縮
度変化を仮定すると、1個の燃料集合体の寿命の延び2
%はその燃料集合体にとって約4,000.00ドルの
節約になる。原子炉全体にわたって合計した時の燃料集
合体費用の節約は、本発明の変位チャネルを用いた原子
炉の完全な燃料交換の場合3,000,000.00ド
ルに達する節約を包含しうる。
我々はまた次のこと、すなわち、燃料集合体を相互に近
付け、かつ制御棒に従来用いた公差を有効に侵すことに
より、燃料チャネル湾曲の問題が軽減されることを発見
した。詳述すると、高速中性子束の不均等性が燃料チャ
ネルにおいて減らされる。燃料チャネルの横断方向に沿
う高速中性子束がチャネルの冶金学的伸長をもたらすこ
とは知られている。我々は、燃料集合体を互いに接近さ
せるとチャネルの横断方向に沿う高速中性子勾配が減る
ことを確認した。高速中性子束勾配が減ると、チャネル
の湾曲傾向、すなわち、中性子の衝突を受けて片側が他
の側より大きく膨張する傾向も同様に減る。従って、開
示の変位燃料集合体は、燃料集合体湾曲を減らすかなり
意外な傾向を持つ。
制御棒湾曲が自己誘因的であることを理解されたい。チ
ャネルの湾曲が増すと、湾曲チャネルの横断方向に沿う
前記勾配も増大する。この勾配の増大とともに湾曲の発
生が速まる。従って、初期湾曲を最少にすることが重要
であることが理解されよう。
一解決策の発見がその解決策を実施する特定設計と同様
に発見を構成しうることを理解されたい。つまり、ここ
に述べた発見を発見と見なされたい。
発明の要約 D格子型の沸騰水型原子炉(BWR)において核燃料集
合体を取り付ける装置と方法の改良を開示する。さらに
詳述すると、D格子核燃料集合体を頂部と底部において
制御棒用十字形空隙の方へ変位させる。核燃料集合体の
底部の変位は、燃料集合体の下端で炉心板に取り付けら
れる偏心した下側結合板と流体入口によって生ずる。核
燃料集合体の上端の変位は、トップガイドに隣接してチ
ャネルの上端付近に設けられたシムと、改変チャネルク
リップとによって生ずる。開示のチャネル集合体は燃料
交換サイクル中に設置され得、変位チャネルが従来のD
格子チャネルに代用される。各燃料交換サイクルととも
に、4個のチャネルからなるチャネル群において1個以
上の変位チャネルの代用が生ずる。その結果、最大4つ
の燃料交換サイクルの最後において変位チャネルの完全
な設置が終了する。この代用の結果、各燃料チャネル集
合体の価値が高まり、結局総体的に2.0%の寿命延長
が可能になり、従って、費用が節約される。
他の目的と利点 本発明の目的は原子炉の全体的な改変なしに原子炉内の
燃料集合体を改変することである。従って、D格子原子
炉内に置かれたときその原子炉をC格子形状に替えるよ
うな改変核燃料集合体が開示される。本発明のこの特徴
によれば、燃料チャネルはトップガイドに隣接する2つ
の側面にシムが設けられる。これらのシムは、厚さが4
0ミル程度で、核燃料チャネルの1つの外側角部に向か
って2つのチャネル側壁に装着される。寸法を減らした
チャネルクリップとスペーサボタンにより燃料集合体は
相隔てられ、所要の制御棒用空隙を画成する。偏った結
合板入口取付部が核燃料チャネルの底部に装着される。
この偏った結合板入口取付部は、シムを持つ核燃料集合
体の角部と同じ角部の方に変位している。その結果得ら
れる核燃料集合体は、偏った結合板入口取付部の所で炉
心支持鋳物上に置かれかつ装着シムによってトップガイ
ドに保持された時、制御棒用十字形空隙の方に変位して
いる。
本発明の主な利点は、燃料交換時に炉心の順次部分改造
をなすことである。炉心の全体的な改造は必要でない。
例えば、トップガイドや炉心支持鋳物のような原子炉部
品は改変されない。
本発明の核燃料チャネル集合体の利点は、それが元々設
計されたD格子核燃料チャネル集合体の拡大と改造では
ないことである。元来D格子原子炉用に設計された集合
体が変位するだけである。その結果、核燃料チャネル内
の流体流量および体積と核燃料チャネル外の流体流量お
よび体積との所要平衡が維持される。
本発明の他の利点は燃料交換と燃料交換サイクルに対す
る本発明の適用を開示することである。本発明のこの特
徴によれば、ここに開示した変位装置を有する核燃料チ
ャネル集合体は各燃料「サイクル」中一度に1個挿入さ
れる。このような燃料サイクル中、制御棒の周囲に配置
された4個の核燃料チャネル集合体のうちの1個または
2個を取り替えるのが普通である。燃料交換サイクル
は、通例18箇月の間隔で生じ、燃料節約のために変位
した改変核燃料チャネルの順次設置を可能にする。
別の偶然に発見した利点は、元来必要な制御棒公差を侵
すことによって、燃料チャネル湾曲と関連する問題が軽
減されることである。その結果、チャネル湾曲による燃
料効率の低下が減少する。
本発明の他の目的と特徴と利点は、以下の説明と添付図
面を参照すればさらに明らかとなろう。
第1図は原子炉のトップガイドGの近辺の平面図であ
る。本図は原子炉のトップガイドの小部分だけを示し、
12個程の燃料集合体を示す。
トップガイドGは水平方向に配置されている。これは一
方向に平行に延在する板14,16,18を有する。こ
れらの板はそれぞれ図面の紙背の方へ延びており、燃料
集合体用の上側のサイドブレースを形成する。
平行板14,16,18は平行板24,26と直交す
る。他の平行板は示してない。トップガイドにおける原
子炉の小部分だけを示してあることを理解されたい。こ
れらの板も図面の紙背の方へ延びており、燃料集合体用
の上側のサイドブレースを形成する。板14,16,1
8,24,26は通例、対面溝と直交して全体的な格子
構造体または「卵仕切り枠」構造体を形成する。
板14,24,16,26によって形成された正方形格
子構造体を局所的に参照すると、代表的なD格子燃料集
合体を理解しうる。図示の構造体は燃料チャネル集合体
の上端に位置すること想起されたい。
板14,24,16,26の内側に4個の燃料集合体A
1,A2,A3,A4の上端部がある。各集合体は周囲
チャネル30を含み、垂直方向に延在する被覆管の列を
内蔵する。これらの被覆管は両端が栓で閉ざされ、核分
裂性材料を封じ込めてある。
燃料集合体A1〜A4はそれぞれ燃料チャネル30を備
えている。それぞれのチャネル30は外側が格子部材1
4,24,16,26と隣合いそして上部内側隣接角部
が従来のチャネルクリップ36で保持される。チャネル
クリップ36はばねによって片寄り、核燃料集合体を所
要のD格子離間関係に保持するように作用し、制御棒4
0用の所要十字形空隙が維持される。
核反応を制御しなければならないので、通例十字形の制
御棒40が原子炉に出し入れされて所望の制御をなす。
燃料集合体A3,A4の隣に燃料集合体A5,A6が存
在する。燃料集合体A3,A4の間隔と燃料集合体A
3,A6の間隔との差異が、いわゆる「D格子」炉心に
その固有形状特性を与える。
隣合う燃料集合体A1,A2,A3,A4間の空隙に制
御棒40を挿入するのに十分な余地(実際寸法と公差の
和)を設けるために、比較的広い間隙が燃料チャネル3
0相互間に元々設計されている。この間隙は普通0.7
50インチである。
しかし、棒14,16,18,24,26等が2個の隣
合う燃料集合体(例えば燃料集合体A3,A6)の間に
存在する所ではこのような大きな間隙は必要でない。む
しろ間隙は狭くされる。この間隙は普通0.374イン
チである。
その結果、図示の代表的なD格子炉心セルとそれらに収
容された燃料集合体の形状が生ずる。制御棒が存在する
所では広い間隙そして制御棒が存在しない所では狭い間
隙が存在する。
トップガイドの約12フィート下方に、炉心支持鋳物を
持つ炉心板17が存在することを理解されたい。炉心板
17は燃料集合体Aの底端用の支持構造体をなす。D格
子原子炉の設計では、炉心板には制御棒が貫通する単孔
が形成されており、炉心支持鋳物の支持に役立ち、かつ
水が炉心支持鋳物を通って制御棒底部結合板入口取付部
に流入することを可能にする。炉心板17と炉心支持鋳
物は先行技術において周知であるから、ここではこれ以
上説明しない。
燃料集合体下側結合板は3つの機能を果たす。第1に、
この結合板は燃料集合体A1〜A4の重量を支える。第
2に、水が開口51〜54を通って各燃料集合体A1〜
A4の内部へ導入されうる。こうして蒸気が発生する。
第3に、下側結合板に設けた小孔により水が核燃料集合
体間の空隙を流れうる。この水流は隣合う燃料集合体の
外部の核反応の適切な減速に重要である。
このような原子炉の内部構造は改造が極めて困難である
ことを理解されたい。その構造材料は放射性であること
のほかに、それの配置に基づく支持部材としての機能を
有し、それの重みが、とくにその他の特性と関連しあっ
ている場合には、改造そのものすなわち形状等の変更を
実行不可能にする。その結果、炉心板と炉心支持鋳物と
トップガイドを交換して、本発明で実現される効率変化
を得るようにすることは実行不可能である。
同時に、燃料集合体A1〜A4は燃料交換過程の一部と
してしばしば交換される。詳述すると、例えば、このよ
うな交換は3箇月の燃料交換「サイクル」で生じ得、そ
れらの間に18箇月の運転期間が介在する。4つのこの
ような燃料交換「サイクル」が、通例、第1に燃料集合
体A1の交換、第2に燃料集合体A3の交換、第3に燃
料集合体A2の交換、第4すなわち最後に燃料集合体A
4の交換を包含しうる。従って、2年のリサイクル期間
の最後にすべての燃料集合体が交換される。
以上が所要背景である。次に本発明を説明する。
第1に、第2図を参照して燃料チャネル端部を説明す
る。その後、第3図について、開口51〜54にはまる
結合板を説明し、これらのチャネルと結合板が燃料集合
体を制御棒の方へ変位させることを示す。
第2に、第4A〜4C図に関し、古い核燃料集合体に対
する改変燃料集合体の段階的代用を例示し、本発明が従
来の燃料サイクルの燃料交換に容易に適用しうることを
示す。
第2図は核燃料集合体A1を示す。この核燃料集合体は
下側入口結合板60(第3図により後に詳述)と長方形
断面燃料チャネル30を有する。この核燃料集合体は横
たわった状態で示されている。
チャネル30の上端部の壁62,64にはシム66,6
8が配設されている。これらシム66,68はBWRト
ップガイドGと同じレベルにあり、燃料集合体A1を壁
62,64から斜めに遠ざけている。トップガイドGを
経て炉心板に達する下降挿入中トップガイドGとの機械
的干渉を防ぐようにシムの下端にテーパがついているこ
とが好ましい。
通例、シムは厚さが20ミルないし100ミルで、好ま
しくは、40ミルである。
第1図を再び参照すると分かるように、シム66,68
はトップガイドGに接し、燃料チャネル集合体は頂部が
それぞれ制御棒40に向かって斜めに移動する。
同時に、入口結合板60が偏心構造であることがわか
る。これについては第3図によって詳述する。
第3図において、入口結合板60には円錐表面70があ
り、短い筒形突起72を有する。筒形突起72は例えば
74において開口しており、3つの対称的な架橋部材7
5,76,77が設けられており、これらの部材は78
で合体している。
対角中心線80,81を用いると、先端片60の偏心構
造を理解しうる。詳述すると、筒形突起72は中心線8
0,81の交点に対して偏心している。入口結合板60
の中心が中心線81に沿ってチャネル壁62,64の方
へ変位している。
図示の偏心構造は様々な態様で具現しうる。例えば、鋳
物全体を第3図に示すように偏心状に鋳造しうる。代替
的に、鋳物を同心状に鋳造しそして偏心状に機械加工し
てもよい。
第3図の平面図は各チャネル壁を直接見下ろした図であ
る。従って、各シム66,68は燃料集合体の遠端に見
える。シム66,68は結局トップガイドGに当接して
変位をもたらすことを想起されたい。
入口結合板60とシム66,68の構造に関する以上の
説明から、変位の理解は容易である。詳述すると、入口
結合板60は燃料チャネルの底部を矢印90の方向に変
位させ、同様に、シム66,68は燃料集合体の上端を
矢印90の方向に変位させる。その結果、十字形の制御
棒用空隙に向かって核燃料チャネル集合体の均等な、垂
直方向のそして斜めの変位が生ずる。
第2図に示す改良燃料集合体A1が本発明の改良物であ
ることを明らかにしたので、次に第4A,4B,4C,
4D図の略図シリーズを説明する。
第4A図は4個の燃料集合体を示す。この1群の燃料集
合体は次の点を除き燃料集合体A1,A2,A3,A4
と同じである。すなわち、第4A図では、第1燃料交換
サイクルの終わりに、本発明の改良核燃料集合体A1′
が核燃料集合体A1の代わりに設置されている。その結
果、3つの従来の燃料集合体と本発明の第1改良燃料集
合体が原子炉内で4個からなる1群をなして配置されて
いる。
第4B図では、2個の改良燃料集合体A1′,A3′が
設置されている。これらの燃料集合体は通例、燃料交換
サイクル中斜めに相対して配置される。第4B図では、
2個の従来の燃料集合体A2,A4が残存する。
第4C図では、第3燃料集合体A2′が燃料集合体A2
と交換されている。
最後に、第4D図では完全な交換がなされており、4個
の核燃料集合体A1′〜A4′が1群をなしている。
第4A〜4D図の略図シリーズの交換は、通常、4つの
いわゆる燃料交換「サイクル」にわたって生じ、完了ま
でに6年もかかりうる。
燃料集合体内の全水流断面積と燃料集合体外の全水流断
面積が第4A,4B,4C,4D図で不変のままである
ことに注意することは重要である。これにより、4つの
燃料サイクル中同じ水量と流量で原子炉の運転をするこ
とができ、完全なチャネル交換がなされる。
本発明では寸法が重要であることを理解されたい。詳述
すると、0.750インチがD格子原子炉内で隣合う燃
料集合体間の制御棒用十字形空隙として設計された元の
間隙である。この寸法の間隙に、幅0.312インチの
制御棒が進入する。1個の燃料集合体の場合を考える
と、0.375インチ(燃料集合体相互間の全間隙の半
分)の間隙に0.156インチの制御棒ブレード(ブレ
ードの半分)が入り、燃料集合体と正確に中央に置かれ
た制御ブレードとの間に0.119インチの理論的自由
空間が残る。
本開示は燃料集合体をこの自由空間の方へ0.040イ
ンチだけ変位させるもので、残存自由空間は0.079
(0.119−0.040)インチである。
本発明の変位燃料集合体の代替設置後、2個の隣合う燃
料集合体間の、制御棒を横切るギャップは0.670イ
ンチ(元の0.750インチから減少)であり、制御棒
が介在しない2個の隣合う燃料集合体間のギャップは
0.474インチ(元の0.374インチから増加)で
ある。
もしD格子原子炉の寸法を0.094インチだけ減らし
たとすると、D格子原子炉はC格子原子炉になる。ここ
に例示した好適実施例において変位を0.040インチ
の範囲にすればC格子原子炉に接近した効率を実現しう
ることがわかる。
ここに述べた効率の多くは、元のセル内に保持された4
つのチャネルの2つだけの変位によって実現されうるこ
とを認識されたい。例えば、もし2つのチャネルをそれ
ぞれ0.080インチずつ変位させたとすると、その結
果隣合う燃料集合体間に生ずる間隙は同じである。制御
棒の心合わせ位置がそのまま残るように全チャネルを均
等に変位させることが好ましい。
本発明で述べた結果は、1個の燃料集合体を0.100
インチだけ変位させれば良好に達成しうる。これは、許
容しうる燃料集合体変位の最大限度であろう。
各燃料集合体を制御棒用十字形空隙の方へ実際に0.0
40インチ変位させると、変位チャネル代用の場合の斜
め変位は0.056インチとなる。
既に強調したように、核燃料集合体を相互に近寄せると
偶発的な結果が得られることが分かった。すなわち、チ
ャネル湾曲の問題が軽減される。この湾曲減少が起こる
のは、高速中性子束勾配つまり高速中性子の密度勾配が
減るからである。従って、不良湾曲チャネルが中性子効
率を下げる傾向も減る。
第5図は改良された総合価値のグラフである。具体的に
述べると、燃料集合体を完全に交換した時、反応度変化
がC格子原子炉の性能に急速に近付くことが分かる。
【図面の簡単な説明】 第1図はそれぞれが4個の隣合う核燃料集合体からなる
2つの完全な燃料集合体群を示す従来のD格子型原子炉
の概略図で、各群の4個の燃料集合体は十字形断面の空
隙を画成し、制御棒が燃料集合体内の反応減速のために
部分挿入位置にある。第2図は本発明による改良燃料チ
ャネル集合体の斜視図で、チャネル頂部を制御棒用の十
字形断面の空隙の方へ斜めに変位させるためにトップガ
イドの近辺に設けた上側シムと、チャネル底部を制御棒
用の十字形断面空隙の方へ斜めに変化させるための偏心
入口結合板とを示す。第3図は第2図の線3−3に沿う
断面図で、燃料チャネル集合体の底部を炉心板の所で制
御棒用十字形断面空隙の方へずらすための結合板入口取
付部の偏心構造を示す。第4A〜4D図は本発明の変位
核燃料チャネルから付加価値を得るための改良燃料チャ
ネルの順次挿入を示す略図シリーズである。第5図は制
御ブレードの方へのD格子燃料束変位の反応度特性を表
わし、本発明の変位核燃料集合体によって許容される改
良濃縮度から生ずる価値向上を示すグラフである。 A1〜A6:燃料集合体、A1′〜A4′:変位燃料集
合体、30:燃料チャネル、40:制御棒、60:下側
結合板、66,68:シム、G:トップガイド、70:
円錐表面、72:筒形突起、75,76,77:架橋部
材。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御棒挿通用の十字形断面空隙のためのト
    ップガイド内の燃料集合体の間隙がトップガイドセル間
    の燃料集合体の間隙より大きいようなD格子形状の原子
    炉用の燃料チャネルにおいて、前記核燃料集合体を前記
    制御棒用十字形断面空隙の方へ変位させるために前記ト
    ップガイドに隣接する前記燃料集合体の外側に設けた少
    なくとも第1および第2シムと、前記燃料集合体の下部
    を前記制御棒用十字形断面空隙の方へ変位させるための
    偏心取付け部を有する下側結合板とを具備し、これによ
    り、前記原子炉を他の点で改変せずに、前記燃料集合体
    の頂部と底部を前記制御棒用十字形断面空隙の方へ変位
    させることを特徴とする燃料チャネル。
  2. 【請求項2】前記燃料チャネルの変位が0.100イン
    チを超えない請求項1記載の燃料チャネル。
  3. 【請求項3】前記燃料チャネルの変位が0.040イン
    チである請求項1記載の燃料チャネル。
JP63117175A 1987-05-15 1988-05-16 変位燃料集合体 Expired - Lifetime JPH0631749B2 (ja)

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US49,897 1987-05-15

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CH (1) CH675319A5 (ja)
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IT (1) IT1217568B (ja)
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