JPH06316543A - スチルベン誘導体とスチルベン同族体誘導体及びそれ らの用途 - Google Patents

スチルベン誘導体とスチルベン同族体誘導体及びそれ らの用途

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JPH06316543A
JPH06316543A JP18202793A JP18202793A JPH06316543A JP H06316543 A JPH06316543 A JP H06316543A JP 18202793 A JP18202793 A JP 18202793A JP 18202793 A JP18202793 A JP 18202793A JP H06316543 A JPH06316543 A JP H06316543A
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明男 山田
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Shigehiro Mori
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Naoko Moriuchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 12−リポキシゲナーゼ阻害作用を有する化
合物、及び12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する
医薬を提供する。 【構成】 新規なスチルベン誘導体とスチルベン同族体
誘導体、及びスチルベン誘導体とスチルベン同族体誘導
体を有効成分として含有する医薬。 【効果】 12−リポキシゲナーゼを強力、かつ高い選
択性をもって阻害することが可能であり、動脈硬化、血
管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及びある種
の癌の転移の予防等を目的とした薬剤として有用であ
り、低毒性であり、かつ副作用が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、12−リポキシゲナー
ゼを選択的に阻害するスチルベン誘導体とスチルベン同
族体誘導体、及びこれらの化合物を有効成分として含有
する医薬に関するものであり、更に詳しくは、本発明
は、12−リポキシゲナーゼ経路における12−リポキ
シゲナーゼの活性を選択的に阻害する作用を有するスチ
ルベン誘導体とスチルベン同族体誘導体、及び当該化合
物を有効成分として含有する動脈硬化、血管攣縮等の循
環器系各種疾患の予防、治療、ある種の癌の転移の予防
等を目的とした薬剤として有用な12−リポキシゲナー
ゼを選択的に阻害する医薬に関するものである。本明細
書において、百分率の表示は、特に断りのない限り、重
量による値を意味するものである。
【0002】
【従来の技術】アラキドン酸カスケードには、5−リポ
キシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在し、アラキ
ドン酸は、5−リポキシゲナーゼの作用により5−ヒド
ロペルオキシエイコサテトラエン酸(以下5−HPET
Eと記載することがある)に変換されること等が知られ
ている(室田誠逸編,「プロスタグランディンと病
態」,東京化学同人,1984年)。
【0003】この化合物を中間体として、各種ロイコト
リエン類が生合成されることが知られており(室田誠逸
編,「プロスタグランディンと病態」,東京化学同人,
1984年)、それらのロイコトリエン類のうち、例え
ば、ロイコトリエンB4は、強力な白血球遊走作用を有
し、炎症のメディエーターであること、また、ロイコト
リエンC4及びD4は、喘息のメディエーターであるこ
と等が知られている(室田誠逸編,「プロスタグランデ
ィンと病態」,東京化学同人,1984年)。
【0004】従って、これらのロイコトリエン類の生合
成系の初発酵素である5−リポキシゲナーゼを有効に阻
害し得る薬剤があれば、ロイコトリエン類の過剰産生に
起因する種々の疾患(例えば、アレルギー性疾患、気管
支喘息、浮腫、各種炎症性疾患等)の予防、治療効果を
期待し得るとの観点から、5−リポキシゲナーゼに対し
て阻害作用を有する薬物の探索が広範に行われている。
【0005】一方、アラキドン酸カスケードには、12
−リポキシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在す
る。12−リポキシゲナーゼは、血小板等に多く存在す
る酵素であり、アラキドン酸に作用して12−ヒドロペ
ルオキシエイコサテトラエン酸(以下12−HPETE
と記載することがある)を生成させ、この化合物は、還
元されて12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(以下
12−HETEと記載することがある)となる。
【0006】この12−リポキシゲナーゼ経路における
代謝産物の生理的意義については、5−リポキシゲナー
ゼ経路におけるそれと比較して、従来、明確にされてい
なかったが、最近、その主要代謝産物である12−HP
ETE及び12−HETEを中心として、当該代謝産物
の種々の生理活性が明らかにされている。
【0007】それらの生理活性を例示すれば、次のとお
りである。すなわち、12−リポキシゲナーゼの代謝産
物は、血小板の凝集、粘着等の機能調節、及び血管平滑
筋細胞の遊走を促進して動脈硬化に関与している可能性
が指摘されており(現代医療,第21巻,第11号,第
3109〜3113頁,1989年)、また、くも膜下
出血後の血管攣縮の発生に12−HPETEが何らかの
イニシエーターとなっている可能性が示唆されており
(現代医療,第21巻,第11号,第3127〜313
0頁,1989年)、更に、12−HETEがある種の
癌細胞の血管内皮細胞への粘着、転移を促進することが
示されている(現代医療,第22巻,増刊,第56〜5
7頁,1990年)。以上のような事実から、12−リ
ポキシゲナーゼを阻害する物質が、動脈硬化、血管攣縮
等の循環器系各種疾患の予防、治療、又はある種の癌の
転移の予防を目的とした薬物として有効に使用し得るも
のと期待されている。
【0008】12−リポキシゲナーゼに対して阻害作用
を有する物質としては、天然フラボノイドの1種である
バイカレンが知られている[バイオケミカル・アンド・
バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(B
iochemical and BiophysicalResearch Communication
s),第105巻,第3号,第1090〜1095頁,1
982年]。その他、ヒドロキサム酸誘導体(特開平1
−216961号公報、特開平2−752号公報、特開
平2−196767号公報等)、コーヒー酸誘導体(特
開平1−275552号公報、特開平2−235852
号公報等)等が知られている。
【0009】一方、スチルベン誘導体に関しては、一般
に、当該化合物は、化学的に合成又は天然界から分離、
精製されているが、本発明の化合物に近似した化合物と
して、例えば、次の1)〜6)のような化合物が知られ
ている。
【0010】1)α−[(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)メチレン]−4−ニトロ・ベンゼンアセトニトリル
[ジャーナル・オブ・ザ・ソサイエティー・オブ・ダイ
ヤーズ・アンド・カラーリスツ(Journal of the Socie
ty of Dyers and Colourists),第92巻,第1号,第
14頁,1976年] 2)α−[(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニ
ル)メチレン]−2−ピリミジンアセトニトリル[ジャ
ーナル・オブ・コンピュータ・エイデッド・モレキュラ
ー・デザイン(Journal of Computer-Aided Molecular
Design),第6巻,第3号,第253頁,1992年]
【0011】3)α−[(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)メチレン]−3,4−ジヒドロキシベンゼンアセト
ニトリル(米国特許第4,015,017号明細書)
【0012】4)2−(p−アジドフェニル)−3−
(3,4−ジヒドロキシフェニル)−アクリロニトリル
(仏国発明特許第1,513,907号明細書) 5)α′−シアノ−3′,4′−ジヒドロキシ−4−ス
チルベンカルボン酸(米国特許第2,766,271号
明細書) 6)α−(ジフェニルメチレン)−3,4−ジヒドロキ
シ−ベンゼンアセトニトリル(西独国特許公開第2,5
01,443号明細書)
【0013】しかしながら、従来、これらの化合物が1
2−リポキシゲナーゼ阻害活性を有することは、全く知
られていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、12−リポ
キシゲナーゼは、5−リポキシゲナーゼの近縁酵素であ
り、いずれかの酵素を阻害する物質は、他方も阻害する
可能性がある。事実、5−リポキシゲナーゼ阻害活性を
有することが報告されている物質であって、12−リポ
キシゲナーゼに対しても阻害活性を示すものが知られて
おり、大部分のヒドロキサム酸誘導体がその例である。
【0015】このような阻害活性の選択性に関しては、
その利用目的にもよるが、前記循環器系疾患、癌の転移
等のように主として12−リポキシゲナーゼ代謝産物に
起因すると考えられている疾病の予防、治療には、12
−リポキシゲナーゼを強力、かつ選択的に阻害するよう
な物質が望ましい。
【0016】このような状況を踏まえ、本発明者らは、
天然フラボノイドの1種であるバイカレンが比較的強い
12−リポキシゲナーゼ阻害活性及び比較的高い選択性
を有していることに着目し、この化合物を先導化合物と
して使用し、その部分構造の改変又は修飾を行うことに
より、強力、かつ高い選択性を有する12−リポキシゲ
ナーゼ阻害化合物を創出することに成功し、本発明を完
成した。
【0017】本発明の目的は、12−リポキシゲナーゼ
を強力、かつ高い選択性をもって阻害し得る化合物を提
供することである。
【0018】本発明の他の目的は、12−リポキシゲナ
ーゼの代謝産物によってもたらされる動脈硬化、血管攣
縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及びある種の癌
の転移の予防等を目的とした薬剤として有用であり、ま
た、低毒性であり、かつ副作用の少ない12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を提供することであ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の発明は、次の一般式
【0020】
【化9】
【0021】[ただし、式中R1 は、水素原子又は水酸
基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又はシアノ基を示
し(ただし、R2 とR3 とは異なる)、及びArは、次
の化10、化11又は化12の一般式
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】で示される基であり、式中R4 は、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、又はシアノ基を示す。]で
示されるスチルベン誘導体又はスチルベン同族体誘導
体、である。
【0026】前記課題を解決する本発明の第2の発明
は、次の一般式
【0027】
【化13】
【0028】[ただし、式中R1 は、水素原子又は水酸
基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又はシアノ基を示
し(ただし、R2 とR3 とは異なる)、及びArは、次
の化14、化15又は化16の一般式
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】で示される基であり、式中R4 は、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
す。]で示されるスチルベン誘導体及びスチルベン同族
体誘導体からなる群より選択される化合物又はそれらの
混合物を有効成分として含有する医薬、である。
【0033】次に本発明について詳述する。本発明の化
合物は、次の一般式
【0034】
【化17】
【0035】で示されるスチルベン、又はその一方のベ
ンゼン環の複素環置換誘導体のスチルベン同族体であ
り、A環に少なくとも2つのカテコール型水酸基を有
し、B環に水酸基を有せず、A環とB環を結ぶ二重結合
のいずれかの炭素と結合したシアノ基を有することを特
徴とするスチルベン誘導体又はスチルベン同族体誘導体
に係るものである。
【0036】本発明に係る化合物の製造法を例示すれば
次のとおりである。次の一般式
【0037】
【化18】
【0038】(前記化学式において、Rは、水素原子又
は水酸基、Arは、次の化19、化20又は化21の一
般式
【0039】
【化19】
【0040】
【化20】
【0041】
【化21】
【0042】で示される基であり、式中R4 は、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
す。以下Arについては、単にArと記載する)で示さ
れる化合物は、次の化学式に示される工程により合成す
ることができる。
【0043】
【化22】
【0044】(前記化学式において、Rは、水素原子又
は水酸基、R′は、水素原子又はOMeを示す)
【0045】所望のベンズアルデヒド誘導体(I)とア
リールアセトニトリル(II)とをクネベナーゲル縮合
として知られている反応条件で縮合させ、化合物(II
I)を得ることができる(工程I)。次いでこの化合物
を、例えば、三臭化ホウ素、ヨウ化トリメチルシラン、
塩化ピリジニウム等の脱メチル化試薬と反応させ、目的
の化合物を得ることができる(工程II)。
【0046】縮合反応に使用するアリールアセトニトリ
ル(II)が比較的反応性の富む場合は、次の化学式
【0047】
【化23】
【0048】に示される工程によりヒドロキシベンズア
ルデヒド(IV)とクネベナーゲル縮合反応させて目的
の化合物を得ることができる(工程III)。
【0049】また、次の一般式
【0050】
【化24】
【0051】(前記化学式において、Rは、水素又は水
酸基)で示される化合物は、次の化学式に示される工程
により合成することができる。
【0052】
【化25】
【0053】(前記化学式において、Rは、水素原子又
は水酸基、R′は、水素原子又はOMeを示す)
【0054】所望のフェニルアセトニトリル誘導体
(V)と芳香族アルデヒド(VI)とをクネベナーゲル
縮合として知られている反応条件で縮合させ、化合物
(VII)を得ることができる(工程IV)。次いでこ
の化合物を、前記工程IIと同様脱メチル化し、目的の
化合物を得ることができる(工程V)。
【0055】以上のようにして得られた本発明の化合物
を、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の精製方法に
より精製することができる。尚、本発明の化合物には、
シス及びトランスの幾何異性体が存在するが、そのいず
れもが本発明の化合物に含まれる。
【0056】本発明の化合物は、12−リポキシゲナー
ゼの阻害作用を選択的に有しているので、12−HPE
TE、12−HETE等の12−リポキシゲナーゼ代謝
産物の生成を抑制する作用を有し、当該化合物を有効成
分として含有する本発明の12−リポキシゲナーゼを選
択的に阻害する医薬は、これらの代謝産物に起因する動
脈硬化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の治療薬、又は
予防薬として、更に、ある種の癌の転移の予防等を目的
とした薬剤として有効に利用することができる。
【0057】本発明の化合物は、そのまま、又は薬学的
に許容される公知の担体、賦形剤等と混合し、錠剤、カ
プセル剤、注射剤、顆粒剤、坐剤等の適宜の形態の医薬
として用いることができる。本発明の化合物を有効成分
とする医薬は、経口的に、又は注射、吸入、塗布等によ
り非経口的に投与することができる。本発明の化合物を
有効成分とする医薬の投与量は、治療対象、症状、年
齢、治療期間等により異なるが、好適には、通常1回に
つき約0.1mgから50mgを1日1〜3回程度投与
する。
【0058】次に試験例を示して本発明を更に詳述す
る。 試験例1 この試験は、種々の化合物の12−リポキシゲナーゼ阻
害作用を調べるために行った。
【0059】1)酵素液の調製 エーテル麻酔下で、Sprague Dawley雄性
ラットの腹大動脈から、約10分の1容の3.8%クエ
ン酸ソーダ溶液の入った注射筒にて採血し、室温、18
0gで15分間遠心し、多血小板血漿を分離し、4℃、
1800gで10分間遠心し、得られた沈渣を洗浄用緩
衡液(154mM塩化ナトリウム、2mMEDTAを含
む50mMトリス塩酸バッファー:pH7.4)で洗浄
し、血小板を得た。得られた血小板を、採血量の20分
の1容の再浮遊緩衡液(154mM塩化ナトリウム5.
5mMグルコースを含む50mMトリス塩酸バッファ
ー:pH7.4)に懸濁し、超音波破砕し、100,0
00gで30分間遠心し、上清を分離し、酵素液を調製
した。
【0060】2)酵素活性の測定方法 前記再浮遊緩衡液で酵素活性を約2mU/mlに調製し
た酵素液300μlに、3mMインドメタシンエタノー
ル溶液1μl、300mM還元型グルタチオン溶液1μ
l及び各種濃度の被検物質(実施例1と同一の方法で製
造した本発明の化合物及び比較例1〜8の化合物)エタ
ノール溶液3μlを添加し、37℃で5分間保持し、次
いで2.5mMアラキドン酸エタノール溶液3μlを添
加し、37℃で5分間保持して反応させた後、600μ
lのメタノールを添加して反応を停止させた。反応液を
10,000gで5分間遠心し、上清の12−ヒドロキ
シエイコサテトラエン酸をC−18カラムを用いた逆相
高速液体クロマトグラフィーで分離し、ジエンを234
nmの吸収で定量し、酵素活性を測定した。各被検物質
の測定値から、50%の12−リポキシゲナーゼ阻害率
を示す濃度(以下IC50値と記載することがある)を求
めた。
【0061】3)試験結果 この試験の結果は、表1及び表2に示すとおりである。
表1は、IC50値を求めることができなかった比較例1
〜4の化合物及び比較のために本発明の実施例1の化合
物の12−リポキシゲナーゼ阻害率を示し、表2は、I
50値を求めることができた比較例5〜9の化合物を本
発明の化合物(実施例1)と対比して示した。
【0062】表1及び表2から明らかなように、本発明
の実施例1の化合物の12−リポキシゲナーゼ阻害作用
は、10-5Mの濃度で97%の阻害率であり、10-8
の濃度でも73%であるのに対して、比較例1〜4の化
合物は、化学的構造が本発明の化合物に類似しているに
もかかわらず、12−リポキシゲナーゼ阻害作用は、1
-5Mの濃度でわずか10%以下の阻害率であることが
判明した。
【0063】この結果は、本発明の化合物が強力な12
−リポキシゲナーゼ阻害作用を発現するために、次の一
般式
【0064】
【化26】
【0065】で示されるA環に少なくとも2つのカテコ
ール型水酸基を有することが必須であることを示唆して
いる。また、A環とB環とを結ぶ二重結合にシアノ基の
ない化合物(比較例5)、シアノ基の代わりにエトキシ
カルボニル基を有する化合物(比較例6)、及びB環に
水酸基又はカルボキシル基を有する化合物(比較例7〜
比較例9)の12−リポキシゲナーゼIC50阻害作用
は、本発明の化合物(実施例1)に比して顕著に弱いこ
とが認められた。尚、本発明の他の化合物についても試
験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】試験例2 この試験は、本発明の化合物の12−リポキシゲナーゼ
阻害作用の選択性を調べるために行った。
【0069】1)酵素液の調製 5−リポキシゲナーゼ酵素液の調製 ラット好塩基性白血病細胞(Rat Basophil
ic Leukemia Cell:RBL−1.AT
CC CRL1378)を、10%牛新生仔血清を含む
ダルベッコ改変イーグル培地で常法により培養し、15
4mM塩化ナトリウムを含む50mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.4、以下TBSと記載する)で2回洗浄し、
細胞を1ml当たり4×107 個の割合で同一の緩衝液
に浮遊させ、超音波で細胞を破砕し、10,000gで
10分間遠心して上清を分離し、酵素液を調製した。
【0070】12−リポキシゲナーゼ酵素液の調製 試験例1と同一の方法により調製した。
【0071】2)酵素活性の測定方法 5−リポキシゲナーゼ酵素活性の測定方法 前記酵素液(40mU/ml相当)15μlに、TBS
185μl、2mMアデノシン三リン酸TBS50μ
l、12mM塩化カルシウムTBS50μl、3mMイ
ンドメタン1μl、300mM還元型グルタチオン水溶
液1μl及び各種濃度の被検物質のエタノール溶液3μ
lを添加し、37℃で5分間保持し、次いで2.5mM
アラキドン酸エタノール溶液3μlを添加し、37℃で
2分間保持して反応させた後、600μlのメタノール
を添加して反応を停止させた。反応液を10,000g
で5分間遠心し、上清の5−ヒドロキシエイコサテトラ
エン酸をC−18カラムを用いた逆相高速液体クロマト
グラフィーで分離し、234nmの吸収で定量し、酵素
活性を測定した。
【0072】被検物質として、実施例1〜実施例6、実
施例9、実施例11、及び実施例13〜実施例17及び
実施例20〜実施例27と同一の方法で製造した本発明
の化合物、並びに対照として、次の化学式
【0073】
【化27】
【0074】で示される公知のバイカレン(和光純薬工
業社製)を用い、各種濃度で試験し、IC50値を求め
た。
【0075】12−リポキシゲナーゼ酵素活性の測定
方法 前記5−リポキシゲナーゼ酵素活性の測定方法に使用し
たものと同一の被検物質を用いた以外は、試験例1と同
一の方法により測定し、5−リポキシゲナーゼ酵素活性
の測定方法と同様にIC50値を求めた。
【0076】3)試験結果 この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から
明らかなように、本発明の化合物は、12−リポキシゲ
ナーゼに対して極めて強力な阻害作用が認められ、IC
50値は、ほぼ10-9モルのオーダーであり、公知のバイ
カレンのそれに比して同等以上であった。一方、本発明
の化合物は、5−リポキシゲナーゼに対しても阻害作用
を有するが、そのIC50値は、12−リポキシゲナーゼ
に対するそれよりも10〜30倍以上の値であった。従
って、本発明の化合物は、12−リポキシゲナーゼに対
して選択的に阻害作用を有するものであることが判明し
た。
【0077】本発明の化合物の中でも、B環にある程度
の大きさの置換基を有する化合物が、より強い12−リ
ポキシゲナーゼ阻害作用を示す傾向にあり、B環がベン
ゼン環の場合、p−位に置換基の存在する化合物が望ま
しく、チオフェン環又はフラン環の場合、A環とを結ぶ
二重結合の置換位置に対してm−位に置換基を有する化
合物が望ましい。
【0078】置換基は、ハロゲン原子の場合は塩素原子
又は臭素原子が、アルキル基の場合はメチル基又はエチ
ル基が、アルコキシ基の場合はメトキシ基が、特に顕著
な12−リポキシゲナーゼ阻害作用を示した。尚、本発
明の他の化合物についても試験したが、ほぼ同様の結果
が得られた。
【0079】
【表3】
【0080】試験例3 この試験は、本発明の化合物及び比較のための化合物の
核磁気共鳴スペクトル及び赤外線吸収スペクトルを調べ
るために行った。
【0081】1)試料の調製 本発明の化合物は、実施例1〜実施例17及び実施例2
0〜実施例29と同様の方法により調製し、比較のため
の化合物は、比較例1〜比較例9と同様の方法により調
製した。
【0082】2)試験方法 核磁気共鳴スペクトル[1 H−NMR(500MH
z)]は、重クロロホルム(CDCl3 )に重メタノー
ル(CD3 OD)を2〜3滴添加した溶媒中で、赤外線
吸収スペクトルは、KBr錠剤法で測定した。
【0083】3)試験結果 この試験の結果は、表4〜表11に示すとおりであっ
た。
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】(比較例1)3,4−ジヒドロキシベンズ
アルデヒドの代りに611mg(5.0mmol)の3
−ヒドロキシベンズアルデヒド(東京化成社製)を用い
たことを除き、実施例1と同一の方法により、次の化学
【0093】
【化28】
【0094】で示される黄色結晶化合物551mg(収
量43.1%)を得た。得られた化合物の融点は、11
4.5〜116.5℃であった。
【0095】(比較例2)3,4−ジヒドロキシベンズ
アルデヒドの代りに611mg(5.0mmol)の4
−ヒドロキシベンズアルデヒド(東京化成社製)を用い
たことを除き、実施例1と同一の方法により、次の化学
【0096】
【化29】
【0097】で示される黄色結晶化合物975mg(収
量76.2%)を得た。得られた化合物の融点は、20
0〜202℃であった。
【0098】(比較例3)3,4−ジヒドロキシベンズ
アルデヒドの代りに761mg(5.0mmol)の3
−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(ヤンセ
ン社製)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法に
より、次の化学式
【0099】
【化30】
【0100】で示される薄黄色結晶化合物488mg
(収量97.6%)を得た。得られた化合物の融点は、
139〜140℃であった。
【0101】(比較例4)3,4−ジヒドロキシベンズ
アルデヒドの代りに761mg(5.0mmol)の4
−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(東京化
成社製)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法に
より、次の化学式
【0102】
【化31】
【0103】で示される黄色結晶化合物481mg(収
量68.7%)を得た。得られた化合物の融点は、12
2〜123℃であった。
【0104】(比較例5)4.33g(10mmol)
のベンジルトリフェルホスホニウムブロミド(ランカス
ター社製)の12mlテトラヒドロフラン(アルドリッ
チ社製)懸濁液に、10mlのリチウムビストリメチル
シリルアミド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液、アル
ドリッチ社製)を室温下で滴下し、滴下終了後、更に3
0分間撹拌し、1.5g(9mmol)の3,4−ジメ
トキシベンズアルデヒド(東京化成社製)の6mlテト
ラヒドロフラン溶液を滴下し、更に2.5時間撹拌し
た。次いでメタノールを添加して反応を停止させ、通常
処理の後得た粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
(酢酸エチル−ヘキサン)にかけ、3,4−ジメトキシ
スチルベンのトランス及びシス両異性体の混合物を得
た。この混合物をヘキサン−酢酸エチル(30:1)か
ら分別再結晶し、トランス体680mg(収率31.0
%)を得た。
【0105】222mg(0.93mmol)の前記ト
ランス−3,4−ジメトキシスチルベンと、1.5g
(13mmol)の塩化ピリジニウム(和光純薬工業社
製)との混合物をアルゴンガス雰囲気下に200℃で4
5分間熔融攪拌し、空冷後50mlの2N−塩酸と処理
し、酢酸エチルで抽出し、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒留去して残渣を薄
層クロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:
1)にかけ、次の化学式
【0106】
【化32】
【0107】で示される白色結晶化合物100mg(収
率50.0%)を得た。得られた化合物の融点は170
−171℃であった。
【0108】(比較例6)821mg(5.0mmo
l)のフェニル酢酸エチル(東京化成社製)、及び69
1mg(5.0mmol)の3,4−ジヒドロキシベン
ズアルデヒド(東京化成社社製)の10mlエタノール
(国産化学社製)混合物に、0.54mlのピペリジン
(和光純薬工業社製)を添加し、加熱還流下で24時間
攪拌し、空冷した反応物を100mlの1規定塩酸に添
加して攪拌し、析出物を瀘別し、水洗した。得られた析
出物を酢酸エチルに溶解し、20%亜硫酸水素ナトリウ
ム水溶液で2回、次いで飽和食塩水で1回洗浄し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:
ヘキサンの比率が10:1〜10:4)で精製し、次の
化学式
【0109】
【化33】
【0110】で示される淡黄色結晶499mg(収率3
5.1%)を得た。得られた化合物の融点は、153〜
154.5℃であった。
【0111】(比較例7)3,4−ジメトキシフェニル
アセトニトリルの代りに1.47g(10mmol)の
4−メトキシフェニルアセトニトリル(アルドリッチ社
製)を、4−クロロシベンズアルデヒドの代りに1.6
6g(10mmol)の3,4−ジメトキシベンズアル
デヒド(東京化成社製)を用いたことを除き、実施例2
と同一の方法により、2.61g(収率88.0%)の
α−シアノ−3′,4,4′−トリメトキシスチルベン
(白色結晶)を得た。0.74g(2.5mmol)の
前記α−シアノ−3′,4,4′−トリメトキシスチル
ベン及び3.47g(30mmol)の塩化ピリジニウ
ム(和光純薬工業社製)を用いたことを除き、実施例2
と同一の方法により、次の化学式
【0112】
【化34】
【0113】で示される黄色結晶588mg(収率9
3.0%)を得た。得られた化合物の融点は、229〜
231℃であった。
【0114】(比較例8)4−クロロベンズアルデヒド
の代りに1.66g(10mmol)の3,4−ジメト
シキベンズアルデヒド(東京化成社製)を用いたことを
除き、実施例2と同一の方法により、2.99g(収率
92.0%)のα−シアノ−3,3′,4,4′−テト
ラメトキシスチルベン(黄色結晶)を得た。0.81g
(2.5mmol)の前記α−シアノ−3′,3,4,
4′−テトラメトキシスチルベン及び3.47g(30
mmol)の塩化ピリジニウム(和光純薬工業社製)を
用いたことを除き、実施例2と同一の方法により、次の
化学式
【0115】
【化35】
【0116】で示される黄色結晶138mg(収率2
0.5%)を得た。得られた化合物の融点は、238〜
239℃であった。
【0117】(比較例9)475mg(2.68mmo
l)の3,4−ジメトキシフェニルアセトニトリル(東
京化成社製)と、402mg(2.68mmol)の4
−ホルミル安息香酸(東京化成社製)の5ml無水エタ
ノール混合物とを加熱して溶解し、これにナトリウムエ
トキシドの2.68M変性アルコール溶液(アルドリッ
チ社製)2.0mlを添加し、反応させ、更に1時間放
置し、30mlの水を加え、撹拌して溶解し、不溶成分
を瀘別し、水で洗浄した。得られた結晶を30mlの2
規定塩酸に加え、撹拌し、析出した結晶を瀘別し、十分
水洗した後、乾燥し、α′−シアノ−3′,4′−ジメ
トキシ−4−スチルベンカルボン酸の黄色結晶605m
g(収率73.0%)を得た。
【0118】309mg(1.0mmol)の前記α′
−シアノ−3′,4′−ジメトキシ−4−スチルベンカ
ルボン酸と1.73g(15mmol)の塩化ピリジニ
ウム(和光純薬工業社製)の混合物をアルゴンガス雰囲
気下において200℃で1時間熔融撹拌した後、空冷
し、固化した反応混合物に2規定塩酸を加えて粉砕し、
撹拌し、瀘別し、水洗した。得られた結晶をエタノール
に溶解し、減圧乾固し、再度エタノールを加えて減圧乾
固し、残渣をエタノール−ヘキサンから再結晶し、次の
化学式
【0119】
【化36】
【0120】で示される黄色結晶198mg(収率7
0.4%)を得た。得られた化合物の融点は、285〜
287℃であった。
【0121】
【実施例】次に実施例を示して本発明を更に詳述する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 758mg(5.0mmol)の4−クロロフェニルア
セトニトリル(東京化成社製)と、691mg(5.0
mmol)の3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド
(東京化成社製)の10mlエタノール(国産化学社
製)混合物に、0.54mlのピペリジン(和光純薬工
業社製)を添加し、6時間加熱還流した。空冷後、反応
物を100mlの1規定塩酸に添加して攪拌し、析出物
を瀘別し、水洗して酢酸エチル(国産化学社製)に溶解
し、20%亜硫酸水素ナトリウム水溶液で2回、次いで
飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウム(和光純
薬工業社製)で乾燥した。次いで減圧下で溶媒を留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液はヘキサン:酢酸エチルの比が5:1〜5:2を用い
た)により精製し、次の化学式
【0122】
【化37】
【0123】で示される黄色結晶化合物919mg(収
率67.6%)を得た。得られた化合物の融点は、16
0〜162℃であった。
【0124】実施例2 1.77g(10.0mmol)の3,4−ジメトキシ
フェニルアセトニトリル(東京化成社製)、1.41g
(10.0mmol)の4−クロロベンズアルデヒド
(東京化成社製)、及び5mlのエタノール(国産化学
社製)を加熱して溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶
液2滴を添加し、1夜攪拌し、析出した結晶をエタノー
ル中で粉砕し、瀘過し、エタノール、次いでヘキサンで
順次洗浄した後、乾燥し、2.39g(収率79.7
%)のα−シアノ−3,4−ジメトキシ−4′−クロロ
スチルベン(黄緑色の結晶)を得た。
【0125】0.75g(2.5mmol)の前記α−
シアノ−3,4−ジメトキシ−4′−クロロスチルベン
と2.31g(20.0mmol)の塩化ピリジニウム
(和光純薬工業社製)の混合物をアルゴンガス雰囲気下
で、予め210℃に加熱した油浴上で溶融混合し、同温
度で1時間攪拌した。次いで空冷し、固化した反応物に
2規定塩酸及び酢酸エチル(国産化学社製)を添加し、
溶媒層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出して溶媒層に
加え、これを飽和食塩水で洗浄し、溶媒層を無水硫酸ナ
トリウム(和光純薬工業社製)で乾燥した。
【0126】次いで減圧下で溶媒を留去し、残渣を少量
の酢酸エチルに溶解し、若干混濁するまでヘキサンを添
加して攪拌し、析出した結晶を瀘別し、乾燥し、次の化
学式
【0127】
【化38】
【0128】で示される黄色結晶化合物455mg(収
率67.0%)を得た。得られた化合物の融点は、17
1〜172℃であった。
【0129】実施例3 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに676mg
(5.0mmol)の4−フルオロフェニルアセトニト
リル(東京化成社製)を用いたことを除き、実施例1と
同一の方法により、次の化学式
【0130】
【化39】
【0131】で示される淡黄色結晶化合物405mg
(収率31.7%)を得た。得られた化合物の融点は、
184〜186℃であった。
【0132】実施例4 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに980mg
(5.0mmol)の4−ブロモフェニルアセトニトリ
ル(東京化成社製)を用いたことを除き、実施例1と同
一の方法により、次の化学式
【0133】
【化40】
【0134】で示される淡黄色結晶化合物1.14g
(収率72.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
172〜175℃であった。
【0135】実施例5 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに、次の方法
により合成した1.22g(5.0mmol)の4−ヨ
ードフェニルアセトニトリルを用いたことを除き、実施
例1と同一の方法により、次の化学式
【0136】
【化41】
【0137】で示される黄色結晶化合物1.39g(収
率76.4%)を得た。得られた化合物の融点は、19
7〜198℃であった。
【0138】[4−ヨードフェニルアセトニトリルの合
成]4.36g(20mmol)のp−ヨードトルエン
(東京化成社製)、3.92g(22mmol)のN−
ブロモコハク酸イミド(東京化成社製)及び60mlの
四塩化炭素(和光純薬工業社製)の混合物を白熱灯照射
下で4時間加熱還流し、2.67g(収率45.0%)
の4−ヨードベンジルブロミド(白色結晶)を得た。次
いで予め50℃に加温した0.49g(10mmol)
のシアン化ナトリウム(国産化学社製)の10mlジメ
チルスルホキシド(アルドリッチ社製)溶液に、前記4
−ヨードベンジルブロミド1.48g(5.0mmo
l)を添加し、放冷下で3時間攪拌し、固化した反応生
成物を水に溶解し、ヘキサンで抽出し、ヘキサンを留去
し、4−ヨードフェニルアセトニトリルの白色結晶0.
84g(収率68.9%)を得た。
【0139】実施例6 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに656mg
(5.0mmol)のp−トリルアセトニトリル(東京
化成社製)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法
により、次の化学式
【0140】
【化42】
【0141】で示される黄色結晶化合物515mg(収
率41.0%)を得た。得られた化合物の融点は、16
4〜165℃であった。
【0142】実施例7 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに656mg
(5.0mmol)のm−トリルアセトニトリル(アル
ドリッチ社製)を用いたことを除き、実施例1と同一の
方法により、次の化学式
【0143】
【化43】
【0144】で示される淡黄色結晶化合物360mg
(収率28.7%)を得た。得られた化合物の融点は、
144〜145℃であった。
【0145】実施例8 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに736mg
(5.0mmol)の4−メトキシフェニルアセトニト
リル(アルドリッチ社製)を用いたことを除き、実施例
1と同一の方法により、次の化学式
【0146】
【化44】
【0147】で示される淡黄色結晶化合物214mg
(収率16.0%)を得た。得られた化合物の融点は、
197〜198℃であった。
【0148】実施例9 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに586mg
(5.0mmol)のフェニルアセトニトリル(東京化
成社製)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法に
より、次の化学式
【0149】
【化45】
【0150】で示される淡黄色結晶化合物890mg
(収率75.0%)を得た。得られた化合物の融点は、
148〜150℃であった。
【0151】実施例10 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに926mg
(5.0mmol)の4−トリフルオロメチルフェニル
アセトニトリル(アルドリッチ社製)を用いたことを除
き、実施例1と同一の方法により、次の化学式
【0152】
【化46】
【0153】で示される黄色結晶化合物657mg(収
率87.4%)を得た。得られた化合物の融点は、16
8〜169℃であった。
【0154】実施例11 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに、次の方法
により合成した726mg(5.0mmol)の4−エ
チルフェニルアセトニトリルを用いたことを除き、実施
例1と同一の方法により、次の化学式
【0155】
【化47】
【0156】で示される淡黄色結晶化合物281mg
(収率21.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
137〜138℃であった。
【0157】[4−エチルフェニルアセトニトリルの合
成]2.72g(20mmol)の4−エチルベンジル
アルコール(アルドリッチ社製)に、50mlの47%
臭化水素酸(和光純薬工業社製)を添加し、室温下で3
0分間激しく攪拌した後、ヘキサンで抽出し、無色油状
の4−エチルベンジルブロミド3.98gを得た。次い
で予め50℃に加温した1.96g(40mmol)の
シアン化ナトリウム(国産化学社製)の20mlジメチ
ルスルホキシド(アルドリッチ社製)溶液に、前記の4
−エチルベンジルブロミド3.98gを加え、放冷下で
3時間攪拌し、固化した反応生成物を水に溶解し、ヘキ
サンで抽出し、ヘキサンを留去し、4−エチルフェニル
アセトニトリルの淡黄色油状物2.70g(収率93.
1%)を得た。
【0158】実施例12 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに616mg
(5.0mmol)のチオフェン−2−イルアセトニト
リル(東京化成社製)を用いたことを除き、実施例1と
同一の方法により、次の化学式
【0159】
【化48】
【0160】で示される黄色結晶化合物281mg(収
率21.2%)を得た。得られた化合物の融点は、18
0.5〜181.5℃であった。
【0161】実施例13 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに、次の方法
により合成した1.01g(5.0mmol)の4−ブ
ロモチオフェン−2−イルアセトニトリルを用いたこと
を除き、実施例1と同一の方法により、次の化学式
【0162】
【化49】
【0163】で示される黄色結晶化合物1.05g(収
率65.0%)を得た。得られた化合物の融点は、22
2〜224℃であった。
【0164】[4−ブロモチオフェン−2−イルアセト
ニトリルの合成]9.55g(50mmol)の4−ブ
ロモチオフェン−2−カルボキサアルデヒド(アルドリ
ッチ社製)及び100mlのエタノール(国産化学社
製)の混合物を、氷浴中で冷却しながら3.78g(1
00mmol)の水素化ホウ素ナトリウム(米山薬品社
製)を徐々に添加し、全量を添加後室温で1.5時間攪
拌した後、塩酸酸性として減圧下で濃縮乾固した。残渣
を水に溶解し、エーテルで抽出し、油状の4−ブロモチ
オフェン−2−イルメタノール9.29g(収率96
%)を得た。
【0165】次いで4.83g(25mmol)の前記
4−ブロモチオフェン−2−イルメタノールに、63m
lの47%臭化水素酸(和光純薬工業社製)を添加し、
室温で30分間激しく攪拌し、ペンタン(国産化学社
製)で抽出し、淡黄色油状の2−ブロモメル−4−ブロ
モチオフェン5.31g(収率82.8%)を得た。得
られた2−ブロモメル−4−ブロモチオフェン5.12
gを用いて、実施例5の4−ヨードフェニルアセトニト
リルの合成と同一の方法により、シアン化ナトリウムと
反応させ、副生するα,α−ビス[(4−ブロモチオフ
ェン−2−イル)メチル]−4−ブロモチオフェンアセ
トニトリルを分別再結晶により除去し、白色結晶の4−
ブロモチオフェン−2−イルアセトニトリル1.50g
(収率37.0%)を得た。
【0166】実施例14 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに、次の方法
により合成した1.01g(5.0mmol)の5−ブ
ロモチオフェン−2−イルアセトニトリルを用いたこと
を除き、実施例1と同一の方法により、次の化学式
【0167】
【化50】
【0168】で示される黄色結晶化合物216mg(収
率13.4%)を得た。得られた化合物の融点は、18
5〜186℃であった。
【0169】[5−ブロモチオフェン−2−イルアセト
ニトリルの合成]5−ブロモチオフェン−2−カルボキ
サアルデヒド(アルドリッチ社製)を用いたこと、及び
精製を高速液体クロマトグラフィーで行ったことを除
き、実施例13の4−ブロモチオフェン−2−イルアセ
トニトリルの合成方法と同一の方法により合成した。
【0170】実施例15 3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドの代りに771
mg(5.0mmol)の3,4,5−トリヒドロシキ
ベンズアルデヒド(アルドリッチ社製)を用いたことを
除き、実施例1と同一の方法により、次の化学式
【0171】
【化51】
【0172】で示される淡黄色結晶化合物344mg
(収率23.9%)を得た。得られた化合物の融点は、
240〜243℃であった。
【0173】実施例16 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに次の方法で
合成した355mg(2.5mmol)のシアノフェニ
ルアセトニトリルを、345mg(2.5mmol)の
3,4−ジヒドロシキベンズアルデヒド(アルドリッチ
社製)、5mlのエタノール及び0.27mlのピペリ
ジン(和光純薬工業社製)を用いたこと、室温で6時間
攪拌したことを除き、実施例1と同一の方法により、次
の化学式
【0174】
【化52】 で示される黄色結晶化合物558mg(収率85.1
%)を得た。得られた化合物の融点は、263〜265
℃であった。
【0175】[4−シアノフェニルアセトニトリルの合
成]2.34g(20mmol)のp−トルニトリル
(東京化成社製)を用いたことを除き、実施例5の4−
ヨードフェニルアセトニトリルの合成方法と同一の方法
により2.0g(収率51.0%)の4−ブロモメチル
ベンゾニトリル(白色結晶)を得た。次いで1.76g
(9.0mmol)の前記4−ブロモメチルベンゾニト
リルを用いたこと、並びに精製をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー及び再結晶によったことを除き、実施例
5の4−ヨードフェニルアセトニトリルの合成方法と同
一の方法により、4−シアノフェニルアセトニトリルの
淡黄色結晶438mg(収率34.2%)を得た。
【0176】実施例17 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに811mg
(5.0mmol)の4−ニトロアセトニトリル(アル
ドリッチ社製)を用いたこと、室温で4時間攪拌したこ
と、及び精製をエタノール−水からの再結晶法によった
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次の化学式
【0177】
【化53】
【0178】で示される橙色結晶化合物1.18g(収
率82.3%)を得た。得られた化合物の融点は、26
0〜262℃であった。
【0179】実施例18 1錠当たり次の割合の組成からなる混合物を調製し、常
法により錠剤機により打錠し、本発明の医薬を製造し
た。 実施例1で得た化合物 30.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 トウモロコシ澱粉(吉田製薬社製) 15.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 0.4 カルボキシメチルセルロースカルシウム (ニチリン化学工業社製) 20.0
【0180】実施例19 1カプセル当たり次の割合の組成からなる混合物を調製
し、常法によりゼラチン・カプセルに充填し、本発明の
医薬を製造した。 実施例5で得た化合物 30.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 微粉末セルロース(日本ソーダ社製) 30.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 3.0
【0181】実施例20 4−クロロベンズアルデヒドの代りに、1.06g(1
0.0mmol)のベンズアルデヒド(和光純薬工業社
製)を用いたことを除き、実施例2と同一の方法によ
り、2.62g(収率98.9%)のα−シアノ−3,
4−ジメトキシスチルベン(黄色結晶)を得た。α−シ
アノ−3,4−ジメトキシ−4′−クロロスチルベンの
代りに、531mg(2.0mmol)の前記α−シア
ノ−3,4−ジメトキシスチルベンを用いたことを除
き、実施例2と同一の方法により、次の化学式
【0182】
【化54】
【0183】で示される黄色結晶化合物253mg(収
率53.4%)を得た。得られた化合物の融点は、17
2.5〜173.0℃であった。
【0184】実施例21 4−クロロベンズアルデヒドの代りに、1.24g(1
0.0mmol)の4−フルオロベンズアルデヒド(東
京化成社製)を用いたことを除き、実施例2と同一の方
法により、2.33g(収率82.2%)のα−シアノ
−3,4−ジメトキシフルオロスチルベン(白色結晶)
を得た。α−シアノ−3,4−ジメトキシ−4′−クロ
ロスチルベンの代りに、567mg(2.0mmol)
の前記α−シアノ−3,4−ジメトキシ−4′−フルオ
ロスチルベンを用いたことを除き、実施例2と同一の方
法により、次の化学式
【0185】
【化55】
【0186】で示される白色結晶化合物432mg(収
率84.6%)を得た。得られた化合物の融点は、17
5.5〜176.0℃であった。
【0187】実施例22 4−クロロベンズアルデヒドの代りに、1.41g(1
0.0mmol)の3−クロロベンズアルデヒド(東京
化成社製)を用いたことを除き、実施例2と同一の方法
により、2.35g(収率78.3%)のα−シアノ−
3,4−ジメトキシ−3′−クロロスチルベン(黄色結
晶)を得た。α−シアノ−3,4−ジメトキシ−4′−
クロロスチルベンの代りに、600mg(2.0mmo
l)の前記α−シアノ−3,4−ジメトキシ−3′−ク
ロロスチルベンを用いたことを除き、実施例2と同一の
方法により、次の化学式
【0188】
【化56】
【0189】で示される白色結晶化合物436mg(収
率80.2%)を得た。得られた化合物の融点は、18
9〜190℃であった。
【0190】実施例23 4−クロロベンズアルデヒドの代りに、1.85g(1
0.0mmol)の4−ブロモベンズアルデヒド(東京
化成社製)を用いたことを除き、実施例2と同一の方法
により、3.17g(収率92.1%)のα−シアノ−
3,4−ジメトキシ−4′−ブロモスチルベン(黄色結
晶)を得た。α−シアノ−3,4−ジメトキシ−4′−
クロロスチルベンの代りに、688mg(2.0mmo
l)の前記α−シアノ−3,4−ジメトキシ−4′−ブ
ロモスチルベンを用いたことを除き、実施例2と同一の
方法により、次の化学式
【0191】
【化57】
【0192】で示される白色結晶化合物544mg(収
率86.0%)を得た。得られた化合物の融点は、17
1.0〜171.5℃であった。
【0193】実施例24 4−クロロベンズアルデヒドの代りに、1.20g(1
0.0mmol)の4−メチルベンズアルデヒド(和光
純薬工業社製)を用いたことを除き、実施例2と同一の
方法により、2.20g(収率78.8%)のα−シア
ノ−3,4−ジメトキシ−4′−メチルスチルベン(黄
色結晶)を得た。α−シアノ−3,4−ジメトキシ−
4′−クロロスチルベンの代りに、559mg(2.0
mmol)の前記α−シアノ−3,4−ジメトキシ−
4′−メチルスチルベンを用いたことを除き、実施例2
と同一の方法により、次の化学式
【0194】
【化58】
【0195】で示される白色結晶化合物438mg(収
率87.1%)を得た。得られた化合物の融点は、16
2.5〜163.0℃であった。
【0196】実施例25 4−クロロベンズアルデヒドの代りに、1.20g(1
0.0mmol)の3−メチルベンズアルデヒド(東京
化成社製)を用いたことを除き、実施例2と同一の方法
により、1.46g(収率52.3%)のα−シアノ−
3,4−ジメトキシ−3′−メチルスチルベン(黄色結
晶)を得た。α−シアノ−3,4−ジメトキシ−4′−
クロロスチルベンの代りに、559mg(2.0mmo
l)の前記α−シアノ−3,4−ジメトキシ−3′−メ
チルスチルベンを用いたことを除き、実施例2と同一の
方法により、次の化学式
【0197】
【化59】
【0198】で示される黄色結晶化合物294mg(収
率58.5%)を得た。得られた化合物の融点は、11
0〜111℃であった。
【0199】実施例26 4−クロロベンズアルデヒドの代りに、1.34g(1
0.0mmol)の4−エチルベンズアルデヒド(東京
化成社製)を用いたことを除き、実施例2と同一の方法
により、1.79g(収率61.0%)のα−シアノ−
3,4−ジメトキシ−4′−エチルスチルベン(淡黄色
結晶)を得た。α−シアノ−3,4−ジメトキシ−4′
−クロロスチルベンの代りに、587mg(2.0mm
ol)の前記α−シアノ−3,4−ジメトキシ−4′−
エチルスチルベンを用いたことを除き、実施例2と同一
の方法により、次の化学式
【0200】
【化60】
【0201】で示される黄色結晶化合物448mg(収
率84.4%)を得た。得られた化合物の融点は、14
0.5〜141.0℃であった。
【0202】実施例27 4−クロロベンズアルデヒドの代りに、1.26g(1
0.0mmol)の5−メチルチオフェン−2−カルボ
キサアルデヒド(東京化成社製)を用いたことを除き、
実施例2と同一の方法により、2.36g(収率82.
7%)のα−(3,4−ジメトキシフェニル)−β−
(5−メチルチオフェン−2−イル)アクリロニトリル
(淡黄色結晶)を得た。α−シアノ−3,4−ジメトキ
シ−4′−クロロスチルベンの代りに、571mg
(2.0mmol)の前記α−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−β−(5−メチルチオフェン−2−イル)ア
クリロニトリルを用いたことを除き、実施例2と同一の
方法により、次の化学式
【0203】
【化61】
【0204】で示される橙色結晶化合物400mg(収
率77.7%)を得た。得られた化合物の融点は、18
3.0〜183.5℃であった。
【0205】実施例28 4−クロロベンズアルデヒドの代りに、1.10g(1
0.0mmol)の5−メチルフラン−2−カルボキサ
アルデヒド(和光純薬工業社製)を用いたことを除き、
実施例2と同一の方法により、2.16g(収率80.
2%)のα−(3,4−ジメトキシフェニル)−β−
(5−メチルフラン−2−イル)アクリロニトリル(黄
色結晶)を得た。α−シアノ−3,4−ジメトキシ−
4′−クロロスチルベンの代りに、539mg(2.0
mmol)の前記α−(3,4−ジメトキシフェニル)
−β−(5−メチルフラン−2−イル)アクリロニトリ
ルを用いたことを除き、実施例2と同一の方法により、
次の化学式
【0206】
【化62】
【0207】で示される橙色結晶化合物320mg(収
率66.3%)を得た。得られた化合物の融点は、15
0.5〜151.0℃であった。
【0208】実施例29 5−メチルフラン−2−カルボキサアルデヒド(和光純
薬工業社製)5.51g(50mmol)、ロダニン
(東京化成社製)6.66g(50mmol)、無水酢
酸ナトリウム(国産化学社製)12.3g(150mm
ol)及び酢酸(和光純薬工業社製)35mlの混合物
を30分間加熱還流し、空冷し、500mlの水に添加
し、析出した結晶を瀘取し、水、エタノール、エーテル
で順次洗浄した後、乾燥し、(5−メチルフルフリリデ
ン)ロダニンの橙褐色結晶10.04g(収率89.1
%)を得た。この全量を15%水酸化ナトリウム水溶液
65mlに懸濁し、100℃で30分間加熱し、空冷し
た後、500mlの10%塩酸に添加し、析出した結晶
を瀘取し、水洗し、乾燥し、3−(5−メチルフリル)
−2−チオケトプロピオン酸の黄色結晶8.22gを得
た。
【0209】この全量にエタノール45ml及び塩酸ヒ
ドロキシルアミン(和光純薬工業社製)10.1g(1
46mmol)を添加し、更にナトリウムエトキシド
(アルドリッチ社製、21%変性エタノール溶液)55
ml(147mmol相当)を徐々に添加し、100℃
で1時間加熱し、空冷し、減圧下で濃縮した。残渣に5
%水酸化ナトリウム水溶液20mlを添加して懸濁し、
氷冷下で注意しながら10%塩酸20mlを添加し、エ
ーテルで3回抽出し、エーテル層を飽和食塩水洗浄し、
無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥した後、エーテルを
留去した。残渣を少量のエーテルに溶解し、白濁が生じ
るまでトルエンを徐々に添加し、静置し、析出した結晶
を回収し、トルエンで十分洗浄し、乾燥し、3−(5−
メチル−2−フリル)−2−ヒドロキシイミノプロピオ
ン酸の黄色結晶4.55g(収率53.3%)を得た。
【0210】この全量をベンゼン60mlに溶解し、
1,1′−カルボニルジイミダゾール(アルドリッチ社
製)3.97g(24.8mmol)を徐々に添加し、
70℃で1時間加熱し、空冷し、50mlの氷水に添加
し、ベンゼンで3回抽出し、ベンゼン層を重曹水、飽和
食塩水、1%塩酸、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、油状物2.40g
を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、5−
メチルフラン−2−イルアセトニトリルの無色油状物
2.00g(収率66.6%)を得た。
【0211】前記5−メチルフラン−2−イルアセトニ
トリル606mg(5.0mmol)及び3,4−ジメ
トキシベンズアルデヒド(東京化成社製)831mg
(5.0mmol)を用いたことを除き、実施例2と同
一の方法により、419mg(収率31.1%)の5−
メチル−α−(3,4−ジメトキシベンジリデン)フラ
ン−2−アセトニトリル(黄色結晶)を得た。α−シア
ノ−3,4−ジメトキシ−4′−クロロスチルベンの代
りに、323mg(1.2mmol)の前記5−メチル
−α−(3,4−ジメトキシベンジリデン)フラン−2
−アセトニトリル及び塩化ピリジニウム(和光純薬工業
社製)1.73g(15mmol)を用いたことを除
き、実施例2と同一の方法により、次の化学式
【0212】
【化63】
【0213】で示される橙色結晶化合物140mg(収
率48.4%)を得た。得られた化合物の融点は、15
3.0〜153.5℃であった。
【0214】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、12−
リポキシゲナーゼを選択的に阻害するスチルベン誘導体
とスチルベン同族体誘導体、及びこれらの化合物を有効
成分として含有する12−リポキシゲナーゼを選択的に
阻害する医薬に係るものであり、本発明によって奏せら
れる効果は、次のとおりである。 1)本発明の化合物は、12−リポキシゲナーゼを強
力、かつ高い選択性をもって阻害する作用を有する。 2)本発明の前記化合物を有効成分とする医薬は、動脈
硬化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及
びある種の癌の転移の予防に有用である。 3)本発明の化合物は、低毒性であり、副作用が少な
く、12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬の
有効成分として有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/38 9454−4C C07C 43/23 C 7419−4H 255/36 9357−4H 255/53 9357−4H C07D 307/54 333/24 (72)発明者 森 繁広 神奈川県座間市東原5−1−15−407 さ がみ野さくら (72)発明者 森内 尚子 神奈川県横浜市港南区日野南1−20−7

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式 【化1】 [ただし、式中R1 は、水素原子又は水酸基を示し、R
    2 及びR3 は、水素原子又はシアノ基を示し(ただし、
    2 とR3 とは異なっている)、及びArは、次の化
    2、化3又は化4の一般式 【化2】 【化3】 【化4】 で示される基であり、式中R4 は、水素原子、低級アル
    キル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオ
    ロメチル基、又はシアノ基を示す。]で示されるスチル
    ベン誘導体又はスチルベン同族体誘導体。
  2. 【請求項2】 次の一般式 【化5】 [ただし、式中R1 は、水素原子又は水酸基を示し、R
    2 及びR3 は、水素原子又はシアノ基を示し(ただし、
    2 とR3 とは異なる)、及びArは、次の化6、化7
    又は化8の一般式 【化6】 【化7】 【化8】 で示される基であり、式中R4 は、水素原子、低級アル
    キル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオ
    ロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示す。]で示され
    るスチルベン誘導体及びスチルベン同族体誘導体からな
    る群より選択される化合物又はそれらの混合物を有効成
    分として含有する医薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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