JPH06315981A - 既設管ライニング用帯状体およびその製造方法 - Google Patents

既設管ライニング用帯状体およびその製造方法

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JPH06315981A
JPH06315981A JP5107990A JP10799093A JPH06315981A JP H06315981 A JPH06315981 A JP H06315981A JP 5107990 A JP5107990 A JP 5107990A JP 10799093 A JP10799093 A JP 10799093A JP H06315981 A JPH06315981 A JP H06315981A
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seawater
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Yasushi Kitayama
康 北山
Akihiko Okagawa
章彦 岡川
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海棲生物忌避成分を発生し得る金属板等の海
棲生物除去手段が帯状体から外れるのを長期間にわたっ
て防止でき、長期間にわたって海棲生物の付着防止機能
を発揮できる既設管ライニング用帯状体を実現する。 【構成】 帯状体10を構成する基板12の幅方向の一
側縁部に嵌合突条13を設ける一方、他側縁部に嵌合凹
条18を設ける。嵌合突条13の位置から幅方向内側に
適当な距離偏位した位置にヒンジ部122を設け、嵌合
突条13およびその周辺部を、製管時に内周面側となる
銅板60側に折り曲げ可能にする。そして、これらを折
り曲げた状態で帯状体10をコイル状に巻回し、その
後、嵌合突条13およびその周辺部を折り返して隣接す
る帯状体の嵌合凹条18に係合して、製管する。基板1
2の内面側となる部分には、溶射粉末法により、海水と
反応して海棲生物忌避成分を発生する溶射層60が予め
形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、既設管を更生させるた
めのライニング管として使用される螺旋管を形成するた
めの既設管ライニング用帯状体に関し、特に内部に海水
が浸入するような既設管内周面に海棲生物が付着するこ
とを確実に防止し得る既設管ライニング用帯状体および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所の冷却用管等のように、内
部に海水が浸入し得るパイプの内周面には、海水により
運ばれるムラサキガイ、フジツボ、その他の海棲生物が
付着するおそれがある。冷却用管の内周面に海棲生物が
付着すると、付着した海棲生物により内部での流体の通
流が阻害されて、管内部の流体の通流抵抗が増加し、冷
却効率が低下するという問題がある。このため、冷却管
の内周面に、海棲生物が付着しないような薬物、塗料等
を塗布することが行われている。
【0003】また、管内周面に海棲生物が付着すること
自体を防止するために、球状物質を内周面に塗布して、
内部に浸入する海水のせん断力を増加させる方法も知ら
れている。また、特公平3−59754号公報には、管
内を通流する海水が停滞しているときに、その海水内の
溶存酸素を除去することにより、海棲生物を死滅させ
て、管の内周面に海棲物が付着することを防止する方法
が開示されている。
【0004】さらに、帯状体を螺旋状に卷回して製造さ
れる螺旋管により管内周面をライニングする場合に、螺
旋管の内周面となる帯状体表面に予めフィルムを接着剤
で貼り付けることにより、管内周面をライニングする螺
旋管の内周面をフィルムで被覆し、海棲生物がフィルム
に付着した後に、該フィルムを螺旋管の内周面から引き
剥す方法も開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】管内周面に薬物を塗布
する方法では、薬物から流体内に溶出する物質によっ
て、周囲の環境に悪影響を与えるおそれがある。塗布さ
れた薬物による海棲生物の付着を防止する機能は経時的
に劣化するために、長期間にわたって海棲生物の付着を
防止することができない。球状物質を管内周面に塗布し
て海棲生物の付着を防止する方法では、内部に浸入する
海水の流速により、その効果が大きく変化し、海水の流
速が遅いところでは、海棲生物の付着を確実に防止する
ことができない。また、特公平3−59754号公報に
開示された方法では、海水中の溶存酸素を除去すること
自体が容易ではない。
【0006】更に、螺旋管の内周面をフィルムによりコ
ーティングし、海棲生物が付着した後にそのフィルムを
引き剥す方法では、螺旋管の内周面にフィルムが接着剤
によって貼り付けられているために、長期間の使用によ
って接着剤が劣化し螺旋管の内周面からフィルムが剥離
するおそれがある。フィルムが螺旋管の内周面から剥離
した場合には、螺旋管の内周面に直接に海棲生物が付着
することになり、海棲生物を除去することが困難にな
る。
【0007】このような問題点を解決するものとして、
本願出願人が、例えば特願平4−265815号で先に
提案した既設管ライニング用帯状体がある。そこでは、
螺旋状に巻回されて相互に隣接する側縁部同士をロック
用オス部とロック用メス部の嵌合により係合状態とする
ことにより、既設管内周面をライニングする螺旋管とさ
れる既設管ライニング用帯状体の、螺旋管とされた場合
に内周面となる表面部分に、海水と反応して海棲生物忌
避成分を発生し得る金属板状体(一例として、銅板)を
設けることにより、既設管の内周面に海棲生物が付着す
る構成の既設管ライニング用帯状体が開示されている。
【0008】ところで、この先行技術では、例えば銅板
が帯状体(帯状体本体)に機械的嵌合(内嵌め状態)に
より固定(接合)されていたため、以下に示すような新
たな問題点がある。
【0009】というのは、海水接触面に相当する銅板表
面部分は海水により侵食されるため、経年変化により徐
々にその肉厚が減少し、これに伴って海水に接触してい
る銅板の嵌合部分の寸法も減少し、海水に侵食されるお
それのない樹脂製の帯状体本体の嵌合部分との相互クリ
アランスが徐々に大きくなるため、経年的に銅板が帯状
体本体から外れてしまい、海棲生物の付着防止機能を長
期間にわたって維持できないという問題点がある。
【0010】また、機械的嵌合と併せて接着剤が用いら
れるが、帯状体本体の材質としては、通常ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の樹脂が用いられるため、接着剤
で長期間にわたって接着力を持続させることは困難であ
る。
【0011】このような理由により、上記先行技術の既
設管ライニング用帯状体では、銅板の帯状体本体からの
外れを極めて長期間にわたって防止する上で限界があっ
たのが実情である。
【0012】本発明はこのような従来技術の課題を解決
するものであり、その目的は、海棲生物忌避成分を発生
し得る金属板等の海棲生物除去手段が帯状体から外れる
のを長期間にわたって防止でき、長期間にわたって海棲
生物の付着防止機能を発揮できる既設管ライニング用帯
状体およびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の既設管ライニン
グ用帯状体は、螺旋状に卷回されて相互に隣接する帯状
体の側縁部同士を、一方の側縁部に設けたロック用オス
部を他方の側縁部に設けたロック用メス部に嵌合して係
合状態とすることにより、既設管内周面をライニングす
る螺旋管とされる既設管ライニング用帯状体であって、
螺旋管とされた場合に内周面となる表面部分に、海水と
反応して海棲生物忌避成分を発生する金属粉体又は該金
属粉体と樹脂との混合粉体が溶射されており、そのこと
により上記目的が達成される。
【0014】また、本発明の既設管ライニング用帯状体
は、螺旋状に卷回されて相互に隣接する樹脂製の帯状体
の側縁部同士を、一方の側縁部に設けたロック用オス部
を他方の側縁部に設けたロック用メス部に嵌合して係合
状態とすることにより、既設管内周面をライニングする
螺旋管とされる既設管ライニング用帯状体であって、螺
旋管とされた場合に内周面となる表面部分に、海水と反
応して海棲生物忌避成分を発生する金属板が接着又は熱
溶着され、該金属板の接合面に、海水と反応して海棲生
物忌避成分を発生する金属粉体若しくは該帯状体と同等
の樹脂又は樹脂と金属との混合粉体が予め溶射されてお
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】また、本発明の既設管ライニング用帯状体
の製造方法は、螺旋状に卷回されて相互に隣接する樹脂
製の帯状体の側縁部同士を、一方の側縁部に設けたロッ
ク用オス部を他方の側縁部に設けたロック用メス部に嵌
合して係合状態とすることにより、既設管内周面をライ
ニングする螺旋管とされる既設管ライニング用帯状体の
製造方法であって、海水と反応して海棲生物忌避成分を
発生する金属粉体若しくは該帯状体と同等の樹脂又は樹
脂と金属との混合粉体を、海水と反応して海棲生物忌避
成分を発生する金属板の表面に溶射して溶射層を形成す
る工程と、螺旋管とされた場合に内周面となる該帯状体
の表面に、該溶射層を接合面として該金属板を接合する
工程とを含んでおり、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0016】
【作用】請求項1記載の既設管ライニング用帯状体によ
れば、海水と反応して海棲生物忌避成分を発生する金属
粉体又は該金属粉体と樹脂との混合粉体が、溶射によっ
て帯状体の表面に固定されているので、溶射層と帯状体
表面の界面は、超微粒子が相互に混合された状態にな
る。従って、アンカー効果的な固定力を生じるので、溶
射層が極めて長期間にわたって維持される。また、その
界面に海水が浸入することがない。それ故、この既設管
ライニング用帯状体によれば、溶射層が海棲生物忌避能
力を喪失する迄の長期間にわたって海棲生物の付着防止
機能を持続できる。
【0017】また、請求項2記載の既設管ライニング用
帯状体によれば、海水と反応して海棲生物忌避成分を発
生する金属板が、粉末の溶射層を介して帯状体の表面に
固定されているので、溶射層とその裏面に接合される帯
状体との界面は、超微粒子が相互に混合された状態にな
るため、アンカー効果的な固定力を生じる。また、溶射
層とその表面に接する金属板との界面も、その表面の凹
凸によりアンカー効果的な固定力を期待できる。従っ
て、この既設管ライニング用帯状体においても、帯状体
の表面に金属板を強固に接合できる。
【0018】また、請求項3記載の既設管ライニング用
帯状体の製造方法によれば、帯状体に対して金属板が強
固に接合された既設管ライニング用帯状体を製造でき
る。
【0019】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の既設管ライニング用帯状体
の実施例1を示す。この既設管ライニング用帯状体は、
螺旋状に卷回されて螺旋管とされて、例えば、原子力発
電所の冷却用管内周面にライニングされる。
【0020】このような帯状体10は、図1に示すよう
に、本体である帯板状の基板12を有しており、該基板
12の一方の表面には、海棲生物が付着することを防止
するために溶射層60が形成されている。
【0021】基板12の他方の表面には、一方の端面
(幅方向の一端面)12aから適当な距離を隔てて、嵌
合突条13が立設されている。嵌合突条13は、基板1
2の長手方向に連続している。嵌合突条13には、基板
12の厚さより若干長い支柱部13aと、支柱部13a
の上端に配設された挿入部13bとを有している。挿入
部13bは支柱部13aよりも基板12の幅方向内側に
突出した形状になっている。
【0022】基板12の他方の端面側には、基板12が
螺旋状に巻回された際に、図4に示すように、隣接する
基板12の一端面側が嵌入し得るように、該基板12の
厚み分だけ嵌合突条13の突出側に段落ちした段落ち部
17が形成されている。段落ち部17に嵌入し得る基板
12の支柱部13a近傍の上面には、例えば段落ち部1
7との接着のためのホットメルト接着剤が塗布されてい
る。また、段落ち部17の側縁部には、斜め上方へ延出
する傾斜リブ15が形成されている。
【0023】段落ち部17の中程には、嵌合突条13の
挿入部13bが嵌合し得る形状の空間を有する嵌合凹条
18が設けられている。この嵌合凹条18は、基板12
の長手方向に沿って嵌合突条13と同方向へ突出するよ
うに設けられている。上記嵌合凹条18の上部には、断
面T字状の補強リブ16が、上方へ延出するように設け
られている。該補強リブ16は、基板12の長手方向に
沿って該基板12と一体的に形成されてる。該補強リブ
16は、基板12上面に上方へ延出するように立設され
た支柱部16aと、該支柱部16aの先端に該支柱部1
6aとは直交するように基板12と平行になったフラン
ジ部16bとを有している。
【0024】更に、基板12の嵌合突条13と嵌合凹条
18との間には、断面T字状をなす上記同様の複数の補
強リブ16、16…が、適当な間隔を隔ててそれぞれ基
板12の長手方向に沿うように該基板12と一体的に立
設されている。
【0025】帯状体本体を構成する基板12は、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボ
ネート、ポリエステル或はこれらの樹脂をガラス繊維で
補強した樹脂等の材料によって一体的に形成されてい
る。このような基板12の寸法としては、肉厚および補
強リブ16の高さは要求される外圧又は内圧および製管
径に応じて適宜設定される。
【0026】上記の溶射層60は、基板12表面の段落
ち部17を除く部分に設けられている。この溶射層60
は、火炎溶射、電気溶射、アーク溶射、プラズマ溶射等
の公知の粉末溶射法を用いて形成される。
【0027】図2は火炎溶射に使用される溶射ガン30
を示す。この溶射ガン30は、内外2層構造のノズル3
1と、このノズル31を同心状に覆うエアキャップ32
と、エアーキャップ32に外嵌されたエアーキャップボ
ディ33とを有する。ノズル31の内筒内には、窒素ガ
スで搬送される粉体および圧縮空気が流入され、ノズル
31の外筒内には、酸素−プロパン、酸素−プロピレン
又は酸素−水素の混合物である燃料が流入される。ま
た、エアーキャップ32内には圧縮空気が流入される。
【0028】ノズル31の内筒に搬入された粉末(粉
体)は圧縮空気によって加速され、続いて燃料と反応し
て燃焼し、溶融された粉末が加速された状態で、その表
面が前処理された基板12の表面に溶射され、これで基
板12の表面に溶射層(溶射皮膜)60が形成される。
【0029】ここで、溶射層60を形成する粉末として
は、海水と反応して海棲生物忌避成分を発生する金属粉
末、又はこのような金属粉末と樹脂粉末との混合粉末が
用いられる。
【0030】図3は基板12の表面に上記のようにして
形成された溶射層60の詳細を示しており、海棲生物忌
避成分を発生する金属61を含む溶射層60が前処理を
施された基板12の表面に対して一体的に形成されてい
る。なお、このような溶射法は、融点の高い金属粉末を
融点の低い樹脂の表面に溶射するので、溶射層60が形
成される樹脂表面の熱的なダメージを抑制するため、そ
の粒径や温度を精度よくコントロールする必要がある。
【0031】上記のような金属粉末としては、銅又は錫
若しくはこれらを含む合金の粉末を用いることが可能で
ある。銅を含む合金としては、ベリリウム−銅の合金が
好ましい。合金の成分比は、使用条件等で異なるが、例
えばベリリウム−銅の合金の場合は、銅に対するベリリ
ウム含有率を2〜3%程度に設定すると好ましいものに
なる。
【0032】また、溶射層60の層厚は、海棲生物の付
着除去機能が要求される期間等によって適宜設定すれば
よく、例えばその期間が10年の場合は、通常使用条件
下での溶射層60の年間肉厚減少量が20〜50μm程
度であるので、層厚を0.2〜0.5mm程度に設定す
ればよい。
【0033】溶射粉末の粒径は、粉末として銅又は錫若
しくはこれらを含む合金からなる金属粉末を使用する場
合は、50〜100μm程度が一般的であり、樹脂粉末
を使用する場合は、要求される溶射層60の層厚や溶射
条件等に基づいて適宜設定すればよい。
【0034】また、溶射粉末として、金属粉末と樹脂粉
末を使用する場合は、両粉末を混合したものを溶射する
ことにしてもよいが、両粉体の重量、混合比等に大きな
差があるときは、それぞれの粉末を独立した溶射ガンで
別個に基板12表面の同一箇所に溶射すればよい。樹脂
粉末の材質としては、基板12の材質と同一のものを使
用することが好ましい。
【0035】このような構成の帯状体10を用いた製管
動作は以下のようにして行われる。帯状体10の溶射層
60形成側が内面側になるように、かつ基板12の段落
ち部17に隣接する帯状体10の一方の側縁部、すなわ
ち嵌合突条13が形成された側縁部が係合し得るよう
に、帯状体10を螺旋状に巻回して既設管40(図5参
照)内に挿入する。そして、帯状体10の巻回動作が終
了すると、図4に示すように、隣接する一方の帯状体1
0の嵌合突条13を他方の帯状体10の嵌合凹条18に
嵌合する。これにより、帯状体10の隣接する側縁部同
士の係合が行われる。
【0036】図5はこの係合動作を示しており、帯状体
10が巻回されて既設管40内に挿入されると、既設管
40内に位置する作業者がエアーハンマー70等の工具
を用いて一方の帯状体10の嵌合突条13を他方の帯状
体10の嵌合凹条18に嵌合して係合動作が行われる。
工具としては、他にハンドハンマーを用いることが可能
であるが、施工性を考慮するとエアーハンマー70を用
いるのが好ましい。
【0037】このようにして隣接する帯状体10同士を
順次係合して行くと、既設管40内に螺旋管20が更生
管として製管される。この螺旋管20は、ポリエチレン
等の合成樹脂からなる樹脂管の内面に海棲生物忌避成分
を発生し得る溶射層60が全面にわたって形成されてい
る。従って、この螺旋管20を原子力発電所の冷却用管
内周面にライニングすると、溶射層60が海水と反応し
て海棲生物忌避成分を発生するので、螺旋管20にフジ
ツボ等の海棲生物が付着するのを長期間にわたって防止
できる。
【0038】溶射層60と基板12表面との界面は、超
微粒子同士が相互に混合された状態になるため、アンカ
ー効果的な固定力を生じる。しかも、この界面に海水は
浸入しない。従って、通常の使用条件下では、溶射層6
0が剥離することがない。この結果、溶射層60中の金
属61は海棲生物除去機能を喪失するまで基板12の表
面に保持され続けている。それ故、本発明の帯状体で製
管されたライニング管によれば長期間にわたって海棲生
物の付着を防止できる。
【0039】図6〜図9は実施例1の帯状体の変形例を
示す。この変形例の帯状体10は、基板12の嵌合突条
13からその幅方向内側に所定距離隔てた位置に、断面
U字状をなすヒンジ部122を長手方向の全長にわたっ
て凹設している。このような構成によれば、図6(b)
に示すように、薄肉になったヒンジ部122を支点にし
て嵌合突条13およびその周辺部が基板12の残余の部
分に対して折り曲げ可能になる。
【0040】加えて、この変形例では、基板12の嵌合
突条13の位置から幅方向内側に偏位した位置にフック
状に立ち上がったストッパ用リブ19bが設けられてい
る。また、基板12の嵌合凹条18が形成された側縁部
の端末にもフック状に立ち上がったストッパ用リブ19
aが設けられている。ストッパ用リブ19aの高さ寸法
はストッパ用リブ19bの高さ寸法よりも小さくなって
いる。両ストッパ用リブ19a、19bの上端部は、共
に基板12の幅方向に内側に向けて突出している。ここ
で、図6(a)に示すように、ストッパ用リブ19a〜
嵌合凹条18迄の距離L1と、ストッパ用リブ19b〜
嵌合突条13迄の距離L2は略同一に設定されている。
【0041】このような構成の帯状体10によれば、以
下に示す理由により、製管時にこのストッパ用リブ19
a、19bが嵌合突条13と嵌合突条18とを位置決め
するので、その後の係合作業を確認作業を要することな
く、直ちに行うことができる利点がある。
【0042】図7〜図9はこの帯状体10を使用した施
工法を示す。本実施例の帯状体10においては、溶射層
60が内周側となるように、製管機の内部に地上側より
帯状体10を導入して、帯状体10を順次螺旋状に巻回
して螺旋管を形成し、これで冷却用管40(図5参照)
内をライニングする施工法をとることも可能であるが、
製管回転時の捩れを考慮すると、一定長さ毎に切断した
帯状体10をコイル状に成形して冷却用管40内に搬入
し、順に冷却用管40内にライニングして行く施工法が
好ましい。
【0043】このライニングは、図7に示すように、ま
ず嵌合突条13およびその周辺部をヒンジ部122を支
点にして溶射層60側、すなわち内面側に折り畳み、次
いで、図8に示すように、折り畳まれた部分を元の状態
に復元し、これにより一方の帯状体10の嵌合突条13
を他方の帯状体10の嵌合凹条18に嵌合して係合する
(図9参照)。
【0044】この嵌合動作を行う際に、上記のように帯
状体10の嵌合凹条18側の端末には、ストッパ用リブ
19aが設けられ、かつ嵌合突条13の近傍には、スト
ッパ用リブ19bが設けられているので、隣接する帯状
体10を管軸方向に配置した場合には、図8に示すよう
に、次の帯状体10のストッパ用リブ19aが一つ前の
帯状体10のストッパ用リブ19bに当接し、両帯状体
10、10の位置決めが行われる。そして、上記のよう
にストッパ用リブ19a〜嵌合凹条18迄の距離L1
と、ストッパ用リブ19b〜嵌合突条13迄の距離L2
が略同一に設定されているので、この状態から嵌合突条
13およびその周辺部をヒンジ部122を支点にして元
の状態に折り返すと、嵌合突条13が正確に嵌合凹条1
8に抜け止め状に嵌合し、これで両帯状体10、10の
係合が行われる。
【0045】従って、このような構成の帯状体10によ
れば、作業者が嵌合突条13と嵌合凹条18との嵌合位
置を確認することなく、直ちに嵌合、係合動作を行うこ
とができるので、ライニング作業の効率化を図ることが
できる。殊に、圧力管等をライニングする場合は、帯状
体10の機械的剛性を上げる必要があるため、巻回動作
の困難性に起因してより嵌合の際の位置合わせが困難に
なるところ、この実施例によればかかる位置合わせが不
要であるので、特に優れたものになる。また、このよう
な帯状体10によるライニングは、帯状体10を既設管
の内周面に貼り付けて行われるため、その前提として、
管内側から正確に嵌合部相互の位置合わせを行う必要が
あるので、本実施例によれば特に優れたものになる。
【0046】なお、本発明はヒンジ部122を設け、ス
トッパ用リブ19a、19bを設けない構成の帯状体に
ついても適用することができ、このような構成によれ
ば、螺旋管20内に入り込んだ作業者の目視検査によ
り、直ちに嵌合突条13と嵌合凹条18との位置合わせ
状態を確認できるので、このような状態を事前にチェッ
クできない実施形態をとる帯状体に比べて、嵌合、係合
動作を迅速、確実に行える利点がある。
【0047】上記のようにヒンジ部122を設ける場合
は、帯状体10の製管時にヒンジ部122で局部的に曲
げ応力が発生するため、基板12の材質としては、極力
割れ等の発生しない材質、例えばポリエチレン等が好ま
しい。
【0048】図10は実施例1の帯状体10の、また別
の変形例を示す。この変形例では、ヒンジ部122を2
箇所設ける構成をとっている。
【0049】このようにヒンジ部122の個数について
は特に制限されるものではない。また、ヒンジ部122
の位置に関しては、重ね合う部分を極力減らすことや施
工性を考慮すると、一般には嵌合突条13の近傍に設け
ることが好ましいが、特に必要条件とされるものではな
い。但し、螺旋管の管径が小さい場合は、その管径に応
じて帯状体10を曲げた状態でヒンジ部122を断面方
向に曲げるため、それに必要な力はヒンジ部122から
離れれば離れる程大きくなる。従って、施工性を考慮す
ると、ヒンジ部122を設ける位置は極力嵌合突条13
に近い位置が好ましい。
【0050】図11は実施例1の帯状体10の、更に他
の変形例を示す。この変形例では、上記したヒンジ部1
22の代わりに、伸縮性を有する伸縮部123を設け、
この伸縮部123を支点にして嵌合突条13およびその
周辺部を基板12に対して折り曲げ可能にする構成をと
る。すなわち、図11に示すように、基板12のヒンジ
部122に相当する部分には、外面側に”コ”字状に突
出した伸縮部123が形成されている。このような伸縮
部123は、基板12の一部が開口されているので、こ
の部分の剛性が劣る結果、可撓性、すなわち伸縮性が付
与される。それ故、伸縮部123を支点にして嵌合突条
13およびその周辺部が折り曲げ可能になるので、嵌合
時に、上記変形例同様に嵌合突条13と嵌合凹条18と
の位置関係を確認することができる。
【0051】この変形例においても、帯状体10の対応
する位置には、ストッパ用リブ19a、19bが設けら
れており、嵌合時における嵌合突条13と嵌合凹条18
との位置合わせが自動的に行われる。
【0052】加えて、段落ち部17の近傍には、”コ”
字状をなし、嵌合時に隣接する帯状体10の伸縮部12
3を収納するための収納部124が形成されており、嵌
合動作に支障を来さないようになっている。なお、伸縮
部123の内面側にも溶射層60が形成されている。
【0053】この伸縮部123についても、位置、配置
数はヒンジ部122の場合と同様に、特に拘束されるも
のではないが、既設管内周面に接触される螺旋管の内径
が小さくなるのを防止するために、その高さ寸法を出来
るだけ小さくすることが好ましい。従って、大きな高さ
寸法の伸縮部123を1つ設けるよりは、小寸法の伸縮
部123を複数設ける方が実施する上で好ましいものに
なる。
【0054】更には、伸縮部123とヒンジ部122を
組み合わせることも可能である。
【0055】(実施例2)図12は本発明の既設管ライ
ニング用帯状体の実施例2を示す。この帯状体10は、
基板12の内面側となる部分に、海棲生物忌避成分を発
生する金属板80が接合され、この金属板80と基板1
2表面との接合面に溶射層60を有する構造になってい
る。金属板80および溶射層60を除くその他の更生に
ついては上記実施例1と同様であるので、対応する部分
に同一の番号を付して具体的な説明は省略する。
【0056】実施例2の帯状体10において、溶射層6
0は実施例1の溶射層60と基本的に同じである。但
し、溶射される粉体として、樹脂粉体のみを単独で使用
できること、および基板12の表面ではなく金属板80
の表面に溶射してもよいことの2点が異なる。
【0057】金属板80は、海水と反応して海棲生物忌
避成分を発生する金属材料からなり、その金属材料とし
ては、溶射層60を形成するために使用される金属粉体
と同様の金属材料、すなわち銅又は錫若しくはこれらを
含む合金を使用することができる。合金としては、ベリ
リウム−銅合金が好ましい。また、金属板80の厚みと
しては、通常0.3〜0.8mmであり、0.5mmが
主として使用される。次に、このような帯状体10の製
造プロセスを図13(a)〜(c)に従って説明する。
まず、図13(a)に示すように、金属板80の一方の
表面に、上記の溶射ガンを用いて粉体を溶射する。粉体
としては、海水と反応して海棲生物を発生する金属粉
末、又は樹脂粉末、若しくは両者の混合粉体を用いる。
【0058】溶射によって金属板80の一方の表面に溶
射層60が形成されると、次に図13(b)に示すよう
に、溶射層60の表面と帯状体10の基板12表面とを
重ね合わせる。
【0059】続いて、図13(c)に示すように、重ね
合わされた表面同士を加熱および加圧して熱融着し、こ
れで本実施例2の帯状体10を作製する。
【0060】このようにして作製された帯状体10は、
上記の帯状体10と同様に、螺旋状に巻回されて原子力
発電所の冷却用管等の既設管内に挿入される。そして、
既設管内に位置する作業者によって、隣接する帯状体1
0の嵌合突条13と嵌合凹条18との嵌合動作が順次行
われて、螺旋管が製管される。
【0061】図14は基板12と金属板80との接合部
の詳細を示す。図示のように、金属板80と溶射層60
との界面は、溶射により超微粒子が相互に混合されたア
ンカー結合になっている。また、溶射層60と基板12
の界面は、溶射層60中の樹脂が基板12と一体化して
おり、強固な結合状態になっている。また、いずれの界
面にも海水は浸入しない。
【0062】従って、このような構造によれば、基板1
2の表面に金属板80が溶射層60を介して強固に結合
され、基板12表面から剥離することがない。それ故、
金属板80が海棲生物除去能力を喪失するまでの長期間
にわたって金属板80が固定保持されている。
【0063】なお、上記の説明では、金属板80を溶射
層60を介して基板12表面に熱溶着したが、両者の接
合は、接着剤を用いた接着で行うことも可能である。こ
の場合にも、同種材料の接着となるので、優れた接着強
度を長期間にわたって保持できる。
【0064】図15〜図18は実施例2の帯状体10の
変形例を示す。この変形例の帯状体10は、基板12の
嵌合突条13からその幅方向内側に所定距離隔てた位置
に、断面U字状をなすヒンジ部122を長手方向の全長
にわたって凹設している。このような構成によれば、図
15(b)に示すように、薄肉になったヒンジ部122
を支点にして嵌合突条13およびその周辺部が基板12
の残余の部分に対して折り曲げ可能になる。この折り曲
げ動作を支障なく行わせるために、金属板80のヒンジ
部122に相当する部分には、スリット82が形成され
ている。
【0065】加えて、この変形例では、基板12の嵌合
突条13の位置から幅方向内側に偏位した位置にフック
状に立ち上がったストッパ用リブ19bが設けられてい
る。また、基板12の嵌合凹条18が形成された側縁部
の端末にもフック状に立ち上がったストッパ用リブ19
aが設けられている。ストッパ用リブ19aの高さ寸法
はストッパ用リブ19bの高さ寸法よりも小さくなって
いる。両ストッパ用リブ19a、19bの上端部は、共
に基板12の幅方向に内側に向けて突出している。ここ
で、図15(a)に示すように、ストッパ用リブ19a
〜嵌合凹条18迄の距離L1と、ストッパ用リブ19b
〜嵌合突条13迄の距離L2は略同一に設定されてい
る。
【0066】このような構成の帯状体10によれば、以
下に示す理由により、製管時にこのストッパ用リブ19
a、19bが嵌合突条13と嵌合突条18とを位置決め
するので、その後の係合作業を確認作業を要することな
く、直ちに行うことができる利点がある。以下にその詳
細を説明する。
【0067】以下に、図16〜図18に従ってこの帯状
体10を使用した施工法について説明する。図16に示
すように、まず嵌合突条13およびその周辺部をヒンジ
部122を支点にして金属板80側、すなわち内面側に
折り畳み、次いで、図17に示すように、折り畳まれた
部分を元の状態に復元し、これにより一方の帯状体10
の嵌合突条13を他方の帯状体10の嵌合凹条18に嵌
合して係合する(図18参照)。
【0068】この嵌合動作を行う際に、上記のように帯
状体10の嵌合凹条18側の端末には、ストッパ用リブ
19aが設けられ、かつ嵌合突条13の近傍には、スト
ッパ用リブ19bが設けられているので、隣接する帯状
体10を管軸方向に配置した場合には、図18に示すよ
うに、次の帯状体10のストッパ用リブ19aが一つ前
の帯状体10のストッパ用リブ19bに当接し、両帯状
体10、10の位置決めが行われる。そして、上記のよ
うにストッパ用リブ19a〜嵌合凹条18迄の距離L1
と、ストッパ用リブ19b〜嵌合突条13迄の距離L2
が略同一に設定されているので、この状態から嵌合突条
13およびその周辺部をヒンジ部122を支点にして元
の状態に折り返すと、嵌合突条13が正確に嵌合凹条1
8に抜け止め状に嵌合し、これで両帯状体10、10の
係合が行われる。
【0069】従って、このような構成の帯状体10によ
れば、作業者が嵌合突条13と嵌合凹条18との嵌合位
置を確認することなく、直ちに嵌合、係合動作を行うこ
とができるので、ライニング作業の効率化を図ることが
できる。
【0070】なお、本発明はヒンジ部122を設け、ス
トッパ用リブ19a、19bを設けない構成の帯状体に
ついても適用することができ、このような構成によれ
ば、螺旋管内に入り込んだ作業者の目視検査により、直
ちに嵌合突条13と嵌合凹条18との位置合わせ状態を
確認できるので、このような状態を事前にチェックでき
ない実施形態をとる帯状体に比べて、嵌合、係合動作を
迅速、確実に行える利点がある。
【0071】上記のようにヒンジ部122を設ける場合
は、帯状体10の製管時にヒンジ部122で局部的に曲
げ応力が発生するため、基板12の材質としては、極力
割れ等の発生しない材質、例えばポリエチレン等が好ま
しい。
【0072】図19は実施例2の帯状体10の、また別
の変形例を示す。この変形例では、ヒンジ部122を2
箇所設け、金属板80の各ヒンジ部122、122に対
応する部分にスリット82、82を設ける構成をとって
いる。この変形例によれば、2箇所のヒンジ部122、
122を支点にして嵌合突条13およびその周辺部が基
板12に対して折り曲げ可能になっている。
【0073】このようにヒンジ部122の個数について
は特に制限されるものではない。また、ヒンジ部122
の位置に関しては、重ね合う部分を極力減らすことや施
工性を考慮すると、一般には嵌合突条13の近傍に設け
ることが好ましいが、特に必要条件とされるものではな
い。但し、螺旋管の管径が小さい場合は、その管径に応
じて帯状体10を曲げた状態でヒンジ部122を断面方
向に曲げるため、それに必要な力はヒンジ部122から
離れれば離れる程大きくなる。従って、施工性を考慮す
ると、ヒンジ部122を設ける位置は極力嵌合突条13
に近い位置が好ましい。
【0074】図20は実施例2の帯状体10の、更に他
の変形例を示す。この変形例では、上記したヒンジ部1
22の代わりに、伸縮性を有する伸縮部123を設け、
この伸縮部123を支点にして嵌合突条13およびその
周辺部を基板12に対して折り曲げ可能にする構成をと
る。すなわち、図20に示すように、基板12のヒンジ
部122に相当する部分には、外面側に”コ”字状に突
出した伸縮部123が形成されている。このような伸縮
部123は、基板12の一部が開口されているので、こ
の部分の剛性が劣る結果、可撓性、すなわち伸縮性が付
与される。それ故、図20(b)に示すように、伸縮部
123を支点にして嵌合突条13およびその周辺部が折
り曲げ可能になるので、嵌合時に、上記変形例同様に嵌
合突条13と嵌合凹条18との位置関係を確認すること
ができる。なお、この変形例においても、金属板80の
伸縮部123に対応する部分には、スリット82が形成
され、基板12の折り曲げに支障を来さないようになっ
ている。
【0075】更に、この変形例においても、帯状体10
の対応する位置には、ストッパ用リブ19a、19bが
設けられており、嵌合時における嵌合突条13と嵌合凹
条18との位置合わせが自動的に行われる。
【0076】加えて、段落ち部17の近傍には、”コ”
字状をなし、嵌合時に隣接する帯状体10の伸縮部12
3を収納するための収納部124が形成されており、嵌
合動作に支障を来さないようになっている。
【0077】この伸縮部123についても、位置、配置
数はヒンジ部122の場合と同様に、特に拘束されるも
のではないが、既設管内周面に接触される螺旋管の内径
が小さくなるのを防止するために、その高さ寸法を出来
るだけ小さくすることが好ましい。従って、大きな高さ
寸法の伸縮部123を1つ設けるよりは、小寸法の伸縮
部123を複数設ける方が実施する上で好ましいものに
なる。
【0078】更には、伸縮部123とヒンジ部122を
組み合わせることも可能である。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載の既設管ライニング用帯状
体によれば、螺旋管とされた場合に内面側となる部分
に、海水と反応して海棲生物忌避成分を発生する金属粉
体等を溶射粉末法によって形成する構成をとるので、金
属粉体等が海棲生物除去能力を喪失するまでの長期間に
わたって海棲生物除去機能を発揮できる。
【0080】また、請求項2記載の既設管ライニング用
帯状体によれば、溶射層を介して海棲生物忌避成分を発
生する金属板が接合されているので、同様に、金属体が
海棲生物除去能力を喪失するまでの長期間にわたって海
棲生物除去機能を発揮できる。
【0081】また、請求項3記載の既設管ライニング用
帯状体の製造方法によれば、このような優れた効果を奏
する既設管ライニング用帯状体を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の既設管ライニング用帯状体の実施例1
を示す断面図。
【図2】溶射ガンを用いた溶射方法を示す模式図。
【図3】溶射層の詳細を示す模式的断面図。
【図4】実施例1の既設管ライニング用帯状体の施工法
を示す部分断面図。
【図5】実施例1の既設管ライニング用帯状体の製管動
作を示す説明図。
【図6】実施例1の既設管ライニング用帯状体の変形例
を示す断面図。
【図7】図6に示す既設管ライニング用帯状体の嵌合突
条およびその周辺部を折り曲げた状態を示す断面図。
【図8】図6に示す既設管ライニング用帯状体の嵌合突
条およびその周辺部を折り返した状態を示す断面図。
【図9】図6に示す既設管ライニング用帯状体の嵌合状
態を示す部分断面図。
【図10】実施例1の既設管ライニング用帯状体の、ま
た他の変形例を示す断面図。
【図11】実施例1の既設管ライニング用帯状体の、更
に他の変形例を示す断面図。
【図12】本発明の既設管ライニング用帯状体の実施例
2を示す断面図。
【図13】実施例2の既設管ライニング用帯状体の製造
プロセスを示す工程図。
【図14】実施例2の既設管ライニング用帯状体の接合
状態を示す模式的断面図。
【図15】実施例2の既設管ライニング用帯状体の変形
例を示す断面図。
【図16】図12に示す既設管ライニング用帯状体の嵌
合突条およびその周辺部を折り曲げた状態を示す断面
図。
【図17】図12に示す既設管ライニング用帯状体の嵌
合突条およびその周辺部を折り返した状態を示す断面
図。
【図18】図12に示す既設管ライニング用帯状体の嵌
合状態を示す部分断面図。
【図19】実施例2の既設管ライニング用帯状体の、ま
た他の変形例を示す断面図。
【図20】実施例2の既設管ライニング用帯状体の、更
に他の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
10 帯状体 12 基板 13 嵌合突条 16 補強リブ 17 段落ち部 18 嵌合凹条 19a、19b ストッパ用リブ 20 螺旋管 30 溶射ガン 40 冷却用管 60 溶射層 70 エアーハンマー 80 金属板 122 ヒンジ部 123 伸縮部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 螺旋状に卷回されて相互に隣接する帯状
    体の側縁部同士を、一方の側縁部に設けたロック用オス
    部を他方の側縁部に設けたロック用メス部に嵌合して係
    合状態とすることにより、既設管内周面をライニングす
    る螺旋管とされる既設管ライニング用帯状体であって、 螺旋管とされた場合に内周面となる表面部分に、海水と
    反応して海棲生物忌避成分を発生する金属粉体又は該金
    属粉体と樹脂との混合粉体が溶射されている既設管ライ
    ニング用帯状体。
  2. 【請求項2】 螺旋状に卷回されて相互に隣接する樹脂
    製の帯状体の側縁部同士を、一方の側縁部に設けたロッ
    ク用オス部を他方の側縁部に設けたロック用メス部に嵌
    合して係合状態とすることにより、既設管内周面をライ
    ニングする螺旋管とされる既設管ライニング用帯状体で
    あって、 螺旋管とされた場合に内周面となる表面部分に、海水と
    反応して海棲生物忌避成分を発生する金属板が接着又は
    熱溶着され、該金属板の接合面に、海水と反応して海棲
    生物忌避成分を発生する金属粉体若しくは該帯状体と同
    等の樹脂又は樹脂と金属との混合粉体が予め溶射されて
    いる既設管ライニング用帯状体。
  3. 【請求項3】 螺旋状に卷回されて相互に隣接する樹脂
    製の帯状体の側縁部同士を、一方の側縁部に設けたロッ
    ク用オス部を他方の側縁部に設けたロック用メス部に嵌
    合して係合状態とすることにより、既設管内周面をライ
    ニングする螺旋管とされる既設管ライニング用帯状体の
    製造方法であって、 海水と反応して海棲生物忌避成分を発生する金属粉体若
    しくは該帯状体と同等の樹脂又は樹脂と金属との混合粉
    体を、海水と反応して海棲生物忌避成分を発生する金属
    板の表面に溶射して溶射層を形成する工程と、 螺旋管とされた場合に内周面となる該帯状体の表面に、
    該溶射層を接合面として該金属板を接合する工程とを含
    む既設管ライニング用帯状体の製造方法。
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