JPH06315385A - 動物インターフェロンをコードするdna - Google Patents

動物インターフェロンをコードするdna

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JPH06315385A
JPH06315385A JP6016284A JP1628494A JPH06315385A JP H06315385 A JPH06315385 A JP H06315385A JP 6016284 A JP6016284 A JP 6016284A JP 1628494 A JP1628494 A JP 1628494A JP H06315385 A JPH06315385 A JP H06315385A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範な種類の動物インターフェロンを見い出
すためのこの種の技術を利用する手段および方法、この
産生の各種の産物およびその使用に係る。 【構成】 本発明はヒト以外の動物インターフェロンを
コードするDNA分子、それを含有する発現ビヒクル、
およびその発現ビヒクルを含有する形質転換体に関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、一般に組換DNA技術、広範な
種類の動物インターフェロンを見出すためのこの種の技
術を利用する手段および方法、その産生並びにこの産生
の各種の産物およびその使用に係る。
【0002】より詳細には、本発明は、動物インターフ
ェロンをコードするDNA配列の単離および同定、発現
を行なうプロモーター配列に作動可能に(正しく読みと
られるように)結合されたこの種のDNA配列を含有す
る組換DNA発現ビヒクルの構築並びにこのように構築
された発現ビヒクルに係る。他の面において、本発明
は、この種の発現ビヒクルにより形質転換されしたがっ
て上記DNA配列を発現し得る宿主培養系、たとえば各
種微生物および脊椎動物細胞培養(セルカルチャー)に係
る。
【0003】さらに他の面において、本発明は、この種
の発現の新規な最終産物を、動物の予防もしくは治療処
置に有用な完全体、たとえば薬剤組成物に転換する手段
および方法に係る。さらに、本発明は、前記DNA配
列、発現ビヒクル、宿主培養系並びに最終産物及びその
完全体の製造に有用な各種の方法に係り、さらにその特
定具体例および関連具体例に係る。
【0004】本発明は、一連のウシα−インターフェロ
ンをコードしており且つ発現ビヒクル中へのそのin vit
ro(試験管内)結合を容易にする3'−および5'−フラン
キング(flanking)配列を含むDNA配列、並びにそれか
ら推定されるアミノ酸配列の知見に一部基づくものであ
る。さらに、これらの知見は、組換DNA技術によっ
て、充分量の動物インターフェロンを製造する手段およ
び方法の開発を可能にし、その結果、その生化学的性質
および生物活性の測定を可能にし、従って、その産業上
/生物学上の開発に対して有効な生産を可能ならしめ
る。
【0005】本発明の背景を説明し、特別な場合には、
その実施に関し詳細を補足するために、刊行物およびそ
の他の資料をここに参考のため引用するが、これらは便
宜上本明細書中発明の詳細な説明の最後尾に掲げた番号
を付して引用する。
【0006】A.動物インターフェロン インターフェロン成分は、ヒトより下等な種々の系統学
的種の組織から単離されている(1、2、3)。これらイ
ンターフェロンを用いて行なわれた活性試験は、必須の
宿主動物(requisite host animal)において種々の程度
の抗ウイルス効果を示している(3、4、5、6)。さら
に、これらインターフェロンは必ずしも種特異性でない
ことが示されている。たとえば、組織から単離されたウ
シインターフェロンの調製物は、サルおよびヒトの細胞
に対し抗ウイルス活性を示した(7)。同様に、ヒトイン
ターフェロンは、系統学的により下等な種の様々な細胞
において活性であることが判明している(7)。
【0007】この種間相互活性は、インターフェロン間
におけるアミノ酸組成と配列との両者における高度の相
同性保存により疑いがない。しかしながら、今日まで、
この説明は理論上の説明に留まっている。何故なら、こ
れまで入手し得た動物インターフェロンの量および純度
は不充分であったため、精製された成分の特性化および
生物学的性質を幾種かのヒトの対応する部分に関して比
較する明確な実験を行なうことができなかったからであ
る(8、9、10、11、12)。
【0008】いずれにせよ、これらの少ない量および低
純度にも拘らず、必須の動物宿主におけるインターフェ
ロンと抗ウイルス活性との間の因果関係が確立されてい
る。たとえば、高収率および高純度で動物インターフェ
ロンを生産することは、動物バイオアッセイ実験を開始
しかつ成功裡に行なって、ウイルス感染症ならびに悪性
腫瘍状態および免疫抑制状態もしくは免疫欠如状態に対
する動物の治療における産業上の利用性をもたらすため
に、極めて望ましいものである。さらに、単離される動
物インターフェロン類の生産は、物理的にも生物活性的
にもその特性化を可能にし、したがって対応するヒトイ
ンターフェロン類に関し分類およびそれによる比較研究
の基礎を与える(8〜20)。
【0009】動物インターフェロンを用いて本発明に至
るまで行なわれた研究は、その入手が極めて困難なため
粗調製物を使用せざるを得なかったが、極めて重要な生
物学的機能を示唆している。この種の動物インターフェ
ロンは関連した治療上有力な抗ウイルス活性を示すだけ
でなく、ワクチンおよび/または抗生物質による治療と
ともに付加的予防薬としても有効であり、極めて有望な
臨床上かつ商業上の候補物質として挙げられることは明
らかである。
【0010】組換DNA技術の使用は、臨床的かつ産業
的開発を達成するのに必要な必須量の動物インターフェ
ロンを提供する最も有効な方法であると思われた。この
ようにして生産される物質が天然に生ずる物質に特徴的
と思われるグリコシレーションを含むかどうかに関係な
く、これらは恐らく動物における広範囲のウイルス性、
新生(腫瘍)のおよび免疫抑制状態もしくは病気の治療に
おいて臨床的にその使用を可能にする生物活性を示すで
あろう。
【0011】B.組換DNA技術 組換DNA技術は、或る種の高度な知識の時代に達して
いる。分子生物学者は、各種のDNA配列をかなり容易
に組換えることにより、著量の外因性(外来)蛋白質産物
を形質転換微生物中で産生しうる新規なDNA完全体を
創生することができる。一般的手段および方法は、DN
Aの種々の平滑末端又は「付着」末端を有する断片のin v
itro結合を行なって、特定生物を形質転換させるのに有
用な強力な発現ビヒクルを製造し、かくして所望の外因
性産物の効率的合成に使用することを可能にする。しか
しながら、個々の産物に関してはその製造経路は若干面
倒であって、かかる分野の科学は常に一定の成功の予想
がなされるような段階までは進歩していない。事実、基
礎的実験に基づかずに成功を予告する者がいても、その
予告には実施不能であるという著しい危険が伴なう。
【0012】しばしば1細胞当り複数のコピーとして細
菌およびその他微生物に見られるプラスミド、すなわち
二重鎖DNAの非染色体ループは、組換DNA技術の基
本的要素である。プラスミドDNAにコードされている
情報には、娘細胞においてプラスミドを再生するのに必
要な情報(すなわち複製のオリジン)および通常1種もし
くはそれ以上の表現型選択特性、たとえば細菌の場合、
抗生物質に対する耐性が包含され、これらは目的とする
プラスミドを含有する宿主細胞のクローンを識別しかつ
優先的にこれを選択培地中で増殖させることを可能にす
る。プラスミドの有用性は、それぞれプラスミドDNA
上の異なる部位を識別する1種もしくはその他の制限エ
ンドヌクレアーゼすなわち「制限酵素」によって特異的に
開裂しうるという事実にある。その後、異種遺伝子もし
くは遺伝子断片を、開裂部位またはこの開裂部位に隣接
する再編成末端において末端結合することにより、プラ
スミド中に挿入することができる。このようにして、い
わゆる複製可能な発現ビヒクルが形成される。DNA組
織は細胞の外部で行なわれるが、生成する「組換体」であ
る複製可能な発現ビヒクルすなわちプラスミドは形質転
換として知られる方法により細胞中へ導入することがで
き、多量の組換ビヒクルが形質転換体の増殖によって得
られる。さらに、コード化DNAメッセージの転写およ
び翻訳を支配するプラスミドの部分に関し遺伝子を適切
に挿入すれば、得られる発現ビヒクルを使用して挿入遺
伝子がコードするポリペプチド配列を実際に産生するこ
とができ、この過程は発現と呼ばれる。
【0013】発現は、RNAポリメラーゼにより識別さ
れかつ結合されるプロモーターとして知られた領域にお
いて開始される。発現の転写期において、DNAは巻戻
されて、DNA配列からメッセンジャRNAの合成を開
始するための鋳型としてこれを露呈させる。次いで、メ
ッセンジャRNAは、このmRNAによりコードされる
アミノ酸配列を有するポリペプチドに翻訳される。各ア
ミノ酸はヌクレオチドトリプレットすなわち「コドン」に
よってコードされ、このコドンは集合して「構造遺伝子」
を構成し、すなわち発現ポリペプチド産物のアミノ酸配
列をコードするような部分を構成する。翻訳は「開始」信
号において開始される(通常ATGであって、これは生
ずるメッセンジャRNAにおいてAUGになる)。いわ
ゆる停止コドンは翻訳の終末を規定し、したがってその
後のアミノ酸単位の生成の終末を規定する。生ずる生産
物は、必要に応じ微生物系において宿主細胞を溶菌し、
かつ適当な精製法により他の蛋白質からこの生産物を回
収することにより得ることができる。
【0014】実際上、組換DNA技術の使用は全く異種
のポリペプチドを発現することができ(いわゆる直接的
発現)、或いは同種ポリペプチドのアミノ酸配列の一部
に融合された異種ポリペプチドを発現することもでき
る。後者の場合、目的とする生物活性生産物は、しばし
ば菌体外環境において開裂されるまで、融合された同種
/異種ポリペプチド内において生物不活性にされている
(21、22)。
【0015】C.細胞培養技術 遺伝学および細胞生理学を研究するための細胞培養(セ
ルカルチャー)および組織培養の技術は充分に確立され
ている。単離された正常細胞から連続トランスファ処理
により永久細胞系を得これを維持する手段および方法も
既に知られている。研究用途のため、この種の細胞系を
液体培地中で固体支持体上に維持し、或いは増殖により
栄養支持体を含む懸濁液中で増殖させる。大規模製造の
ための規模拡大は、機械的問題のみを課すると思われる
(一般に23、24)。
【0016】発明の概要 本発明は、組換DNA技術を使用して、動物インターフ
ェロンを成功裡に生産し、しかもそのそれぞれを好まし
くは直接的な形態でかつ市場で認可されるために必要と
される臨床試験を開始しかつ実施するのに充分な量で生
産しうるという知見に基づいている。この生産物はその
全ての形態において、特にウイルス感染症ならびに悪性
腫瘍状態および免疫抑制された、もしくは免疫欠如の状
態に対し動物の予防的もしくは治療的処置に使用するの
に適している。その形態は種々可能なオリゴマー形態を
包含し、関連するグリコシレーションならびに個々の要
素もしくは種単位のアレル変異(allelic variation)を
包含することができる。これら生産物は、微生物もしく
は細胞培養系を遺伝子工学的に処理することにより生産
される。すなわち、現在では従来可能であったよりも効
率的な方法で動物インターフェロンを製造しかつ単離す
る能力が存在する。本発明の最も好適な具体例におけ
る、本発明の1つの顕著な因子は、微生物もしくはセル
カルチャーを、この宿主細胞により成熟形態で産生され
る代表的な動物インターフェロン、すなわちウシインタ
ーフェロンを単離可能な量で産生するように遺伝子工学
的に処理することを達成するにある。
【0017】本発明は、このように生産される動物イン
ターフェロンならびにその製造手段および方法を含む。
さらに本発明は動物インターフェロンをコードする遺伝
子配列を発現可能な形態で有する複製可能なDNA発現
ビヒクルに向けられる。さらに、本発明は上記の発現ビ
ヒクルにより形質転換された微生物菌株またはセルカル
チャーに向けられ、さらに動物インターフェロンを生産
しうるこのように形質転換された菌株もしくはカルチャ
ー(培養物)からなる発酵培地に関するものである。
【0018】さらに、他の面において、本発明は前記イ
ンターフェロン遺伝子配列、DNA発現ビヒクル、微生
物菌株およびセルカルチャー(細胞培養物)を製造するの
に有用な種々の方法、ならびにその特定具体例に向けら
れる。さらに、本発明は、前記微生物もしくは細胞培養
物の発酵培地の調製に向けられる。さらに、或る種の宿
主系において、この宿主細胞から成熟形態で分泌される
所望の動物インターフェロンを産生すべくベクターを案
出することができる。遺伝子本来の5'−フランキング
領域から得られるシグナル配列を含有するインターフェ
ロンは、宿主生物の細胞壁部に移動され、シグナル配列
はこの移動を促進する役割を果たし、この細胞壁では成
熟インターフェロン産物の分泌過程にてシグナル部分が
開裂されると信じられる。この具体例は、細胞内宿主蛋
白質もしくは細胞残骸の夾雑物を除去するよう設計され
た関連過程に頼ることなく、目的とする成熟インターフ
ェロンの単離および精製を可能にする。
【0019】さらに、本発明は、直接的発現により成熟
形態で産生される本発明に包含される動物インターフェ
ロンの代表的種類であるウシインターフェロンの製造に
特に向けられる。
【0020】本明細書において「成熟動物インターフェ
ロン」という表現は、動物インターフェロンmRNAの翻
訳に際して直ちに行なわれる、シグナルペプチドもしく
はプレ配列ペプチドを伴なわない動物インターフェロン
の微生物的もしくは細胞培養による生産を包含する。し
たがって、本発明によれば、第1アミノ酸としてのメチ
オニン(構造遺伝子の前方にATG開始信号コドンを挿
入することにより提供される)を有する、或いはメチオ
ニンが細胞内もしくは細胞外で開裂される場合はその正
常な第1アミノ酸を有する成熟動物インターフェロンが
提供される。さらに、本発明によれば、通常のシグナル
ポリペプチド以外の共役蛋白質と共に成熟動物インター
フェロンを産生することもでき、ここで共役蛋白質は細
胞内もしくは細胞外環境において特異的に開裂可能であ
る(21)。最後に、成熟動物インターフェロンは、外因
性の余分なポリペプチドを開裂除去する必要なしに、直
接的発現により生産することができる。このことは、成
熟インターフェロンをそのシグナルペプチドと共に発現
すべく発現ビヒクルを設定するような場合、或る種の宿
主がシグナルペプチドを除去しないまたは効率的に除去
しない場合、特に重要である。このように産生された成
熟インターフェロンは、ウイルス感染症、悪性腫瘍状態
および免疫抑制もしくは免疫欠如状態の治療に使用する
のに適するレベルにまで回収かつ精製される。
【0021】動物インターフェロンは、動物生体に対し
内生的なものであり、ヒトインターフェロンに類似した
命名法において動物α(白血球)、β(繊維芽球)およびγ
(免疫)−インターフェロンを包含する。これら3種の系
統は全て動物モデルにおいて同定されている。さらに、
ウシの例に基づけば、動物α系列はヒトの場合と同様に
一群の蛋白質から構成され、検討された動物α系列は対
応するヒトα−インターフェロンに対する相同性(homol
ogy)の程度が、これらの動物インターフェロン自体間も
しくはヒトα−インターフェロン自体間のいずれよりも
低いものである。さらに、ウシのβ系列はヒトの場合と
は異なる一群の蛋白質から構成される。さらに、本発明
は種間および族内(intrafamily)ハイブリッドインター
フェロンをも提供し、その際各種動物インターフェロン
の遺伝子内の共通制限部位を利用しかつ公知方法で対応
部分を再結合(組換)させる(57参照)。
【0022】いずれにせよ、本発明に包含される動物イ
ンターフェロンは鳥類、牛、犬、馬、猫、山羊、羊、魚
類および豚科の動物に対し通常内生的(内因性)なものを
包含する。特に、本発明はたとえば牛、羊および山羊の
ような偶蹄類動物のインターフェロンを提供する。本発
明により提供されるインターフェロンは、夫々の宿主動
物における抗ウイルスおよび抗腫瘍剤としての用途があ
る。たとえば、ウシインターフェロンはウシにおける呼
吸器併発症を処置する際、治療剤成分としての(それ自
体公知の)抗生物質と組合せて、或いは予防薬成分とし
てのワクチンと組合せて実際に使用されるであろう。上
記に例示した種類の用途は他の牛ならびに羊、山羊、
豚、馬、犬、猫、鳥および魚類に拡張することができ
る。馬、犬、猫および鳥の場合、対応するインターフェ
ロンの抗腫瘍効果は産業上特に重要であると予想され
る。
【0023】この種類の代表としてのウシインターフェ
ロンに関し記載された下記の原理を、本発明により動物
インターフェロンを得るために使用することができる: 1.ウシの組織、たとえばウシ膵臓組織を凍結粉末に
し、これを処理してRNAおよび蛋白質物を消化し、そ
して沈澱させることにより高分子量のウシDNAを得
た。 2.この高分子量DNAを部分消化し、遺伝子部位に関
しランダムに切断した。 3.得られたDNA断片をサイズ分画し、15〜20キ
ロ塩基対の断片を得た。 4.工程3で得られた断片を、λシャロン(Charon)3
0ファージベクターを使用してクローン化させた。 5.このように調製されたベクターを、rDNAを含有
する感染性フアージ粒子 にin vitroパッケージングし
て、フアージライブラリーを得た。これを、約106
まで細菌細胞上で増殖させた。このフアージを細菌の芝
上に実質上全面成長するまで(virtual confluence)プレ
ートし、そして放射活性のヒトインターフェロンプロー
ブとのハイブリダイゼーションによりスクリーニングし
た。
【0024】6.適当なクローンから対応するDNAを
単離し、制限マップを作成しそしてサザーンハイブリダ
イゼーションによって分析した。ウシインターフェロン
遺伝子を含有する制限断片をプラスミドビヒクル中にサ
ブクローン化し、次いで配列決定した。 7.次に、配列決定したDNAを適当な発現ビヒクル中
へ挿入するようにin vitroで処理し、このビヒクルを使
用して適当な宿主細胞を形質転換させ、次いでこの宿主
細胞を培地中で増殖させ所望のウシインターフェロン産
物を発現させた。 8.かく生産されたウシインターフェロンはシステイン
で始まる166個のアミノ酸をその成熟形態で有すると
共に、プレシーケンス中に23個のアミノ酸を有し、性
質としては極めて疎水性である。そのモノマー分子量は
約21,409と計算された。これはヒト白血球インタ
ーフェロンと同様な特性を示し(8、9、10、11)、
かつヒト白血球インターフェロンに対し約60%の相同
部分を有することが判明した。
【0025】A.微生物/セルカルチャー 1.細菌菌株/プロモータ 本明細書中に記載した実験は、特に微生物E. coli
−12菌株294(末端(end)A,thi-,hsr-,khsm+)(2
5)を用いて行なった。この菌株はアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクションに寄託して、ATCC受託
番号第31446号を受けている。しかしながら、その
他種々の微生物菌株を使用することもでき、公知のE.
coli菌株、たとえばE. coli B,E. coli X1776
(ATCCNo.31537)およびE. coli W3110
(F--,原始栄養株protrophic)(ATCC No.27
325)、E. coli DP50 SuPF(ATCC No.
39061,1982年3月5日付で寄託)、E. coli
JM83(ATCC No.39062,1982年3月
5日付で寄託)を包含し、或いはその他多くの微生物菌
株を包含し、それらの多くは寄託されて承認されかつ微
生物寄託機関、たとえばアメリカン・タイプ・カルチャ
ー・コレクション(ATCC)から入手しうる(可能性が
ある)(ATCCカタログリスト参照,26,26a参照)。
これらその他の微生物は、たとえば枯草菌(Bacillus s
ubtilis)の如きBacilliおよびその他の腸内菌を包含
し、それらのうち、たとえばサルモネラ・チフイムリウ
ム(Salmonella typhimurium)およびセラチヤ・マルセ
サンス(Serratia marcesans)を挙げることができ、こ
の場合、これらの菌体内で異種遺伝子配列を複製しかつ
発現しうるプラスミドを利用する。
【0026】例として、異種ポリペプチドの微生物産生
を開始させ、かつ持続させるには、β−ラクタマーゼお
よび乳糖プロモータ系が有利に使用されている。これら
プロモータ系の構成および構造に関する詳細は参考文献
(27)および(28)により得ることができる。最近、ト
リプトフアンオペロンに基づく系、いわゆるtrpプロモ
ータ系が開発された。この系の構成および構造に関する
詳細はゲデル等(12)およびクライド等(29)により公
表されている。その他多くの微生物プロモータが発見さ
れかつ利用されており、それらのヌクレオチド配列に関
する詳細は当業者がこれらを機能的にプラスミドベクタ
ー中に結合させることを可能とし、これらについては既
に発表されている(30参照)。
【0027】2.酵母菌株/酵母プロモータ 本発明の発現系は、さらにプラスミドYRp7(31,3
2,33)を使用することもでき、これはE. coliおよび
酵母サッカロミセス・セレビシイアエ(Saccharomyces
cerevisiae)の両者において選択かつ複製することがで
きる。酵母において選択するには、プラスミドはTRP
遺伝子(31,32,33)を含有し、これは酵母の染色
IVに見られるこの遺伝子に突然変異を含む酵母(3
4)を補完する(トリプトフアンの不存在下において成長
を可能にする)。1種の有用な菌株は、制限なしにアメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクションに寄託され
た菌株RH218(35)である(ATCC No.440
76)。しかしながら、細胞をtrp1にする突然変異を含
む任意のSaccharomyces cerevisiae菌株が、発現系を
含むプラスミドの発現に対し有効な環境であることが了
解されるであろう。使用しうる他の菌株の例は、pep
−1である(36)。このトリプトフアン栄養要求菌株
も、TRP1遺伝子に点突然変異を有する。
【0028】非酵母菌遺伝子の5'−側に配置すると、
酵母菌遺伝子(アルコール・デヒドロゲナーゼ1に対す
る)からの5'−フランキングDNA配列(プロモータ)
は、酵母を形質転換させるべく使用したプラスミドに入
れた場合、酵母内で外因性遺伝子の発現を促進(プロモ
ート)することができる。プロモータの他、酵母におけ
る非酵母遺伝子の適切な発現は、酵母における適切な転
写終了とポリアデニル化とを可能にするよう、プラスミ
ド上の非酵母遺伝子の3'−末端に配置した第2の酵母
配列を必要とする。このプロモータも他のものと同様に
本発明において適当に使用することができる(下記参
照)。好適具体例において、酵母3−ホスホグリセレー
トキナーゼ遺伝子(37)の5'−フランキング配列は構
造遺伝子の上流に位置し、次いで終了−ポリアデニル化
信号を有するDNA、たとえばTRP1(31,32,3
3)遺伝子またはPGK(37)遺伝子が存在する。
【0029】酵母5'−フランキング配列(3'−酵母終
了DNAと共に、下記参照)は酵母における外来遺伝子
の発現を促進するよう機能しうるので、高度に発現され
た任意の酵母遺伝子の5'−フランキング配列は重要な
遺伝子生産物を発現するのに使用することができると思
われる。或る環境下において酵母はその可溶性蛋白質の
65%までを糖分解酵素として発現したので(38)、か
つこの高レベルは個々のmRNAの高レベルの生産から
生ずると思われるので(39)、任意のその他の糖分解遺
伝子の5'−フランキング配列をこの種の発現目的に使
用することができ、たとえばエノラーゼ、グリセルアル
デヒド−3−ホスフエートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキ
ナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルク
トキナーゼ、グルコース−6−ホスフエートイソメラー
ゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナ
ーゼ、トリオースホスフエートイソメラーゼ、ホスホグ
ルコースイソメラーゼおよびグルコキナーゼが挙げられ
る。これら遺伝子の3'−フランキング配列のいずれを
も、この種の発現系において適切な終了およびmRNA
ポリアデニル化のために使用することができる(上記参
照)。或る種の他の高度に発現された遺伝子は、酸性ホ
スフアターゼに対するもの(40)および5'−フランキ
ング領域における突然変異により、通常TY1転移可能
要素(transposable element)の存在により高レベルの生
産を発現するもの(発現を増大する突然変異体)(41)で
ある。
【0030】上記遺伝子の全ては、酵母RNAポリメラ
ーゼIIによって転写されると思われる(41)。リボゾ
ームRNA、5SRNAおよびtRNAに対する遺伝子
を転写するRNAポリメラーゼIおよびIII用のプロ
モータ(41,42)はこの種の発現構成において有用で
ある。
【0031】最後に、多くの酵母プロモータはさらに転
写制御作用を有するので、増殖条件における変化により
これらを切換ることができる。この種の酵母プロモータ
の幾つかの例は、次の蛋白質を生産する遺伝子である:
アルコールデヒドロゲナーゼII、イソチトクローム
−c、酸性ホスフアターゼ、窒素代謝に関連する分解酵
素、グリセルアルデヒド−3−ホスフエートデヒドロゲ
ナーゼならびにマルトースおよびガラクトース利用に関
係する酵素(39)。この種の制御領域は、特にそれらの
生産が酵母に対し毒性である場合、蛋白質生産物の発現
を調節するのに極めて有用である。さらに、1種の5'
−フランキング配列の制御領域に、高度に発現された遺
伝子由来のプロモータを含有する5'−フランキング配
列を入れることもできるであろう。これはハイブリッド
プロモータをもたらし、制御領域とプロモータとは物理
的に異なるDNA配列であると思われるため可能であろ
う。
【0032】3.細胞培養系/細胞培養ベクター:
養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は近年日常の
方法となった(43参照)。サルの腎繊維芽細胞のCOS
−7系を動物インターフェロンの生産用宿主として使用
することができる(44)。しかしながら、ここに詳述す
る実験は、適合性ベクターの複製および発現を可能にす
る任意の細胞系、たとえばWI38、BHK、3T3、
CHO、VEROおよびHela細胞系において行なうこ
ともできる。さらに、発現ベクターにつき必要とされる
ものは、複製のオリジンおよび発現すべき遺伝子の前方
に位置するプロモータならびに任意の必要とされるリボ
ゾーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル
化部位および転写終了配列である。SV40のこれらの
本質的要素を本発明で使用したが、本発明は好適具体例
としてここに記載するこれら配列のみに限定されると理
解すべきでない。たとえば、他のウイルスベクターの複
製のオリジン(たとえばポリオーマ(polyoma)、アデノ
(Adeno)、VSV、BPVなど)を使用することもで
き、また非一体的状態で機能しうるDNA複製の細胞性
オリジンも使用することができる。
【0033】B.ベクター系 1.E. coliにおける成熟ウシインターフェロンの直接
的発現 成熟インターフェロンポリペプチド(マイナスシグナル
配列)としてE. coliにおいてウシインターフェロンを
直接的に発現させるため使用する手順は、プロモータ断
片および翻訳開始信号を含有するプラスミドと、成熟イ
ンターフェロンのコード領域を含む動物ゲノムDNAの
処理断片との組合せを含む。
【0034】2.酵母における発現 たとえば動物インターフェロン用のDNAのような異種
遺伝子を酵母中で発現するには、4種の成分を含むプラ
スミドベクターを作成する必要がある。第1の成分は、
E. coliおよび酵母の両者の形質転換を可能にし、した
がってどちらの生物からも選択しうる遺伝子、たとえば
E. coliからのアンピシリン耐性遺伝子および酵母から
の遺伝子TRP1を含有せねばならない部分である。こ
の成分は、さらに両生物においてプラスミドDNAとし
て維持すべき両生物からの複製のオリジンを必要とし、
たとえばpBR322からのE. coliオリジンおよび酵
母の染色体III由来のars1オリジンを必要とする。
【0035】プラスミドの第2の成分は、下流に位置す
る構造遺伝子の転写を促進する高度に発現された酵母遺
伝子からの5'−フランキング配列であり、たとえば使
用する5'−フランキング配列は酵母3−ホスホグリセ
レートキナーゼ(PGK)遺伝子からのものである。この
系の第3の成分は、ATG翻訳開始信号と翻訳停止信号
との両者を含有するように作成された構造遺伝子であ
る。この種の遺伝子の単離および構造は後述する。第4
の成分は酵母遺伝子の3'−フランキング配列を含有す
る酵母DNA配列であり、転写終了およびポリアデニル
化のための適切な信号を含んでいる。
【0036】3.哺乳類セルカルチャーにおける発現 哺乳動物のセルカルチャーにおける免疫インターフェロ
ンの合成方法は、異種転写単位の制御下に外来遺伝子の
自律的複製と発現との両者を行ないうるベクターの開発
に依存する。組織培養におけるこのベクターの複製は、
DNA複製オリジン(SV40ウイルス由来)を提供しか
つT抗原を内生的に発現する細胞系中へのベクターの導
入によりヘルパー機能(T抗原)を与えることによって達
成される(46、47)。SV40ウイルスのレートプロ
モータ(late promoter)はインターフェロンの構造遺伝
子に先行して存在し遺伝子の転写を確保する。
【0037】発現を得るための有用なベクターはpBR
322配列よりなり、これはイー・コリ(E. coli)にお
ける選択のための選択性標識(アンピシリン耐性)ならび
にDNA複製のイー・コリオリジンを与える。これらの
配列はプラスミドpML−1(46)から得られ、Eco
I制限部位とBamHI制限部位とに及ぶ領域を包含す
る。SV40オリジンは、この領域を含む342個の塩
基対のPvuII−HindIII断片から得られる(48、
49)(両末端はEcoRI末端に転換される)。これらの
配列は、DNA複製のウイルス性オリジンを含むだけで
なく、初期および後期転写単位の両者のためのプロモー
タを暗号化(コード)する。SV40オリジン領域の方向
性は、後期転写単位用のプロモータがインターフェロン
を暗号化する遺伝子に対し近くに存在するようなもので
ある。
【0038】以下記載する詳細な説明は、組換DNA技
術を介し種々の動物インターフェロンを製造するための
本発明の例示であり、特に牛白血球インターフェロンの
製造につき一般的に使用しうる方法を包含しかつ示して
いる。この方法を細菌系に関して説明する。
【0039】A.牛DNAの単離 動物遺伝子保存物(ライブラリ)を作成する目的で、高分
子量DNAをBlinおよびStafford法(50)の変法によ
り動物組織から単離し、遺伝子部位に関してランダムに
断片化させ、かつサイズ分画してλフアージベクター中
へクローン化させるための15−20キロ塩基断片を得
た(51)。
【0040】凍結組織、たとえば牛の膵臓を液体窒素中
で微粉末まで磨砕し、0.25MのEDTAと1%のザ
ルコシル(Sarkosyl)と0.1mg/mlのプロテイナーゼ
K(25ml/g組織)とに50℃にて3時間可溶化させ
た。得られた粘性溶液をフエノールで3回およびクロロ
ホルムで1回抽出して除蛋白し、50mMのトリス−H
Cl(pH8)と10mMのEDTAと10mMのNaClとに
対し透析し、そして熱処理されたパンクレアチンリボヌ
クレアーゼ(0.1mg/ml)にて37℃で2時間消化させ
た。フエノールとエーテルとで抽出した後、DNAを2
倍容量のエタノールで沈澱させ、95%エタノール中で
洗浄し、凍結乾燥させそしてTE緩衝液(10mMのトリ
ス−HCl(pH7.5)と1mMのEDTA)とに最終濃度
1−2mg/mlにて4℃で1晩再溶解させた。最終のDN
A調製物は、0.5%中性アガロースゲル電気泳動で測
定すると、長さにおいて100キロ塩基より大であっ
た。
【0041】B.牛DNAの部分エンドヌクレアーゼ消
化およびサイズ分画 牛DNAの1部(0.1mg)を1.25、2.5、5およ
び10単位のSau3Aにて、10mMのトリス−HCl(p
H7.5)と10mMのMgCl2と2mMのジチオスレイト
ールとを有する反応液(1ml)中で37℃にて60分間消
化した。EDTAを25mMまで添加してインキュベー
ションを停止させ、フエノールおよびエーテルで抽出
し、酢酸ナトリウム0.3Mとなし(pH5.2)、そし
て3倍容量のエタノールで沈澱させた。このDNAをT
E緩衝液中に68℃で再溶解させ、ベックマンSW27
型ロータにて27,000rpmで10−40%の線状蔗糖
勾配(51)を用いて20℃にて22時間沈降させた。こ
れらフラクション(0.5ml)を、分子量標準としてEco
RI消化されたシャロン4A(51a)DNAを用いて
0.5%ゲル上にて分析した。15−20キロ塩基のD
NA断片を含有するフラクションを混合し、エタノール
で沈澱させ、そしてTE緩衝液中に再溶解させた。
【0042】C.牛ゲノムDNA保存物の作成 15〜20kbの牛DNA非限定消化物を、フアージの2
個の内部BamHI断片の除去により生じたG−A−T−
C付着性末端を有するλシャロン30Aベクター(52)
中へクローン化させた。シャロン30Aをイーコリ菌株
DP50SupF(ATTC No.39061、1982
年3月5日寄託)においてNZYDTブロス中で増殖さ
せ、ポリエチレングリコール沈澱によって濃縮し、そし
てCsCl濃度勾配遠心分離によって精製した(53)。こ
の精製されたフアージをフエノールで2回、フエノール
とエーテルとで1回抽出し、かつDNAをエタノール沈
澱により濃縮して、フアージDNAを調製した。
【0043】シャロン30Aの末端断片を調製するた
め、50μgのフアージDNAを50mMのトリス−HC
l(pH8)と10mMのMgCl2と0.15MのNaClとの
0.25ml中で42℃にて2時間アニールし、BamHI
にて完全に消化させ、フエノールおよびエーテルで抽出
し、そして上記と同様に10−40%蔗糖勾配にて沈降
させた。フアージの32kbのアニールされたアームを有
するフラクションを集め、エタノール沈澱させた。精製
されたシャロン30Aアーム(6μg)を42℃にて2時
間再アニールし、0.3μgの15−20kb牛DNAお
よび400単位のフアージT4ポリヌクレオチドリガー
ゼと混合し、そして50mMのトリス−HCl(pH7.
5)と10mMのMgCl2と20mMのジチオスレイトール
と50μg/mlの牛血清アルブミンとを含有する反応液
0.075ml中で12℃にて1晩インキュベートした。
次いで、この結合したDNA混合物を、試験管内λ包封
系を用いて成熟λフアージ粒子中へ包封した(54)。
【0044】この系の成分、すなわち音波抽出物(S
E)、凍結−解凍溶菌物(FTL)、蛋白質Aおよび緩衝
液AおよびM1とを文献に記載されたように調製した
(54)。結合したDNA混合物の3μlを15μlの緩衝
液A、2μlの緩衝液M1、10μlのSEおよび1μl
の蛋白質Aと共に27℃にて45分間インキュベートし
た。FTLを氷上で45分間解凍させ、0.1容量の緩
衝液M1と混合し、35,000rpmにて4℃で25分間
遠心分離し、そして0.075mlの上澄液を上記反応液
へ加えた。27℃にてさらに2時間インキュベーション
した後、少量の包封反応物を菌株DP50SupF(上記)
上で滴定した。この手順は、全部で約1.1×106
個々の牛DP組換体を生成した。残部の包封混合物をプ
レート−溶菌物法(52)により増幅させ、その際組換体
をDP50SupF上に15cmのNZYDT寒天板1枚当
り10,000プラーク形成単位の密度で接種した。
【0045】D.牛インターフェロン遺伝子に対するフ
アージライブラリのスクリーニング 牛インターフェロン遺伝子を有するフアージ組換体を同
定するために使用した方法は、クローン化されたヒト白
血球(8,9)、繊維芽細胞(12)および免疫(55)イン
ターフェロン遺伝子から調製された放射能活性プローブ
によりヌクレオチド相同性を検出することからなってい
る。ハイブリダイゼーション条件は、ゲノム動物DNA
のサウザンブロット(56)によって確立させた。ヒト胎
盤、牛膵臓および豚の顎下腺からの高分子量DNA(上
記と同様に調製)のそれぞれ5μgをEcoRIで完全に消
化させ、0.5%アガロースゲル上で電気泳動させ、そ
してニトロセルロース紙へ移した(56)。P32−標識し
たDNAプローブを、BglII制限部位(57)に成熟ヒ
ト白血球インターフェロンA/Dハイブリッドの蛋白質
暗号化領域を有する570塩基対のEcoRI断片から標
準法(58)によって調製した。各ニトロセルロース濾紙
を、5×SSC(56)と50mMの燐酸ナトリウム(pH
6.5)と0.1mg/mlの超音波処理した鮭精子DNA
と5×デンハルト溶液(Denhardt's solution)(59)と
0.1%のドデシル硫酸ナトリウムと10%、20%も
しくは30%のいずれかのホルムアミドを含有する0.
1%のピロ燐酸ナトリウムとにおいて42℃で1晩予備
ハイブリダイズさせ、次いで10%のデキストラン硫酸
ナトリウムを含有する同じ溶液中で1分間当り100×
106カウントの標識プローブでハイブリダイズさせた
(60)。42℃にて1晩インキュベーションした後、濾
紙を2×SSCと0.1%のSDSとにおいて室温で4
回洗浄し、2×SSCにて1回洗浄し、次いでデュポン
・クロネックス(Dupont Cronex)強化スクリーンを有
するコダックXR−5X線フイルムに1晩露出させた。
図1に見られるように、多数のハイブリダイズ帯は、2
0%のホルムアミドをハイブリダイゼーションの際に存
在させた場合、牛および豚のDNA消化物において最も
容易に検出された。この結果は、ヒトにおいて上記に例
示したものと類似した牛および豚における白血球インタ
ーフェロン遺伝子のマルチジエン(multigene)類に対す
る証明を与える(12、61)。したがって、同じハイブ
リダイゼーション条件を使用して、牛DNAライブラリ
においてインターフェロン遺伝子をスクリーニングし
た。
【0046】500,000個の組換体フアージをDP
50SupF上に10,000pfu/15cmプレートの密度
で接種し、二重のニトロセルロース濾紙レプリカ(dupli
catenitrocellulose filter replicas)をベントンおよ
びデービスの方法(62)により各プレートにつき調製し
た。これらフイルタを上記のようにヒトLeIF遺伝子
プローブとハイブリダイズさせた。反復スクリーニング
の際強力な信号を与える96個の複製ハイブリダイズプ
ラーク(duplicate hybridizing plaques)が得られた。
【0047】牛ライブラリをさらに繊維芽細胞および免
疫インターフェロン遺伝子につきスクリーニングした。
これらプローブは、全成熟ヒト繊維芽細胞インターフェ
ロン遺伝子を含有する502塩基対のXbaI−BglII
I断片(12)および318塩基対のAluI断片(アミノ
酸12−116を含有する)および190塩基対のMbo
II断片(アミノ酸99−162を含有)から作成し、こ
れらはヒト免疫インターフェロン遺伝子の成熟暗号化領
域から得られたものである(55)。1.2×106個の
組換体フアージのハイブリダイゼーションは、全部で2
6種の牛繊維芽細胞インターフェロンクローンと10種
の牛免疫インターフェロンクローンとを生成した。
【0048】E.組換体フアージの特性化 フアージDNAを、ヒト白血球インターフェロンプロー
ブとハイブリダイズした12種の組換体から上記と同様
に調製した。各DNAをEcoRI、BamHIおよびHin
dIIIのいずれか1つにより並びにその組合せによっ
て消化し、0.5%アガロースゲル上で電気泳動させ、
ハイブリダイズ配列の位置をサウザン法(56)によって
地図化した。クローン10、35、78および83から
の単一消化したDNAの比較を図2に示す。各フアージ
につき、観察された制限断片の寸法ならびに対応するハ
イブリダイゼーションパターンは相違しかつ重複してお
らず、このことはこれら4種のフアージのそれぞれが異
なる牛インターフェロン遺伝子を有することを示唆して
いる。さらに、3種の酵素のそれぞれによるクローン8
3の消化はそれぞれの場合2種の異なるハイブリダイズ
帯をもたらし、これはこの組換体が2種の近接して結合
したインターフェロン遺伝子を有することを示してい
る。
【0049】F.牛白血球インターフェロン遺伝子のサ
ブクローン化 ヒト白血球遺伝子プローブとハイブリダイズした組換体
フアージの3種からの制限断片を、pBR322誘導体
すなわちpUC9の多重制限酵素クローン化部位(multip
le restriction enzyme cloning site)にサブクローン
化させた。このプラスミドpUC9はpBR322から、
先ずテトラサイクリン耐性遺伝子を有する2067塩基
対のEcoRI−PvuII断片を除去し、次いでフアージ
M13誘導体mP9(62a)からの425塩基対のHaeI
I断片を得られたプラスミドのHaeII部位中に位置2
352(pBR322表記に関し)で挿入することにより
誘導した。mP9からのHaeII断片はイー・コリlac
遺伝子のN−末端暗号化領域を含有し、ここで配列の多
重−制限酵素クローン化部位 CCAAGC TTG
GCT GCA GGT CGA CGG ATC C
CCGGGは、β−ガクトシラーゼの第4番目と第5番
目のアミノ酸残基の間に挿入されている。これらクロー
ン化部位への外来DNA断片の挿入は、lacプロモータ
lacZ遺伝子との間の連続性を中断し、したがってlac
+からlac-にプラスミドにより形質転換されたJM83
の表現系を変化させる。
【0050】上記の断片は次の通りであった;(a)クロー
ン83からの1.9kbのBamHI断片および3.7kbの
EcoRI断片(これは同じ組換体の非重複セグメントに
相当する)、(b)クローン35からの3.5kbのBamHI
−EcoRI断片および、(c)クローン67からの3.2k
bのEcoRI断片。それぞれの場合、適当に消化された
ベクターの0.1μgを10倍モル過剰の精製断片と結
合させ、イー・コリ菌株JM83(ATCC No.39
062、1982年3月5日付で寄託)に形質転換さ
せ、0.04mg/mlの5−ブロム−4−クロル−3−イ
ンドリル−β−D−ガラクトシドと0.2mg/mlのアン
ピシリンとを含有するM9(63)プレート上へ接種し
た。pUC9上のlacZ遺伝子の暗号化領域を中断する制
限部位にDNA挿入物を有すると思われる白色のコロニ
ーを、LBブロス+0.02mg/mlのアンピシリンの5
ml中へ釣上げ、37℃にて数時間増殖させ、そして挿入
断片をプラスミドDNAのミニ調製法(64)によってス
クリーニングした。
【0051】G.クローン83に関する牛白血球インタ
ーフェロン遺伝子のDNA配列 p83BamHI1.9kb(クローン83の1.9kb断片の
サブクローン)のBamHI部位から伸びるDNA配列を
マキサム−ギルバート化学法(65)によって決定し、こ
れを図3、図4、図5、および図6に示す。最も長いオ
ープン解読枠は、ヒト白血球インターフェロンに顕著な
相同性を有する189個のアミノ酸からなるポリペプチ
ドを暗号化する(図7、図8、および図9)。ヒト蛋白質
との相同性により、牛白血球インターフェロンは疎水性
の23個のアミノ酸シグナルペプチドよりなり、これは
同一配列すなわちser−leu−gly−cysにより166個の
アミノ酸成熟蛋白質に先行する。位置1,29,99およ
び139における4個のシステイン残基は、種間におい
て正確に保持されている。牛インターフェロンとヒトイ
ンターフェロンとの間の対としての相同性比較を表1に
示す。予想通り、牛蛋白質はヒト蛋白質のそれぞれに対
し、後者(80%より大)よりも著しく相同性が低い(約
60%)。
【0052】プラスミドサブクローンp67EcoRI
3.2kb、p35EcoRI−BamHI3.5kbおよびp8
3EcoRI3.7kbについて生ずる3種の追加の牛白血
球インターフェロン遺伝子に対するDNA配列および推
定アミノ酸配列を図4、図5および図6にそれぞれ示
す。表1に要約したように、BoIFN−α2および3
遺伝子はBoIFN−α1とは極く僅かに異なったペプ
チドを暗号化するのに対し、BoIFN−α4蛋白質は
他の牛ペプチドとは相違しており、後者は任意の2種の
牛およびヒト白血球インターフェロンが相違しているの
と同様である。
【0053】α4遺伝子が他のBoIFN−αと同程度
に幅広い種類の細胞蛋白質から誘導されるかどうかを確
認するため、ゲノム牛DNAを数種の制限エンドヌクレ
アーゼで消化し、これをα1(612bpのAvaII断
片、図11)およびα4(pBoIFN−α4trp15のEc
oRI−XmnI断片)遺伝子の蛋白質暗号化領域を示す放
射能活性DNA断片と、これら2種の遺伝子の交差ハイ
ブリダイゼーションを許容しない高度の厳格な条件下
(50%ホルムアミド)にてハイブリダイズさせた。図1
1に見られるように各遺伝子は優先的に牛DNA断片の
異なった組合せにハイブリダイズする。これらの結果
は、総合的に2種の異なる牛白血球IFNペプチドの種
類の存在を明らかに示し、それらのうちα1およびα4
蛋白質は代表的なものと考えられる。
【0054】
【表1】 牛およびヒトIFN−αの暗号化配列における相違の対比較 α1 α2 α3 α4 αA αB αC αD αF αH αI αJ αK BoIFN-α1 94 92 54 61 62 63 64 61 64 63 61 65 BoIFN-α2 96 91 53 61 61 64 63 62 63 63 64 64 BoIFN-α3 100 96 45 BoIFN-α4 52 48 52 54 54 58 55 56 58 56 54 54 HuIFN-αA 56 52 39 81 81 83 82 83 81 80 86 HuIFN-αB 43 39 48 70 81 77 81 83 80 79 81 HuIFN-αC 61 57 52 70 65 81 89 86 94 92 83 HuIFN-αD 52 48 48 74 61 65 83 81 80 78 84 HuIFN-αF 61 57 52 70 65 100 65 83 89 86 83 HuIFN-αH 56 52 52 74 74 74 83 74 84 84 84 HuIFN-αI 61 57 52 70 65 100 65 100 74 91 81 HuIFN-αJ 56 52 48 61 57 91 70 91 65 91 80 HuIFN-αK 52 48 48 83 70 74 91 74 91 74 65
【0055】表1において、数値は相同性%を示し、左
側下半分は23個のアミノ酸プレシーケンスを示し、上
部右半分は166個のアミノ酸成熟蛋白質を示し、A,
B,Cなどはヒト白血球インターフェロンA,B,Cなど
である。
【0056】H.イー・コリにおける成熟BoIFN−
α1の直接的発現 直接発現プラスミドの作成を図10に要約する。プラス
ミドサブクローンp83BamHI1.9kbをAvaIIに
よって完全に消化させ、牛白血球インターフェロン遺伝
子を含有する612塩基対の断片を6%ポリアクリルア
ミドゲル上での電気泳動により単離し、そして電気溶出
させた。約1.5μgのこの断片をFnu4Hにより消化
し、フエノールおよびエーテルで抽出し、そしてエタノ
ール沈澱させた。得られたFnu4H付着末端を6単位の
DNAポリメラーゼI(クレノー断片)により20mMの
トリス−HCl(pH7.5)と10mMのMgCl2と4mM
ジチオスレイトールと0.1mMのそれぞれdATP,dG
TP,dCTPおよびdTTPとを含有する20μl中にお
いて12℃で30分間平滑末端部まで伸長させた。フエ
ノールおよびエーテルで抽出した後、このDNAをPst
Iによって消化し、そして6%ゲル上で電気泳動にかけ
た。得られた92塩基対の平滑末端PstI断片は、成熟
牛白血球インターフェロンの暗号化領域の第1ヌクレオ
チドから伸びるものであり、これをゲルから電気溶出さ
せた。
【0057】残部の成熟暗号化領域を次のように単離し
た。p83BamHI1.9kbのBamHI挿入物3μgを1
4単位のPstIにより、10mMのトリス−HCl(pH
7.5)と10mMのMgCl2と2mMのジチオスレイトー
ルとを含有する45μlの反応液中で37℃にて10分
間部分消化させ、そしてフエノールおよびエタノールで
抽出した。成熟暗号化領域のヌクレオチド93から伸び
る所望の1440塩基対の部分PstI−BamHI断片を
6%ポリアクリルアミドゲルから単離した。
【0058】プラスミドpdeltaRIsrcはプラスミドpS
RCex16(66)の誘導体であり、ここでtrpプロモー
タに近接しかつsrc遺伝子から離れているEcoRI部位
はDNAポリメラーゼ1での修復により除去されており
(67)、自己補完的なオリゴデオキシヌクレオチドAA
TTATGAATTCAT(ホスホトリエステル法(6
8)によって合成)をXbaI部位にすぐ隣接する残余のE
coRI部位中へ挿入した。20μgのpdeltaRIsrcをE
coRIによって完全に消化し、フエノールおよびエーテ
ルで抽出し、そしてエタノール沈澱させた。次いで、こ
のプラスミドを100単位のヌクレアーゼS1により2
5mMの酢酸ナトリウム(pH4.6)と1mMのZnCl2
0.3MのNaClとにおいて16℃にて30分間消化さ
せ、配列ATGを有する平滑末端部を生成させた。フエ
ノールおよびエーテル抽出ならびにエタノール沈澱の
後、DNAをBamHIで消化し、6%ポリアクリルアミ
ドゲル上で電気泳動させ、そして大型(4300bp)のベ
クター断片を電気溶出により回収した。
【0059】0.2μgのベクターと0.02μgの92
bpの平滑末端−PstI断片と0.25μgの1400bp
の部分PstI−BamHI断片とを400単位のT4DN
Aリガーゼにより12℃で1晩結合させて発現プラスミ
ドを組立てた後、これを使用してイー・コリ菌株294
(ATCC No.31446)をアンピシリン耐性に形
質転換させた。プラスミドDNAを96個のコロニーか
ら調製し、これをXbaIおよびPstIによって消化し
た。これらプラスミドの19種は所望の103塩基対の
XbaI−PstIおよび1050塩基対のPstI断片を含
有した。DNA配列の分析は、これらプラスミドの数種
が牛インターフェロン暗号化領域の開始部に正確に位置
するATG開始コドンを有することを証明した。これら
プラスミドの1種、すなわちpBoIFN−α1trp55
をさらに検討するため選択した。
【0060】I.イー・コリにおける成熟牛白血球イン
ターフェロン(α−4)の第2の種類の直接的発現 ATG開始コドンを、合成DNAプライマーCATGT
GTGACTTGTCTの酵素的伸長により、成熟暗号
化領域の前面に入れた。ヘプタデカマーをT4ポリヌク
レオチドキナーゼとγ−32P ATPとにより前記と同
様に燐酸化した(12)。250ピコモルのプライマー
を、30μlのH2O中にアミノ酸残基S20〜102を
含有する約1μgの319bpHincII断片と組合せ、5
分間煮沸し、そして25単位のイー・コリDNAポリメ
ラーゼIクレノー断片により37℃にて3時間伸長させ
た。この反応の生成物をHgiAIにより消化し、そして
得られた181bpの平滑末端−HgiAI断片を6%ポリ
アクリルアミドゲルから単離した。
【0061】成熟ペプチド用の全遺伝子を、ペプチドの
カルボキシ末端部分およびEcoRIにより予め消化した
HuIFN−γ発現プラスミドすなわちpIFN−γtrp
48−13(55)を含有する508bpのHgiA−PstI
断片と上記の断片とを酵素的に結合することにより、tr
pプロモータの背後に組込み、伸長させて末端部(flush
end)をクレノーDNAポリメラーゼと整列させ、Pst
Iにより消化し、そして最後に6%ポリアクリルアミド
ゲルで単離した。得られた混合物をイー・コリ294に
形質転換させる際、数種のクローンが同定され、これら
は親発現ベクターのtrpプロモーターリボソーム結合部
位領域と成熟牛IFN(pBoIFN−α4trp15)の完
全暗号化領域との間にEcoRI識別部位を備えた。
【0062】J.牛繊維芽細胞インターフェロン遺伝子
のサブクローン化 ヒトIFN−βDNAプローブとハイブリダイズしたフ
アージ組換体の6種を精製し、そしてそれらのDNAを
上記したように次の分析用として単離した。サウザンハ
イブリダイゼーション分析と組合せた制限地図化が示す
ところによれば、6種の単離物は牛ゲノムの3種の異な
る領域からなり、したがって多重遺伝子(multigene)Bo
IFN−β類(family)を意味する。これらの結果を、図
12に示した制限地図により要約する。それぞれ異なる
種類の組換体に対する一層詳細な制限地図およびヌクレ
オチド配列を得るため、ハイブリダイズ断片をプラスミ
ドベクター中へサブクローン化させた。特に、フアージ
λβ1の5kbBglII断片とフアージλβ2の5kbBam
HI断片とを個々にBamHI部位にてpBR322中へ
クローン化し、フアージλβ3の重複する4.5kbEco
RI−XhoIおよび1.4kbPstI−HpaI断片をそれ
ぞれpUC9(EcoRI−SalI部位から削除したもの)
とpLeIF87(10)(HpaI−PstIから削除したも
の)中へ挿入した。
【0063】K.3種の異なる牛繊維芽細胞IFN遺伝
子のDNA配列 図13は、サブクローン化した3種の牛IFN−β遺伝
子のそれぞれに対する制限地図を示している。これら
は、それぞれに独特な開裂部位の存在により容易に区別
される。各遺伝子に対するペプチド暗号化領域ならびに
そのすぐ上流および下流の配列をマキサム−ギルバート
化学法により決定し、これらを図14、図15および図
16に示す。ヒト繊維芽インターフェロン遺伝子につき
決定された配列とのヌクレオチド相同性(12)は、各牛
遺伝子生成物に対する正確な解読枠と全アミノ酸配列と
を予想させ、これは21個のアミノ酸よりなる疎水性シ
グナルペプチドとそれに続く185個の残基の成熟蛋白
質とを含む。牛蛋白質は互いに全く異なるが(表2、図
17)、ヒトペプチドに対しずっと大きな差(約60%)
を示す。
【0064】牛繊維芽細胞インターフェロンのマルチジ
エン特性を、さらに図18に示されたサウザンブロット
をpBoIFN−β1trpから誘導された415bpのEco
RI−PvuI断片から調製された放射能活性プローブと
再ハイブリダイズすることにより示した(下記)。図18
に示すように、この実験は追加の同族IFN−β遺伝子
の存在に対する証明を与えた。より少ないハイブリダイ
ズ帯は実際に一層明確に関連する遺伝子を示し、これら
遺伝子はより明確なβ−IFNを暗号化する。
【0065】
【表2】 牛IFN−βおよびヒトIFN−βの暗号化配列における相同性の対比較 β1 β2 β3 Huβ β1 138(83) 138(83) 84(51) β2 20(95) 146(88) 92(55) β3 20(95) 19(90) 87(52) Huβ 16(76) 17(81) 16(76)
【0066】各対の暗号化配列における同一アミノ酸の
数を示す。21個のアミノ酸シグナルペプチドを下方左
側部分で比較し、166個のアミノ酸成熟IFN−βを
表の上方右側部分で比較する。各対における同一アミノ
酸の総数を最初に示し、次いで相同性%を示す。
【0067】L.イー・コリにおける3種の牛IFN−
βの直接的発現 3種の牛IFN−β遺伝子は多くの共通のDNA配列と
制限部位とを共有するので(図13参照)、3種の全ての
遺伝子の発現につき一般的図式が可能である。2個のA
luI部位を含有する最初の5個のアミノ酸を暗号化する
DNA配列はそれぞれの場合同一であったので、2種の
補完的合成オリゴヌクレオチドを設計し、これらはAT
G翻訳開始コドンを組込み、成熟牛IFN−βの最初の
4個のアミノ酸に対するコドンを復帰し、かつtrpプロ
モータ配列の後に挿入するための付着性のEcoRIを生
成する。発現プラスミドの作成を図19に図示する。B
oIFN−βサブクローンプラスミドから生ずる85bp
AluI−XhoI断片に対する合成オリゴマーの結合、お
よびそれに続くEcoRIおよびXhoIによる消化は、E
coRIおよびXhoI付着末端によりフランキングした1
04bp断片を生成する。次いで、全暗号化を、104bp
の断片を各BoIFN−β蛋白質の残部を暗号化する約
700bpのXhoI−Pst断片および予め内部EcoRI−
PstI断片が除去されているプラスミドpIFN−γtrp
48−13(55)と結合することにより、trp発現ベク
ター中へ組込んだ。得られたプラスミド、すなわちpBo
IFN−β1trp、pBoIFN−β2trpおよびpBoIF
N−β3trpは全て、IFN−β遺伝子の適切な転写お
よび翻訳がイー・コリtrpオペロンの制御下で行なわれ
るように構成されていた。
【0068】M.牛免疫インターフェロン(BoIFN−
γ)遺伝子の特性化およびサブクローン化 ヒトIFN−γプローブとハイブリダイズした10種の
フアージ組換体を精製し、そしてDNAを上記と同様に
調製した。10種のDNA試料は全て、サウザンブロッ
ト分析により特定のハイブリダイズ帯を与えた。クロー
ンλγ4およびλγ7を、それらが異なるハイブリダイ
ズ帯パターンを有するので、その後の分析のために選択
した。これら2種のクローンの制限地図は、互いに重複
するDNA配列を示す。重複領域は制限部位XbaI,Ec
oRVおよびNcoIを含有する。これら2種のクローン
のDNA配列分析は、ヒト免疫インターフェロン遺伝子
(70)に全体的に類似の遺伝子構造を示し、かつλγ7
が4番目のエキソンを暗号化する配列を含みかつλγ4
がヒトIFN−γ遺伝子とのDNA配列相同性に基づく
牛IFN−γ遺伝子の最初の3つのエキソンを暗号化す
る配列を含有することを示す。BoIFN−γを示唆す
るアミノ酸配列を、図20において、HuIFN−γ(5
5)およびねずみIFN−γのそれと比較する。
【0069】DNAの連続セグメントに対する全牛IF
N−γ遺伝子を組立てるため、λγ4から生ずる牛IF
N−γ遺伝子の最初の3つのエキソンを離間する300
0bpのBamHI−NcoI断片と、λγ7から生ずる
最後のエキソンを離間する2500bpのNcoI−Hind
III断片とを単離した。これら2つのDAN断片を、
次いで3つの部分結合を介してpBR322から生ずる
BamHI−HindIIIベクター中へクローン化させ
た。
【0070】N.哺乳類系における牛IFN−γ遺伝子
の発現 たとえばイー・コリのような原子核系においてこの遺伝
子を発現しうるようBoIFN−γのイントロンのない
ものを得る目的で、遺伝子を動物細胞発現系において高
レベルの発現を得るよう処理し、著量の特定mRNAを
得た。全牛IFN−γ遺伝子を離間する5500bpのB
amHI−HindIII断片を、COS細胞における発現
のためSV40ベクター中へ挿入した(44)。特に、B
amHI−HindIII牛IFN−γ遺伝子断片を280
0bpのSV40プラスミドベクターpDL△R1にクロ
ーン化させた[(後期転写の方向に選択的な複製のSV4
0オリジンから上流のEcoRI部位を酵素的に削除する
ことにより、HBV抗原発現プラスミドpHBs348−
Lから生ずる。発現プラスミドpHBs348−Lは、H
BV(71)(これはHBsAgを暗号化する遺伝子を離間
する)のEcoRIおよびBglII消化物から生ずる19
86塩基対の断片をプラスミドpML(72)中へEcoR
IおよびBamHI部位においてクローン化させることに
より作成した(pMLは猿細胞におけるプラスミド複製に
抑制的な配列を除去する削除部を有するpBR322の
誘導体である(72)]。次いで、生じたプラスミド(pR
I−Bgl)をEcoRIにより線状化し、そしてSV40
オリジン領域を示す348塩基対の断片をpRI−Bgl
のEcoRI部位に導入した。オリジン断片はいずれの方
向でも挿入することができる。この断片は複製のオリジ
ンの他に初期および後期のSV40プロモータの両者を
暗号化するので、この方向性によっていずれかのプロモ
ータの制御下に(pHBs348−Lは後期プロモータの
制御下において発現されるHBsを示す)BamHIおよび
SalI部位との間に、pBR322から生じた600bp
のHindIII−SalI変換断片の存在下で3種の部分
結合を介してHBV遺伝子を発現することができるであ
ろう。COS細胞中への得られたプラスミドのトランス
フエクションは、SV40後期プロモータの制御下に牛
IFN−γの効率的発現をもたらす。
【0071】ポリA+mRNAをトランスフエクションさ
れたCOS細胞から調製し、次いで標準法(55)により
cDNAを調製するために使用した。牛IFN−γ遺伝
子プローブとハイブリダイズするcDNAクローンを単
離した。最も長いPstI挿入物を有するcDNAクロー
ンをその後の分析のために選択した。このcDNAクロ
ーンのDNA配列の分析は、牛IFN−γゲノムクロー
ンから予想される全てのイントロン配列が正確に除去さ
れたことを示している。cDNAを上記のプライマ修復
法によりイー・コリ中で発現させるために処理した。
【0072】O.細菌抽出物の調製 0.02mg/mlのアンピシリンまたは0.005mg/ml
のテトラサイクリンを含有するLBブロスで増殖させた
1晩培養物を、1:100の希釈率にて0.2%のグル
コースと0.5%のカザミノ酸と適当な薬剤とを含有す
る50mlのM9培地(63)中に接種し、そして振とうし
ながら37℃にてA550=1.0となるまで増殖させ
た。10mlの試料を遠心分離により収穫し、そして直ち
にドライアイス−エタノール浴中で迅速に凍結させた。
凍結したペレットを1mlの7Mグアニジン中に再懸濁さ
せ、氷上で5分間インキュベートし、そしてPBS中に
希釈して分析した。或いは、凍結ペレットを、0.2ml
の20%蔗糖と100mMのトリス−HCl(pH8.0)
と20mMのEDTAと5mg/mlのリゾチームとの添加
により溶菌させた。氷上にて20分間後、0.8mlの
0.3%トリトンX−100と0.15Mのトリス−H
Cl(pH8.0)と0.2MのEDTAと0.1mMのP
MSFとを添加した。19,000rpmにて15分間遠心
分離することにより溶菌物を清澄させ、そして上澄液を
PBS中に希釈した後に分析した。
【0073】P.インターフェロン分析 牛インターフェロン活性を96ウエルマイクロ測定板で
行なわれる細胞病理的効果(CPE)抑制分析により次の
ように分析した: 1.96ウエルマイクロ測定板のそれぞれのウエルに
(8横列×12縦列)、10%の胎児牛血清を含有する
培地中の細胞の懸濁物100μlを加える。細胞濃度を
調整して、翌日に融合単一層を与える。 2.固定プラットフォーム上へプレートを緩和に10分
間固定して、一様に細胞を分配させる。翌日: 3.第1の縦列の各ウエルに80μlの追加培地を加え
る。 4.第1の縦列のウエルに、インターフェロン活性につ
き分析すべき試料の20μlを加える。 5.100μlピペットによりウエルの内容物100μl
を数回抜取りかつ注入することにより、ウエルにおける
試料および培地を混合する。
【0074】6.第1の縦列におけるウエルの内容物1
00μlを水平に第2の縦列のウエルへ移行させる。 7.工程3におけると同様に混合する。 8.全部で11回の移行が行なわれるまで縦列から次の
縦列までウエルの内容物100μlの移動を続ける。 9.第12番目の縦列におけるウエルの内容物100μ
lを取出して捨てる。この過程は順次の2倍希釈をもた
らす。 10.各分析プレートは適当なNIH標準を含有する。
【0075】11.CO2インキュベーションにおいて
プレートを37℃にて24時間インキュベートする。 12.各分析プレートは100μlの細胞懸濁物と10
0μlの培地とを収容して細胞増殖比較として役立つウ
エルと、100μlの細胞懸濁物と100μlの培地と5
0μlのウイルス懸濁物とを収容してウイルス誘発性細
胞病原性比較として役立つウイルスとを含む。 13.50μlのウイルス懸濁物を含む細胞比較を除
き、全てのウエルを攻撃する。使用した感染の倍数は、
24時間以内における特定の細胞系に対する100%の
細胞病理的効果をもたらすウイルスの量である。 14.CO2インキュベーションで37℃にて24時間
プレートを再インキュベートする。 15.プレートから液体を取出し、細胞を0.5%クリ
スタルヴアイオレットで染色する。細胞を2〜5分間染
色させる。
【0076】16.プレートウエルを水道水にて洗浄
し、乾燥させる。 17.試料に関するインターフェロンのタイター(力
価)は、50%の生存細胞が残存する希釈率の逆数であ
る。 18.全ての試料の活性を、次の式から計算される比較
単位変換ファクタにより規格化する:
【0077】
【数1】NIH標準の実際のタイター/分析における観
測タイター=比較単位変換ファクタ (69参照)。pBoIFN−α1trp55で形質転換させ
たイー・コリ菌株294(ATCC No.31446)
から調製された抽出物は、VSウイルス(インジアナ菌
株)で攻撃される牛腎臓細胞系(MDBK)に対し顕著な
活性を示すが、猿腎臓(VERO)、ヒト頸部癌(HeL
a)、うさぎ腎臓(RK−13)またはねずみ(L929)細
胞系(同様にして攻撃される)に対し顕著な活性を示さな
かった。pBR322により形質転換された菌株294
から調製された比較抽出物は、MDBK細胞に対し活性
を示さなかった。表3は、種々の攻撃された動物および
ヒト細胞系に対する試験管内の抗ウイルス活性BoIF
N−α1を要約している。BoIFN−α1は、攻撃と
してVSウイルスを使用する牛細胞に対する活性に関
し、ヒト細胞に対する抗ウイルス活性を明らかに欠如す
ることによりヒト白血球IFNとは容易に区別される。
表4は、発現プラスミドpBoIFN−α4trp15、pB
oIFN−β1trp、pBoIFN−β2trpおよびpBoI
FN−β3trpにより形質転換されたイー・コリW31
10から調製される抽出物で得られるインターフェロン
活性のレベルを示している。特に顕著なことは、牛繊維
芽細胞インターフェロンは牛腎臓細胞系に対しヒト羊膜
細胞系よりも約30倍活性であるのに対し、逆比関係が
ヒト繊維芽IFNにつき見出された(12)。
【0078】
【表3】 細胞系 IFN調製物 タイター(単位/ml) VSV EMCV MDBK LeIFA標準 640 NA 牛白血球IFN 300,000 NA 比較抽出物 <40 NA HeLa LeIFA標準 650 1500 牛白血球IFN <40 <23 比較抽出物 <40 <23 L−929 ねずみIFN標準 640 1000 牛白血球IFN <20 <31 比較抽出物 <20 <31 RK−13 うさぎIFN標準 1000 NA 牛白血球IFN <60 NA 比較抽出物 <60 NA VERO LeIFA標準 1500 牛白血球IFN <12 比較抽出物 <12 MDBK=牛腎臓細胞 VERO=アフリカミドリザル腎臓細胞 HeLa=ヒト頸部癌細胞 RK−13=うさぎ腎臓細胞 NA=ウイルスは各細胞において充分に複製できないの
で利用できない。
【0079】
【表4】 イー・コリの抽出物におけるインターフェロン活性 下記により形質転換 IFN−β活性 IFN−β活性 されたイー・コリ294 (単位/L培養物) (単位/L培養物) MDBK−VSV WISH−VSV pIFN−α1 1.0×108 N.D. pIFN−β1 2.2×108 6.5×106 pIFN−β2 1.1×108 3.5×106 pIFN−β3 6.0×108 2.0×107 細胞抽出物を調製し、公表された方法に従がい攻撃物と
して牛腎臓MDBK細胞系およびヒト羊膜WISH細胞
系およびVSVを用いてインターフェロン活性につき分
析した(ウエック等、1981)。
【0080】医薬組成物 本発明の化合物を公知の方法により調合して医薬上有用
な組成物を調製することができ、この場合動物インター
フェロン生成物を許容しうるキャリヤビヒクルと組合せ
ることができる。適するビヒクルおよびその調合物は記
載されている。この種の組成物は有効量のインターフェ
ロン蛋白質を適当量のビヒクルと共に含有して、公知の
ルートたとえば非経口的に宿主に有効投与するのに適し
た許容しうる組成物を調製する。
【0081】本発明に包含される動物インターフェロン
は天然の対立遺伝子(allelic variation)と共に存在す
ることが了解されよう。これらは全配列におけるアミノ
酸の相違、或いは削除、置換、挿入、逆転、または前記
配列におけるアミノ酸の添加によって示すことができ
る。これら全ての対立遺伝子は本発明の範囲内に包含さ
れる。以上特定の好適具体例につき記載したが、本発明
はこれのみに限定されないことが了解されよう。
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【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】 EcoRIにより消化しかつ種々異なるホルム
アミド濃度にてヒト白血球インターフェロンA/Dハイ
ブリッドの暗号化領域を含む32P−標識570塩基対
coRI断片でハイブリダイズされた(a)ヒト、(b)牛およ
び(c)豚のゲノムDNAのサウザンハイブリダイゼーシ
ョンを示している。20%ホルムアミドにおけるハイブ
リダイゼーションは、マルチジエン牛および豚白血球イ
ンターフェロン遺伝子類の最も明瞭なパターンを示して
いる。
【図2】 EcoRI,BamHIまたはHindIIIにより
消化されかつ32P−標識したヒト白血球遺伝子プローブ
でハイブリダイズさせた4種の異なる牛ゲノムDNAフ
アージ組換体のサウザンハイブリダイゼーションを示し
ている。クローン83は、各制限酵素により2種のハイ
ブリダイズ断片を与える。
【図3】 プラスミドサブクローンp83BamHI1.
9kbからのヌクレオチド配列の一部ならびにそこに暗号
化された牛白血球インターフェロンのための推定アミノ
酸配列を示している。シグナルペプチドはアミノ酸残基
S1〜S23によって示される。
【図4】 プラスミドサブクローンp67EcoRI3.
2kbからの第2の牛白血球インターフェロン(α2)のた
めのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示して
いる。
【図5】 プラスミドサブクローンp35EcoRI−Ba
mHI3.5kbからの第3の牛白血球インターフェロン
(α3)に対する完全成熟ヌクレオチド配列および推定ア
ミノ酸配列を示している。
【図6】 プラスミドサブクローンp83EcoRI−Ba
mHI2.9kbからの第4の牛白血球インターフェロン
に対するヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示
している。シグナルペプチドはアミノ酸残基S1〜S2
3によって示される。成熟蛋白質は172個のアミノ酸
残基からなっている。6個のアミノ酸残基よりなる最終
の長さは位置511におけるヌクレオチド塩基変化に基
因し、次の同位相停止信号の前に6個の追加翻訳コドン
を許容する。
【図7】 BoIFN−α1,α2,α3およびα4のア
ミノ酸配列と、11種の公知のヒト白血球インターフェ
ロンに対する配列との比較を示している。さらに、全て
のヒト白血球インターフェロンと全ての牛白血球インタ
ーフェロンで保持されているアミノ酸、並びに牛α1お
よびα4については大多数のヒト白血球インターフェロ
ンとの相同性が生ずる位置が示されている。
【図8】 BoIFN−α1,α2,α3およびα4のア
ミノ酸配列と、11種の公知のヒト白血球インターフェ
ロンに対する配列との比較を示している。さらに、全て
のヒト白血球インターフェロンと全ての牛白血球インタ
ーフェロンで保持されているアミノ酸、並びに牛α1お
よびα4については大多数のヒト白血球インターフェロ
ンとの相同性が生ずる位置が示されている。
【図9】 BoIFN−α1,α2,α3およびα4のア
ミノ酸配列と、11種の公知のヒト白血球インターフェ
ロンに対する配列との比較を示している。さらに、全て
のヒト白血球インターフェロンと全ての牛白血球インタ
ーフェロンで保持されているアミノ酸、並びに牛α1お
よびα4については大多数のヒト白血球インターフェロ
ンとの相同性が生ずる位置が示されている。
【図10】 牛白血球インターフェロン発現プラスミド
pBoIFN−α1trp55の作成を示す略図である。出
発材料はtrp発現ベクターpdeltaRIsrcおよびプラスミ
ドサブクローンp83BamHI1.9kbからのBamHI
断片である。
【図11】 EcoRI,HindIII,BamHI,BglII
およびPvuIIのいずれかで消化された牛DNAと、B
oIFN−α1またはBoIFN−α4遺伝子断片から調
製された放射能活性プローブとのサウザンハイブリダイ
ゼーションを示している。各IFN遺伝子は、BoIF
N−α遺伝子の異なるサブフアミリ(Subfamily)と優先
的にハイブリダイズする。
【図12】 ヒト繊維芽細胞ヒトインターフェロン遺伝
子プローブをハイブリダイズする3種のフアージ組換体
からのゲノム牛DNA挿入物の制限地図を示している。
各BoIFN−βの位置および配向は黒四角形によって
示されている。星印により示された制限部位は、部分制
限地図化情報を示している。
【図13】 図12に示した3種の遺伝子に対する一層
詳細な分解制限地図を示している。ハッチングはシグナ
ル配列を示し、成熟配列を陰影化している。
【図14】 BoIFN−β1,2および3遺伝子に対
するヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示して
いる。
【図15】 BoIFN−β1,2および3遺伝子に対す
るヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示してい
る。
【図16】 BoIFN−β1,2および3遺伝子に対す
るヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示してい
る。
【図17】 3種のBoIFN−βに対するアミノ酸配
列とHuIFN−βとの比較を示している。
【図18】 ヒトゲノムDNAとHuIFN−β遺伝子
(9)とを用いて同様な実験を行なった際、単一のハイブ
リダイズ断片のみが一般に明らかとなるような条件下で
BoIFN−β1遺伝子プローブで再ハイブリダイズさ
せた図11のサウザンブロットである。
【図19】 イー・コリのtrpオペロンの制御下で3種
の全てのBoIFN−βを発現するため使用した方法の
略図である。
【図20】 BoIFN−γ,HuIFN−γおよびねず
みIFN−γの推定アミノ酸配列の比較を示している。
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】 EcoRIにより消化しかつ種々異なるホルム
アミド濃度にてヒト白血球インターフェロンA/Dハイ
ブリッドの暗号化領域を含む32P−標識570塩基対
coRI断片でハイブリダイズされた(a)ヒト、(b)牛およ
び(c)豚のゲノムDNAのサウザンハイブリダイゼーシ
ョンの電気泳動を示す図面に代わる写真である。20%
ホルムアミドにおけるハイブリダイゼーションは、マル
チジエン牛および豚白血球インターフェロン遺伝子類の
最も明瞭なパターンを示している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】 EcoRI,BamHIまたはHindIIIにより
消化されかつ32P−標識したヒト白血球遺伝子プローブ
でハイブリダイズさせた4種の異なる牛ゲノムDNAフ
アージ組換体のサウザンハイブリダイゼーションの電気
泳動を示す図面に代わる写真である。クローン83は、
各制限酵素により2種のハイブリダイズ断片を与える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】 EcoRI,HindIII,BamHI,BglII
およびPvuIIのいずれかで消化された牛DNAと、B
oIFN−α1またはBoIFN−α4遺伝子断片から調
製された放射能活性プローブとのサウザンハイブリダイ
ゼーションの電気泳動を示す図面に代わる写真である。
各IFN遺伝子は、BoIFN−α遺伝子の異なるサブ
フアミリ(Subfamily)と優先的にハイブリダイズする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】 ヒトゲノムDNAとHuIFN−β遺伝子
(9)とを用いて同様な実験を行なった際、単一のハイブ
リダイズ断片のみが一般に明らかとなるような条件下で
BoIFN−β1遺伝子プローブで再ハイブリダイズさ
せた図11のサウザンブロットの電気泳動を示す図面に
代わる写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図3に示される2−166アミノ酸、 図4に示される2−166アミノ酸、 図5に示される2−166アミノ酸、 図6に示される2−172アミノ酸、 図14に示される2−165アミノ酸、 図15に示される2−165アミノ酸、 図16に示される2−165アミノ酸、及び図20に示
    されるboIFN−γ配列の2−146アミノ酸のいずれ
    かのアミノ酸配列、又はこれらの配列の天然のアレル変
    異体を含有するヒト以外の動物インターフェロンをコー
    ドしている単離されたDNA分子。
  2. 【請求項2】 図3に示される2−165アミノ酸、 図4に示される2−166アミノ酸、 図5に示される2−166アミノ酸、 図6に示される2−172アミノ酸のいずれかのアミノ
    酸配列、又はこれらの配列の天然のアレル変異体を含有
    するウシ白血球インターフェロンをコードしている請求
    項1に記載のDNA分子。
  3. 【請求項3】 図14に示される2−165アミノ酸、 図15に示される2−165アミノ酸、 図16に示される2−165アミノ酸のいずれかのアミ
    ノ酸配列、又はこれらの配列の天然のアレル変異体を含
    有するウシ線維芽細胞インターフェロンをコードしてい
    る請求項1に記載のDNA分子。
  4. 【請求項4】 図20に示されるboIFN−γ配列の2
    −146アミノ酸のアミノ酸配列、又はその天然のアレ
    ル変異体を含有するウシ免疫インターフェロンをコード
    している請求項1に記載のDNA分子。
  5. 【請求項5】 請求項1−請求項4のいずれかに記載の
    DNA配列を適当な形質転換宿主細胞にて発現すること
    のできる複製可能な発現ベクター。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の発現ベクターによって
    形質転換されている組換え宿主細胞。
  7. 【請求項7】 大腸菌細胞である請求項6に記載の宿主
    細胞。
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