JPH06314413A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド

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JPH06314413A
JPH06314413A JP5127821A JP12782193A JPH06314413A JP H06314413 A JPH06314413 A JP H06314413A JP 5127821 A JP5127821 A JP 5127821A JP 12782193 A JP12782193 A JP 12782193A JP H06314413 A JPH06314413 A JP H06314413A
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cores
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magnetic head
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 上下コア及び中間コアによって磁気回路が構
成された薄膜磁気ヘッドの変曲点Pの近傍の磁気飽和の
発生を緩和して、その効率の低下を防止する。 【構成】 磁気ギャップ50を挟んで形成されている前
部中間コア52,54は、その後縁が寿命寸法L=0の
位置,すなわち略変曲点Pより後側に延長されている。
この延長部分では、前部中間コア52,54の断面が上
下コア16,32の断面に加わることになる。このた
め、変曲点Pの近傍の磁路の断面積が増大して、その部
分における磁気飽和が緩和されるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜磁気ヘッドにかか
り、更に具体的にはヘッド先端部分における磁気飽和に
対する改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の薄膜磁気ヘッドとしては、例えば
本件出願人による特開平3−58308号公報に開示さ
れたものがある。これによれば、薄膜磁気ヘッドの磁気
回路は、上下のコアの他にそれらを接続する中間コアに
よって構成されており、全体が絶縁層によって平坦に構
成されている。このため、フォトリソグラフィなどの薄
膜技術による各部のパターン形成を良好に行うことがで
き、優れた磁気特性を得ることができる。なお、以下の
説明では、便宜上薄膜磁気ヘッドの媒体対向面側を前,
その反対側を後,基板側を下,その反対側を上とそれぞ
れ表現する。
【0003】図7には、かかる従来例の薄膜磁気ヘッド
が示されている。同図中(A)は平面図,(B)は
(A)の#A−#A線に沿って矢印方向に見た断面図、
同図(C)は磁気コアの部分を示す斜視図である。これ
らの図において、基板10上には、絶縁膜12,14が
形成されており、絶縁膜14には下コア16が形成され
ている。この下コア16上には、前部中間コア18,2
0,後部中間コア22,24がそれぞれ形成されてい
る。
【0004】そして、前部中間コア18,20の間には
絶縁膜による磁気ギャップ26が形成されており、更に
後部中間コア22,24を巻回するようにコイル28が
形成されている。前部中間コア20,後部中間コア24
上には絶縁膜30中に上コア32が形成されている。コ
イル28はリード線34に接続されている。同図(A)
では、絶縁膜30は省略されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な薄膜磁気ヘッドを同図(A)の平面から見ると、上下
コア16,32の形状はそれらの後側(同図の右側)で
は広がっているが、コア先端部(同図の左側)になるほ
ど絞り込まれており、最終的には信号記録のトラック幅
と略同一となる。幅が絞り込まれてトラック幅と同じに
なる位置を変曲点Pとすると、この変曲点Pと前部中間
コア18,20との後縁とは略一致している。また、変
曲点Pから前方の部分では、上下コア16,32,前部
中間コア18,20がほぼ同一の面積となっている。
【0006】更に、同図(B)の断面からみると、コア
厚みは、媒体対向面から変曲点Pに至る寿命寸法Lの範
囲では、上下コア16,32に前部中間コア18,20
を加えた厚みとなっている。
【0007】次に、以上のような上下コア16,32、
中間コア18,20,22,24による磁気回路の断面
積を、図8を参照しながら説明する。同図(A)には、
上コア32を分離した状態が示されており、線X1〜X
4による断面が同図(B)〜(E)にそれぞれ示されて
いる。変曲点Pより前方の部分の磁気回路では、同図
(B)のように中間コア18,20の断面積となってい
る。次に、上下コア16,32の部分では、同図
(C),(D)に示すようにそれらコアの断面積となっ
ている。また、後部中間コア22,24の部分では、同
図(E)に示すように、それらのコアの断面積となって
いる。
【0008】これら各部の断面積を比較すると、上下コ
ア16,32が前部から後部に向かって広がっているた
め、その前方にいくほど断面積は小さくなる。しかし、
変曲点Pより前方の部分では、中間コア18,20の断
面積が寄与するので、結果的に変曲点Pの近傍領域で相
対的に最も磁気回路の断面積が小さくなる(同図(C)
参照)。このため、その部分で磁気飽和しやすく、磁気
ヘッドとしての効率の低下が生ずる恐れがある。
【0009】本発明は、これらの点に着目したもので、
磁気飽和の発生を緩和して効率の低下を防止することが
できる薄膜磁気ヘッドを提供することをその目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、上コア,下コア,前部中間コア,後部中
間コアによって磁気回路が平坦に構成されており、前部
中間コア間に磁気ギャップが形成されている薄膜磁気ヘ
ッドにおいて、前記前部中間コアのうち、少なくとも1
層の後縁を、その前部中間コアに接続する上コア又は下
コアの略変曲点よりも後側に延長したことを特徴とす
る。本発明の主要な態様によれば、前記前部中間コアの
延長部分が、上コア又は下コアに沿った形状となってい
る。
【0011】
【作用】本発明によれば、前部中間コアの後縁が、それ
に連続する上コア又は下コアの略変曲点よりも後側に延
長されている。これにより、上コア又は下コアと前部中
間コアが接続する部分の磁路面積が増大し、磁気飽和が
緩和されるようになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明による薄膜磁気ヘッドの実施例
について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。な
お、上述した従来技術と同一の構成部分又は従来技術に
対応する構成部分には、同一の符号を用いることとす
る。
【0013】<第1実施例>最初に、図1及び図2を参
照しながら本発明の第1実施例について説明する。図1
には第1実施例の薄膜磁気ヘッドが示されており、同図
(A)は断面,(B)はコア部分の斜視図である。ま
た、同図(C)は本実施例と前記従来例のコア部分平面
を比較したものである。これらの図に示すように、本実
施例では、磁気ギャップ50を挟んで形成されている前
部中間コア52,54は、その後縁が寿命寸法L=0の
位置,すなわち略変曲点Pより後側に延長されている。
他の構成部分は前記従来例と同様である。
【0014】次に、図2を参照しながら磁気回路の主要
部の断面積を検討する。同図(A)には、上コア32を
分離した状態が示されており、線X1〜X4による断面
が同図(B)〜(E)にそれぞれ示されている(後述す
る図3も同様)。線X1,X3,X4の断面である同図
(B),(D),(E)に示す断面積は前記従来例と同
様である。しかし、線X2による断面では、前部中間コ
ア52,54が延長されていることからそれらの断面が
下コア16の断面に加わることになる。このため、断面
は同図(C)に示すようになり、前記従来例よりも増大
することになる。これにより、変曲点Pの近傍の磁路の
断面積が増大して、その部分における磁気飽和が緩和さ
れるようになる。
【0015】<第2実施例>次に、図3及び図4を参照
しながら本発明の第2実施例について説明する。図3は
コア部分を示すもので、図4はコア部分の平面図であ
る。これらの図に示すように、本実施例によれば、磁気
ギャップ60を挟んで形成されている前部中間コア6
2,64は、第1実施例と同様に後縁が延長されてお
り、かつ、この部分が上下コア16,32の形状に沿っ
て扇状に広がった形状となっている。
【0016】前部中間コア62,64をこのような形状
とすることで、上下コア16,32との接続部分の面積
が増加する。これによって、磁気飽和しやすい変曲点P
の近傍部分の断面積が図3(C)に示すように更に増加
するので、第1実施例における磁気飽和を緩和する効果
を向上させることができる。
【0017】<第3実施例>次に、図5を参照しながら
本発明の第3実施例について説明する。同図中(A)は
断面図,(B)はコア部分の斜視図である。この第3実
施例では、前部中間コアのうち、磁気ギャップ70の下
側の前部中間コア72のみが矢印FAで示すように後方
に延長されている。なお、反対に上側の前部中間コア2
0の方を延ばすようにしてもよい。
【0018】<第4実施例>次に、図6を参照しながら
本発明の第4実施例について説明する。同図中(A)は
断面図,同図(B)はコア部分の斜視図,(C)は平面
図である。この実施例では、磁気ギャップ80の下側の
前部中間コア82は手前側に、上側の前部中間コア84
は向こう側にそれぞれ延長されている。すなわち、寿命
寸法L=0又は変曲点Pより後ろ側の前部中間コア8
2,84の延長部分が、互いに重ならないように構成さ
れている。
【0019】磁気ヘッドでは、磁気回路中の磁束によっ
て磁気ギャップの前側,すなわち媒体対向面側に強力な
磁界を形成することが好ましい。前部中間コアが前記実
施例のように延長されると、延長部分のギャップを介し
て磁束が漏れるようになり、磁気ギャップの媒体側の磁
界が結果的に弱くなってしまうことになる(図6(A)
矢印FB参照)。そこで、本実施例では、かかる磁束漏
洩を防止するため、前部中間コア82,84の延長方向
を反対方向として、それらの重なりをなくすようにして
いる。
【0020】<他の実施例>なお、本発明は、何ら上記
実施例に限定されるものではなく、例えば次のようなも
のも含まれる。 (1)前記実施例では、コイルが2段に巻回されている
が、例えば1段するなど必要に応じて適宜変更してよ
い。前部中間コアの延長部分の形状,寸法も必要に応じ
て適宜変更してよい。また、後部中間コアについても必
要があれば延長してよい。 (2)本発明の薄膜磁気ヘッドの適用対象としてはヘリ
カルスキャン型のVTRにおける信号の記録又は再生,
あるいは消去などが考えられるが、他の磁気記録媒体に
使用することを妨げるものではない。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による薄膜
磁気ヘッドによれば、コア断面積が小さくなる上コア又
は下コアの変曲点付近の磁路断面積を前部中間コアの延
長によって補うことしたので、変曲点付近における磁気
飽和が緩和され、磁気ヘッドの効率の低下を良好に防止
することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜磁気ヘッドの第1実施例を示
す説明図である。
【図2】前記第1実施例のコア部分を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の第2実施例のコア部分を示す説明図で
ある。
【図4】前記第2実施例の平面を示す説明図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す説明図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す説明図である。
【図7】従来の平坦な形状の薄膜磁気ヘッドの一例を示
す説明図である。
【図8】前記従来例のコア部分を示す説明図である。
【符号の説明】
10…基板、12,14,30…絶縁膜、16…下コ
ア、18,20…前部中間コア、22,24…後部中間
コア、26,50,60,70,80…磁気ギャップ、
28…コイル、32…上コア、34…リード線、52,
54,62,64,72,82,84…前部中間コア、
FA…延長方向を示す矢印、FB…磁束漏洩を示す矢
印、L…寿命寸法、P…変曲点、X1〜X4…切断線。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上コア,下コア,前部中間コア,後部中
    間コアによって磁気回路が平坦に構成されており、前部
    中間コア間に磁気ギャップが形成されている薄膜磁気ヘ
    ッドにおいて、前記前部中間コアのうち、少なくとも1
    層の後縁を、その前部中間コアに接続する上コア又は下
    コアの略変曲点よりも後側に延長したことを特徴とする
    薄膜磁気ヘッド。
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