JPH06314401A - 記録電流調整用テープ、記録電流調整用テープ作成装置、及び記録電流調整方法 - Google Patents

記録電流調整用テープ、記録電流調整用テープ作成装置、及び記録電流調整方法

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JPH06314401A
JPH06314401A JP12477493A JP12477493A JPH06314401A JP H06314401 A JPH06314401 A JP H06314401A JP 12477493 A JP12477493 A JP 12477493A JP 12477493 A JP12477493 A JP 12477493A JP H06314401 A JPH06314401 A JP H06314401A
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recording
tape
track
tracks
adjustment
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JP12477493A
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Toyomi Fujino
豊美 藤野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録方式によるヘリカルスキャン記録
装置に対応して安定した記録電流レベル調整を実現す
る。 【構成】 記録電流調整用テープとしては、例えば6又
は8トラックを1周期としたときに、A1,B2トラッ
クのみに所定の信号が記録され、他のトラックには信号
記録が行なわれていないように間引記録を行なって形成
する。これにより、実際に記録電流調整用テープに形成
されるトラック(信号記録領域)として記録ヘッド幅に
対応したトラック幅を残させ、トラックピッチが狭く設
定された際も、それに関わらず広い幅のトラックから信
号を再生することができるようにし、また、隣接の逆ア
ジマストラックや隣々接の同アジマストラックによるオ
ーバラップ部分を解消して、再生時にこれらのクロスト
ークの影響を無くし、記録レベル調整のための基準レベ
ル管理を容易とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テープ状記録媒体に対
する記録装置における記録レベル調整に用いる記録電流
調整用テープ、及びその調整用テープの作成装置、及び
記録電流調整用テープを用いた記録レベルの調整方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープに対してヘリカルスキャン方
式でデジタルデータを記録していく装置及び媒体が知ら
れており、例えば一般に音楽用に用いられるDAT(デ
ジタルオーディオテープ)レコーダが普及している。そ
して特にこのDAT方式では近年、音楽だけでなく、D
DS(デジタルデータストレイジ)として一般データの
記録にも応用して用いられている。
【0003】ところで、DAT方式のようにイレーズヘ
ッドをもっていない記録装置の場合、記録の際には、そ
れまで記録されていたデータを上書きして消去しながら
記録していくいわゆるオーバライト方式であることか
ら、十分に消去特性がとれるように記録電流を厳密に管
理しなければならないという必要が生じている。
【0004】ここで、記録信号の周波数が低い程テープ
上には深層に磁気記録されるため、低周波の記録信号に
対して高周波の信号をオーバライトする場合が最も厳し
いオーバライト特性が必要とされる。例えば使用してい
る記録信号周波数を130KHz 〜4.7MHzとすると、13
0KHz に対する4.7MHzの信号のオーバライト時が最も厳
しいこととなる。
【0005】これらのオーバライト特性を満たすために
は、記録装置においては、図16に示すように各周波数
において基準となる0dB(調整目標値)に対して上限
値との間に記録電流(記録レベル)が調整されなければ
ならない。そして実際の運用上は上記0dBを得られる
基準となるテープを用意して、その再生レベルを測定し
て記録電流の調整を行なうようにしている。
【0006】ここで、実際の量産用の記録装置の調整の
ために用いるテープ(以下、調整用テープ)を作成する
に当たって、その調整用テープにおける各周波数での0
dBを厳密に管理して作成するために、ゴッドテープ、
サブゴットテープ、リファレンステープが作成され、こ
のリファレンステープに基づいて調整用テープが作成さ
れる。この手順を図17に模式的に示す。
【0007】まず、ゴッドテープ1は、ゴッド記録機5
を用いて各周波数毎に記録レベルを設定して作成する。
なお、量産用の記録装置11(DATレコーダ)におけ
る記録ヘッドは22μm、再生ヘッドは22μm又は1
5μm、トラックピッチTPは13.6μmとされており、
また、ゴッド記録機5の記録ヘッドは22μmでトラッ
クピッチTPは13.6μm、さらにゴッドテープ1等を再
生するためのゴッド再生機6の再生ヘッドは6μmでト
ラックピッチTPは13.6μmとされている。
【0008】ゴッドテープ1はゴッド記録機5によって
片チャンネル毎にトラック内を単一周波数パルスで埋め
尽くす、いわゆるベタ記録が行なわれて作成される。記
録される周波数は図20に時間軸上に対応して示される
ように、まず0〜60秒の間にAチャンネルに1.57MHz
の信号、つづいて120秒迄Bチャンネルに1.57MHz の
信号が記録された後、120〜660秒の間に、Aチャ
ンネル、即ちAヘッドによる走査トラックにおいて、9
0秒単位で130KHz,522KHz,784KHz,1.57MHz ,2.4MH
z,4.7MHzが記録され、つづいて660〜1200秒の
間に、Bチャンネル、即ちBヘッドによる走査トラック
において、90秒単位で130KHz,522KHz,784KHz,1.57
MHz ,2.4MHz,4.7MHzが記録される。以上の20分の信
号が、ゴッドテープ1においては22μmの記録ヘッド
によりトラックピッチTP=13.6μmで片チャンネル毎
に記録されることになる。
【0009】例えば、Aチャンネルに90秒単位で各周
波数をベタ記録していく部分では、図18に示すよう
に、22μmのA,B各チャンネルの記録ヘッドHR
A ,HRB がトラックピッチTP=13.6μmで走査され
ていくが(実線がAチャンネルの記録ヘッド及びトラッ
ク、破線がBチャンネルの記録ヘッド及びトラックを示
す)、Aチャンネルのみに記録信号が与えられ、記録電
流が印加されることにより、図19のように22μmの
トラック幅でヘリカルスキャン方式のAチャンネルトラ
ックが形成されていく(つまり、Bチャンネルの記録ヘ
ッドHRB による記録は行なわれないため、Bチャンネ
ルトラック部分にもAチャンネルトラックの記録信号が
そのまま残される)。このように片チャンネルずつ記録
されるのは隣接トラックからのクロストークを解消し、
厳密な記録レベル管理を行なうためである。
【0010】そして、このように記録されたゴッドテー
プ1を多数用意したら、ゴッド再生機6では図19のよ
うにヘッド幅6μmの再生ヘッドHPで再生され、スペ
クトラムアナライザ7によって再生レベルが測定され
る。ここで再生ヘッドHPの幅が6μmとされ、22μ
mのトラック幅より十分小さく、また片チャンネル記録
のため、ゴッド再生機6による再生信号では記録時のト
ラック幅誤差、再生ヘッド側の誤差、及びクロストーク
による出力差がキャンセルされ、正確な再生レベル測定
ができる。ここで多数のゴッドテープ1の中から最もレ
ベル(基準となる0dBレベル)のばらつきの少ないも
のを1〜3巻だけ選択して、これを実際のゴッドテープ
1として採用することになり、このゴッドテープ1は記
録レベルが厳密に管理されたものとなる。
【0011】このゴッドテープ1は最上レベルでの基準
テープとして安定して保存する必要があり、実際の調整
には用いられないため、このゴッドテープ1からサブゴ
ッドテープ2(子コピーテープ)、さらにリファレンス
テープ3(孫コピーテープ)が作成される。このサブゴ
ッドテープ2及びリファレンステープ3は、信号の記録
はゴッドテープ1と同様に図18〜図20に示した形態
となる。もちろんサブゴッドテープ2、リファレンステ
ープ3についても、作成された後ゴッド再生機6で再生
され、スペクトラムアナライザ7で測定されて基準0d
Bのチェックが行なわれる。
【0012】ところで、リファレンステープ3まではい
わゆるベタ記録であり、ATF信号も記録されていない
ため量産用の記録装置11ではトラッキングを取ること
ができない(ゴッド再生機6、サブゴッド再生機8では
CTL再生を行ない、トラッキングは出力が最大となる
ポイントに調整して行なっている)。そこで、実際の調
整作業において基準テープとして用いるために、リファ
レンステープ3の記録レベルに合わせて(できるだけ同
一の記録レベルとなるように管理されて)調整用テープ
作成機9により調整用テープ4が作成される。調整用テ
ープ作成機9は22μmの記録ヘッドで、トラックピッ
チTP=13.6μmの両チャンネル記録がなされて調整用
テープ4を作成する。
【0013】即ち調整用テープ4は図21のようにAチ
ャンネルの記録ヘッドHRA とBチャンネルの記録ヘッ
ドHRB がそれぞれ前方隣接トラックの一部を消しなが
ら13.6μmピッチのトラックを記録していくことにな
り、このAチャンネルのトラックとBチャンネルのトラ
ックには、例えば図22のようにATF信号とともに半
トラックづつ1.57MHz と130KHzの信号が記録される。な
お、隣接トラックによるクロストークを解消する目的か
らAチャンネルとBチャンネルでは1.57MHz と130KHzの
信号が前後に逆に記録される。
【0014】このような調整用テープ4は、作成される
と、まず6μm幅の再生ヘッドHPを有するサブゴッド
再生機8で再生され、またリファレンステープ3もサブ
ゴッド再生機8で再生されて、スペクトラムアナライザ
13を用いて調整用テープ4の記録レベルが適正である
かチャック及び調整される。ここで、サブゴッド再生機
8の再生ヘッドHPの幅(6μm)は調整用テープ4の
トラック幅13.6μmより十分狭いため、記録時のトラッ
ク幅の誤差に対して安定して記録レベルを測定すること
ができる。
【0015】以上のように調整用テープ4が作成された
ら、この調整用テープ4が用いられて実際に量産機11
の記録電流レベルの調整が実行されることになる。この
調整は、量産機11において調整用テープ4を再生して
得られる周波数レベルをスペクトラムアナライザ12で
測定して保持し、また、調整用テープ4と磁気特性がほ
ぼ同一のテープを用意して自己録再テープ10とし、こ
の自己録再テープ10に対して量産機11で調整用テー
プ4と同一の信号を記録/再生する。そして、この自己
録再テープ10の再生信号レベルの測定値に基づいてそ
の調整対象とされている量産機11の記録電流を調整す
ることになる。
【0016】なお、量産機11においては上述したよう
に記録ヘッド幅は22μm、トラックピッチTP=13.6
μmとされ、調整用テープ作成機9においては記録ヘッ
ド幅はこれと同一とされている。従って、量産機11に
よって信号が記録される自己録再テープ10は調整用テ
ープ4と同一のトラック状態となっている。
【0017】量産機11の再生ヘッド幅は機種により2
2μm又は15μmとなっている。再生ヘッド幅が22
μmの機種の場合、量産機11による調整用テープ4の
再生走査は図24に示すようになる。即ち、例えばトラ
ックA2を走査する場合、トラック幅は13.6μmである
ため、再生ヘッドHPの両端は隣接トラックB1,B2
にかかる。自己録再テープ10を量産機11で再生する
場合も同様に図25のようになる。再生ヘッドHPの両
端が隣接トラックにかかることによりATFサーボが可
能となる。
【0018】この場合、AチャンネルトラックとBチャ
ンネルトラックが逆アジマスとされアジマス効果が得ら
れ、また前記図21のように隣接部分は異なる周波数信
号が記録されていることから、逆アジマストラックのク
ロストークを有効に解消し、A2トラックの信号レベル
を精度よく測定することができる。
【0019】また、AチャンネルのトラックとBチャン
ネルのトラックは互いに前トラックの一部を上書きしな
がらトラックピッチが13.6μmとなるように記録されて
いくが、実際にはこの上書き部分の消し残りによる隣々
接トラックからのクロストークが生ずることが考えられ
る。ところがトラックピッチが13.6μmで再生ヘッド幅
が22μmである場合、再生ヘッドは隣々接トラック
(の消し残り部分)にかかることはなく、このようなク
ロストークは発生しない。
【0020】即ち、Aチャンネルトラックのみに着目す
ると、調整用テープ4及び自己録再テープ10は、22
μmの記録ヘッドにより図26に示すようにトラックが
形成されていく。ここで、各トラックで点描で示す部分
は実際にはBチャンネルの記録ヘッドによって信号が上
書きされて消される部分を示している。例えばA1〜A
3トラックで図示している部分に1.5MHzの信号が記録さ
れる場合、Bチャンネルの記録ヘッドのトラックセンタ
TCB を中心とした走査により130KHzの信号が記録され
ることによって点描部分には1.5MHzの信号は消去されて
いるはずである。
【0021】ところが実際には、この部分に1.5MHzの信
号による磁化成分がわずかに残留しており、もし再生ヘ
ッドHPが例えばトラックA2を走査する際に隣々接の
トラックA1における消し残りの信号を拾ってしまう
と、トラックA2の再生レベルは正確に測定できないこ
とになる。しかしながら、上記ヘッド幅及びトラックピ
ッチの場合、図21において明らかなように、トラック
A1とトラックA2の間、即ち互いに隣々接となるトラ
ック間には、Bチャンネルトラックを無視した場合、
5.2μmの幅が存在し、一方再生ヘッドHPは 4.2μm
だけトラックA2からはみだすことになるため、隣々接
トラック(つまり同アジマストラック)に達しておら
ず、従って、隣々接トラックによるクロストークの影響
は殆ど生じない。
【0022】これは、量産機11の再生ヘッド幅が15
μmの場合も同様であり、再生ヘッドHPの幅が15μ
mであると、調整用テープ4を量産機で再生する場合の
ヘッド走査状態は図27、自己録再テープ10を量産機
で再生する場合のヘッド走査状態は図28に示されるよ
うになる。この場合も再生ヘッドHPの両端は隣接トラ
ックにかかることによりATFサーボが可能となる。そ
して、Aチャンネルトラックのみに着目した場合、図2
9に示すように再生ヘッドHPは隣々接トラックに達す
ることはなく、同アジマストラックからのクロストーク
による影響は発生しない。
【0023】これらのことから、調整用テープ4におけ
る記録レベルと自己録再テープ10での記録レベルを正
確に測定することができ、この測定に応じて自己録再テ
ープ10での記録レベルが調整用テープ4の記録レベル
に比べて許容範囲内に入るようにその調整対象となって
いる量産機11の記録電流を調整することで、調整工程
が完了する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、DATシス
テムをデジタルデータストレイジに使用する際に、さら
に高密度記録を実現することを目的としてトラックピッ
チを13.6μmから9.1 μm(ただし実際には9.05μm、
以下9.1 μmとして説明する)にする方式が開発されて
いる。そして、この場合量産機は、従来のトラックピッ
チ13.6μmの方式との間でコンパチビリティを確保する
ため、記録ヘッド幅は22μmとし、一方再生ヘッド幅
は15〜14μmとしている。
【0025】このような高密度フォーマットの場合で
も、量産機における記録レベル調整は厳密に行なわなけ
ればならず、上述してきた方式と同様にゴッドテープか
ら調整用テープが作成され、調整用テープと自己録再テ
ープを量産機において再生を行なって、その測定値に基
づいて調整を実行することになる。
【0026】そこで、まず同様にゴッドテープ1〜リフ
ァレンステープ3を作成することになるが、上記同様に
ゴッドテープ1はゴッド記録機5によって片チャンネル
毎にトラック内を単一周波数パルスで埋め尽くす、いわ
ゆるベタ記録が行なわれて作成される。
【0027】ところが、図30に示すように、22μm
のA,B各チャンネルの記録ヘッドHRA ,HRB によ
ってトラックピッチTP= 9.1μmで走査していき(実
線がAチャンネルの記録ヘッド及びトラック、破線がB
チャンネルの記録ヘッド及びトラックを示す)、例えば
Aチャンネルのみに記録信号が与えられ記録電流が印加
されると、図31のように22μmのトラック幅でヘリ
カルスキャン方式のAチャンネルトラックが形成されて
いくことになるが、このときAチャンネルの各トラック
はオーバラップ部分が発生してしまい、トラック間のガ
ードバンド部分が消失してしまう。このようにトラック
間が明確でなくなると、ゴッド再生機6におけるCTL
トラッキングサーボを良好にかけることができないこと
が発生する。また、ゴッドテープ1からリファレンステ
ープ3までは、あくまで記録レベルに対する厳密な基準
を得るためのもので量産機における高密度記録化に伴う
トラックピッチの変更に従う必要性は必ずしもない。こ
のため、ゴッドテープ1からリファレンステープ3まで
は、上記図18,図19,図20のフォーマットのもの
をそのまま使用するようにしている。
【0028】ところが、実際に調整に用いる調整用テー
プ4については、量産機11のトラックピッチに従う必
要があるため、リファレンステープ3の記録レベルに基
づいて、トラックピッチTP= 9.1μmで両チャンネル
記録のなされた調整用テープ4が調整用テープ作成機9
いより作成されることになる。即ち調整用テープ4は図
32のようにAチャンネルの記録ヘッドHRA とBチャ
ンネルの記録ヘッドHRB がそれぞれ前方隣接トラック
の一部を消しながら 9.1μmピッチのトラックを記録し
ていくことになる。
【0029】そしてこの場合、調整用テープ4として
は、図34に示すようにトラックピッチTP= 9.1μm
で、ATF信号とともに半トラックづつ1.57MHz と130K
Hzの信号が記録される。なお、前記図22の場合と同様
に隣接トラックによるクロストークを解消する目的から
AチャンネルとBチャンネルでは1.57MHz と130KHzの信
号が前後に逆に記録される。
【0030】このような調整用テープ4が作成される
と、まず6μm幅の再生ヘッドHPを有するサブゴッド
再生機8で再生され、またリファレンステープ3もサブ
ゴッド再生機8で再生されて、調整用テープ4の記録レ
ベルが適正であるかチャック及び調整される。ところ
が、そのサブゴッド再生機8による調整用テープ4の再
生走査状態は図33に示すようになり、つまり、サブゴ
ッド再生機8の再生ヘッドHPの幅(6μm)は調整用
テープ4のトラック幅 9.1μmより十分狭いとはいえな
いため、記録時のトラック幅の誤差に対して十分に安定
して記録レベルを測定することができるとはいえないと
いう問題がある。つまり、リファレンステープ3と調整
用テープ4の記録レベルを十分に正確に比較できない。
この測定が不安定であると、リファレンステープ3に対
して記録レベルが適正な調整用テープが作成されたか否
かが十分に管理できないことになる。
【0031】また、調整用テープ4が作成されたら、こ
の調整用テープ4が用いられて実際に量産機11の記録
電流レベルの調整が実行されることになるが、この調整
は、上述した方式と同様に量産機11において調整用テ
ープ4を再生して得られる周波数の記録レベルをスペク
トラムアナライザ12で測定して保持し、また、調整用
テープ4と磁気特性がほぼ同一のテープを用意して自己
録再テープ10とし、この自己録再テープ10に対して
量産機11で調整用テープ4と同一の信号を記録/再生
する。そして、この自己録再テープ10の再生信号レベ
ルの測定値に基づいてその調整対象とされている量産機
11の記録電流を調整することになる。
【0032】ところで、高密度記録方式を採用したに量
産機11の再生ヘッド幅は例えば15μmとされてお
り、この場合、量産機11による調整用テープ4の再生
走査は図35に示すようになる。即ち、例えばトラック
A2を走査する場合、トラック幅は 9.1μmであるた
め、再生ヘッドHPの両端は隣接トラックB1,B2に
かかる。なお自己録再テープ10を量産機11で再生す
る場合も同様となる。そして再生ヘッドHPの両端が隣
接トラックにかかることによりATFサーボが可能とな
る。
【0033】この場合、AチャンネルトラックとBチャ
ンネルトラックが逆アジマスとされアジマス効果が得ら
れ、また前記図34のように隣接部分は異なる周波数信
号が記録されていることから、逆アジマストラックのク
ロストークはほぼ解消されているが、隣々接トラック、
つまり同アジマストラックからのクロストークの影響が
強く出て、記録レベルの測定が非常に不安定になってい
るという問題が生じている。
【0034】即ち、AチャンネルのトラックとBチャン
ネルのトラックは互いに前トラックの一部を上書きしな
がらトラックピッチが 9.1μmとなるように記録されて
いくが、この上書き部分の消し残りによる隣々接トラッ
クからのクロストークが生ずることになり、これを図3
6で説明する。
【0035】図36は上記図26のようにAチャンネル
トラックのみに着目して示したもので、調整用テープ4
及び自己録再テープ10は、22μmの記録ヘッドによ
り、Bチャンネルによるトラックを無視すると図36に
示すようにトラックが形成されていく。このとき、同ア
ジマスとなる隣々接トラックはオーバラップしてしまっ
ている。もちろん、例えばA1〜A3トラックで図示し
ている部分に1.5MHzの信号が記録される場合、Bチャン
ネルの記録ヘッドのトラックセンタTCB を中心とした
走査によりB1〜B3トラックには130KHzの信号が記録
されることによって、その部分は1.5MHzの信号は消去さ
れているはずであるが、実際にはこの部分に1.5MHzの信
号による磁化成分が残留しており、しかもこれらの消し
残り成分は当然アジマス効果は得られない。
【0036】そして再生ヘッドHPが図示しているよう
に、例えばトラックA2を走査する(トラックセンタT
A )際を考えると、図36からわかるように、この走
査において隣々接のトラックA1の消し残り信号を拾っ
てしまう。このような隣々接のクロストークが発生する
と測定される記録レベルも不安定なことになり、厳密な
記録レベル調整を安定して行なうことができないことに
なる。
【0037】以上のように高密度記録フォーマットにお
いて、通常フォーマットの場合と同様に調整用テープ4
を作成すると、まず、調整用テープ4の記録レベルがリ
ファレンステープ3の記録レベルに対して不安定になる
とともに、調整用テープ4を量産機で再生した際に測定
される記録レベルも不安定となって、厳密な調整を実行
できないという問題が生じていた。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点にかんがみてなされたもので、高密度記録方式に対応
して安定した調整を実現することができるようにするこ
とを目的とする。
【0039】このために、回転ヘッドドラムに搭載され
たAチャンネル記録ヘッドとBチャンネル記録ヘッドに
より磁気テープにヘリカルスキャン方式でデータ記録を
行なう記録装置に対して、その記録電流レベル調整のた
めの基準レベルによる所定の信号が記録された記録電流
調整用テープとして、第1から第nのトラックを1周期
とし、この1周期におけるA,B各チャンネルについて
それぞれn/2トラックづつ形成されるトラックのう
ち、それぞれ特定の1のトラックのみに所定の信号が記
録され、他のトラックには信号記録が行なわれていない
ようになされて形成する。
【0040】また、記録電流調整用テープ作成装置とし
ては、記録電流調整用テープとなるテープ状記録媒体に
対してA,B各チャンネルに対応するトラックを交互に
走査してトラックを形成していく際に、第1から第nの
トラックを1周期とし、この1周期におけるA,B各チ
ャンネルについてそれぞれn/2トラックづつ形成され
るトラックのうち、それぞれ特定の1のトラックのみに
所定の信号を記録し、他のトラックには信号記録を行な
わないようにして記録電流調整用テープを作成すること
ができるように構成する。
【0041】さらに、量産される記録装置(調整対象記
録装置)に対する記録電流レベル調整方法としては、ま
ず第1から第nのトラックを1周期としたときにA,B
各チャンネルについてそれぞれn/2トラックづつ形成
されるトラックのうち、それぞれ特定の1のトラックの
みに基準レベルによる所定の信号が記録され他のトラッ
クには信号記録が行なわれていないようになされて形成
されている記録電流調整用テープを用意して、これをそ
の調整対象記録装置で再生して、基準となる記録電流レ
ベルを測定する。一方、この調整対象記録装置で記録電
流調整用テープと同一の信号を所定のテープに対して記
録及び再生を行ない、その再生信号から調整対象記録装
置における記録電流レベルを測定する。そして、測定さ
れた調整対象記録装置における記録電流レベルが、記録
電流調整用テープを調整対象記録装置で再生して得られ
た基準となる記録電流レベルと一致するように調整対象
記録装置における記録電流レベルを可変調整することに
よって、その調整対象記録装置の記録レベル調整を行な
う。
【0042】
【作用】記録電流調整用テープとして、第1から第nの
トラックを1周期とし、この1周期におけるA,B各チ
ャンネルについてそれぞれn/2トラックづつ形成され
るトラックのうち、それぞれ特定の1のトラックのみに
所定の信号が記録され、他のトラックには信号記録が行
なわれていないようになされて形成するというように、
いわゆる間引記録を行なうようにすることで、実際に記
録電流調整用テープに形成されるトラック(信号記録領
域)は記録ヘッド幅に対応したトラック幅を残すことが
でき、トラックピッチが狭く設定された際も、そのトラ
ックピッチに関わらず広い幅のトラックから信号を再生
することができる。また、隣接の逆アジマストラックや
隣々接の同アジマストラックによるオーバラップ部分を
解消することができ、再生時においてこれらのクロスト
ークの影響を無くし、記録レベル調整のための基準レベ
ルを厳密に管理することができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例にかかる記録電
流調整用テープ、記録電流調整用テープ作成装置、及び
記録電流調整方法ついて図1〜図8及び図17を用いて
説明する。
【0044】なお、この記録電流調整方法において使用
される調整用テープは、上述してきたようにゴッドテー
プから作成されたリファレンステープに基づいて作成さ
れるものであり、リファレンステープまでの作成及び調
整用テープを用いた量産機の記録電流調整手順について
は、上記図17〜図20に示したものと同様となるた
め、重複説明を避ける。そして、実施例の記録電流調整
用テープとは図17の調整用テープ4に相当し、記録電
流調整用テープ作成装置とは図17の調整用テープ作成
装置9に相当し、さらに記録電流調整方法としては以下
説明するように作成された調整用テープ4を用いた量産
機11の調整方法となる。
【0045】図1は調整用テープ作成装置9によって作
成される調整用テープ4を示すものである。調整用テー
プ作成装置9は22μm幅の記録ヘッドとしてA,Bチ
ャンネルの記録ヘッドHRA ,HRB を備えており、こ
の調整用テープ作成装置9はリファレンステープ3と同
レベルの記録レベルとなるように信号を記録した調整用
テープ4を作成する。作成される調整用テープ4に記録
される信号は基本的には前記図34に示したものと同様
になるが、この実施例では、A,B各チャンネルについ
てそれぞれ間引記録を行なうこととなる。
【0046】図1にトラックA1,B1,A2,B2,
A3,B3の6トラックを1周期として記録される調整
用テープ4を示し、また調整用テープ作成装置9におけ
るAチャンネルの記録ヘッドHRA の走査位置を実線
で、またBチャンネルの記録ヘッドHRB の走査位置を
破線で示す。一点鎖線で示すTCA1,TCB1,TCA2
TCB2,TCA3,TCB3は、それぞれトラックA1,B
1,A2,B2,A3,B3のトラックセンタを示して
いる。
【0047】22μm幅の記録ヘッドHRA ,HRB
図示する走査位置で記録走査を行ない、各記録ヘッドは
それぞれ前トラックの一部を上書きする形でオーバラッ
プしながら走査されることにより、各トラック幅は 9.1
μmに形成される。
【0048】ただし、本実施例ではこの6トラック周期
のうち、実際に信号を記録するのは図中トラックナンバ
を丸で囲ったトラックのみで、すなわちAチャンネルに
ついてはトラックA1のみ、またBチャンネルについて
はトラックB2のみとなり、B1,A2,A3,B3の
各トラックは記録を行なわない(これらのトラック走査
の際には記録電流は記録ヘッドHRA ,HRB に印加さ
れていない)。
【0049】つまり、トラックA1についてまず記録ヘ
ッドHRA によって22μm幅のトラックが記録され、
例えば図34のAチャンネルの信号が記録されるが、続
く記録ヘッドHRB によるトラックB1の走査及び記録
ヘッドHRA によるトラックA2の走査の際には、記録
はなされず、従ってトラックA1に対するオーバラップ
部分の消去も行なわれない。同様につづいて記録ヘッド
HRB によって22μm幅のトラックB2が記録され、
図34のBチャンネルの信号が記録されるが、A3,B
3トラックの走査の際には記録はなされず、従ってトラ
ックB2に対するオーバラップ部分の消去も行なわれな
い。
【0050】このため、調整用テープ4は図2のように
記録が行なわれることになる。図2において実際の 9.1
μmピッチのトラックは破線で示されるが、実際にはA
1,B2のトラックのみに22μm幅のまま信号が記録
されることになる。なお、トラック内の斜線はアジマス
方向を示している。以下各図についても同様である。ま
た、図2には示していないが、ATF信号についてはA
1〜B3の全トラックについて記録される。
【0051】このように記録された調整用テープは、ま
ずサブゴッド再生機8で再生されて、リファレンステー
プ3と記録レベルの比較が行われる。サブゴッド再生機
8の再生ヘッドHPは6μmの幅である。
【0052】リファレンステープ3は上述のとおり単一
の周波数パルスを片側チャンネル毎にいわゆるベタ記録
を行なっているもので、しかもトラックピッチは13.6μ
mとされている。例えばAチャンネル記録部分では図3
(a)に示すようにトラックが形成され、またBチャン
ネル記録部分では図3(b)のようにトラックが形成さ
れている。片チャンネル記録のため、実際のトラック幅
は22μmとなっている。なお、図3(a)(b)にお
いてTCA ,TCB はそれぞれAチャンネルとBチャン
ネルの再生ヘッドHPA ,HPB が走査を行なう際のト
ラックセンタを示す。
【0053】1.5MHz及び130KHzの信号が記録された調整
用テープ4に対してリファレンステープ3との記録レベ
ルの比較を行なうためにリファレンステープ3において
1.5MHz、130KHzの記録されたトラックが再生される。つ
まり、Aチャンネルについては図3(a)のようにAチ
ャンネルの再生ヘッドHPA が走査され、Bチャンネル
については図3(b)のようにBチャンネルの再生ヘッ
ドHPB が走査される。
【0054】一方、サブゴッド再生機8によって再生さ
れる調整用テープ4の状態は図4に示される。調整用テ
ープ4は全トラックについてATF信号が記録される
が、実際のレベル比較データは上記のように間引記録さ
れ、トラックA1,B2のみとされている。そして、ト
ラックピッチは 9.1μmとされているが、間引記録のた
めにトラックA1,B2の実際のトラック幅は22μm
のままとなる。
【0055】この調整用テープ4に対してサブゴッド再
生機8が再生ヘッドHPA でトラックA1,A2,A3
を走査を行ない、また再生ヘッドHPB がトラックB
1,B2,B3の走査を行なうことになるが、このとき
再生ヘッドHPA ,HPB は6μm幅であり、実際に信
号が記録されているトラックA1,B2の幅である22
μmより十分に狭いことになるため、記録時のトラック
幅の誤差等を考えても十分に正確に各トラックの再生レ
ベルを検出することができる。
【0056】なお、調整用テープ4のトラックピッチは
は 9.1μmであり、実際にトラックA1,B2のトラッ
クセンタは図中TCA1,TCB2で示す位置となる。再生
ヘッドHPA ,HPB の走査はこのトラックセンタTC
A1,TCB2を中心として実行してもほぼ問題はないが、
ここでは実際のトラック幅は22μmとなっているた
め、よりトラック中心を通す方が好ましい。このため、
調整用テープ4におけるATF信号の処理により、図中
TCA1N ,TCB2N で示す位置をトラックセンタとして
トラッキング調整をして再生走査を行なうようにしても
よい。
【0057】いま、TCA1N ,TCB2N をトラックセン
タとして用いる場合、再生ヘッド走査位置は、各トラッ
クに対応してA1ヘッド走査位置〜B3ヘッド走査位置
として図中に示す位置となる。ここで、黒ぬりで示した
走査が再生信号抽出のための有効走査となり、破線で示
す走査は無効走査となる。
【0058】サブゴッド再生機8でリファレンステープ
3及び調整用テープ4の再生を行なった際にスペクトラ
ムアナライザ13で検出される再生信号(ドラム回転数
2000rpm )は図5のようになる。つまり、リファレンス
テープ3の再生により図5(a)〜(d)に示すように
基準となる1.5MHzの信号の再生レベルと130KHzの再生レ
ベルがA,B各チャンネルについて測定される。
【0059】また調整用テープ4の再生により図5
(e)のようにA,Bチャンネルからの1.5MHzの信号の
再生レベルが得られ、また図5(f)のようにA,Bチ
ャンネルからの130KHzの信号の再生レベルが得られる。
なお、130KHzの信号の再生レベル検出の際には多少の逆
アジマストラックのクロストークがのってしまうため、
クロストークノイズが発生している。図5(g)はA,
B再生ヘッドのスイッチングパルスを示す。
【0060】このような再生信号に対してスペクトラム
アナライザ13は図5(i)に示すように表示領域を設
定し、A1トラックについて測定する場合は例えば図5
(h)のようにトリガパルス(立下りトリガ)を発生さ
せて信号レベルを検出する。このようにしてトラックA
1、B2の再生レベルによりサブゴッド再生機9及びス
ペクトラムアナライザ13により調整用テープ4がリフ
ァレンステープ3に対して比較され、ある程度の補正値
が設定されると、実際に調整用テープ4を用いて量産機
11の調整が行なわれる。
【0061】調整用テープ4を量産機11で再生する場
合の状態を図6に示す。量産機11の再生ヘッドは14
μmの幅とされ、この量産機11においてはATFサー
ボによりA1〜B3の各トラックの走査はそれぞれTC
A1〜TCB3のトラックセンタに沿って行なわれる。各ト
ラックA1,B1,A2,B2,A3,B3に対応する
再生ヘッドHPA ,HPB の位置を黒ぬり及び破線で示
す。ここで、黒ぬりのヘッド位置は、トラックA1又は
B2に対応する走査で、破線のヘッド位置は間引記録さ
れたトラックB1,A2,A3,B3に対応する走査を
示している。
【0062】調整用テープ4は上記のように間引記録さ
れ、トラックA1,B2のみが有効とされているため、
トラックピッチが 9.1μmであってしかも再生ヘッドH
A,HPB のヘッド幅が14μmであっても、図6の
トラックと再生ヘッドの位置関係から理解されるように
再生ヘッドはトラックセンタTCA1,TCB2の走査の際
に、同アジマス記録信号(隣々接トラックの信号)を拾
うことはない。また、この場合で、実際のトラック間に
は図示するような5.3μmのガードバンド部分が存在
するため、トラックセンタTCA1,TCB2を中心とした
走査の際に再生ヘッドHPA ,HPB は逆アジマス記録
信号部分(隣接トラック)にも達しない。従って、高密
度記録方式の量産機11により調整用テープ4の再生信
号を正確に抽出し、記録信号レベルを正確に測定するこ
とができる。
【0063】一方、自己録再テープ10にも、量産機1
1によって調整用テープ4と同様に1.5MHzと130KHzの信
号が間引記録され、図7に示すようなトラックが形成さ
れる(量産機11の記録ヘッド幅は22μm)。つま
り、トラックピッチは 9.1μmであるが実際の信号記録
幅は22μmとなる。この自己録再テープ10に対して
も同様に量産機11によって再生される。再生走査状態
は図7に示すとおりとなる。
【0064】量産機11で調整用テープ4及び自己録再
テープ10の再生を行なった際にスペクトラムアナライ
ザ12で検出される再生信号(ドラム回転数4000rpm )
は図8のようになる。つまり、調整用テープ4の再生に
より図8(a)(c)に示すように調整基準となる1.5M
Hzと130KHzの信号の再生レベルが得られ、また自己録再
テープ10の再生により図8(b)(d)に示すよう
に、1.5MHzと130KHzの再生レベルが測定される。
【0065】図8(e)はA,B再生ヘッドのスイッチ
ングパルス、図8(f)は記録/再生パルスであり、ま
た間引記録された調整用テープ4の再生及び同様に間引
記録及び再生を行なう自己録再テープ10に対応するた
めに図8(g)の間引用記録/再生パルスが用いられ
る。
【0066】図8(a)〜(d)のような再生信号に対
してスペクトラムアナライザ12は図8(i)に示すよ
うに表示領域を設定し、A1トラックについて測定する
場合は例えば図8(h)のようにトリガパルス(立下り
トリガ)を発生させて信号レベルを検出する。そして、
実際の調整作業は、スペクトラムアナライザ12の測定
値に基づいて量産機11の自己録再レベルが調整用テー
プ4による基準レベルに対して調整されるように、量産
機11の記録電流レベルを手動調整していくことにな
る。
【0067】即ち、まず図8(a)の調整用テープ4の
1.5MHzの再生信号レベルを基準信号レベルとして例えば
スペクトラムアナライザ12側で保持させ、つづいて自
己録再テープから再生される図8(b)の1.5MHzの再生
信号レベルをスペクトラムアナライザ12において確認
し、基準信号レベルと比較する。そして、これらが一致
するように量産機11に用意されている1.5MHz記録電流
レベルボリューム調整する。なお、この調整はもちろん
AチャンネルとBチャンネルでそれぞれ独立に行な、A
チャンネルについてはトラックA1の再生レベル、Bチ
ャンネルについてはトラックB2の再生レベルが用いら
れる。。1.5MHzでの記録電流調整が終了したら続いて13
0KHzについても同様の方法で、AチャンネルとBチャン
ネルについてそれぞれトラックA1、トラックB2の再
生レベルを用いて調整を行なう。以上の調整により、量
産機11の記録レベルは適正に調整されたことになる。
【0068】この調整の際には、上述したように、トラ
ックピッチが 9.1μmでしかも再生ヘッド幅が14μm
前後であっても、隣々接の同アジマス記録信号成分がク
ロストークノイズとして発生することはなく、正確な調
整作業を行なうことができる。なお、再生ヘッドは実際
にはヘッド幅よりも多少広い範囲で信号を拾ってしまう
が(いわゆる擬似ギャップ幅)、上記間引記録を行なう
ことにより、この擬似ギャップ幅による再生信号のピッ
クアップもほぼ解消され、より正確な記録レベル測定が
実現される。
【0069】次に、本発明の第2の実施例にかかる記録
電流調整用テープ、記録電流調整用テープ作成装置、及
び記録電流調整方法ついて図9〜図15及び図17を用
いて説明する。なお、この記録電流調整方法において使
用される調整用テープも、上述してきたようにゴッドテ
ープから作成されたリファレンステープに基づいて作成
されるものであり、リファレンステープまでの作成及び
調整用テープを用いた量産機の記録電流調整手順につい
ては、上記図17〜図20に示したものと同様となる。
【0070】図9は調整用テープ作成装置9によって作
成される調整用テープ4を示すものである。調整用テー
プ作成装置9は22μm幅の記録ヘッドとしてA,Bチ
ャンネルの記録ヘッドHRA ,HRB を備えており、こ
の調整用テープ作成装置9はリファレンステープ3と同
レベルの記録レベルとなるように信号を記録した調整用
テープ4を作成する。作成される調整用テープ4に記録
される信号は基本的には前記図34に示したものと同様
になるが、この実施例でも、A,B各チャンネルについ
てそれぞれ間引記録を行なうこととなる。
【0071】ところで、上記第1の実施例では6トラッ
クを1周期として間引記録を行なったが、DATシステ
ムにおけるATF記録パターン(ATFシンクパター
ン)は本来4トラック周期であり、これを6トラック周
期に対応させる場合、結局12トラック周期で記録を行
なわなければならない。このため調整用テープ作成装置
9による記録処理に負担がかかることが発生する(例え
ば4トラック周期のATFパターンをROM化して記憶
している記録装置であったら、これを12トラック周期
のATFパターンをROM化して記憶しておくようにR
OM容量の大幅な増大等の改造等が必要になる)。そこ
で、この第2の実施例ではATFパターンをより小さく
8トラック周期で完結するようにし、大幅な改造等を不
要とするものである。
【0072】図1に示すように調整用テープ4はトラッ
クA1,B1,A2,B2,A3,B3,A4,B4の
8トラックを1周期として記録されるようにする。この
図においては、調整用テープ作成装置9におけるAチャ
ンネルの記録ヘッドHRA の走査位置を実線で、またB
チャンネルの記録ヘッドHRB の走査位置を破線で示し
ている。一点鎖線で示すTCA1,TCB1,TCA2,TC
B2,TCA3,TCB3,TCA4,TCB4は、それぞれトラ
ックA1,B1,A2,B2,A3,B3,A4,B4
のトラックセンタを示している。
【0073】22μm幅の記録ヘッドHRA ,HRB
図示する走査位置で記録走査を行ない、各記録ヘッドは
それぞれ前トラックの一部を上書きする形でオーバラッ
プしながら走査されることにより、各トラック幅は 9.1
μmに形成される。
【0074】ただし、この第2の実施例ではこの8トラ
ック周期のうちで、実際に信号を記録するのはトラック
ナンバを丸で囲ったトラック、すなわちAチャンネルに
ついてはトラックA1のみ、またBチャンネルについて
はトラックB2のみとなり、B1,A2,A3,B3,
A4,B4の各トラックは記録を行なわない(これらの
トラック走査の際には記録電流は記録ヘッドHRA ,H
B に印加されていない)。
【0075】つまり、トラックA1についてまず記録ヘ
ッドHRA によって22μm幅のトラックが記録され、
例えば図34のAチャンネルの信号が記録されるが、続
く記録ヘッドHRB によるトラックB1の走査及び記録
ヘッドHRA によるトラックA2の走査の際には、記録
はなされず、従ってトラックA1に対するオーバラップ
部分の消去も行なわれない。同様につづいて記録ヘッド
HRB によって22μm幅のトラックB2が記録され、
図34のBチャンネルの信号が記録されるが、A3,B
3トラックの走査の際には記録はなされず、従ってトラ
ックB2に対するオーバラップ部分の消去も行なわれな
い。さらに、A4,B4の各トラックについても記録は
行なわない。
【0076】このため、調整用テープ4は図10のよう
に記録が行なわれることになる。図10において実際の
9.1μmピッチのトラックは破線で示されるが、実際に
はA1,B2のトラックのみに22μm幅のまま信号が
記録されることになる。なお、ATF信号については各
トラックについて記録される。
【0077】このように記録された調整用テープは、ま
ずサブゴッド再生機8で再生されて、リファレンステー
プ3と記録レベルの比較される。サブゴッド再生機8の
再生ヘッドHPは6μmの幅である。なお、リファレン
ステープ3の再生走査状態は上記第1の実施例の場合と
同様あり、図3(a)(b)において説明したとおりで
ある。
【0078】一方、サブゴッド再生機8によって再生さ
れる調整用テープ4の状態は図11に示される。調整用
テープ4は全トラックについてATF信号が記録される
が、実際のレベル比較データは上記のように間引記録さ
れ、トラックA1,B2のみとされている。そして、ト
ラックピッチは 9.1μmとされているが、間引記録のた
めにトラックA1,B2の実際のトラック幅は22μm
のままとなる。なお、調整用テープ4においては、第1
の実施例において測定箇所以外に記録していた1.5MHzの
信号を4.7MHzに変更している。
【0079】この調整用テープ4に対してサブゴッド再
生機8が再生ヘッドHPA でトラックA1,A2,A
3,A4の走査を行ない、また再生ヘッドHPB がトラ
ックB1,B2,B3,B4の走査を行なうことになる
が、このとき再生ヘッドHPA,HPB は6μm幅であ
り、実際に信号が記録されているトラックA1,B2の
22μmより十分に狭いことになるため、記録時のトラ
ック幅の誤差等を考えても十分に正確に各トラックの再
生レベルを検出することができる。
【0080】なお、この図においても、第1の実施例に
おける図4の場合と同様に、再生走査はトラックA1,
B2については図中TCA1N ,TCB2N で示す位置をト
ラックセンタとして行なうようにしており、このように
した場合の各トラックに対する走査位置を黒ぬり及び破
線で示している。
【0081】サブゴッド再生機8でリファレンステープ
3及び調整用テープ4の再生を行なった際にスペクトラ
ムアナライザ13で検出される再生信号(ドラム回転数
2000rpm )は図12のようになる。つまり、リファレン
ステープ3の再生により図12(a)〜(d)に示すよ
うに基準となる1.5MHzの信号の再生レベルと130KHzの再
生レベルがA,B各チャンネルについて測定される。
【0082】また調整用テープ4の再生により図12
(e)のようにA,Bチャンネルからの1.5MHzの信号の
再生レベルが得られ、また図5(f)のようにA,Bチ
ャンネルからの130KHzの信号の再生レベルが得られる。
なお、130KHzの信号の再生レベル検出の際には多少の逆
アジマストラックのクロストーク等がのってしまうた
め、クロストークノイズが発生している。図12(g)
はA,B再生ヘッドのスイッチングパルスを示す。
【0083】このような再生信号に対してスペクトラム
アナライザ13は図12(i)に示すように表示領域を
設定し、A1トラックについて測定する場合は例えば図
12(h)のようにトリガパルス(立下りトリガ)を発
生させて信号レベルを検出する。
【0084】このようにサブゴッド再生機9及びスペク
トラムアナライザ13により調整用テープ4がリファレ
ンステープ3に対して比較され、ある程度の補正値が設
定されると、実際に調整用テープ4を用いて量産機11
の調整が行なわれる。
【0085】調整用テープ4を量産機11で再生する場
合の状態を図13に示す。量産機11の再生ヘッドは1
4μmの幅とされ、この量産機11においてはATFサ
ーボによりA1〜B3の各トラックの走査はそれぞれT
A1〜TCB4のトラックセンタに沿って行なわれる。各
トラックA1,B1,A2,B2,A3,B3,A4,
B4に対応する再生ヘッドHPA ,HPB の位置を黒ぬ
り及び破線で示す。ここで、黒ぬりのヘッド位置は、ト
ラックA1又はB2に対応する走査で、破線のヘッド位
置は間引記録されたトラックB1,A2,A3,B3,
A4,B4に対応する走査を示している。
【0086】調整用テープ4は上記のように間引記録さ
れ、トラックA1,B2のみが有効とされているため、
トラックピッチが 9.1μmであってしかも再生ヘッドH
A,HPB のヘッド幅が14μmであっても、再生ヘ
ッドはトラックセンタTCA1,TCB2の走査の際に、同
アジマス記録信号を拾うことはなく、また、この場合
で、トラックセンタTCA1,TCB2の走査の際に再生ヘ
ッドHPA ,HPB は逆アジマス記録信号部分にも達し
ないことは上記第1の実施例と同様である。従って、高
密度記録方式の量産機11により調整用テープ4の再生
信号を正確に抽出し、記録信号レベルを正確に測定する
ことができる。
【0087】一方、自己録再テープ10にも、量産機1
1によって調整用テープ4と同様に1.5MHzと130KHzの信
号が間引記録され、図14に示すようなトラックが形成
される(量産機11の記録ヘッド幅は22μm)。つま
り、トラックピッチは 9.1μmであるが実際の信号記録
幅は22μmとなる。この自己録再テープ10に対して
も同様に量産機11によって再生される。再生走査状態
は図14に示すとおりとなる。
【0088】量産機11で調整用テープ4及び自己録再
テープ10の再生を行なった際にスペクトラムアナライ
ザ12で検出される再生信号(ドラム回転数4000rpm )
は図15のようになる。つまり、調整用テープ4の再生
により図15(a)(c)に示すように調整基準となる
1.5MHzと130KHzの信号の再生レベルが得られ、また自己
録再テープ10の再生により図15(b)(d)に示す
ように、1.5MHzと130KHzの再生レベルが測定される。
【0089】なお、図15(e)(f)(g)及び
(j)は自己録再テープ10に対して同時録再を行なう
ための制御信号を示しており、図15(a)はA,B録
再ヘッドのスイッチングパルス、図15(f)は記録コ
ントロールパルス、図15(g)は間引コントロールパ
ルス、図15(j)は間引記録パルスを示す。
【0090】即ち、回転ヘッドドラム径が30mmであ
ってテープラップ角が90°の方式のレコーダ(量産機
11)の場合、記録/再生はそれぞれスイッチングパル
スの半分の周期で実行でき、この場合、A,B各チャン
ネルのヘッドに対しては、記録コントロールパルスのH
期間に記録を行なうようにすることができる。
【0091】そこで、スイッチングパルス等を分周して
トラックA1,B2に対応してHレベルとなる間引用コ
ントロールパルスを生成し、この間引用コントロールパ
ルスと記録コントロールパルスのアンドをとることによ
り、図15(j)の間引用記録パルスを得ることができ
る。そして、この間引用記録パルスを用いて記録を行な
いながら、同時再生を行ない、スペクトラムアナライザ
12で記録レベルを検出するようにしている。
【0092】図15(a)〜(d)のような再生信号に
対してスペクトラムアナライザ12は図15(i)に示
すように表示領域を設定し、例えばA1トラックについ
て測定する場合は例えば図15(h)のようにトリガパ
ルス(立下りトリガ)を発生させて信号レベルを検出す
る。そして、実際の調整作業は、スペクトラムアナライ
ザ12の測定値に基づいて量産機11の自己録再レベル
が調整用テープ4による基準レベルに対して調整される
ように、量産機11の記録電流レベルを手動調整してい
くことになる。
【0093】実際の調整手順は第1の実施例と同様に、
AチャンネルについてトラックA1の再生レベルを用い
た1.5MHzの記録レベル調整、Bチャンネルについてトラ
ックB2の再生レベルを用いた1.5MHzの記録レベル調
整、AチャンネルについてトラックA1の再生レベルを
用いた130KHzの記録レベル調整、Bチャンネルについて
トラックB2の再生レベルを用いた130KHzの記録レベル
調整を順次実行する。
【0094】もちろんこの調整の際には、第1の実施例
と同様に、トラックピッチが 9.1μmでしかも再生ヘッ
ド幅が14μm前後であっても、隣々接の同アジマス記
録信号成分がクロストークノイズとして発生することは
なく、正確な調整作業を行なうことができる、また擬似
ギャップ幅による再生信号もピックアップもほぼ解消さ
れる。そして、この第2の実施例では8トラック周期で
間引記録を行なうようにしているため、必要なATFパ
ターンとの兼ね合いが取りやすく、実現容易性が向上す
るという利点が得られる。
【0095】なお、以上第1、第2の実施例について説
明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、要旨の範囲内で各種変更が可能である。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、記録電
流調整用テープとしては、第1から第nのトラックを1
周期とし、この1周期におけるA,B各チャンネルにつ
いてそれぞれn/2トラック形成されるトラックのう
ち、それぞれ特定の1のトラックのみに所定の信号が記
録され、他のトラックには信号記録が行なわれていない
ようになされて形成するというように、いわゆる間引記
録を行なうようにすることで、実際に記録電流調整用テ
ープに形成されるトラック(信号記録領域)は記録ヘッ
ド幅に対応したトラック幅を残すことができ、トラック
ピッチが狭く設定された際も、そのトラックピッチに関
わらず広い幅のトラックから信号を再生することができ
る。また、隣接の逆アジマストラックや隣々接の同アジ
マストラックによるオーバラップ部分を解消することが
でき、再生時においてこれらのクロストークの影響を無
くし、記録レベル調整のための基準レベルを厳密に管理
することができる。
【0097】これらのことから、調整時の記録電流レベ
ルの基準値として、記録電流調整用テープから厳密に管
理された値を提供することができ、調整記録レベルの精
度を大幅に向上させることができるという効果がある。
特に高密度記録により狭トラックピッチ化された際に有
効である。また、このように記録レベルの基準値の管理
が容易となることから記録電流調整用テープの製造工程
の効率化、コストダウンが実現されるとともに、実際に
記録電流調整用テープを用いた調整工程の効率化が実現
されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の調整用テープ作成の説
明図である。
【図2】第1の実施例の調整用テープの説明図である。
【図3】実施例においてリファレンステープをサブゴッ
ド再生機で再生する動作の説明図である。
【図4】第1の実施例において調整用テープをサブゴッ
ド再生機で再生する動作の説明図である。
【図5】第1の実施例において調整用テープとリファレ
ンステープがサブゴッド再生機で再生された際の再生信
号の説明図である。
【図6】第1の実施例において調整用テープを量産機で
再生する動作の説明図である。
【図7】第1の実施例において自己録再テープを量産機
で再生する動作の説明図である。
【図8】第1の実施例において調整用テープと自己録再
テープが量産機で再生された際の再生信号の説明図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施例の調整用テープ作成の説
明図である。
【図10】第2の実施例の調整用テープの説明図であ
る。
【図11】第2の実施例において調整用テープをサブゴ
ッド再生機で再生する動作の説明図である。
【図12】第2の実施例において調整用テープとリファ
レンステープがサブゴッド再生機で再生された際の再生
信号の説明図である。
【図13】第2の実施例において調整用テープを量産機
で再生する動作の説明図である。
【図14】第2の実施例において自己録再テープを量産
機で再生する動作の説明図である。
【図15】第2の実施例において調整用テープと自己録
再テープが量産機で再生された際の再生信号の説明図で
ある。
【図16】DATシステムの記録レベル設定の説明図で
ある。
【図17】記録レベル調整方式の説明図である。
【図18】記録レベル調整方式におけるゴッドテープ、
サブゴッドテープ、リファレンステープの記録状態の説
明図である。
【図19】記録レベル調整方式におけるゴッドテープ、
サブゴッドテープ、リファレンステープの記録トラック
の説明図である。
【図20】記録レベル調整方式におけるゴッドテープ、
サブゴッドテープ、リファレンステープの記録信号の説
明図である。
【図21】トラックピッチ13.6μmの調整用テープ作成
の説明図である。
【図22】トラックピッチ13.6μmの調整用テープの記
録信号の説明図である。
【図23】トラックピッチ13.6μmの調整用テープをサ
ブゴッド再生機で再生する動作の説明図である。
【図24】トラックピッチ13.6μmの調整用テープを量
産機で再生する動作の説明図である。
【図25】自己録再テープを量産機で再生する動作の説
明図である。
【図26】同アジマストラックのクロストークの影響が
無い場合の説明図である。
【図27】トラックピッチ13.6μmの調整用テープを量
産機で再生する動作の説明図である。
【図28】自己録再テープを量産機で再生する動作の説
明図である。
【図29】同アジマストラックのクロストークの影響が
無い場合の説明図である。
【図30】トラックピッチを 9.1μmとしたゴッドテー
プ、サブゴッドテープ、リファレンステープの記録状態
の説明図である。
【図31】トラックピッチを 9.1μmとしたゴッドテー
プ、サブゴッドテープ、リファレンステープの記録トラ
ックの説明図である。
【図32】トラックピッチ 9.1μmの調整用テープ作成
の説明図である。
【図33】トラックピッチ 9.1μmの調整用テープをサ
ブゴッド再生機で再生する動作の説明図である。
【図34】トラックピッチ 9.1μmの調整用テープの記
録信号の説明図である。
【図35】トラックピッチ 9.1μmの調整用テープを量
産機で再生する動作の説明図である。
【図36】同アジマストラックのクロストークの影響が
発生する場合の説明図である。
【符号の説明】
1 ゴッドテープ 2 サブゴッドテープ 3 リファレンステープ 4 調整用テープ 5 ゴッド記録機 6 ゴッド再生機 7,12,13 スペクトラムアナライザ 8 サブゴッド再生機 9 調整用テープ作成機 10 自己録再テープ 11 量産機 A1,A2,A3,A4 Aチャンネルトラック B1,B2,B3,B4 Bチャンネルトラック HP,HPA ,HPB 再生ヘッド HR,HRA ,HRB 記録ヘッド TC,TCA ,TCB ,TCA1〜TCA4,TCB1〜TC
B4 トラックセンタ
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】ゴッドテープ1はゴッド記録機5によって
片チャンネル毎にトラック内を単一周波数パルスで埋め
尽くす、片ch単周波記録が行なわれて作成される。
た、CTLサーボによる再生を行うため、CTL信号が
全テープ長に記録されている。記録される周波数は図2
0に時間軸上に対応して示されるように、まず0〜60
秒の間にAチャンネルに1.57MHz の信号、つづいて12
0秒迄Bチャンネルに1.57MHz の信号が記録された後、
120〜660秒の間に、Aチャンネル、即ちAヘッド
による走査トラックにおいて、90秒単位で130KHz,52
2KHz,784KHz,1.57MHz ,2.4MHz,4.7MHzが記録され、
つづいて660〜1200秒の間に、Bチャンネル、即
ちBヘッドによる走査トラックにおいて、90秒単位で
130KHz,522KHz,784KHz,1.57MHz ,2.4MHz,4.7MHzが
記録される。以上の20分の信号が、ゴッドテープ1に
おいては22μmの記録ヘッドによりトラックピッチT
P=13.6μmで片チャンネル毎に記録されることにな
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】例えば、Aチャンネルに90秒単位で各周
波数を片ch単周波記録していく部分では、図18に示
すように、22μmのA,B各チャンネルの記録ヘッド
HRA ,HRB がトラックピッチTP=13.6μmで走査
されていくが(実線がAチャンネルの記録ヘッド及びト
ラック、破線がBチャンネルの記録ヘッド及びトラック
を示す)、Aチャンネルのみに記録信号が与えられ、記
録電流が印加されることにより、図19のように22μ
mのトラック幅でヘリカルスキャン方式のAチャンネル
トラックが形成されていく(つまり、Bチャンネルの記
録ヘッドHRB による記録は行なわれないため、Bチャ
ンネルトラック部分にもAチャンネルトラックの記録信
号がそのまま残される)。このように片チャンネルずつ
記録されるのは隣接トラックからのクロストークを解消
し、厳密な記録レベル管理を行なうためである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】ところで、リファレンステープ3まではい
わゆる片ch単周波記録であり、ATF信号も記録され
ていないため量産用の記録装置11ではトラッキングを
取ることができない(ゴッド再生機6、サブゴッド再生
機8ではCTL再生を行ない、トラッキングは出力が最
大となるポイントに調整して行なっている)。そこで、
実際の調整作業において基準テープとして用いるため
に、リファレンステープ3の記録レベルに合わせて(で
きるだけ同一の記録レベルとなるように管理されて)調
整用テープ作成機9により調整用テープ4が作成され
る。調整用テープ作成機9は22μmの記録ヘッドで、
トラックピッチTP=13.6μmの両チャンネル記録がな
されて調整用テープ4を作成する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】そこで、まず同様にゴッドテープ1〜リフ
ァレンステープ3を作成することになるが、上記同様に
ゴッドテープ1はゴッド記録機5によって片チャンネル
毎にトラック内を単一周波数パルスで埋め尽くす、いわ
ゆる片ch単周波記録が行なわれて作成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】ところが、実際に調整に用いる調整用テー
プ4については、量産機11のトラックピッチに従う必
要があるため、リファレンステープ3の記録レベルに基
づいて、トラックピッチTP= 9.1μmで両チャンネル
記録のなされた調整用テープ4が調整用テープ作成機9
より作成されることになる。即ち調整用テープ4は図3
2のようにAチャンネルの記録ヘッドHRA とBチャン
ネルの記録ヘッドHRB がそれぞれ前方隣接トラックの
一部を消しながら 9.1μmピッチのトラックを記録して
いくことになる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】このため、調整用テープ4は図2のように
記録が行なわれることになる。図2において実際の 9.1
μmピッチのトラックは破線で示されるが、実際にはA
1,B2のトラックのみに22μm幅のまま信号が記録
されることになる。なお、トラック内の斜線はアジマス
方向を示している。以下各図についても同様である。
また、図2には示していないが、ATF信号については
A1〜B3の全トラックについて記録される。CTL信
号も全テープ長に記録されている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】リファレンステープ3は上述のとおり単一
の周波数パルスを片側チャンネル毎にいわゆる片ch単
周波記録を行なっているもので、しかもトラックピッチ
は13.6μmとされている。例えばAチャンネル記録部分
では図3(a)に示すようにトラックが形成され、また
Bチャンネル記録部分では図3(b)のようにトラック
が形成されている。片チャンネル記録のため、実際のト
ラック幅は22μmとなっている。なお、図3(a)
(b)においてTCA ,TCB はそれぞれAチャンネル
とBチャンネルの再生ヘッドHPA ,HPB が走査を行
なう際のトラックセンタを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ヘッドドラムに搭載されたAチャン
    ネル記録ヘッドとBチャンネル記録ヘッドにより磁気テ
    ープにヘリカルスキャン方式でデータ記録を行なう記録
    装置に対して、その記録電流レベル調整のための基準レ
    ベルによる所定の信号が記録された記録電流調整用テー
    プとして、 第1から第nのトラックを1周期とし、この1周期にお
    けるA,B各チャンネルについてそれぞれn/2トラッ
    クづつ形成されるトラックのうち、それぞれ特定の1の
    トラックのみに所定の信号が記録され、他のトラックに
    は信号記録が行なわれていないようになされて形成され
    ていることを特徴とする記録電流調整用テープ。
  2. 【請求項2】 回転ヘッドドラムに搭載されたAチャン
    ネル記録ヘッドとBチャンネル記録ヘッドにより磁気テ
    ープにヘリカルスキャン方式でデータ記録を行なう記録
    装置に対して、その記録電流レベル調整のための基準レ
    ベルによる所定の信号が記録された記録電流調整用テー
    プを生成する記録電流調整用テープ作成装置として、 記録電流調整用テープとなるテープ状記録媒体に対して
    A,B各チャンネルに対応するトラックを交互に走査し
    てトラックを形成していく際に、第1から第nのトラッ
    クを1周期とし、この1周期におけるA,B各チャンネ
    ルについてそれぞれn/2トラックづつ形成されるトラ
    ックのうち、それぞれ特定の1のトラックのみに所定の
    信号を記録し、他のトラックには信号記録を行なわない
    ようにして記録電流調整用テープを形成することができ
    るように構成されていることを特徴とする記録電流調整
    用テープ作成装置。
  3. 【請求項3】 回転ヘッドドラムに搭載されたAチャン
    ネル記録ヘッドとBチャンネル記録ヘッドにより磁気テ
    ープにヘリカルスキャン方式でデータ記録を行なう記録
    装置に対して、次の(a)〜(c)の手順で実行される
    記録電流レベル調整方法。 (a)第1から第nのトラックを1周期とし、この1周
    期におけるA,B各チャンネルについてそれぞれn/2
    トラックづつ形成されるトラックのうち、それぞれ特定
    の1のトラックのみに基準レベルによる所定の信号が記
    録され、他のトラックには信号記録が行なわれていない
    ようになされて形成されている記録電流調整用テープを
    調整対象記録装置で再生して、基準となる記録電流レベ
    ルを測定する。 (b)調整対象記録装置で前記記録電流調整用テープと
    同一の信号を所定のテープに対して記録及び再生を行な
    い、その再生信号から調整対象記録装置における記録電
    流レベルを測定する。 (c)測定された調整対象記録装置における記録電流レ
    ベルが、記録電流調整用テープを調整対象記録装置で再
    生して得られた基準となる記録電流レベルと一致するよ
    うに調整対象記録装置における記録電流レベルを可変調
    整する。
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