JPH0631331A - 形鋼の冷却方法とその装置 - Google Patents

形鋼の冷却方法とその装置

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JPH0631331A
JPH0631331A JP4186849A JP18684992A JPH0631331A JP H0631331 A JPH0631331 A JP H0631331A JP 4186849 A JP4186849 A JP 4186849A JP 18684992 A JP18684992 A JP 18684992A JP H0631331 A JPH0631331 A JP H0631331A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高温搬送中の形鋼を冷却水の噴射により冷却
するに当り、フランジ内面とフランジ外面とを水冷し、
かつ、フランジ内面水冷によるウェブ温度降下分を加味
して上記水冷条件を決定する。 【効果】 水冷終了時点での形鋼断面内温度分布を一様
にでき、特に水冷終了時点での仕上げ温度がより低温側
までフランジ内面とフランジ外面との温度差を小さくで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、形鋼たとえば熱間圧
延によって製造されるH形鋼などの冷却に関するもの
で、ウェブ波、フランジ反りなどの形状不良発生の防止
がウェブ薄肉化にも対応でき、さらにはTMCP(Ther
mo-Mechnical Control Process) への適用にも有利な形
鋼の冷却方法及び装置を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでのH形鋼の冷却はウェブ波の発
生防止を主目的として、フランジ外面を冷却する方法が
一般的であり、たとえば特開昭60−221524号公報のH形
鋼のフランジ冷却装置に、フランジ冷却用ノズルを用い
てフランジ外面を水冷する手段が提案開示されている。
【0003】また、H形鋼の曲がり防止を主眼におい
て、下フランジ内面を冷却水の噴射により水冷する手段
が特開昭52−104451号公報のH形鋼の冷却装置に提案開
示されている。
【0004】一方、鉄鋼協会講演概要集 VoL 73 No4 8
7 −S290 に開示されてる「熱変形モデルの作成と形鋼
への適用」によれば、フランジ反り、直角度がフランジ
上下面(外内面)冷却によって改善、コントロールでき
ることが示されている。
【0005】しかし、その冷却条件はその上面水冷が 3
00l/m2・min の水量密度と比較的少なく、水冷停止温度
がMS点温度近くであればフランジ内外面の温度差は 7
0 〜80℃と推定できる。
【0006】また、当然のことながら、フランジ内外面
の冷却水噴射の水量密度差を小さくすればフランジ板厚
方向の温度差は小さくなり、フランジ反りは必然的に小
さくなることがわかるが、フランジ反りの発生限界とな
るフランジ内面と外面との温度差に関する考慮はなされ
ていない。さらに上記実験はフランジを水平にした姿勢
でのもので、圧延前後のH形鋼のようにウェブを水平に
した姿勢の場合に必然的に生じる内面冷却水の流下によ
るウェブ温度の降下については何ら触れられていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】H形鋼では、ウェブの
薄肉化、フランジ板厚増加にともない、フランジとウェ
ブの温度差が冷却中に大きくなり、この温度差によって
生じる残留応力が限界を超えるとウェブ部にウェブ波と
称する座屈を生じる。そのため前記したようにフランジ
外面からの冷却を強化し、フランジとウェブとの温度差
の減少を狙っているが、片面冷却であるために、フラン
ジ板厚方向の温度差、すなわちフランジ内面と外面との
温度差が大きくなり、この温度差によって生じる応力が
限界を超えると、常温に冷却後フランジとウェブの接合
部からフランジがウェブ側に折れ曲がる(フランジ内面
温度の方が高い場合)フランジ反りと称する形状不良が
発生する。
【0008】なお、ウェブを水平とする姿勢のH形鋼
で、上下フランジ、左右フランジで各々のフランジ内外
面温度が異なると、上下、左右フランジでそれぞれ折れ
曲がりの形状が異なったものとなったり、直角度不良が
生じたりする。
【0009】ここに、図1にH形鋼のフランジ反りの説
明図、図2にH形鋼の直角度の説明図を示す。図1にお
いて、(a) はフランジ外面側に曲がってフランジ反りが
生じた場合、(b) はウェブ側に曲がってフランジ反りが
生じた場合を示す。フランジ反り量は図1に示すV又は
R(R1 ,R2 )であらわし、直角度は図2に示すTで
あらわす。なお、これらの図において11A はウェブ、11
B はフランジである。
【0010】上記した形状不良の発生を防止するため、
粗圧延、仕上圧延のHロール角度(抜き勾配)をかえた
り、曲がりを防止することを主眼とする前記した下フラ
ンジ内側だけを水冷する手段で一部効果が見られるもの
の不十分であり、矯正機によって修正しているのが現状
である。
【0011】ここで、前記特開昭52−104451号公報で
は、フランジ内面水冷がフランジ下部に限られている
が、これは、上部フランジ内面を水冷した場合には冷却
水がH形鋼ではウェブ面に乗ってしまうために、ウェブ
面が冷却され、残留応力軽減のためフランジとウェブの
温度差を小さくすることが重要であるにもかかわらず、
逆の結果を生じることを懸念したためである。
【0012】したがって、この発明は、上記した問題点
を有利に解決し、薄肉ウェブの場合、フランジ板厚が厚
い場合及び水冷終了時点での目標仕上げ温度を低くする
場合などでも、フランジ水冷による温度コントロールを
好適に行って、ウェブ波はもちろんのこと、フランジ反
り及び直角度不良などが発生することのない形状の良好
なH形鋼が得られる冷却方法とその装置を提案すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、フランジ外
面を水冷する場合に、フランジ外面と空冷となるフラン
ジ内面の温度差に着目し、フランジ板厚との関係からフ
ランジ反りが発生することのない許容温度を導出し、ウ
ェブ面を挟むフランジ両内面への水冷を加えた上記温度
のコントロールを行うことにより、フランジ反りのない
形状の良好なH形鋼が得られる水冷条件を見出したこと
によるものである。
【0014】すなわち、この発明の要旨は、ウェブとこ
れを挟む一対のフランジを有する高温搬送下の形鋼を冷
却水の噴射により冷却するに当り、フランジ内面及びフ
ランジ外面を水冷してフランジ内外面の温度差を小さく
するとともに、フランジ内面への冷却水の噴射供給量に
よって定まるウェブの温度降下分を加味したウェブとフ
ランジとの平均温度差を所定の温度差とするフランジ外
面の冷却水噴射の供給水量を取込んで水冷条件を決定す
ることにより、ウェブ波ならびにフランジ反り及び直角
度不良の発生を防止することを特徴とする形鋼の冷却方
法であり、
【0015】上記の形鋼の冷却方法において、形鋼のサ
イズごとに、フランジ反りが発生しない限界応力値又は
水冷終了時点でのフランジ内面とフランジ外面との温度
差、ならびにウェブ波が生じない限界残留応力値又は水
冷終了時点でのウェブとフランジとの平均温度差をあら
かじめ定め、フランジ内面及びフランジ外面ごとに冷却
水噴射の供給水量を調整して、上記のあらかじめ定めた
値以下とする水冷条件を決定すること特徴とする形鋼の
冷却方法であり、
【0016】ウェブとこれを挟む一対のフランジを有
し、ウェブを水平に維持する搬送下の高温形鋼を冷却水
の噴射により冷却するに当り、昇降機能を有する複数の
冷却水ノズルをウェブの上下で互いに向い合うフランジ
内面及びフランジ外面に対向してフランジ幅方向には多
段配置し、形鋼の送り方向には多連配置した1基以上の
冷却バンクからなる冷却ゾーンを形鋼の送り方向に沿っ
て複数基配設し、フランジ内面及びフランジ外面の温度
分布ならびにウェブ平均温度にもとづいて、各冷却ゾー
ン及び各冷却バンクならびにウェブの上下で互に向い合
うフランジ内面及びフランジ外面にて、それぞれ冷却水
ノズルを昇降調整し冷却水ノズルの配置段ごとに冷却水
の選択噴射を行うことを特徴とするH形鋼の冷却方法で
あり、
【0017】さらに、ウェブとこれを挟む一対のフラン
ジを有し、ウェブを水平に維持する搬送下の高温形鋼を
冷却水の噴射により冷却する装置であって、ウェブの上
下で互いに向い合うフランジ内面及びフランジ外面に対
し、それぞれ冷却水の噴射ができる複数の冷却水ノズル
を有する1基以上の冷却バンクからなる冷却ゾーンを、
圧延機の入側及び出側に形鋼の送り方向に沿って複数基
配設して成る形鋼の冷却装置である。
【0018】
【作用】この発明は、フランジ板厚ごとにフランジ反り
が発生することのないフランジ外面と内面との温度差に
するために、水平に維持されるウェブの上下で互に向い
合うフランジ内面及びフランジ外面とを水冷し、フラン
ジ内面を水冷することによるウェブ温度の降下を推定し
て、フランジ内面及びフランジ外面の水冷条件をそれぞ
れ設定することを主要件とするものであり、かくするこ
とにより、薄肉ウェブの場合、フランジ板厚が厚い場
合、水冷終了時点の仕上げ温度を低くする場合などでも
形鋼断面内温度分布を一様にし、特にフランジ反りのな
い形状の良好なH形鋼を得るものである。
【0019】以下、実験例及び検討結果について述べ
る。H形鋼のサイズ 500×200 にてフランジ反りと、フ
ランジの内面と外面との温度差の関係を調査した。この
結果フランジ厚:16mm以上では、上記温度差が150℃を
超えるとフランジ反りが大きくなることが判明した。ま
た、温度、形状、変形プログラムでフランジ反りの発生
しない塑性変形限界応力を計算すると、フランジ内面と
外面の温度差によって生じる塑性変形限界応力は5〜8
Kgf/mm2 であることが判明した。
【0020】ここに、塑性変形限界応力を 5.6Kgf/mm2
とし、片面水冷(フランジ外面水冷)としたときのフラ
ンジ板厚とフランジ反りの発生しない変形限界冷却能力
(熱伝達率α)との関係の計算結果を図3に示す。な
お、この図にはオフラインでの実験結果による変形限界
冷却能力も併記した。
【0021】図3から明らかなようにフランジ板厚が厚
くなるにしたがい変形限界冷却能力は低下している。す
なわち、フランジ外面水冷のみでフランジ反りを発生さ
せないように冷却するためには、フランジ板厚が厚くな
るにしたがい冷却水の噴射量を減少させて冷却能力を低
下させなければならなく、十分な冷却を行うことができ
なくなり、水冷終了時点での目標温度を低く設定する場
合、ウェブの薄肉化を推進する場合などには適用できな
くなる。
【0022】したがって、フランジ内面と外面との温度
をコントロールするためには、フランジ外面の水冷に加
えて内面の水冷を組合せることが重要になり、かくする
ことにより温度の均一化、フランジ反りのコントロール
か容易になり、かつ水冷後の目標温度を低く設定するこ
とができ、広範囲な目標温度設定を行うことができるよ
うになる。
【0023】このようなことから、水平に維持されるウ
ェブの上下で互いに向い合うフランジ内面及びフランジ
外面を水冷するにあたり、一例として既設のH形鋼圧延
ラインを考慮したシミュレーションモデルにて、ウェブ
に発生する残留応力を小さくし、フランジ反り及び直角
度を小さくする水冷条件を検討し、水冷ゾーンの設備配
列を定めた。
【0024】図4に上記による圧延ラインと水冷ゾーン
の配列の説明図を示す。なお、図中U1 は粗圧延機、E
1 はエッジャー、UF は仕上げ機であり、1-1, 1-2, 1-
3 は冷却ゾーン1、3-1, 3-2は冷却ゾーン3及び 4-1,
4-2 は冷却ゾーン4のそれぞれのバンクである。そし
て、粗圧延機U1 からエッジャーE1 を経た形鋼は冷却
ゾーン1、空冷区間(図示省略)及び冷却ゾーン3によ
り冷却されたのち、仕上げ圧延機UF による圧延を経て
冷却ゾーン4で最終の水冷が行なわれる。
【0025】この図において、冷却ゾーン1ではフラン
ジ外面水冷のみとし、冷却ゾーン1と3との空冷区間で
の水冷面の復熱過程によるフランジ板厚方向の温度移動
を考慮し、冷却ゾーン3と冷却ゾーン4のそれぞれ入側
及び出側の温度分布からフランジ内面位置ごとの噴射供
給水量を決定し、その噴射供給水量によるウェブの温度
降下と、フランジとウェブの温度差を所定の値にするた
めのフランジ外面の噴射供給水量を取り込んで水冷条件
を計算する方式とした。また、当然のことながら、上記
計算精度を上げるため各水冷ゾーン出側に走査型の温度
計が設置され温度学習ができるようになっている。
【0026】なお、水冷ゾーン3及び4では冷却水の噴
射をフランジ内面及びフランジ外面に行うものでありバ
ンク毎に内外面同時あるいは内面又は外面に対する選択
噴射ができる。また、図においては2バンクとしいる
が、バンク数を増加する方が水冷パターンの選択の自由
度が増すことはいうに及ばない。
【0027】つぎに、水冷条件を決定するための計算ロ
ジックを図5にもとづいて説明する。図5は水冷条件を
決定するための計算ロジックの説明図である。
【0028】この図において、まず形鋼のサイズ、水冷
前のフランジ温度分布及びウェブ温度分布と、あらかじ
め定める目標仕上げ温度(水冷終了時点でのフランジと
ウェブの平均温度)とからフランジ外面の水冷条件の仮
決定を行う。この水冷条件の仮決定で、形鋼の搬送速度
によって、使用冷却ゾーン、使用バンク、使用ノズルの
配置段、噴射供給水量などがあらかじめ定められる。
【0029】この仮決定した水冷条件で水冷して得られ
た形鋼の水冷終了時点でのフランジ内面と外面の温度差
が 120℃、又は常温に冷却された後のフランジ面応力が
5.6Kgf/mm2 以下で、かつ、仕上げ温度が目標値を満足
するものであれば、仮決定した水冷条件がそのまま実際
の水冷条件として決定される。
【0030】しかしながら、薄肉ウェブの場合、フラン
ジ板厚が厚い場合、ならびに、水冷終了時点の目標仕上
げ温度が低い場合などには、フランジ外面と内面の温度
差又はフランジ面応力が上記値を超えたものとなる。こ
の場合には、この発明の特徴であるフランジ内面水冷を
組合せることが必要になり、計算によりそのフランジ内
面水冷条件を定めて上記仮決定の水冷条件(フランジ外
面水冷)に加えて水冷する。
【0031】このフランジ内面水冷を組合せた水冷によ
り得られた形鋼について、フランジ外面と内面との温度
差又はフランジ面応力が上記値以下で、かつ、仕上げ温
度が目標値を満足するものであれば、上記条件が実際の
水冷条件として決定される。
【0032】また、仕上げ温度が目標値を満足しない場
合は仮決定の水冷条件を見直し修正して上記と同様の操
作を行う。これらは最適水冷条件を見出すまで繰り返し
行う。
【0033】以上のようにして決定された水冷条件を用
いて冷却することにより、ウェブ波、フランジ反り直角
度不良などのない良好な形状の形鋼が得られる。
【0034】
【実施例】
実施例1 この発明に適合する冷却バンクについて述べる。図6は
この発明に適合する冷却バンクの説明図である。以下こ
の図にもとづいて説明する。なお、冷却バンクは両フラ
ンジに面して取付けるものであるが図6は片側のみを示
した。
【0035】形鋼11のフランジ内面を水冷するノズル
は、上内面水冷ノズル26-1及び下内面水冷ノズル26-2か
らなり、これらはフランジ幅方向には2段、形鋼11の送
り方向には複数連配置され、ノズルの配置段ごとにそれ
ぞれのノズル用ホース16を介してそれぞれの内面ノズル
ヘッダー28に連結されていて、各ノズルの配置段ごとに
冷却水の噴射又は停止ができるようになっている。な
お、上記配置段数はフランジ幅に応じてその数を変えて
もよい。
【0036】上記上内面水冷ノズル26-1は、内面ノズル
リフトレバー25、内面ノズル下部昇降ビーム23、上内面
ノズルガイド用台車20、上内面ノズルサポート30を介し
て取付けられ、リフトレバー25に連結する内面ノズル昇
降モータ24の駆動により昇降できるようになっている。
さらに、上内面水冷ノズル26-1は、下内面水冷ノズル26
-2との間隔を調整できるように上内面ノズルサポート30
に取付けた上内面ノズル昇降モータ29によっても昇降で
きるようになっている。
【0037】また、下内面水冷ノズル 26-2 はリフトレ
バー25、内面ノズル下部昇降ビーム23、下内面ノズルガ
イド用台車21を介して取付けられ、リフトレバー25に連
結する内面ノズル昇降モータ24の駆動で昇降するように
なっている。したがって、上内面水冷ノズル26-1及び下
内面水冷ノズル26-2は内面ノズル昇降モータ24の駆動に
より、同時に同様の昇降が行われる。
【0038】つぎに、フランジの外面水冷ノズル13は、
フランジ幅方向には3段、形鋼11の送り方向には複数連
配置され、ノズルの配置段ごとにそれぞれのノズル用ホ
ース16を介してそれぞれの外面ノズルヘッダー15に連結
され、上記内面の場合と同様に各ノズルの配置段ごとに
冷却水の噴射又は停止ができるようになっている。な
お、上記ノズルの配置段数はフランジ幅に応じてその数
を変更してもよい。
【0039】この外面水冷ノズル13は、外面ノズル用積
載ガイド12にもうけた外面ノズル取付けサポート昇降用
モータ17に連結した外面ノズル取付けサポート14に取付
けられ昇降自在になっている。
【0040】一方、上内面ノズルガイド用台車20と下内
面ノズルガイド用台車21とは台車連結軸22で連結されて
いる。さらに、上内面ノズルガイド用台車20には内外面
ノズルガイド連結ブロック19をもうけ、外面ノズル用積
載ガイド12にもうけた内外面ノズルガイド間隔調整用モ
ータ18に連結し、上内面水冷ノズル26-1及び下内面水冷
ノズル26-2と外面水冷ノズル13との間隔調整ができるよ
うになっている。
【0041】以上のような冷却バンクを用いることによ
り、上内面水冷ノズル26-1及び下内面水冷ノズル26-2と
外面水冷ノズル13とは、形鋼11のフランジ板厚に合せて
その間隔を調整でき、さらにこれらはフランジ幅方向に
移動自在で、かつ、ノズルの配置段ごとに冷却水の噴射
又は停止ができるため、フランジ幅に合せて移動調整が
でき、形鋼断面温度分布を考慮して使用するノズルの配
置段を選択し、フランジ内面及び外面からの冷却水の噴
射を好適位置に向けて行うことができる。
【0042】実施例2 鋼種SM490 を素材として、前掲図6に示した冷却バン
クを有する冷却ゾーンを前掲図4に示した冷却ゾーン3
及び4に配設し、同図に示した圧延ラインで、H形鋼H
− 550×200 ×6×16及びH− 550×200 ×9×22の2
サイズを圧延し、その冷却を従来法のフランジ外面のみ
の水冷を行った場合(比較例)とフランジ外面水冷にフ
ランジ内面水冷を組合せたこの発明に適合する水冷条件
で行った場合(適合例)について、水冷後のフランジ外
面と内面の温度及びH形鋼(製品)のフランジ反り量を
調査した。これらの水冷条件を表1に、また調査結果を
表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表2から明らかなように、従来法の冷却を
行った比較例では水冷後の温度が比較的高温の場合には
問題ないが、より低温まで冷却するとフランジ外面と内
面との温度差が大きくなり、当然フランジ反り量も大き
くなる。これらに対し、この発明による適合例は低温ま
で冷却してもフランジ反り量は小さく、この発明の効果
が如実にあらわれている。なお、ウェブ波、直角度不良
の発生は全試料ともなかった。
【0046】
【発明の効果】この発明は、高温搬送下の形鋼の冷却に
あたって、フランジ内面水冷とフランジ外面水冷とを組
合せ、かつ、フランジ内面水冷によるウェブ温度降下を
考慮して水冷条件を設定し形鋼断面内全体の温度制御を
行うものであり、この発明によれば、特に水冷終了時点
での仕上げ温度をより低温にしてもフランジ内面と外面
の温度差を小さくすることができ良好な形状の形鋼が得
られ、SRC (Steel Reinforced Concrete)用H形鋼の
さらなるウェブの薄肉化に対応できるばかりでなく、T
MCPを用いる形鋼の製造への適用も有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】H形鋼のフランジ反りの説明図である。(a) は
フランジ外面側に曲がってフランジ反りが生じた場合の
説明図である。(b) はウェブ側に曲がってフランジ反り
が生じた場合の説明図である。
【図2】H形鋼の直角度の説明図である。
【図3】フランジ外面水冷したときのフランジ板厚とフ
ランジ反りの発生しない変形限界冷却能力(熱伝達率
α)との関係を示すグラフである。
【図4】圧延ラインと水冷ゾーンの配列を示す説明図で
ある。
【図5】水冷条件を決定するための計算ロジックの説明
図である。
【図6】この発明に適合する冷却バンクの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 冷却ゾーン 1-1, 1-2, 1-3 冷却バンク 3 冷却ゾーン 3-1, 3-2 冷却バンク 4 冷却ゾーン 4-1, 4-2 冷却バンク 11 H形鋼 11A ウェブ 11B フランジ 12 外面ノズル用積載ガイド 13 外面水冷ノズル 14 外面ノズル取付サポート 15 外面ノズルヘッダー 16 ノズル用ホース 17 外面ノズル取付サポート昇降用モータ 18 内外面ノズルガイド間隔調整用モータ 19 内外面ノズルガイド連結ブロック 20 上内面ノズルガイド用台車 21 下内面ノズルガイド用台車 22 台車用連結軸 23 内面ノズル下部昇降ビーム 24 内面ノズル昇降モータ 25 内面ノズルリフトレバー 26-1 上内面水冷ノズル 26-2 下内面水冷ノズル 28 内面ノズルヘッダー 29 上内面ノズル昇降モータ 30 上内面ノズルサポート U1 粗圧延機 E エッジャー UF 仕上げ圧延機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェブとこれを挟む一対のフランジを有
    する高温搬送下の形鋼を冷却水の噴射により冷却するに
    当り、 フランジ内面及びフランジ外面を水冷してフランジ内外
    面の温度差を小さくするとともに、フランジ内面への冷
    却水の噴射供給量によって定まるウェブの温度降下分を
    加味したウェブとフランジとの平均温度差を所定の温度
    差とするフランジ外面の冷却水噴射の供給水量を取込ん
    で水冷条件を決定することにより、ウェブ波ならびにフ
    ランジ反り及び直角度不良の発生を防止することを特徴
    とする形鋼の冷却方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の形鋼の冷却方法におい
    て、 形鋼のサイズごとに、フランジ反りが発生しない限界応
    力値又は水冷終了時点でのフランジ内面とフランジ外面
    との温度差、ならびにウェブ波が生じない限界残留応力
    値又は水冷終了時点でのウェブとフランジとの平均温度
    差をあらかじめ定め、フランジ内面及びフランジ外面ご
    とに冷却水噴射の供給水量を調整して、上記のあらかじ
    め定めた値以下とする水冷条件を決定すること特徴とす
    る形鋼の冷却方法。
  3. 【請求項3】 ウェブとこれを挟む一対のフランジを有
    し、ウェブを水平に維持する搬送下の高温形鋼を冷却水
    の噴射により冷却するに当り、 昇降機能を有する複数の冷却水ノズルをウェブの上下で
    互いに向い合うフランジ内面及びフランジ外面に対向し
    てフランジ幅方向には多段配置し、形鋼の送り方向には
    多連配置した1基以上の冷却バンクからなる冷却ゾーン
    を形鋼の送り方向に沿って複数基配設し、 フランジ内面及びフランジ外面の温度分布ならびにウェ
    ブ平均温度にもとづいて、各冷却ゾーン及び各冷却バン
    クならびにウェブの上下で互に向い合うフランジ内面及
    びフランジ外面にて、それぞれ冷却水ノズルを昇降調整
    し冷却水ノズルの配置段ごとに冷却水の選択噴射を行う
    ことを特徴とするH形鋼の冷却方法。
  4. 【請求項4】 ウェブとこれを挟む一対のフランジを有
    し、ウェブを水平に維持する搬送下の高温形鋼を冷却水
    の噴射により冷却する装置であって、 ウェブの上下で互いに向い合うフランジ内面及びフラン
    ジ外面に対し、それぞれ冷却水の噴射ができる複数の冷
    却水ノズルを有する1基以上の冷却バンクからなる冷却
    ゾーンを、圧延機の入側及び出側に形鋼の送り方向に沿
    って複数基配設して成る形鋼の冷却装置。
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