JPH0671301A - 靱性・強度に富んだh形鋼の製造方法および装置 - Google Patents

靱性・強度に富んだh形鋼の製造方法および装置

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JPH0671301A
JPH0671301A JP22582692A JP22582692A JPH0671301A JP H0671301 A JPH0671301 A JP H0671301A JP 22582692 A JP22582692 A JP 22582692A JP 22582692 A JP22582692 A JP 22582692A JP H0671301 A JPH0671301 A JP H0671301A
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洋二 藤本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】靱性・強度に富み、かつ均一な特性が得られる
H形鋼の製造方法および装置を提供する 【構成】粗ユニバーサルミルU1,2 の水平ロールHU
1 又はHU2 の両サイド及び垂直ロールVU1 又はVU
2 の中央部に凹状孔型を設けるとともに、ミル前後面に
ウランジ内外面の冷却装置10とR部内面冷却ノズル4
0を設け、圧延直前にフランジ外面のR部付近および内
面R部の強水冷してから強圧下することを複数回繰り返
すことにより、材質を改善して靱性・強度.均一性を向
上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、H形鋼の製造方法及び
装置に関し、特に、形鋼のフィレット部の材質を改善し
て靱性・強度に富んだH形鋼を提供することができるも
のである。
【0002】
【従来の技術】H形鋼の靱性・強度は、断面各位置のな
かでフィレット部(以下R部という)が最も劣ってお
り、この点に着目した研究報告「H形鋼R部の機械的性
質の改善」が公表されている(川崎製鉄技報、VOL.11,
(1979),No.4, 515 〜524 )。この報告には、H形鋼の
R部の強度・靱性が劣るのは、その部分の圧延温度が断
面各位置のなかで最も高く、かつ圧延後の冷却速度が遅
くてフェライト粒径が大きくなるためであり、一基の粗
ユニバーサルミル圧延でR部外側に凸部を形成して仕上
ユニバーサルミルで低温集中強圧下するか、又は二基以
上の連続粗ユニバーサルミル群でR部内側と外側とを交
互に凸状とし低温で往復圧延することで、R部の材質組
織が著しく改善されることが示されている。
【0003】また、H形鋼のような複雑な断面形状を有
する形鋼の靱性・強度を改善する方法として仕上げ圧延
後に被圧延材を強制冷却することが、例えば特開昭62
−253721号公報や特開平2−22414号公報に
示されている。前者は、フランジ厚/ウエブ厚の比が大
きく且つウエブの厚みが小さい薄肉H形鋼を圧延により
製造する際に、ウエブに歪み(ウエブ波)が発生するの
を防止しつつ強度を高めることを目指したもので、厚さ
の厚いフランジ部の圧延仕上温度を鋼の変態点以上、薄
いウエブのそれを変態点以下とし、かつ圧延後にフラン
ジのみを所定の冷却速度で強制冷却することで、均質で
靱性,強度の高いH形鋼を製造するものである。
【0004】後者は、例えばウエブとフランジとの厚さ
が異なるH形鋼において、薄肉部位の板厚が15mmよ
り小さい場合は薄肉部位は低温圧延後空冷、厚肉部位は
最終仕上げ圧延後強制冷却することで、また、薄肉部位
の板厚が15mm以上の場合は、薄肉部位,厚肉部位そ
れぞれ異なった条件で最終仕上げ圧延後強制冷却するこ
とで高強度の製品を製造するものである。
【0005】一方、特開昭50−112260(特公昭
53−16789)号公報には、形鋼の仕上げ圧延前に
R部を強制的に水冷してフランジとウエブとの直角度を
修正する方法が述べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記技
報に示されるように、H形鋼R部の機械的性質の改善の
ため低温下でH形鋼R部の強圧下を繰り返す方法にあっ
ては、被圧延材を圧延途中で待機させて所定の低温度に
するべく待機圧延が条件とされており、R部より冷却速
度が早いウエブの温度がその待機中に低下し過ぎるとい
う点が問題であり、又フランジ厚みが大きいものではR
部が大きいことから凸状に成形する際の圧下率を大きく
する必要が生じて、圧延荷重,圧延トルク,ロール面圧
が増加し、その結果、加工性の低下,ロール摩耗,ロー
ル偏平をまねき製品の寸法精度に影響を及ぼすという問
題点が生じていた。
【0007】また、特開昭62−253721号公報や
特開平2−22414号公報に示されるように、圧延後
に所定部位を所定温度まで強制冷却することで、靱性,
強度の高いH形鋼を製造する従来技術にあっては、その
冷却部位がH形鋼の左右のフランジの外側面とウエブの
下面という具合に片面冷却に限定されており、そのため
H形鋼のフランジ内外面での温度差が大きくなって、熱
応力によるフランジ反りや直角度不良等の形状不良が生
じる傾向があり、特にフランジ厚が大きくなると、フラ
ンジ内外面での材質特性の不均一が一層顕著になり、全
断面について製品の均一性を保証することができないと
いう問題点があった。
【0008】また、特開昭50−112260(特公昭
53−16789)号公報に示された仕上げ圧延前のR
部の強制水冷に関しては、その目的がフランジとウエブ
との直角度を修正することにあり、仕上圧延前の1パス
でのR部の冷却であって、被圧延材の変形抵抗の上下差
を制御するには十分としても、本発明が意図する材質改
善のための歪量の増大には適用できない。しかも、最終
パスのウエブ厚が薄いときに上R部内面を水冷すると、
ウエブに水乗りを生じてウエブ温度が著しく低下するこ
とから、上R部内面の水冷は実際には行われず、もっぱ
ら下R部内面に対する水冷のみが実用化されているに過
ぎない。
【0009】そこで本発明は、上記従来の問題点に着目
してなされたものであり、H形鋼のR部の強水冷と強圧
下とを組合せることにより、その相乗効果で被圧延材の
組織の微細化を促進せしめて、特に厚さが大でR部の大
きいものについてもR部の靱性・強度の向上が達成でき
るH形鋼の製造方法および装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明のH形鋼の製造方法は、複数基の粗ユニバーサルミ
ルで被圧延材を熱間圧延する工程を含むH形鋼の製造方
法に係り、被圧延材のフィレット部を強圧下する一方の
ミルの水平ロールのコーナ部と他方のミルの垂直ロール
の中央部とにそれぞれ凹状孔型を設けるとともに、ミル
スタンド前後面に被圧延材の水冷手段を配設し、圧延直
前に被圧延材の少なくともフィレット部及びその近傍の
フランジ内外面を強水冷しつつ前記粗ユニバーサルミル
で往復圧延して、被圧延材のフィレット部内側と外側と
を交互に低温下で凸状とすることを複数回繰り返し、そ
の後仕上ユニバーサルミルで圧延することを特徴とする
ものである。
【0011】また、本発明のH形鋼の製造装置は、水平
ロールの両サイドに凹状の孔型を有する粗ユニバーサル
ミルと垂直ロールの中央部に凹状孔型を有する粗ユニバ
ーサルミルと両ミルの中間に配設したエッジングミルと
からなる粗ユニバーサルミル群と、この粗ユニバーサル
ミル群の前後面に配設され被圧延材のフィレット部近傍
をフランジ内外面から水冷する冷却装置と、被圧延材の
ウエブ面を案内するウエブガイドに被圧延材のフィレッ
ト部内面冷却ノズルを有して粗ユニバーサルミルの前後
に配設された被圧延材ガイド装置とを備えたことを特徴
とするものである。
【0012】上記の製造装置において、エッジングミル
の水平ロールの両サイドの曲面形状を、第1段粗ユニバ
ーサルミルの水平ロールの曲面形状、第2段粗ユニバー
サルミルの水平ロールの曲面形状、両者の中間曲面形状
のいずれかから選定したものとすることができる。
【0013】
【作用】本発明者らは、先に述べた技報に報告されてい
るように、H形鋼を待機圧延により製造するに当たり、
材料を所定温度まで下げるために待機させる時間が長い
程(すなわち温度低下の程度が大きい程)、R部の歪み
量が増加し組織の微細化が進んで材質改善効果が顕著に
なるという事実に着目し、同様の効果を得るのに本出願
人がこれまで培ってきた水冷技術が利用できるのではな
いかと考えた。そしてH形鋼のR部の強水冷と強圧下と
を組み合わせることで、その相乗効果による被圧延材の
組織の微細化促進、ひいては材質改善を図るべく研究を
重ねた結果、強水冷によってR部の温度をAr3 変態点
以下まで低くして強圧下圧延を行うことが最も著しい効
果が得られることを見出して本発明をなすに到ったもの
である。
【0014】本発明のH形鋼の製造方法にあっては、R
部を強圧下するためのミルレイアウトと、R部を強水冷
して直ちに強圧下が可能となる冷却手段が必要である。
そのミルレイアウトについては、例えば二基の粗ユニバ
ーサルミルをもつミル配列の場合、図1に示すように第
1段粗ユニバーサルミル(U1 )の水平ロールHU1
両サイドに凹状の孔型1を設けるとともに、第2段粗ユ
ニバーサルミル(U2 )の垂直ロールVU2 の中央部に
凹状の孔型2を設けてある。この粗ユニバーサルミルで
リバース圧延することにより、U1 では被圧延材のフラ
ンジ外面のR部付近の強圧下、U2 ではフランジ内面R
部の強圧下が繰り返される。粗ユニバーサルミルの1パ
ス目の噛込性から考えて前記のロール形状が好ましい。
しかし、垂直ロールが無駆動であることを考えると、リ
バースパスでは被圧延材はU2 からU1 へと逆送りにな
るから、1パス目の噛込性が問題のない圧下量であれ
ば、2パス目(リバースパス)で第1段となるU2 の水
平ロールHU2 の両サイドに凹状の孔型1を設け、U1
には垂直ロールVU1 の中央部に凹状の孔型2を設ける
というように、図1とは逆のミル形状配置にしてもよ
い。
【0015】上記第1段粗ユニバーサルミル(U1 )と
第2段粗ユニバーサルミル(U2 )との間にエッジング
ミルE1 を配置した場合には、そのE1 ミルの水平ロー
ルHE1 をソリッドの胴付ロール(カリバーエッジャ
ー)もしくは幅可変,脚長可変のエッジャーロールのど
ちらにしてもよい。また、エッジングミルE1 の水平ロ
ールHE1 の両サイドの曲面形状を、第1段粗ユニバー
サルミルの水平ロールHU1 の凹状の孔型1を有する曲
面(又は第2段粗ユニバーサルミルHU2 の水平ロール
の曲面)と同一に形成し、その水平ロールHE1 で被圧
延材のウエブ面のR部付近を圧下する際に、第1段粗ユ
ニバーサルミルU1 の水平ロールHU1 で未圧下であっ
た両サイドの凹状の孔型1の部分(即ち被圧延材R部の
凸部分)を圧延するようにしてもよい。もっとも、エッ
ジングミルE1 のミルパワーが不足する場合には、前記
1 の水平ロールHU1 で未圧下の箇所は次の第2段粗
ユニバーサルミルU2 で圧下する方式のほうが好まし
い。
【0016】あるいは又、第1段粗ユニバーサルミルU
1 と第2段粗ユニバーサルミルU2との圧下バランスを
考慮して被圧延材のR部の圧延パスを増加させる狙い
で、エッジングミルE1 の水平ロールHE1 のロール両
サイドの曲面形状を、第1段粗ユニバーサルミルの水平
ロールHU1 の曲面形状と第2段粗ユニバーサルミルの
水平ロールU2 の曲面形状との中間の曲面形状に形成し
て、それによる被圧延材R部の凸状箇所に対する鍛練効
果を利用することも有効である。
【0017】仕上圧延を行う仕上ユニバーサルミルUF
については、その水平ロールHUFも垂直ロールVUF
も、図1に示すように通常のロールプロフィールのもの
でよい。R部の強制冷却については、被圧延材のフラン
ジの片側の外表面及び内面を同時に冷却できるように冷
水ノズルを配したものが、フランジ内外の温度差を均一
化するために必要であるとともに、熱容量が他の部分よ
り特に大きいR部付近をより強く冷却するために、R部
付近を狙うノズルは他のノズルより冷却水噴射量が多い
ものとすることが望ましい。このような水冷設備10
は、図1に示す第1段粗ユニバーサルミルU1 の前面
と、第2段粗ユニバーサルミルU2 の後面とに、それぞ
れパスラインを挟んで両側に対称的に配置する。
【0018】更に被圧延材の上下のR部内面の冷却を強
力に行うためには、被圧延H形鋼の適切な案内を行うべ
く一般的に各粗ユニバーサルミルU1,2 の入側及び/
又は出側に配置されるガイド装置を利用して、そのウエ
ブ案内部分にR部を直接に狙って冷却水を噴射すること
ができる水冷設備(冷却用のノズル孔等)40を設ける
のが良い。その場合、ガイド装置としては、被圧延材の
フランジ内面とフランジ端を案内するとともに、そのウ
エブとフランジ端との距離(脚長)を可変できる幅可変
ガイド(チャンスフリーガイド)が好ましい。狙ったR
部を確実に冷却することができるからである。
【0019】本発明は、上記のような冷却手段と圧延手
段を用いて、被圧延材の特にフィレット部及びその近傍
のフランジ内外面をAr3 変態点以下まで急速に強制冷
却してその直後に強圧下することを繰り返してR部近傍
の組織を微細化し、その後仕上ユニバーサルミルで圧延
することで、靱性・強度に富んだH形鋼を製造するもの
である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1に示
す粗ユニバーサルミル二基を配したミルレイアウトの実
機実験を以下のように実施した。供試材は、製品サイズ
294×200×8×12(ウエブ高さ×フランジ幅×
ウエブ厚×フランジ厚mm)で、その成分組成は表1に示
す通りである。
【0021】
【表1】
【0022】圧延条件は次のように設定した。本発明の
場合は、加熱温度1250℃、ブレークダウンミル(B
Dミル)で通常の圧延成形を行った材料を水平ロール又
は垂直ロールに凹状の孔型を設けた粗ユニバーサルミル
群UR (U1,2 )でリバース圧延することにより、R
部の外側又は内側に凸状の突起を交互に形成し、これを
仕上ユニバーサルミルUF で集中強圧下してH形鋼製品
を製造した。
【0023】実験条件の詳細を従来製法の場合と比較し
て表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表中No.1で示す従来製法の場合は、粗ユニ
バーサルミルの水平ロール又は垂直ロールに凹状の孔型
を設ていないものを用いて上記同様に圧延した。また、
No.2, No.3で示す従来の制御圧延法の場合は、粗圧延の
2パス後に材料を所定温度まで待機させた後、コントロ
ールドローリング(CR)を行った。冷却については、
本発明の場合は、後述の装置を用いてフランジ外面及び
R部に対する強制水冷を実施した。
【0026】従来製法のものは、強制水冷は全く行わな
かった。図2〜図5に、本発明のH形鋼の製造に用いた
粗ユニバーサルミルUR のロールの孔型形状(ロールプ
ロファイル)を示す。図2は第1段粗ユニバーサルミル
の水平ロールHU1 のもので、図3はその拡大図であ
る。又、図4は第2段粗ユニバーサルミルの垂直ロール
VU2 のもので、図5はその拡大図である。
【0027】図6に、粗ユニバーサルミルUR の前後面
に配置した水冷装置10の概要図を示す。なお、この図
は圧延ラインを挟んで両側に配置されたものの片側のみ
を示している。11は被圧延材であるH形鋼で、圧延ラ
インの図示しないテーブルローラ上に載置されている。
そのH形鋼11の側方に置かれたノズルガイド車12に
は、フランジ11Fの外面に対向するフランジ外面冷却
ノズル13が複数個配設され、外面冷却ノズル用ヘッダ
14から分給される冷却水をフランジ11Fの外面に噴
射して水冷する。H形鋼11のサイズにより変わるフラ
ンジ幅に応じて、フランジ外面冷却ノズル13をノズル
取付サポート15の昇降用モータ16で昇降させてノズ
ル位置を調整する。このノズルガイド車12に、フラン
ジ内外面ノズルガイド間隔調整用モータ18の出力ねじ
軸18aが螺合する連絡ブロック19を搭載したフラン
ジ内面上部冷却ノズル用台車20Aが連結されている。
この台車20Aには、フランジ内面下部冷却ノズル用台
車20Bが台車連結ねじ軸22を介して連結されてい
る。両台車20A,20Bはノズル昇降用ビーム23上
に走行自在に搭載されており、そのノズル昇降用ビーム
23はビーム昇降モータ24で駆動されるリフトレバー
25により昇降自在に支持されている。前記台車20B
には、フランジ内面下部冷却ノズル26A1,26A2
その給水用ヘッダ27A1,27A2 が搭載されている。
【0028】また、フランジ内面上部冷却ノズル用台車
20Aには、更にサポート10Sを介して、フランジ内
面上部冷却ノズル26B1,26B2 とその給水用ヘッダ
28B1,28B2 並びにそれらの昇降モータ29等が搭
載されている。上記水冷装置10のフランジ外面冷却ノ
ズル13、フランジ内面下部冷却ノズル26A、フラン
ジ内面上部冷却ノズル26Bの各ノズルは、いずれも昇
降並びに圧延ラインに対して直角方向に水平移動可能で
あるから、H形鋼11のサイズすなわちウエブ高さ、フ
ランジ幅、フランジ厚の変化に応じて適宜に位置を設定
し、冷却水の噴射領域を最適に保つ。また、各ノズルの
オン・オフを独立に制御して冷却水の噴射のタイミング
を任意に調整する機能を有する。なお、冷却装置10の
各ノズルのうち、R部を直接に狙うフランジ内面下部冷
却ノズル26A1及びフランジ内面上部冷却ノズル26
1 に関しては、その冷却水噴射量を他ノズルより多く
すると一層効果的である。
【0029】図7に、第1段粗ユニバーサルミルU1
び第2段粗ユニバーサルミルU2 のそれぞれの入側と出
側に配設されたチャンスフリー(幅可変)ガイド装置3
0の概要図を示す。なお、この図は圧延ラインの上下に
配置されたもののうち、下側のもののみを示したもので
ある。このガイド装置30は基本的に、被圧延材11の
フランジ11Fの端面に当接してこれを拘束する左右一
対のフランジ幅拘束ローラ31と、被圧延材11のウエ
ブ11Wを案内する左右一対のウエブガイド32とを備
えている。フランジ幅拘束ローラ31は、軸受箱33に
より軸回転自在に支持されて被圧延材11の長手方向に
複数個配置されている。一方、ウエブガイド32は、同
じく被圧延材11の長手方向に沿って延設され、フラン
ジ幅拘束ローラ31と一体的にガイドフレーム34に支
持されている。そのガイドフレーム34の左右両側面に
はそれぞれ駆動用モータ35を備えたガイド幅可変装置
36が取付けられており、これにより左右一対のフラン
ジ幅拘束ローラ31,ウエブガイド32を独立に左右に
移動させ、被圧延材11のサイズに応じてガイド幅を調
整することができる。
【0030】また、ガイドフレーム34は、下方に設置
したジャッキタイプの昇降装置37で上下方向にも移動
可能である。その昇降装置37は、左右一対に設置され
るとともに、左右のレベル差を極小とするために駆動軸
38を介して図外の単一の駆動源で駆動されるようにな
っている。更に、ガイドフレーム34には、前記各フラ
ンジ幅拘束ローラ31を個々に上下動させるためのロー
ラ昇降装置39が左右一対に配設されている。このロー
ラ昇降装置39は、フランジ幅拘束ローラ31の軸受箱
33の下端に連結させたリフトロッド39Aを、ウオー
ム減速機構39B及び伝動装置39Cを介してローラ高
さ設定用モータ39Dで回転駆動することで、フランジ
幅拘束ローラ31をウエブガイド32に対して相対的に
昇降させる。これにより、フランジ幅拘束ローラ31の
ローラ面からウエブガイド32のガイド面32aに至る
までの上下方向の間隔を自由に調整して、被圧延材11
のフランジ脚長などのサイズ変更があったり、フランジ
幅拘束ローラ31やウエブガイド32の摩耗があって
も、フランジ11の端面を拘束しつつウエブ11Wとウ
エブガイド32との間隔を常に適正に保持する。
【0031】本発明のウエブガイド32は、上記の位置
補正の機能を備えるとともに、更に被圧延材11のR部
の強制冷却機能をも備えたものである。すなわち、図8
に示すように、ウエブガイド32の上部のガイド面32
aに開口せしめたR部内面冷却ノズル40を設けて、図
示しない冷却水供給源からの冷却水を、被圧延材11の
R部に直接に噴射することができるようにしている。
【0032】本実験の条件と測定結果(圧下データ、処
理温度等)を従来の場合と比較して表2に示す。また、
図9には、仕上ユニバーサルミルUF による被圧延材1
1のR部の仕上圧延温度(横軸目盛)と、下部降伏点
(L.Y.P)及び脆性延性破面遷移温度(Trs)と
の関係を、上記製造実験で得た本発明品の結果と従来品
の結果と比較して示している。
【0033】以上の試験結果から、次のことが明らかに
なった。従来方式、制御圧延方式に比べて、本発明方式
で得られた製品の降伏点及び遷移温度は大幅に改善され
ている。この結果から、強制冷却と強圧下との組合せで
フィレット部の組織を緻密化させ、従来より仕上圧延の
圧延温度を低下させた本発明方式によれば、製品のフィ
レット部(R部)の材質改善効果が顕著であることが明
白である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
H形鋼のR部を中心として強圧下と強制水冷を繰り返し
て圧延するものとしたため、H形鋼の場合、フランジと
ウエブの接合するR部の寸法が大きく、従って熱容量が
大きい故に衝撃特性(靱性)が他の断面部分より劣る点
が改善できて、寸法精度が良好で、全断面について製品
の均一性を保証することができ、特に厚さが大でR部の
大きい大型のH形鋼についても制御圧延等の複雑な圧延
方法に頼らずに靱性・強度の向上が達成できるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程におけるミルレイアウトの説
明図である。
【図2】本発明の一実施例の粗圧延水平ロールプロフィ
ールを示す図である。
【図3】図2のIII 部拡大図である。
【図4】本発明の一実施例の粗圧延垂直ロールプロフィ
ールを示す図である。
【図5】図4の V部拡大図である。
【図6】本発明の一実施例の水冷装置の模式図である。
【図7】本発明の一実施例のガイド装置の一部分を断面
で示した正面図である。
【図8】図7のウエブガイドのVIII部を拡大して示す水
冷手段の断面図である。
【図9】被圧延材のR部仕上げ圧延の温度と降伏点,遷
移温度との関係を、従来と本発明との場合につき比較し
て示したグラフである。
【符号の説明】
1 第1段粗ユニバーサルミル HU1 水平ロール VU1 垂直ロール U2 第2段粗ユニバーサルミル HU2 水平ロール VU2 垂直ロール 10 冷却装置 11 被圧延材 11W ウエブ 11F フランジ 30 ガイド装置 32 ウエブガイド 40 R部内面冷却ノズル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数基の粗ユニバーサルミルで被圧延材
    を熱間圧延する工程を含むH形鋼の製造方法において、
    被圧延材のフィレット部を強圧下する一方のミルの水平
    ロールのコーナ部と他方のミルの垂直ロールの中央部と
    にそれぞれ凹状孔型を設けるとともに、ミルスタンド前
    後面に被圧延材の水冷手段を配設し、圧延直前に被圧延
    材の少なくともフィレット部及びその近傍のフランジ内
    外面を強水冷しつつ前記粗ユニバーサルミルで往復圧延
    して、被圧延材のフィレット部内側と外側とを交互に低
    温下で凸状とすることを複数回繰り返し、その後仕上ユ
    ニバーサルミルで圧延することを特徴とする靱性・強度
    に富んだH形鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 水平ロールの両サイドに凹状の孔型を有
    する粗ユニバーサルミルと垂直ロールの中央部に凹状孔
    型を有する粗ユニバーサルミルと両ミルの中間に配設し
    たエッジングミルとからなる粗ユニバーサルミル群と、
    この粗ユニバーサルミル群の前後面にそれぞれ配設され
    て被圧延材のフィレット部近傍をフランジ内外面から水
    冷する冷却装置と、被圧延材のウエブ面を案内するウエ
    ブガイドに被圧延材のフィレット部内面冷却ノズルを備
    えて粗ユニバーサルミルの前後に配設された被圧延材ガ
    イド装置とを備えたことを特徴とするH形鋼の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、エッジングミルの水
    平ロールの両サイドの曲面形状を、第1段粗ユニバーサ
    ルミルの水平ロールの曲面形状、第2段粗ユニバーサル
    ミルの水平ロールの曲面形状、両者の中間曲面形状のい
    ずれかから選定したことを特徴とするH形鋼の製造装
    置。
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