JP2012016738A - H形鋼の圧延設備および圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェブ両端部に板厚増厚部を有するH形鋼を圧延にて製造するH形鋼の圧延設備および圧延方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るH形鋼の圧延設備1は、粗造形圧延機2と、少なくとも一つ以上の中間ユニバーサル圧延機3を有する中間圧延機群と、仕上ユニバーサル圧延機5とを備え、粗造形圧延機2の上下ロール21a、21bのウェブ圧延部分の幅中央部、中間ユニバーサル圧延機3の上下水平ロール31a、31bの幅中央部分、及び仕上ユニバーサル圧延機5の上下水平ロール51a、51bの幅中央部分に凸状段差部を有することを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウェブに板厚増厚部を有するH形鋼を圧延により製造する製造設備および製造方法に関する。
近年、建造物の高層化が進み、地震等の災害時における建造物の倒壊、崩壊を防ぐために構造部材には耐震性を確保しつつ、優れた塑性変形能力が求められている。塑性変形能力を向上させた構造部材は、素材に添加する元素を調整することにより、低YR鋼が開発され、適用実績も拡大している。しかしながら、低YR化することにより、添加する炭素量が上昇し、溶接施工性が劣ることが問題となっている。
ここで、H形鋼はH形の断面を持つ構造部材であり、ビル等の建造物の梁材や土木構造用として多用されている。一般に多用されるH形鋼は低強度で薄肉なものが多く、施工性・溶接性はよいものの、建造物の大型化が進みさらに耐震性や耐久性を求められる昨今、高剛性でかつ軽量で施工性にも優れるH形鋼の需要が高まっている。したがって、断面形状を工夫することにより、耐震性や耐久性に優れると同時に溶接性や施工性も劣らない、H形鋼の開発が求められている。
このような要求を満たす鋼材として異形断面を有するH形鋼が知られている。特許文献1には、ウェブ部のフランジに接続される部分を、ウェブ部中間部分に比して増厚し、従来のH形鋼より剛性を向上させたH形鋼が開示されている。
また、異形断面を有するH形鋼の製造方法として、特許文献2には、2本のT形鋼のウェブ端部と1本の帯状鋼帯を突き合わせ溶接にて接合し、フィレット部分を含むウェブに板厚増厚部を有するH形鋼の製造方法が開示されている。また、本文献には2本の帯状鋼板をそれぞれフランジとし、帯状鋼板の両端部の近傍に板厚増厚部を有する異形帯状鋼板をウェブとし、それぞれを突き合わせ溶接にて接合し、ウェブに板厚増厚部を有する異形断面H形鋼の製造方法も開示されている。
特開昭56-160804 特開平5-195598
特許文献1では、断面形状に関する規定や一般的なH形鋼との断面性能の比較は記載されているものの、具体的な製造方法や製造設備に関する記述はされていない。
また、特許文献2では異形断面H形鋼の製造方法が開示されているが、その方法は、まず、T形鋼2本を製造し、帯状鋼帯1本を製造し、その後、上記3本を所定の位置に設置後、溶接にて接合するというものである。このような製造方法では、両フランジとウェブの接続部分を溶接にて接合するため、長手方向に2回溶接を施す必要がある。また、溶接工程の時間を短縮しようとすると、高密度溶接熱源や高周波抵抗溶接装置等を導入する必要があり、多くのコストを必要とする。同様にして、帯状鋼帯2本と両端部を増厚した帯状鋼帯を用いる場合も多大な時間と費用を要する。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、ウェブ両端部に板厚増厚部を有するH形鋼を圧延にて製造するH形鋼の圧延設備および圧延方法を提供することを目的としている。
なお、本発明が対象とするウェブ両端部に板厚増厚部を有するH形鋼は、主に中高層以上の建築物に用いる梁材を対象としており、例えばウェブ高さ400〜1000mm程度のものを対象とする。
(1)本発明に係るH形鋼の圧延設備は、粗造形圧延機と、少なくとも一つ以上の中間ユニバーサル圧延機を有する中間圧延機群と、仕上ユニバーサル圧延機とを備え、前記粗造形圧延機の上下ロールのウェブ圧延部分の幅中央部、前記中間ユニバーサル圧延機の上下水平ロールの幅中央部分、及び仕上ユニバーサル圧延機の上下水平ロールの幅中央部分に凸状段差部を有することを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記粗造形圧延機、前記中間ユニバーサル圧延機及び前記仕上ユニバーサル圧延機の各圧延機の前記凸状段差部の高さは、前記粗造形圧延機が最も高く、中間ユニバーサル圧延機、仕上ユニバーサル圧延機の順に低くなることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記粗造形圧延機および前記中間ユニバーサル圧延機の前記凸状段差部の高さはH形鋼製品のウェブに付与する板厚差の1/2以上とし、仕上ユニバーサル圧延機の前記凸状段差部の高さはH形鋼製品のウェブに付与する板厚差の1/2であることを特徴とするものである。
(4)また、本発明に係るH形鋼の圧延方法は、ウェブ圧延部の幅中央部分に凸状段差部を有する上下ロールを用いてH形鋼片のウェブ中央部分の板厚が薄くなるように圧延する粗圧延工程と、幅中央部分に凸状段差部を有する中間ユニバーサル圧延機の上下水平ロールを用いて粗圧延工程で付与したウェブの板厚差が小さくなるように圧延する中間圧延工程と、幅中央部分に目標とするH形鋼製品のウェブの板厚薄部と板厚増厚部の板厚差の1/2の高さの凸状段差部を有する仕上ユニバーサル圧延機の上下水平ロールを用いて被圧延材の板厚薄部および板厚増厚部がともにロールと接触するように圧延する仕上圧延工程とを有することを特徴とするものである。
本発明の製造設備と製造方法によれば、ウェブ両端部に板厚増厚部を有するH形鋼を圧延により製造することが可能となり、生産能率向上に極めて有効である。
本発明の一実施の形態に係る圧延設備の説明図である。 図1に示した圧延設備の各圧延機に用いるロール形状の説明図である。 本発明の一実施の形態の粗造形圧延機の上下ロールの形状を示す図である。 本発明の一実施の形態の中間ユニバーサル圧延機の水平ロールの形状を示す図である。 本発明の一実施の形態の仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールの形状を示す図である。 本発明の一実施の形態の圧延方法の説明図であり、粗造形圧延機における圧延状態を示す図である。 本発明の一実施の形態の圧延方法の説明図であり、中間ユニバーサル圧延機における圧延状態を示す図である 本発明の一実施の形態の圧延方法の説明図であり、仕上げユニバーサル圧延機における圧延状態を示す図である。 本発明の実施例1において製造目的としているH形鋼の断面を示す図である。 本発明の実施例1において粗圧延工程まで圧延した、被圧延材の断面形状を示す図である。 本発明の実施例1において中間圧延工程まで圧延した被圧延材の断面形状を示す図である。 ビームブランクの説明図である。
[実施の形態1]
本実施の形態に係る板厚増厚部を有するH形鋼の圧延設備1は、図1に示すように、粗造形圧延機2と、中間ユニバーサル圧延機3と、エッジャー圧延機4と、仕上ユニバーサル圧延機5が上流側から順に配置されている。各圧延機のロール形状が図2に示されており、粗造形圧延機2は、図2(a)に示すように、上下ロール21a、21bのウェブ圧延部分の幅中央部に凸部(凸状の段差部)を有し、中間ユニバーサル圧延機3は、図2の(b)に示すように、上下水平ロール31a、31bのウェブ圧延部の幅中央に凸部(凸状の段差部)を有し、仕上ユニバーサル圧延機5は上下水平ロール51a、51bのウェブ圧延部の幅中央に凸部(凸状の段差部)を有している。
粗造形圧延機2のロール断面形状の詳細を図3に基づいて詳細に説明する。上ロール21aおよび下ロール21bは、ロール幅中央部のウェブ圧延大径部22a、22b、ウェブ圧延大径部22a、22bの両側にあってウェブ圧延大径部22a、22bよりもロール径が小さいウェブ板厚増厚圧延部23a、23b、およびウェブ圧延大径部22a、22bとウェブ板厚増厚圧延部23a、23bをつなぐ傾斜部24a、24bを有している。このように、上ロール21aおよび下ロール21bは、ウェブ圧延大径部22a、22b、ウェブ板厚増厚圧延部23a、23bおよび傾斜部24a、24bを有することで、ウェブ圧延大径部22a、22bの部分が突出して凸部(凸状の段差部)を有する形状になっている。
なお、ウェブ圧延大径部22a、22bとウェブ板厚増厚圧延部23a、23bは平行である。
また、傾斜部24a、24bとウェブ圧延大径部22a、22b及びウェブ板厚増厚圧延部23a、23bのつなぎ目は滑らかなR部付の形状が好ましい。
上下ロール21a、21bの凸部の高さhrは、ウェブ圧延大径部22a、22bとウェブ板厚増厚圧延部23a、23bのロール半径差であり、目標とする製品断面形状に応じてその半径差の異なるロールを用いる。ウェブ圧延大径部22a、22bの幅wrは、粗圧延工程時に薄ウェブ部を圧延する幅とする。
本実施の形態では、上下ロール中央部の凸部の高さhrは、目的とする製品断面のウェブの板厚薄部と板厚増厚部の板厚差の1/2以上とする。
中間ユニバーサル圧延機3のロール断面形状の詳細を図4に基づいて詳細に説明する。上水平ロール31aおよび下水平ロール31bは、ロール幅中央部のウェブ圧延大径部32a、32b、ウェブ圧延大径部32a、32bの両側にあってウェブ圧延大径部32a、32bよりもロール径が小さいウェブ板厚増厚圧延部33a、33b、およびウェブ圧延大径部32a、32bとウェブ板厚増厚圧延部33a、33bをつなぐ傾斜部34a、34bを有している。このように、上水平ロール31aおよび下水平ロール31bは、ウェブ圧延大径部32a、32b、ウェブ板厚増厚圧延部33a、33bおよび傾斜部34a、34bを有することで、ウェブ圧延大径部32a、32bの部分が突出して凸部(凸状の段差部)を有する形状になっている。
なお、ウェブ圧延大径部32a、32bとウェブ板厚増厚圧延部33a、33bは平行である。
また、傾斜部34a、34bとウェブ圧延大径部32a、32b及びウェブ板厚増厚圧延部33a、33bのつなぎ目は滑らかなR部付の形状が好ましい。
上下水平ロール31a、31bの凸部の高さhは、ウェブ圧延大径部32a、32bとウェブ板厚増厚圧延部33a、33bのロール半径差であり、目標とする製品断面形状に応じてその半径差の異なるロールを用いる。ウェブ圧延大径部32a、32bの幅wは、中間圧延工程時に薄ウェブ部を圧延する幅とする。上下水平ロール31a,31bの幅Bは、中間圧延工程仕上り時に目標とする板厚増厚部付H形鋼の内法の長さとする。ここで、ウェブ圧延大径部32a、32bの幅wは、目標とする製品断面形状のウェブ板厚薄部の幅に合わせればよいが、本発明者らの検討によれば、上下水平ロール31a,31bの幅Bに対する比(w/B)が0.3〜0.8程度の範囲において良好な圧延を行うことができることを確認している。
本実施の形態では、上下水平ロール中央部の凸部の高さhは、目的とする製品断面のウェブの板厚薄部と板厚増厚部の板厚差の1/2以上とする。
なお、垂直ロール35については、一般的なH形鋼圧延用のロールを用いる。
仕上ユニバーサル圧延機のロール形状の詳細を図5に基づいて説明する。上水平ロール51aおよび下水平ロール51bは、ロール幅中央部のウェブ圧延大径部52a、52b、ウェブ圧延大径部52a、52bの両側にあってウェブ圧延大径部52a、52bよりもロール径が小さいウェブ板厚増厚部圧延部53a、53b、およびウェブ圧延大径部52a、52bとウェブ板厚増厚部圧延部53a、53bをつなぐ傾斜部54a、54bを有している。このように、上水平ロール51aおよび下水平ロール51bは、ウェブ圧延大径部52a、52b、ウェブ板厚増厚部圧延部53a、53bおよび傾斜部54a、54bを有することで、幅中央部に凸部(凸状の段差部)を有する形状になっている。
なお、ウェブ圧延大径部52a、52bとウェブ板厚増厚部圧延部53a、53bは平行である。
また、傾斜部54a、54bとウェブ圧延大径部52a、52b及びウェブ板厚増厚部圧延部53a、53bのつなぎ目は滑らかなR部付の形状が好ましい。
上下水平ロール51a、51bの凸部の高さhfは、ウェブ圧延大径部52a、52bとウェブ板厚増厚部圧延部53a、53bのロール半径差であり、目標とする製品断面のウェブ板厚薄部と板厚増厚部の板厚差の1/2とする。
ウェブ圧延大径部52a、52bの幅wfは、目標とする製品断面のウェブの板厚薄部の幅とする。上下水平ロール51a、51bの幅Bfは、目標とする製品断面の内法と等しくする。
仕上ユニバーサル圧延機の上下水平ロール51a、51bは、分割できないものでもよいし(図8(a)参照)、あるいは左右に分割可能な圧延幅調整機能を有するロールでもよく(図8(b)参照)、圧延時に素材の板厚増厚部および板厚薄部ともにロールに接触しながら圧延することが可能であればよい。この場合、水平ロールの凸部の幅wfは、本設備では、仕上圧延時にウェブの板厚薄部を水平ロールの凸部にて拘束しながら圧延可能なため、中間ユニバーサル圧延機3から送られてきた素材のウェブ高さを縮幅する際に、板厚薄部が座屈することなく製品断面に仕上ることができる。
なお、図8(b)に示す分割された上下水平ロール51a、51bの場合、左右の分割ロールの隙間が大きく開いて、板厚薄部と接触する長さが短い場合には板厚薄部が座屈する可能性があるので、上下水平ロール51a、51bにおける板厚薄部と接触する長さは、板厚薄部の1/2以上にするのが好ましい。
各圧延機のウェブ圧延部分に導入する凸部の高さに関しては、粗造形圧延機2の凸部の高さhrが最も高く、中間ユニバーサル圧延機3の凸部の高さh、仕上ユニバーサル圧延機5の凸部の高さhfの順に低くなるように、設定することが好ましい。
ウェブの板厚薄部と板厚増厚部では、同じ圧下量とすると板厚薄部の圧下率が板厚増厚部よりも高くなり、板厚増厚部は板厚薄部が圧延により前後に延ばされるのに影響して、板厚が薄くなる。そのため、各圧延機の凸部の高さを上記のように設定して、粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程の各工程において、ウェブの板厚薄部および板厚増厚部がともにロールと接触しながら圧延することが好ましい。
粗造形圧延機2の上下ロール21a、21b及び中間ユニバーサル圧延機3の上下水平ロール31a、31bの凸部高さは、上述したように、目標とする製品断面のウェブ板厚差の1/2以上とし、仕上ユニバーサル圧延機5の上下水平ロール51a、51bの凸部高さは、製品断面ウェブの板厚差の1/2とすることが好ましい。仕上ユニバーサル圧延機5の上下水平ロール51a、51bの凸部高さを製品断面ウェブの板厚差の1/2とすることによって、仕上圧延工程時にウェブ高さを縮幅して仕上る際に、板厚薄部が座屈しないように押さえながら圧延することができる。
なお、仕上ユニバーサル圧延機5の上下水平ロール51a、51bの凸部高さはウェブの1/2であるが、厳密に1/2とする必要はなく、ウェブ厚のJIS寸法公差の1/2の範囲であれば実用上問題ない。
次に、上記実施の形態1に示した圧延設備1を用いてH形鋼を圧延する圧延方法について説明する。
圧延素材は、例えば図12に示すようなビームブランクや、断面が長方形形状のスラブを用いる。この圧延素材を、図2(a)、図3に示すロール形状の粗造形圧延機2を用いて、繰り返し往復圧延にてウェブに板厚差を付与する(粗圧延工程、図6参照)。
続いて、図2(b)、図4に示す形状、すなわち繰り返し往復圧延にて粗圧延工程にて付与した板厚差より、高さの低い凸部付きの形状の上下水平ロール31a、31bを有する中間ユニバーサル圧延機3にてウェブを所定の厚さまで圧延すると同時にフランジ部の成形を行う(中間圧延工程、図7参照)。
なお、中間圧延工程における繰り返し往復圧延の際、初期にはウェブを強圧下し、終盤になるほど軽圧下となるように圧延するのが望ましい。初期に強圧下するのは、初期にウェブの段差を明確に付与するためであり、終盤に軽圧下するのは、ウェブ板厚薄部に波打ちが発生するのを防止するためである。
その後、仕上ユニバーサル圧延機5によって、図8に示すように素材のウェブ両端の板厚増厚部および中央部分の板厚薄部がともに上下水平ロール51a、51bと接触するように圧延を行い、板厚増厚部を平坦化すると同時に、板厚薄部が座屈しないように上下水平ロール51a、51bで拘束しながら圧延する。このように、上下水平ロール51a、51bで拘束しながら圧延するので、仕上圧延工程において、中間圧延工程にて圧延した素材のウェブ高さを拡幅、縮幅の両方で変更する圧延でどちらもウェブが座屈することなく仕上ることができる。
図8(a)は、水平ロールが分割されていない場合であり、図8(b)は水平ロールが分割された圧延幅調整機能を有するロールを用いた場合を示している。
本実施の形態によれば、ウェブ両端部に板厚増厚部を有するH形鋼を圧延により製造することが可能となり、生産能率向上に極めて有効である。
また、本実施の形態の圧延設備1は、粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程の3工程を行うものであり、その全工程のロールのウェブ圧延部分に凸部(凸状の段差部)を設けているので、ウェブに板厚差を付与しやすいという効果が得られている。
粗圧延工程は、3工程中、最も上流の工程であり、粗圧延工程終了後のウェブ厚は製品断面に比して格段に厚いため、ウェブに大きな板厚差を付与することができる。粗圧延工程にて予めウェブに十分な板厚差を付与しておくことで、中間圧延工程にて無理なく圧延し、ウェブ波の発生や板厚増厚部およびフランジ部が板厚薄部に引かれて減肉するということを防ぐことができる。
本発明が対象とするウェブ両端部に板厚増厚部を有するH形鋼には、ウェブ中央の板厚薄部の厚さとウェブ両端の板厚増厚部の厚さの比に関して、H形鋼の用途によって好適な範囲があると考えられるが、本実施の形態のように板厚増厚部を圧延によって形成することで、上記の比率を例えば0.4以上(1.0未満)などに容易に設定して製造することができる。
本発明の圧延設備1によって圧延を行った実施例を以下に示す。
実施例1は、図2に示したロール形状を備えた実施の形態1の圧延設備1における圧延実施例である。目標とするH形鋼の寸法は図9に示す、ウェブ高さ700mm、ウェブ板厚薄部14mm、板厚増厚部28mm、フランジ幅250mm、フランジ厚25mmである。
ウェブ高さ560mm、フランジ幅400mm、ウェブ厚120mmのビームブランクを素材として、粗圧延を行い、図10に示すようなウェブ高さ910mm、ウェブ板厚薄部60mm、板厚増厚部82mm、フランジ幅275mm、フランジ厚112mmの断面に11パスの往復圧延にて仕上げた。粗圧延機のロール凸部高さhrは11mm、幅wrは350mmであり、ロールの凸部と同じ高さの板厚差をウェブに付与することができた。
次に、中間圧延工程における圧延は、図4に示す上下水平ロール31a、31bおよび垂直ロール35を用いて、粗圧延工程と同様に往復圧延にて成形した。
本工程の中間ユニバーサル圧延機の水平ロールは、凸部高さhは8mm、幅wは350mmとした。
圧延の結果、図11に示すようにウェブ板厚薄部14.3mm、幅350mm、板厚増厚部29.2mm、ウェブ高さ703mm、フランジ幅252mmの断面形状となった。パス数は21パスを要し、粗圧延工程と同様に往復圧延にて成形した。
圧延中期まではウェブの板厚薄部、板厚増厚部がともに上下水平ロール31a、31bと接触し、終期にはウェブの板厚増厚部は板厚薄部に引かれたため、その板厚差はロールの凸部高さ以下となり、板厚増厚部とロールは接触しない圧延となった。
最後に、仕上圧延工程においては、図8(b)に示す形状の圧延幅可変機能付き上下水平ロール51a、51bおよび竪ロールにて圧延した。素材ウェブの板厚増厚部と板厚薄部がともに上下水平ロール51a、51bに接触するように圧延し、同時にフランジをウェブと垂直になるように1パスで目標とする断面に圧延した。本工程に用いた上下水平ロール51a、51bの凸部の高さhfは7mmとし、凸部の幅はロールが分割されていて、素材と接触しない部分も含め、350mmとした。その結果、目標とするウェブに板厚増厚部を有するH形鋼の断面(図9参照)に仕上ることができた。
1 圧延設備
2 粗造形圧延機
21a、21b 粗造形圧延機の上下ロール
22a、22b ウェブ圧延大径部
23a、23b ウェブ板厚増厚部圧延部
24a、24b 傾斜部
3 中間ユニバーサル圧延機
31a、31b 中間ユニバーサル圧延機の上下水平ロール
32a、32b ウェブ圧延大径部
33a、33b ウェブ板厚増厚部圧延部
34a、34b 傾斜部
35 垂直ロール
4 エッジャー圧延機
41a、41b エッジャー圧延機の上下水平ロール
5 仕上ユニバーサル圧延機
51a、51b 仕上ユニバーサル圧延機の上下水平ロール
52a、52b ウェブ圧延大径部
53a、53b ウェブ板厚増厚部圧延部
54a、54b 傾斜部

Claims (4)

  1. 粗造形圧延機と、少なくとも一つ以上の中間ユニバーサル圧延機を有する中間圧延機群と、仕上ユニバーサル圧延機とを備え、前記粗造形圧延機の上下ロールのウェブ圧延部分の幅中央部、前記中間ユニバーサル圧延機の上下水平ロールの幅中央部分、及び仕上ユニバーサル圧延機の上下水平ロールの幅中央部分に凸状段差部を有することを特徴とするH形鋼の圧延設備。
  2. 前記粗造形圧延機、前記中間ユニバーサル圧延機及び前記仕上ユニバーサル圧延機の各圧延機の前記凸状段差部の高さは、前記粗造形圧延機が最も高く、中間ユニバーサル圧延機、仕上ユニバーサル圧延機の順に低くなることを特徴とする請求項1に記載のH形鋼の圧延設備。
  3. 前記粗造形圧延機および前記中間ユニバーサル圧延機の前記凸状段差部の高さはH形鋼製品のウェブに付与する板厚差の1/2以上とし、仕上ユニバーサル圧延機の前記凸状段差部の高さはH形鋼製品のウェブに付与する板厚差の1/2であることを特徴とする請求項1又は2記載のH形鋼の圧延設備。
  4. ウェブ圧延部の幅中央部分に凸状段差部を有する上下ロールを用いてH形鋼片のウェブ中央部分の板厚が薄くなるように圧延する粗圧延工程と、幅中央部分に凸状段差部を有する中間ユニバーサル圧延機の上下水平ロールを用いて粗圧延工程で付与したウェブの板厚差が小さくなるように圧延する中間圧延工程と、幅中央部分に目標とするH形鋼製品のウェブの板厚薄部と板厚増厚部の板厚差の1/2の高さの凸状段差部を有する仕上ユニバーサル圧延機の上下水平ロールを用いて被圧延材の板厚薄部および板厚増厚部がともにロールと接触するように圧延する仕上圧延工程とを有することを特徴とするH形鋼の圧延方法。
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