JP3339457B2 - H形鋼の高精度圧延方法 - Google Patents

H形鋼の高精度圧延方法

Info

Publication number
JP3339457B2
JP3339457B2 JP8880199A JP8880199A JP3339457B2 JP 3339457 B2 JP3339457 B2 JP 3339457B2 JP 8880199 A JP8880199 A JP 8880199A JP 8880199 A JP8880199 A JP 8880199A JP 3339457 B2 JP3339457 B2 JP 3339457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mill
web
roll
rolling
universal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8880199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000280001A (ja
Inventor
芳昭 草場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP8880199A priority Critical patent/JP3339457B2/ja
Publication of JP2000280001A publication Critical patent/JP2000280001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3339457B2 publication Critical patent/JP3339457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築や土木の分野
に用いられる高寸法精度のH形鋼の圧延方法に関する。
詳しくは、本発明は、ユニバーサルミルを用いる熱間圧
延により多サイズのH形鋼を溶接H形鋼に匹敵する寸法
精度で圧延する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、H形鋼の断面形状と各部の寸法
を示す図である。Hはウェブ高さ、Bはフランジ幅、t
1はウェブ厚、t2はフランジ厚、b1、b2はウェブ
からフランジ先端までの距離(「内法深さ」ともいう)
である。
【0003】H形鋼の呼称は、例えば、H500×B2
00×10/15のごとく表示され、H500はウェブ
高さが500mm、B200はフランジ幅が200m
m、10/15は、ウェブ厚が10mmでフランジ厚が
15mmであることを表す。
【0004】従来、H形鋼の圧延は、2重式孔型ロール
粗圧延機(以下、「ブレークダウンミル」という)で鋳
片をドックボーン形の粗形材(以下、ビームブランクと
いう)とした後、ユニバーサル粗ミルと2重式ロールの
エッジャミル(以下、「2Hiエッジャミル」という)
で構成されるミル群とユニバーサル仕上げミルを用いて
おこなわれる。すなわち、前記ミル群で往復圧延による
中間圧延が施され、次いで、ユニバーサル仕上げミルで
の1パスの圧延によりH形鋼に仕上げられる。
【0005】図2は、従来の2Hiエッジャミルを使用
したH形鋼の圧延方法を説明するための、ロールの正面
図と圧延材とH形鋼の形状を示す断面図で、同図(A)
はユニバーサル粗ミルによる粗圧延状況を示す図、同図
(B)は2Hiエッジャミルによる粗圧延状況を示す
図、同図(C)はユニバーサル仕上げミルによる仕上げ
圧延状況を示す図である。
【0006】図2(A)に示すユニバーサル粗ミルによ
る粗圧延では、水平ロール1、1と竪ロール2、2を用
いてH形鋼の粗形状が形成される。なお、符号3は圧延
材である。
【0007】図2(B)に示す2Hiエッジャミルによ
る粗圧延では、水平ロール4、4によりフランジ幅やウ
ェブ中心(ウェブがフランジ中央部に位置する中心)な
どの各部寸法の精度が確保される。すなわち、水平ロー
ル4、4で圧延材3のフランジの幅圧下をおこない、圧
延材のウェブ中心偏りを矯正する。このとき、矯正効果
を高めるために、圧延材のフランジ内面を水平ロールの
側面で拘束し、圧延材が左右方向にずれないようにす
る。
【0008】図2(C)に示すユニバーサル仕上げミル
による仕上げ圧延では、水平ロール5、5と竪ロール
6、6を用いて、1パスの圧延がおこなわれ、製品寸法
のH形鋼7が得られる。
【0009】ところで、高層建築物などの鉄骨には多種
類のH形鋼が使用される。したがって、呼称寸法の異な
る多種類のH形鋼が製造されている。しかし、1つの呼
称寸法でも実態としては、ウエブ高さやフランジ幅の異
なるものがある。
【0010】呼称寸法の異なる多種類のH形鋼を製造す
るには、それぞれのウエブ高さに応じたエッジャミルや
ユニバーサルミルを必要とする。これらのロール本数を
削減する圧延方法の提案が数多くなされている。
【0011】例えば、本発明者らは、特開平2−842
03号公報や特開平4ー258301号公報でウエブ高
さを縮小する方法を提案した。また、特開昭63−30
102号公報にはウエブ高さを拡大する方法が開示され
ている。
【0012】しかし、上記公報に開示された方法には、
いずれもウエブ中心偏りが大きくなるという問題があ
る。
【0013】そこで、ウエブ中心偏り対策として、本発
明者は、WO095/17269号公報で、4ロール構
成のユニバーサルエッジャミルの竪ロールでフランジ外
面を拘束し、水平ロールでフランジを幅圧下するH形鋼
の製造方法を提案した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記W
O095/17269号公報に開示された方法では、特
にウエブ厚さが薄いサイズの圧延においてユニバーサル
エッジャミルのウエブ高さの圧下が制約され、ウエブ高
さの縮小による多サイズのH形鋼の圧延が困難という問
題がある。
【0015】すなわち、ユニバーサルエッジャミルで
は、駆動される水平ロールでウエブの厚圧下とフランジ
の幅圧下がおこなわれ、非駆動の竪ロールでウエブの高
さ圧下がおこなわれる。ところで、例えば 内法寸法一
定のH形鋼(フランジ内面間の間隔が等しく、ウエブ高
さ、フランジ幅、フランジ厚、ウエブ厚が異なるH形鋼
のシリーズ)と外法寸法一定のH形鋼(ウエブ高さおよ
びフランジ幅が等しく、ウエブ厚さおよびフランジ厚さ
が異なるH形鋼のシリーズ)を同一の圧延チャンスで製
造する場合、各製品の内法深さ(図1のb1、b2)が
異なるため、ユニバーサルエッジャミルの水平ロール深
さを内法深さの最も浅い製品のサイズに合わせる必要が
ある。しかし、水平ロール深さを浅くした水平ロールで
内法深さの深いサイズを圧延する場合、水平ロールによ
るウエブ圧下が不可となり材料の引き込みができず、そ
の結果、ウエブの高さ圧下が困難となる状態が生じる。
【0016】本発明の課題は、上記従来の問題を解決し
て、ウエブ中心偏りの発生を防止しながらウエブ高さの
縮小を可能として多サイズのH形鋼を高精度に圧延する
ことができるH形鋼の高精度圧延方法を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ユニバーサ
ルエッジャミルによるウエブ高さの縮小に関する研究を
重ね、下記の知見を得た。
【0018】(a) ユニバーサルエッジャミルの水平ロー
ルとして、互いに断面形状が異なるロール、例えば、一
方の水平ロールの中央部が凸状で他方の水平ロールの中
央部が凹状のロールを用いることにより、上下の水平ロ
ール間の間隙がウエブ厚より大きくなる圧延条件におい
ても、竪ロールによるウエブ高さの縮小が可能となる。
すなわち、上記凹凸部の存在によって圧延材のフランジ
が竪ロールと接触する前に水平ロールが圧延材のウエブ
と接触するため、水平ロールによる圧延材の引き込みが
可能となる。
【0019】(b) 上記ユニバーサルエッジャミルの水平
ロールを幅可変ロールとすることによりフランジ内面を
拘束しながらウエブ高さの縮小が可能となり、フランジ
の寸法精度が向上する。
【0020】(c) 上記ユニバーサルエッジャミルの最終
パスでウエブ高さを縮小することによりウエブ高さの異
なるH形鋼(多サイズのH形鋼)が同一ユニバーサルエ
ッジャミルで製造可能となる。本発明は、上記知見に基
づき完成されたもので、その要旨は、以下のとおりであ
る。
【0021】(1) それぞれ1対の竪ロールと1対の水平
ロールとを有するユニバーサル粗ミルとユニバーサルエ
ッジャミルとで構成される粗ユニバーサルミル群を中間
圧延工程に用いておこなうH形鋼の圧延方法において、
上記ユニバーサルエッジャミルの水平ロールとして、互
いに断面形状が異なるロールを用いることを特徴とする
H形鋼の高精度圧延方法。
【0022】(2) 上記ユニバーサルエッジャミルの一方
の水平ロールのウエブ当接部に凸部を、他方の水平ロー
ルのウエブ当接部に上記凸部と対応する凹部を有するこ
とを特徴とする上記(1) 項に記載のH形鋼の高精度圧延
方法。
【0023】(3) 上記ユニバーサルエッジャミルとし
て、幅可変の水平ロールを備えたユニバーサルエッジャ
ミルを用いることを特徴とする上記(1) 項または(2) 項
に記載のH形鋼の高精度圧延方法。
【0024】(4) 上記中間圧延工程のユニバーサルエッ
ジャミルの最終パスでウエブ高さを縮小することを特徴
とする上記(1) 項ないし(3) 項のいずれかに記載のH形
鋼の高精度圧延方法。ここで、ウエブ当接部とは圧延材
のウエブに対向する部位を言う。
【0025】
【発明の実施の形態】図3は、本発明方法によるH形鋼
の製造ラインの一例を示す模式図である。
【0026】図3に示すように、本発明方法によるH形
鋼の圧延は、ブレークダウンミル(以下、「BDミル」
という)で鋳片をドックボーン形の粗形材とした後、ユ
ニバーサル粗ミル(以下、「URミル」という)とユニ
バーサルエッジャミル(以下、「UEミル」という)で
構成される粗ユニバーサルミル群(以下、単に「ミル
群」という)とユニバーサル仕上げミル(以下、「UF
ミル」という)を用いておこなわれる。すなわち、前記
ミル群で往復圧延による中間圧延が施され、次いで、U
Fミルでの1パスの圧延によりH形鋼に仕上げられる。
【0027】本発明は、UEミルの水平ロールとして、
互いに断面形状の異なるロールを用いることを特徴とす
る。ここに、「互いに断面形状の異なる」ことの趣旨
は、圧延材のウエブに長手方向および幅方向の曲げ変形
を与え、水平ロールによるウエブ引き込みをおこなうこ
とであり、少なくともいずれか一方の水平ロールのウエ
ブ当接部に凸部を設ければよいが、通常は、上下水平ロ
ールの断面形状が互いに反転形状をなし、相互に補完す
る形状をとる。なお、上下水平ロールの断面形状はウエ
ブ噛み込みの安定性の観点から水平ロールの幅方向中心
に対し対称とするのがよい。
【0028】以下、本発明を上水平ロールのウエブ当接
部の中央部が凹状で、下水平ロールのウエブ当接部の中
央部が凸状の水平ロールを例に説明する。
【0029】図4は、本発明で用いるユニバーサルエッ
ジャミルの各ロールと圧延材の形状を模式的に示すロー
ルの正面図と圧延材の縦断面図である。符号11aは上
水平ロール、11bは下水平ロール、12は竪ロール、
13は凹部、14は凸部、15は圧延材、16はウエブ
当接部である。
【0030】図4に示すように、上水平ロール11aと
下水平ロール11bは、それぞれのウエブ当接部16の
幅中央部おいて凹部13と凸部14を備える。その為、
上下水平ロール間の間隙がウエブ厚より広くなる圧延条
件においても、上水平ロールのウエブ当接部の端部とウ
エブ上面の端部ならびに下水平ロールのウエブ当接部の
中央部とウエブ下面の中央部が接触するため、水平ロー
ルによる圧延材15の引き込みをおこなうことができ
る。したがって、内法深さが異なるH形鋼の場合でも、
UEミルの最終パスでウエブ高さを縮小してウエブ高さ
の異なる多サイズのH形鋼が同一UEミルで可能とな
る。
【0031】例えば、図4に示すUEミルを図3に示す
ラインのUEミルに配置した場合について説明する。
【0032】図3において、約1250℃に加熱された
鋳片をBDミルで圧延し、ビームブランクとする。次い
で、URミルとUEミルからなるミル群で7〜15パス
の往復圧延(中間圧延)により所定の各部寸法に圧延を
し、最後にUFミルで1パスの仕上げ圧延をおこない目
的寸法のH形鋼に仕上げる。
【0033】例えば、H600×200のH形鋼を圧延
する場合について説明する。URミルの水平ロールにH
600×200用のロール幅が576mmのものを使用
し、UEミルの水平ロールにロール幅が544mmで図
4に示す基本形状の上ロールの凹部の深さ(Da)10
mmで下ロールの凸部の高さ(Db)10mmのものを
使用すると、UEミルの最終パスでウエブの高さを縮小
することにより、H600×200×11/17、H6
06×201×12/20、H612×202×13/
23の内法一定H形鋼と、H600×200×9/1
6、H600×200×12/16の外法一定H形鋼が
圧延できる。
【0034】UEミルで曲げ変形を受けたウエブは、引
き続いておこなう幅可変の水平ロールを有するUFミル
による仕上げ圧延により、平坦矯正される。なお、UF
ミルの幅可変水平ロールは、幅方向中央部にロールの継
ぎ目に当たる空間部が存在するため、その部分ではロー
ルとウエブが接触しない状態となるが、UEの水平ロー
ルの断面形状を適正化することにより、寸法精度ならび
に表面品質の問題のない製品が得られる。
【0035】図5は、本発明に係るUEミルの水平ロー
ルの形状例を模式的に示す断面図で、同図(A)は、一
方の水平ロールのウエブ当接部の幅中央部に凸部を他方
の水平ロールのウエブ当接部の幅中央部に凹部を設けた
場合、同図(B)は、一方の水平ロールのウエブ当接部
の端部に凸部を他方の水平ロールのウエブ当接部の端部
に凹部を設けた場合、同図(C)は、一方の水平ロール
のウエブ当接部の幅中央部と端部にそれぞれ凸部と凹部
を設け、他方の水平ロールのウエブ当接部の幅中央部と
端部にそれぞれ凹部と凸部を設けた場合である。図4と
同じ要素は同一の符号で表す。
【0036】本発明では、UEミルの水平ロールとして
図5(A)、(B)、(C)に示すロール形状の水平ロ
ールを用いることができるが、ロール加工のコストや得
られる製品の寸法精度や圧延の安定性の観点から、図5
(A)が好ましい。ただし、本発明に係るUEミルの水
平ロールは、図5(A)、(B)、(C)に限定される
ものでない。
【0037】本発明の好適態様は、UEミルの水平ロー
ルとして幅可変ロールを用いることを特徴とする。
【0038】図6は、UEミルの幅可変水平ロールと竪
ロールの正面図と圧延材の断面を示す模式図である。符
号17は幅可変水平ロールで、図5と同じ要素は同一の
符号で表す。
【0039】図6に示すように、幅可変水平ロール17
はオンラインで幅変更が可能であるので、中間圧延の最
終パスでウエブ高さを縮小する際にもフランジ内面を幅
可変水平ロールの側面で拘束してフランジ先端を圧下す
ることができるので寸法精度の更なる向上が可能とな
る。また、UEミルの水平ロールの保有数を削減するこ
とができる。
【0040】上述のように水平ロールの幅を可変とする
には、例えば、実開平3−111404号公報に示すよ
うに、可動スリーブロールの外周面に突起を設け、アー
バに対しすべりキーで連結させ、スリーブの基端部に雄
ねじを形成し、この雄ねじに螺合したナットの等分位置
に設けた突起を可動スリーブロールの突起部隙間に嵌合
させ、両突起端を分割キーで軸方向に固定した構造とす
ればよい。
【0041】
【実施例】本発明による効果を、H600×200のH
形鋼のシリーズで実施例1、2および従来例に基づいて
説明する。なお、このシリーズの内法一定H形鋼の標準
サイズはH600×200×11/17であり、内法深
さ(b1、b2)は厚み違いサイズも同じ94.5mm
である。一方、外法一定H形鋼のサイズはH600×2
00×9/16とH600×200×12/16であ
り、それぞれの内法深さ(b1、b2)は95.5mm
と94.0mmである。
【0042】(実施例1)図3に示すブレークダウンミ
ル(BDミル)およびユニバーサル粗ミル(URミル)
とユニバーサルエッジャミル(UEミル)とで構成され
るミル群ならびにユニバーサル仕上げミル(UFミル)
のラインに、図5(A)に示すような水平ロールを有す
るUEミルを配置した。URミルの水平ロール幅は57
6mmとした。UEミルの水平ロールはロール幅が54
4mmで、図5(A)に示すように下水平ロールはウエ
ブ当接部の幅中央部に高さ(Db)10mmで幅(W
b)100mmの台形状の凸部を有し、上水平ロールは
ウエブ当接部の幅中央部に深さ(Da)10mmで幅
(Wa)100mmの台形状の凹部を有する。この装置
を用いて、BDミルで鋳片をビームブランク(ウエブ厚
40mm、フランジ厚70mm、フランジ幅225m
m、ウエブ高さ716mm)に圧延し、次いでUR、U
EおよびUFの各ミルでH600×200×11/1
7、H600×200×9/16およびH600×20
0×12/16の3種類のH形鋼を圧延した。
【0043】まず、H600×200×11/17を圧
延する場合、URミルとUEミルの2台で7パスのタン
デムレバース圧延を、UEミルの最終パスではウエブ高
さを10mm縮小するとともにフランジ幅を199mm
に圧下しておこない、最後にUFミルの1パスでH60
0×200×11/17に仕上げた。このとき、内法深
さは、上側、下側とも94.5mmで中心偏りの発生は
なく良好であった。
【0044】次ぎに、H600×200×9/16を圧
延する場合、URミルとUEミルの2台で7パスのタン
デムレバース圧延を、UEミルの最終パスではウエブ高
さを8mm縮小するとともにフランジ幅を199mmに
圧下しておこない、最後にUFミルの1パスでH600
×200×9/16に仕上げた。UEミルの圧延におい
て、水平ロールの両端部の上下ロール間隔は12mm
で、ウエブ厚は9mmであり、中央部で下ロールとウエ
ブが接触し、両端部で上ロールとウエブが接触して、圧
延は全く問題なくおこなうことができた。なお、得られ
たH形鋼の内法深さは、上側と下側がそれぞれ94.0
mm、96.0mmとなり1mmの中心偏りが発生した
が、寸法公差内であり問題なかった。
【0045】また、H600×200×12/16を圧
延する場合、URミルとUEミルの2台で7パスのタン
デムレバース圧延を、UEミルの最終パスではウエブ高
さを8mm縮小するとともにフランジ幅を199mmに
圧下しておこない、最後にUFミルの1パスでH600
×200×12/16に仕上げた。UEミルの圧延にお
いて、水平ロールの両端部の上下ロール間隔は12mm
で、ウエブ厚は12mmであり、中央部で下ロールとウ
エブが接触し、両端部で上ロールとウエブが接触して、
圧延は全く問題なくおこなうことができた。なお、得ら
れたH形鋼の内法深さは、上側と下側がそれぞれ94.
0mm、93.0mmとなり中心偏りは0.5mm程度
と小さく良好であった。
【0046】なお、UFミルの水平ロールは幅方向に2
分割されており中央部に8mmの空間部を有している
が、ウエブは平坦に圧延され、寸法精度、形状とも良好
で表面疵の発生もなかった。UEミルの水平ロールはロ
ール幅が固定されたロールを用いた。
【0047】(従来例1)図3に示すミルラインのUE
ミルに従来の2Hiエッジャミルを配置した。2Hiエ
ッジャミルの孔型深さは93.5mmとした。この装置
を用いて、H600×200×11/17、H600×
200×9/16およびとH600×200×12/1
6の3種類のH形鋼を圧延した。
【0048】H600×200×11/17、H600
×200×9/16およびH600×200×12/1
6の圧延では、URミルと2Hiエッジャミルの2台で
7パスのタンデムレバース圧延を、UEミルの最終パス
ではフランジ幅を199mmに圧下しておこない、最後
にUFミルの1パスでウエブの高さの縮小をおこない各
サイズのH形鋼に仕上げた。得られたH形鋼のウエブ中
心偏りは、H600×200×11/17、H600×
200×9/16およびH600×200×12/16
でそれぞれ3.2mm、4.0mm、2.8mmとな
り、いずれも公差外れとなり不良であった。
【0049】(従来例2)図3に示すミルラインのUE
ミルに水平ロールがフラットロールである従来のユニバ
ーサルエッジャミルを配置した。URミルとUEミルの
水平ロール幅は、それぞれ576mm、544mmとし
た。この装置を用いて、H600×200×11/1
7、H600×200×9/16およびとH600×2
00×12/16の3種類のH形鋼を圧延した。
【0050】H600×200×12/16の圧延で
は、URミルとUEミルの2台で7パスのタンデムレバ
ース圧延を、UEミルの最終パスでウエブ高さを8mm
縮小するとともにフランジ幅を199mmに圧下してお
こない、最後にUFミルの1パスでH600×200×
12/16に仕上げた。得られた製品の中心偏りは0.
5mmと良好であった。
【0051】H600×200×11/17とH600
×200×9/16の圧延では、UEミルの最終パスに
おいて、水平ロールが圧延材のウエブに接触しないた
め、噛み込み不良で圧延不可となった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、ウエブ中心偏りの発生
を防止しながらウエブ高さの縮小を可能として同一のユ
ニバーサルエッジャミルで多サイズのH形鋼を高精度に
圧延することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】H形鋼の断面形状と各部の寸法を示す図であ
る。
【図2】従来の2Hiエッジャミルを使用したH形鋼の
圧延方法を説明するための、ロールの正面図と圧延材と
H形鋼の形状を示す断面図で、同図(A)はユニバーサ
ル粗ミルによる粗圧延状況を示す図、同図(B)はエッ
ジャミルによる粗圧延状況を示す図、同図(C)はユニ
バーサル仕上げミルによる仕上げ圧延状況を示す図であ
る。
【図3】本発明方法によるH形鋼の製造ラインの一例を
示す模式図である。
【図4】本発明で用いるユニバーサルエッジャミルの各
ロールと圧延材の形状を模式的に示すロールの正面図と
圧延材の縦断面図である。
【図5】本発明に係るUEミルの水平ロールの形状例を
模式的に示す断面図で、同図(A)は、一方の水平ロー
ルのウエブ当接部の幅中央部に凸部を他方の水平ロール
のウエブ当接部の幅中央部に凹部を設けた場合、同図
(B)は、一方の水平ロールのウエブ当接部の端部に凸
部を他方の水平ロールのウエブ当接部の端部に凹部を設
けた場合、同図(C)は、一方の水平ロールのウエブ当
接部の幅中央部と端部にそれぞれ凸部と凹部を設け、他
方の水平ロールのウエブ当接部の幅中央部と端部にそれ
ぞれ凹部と凸部を設けた場合である。
【図6】UEミルの幅可変水平ロールと竪ロールの正面
図と圧延材の断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1、4、5:水平ロール、 2、6、12:竪ロール、 3、15:圧延材、 7:H形鋼、 11a:上水平ロール、 11b:下水平ロール、 13:凹部、 14:凸部、 16:ウエブ当接部、 17:幅可変水平ロール。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ1対の竪ロールと1対の水平ロ
    ールとを有するユニバーサル粗ミルとユニバーサルエッ
    ジャミルとで構成される粗ユニバーサルミル群を中間圧
    延工程に用いておこなうH形鋼の圧延方法において、上
    記ユニバーサルエッジャミルの水平ロールとして、互い
    に断面形状が異なるロールを用いることを特徴とするH
    形鋼の高精度圧延方法。
  2. 【請求項2】 上記ユニバーサルエッジャミルの一方の
    水平ロールのウエブ当接部に凸部を、他方の水平ロール
    のウエブ当接部に上記凸部と対応する凹部を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のH形鋼の高精度圧延方
    法。
  3. 【請求項3】 上記ユニバーサルエッジャミルとして、
    幅可変の水平ロールを備えたユニバーサルエッジャミル
    を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のH
    形鋼の高精度圧延方法。
  4. 【請求項4】 上記中間圧延工程のユニバーサルエッジ
    ャミルの最終パスでウエブ高さを縮小することを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載のH形鋼の高精
    度圧延方法。
JP8880199A 1999-03-30 1999-03-30 H形鋼の高精度圧延方法 Expired - Fee Related JP3339457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8880199A JP3339457B2 (ja) 1999-03-30 1999-03-30 H形鋼の高精度圧延方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8880199A JP3339457B2 (ja) 1999-03-30 1999-03-30 H形鋼の高精度圧延方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000280001A JP2000280001A (ja) 2000-10-10
JP3339457B2 true JP3339457B2 (ja) 2002-10-28

Family

ID=13952984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8880199A Expired - Fee Related JP3339457B2 (ja) 1999-03-30 1999-03-30 H形鋼の高精度圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3339457B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007139177A (ja) 2005-10-20 2007-06-07 Japan Metal Gasket Co Ltd ガスケット
CN103831295B (zh) * 2014-03-27 2015-11-18 莱芜钢铁集团有限公司 带肋h型钢的轧制设备及其生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000280001A (ja) 2000-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3339457B2 (ja) H形鋼の高精度圧延方法
JP3339466B2 (ja) H形鋼とその圧延方法
JP3272862B2 (ja) H形鋼の圧延方法
JPH07178402A (ja) 鋼製連壁用形鋼の製造方法
EP3388160A1 (en) Method for producing steel h-beam, and rolling mill
JP3473558B2 (ja) H形鋼の圧延方法
JP2943326B2 (ja) H型鋼の製造方法
US11292039B2 (en) Method for producing H-shaped steel
JPH09108704A (ja) H形鋼の熱間圧延方法
JP7003841B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP4277640B2 (ja) 突起付形鋼の製造方法及び形鋼の圧延設備
JP2681536B2 (ja) 溝形鋼の圧延装置列
JP2861831B2 (ja) 外法一定平行フランジ溝形鋼の圧延方法
JPH07178404A (ja) 鋼製連壁用形鋼の製造方法
JP2971140B2 (ja) 高寸法精度h形鋼の圧延方法
JP2821360B2 (ja) 継目無し鋼管の製造法およびそれに用いるマンドレルミル
JP2720750B2 (ja) H形鋼の圧延機列
JP3627703B2 (ja) フランジを有する形材の圧延方法
JP4218481B2 (ja) 突起付形鋼の製造方法及び形鋼の圧延設備
JPH07214101A (ja) フランジを有する形鋼の自在圧延方法
JP5831139B2 (ja) H形鋼製造用粗圧延機
JPH0481201A (ja) フランジを有する形材の熱間圧延方法
JPS6330101A (ja) 突起付溝形鋼の製造方法
JP2000158003A (ja) H形鋼の圧延方法
JP2021041443A (ja) H形鋼の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020716

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees