JPH06312426A - 型内被覆成形方法 - Google Patents

型内被覆成形方法

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Publication number
JPH06312426A
JPH06312426A JP5102439A JP10243993A JPH06312426A JP H06312426 A JPH06312426 A JP H06312426A JP 5102439 A JP5102439 A JP 5102439A JP 10243993 A JP10243993 A JP 10243993A JP H06312426 A JPH06312426 A JP H06312426A
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JP
Japan
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mold
molding
center line
injection port
coating
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Application number
JP5102439A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Yoshitaka Nakatani
好孝 中谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06312426A publication Critical patent/JPH06312426A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 型内被覆成形方法において、注入口が型の中
心線から離れた位置にある型を用いた場合においても被
覆性の良好な型内被覆成形品を得る。 【構成】 型の注入口5aが、成形品の駆動部3,4の
中心線7近傍に位置するように、型1及び2が成形機の
駆動部3,4に支持されていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、型内において成形材料
上に被覆材料を注入し被覆層を形成する型内被覆成形方
法に関するものであり、特に被覆材料を注入する注入口
が型の中心線から離れた位置に設けられている型を用い
る型内被覆成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品等の代替部材として工業部品等に非常に広く用
いられている。中でも、シート・モールディング・コン
パウンド(以下、SMCと略す)又はバルク・モールデ
ィング・コンパウンド(以下、BMCと略す)が汎用さ
れている。
【0003】しかしながらSMC又はBMCを成形型内
で加熱・加圧により成形して得られた成形品では、表面
に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏などの表面欠陥が
発生しがちであった。このようの表面欠陥が存在してい
る場合、成形品に通常の方法による塗装を行っても、十
分な塗膜を形成することは難しい。
【0004】そこで、上記のような表面欠陥を隠ぺいす
るための方法として、いわゆる型内被覆成形方法が提案
されている。例えば、特開昭61−273921号に
は、金型に注入機を取り付け、この注入機の先端の注入
口から、圧縮成形中に成形圧力を超える注入圧で被覆材
料を注入し、硬化させることにより、成形品表面に被覆
層を形成する方法が開示されている。
【0005】図2は、このような従来の型内被覆成形方
法を説明するための装置の模式的側面図である。図2を
参照して、成形型は、上金型1及び下金型2から構成さ
れており、上金型1はスライド3に取り付けられてい
る。スライド3は成形機の駆動シリンダー4に取り付け
られている。また上金型1には、熱硬化性被覆材料を型
内に注入するための注入機5が設けられている。被覆材
料は注入機5により、その先端部に位置する注入口5a
から型内に注入される。
【0006】このような型内被覆成形においては、成形
品表面上の被覆層に注入口の跡が残らないように、通
常、成形品の表面となる部分に注入口が位置しないよう
に注入機が取り付けられる。例えば、バスタブ成形品の
排水口にあたる部分などのように、成形後に切り捨てら
れる部分に注入口が位置するよう注入機を取り付ける
か、あるいは、成形品の端に成形後切り捨てるタブを設
け、このタブの部分に注入口が位置するよう注入機が取
り付けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、型内被覆成形
においては、型内における注入口の位置が限定される場
合が多く、図2に示すように、注入口5aの位置が、型
の中心線6の近傍に位置しない場合がある。
【0008】従来、このような型を用いる場合において
も、図2に示すように、駆動シリンダー4及びスライド
3の中心線7と、型の中心線6とが一致するように上金
型1及び下金型2が、スライド3に取り付けられてい
る。
【0009】しかしながら、このような取り付け状態で
型内被覆成形を行った場合、被覆材料による成形品の被
覆性が悪くなるという問題があった。特に注入口から離
れた位置まで被覆材料が展延されないため、このような
位置における被覆性が悪く、成形品全体を均一に被覆す
ることができないという問題があった。
【0010】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、注入口が型の中心線から離れた位置にある型
を用いた場合においても、被覆性の良好な型内被覆成形
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の型内被覆成形方
法は、注入口が型の中心線から離れた位置に設けられて
いる型を用いる方法であり、型の注入口が成形機の駆動
部の中心線近傍に位置するように型が成形機の駆動部に
支持されていることを特徴としている。
【0012】本発明において、「成形機の駆動部の中心
線」とは、成形機の駆動部の重心を通る可動方向の直線
の延長線を意味している。また、「成形機の駆動部」と
は、例えば成形機の駆動シリンダーとスライドとから構
成される部分を意味している。
【0013】また、本発明においては、注入口が型の中
心線から離れた位置に設けられている型を用いている
が、ここで「型の中心線」とは、可動型の重心を通る可
動方向の仮想直線を意味している。
【0014】本発明において、型の注入口は、成形機の
駆動部の中心線近傍に位置するように設けられるが、好
ましくは成形機の駆動部の中心線上に設けられる。しか
しながら、型や成形機の駆動部の大きさや形状等の制約
により、型の注入口を成形機の駆動部の中心線上に設け
ることが不可能である場合がある。そのような場合に
は、駆動部の中心線近傍に位置するように設ける。
【0015】図1は、本発明に従う型内被覆成形方法を
説明するための装置の模式的側面図である。図1を参照
して、型は上金型1(可動型)及び下金型2(固定型)
から構成されており、上金型1は、スライド3に取り付
けられており、スライド3は成形機の駆動シリンダー4
に取り付けられている。上金型2には注入機5が取り付
けられており、注入機5の先端部に位置する注入口5a
は、上金型1の中心線6から離れた位置に設けられてい
る。駆動部の中心線7と注入口5aの位置を示す線8と
の間の距離をL1 とし、型の中心線6と注入口5aの位
置を示す線8との間の距離をL2 とすると、注入口5a
は、L1 <(2/3)×L2 を満たすように駆動部の中
心線7の近傍に設けられていることが好ましく、さらに
は、L1<(1/3)L2 を満たすように設けられてい
ることが好ましい。
【0016】なお、上述の熱硬化性成形材料が型内で半
硬化状態であるときとは、熱硬化性成形材料が未硬化状
態から増粘してゲル化した後、完全硬化に到る前の状態
であり、被覆材料の注入に対して受容性を有している
(表面状態が乱れたりする等の不都合が生じない)状態
まで硬化した状態をいう。
【0017】本発明に用いる成形機としては、従来公知
の、型内被覆成形を行える射出成形機、プレス成形機等
が使用可能である。本発明に用いる型としては、従来公
知のプレス成形用金型、射出成形用金型に、注入機を取
り付けたものを利用することができる。注入機として
は、例えば特開昭61−273921に開示されている
モレル社製インゼクタMRF600−625−250等
を利用することができる。さらにこれらの注入機は、型
に加工された孔部分に嵌合させて取り付けることがで
き、その先端の注入口が成形材料表面に合うように調整
することができる。
【0018】注入口の位置としては、成形品内部の、例
えばバスタブの排水口や自動車外板の鍵穴のような、成
形後に切り捨てる部分に取り付けることが好ましい。ま
た、成形品の外周に成形後切り捨てるべきタブを設け
て、この部分に注入口を位置させてもよい。
【0019】注入口の取り付け角度は特に限定されるも
のではないが、型の中心線を法線とする平面と平行に、
あるいは該平面に対して0〜60度の角度をもたせて取
り付けるのが一般的である。型の中心線を法線とする平
面に対し60度以上の角度をもたせた場合には、被覆材
料に対して非常に大きな圧力をかけないと被覆材料が型
内に流れていかないので、通常ではこのような角度で注
入口を取り付けることは行われていない。しかしなが
ら、このような取り付け角度であっても、本発明は有効
に適用され得るものである。
【0020】本発明の被覆成形方法における成形圧力パ
ターンとしては、従来公知の任意のパターンが可能であ
る。例えば、60〜100kg/cm2 の高圧で型内に
成形材料を充填した後、減圧して20〜50kg/cm
2 に数十秒間維持し、さらに0〜40kg/cm2 に減
圧して被覆材料を注入する等の方法で成形することがで
きる。
【0021】また、立ち上がりの大きい、いわゆる深絞
り型の形状のものについては、減圧を行わずに、すなわ
ち、成形材料を型内に充填した後、そのまま成形圧力を
変化させずに、数十秒間維持した後に被覆材料を注入す
ることにより、立ち上がり面の被覆性を良好にすること
ができる。
【0022】本発明において成形材料として用いる熱硬
化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂としては、熱分解性の
ラジカル触媒を用いて二重結合を開裂付加反応させ3次
元網目構造を形成することのできる、分子内に反応性二
重結合を持つ不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリ
レート(ビニルエステル)樹脂、ウレタンアクリレート
樹脂などが用いられる。これらの樹脂はそれぞれ単独で
用いられても良いし、複数種を混合して用いても構わな
い。
【0023】また、成形材料用熱硬化性樹脂組成物には
低収縮剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)
アクリレート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重
合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、ポリブタジエ
ン、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類などのよ
うな熱可塑性樹脂を必要に応じて適当量用いることがで
きる。
【0024】さらに上記成形材料として用いる熱硬化性
樹脂組成物には、目的及び用途に応じて、適当量の無機
充填剤、すなわち、炭酸カルシウム、重晶石(硫酸バリ
ウム)、石膏(硫酸カルシウム)、雲母、タルク(滑
石)、葉ろう石、カオリン、石英、長石、酸化チタン、
鋼玉(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニウム、(中
空)ガラス球、ガラス粉末、などの天然または人工の鉱
物またはそれを処理、精製あるいは加工したもの、およ
びそれらの混合物が用いられる。また、上記充填剤の添
加量としては熱硬化性樹脂100重量部に対して0〜3
00重量部添加されるのが好ましい。添加量が300部
を超えると充填剤を樹脂および単量体の中に均一に分散
させることが困難になり、また粘度が高くなりすぎるた
め型内での流動が悪くなり寸法安定性を得ることが困難
になる。
【0025】また、上記熱硬化性樹脂組成物には、補強
剤として、各種補強繊維、すなわちガラス繊維、炭素繊
維などを必要に応じて適当量加えることができる。また
さらに上記熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、ス
チレン、アルファメチルスチレン、ジビニルベンゼン、
ビニルトルエン、ジアリルフタレート、各種アクリレー
トモノマー、各種メタクリレートモノマーなどの共重合
性単量体、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキ
サイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパー
オキサイド類、アルキルパーエステル類、パーカーボネ
ート類、パーオキシケタール類などの公知の開始剤、ジ
メチルアニリン、ナフテン酸コバルトなどの公知の硬化
促進剤、パラベンゾキノンなどの重合禁止剤、カーボン
ブラックや酸化チタン、酸化鉄、シアニン系顔料、アル
ミフレーク、ニッケル粉、金粉、銀粉などの顔料、アゾ
系染料やアントラキノン系、インジゴイド系、スチルベ
ン系などの染料、カーボンブラックなどの導電性付与
剤、乳化剤、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族
燐酸塩、レシチンなどの離型剤などを用途、目的に応じ
て適当量加えることができる。
【0026】このようにして得られた熱硬化性樹脂組成
物は、従来公知の方法により、SMCあるいはBMCの
形態を持つ成形材料となる。また、本発明に用いる被覆
材料用熱硬化性樹脂組成物には、成形材料用熱硬化性樹
脂組成物と同様の各種材料を適宜配合して用いられる。
すなわち熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂、
エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹
脂、などが用いられ、必要に応じて各種共重合性モノマ
ー、低収縮剤、各種充填剤、着色剤、開始剤、添加剤等
を加えることができる。
【0027】
【作用】注入口が型の中心線から離れている型を用い、
成形型内で成形材料上に被覆材料を高圧で注入して被覆
層を形成する型内被覆成形方法において、被覆材料の被
覆性が悪い理由に関して、本発明者らは種々分析を行っ
た。その結果、被覆材料を高圧で注入する際に、被覆材
料の圧力により、注入口付近で型を開ける方向に圧力が
かかるのであるが、注入口が駆動部の中心線から離れて
いると、被覆材料注入の圧力によりモーメントが発生し
て可動金型が傾き、この傾きが被覆材料の流れを妨げて
いることを解明した。
【0028】本発明者らはこれらの分析結果に基づき、
鋭意改良検討を行った結果、駆動部の中心線近傍となる
ように型を取り付けることによって被覆材料の圧力によ
るモーメントの発生を防ぎ、被覆材料高圧注入時におけ
る可動型の傾きの発生を抑制することによって、被覆性
が良好になり容易に全面を被覆することが可能になるこ
とを見いだし、本発明を完成させるに至ったのである。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。以
下、部は重量部を意味する。1.成形機の準備 成形機としては、川崎油工社製、800トンプレス成形
機(スライド寸法、2200mm×1600mm、テー
ブル寸法、2200×1600mm)を用いた。
【0030】2.成形材料の調製 (1)不飽和ポリエステル樹脂液(イソフタル酸系の不
飽和ポリエステル樹脂約60重量%をスチレンモノマー
約40重量%に溶解したもの)…70部 (2)ポリエスチレン系低収縮剤樹脂液(ポリスチレン
樹脂約30重量%をスチレンモノマー約70重量%に溶
解したもの)…30部 (3)炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)…120部 (4)硬化剤(カヤブチルB:化薬アクゾ社製、ターシ
ャリーブチルパーオキソベンゾエート含有率98重量
%)…1部 (5)増粘剤(酸化マグネシウム粉末、キョーワマグ1
50:協和化学工業社製)…1部 (6)内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社
製)…5部 (7)ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)…60部 上記配合材料のうちガラス繊維以外の材料を混合、十分
に攪拌した後、SMC製造装置によりガラス繊維に含有
させ、SMCを得た。
【0031】3.型内被覆材料の調製 (1)不飽和ポリエステル樹脂液(上記2.(1)に同
じ)…100部 (2)炭酸カルシウム(NS−100)…100部 (3)硬化剤(カヤブチルB)…1部 を混合、十分に攪拌し、型内被覆材料を得た。
【0032】4.金型Aの準備 図4に示すような成形品10を成形することのできる金
型を作製した。図3はこのようなを金型を示しており、
図3(a)は平面図であり、図3(b)は断面図であ
る。図3に示すように金型は上金型11(可動型)及び
下金型12から構成されており、上金型11には注入機
15が取り付けられており、注入機15の先端の注入口
15aは、上金型11及び下金型12の中心線16から
2 =334mmの距離に位置するように設けられてい
る。注入機15としては、モレル社製インジェクターア
ッセンブリを用い、これにモレル社製高圧注入装置を接
続した。また注入口15aは、図4に示す成形品10の
タブ10aの部分に位置するように設けた。
【0033】5.金型Bの準備 図6に示すような成形品20を成形することのできる金
型を作製した。図5は、このような金型を示しており、
図5(a)は平面図であり、図5(b)は断面図であ
る。図5に示すように、金型は上金型21及び下金型2
2から構成されており、上金型21には注入口25aが
形成されている。この注入口25aは、図6に示す成形
品20のタブ20aの部分に位置するように形成されて
いる。この注入口25aには注入機25が取り付けられ
ており、注入機25としてはモレル社製インジェクター
アッサンブリを用いた。この注入機25には、モレル社
製高圧注入装置を接続した。図5(b)に示すように、
上金型21(可動型)及び下金型22(固定型)の中心
線26から注入口25aまでの距離L2 は232mmで
ある。
【0034】実施例1 金型Aを、図7に示すように成形機のスライド3に取り
付けた。図7(a)は平面図であり、図7(b)は側面
図であり、金型Aの上金型11のみを図示している。図
7に示すように注入口15aは駆動部の中心線7上に位
置しており、L 1 は0mmである。型の中心線16から
注入口15aまでの距離L2 は334mmである。従っ
て、距離L1 /L2 は0である。
【0035】上金型を150℃、下金型を150℃に加
熱した後、金型内に上記SMCを約3.4kgチャージ
し(これは底面部約5ミリ、その他の部分の肉厚約3ミ
リの厚みに相当する)、図19に示すように、70kg
/cm2 の圧力で120秒間加圧成形した後、成形圧力
を変えずに注入機から上記型内被覆材料を100ml注
入した。注入に要した時間は5秒であった。その後成形
圧力を変えずに120秒間加熱・加圧成形することによ
り、被覆成形品を得た。
【0036】その後型を開いて脱型した。得られた成形
品は表面全体が被覆されていた。図8は成形品の展開図
において膜厚分布を数値で示した図である。図8に示さ
れるように、被覆層の膜厚は全体として偏りなく均一に
形成されている。
【0037】実施例2 金型Aを用い、図9(a)及び(b)に示すように、駆
動部の中心線7から注入口15aまでの距離L1 を10
0mmとし、L1 /L2 の比を100/334=0.3
として、その他の条件は実施例1と同様にして型内被覆
成形品を得た。得られた成形品の被覆層の膜厚分布は図
10に示す通りであり、全体として偏りなく均一な厚み
で形成されている。
【0038】実施例3 金型Aを、図11(a)及び(b)に示すように、駆動
部の中心線7から注入口15aまでの距離L1 を200
mmとし、L1 /L2 の比を200/334=0.6と
する以外は、実施例1と同様にして型内被覆成形品を得
た。得られた型内被覆成形品の被覆層の膜厚分布は、図
12に示す通りであり、全体として偏りなく均一な厚み
で被覆層が形成されている。
【0039】実施例4 金型Bを、図13(a)及び(b)に示すように、注入
口25aの位置が駆動部の中心線7上に位置するように
金型Bをスライド3の上に取り付けた。従って、L1
0mmであり、L1 /L2 は0/232=0である。
【0040】上金型を150℃、下金型150℃に加熱
した後、金型内に上記SMCを約2.5kgチャージし
(これは底面部約4ミリ、その他の部分の肉厚約3ミリ
の厚みに相当する)、図20に示すように、80kg/
cm2 の圧力で40秒間加圧成形した後、30kg/c
2 に減圧して、60秒間加圧した。その後、注入機か
ら上記型内被覆材料70mlを注入した。注入に要した
時間は5秒であった。その後、成形圧力を30kg/c
2 として、120秒間加熱・加圧することにより被覆
成形品を得た。その後型を開いて脱型した。
【0041】得られた成形品は表面全体を被覆するもの
であり、膜厚分布は図14に示すように、全体として偏
りなく均一に形成されていた。比較例1 金型Aを、図15(a)及び(b)に示すように、金型
の中心線16と駆動部の中心線7が一致するように取り
付けた。駆動部の中心線7から注入口15aまでの距離
1 が334mmであるので、L1 /L2 は334/3
34=1.0である。このような取り付け位置の変更以
外は、実施例1と同様にして型内被覆成形品を成形し
た。
【0042】得られた成形品の膜厚を図16に示す。図
16において、ハッチングで示す部分は被覆層が形成さ
れていない部分であり、注入口から遠い立ち面の部分に
は被覆材料が展延被覆されておらず、また膜厚分布も非
常に不均一であった。
【0043】比較例2 金型Bを、図17(a)及び(b)に示すように、金型
の中心線26が駆動部の中心線7と一致するようにして
取り付けた。駆動部の中心線7から注入口25aまでの
距離L1 は232mmであるので、L1 /L2 は232
/232=1.0である。このような取り付け位置の変
更以外は、実施例4と同様にして型内被覆成形品を成形
した。
【0044】得られた成形品の膜厚を図18に示す。図
18においてハッチングで示す部分は、被覆層が形成さ
れていない部分である。図18に示されるように、注入
口から遠い側における立ち面においては、被覆材料が展
延被覆されておらず、また膜厚分布も非常に不均一なも
のであった。
【0045】以上の実施例1〜4及び比較例1,2の金
型の取り付け条件及び得られた成形品における被覆層の
被覆性並びに膜厚の最低値及び最高値を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1〜4においては、注入口が型の中心線から
離れた位置にある型を用いて場合においても、被覆性の
良好な成形品を得ることができる。
【0048】
【発明の効果】本発明の型内被覆成形方法に従い、注入
口が駆動部の中心線近傍に位置するように金型を駆動部
に取り付けることにより、被覆材料を注入する際の型の
傾きの発生を抑制することができ、これによって被覆性
が良く、全面を被覆することができ、かつ膜厚分布も均
一に近い良好な成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型内被覆成形方法を説明するための装
置の模式的側面図。
【図2】従来の型内被覆成形方法を説明するための装置
の模式的側面図。
【図3】本発明の実施例において用いた金型を示してお
り、(a)は平面図、(b)は断面図。
【図4】図3に示す金型によって成形される成形品を示
す斜視図。
【図5】本発明の実施例において用いた金型を示してお
り、(a)は平面図、(b)は断面図。
【図6】図5に示す金型によって成形される成形品を示
す斜視図。
【図7】実施例1における金型Aの取り付け位置を示し
ており、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図8】実施例1で成形された成形品の膜厚分布を示す
展開図。
【図9】実施例2における金型Aの取り付け位置を示し
ており、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図10】実施例2で成形された成形品の膜厚分布を示
す展開図。
【図11】実施例3における金型Aの取り付け位置を示
しており、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図12】実施例3で成形された成形品の膜厚分布を示
す展開図。
【図13】実施例4における金型Bの取り付け位置を示
しており、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図14】実施例4で成形された成形品の膜厚分布を示
す展開図。
【図15】比較例1における金型Aの取り付け位置を示
しており、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図16】比較例1で成形された成形品の膜厚分布を示
す展開図。
【図17】比較例2における金型Bの取り付け位置を示
しており、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図18】比較例2で成形された成形品の膜厚分布を示
す展開図。
【図19】実施例1〜3における成形圧力の変化を示す
図。
【図20】実施例4における成形圧力の変化を示す図。
【符号の説明】
1,11,21…上金型 2,12,22…下金型 3…スライド 4…成形機の駆動シリンダー 5,15,25…注入機 5a,15a,25a…注入口 6,16,26…金型の中心線 7…成形機の駆動部の中心線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性被覆材料を注入する注入口が少
    なくとも一方に設けられ、かつ該注入口が型の中心線か
    ら離れた位置に設けられている一対の型を用い、該一対
    の型の少なくとも一方を成形機の駆動部によって支持
    し、一対の型の他方側に移動させることによって熱硬化
    性成形材料を該型内で加熱・加圧成形する方法であり、
    前記成形材料が型内で半硬化状態であるときに前記被覆
    材料を前記型の注入口から型内に注入し成形品表面上に
    被覆層を形成する型内被覆成形方法であって、 前記型の注入口が、前記成形機の駆動部の中心線近傍に
    位置するように、前記型が前記成形機の駆動部に支持さ
    れていることを特徴とする、型内被覆成形方法。
JP5102439A 1993-04-28 1993-04-28 型内被覆成形方法 Pending JPH06312426A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018110079A1 (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 三菱重工業株式会社 複合材料の成形方法及び複合材料
WO2020195938A1 (ja) * 2019-03-22 2020-10-01 大日本塗料株式会社 型内被覆用組成物

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WO2020195938A1 (ja) * 2019-03-22 2020-10-01 大日本塗料株式会社 型内被覆用組成物
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