JPH06312147A - 流体噴射ノズル - Google Patents

流体噴射ノズル

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JPH06312147A
JPH06312147A JP10211493A JP10211493A JPH06312147A JP H06312147 A JPH06312147 A JP H06312147A JP 10211493 A JP10211493 A JP 10211493A JP 10211493 A JP10211493 A JP 10211493A JP H06312147 A JPH06312147 A JP H06312147A
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谷  泰臣
Hideto Inagaki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体の供給圧を変化しないで流体を微粒化し
て噴霧することができる流体噴射ノズルを提供する。 【構成】 燃料噴射弁の噴孔から噴出される燃料は、第
1のオリフィス78および第2のオリフィス80を流通
する。このとき、第1のオリフィス出口78aを通過し
た流体の一部は、第2のオリフィス80を形成する内壁
面に衝突し、この内壁面の上部に形成される空間部11
0に薄い燃料膜102を形成する。そして、第1のオリ
フィス78を通過した流体の一部が、この薄い燃料膜1
02の衝突によって流れが不安定となり、第2のオリフ
ィス80から噴射される流体の微粒化を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体噴射ノズルに関す
るもので、例えば自動車用の内燃機関へ燃料を噴射して
供給する電磁式燃料噴射弁の噴射ノズル部に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関に用いられる燃料噴射
ノズルは、弁本体の軸方向に形成される案内孔に弁部材
を摺動可能に収納し、弁本体の先端部に開口する噴孔を
弁部材の上下動により開閉する。このため、弁部材は、
適正な燃料噴射量を確保するように開弁時のリフト量が
精密に制御されている。
【0003】従来技術として、特開昭61−10415
6号公報に開示される流体噴射ノズルは、噴孔の前方に
多数のスリット状オリフィスを備え、このスリット状オ
リフィスに噴孔からの燃料を通すことで、燃料を広角度
に広がった微粒化された噴霧にしている。また、特開平
2−75757号公報は、噴孔の前方側に複数のシリコ
ンプレートを備えたものを開示している。シリコンプレ
ートを用いることにより精密な燃料通路穴パターンを形
成することで燃料流を制御している。
【0004】さらに、米国特許第4647013号公報
に示される流体噴射ノズルは、噴孔の前方側に燃料流を
制御するオリフィスを有するシリコン平板を備えるもの
を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開昭61−1
04156号公報に開示されるように、噴霧の微粒化を
促進するために従来から種々の噴孔形状が試みられてい
る。ところが、従来技術に開示されるような噴孔形状で
は十分な微粒化が困難であった。
【0006】本発明は上記のような従来技術の問題点に
鑑み、流体の供給圧を変化しないで流体を微粒化して噴
霧することができる流体噴射ノズルを提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明による流体噴射ノズルは、流体が流入する第1
の孔を有する第1のプレートと、前記第1のプレートの
下流側に重ねて設けられ、前記第1の孔の少なくとも一
部分と連通しかつ下流側に絞られる第2の孔を有する第
2のプレートと、前記第1の孔出口と前記第2の孔出口
の間に形成され、前記第2の孔を形成する内壁面に衝突
する流体により液膜を形成する空間部とを備え、前記液
膜が形成される面積は、前記第1の孔出口を通過する流
体横断面積より広いことを特徴とする構成を有する。
【0008】上記構成において、前記第2のプレート
は、複数のプレ−トからなり、この複数のプレートによ
り下流側に絞られるように形成される前記第2の孔を有
する構成とすることができる。また、前記第2の孔は、
前記第1の孔に非直交のスリット状の孔である構成とす
ることができる。
【0009】
【作用】本発明の上記構成によると、流体は第1の孔を
通ってから、さらに第2の孔を通って噴射される。ここ
で、第1の孔出口を通過した流体の一部は第2の孔を形
成する内壁面に衝突する。すると、第1の孔出口と第2
の孔出口との間に形成される空間部内の上記内壁面に薄
い液膜が形成される。そしてこの薄い液膜による流体の
衝突によって流れが不安定となり、第2の孔から噴射さ
れる流体の微粒化を促進する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の第1実施例による流体噴射ノズルを図1
〜図4に示す。この第1実施例は、本発明の流体噴射ノ
ズルをガソリン機関の燃料供給装置の燃料噴射弁に適用
したものである。
【0011】図2に示すように、燃料噴射弁20は、磁
性材料からなるハウジング26に軸方向に固定鉄心2
1、可動鉄心25、弁部材27および弁本体29が固定
される。軸方向に摺動可能な可動鉄心25および弁部材
27は、固定鉄心21内に収容された圧縮コイルスプリ
ング28により閉弁方向に付勢され、弁部材27の先端
に形成されるシート部27aが弁本体29の弁座30に
着座するようになっている。
【0012】固定鉄心21の外周には、電磁コイル33
が設けられる。電磁コイル33は、固定鉄心21の外周
面に固定されたスプール32に巻装される。電磁コイル
33に電気的に接続されるターミナル34は、合成樹脂
からなるコネクタ35およびスプール32の延長部32
aに埋設される。固定鉄心21のつば部21cには、タ
ーミナル34をコネクタ35側に取出すための穴が形成
される。そして、図示しない電子制御装置からワイヤー
ハーネスを介してターミナル34に噴射制御用の電気信
号が送信されると、電磁コイル33に励磁電流が流れ、
固定鉄心21に発生する吸引力により、可動鉄心25お
よび弁部材27が圧縮コイルスプリング28の付勢力に
抗して開弁方向に移動する。
【0013】燃料タンクからオイルポンプ等により圧送
される燃料は、固定鉄心21に一体に形成されるコネク
タ管23から燃料噴射弁20内に導入される。コネクタ
管23は、固定鉄心21の可動鉄心25と反対側の端部
に設けられ、コネクタ管23内に燃料中の異物等を取除
くフィルタ24が固定される。固定鉄心21には、軸方
向に貫通孔21aが形成される。貫通孔21aにはコネ
クタ管23内の燃料を可動鉄心25側に導く案内管43
が挿入される。案内管43は、案内管43のコネクタ管
23と反対側の端部で圧縮コイルスプリング28を支持
する。このため、貫通孔21a内で案内管43を固定す
る位置を軸方向に変化させることで圧縮コイルスプリン
グ28の付勢力が調節される。
【0014】弁部材27の外周面には、弁本体29の案
内孔29aの内周面を摺動する案内部45および46が
所定の間隔をおいて形成され、案内部45および46の
軸方向に溝45aおよび46aが形成される。案内管4
3を通過する燃料は、ハウジング26と可動鉄心25と
の間の隙間を通過して中空部44に流出され、中空部4
4から溝45aおよび46aを通り噴射孔31に至る。
【0015】固定鉄心21とスプール32との間には、
Oリング37が設けられ、スプール32とハウジング2
6との間には、Oリング38が設けられる。また、弁本
体29とハウジング26との間には、Oリング39が設
けられる。これらのOリング37、Oリング38および
Oリング39は、燃料噴射弁20内に導入された燃料が
外部に流出するのを防止する。
【0016】次に、燃料噴射弁20の吐出部50の構成
について説明する。図1及び図2に示すように、ハウジ
ング26の中空部44に連通する円形の凹部52には、
弁本体29が環状のストッパ56を介して挿入され、ハ
ウジング26によりカシメ固定される。弁本体29の案
内孔29a内には、弁部材27が往復動可能に挿入され
る。環状のストッパ56は、凹部52の内径よりも小さ
い外径を有し、弁部材27のフランジ部60の外径より
小さい内径を有する。ストッパ56の厚さは、固定鉄心
21と可動鉄心25との間のエアギャップを所定値に保
持するように調節される。
【0017】開弁時、弁部材27は、フランジ部60が
ストッパ56に当接する位置まで開弁方向に移動する。
このとき、中空部44の燃料は、ストッパ56、弁部材
27と案内孔29aとの隙間を通過して噴孔31から噴
射される。閉弁時、弁部材27のシート部27aが弁座
部30に当接する。このため、案内孔29aと噴孔31
を結ぶ燃料通路が遮断され、燃料の噴射が停止される。
【0018】そして、弁本体29の噴孔31の前方側に
第1のオリフィスプレート70が載せられ、この第1の
オリフィスプレート70の下面に第2のオリフィスプレ
ート74が重ね合わされ、これら第1のオリフィスプレ
ート70および第2のオリフィスプレート74を弁本体
29の端面29bに固定するスリーブ76が弁本体29
にカシメ固定されている。
【0019】第1のオリフィスプレート70は、図3
(A)、(B)に示すように、中央部に円状の第1のオ
リフィス78が形成される。この第1のオリフィス78
は、下側の第2オリフィスプレート74側(燃料流の下
流)に行くに従い先細状に形成されている。第2のオリ
フィスプレート74は、図3(A)、(B)に示すよう
に、前記第1のオリフィス78と中心線を同じくして円
状の第2のオリフィス80が形成されている。この第2
のオリフィス80は、第1のオリフィス78と同様に下
方に行くに従い先細状に形成されている。第1のオリフ
ィスプレート70と第2のオリフィスプレート74の材
質は、ステンレス、樹脂、単結晶シリコン等からなる。
そして、弁本体29への取付状態では、図3(A)、
(B)に示すように、第1のオリフィス78と第2のオ
リフィス80とが中心線が一致する方向に第1のオリフ
ィスプレート70と第2のオリフィスプレート74とが
重なり合っている。
【0020】空間部110は、第1のオリフィス出口7
8aの下側に形成され、円錐状に上方に内壁面が末広が
るように第2オリフィス80の燃料入口側に環状に形成
される。この空間部110は、第2のオリフィス80を
形成する内壁面に衝突する第1のオリフィス78を通過
した燃料の一部が、薄い液膜を形成するための空間部で
ある。
【0021】第1のオリフィスプレート70と第2のオ
リフィスプレート74との重ね合わせによるオリフィス
形状による燃料噴射特性を図4に基づいて説明する。図
1において、弁本体29の弁座部30から弁部材27が
リフトすると、噴孔31より燃料が噴射される。そし
て、噴孔31より噴射された燃料は、図4に示すよう
に、第1のオリフィス78と第2のオリフィス80との
重なり部分を通り抜け下方へ噴射供給される。
【0022】このとき、第1のオリフィス出口78aを
通り抜ける燃料は、第2のオリフィス出口80aを通り
抜けようとするが、一部が図4に示す矢印101のよう
に下方に直進して第2オリフィス内壁面に衝突し、この
内壁面に沿って円錐状の燃料膜102を形成する。この
燃料膜102は、第1のオリフィス出口78aの下方側
に形成される広い容積をもつ空間部110に環状に形成
される。この薄い燃料膜102が、出口80aを通り抜
けようとする燃料と衝突することによって流れが不安定
となり、第2のオリフィス出口80aから噴出する燃料
の微粒化が促進される。これにより、2枚のプレート7
0、74にオリフィス78、80を形成するだけの簡単
な構成で優れた微粒化噴霧が得られる。
【0023】この第1実施例によると、噴孔31から噴
射された燃料は第1のオリフィス78および第2のオリ
フィス80を通り抜けて、スリーブ76に形成された貫
通孔82より噴射される。この噴射燃料は、先細状に絞
られた第1のオリフィス78を通過した後さらに先細状
に絞られた第2のオリフィス80を通過するため、微粒
化されかつ円錐状の噴霧形状となる。このため、図示し
ない吸気ポートより内燃機関の燃焼室に供給される燃料
は燃焼されやすい噴霧形状となる。
【0024】本実施例によると、燃料の微粒化を促進す
ることのできる吐出部を2枚のプレートを重ね合わせる
だけで簡単に製作できるという効果がある。次に前記第
1実施例の第1のオリフィスプレート70および第2の
オリフィスプレート74に代わるプレートを利用した第
2実施例を図5(A)、(B)に示す。
【0025】図5(A)、(B)に示す第2実施例は、
第1のオリフィスプレート112と第2のオリフィスプ
レート114、116からなる。第1のオリフィスプレ
ート112は、断面円形状の直状の第1のオリフィス1
18を有する。第2のオリフィスプレート114、11
6は、2枚のプレートを重ね合わせてなり、上側のプレ
ートに形成される大径孔120、下側のプレートに形成
される小径孔122からなる。第1のオリフィス11
8、大径孔120、小径孔122の中心線は一致してい
る。そして、第1のオリフィス118の出口118aの
下側に容積大の空間部124が形成される。空間部12
4は、大径孔120から小径孔122に燃料が流れると
きに絞られる燃料の一部により薄い液膜を形成するため
の空間である。この薄い液膜形成により小径孔122か
ら噴出する燃料の噴霧が微粒化される。
【0026】第2実施例によると、第1のオリフィス1
18、大径孔120、小径孔122を燃料が通過し燃料
が噴霧形状となる。このとき、第1のオリフィス118
から大径孔120に入った燃料の一部は、そのまま小径
孔122を通過しようとするが、他の一部が下側の第2
のプレート116の上面116aに衝突して燃料の薄い
液膜が上面116aから空間部124にかけて形成さ
れ、そして、この薄い液膜との衝突により小径孔122
から噴出する燃料が微粒化される。
【0027】この小径孔122から噴出される燃料は円
錐状になって所定の噴霧角および粒径の噴霧形状となっ
て扇状に噴射される。また、このような燃料噴霧は通常
の燃料の供給圧が変化されることなく容易に形成され
る。次に、本発明の第3実施例を図6、図7、図8に示
す。図6(A)に示す第3実施例は、上側のプレートに
直線状の第1のオリフィス130を形成し、下側のプレ
ートにこの直線状と同方向に重なり合う方向に延びる直
線状の第2のオリフィス140が下側のプレートに形成
される。第1のオリフィス130は内壁面130a、1
30b、130c、130dからなり上側から下側へ行
くに従い先細状になっている。また第2のオリフィス1
40は、内壁面140a、140b、140c、140
dからなり、上側から下側に行くに従い先細状になって
いる。これらの直線状のオリフィス130と140は非
直交で重なり合う同方向に並べられる。そして、下側の
第2のオリフィス140の長手方向長さよりも短い長さ
に第1のオリフィス130の長手方向長さが設定され、
一方、第2のオリフィス140の幅よりも大きい幅に第
1のオリフィス130の幅が設定されている。
【0028】図6(B)に示す第3実施例の変形例は、
図6(A)に示す例よりも上側のプレートに形成される
第1のオリフィス132のスリットの長手方向長さを短
くした例である。下側の第2のオリフィス140につい
ては図6(A)のものと同様である。第1のオリフィス
132は、内壁面132a、132b、132c、13
2dからなる。
【0029】図6(C)および図12に示す第3実施例
の変形例は、前記第1オリフィス130に代えて第1の
オリフィス134からなる。第1オリフィス134は、
前記図6(B)に示す変形例の第1のオリフィス132
よりもさらにスリットの長手方向長さを短縮し、オリフ
ィスの縦方向および横方向の長さを均等とした正方形状
の孔が内壁面134a、134b、134c、134d
によって形成される。下側のプレートに形成される第2
のオリフィス140については図6(A)に示すものと
同様である。
【0030】ここで、上記図6(C)によって第3実施
例による燃料の微粒化原理について図8(A)、(B)
に基づいて説明する。なお、図8において、正方形状オ
リフィス134は図を見やすくするために円孔状に図示
されている。図8(A)に示すように、第1のオリフィ
ス134のオリフィス出口から流出する燃料は、その一
部が第2のオリフィス140を貫通しようとし、他の一
部は燃料膜102を形成する。この燃料膜102が図8
(B)に示すように矢印方向に衝突することで、燃料は
不安定となり、第2のオリフィス通過後にちぎれやすく
微粒化した燃料噴霧を形成する。ここで、第1のオリフ
ィス134を通過する燃料の横断面積A1 、燃料膜の投
影面積A2 とすると、A1 ≦A2 の関係となる。
【0031】次に、図6に示す第3実施例の(A)、
(B)、(C)に示す各変形例の燃料噴霧形態について
図7に基づいて説明する。図7は、図6中のX方向から
見た噴霧形態を示している。図6(A)に示す例の噴霧
形態は、図7(A)に示すように、噴霧角が小さくな
り、第2のオリフィス出口の両端側から噴出される燃料
の濃度が相対的に高くなる。図6(B)に示す変形例に
よる燃料噴霧形態は、図7(B)に示すように、噴霧角
が(A)よりも少し広がり噴霧形態がオリフィス長手方
向に若干均一な分布となる。図6(C)に示す例の燃料
噴霧は、図7(C)に示すように燃料噴霧角が広い角度
となり噴霧形態が比較的オリフィス長手方向に均一分布
になる。また、図6(A)、(B)、(C)とも紙面垂
直方向には偏平な噴霧形態となる。
【0032】これらの燃料噴霧の形態は、内燃機関の各
仕様に応じて適宜オリフィス形状、その組み合わせある
いは重ね合わせ等を変えることで設定する。次に、本発
明の第4実施例を図9(A)、(B)、(C)に示す。
図9に示す第4実施例は下側のプレートのオリフィス形
状を変化させるものである。すなわち図9(A)に示す
第4実施例は、上側のオリフィス130と同方向に下側
のオリフィス150を重ね合わせている。下側のオリフ
ィス150は、内壁面150a、150b、150c、
150dからなる。この例では、オリフィスの長手方向
に対する噴霧の噴霧角が比較的狭い角度になる。
【0033】図9(B)に示す第4実施例の変形例は、
図9(A)に示すものに比べ下側のオリフィスを長手方
向に短縮し正方形状の下側のオリフィス152に形成し
た例である。オリフィス152は、内壁面152a、1
52b、152c、152dからなる。本例では、噴霧
角は図9(A)に示すものと後述する図9(C)に示す
ものとの中間的なものになる。
【0034】図9(C)および図14に示す第4実施例
の変形例は、図9(B)に示す例の下側のオリフィス1
52の第1のオリフィス130の長手方向長さをさらに
短縮し、第1のオリフィス130に直交する方向に長く
なるように第2のオリフィス154を形成した例であ
る。第2のオリフィス154は、内壁面154a、15
4b、154c、154dからなる。本例では、燃料の
噴霧角が図9(B)よりもさらに大きなものとなる。
【0035】次に本発明の第5実施例を図10(A)、
(B)に示す。図10に示す第5実施例は、図9(C)
に示す例の変形例で、第1のオリフィス130および第
2のオリフィス154に代えて、燃料の流れ方向に通路
面積が一定の直状の第1のオリフィス156および第2
のオリフィス158、160を形成した例である。第1
のオリフィスプレート162に直状でスリット状の第1
のオリフィス156が形成される。第2のオリフィスプ
レート164は、2枚のオリフィスプレート166と1
68とからなり、上側のオリフィスプレート166は直
状のオリフィス158が形成され、下側のオリフィスプ
レート168はオリフィス158の幅よりも小さい直状
のオリフィス160が形成される。
【0036】この第5実施例においては、第2のオリフ
ィスがオリフィス158と160により段状に燃料流れ
側に先細状に絞られるオリフィスが形成される。本例に
おいても同様にオリフィスプレート168の上面168
aに燃料膜が形成されることでオリフィス160から噴
出する燃料の噴霧が微粒化される。次に、本発明の第6
実施例を図11に示す。
【0037】図11に示す第6実施例は、図3に示す第
1実施例の変形例で、図3に示す第1のオリフィスプレ
ート70に代えて、直状のオリフィス170を有する第
1のオリフィスプレート172を用いている。第1のオ
リフィス170を通り抜ける燃料は、その一部が第2の
オリフィスプレート74の第2のオリフィス80をその
まま貫通し、燃料の他の一部は内壁面に当たって空間部
110に燃料液膜を形成し、この液膜形成により燃料の
微粒化が図られる。
【0038】本発明の第7実施例を図13に示す。図1
3に示す第7実施例は、第3実施例の変形例である図8
(C)のさらなる変形例である。なお、比較のために、
図12に図8(C)の断面図を示す。図13に示す第7
実施例は、第1のオリフィス134に代えて直状の第1
のオリフィス176を第1のオリフィスプレート172
に形成した例である。他の部分は図12に示す第3実施
例と同様である。
【0039】次に、本発明の第8実施例を図15に示
す。図15に示す第8実施例は、第4実施例の変形例で
ある図9(C)のさらなる変形例である。なお、比較の
ために、図14に図9(C)の断面図を示す。第8実施
例では、図14に示す上側の先細状の第1のオリフィス
130に代えて、直状の第1のオリフィス180を有す
る第1のオリフィスプレート172を用いている。
【0040】本例においても同様に燃料の微粒化が図ら
れる。本発明の第9実施例を図16に示す。図16に示
す第9実施例は、上側に円形状の第1のオリフィス20
0が形成され、下側に直線状の第2のオリフィス202
が形成される。第1のオリフィス200の中心と第2の
オリフィス202の中心とは一致している。第2のオリ
フィス202は下側に行くに従い先細状に形成されてい
る。
【0041】本発明の第10実施例を図17に示す。図
17(A)、(B)に示す第10実施例は、上側に円形
直状の第1のオリフィス200が形成され、下側に先絞
り状の第2のオリフィス204が形成される。第1のオ
リフィス200の中心と第2のオリフィス204の中心
とが偏心位置にあるため、第1のオリフィス200を通
過した燃料の一部が第2のオリフィス204の内壁面に
衝突し、軸中心に対して非対称の燃料の液膜が第2のオ
リフィス204の内壁面に形成され、燃料の微粒化が図
られるとともに、軸中心から外側に広がる噴霧形態とな
る。
【0042】本発明の第11実施例を図18に示す。図
18に示す第11実施例は、図17に示す第10実施例
の第1のオリフィス200と第2のオリフィス204と
を2セット設けたのに対し、第11実施例では4セット
設けた例である。2セットずつが互いに平行に設けられ
ている。本発明の第12実施例を図19に示す。
【0043】図19に示す第12実施例は、正方形状に
4個の第1のオリフィス200と4個の第2のオリフィ
ス202を形成した例である。これらの第11実施例お
よび第12実施例においても前記図17に示す空間部2
05と同様に燃料膜形成作用によって燃料の微粒化が促
進される。シリコン基板を用いてオリフィスプレートを
形成する場合、シリコンの異方性よりオリフィスの表面
から裏面への貫通内壁形状が所定の傾斜角度に先細状あ
るいは末広がり状に形成される。本発明のオリフィスプ
レートは、シリコンでなく金属を用いることも可能であ
り、その場合には異方性がないことからオリフィスの内
壁形状の傾斜角度をどのような傾斜角度に設定すること
も可能である。
【0044】なお、前記実施例では、第1のプレートに
第2のプレートを重ね合わせる例について説明したが、
本発明では、3枚以上のプレートを重ね合わせることも
できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の流体噴射
ノズルによると、流体の微粒化を促進することができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の燃料噴射弁の噴孔付近を
示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の燃料噴射装置を示す断面
図である。
【図3】(A)は本発明の第1実施例のオリフィスプレ
ートを示すもので、(B)に示すA方向矢視図である。
(B)は本発明の第1実施例のオリフィスプレートを示
す断面図である。
【図4】本発明の第1実施例による燃料噴霧の微粒化原
理を説明するための模式的断面図である。
【図5】(A)は本発明の第2実施例のオリフィスプレ
ートを示すもので、(B)に示すA方向矢視図である。
(B)は本発明の第2実施例のオリフィスプレートを示
す断面図である。
【図6】本発明の第3実施例のオリフィス形状を示すも
ので、(A)、(B)、(C)はそれぞれの変形例を示
す平面図である。
【図7】本発明の第3実施例の図6(A)、(B)、
(C)に対応する各例に示す燃料噴霧形態を表わす模式
図である。
【図8】(A)は図6(C)に示す第3実施例による燃
料の液膜形成状態を示す模式的斜視図である。(B)は
その液膜形成状態を示す模式的平面図である。
【図9】本発明の第4実施例のオリフィス形状を示すも
ので、(A)、(B)、(C)はそれぞれの変形例を示
す平面図である。
【図10】本発明の第5実施例のオリフィス形状を示す
もので、(A)は平面図である。(B)はその断面図で
ある。
【図11】本発明の第6実施例を示すもので、(A)は
平面図である。(B)はその断面図である。
【図12】本発明の第3実施例の図6(C)に示す例の
オリフィスプレートの断面図である。
【図13】本発明の第7実施例のオリフィスプレートの
断面図である。
【図14】本発明の第4実施例の図9(C)に示す例の
オリフィスプレートの断面図である。
【図15】本発明の第8実施例のオリフィスプレートの
断面図である。
【図16】本発明の第9実施例のオリフィス配置を示す
模式的平面図である。
【図17】(A)は本発明の第10実施例のオリフィス
配置を示す模式的平面図である。(B)はそのB−B断
面図である。
【図18】本発明の第11実施例によるオリフィス配置
を示す模式的平面図である。
【図19】本発明の第12実施例によるオリフィス配置
を示す模式的平面図である。
【符号の説明】
27 弁部材 29 弁本体 70 第1のオリフィスプレート(第1のプレー
ト) 74 第2のオリフィスプレート(第2のプレー
ト) 78 第1のオリフィス(第1の孔) 80 第2のオリフィス(第2の孔) 110 空間部 205 空間部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が流入する第1の孔を有する第1の
    プレートと、 前記第1のプレートの下流側に重ねて設けられ、前記第
    1の孔の少なくとも一部分と連通しかつ下流側に絞られ
    る第2の孔を有する第2のプレートと、 前記第1の孔出口と前記第2の孔出口の間に形成され、
    前記第2の孔を形成する内壁面に衝突する流体により液
    膜を形成する空間部とを備え、 前記液膜が形成される面積は、前記第1の孔出口を通過
    する流体横断面積より広いことを特徴とする流体噴射ノ
    ズル。
  2. 【請求項2】 前記第2のプレートは、複数のプレ−ト
    からなり、この複数のプレートにより下流側に絞られる
    ように形成される前記第2の孔を有することを特徴とす
    る請求項1記載の流体噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 前記第2の孔は、前記第1の孔に非直交
    のスリット状の孔であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の流体噴射ノズル。
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