JP2003083205A - 燃料噴射ノズル及びこれを備えた内燃機関並びに燃料噴射方法 - Google Patents

燃料噴射ノズル及びこれを備えた内燃機関並びに燃料噴射方法

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JP2003083205A
JP2003083205A JP2001275507A JP2001275507A JP2003083205A JP 2003083205 A JP2003083205 A JP 2003083205A JP 2001275507 A JP2001275507 A JP 2001275507A JP 2001275507 A JP2001275507 A JP 2001275507A JP 2003083205 A JP2003083205 A JP 2003083205A
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cavitation
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Atsushi Yushimo
篤 湯下
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料の微粒化を更に促進させることが可能な
燃料噴射ノズル及びこれを備えた内燃機関並びに燃料噴
射方法を提供する 【解決手段】 内燃機関に形成された燃焼室内に燃料を
噴射するための燃料噴射ノズル1において、前記燃料に
キャビテーションを発生させるためのキャビテーション
発生部2aと、該キャビテーション発生部2aで発生し
たキャビテーションを消滅させるためのキャビテーショ
ン消滅部2c,2dとを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射ノズル及
びこれを備えた内燃機関、並びに燃料噴射方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】陸舶用ディーゼルエンジン等の内燃機関
は、燃料を燃焼させることにより発生する高温,高圧の
ガスエネルギによってピストン等を駆動させ、これによ
り動力を得る機関である。この内燃機関には、燃料噴射
ポンプから送られてくる高圧の燃料を燃焼室内に噴射す
るための燃料噴射ノズルが設けられており、燃料噴射ノ
ズル内に供給されてきた燃料は、その先端に設けられた
燃料噴射用噴孔を流過することによって霧状にされて燃
焼室内へと噴射される。
【0003】ここで、燃料噴射ノズルの一例を図9
(a)及び図9(b)に示す。図9(a)において燃料
噴射ノズル101は、燃料入口103とニードルバルブ
104と該バルブ104を図において下方へ押圧するバ
ネ105と燃料噴射用噴孔102とを主たる構成要素と
し、燃料噴射用噴孔102は燃料噴射ノズル101の先
端(図において下端)に設けられている。この燃料噴射
用噴孔102は単なる通し穴として円筒状に形成され、
その先端部は図示しない燃焼室と連通している。
【0004】図示しない燃料噴射ポンプからの高圧燃料
が燃料入口103より供給されると、燃料の圧力はニー
ドルバルブ104に作用し、その圧力がバネ105の押
付力以上になると、ニードルバルブ104は上方へと押
し上げられて噴孔入口102aから離れる。これによ
り、噴孔102内へと燃料が流れ込み、その燃料が噴孔
出口102bから燃焼室(図示せず。)へと噴射される
こととなる。(図9(b)参照。)
【0005】ここで、燃焼室へと噴射される燃料の挙動
について図10を用いて詳細に説明する。燃料は、ニー
ドルバルブ104と噴孔入口102aとの隙間から高圧
且つ高速の状態で燃料噴射用噴孔102内へと流れ込む
ことから、その内面から剥離し、噴孔の半径方向内側へ
と一旦絞られたのちに噴孔の半径方向外側へと広がる。
その際、燃料の圧力は飽和蒸気圧よりも低下することと
なり、燃料内には細かい泡(キャビテーション)が発生
する。これにより、キャビテーションが混在した燃料が
噴孔先端102bから燃料室内へと噴射されていくこと
となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃焼室内に
噴射される燃料は燃焼効率の向上や排気ガスのクリーン
化といった観点から細かい霧状にする必要があり、上述
のように従来の燃料噴射ノズル101では、キャビテー
ションを発生させることによって燃料の微粒化を促進し
ていた。また、燃料噴射用噴孔の径を細く形成すること
や噴射圧力を高くすることによって燃料を微粒化してい
た。しかしながら、現在では排気ガスによる大気汚染が
深刻であることなどから、排気ガスに関する規制は逐次
強化されており、今以上に燃料を微粒化することができ
る燃料噴射ノズル及びこれを備えた内燃機関並びに燃料
噴射方法の開発が望まれている。
【0007】本発明は、上記のような課題に鑑み、燃料
の微粒化を更に促進させることが可能な燃料噴射ノズル
及びこれを備えた内燃機関並びに燃料噴射方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料噴射ノズル
は、内燃機関に形成された燃焼室内に燃料を噴射するた
めの燃料噴射ノズルにおいて、前記燃料にキャビテーシ
ョンを発生させるためのキャビテーション発生部と、該
キャビテーション発生部で発生したキャビテーションを
消滅させるためのキャビテーション消滅部とを有するこ
とを特徴とする。
【0009】前記した燃料噴射ノズルによれば、燃料に
キャビテーションを発生させるためのキャビテーション
発生部が設けられているので、大量のキャビテーション
が混在した燃料が燃料噴射ノズル内を流過していくこと
となり、そのキャビテーションは、同じく燃料噴射ノズ
ルに設けられたキャビテーション消滅部において壊され
ることとなる。ここで、キャビテーションが壊れる際に
は衝撃圧力が発生するため、その圧力によってノズル内
の燃料が撹乱されることとなり、これにより、微粒化の
促進された燃料が燃料噴射ノズルから燃焼室へと噴射さ
れる。
【0010】さらに、前記キャビテーション消滅部は、
前記燃料噴射ノズルの先端に形成された燃料噴射用噴孔
の途中に設けられ、該燃料噴射用噴孔の入口部よりも燃
料の流路断面積を減少させた面積縮小部とされているこ
とを特徴とする。
【0011】前記した燃料噴射ノズルによれば、燃料噴
射用噴孔の途中に燃料噴射用噴孔の入口部よりも燃料の
流路断面積を減少させた面積縮小部が設けられているの
で、噴孔入口部での圧力低下によって発生したキャビテ
ーション混じりの燃料は、面積縮小部を流過することに
よって圧力が高められる。その際、燃料内部に混在する
キャビテーションは燃料の圧力上昇に伴って崩壊・消滅
し、噴孔内の燃料には衝撃圧力が作用する。これによ
り、燃料は撹乱されることとなり、微粒化の促進された
燃料が燃料噴射用噴孔から燃焼室へと噴射される。
【0012】さらに、前記面積縮小部は、燃料噴射用噴
孔の径方向に段差を有する段部とされていることを特徴
とする。
【0013】前記した燃料噴射ノズルによれば、その途
中に燃料噴射用噴孔の入口部よりも燃料の流路断面積を
減少させる段差及び段部が設けられているので、噴孔入
口部での圧力低下によって発生したキャビテーション混
じりの燃料は、段差から段部を流過することによって圧
力が高められる。その際、燃料内部に混在するキャビテ
ーションは燃料の圧力上昇に伴って崩壊・消滅し、噴孔
内の燃料には衝撃圧力が作用する。これにより、燃料は
撹乱されることとなり、微粒化の促進された燃料が燃料
噴射用噴孔から燃焼室へと噴射される。ここで、燃料噴
射用噴孔の途中に設けられた段差の角部に面取りが施さ
れていると、段差を流過する燃料の噴孔内面からの剥離
が防止されることとなり、不要な圧力低下が抑制され
る。
【0014】また、本発明の燃料噴射ノズルは、内燃機
関に形成された燃焼室内に燃料を噴射するための燃料噴
射ノズルにおいて、該燃料噴射ノズルの先端に形成され
た燃料噴射用噴孔の入口部から出口部にかけて断面積が
減少するテーパ形状からなることを特徴とする。
【0015】前記した燃料噴射ノズルによれば、燃料噴
射用噴孔の入口部から出口部にかけて断面積が減少する
テーパ形状からなるので、噴孔入口部分での圧力低下に
よって発生したキャビテーション混じりの燃料は、テー
パ形状部を流過するに連れて逐次圧力が高められてい
く。その際、燃料内部に混在するキャビテーションは燃
料の圧力上昇に伴って崩壊・消滅し、燃料には衝撃圧力
が作用する。これにより、噴孔内の燃料は撹乱されるこ
ととなり、微粒化の促進された燃料が燃料噴射用噴孔か
ら燃焼室へと噴射される。
【0016】また、本発明の燃料噴射ノズルは、内燃機
関に形成された燃焼室内に燃料を噴射するための燃料噴
射ノズルにおいて、該噴射ノズルの先端に形成された燃
料噴射用噴孔の途中には、該燃料噴射用噴孔の入口部よ
りも燃料の流路断面積を拡張させる面積拡張部が設けら
れ、該面積拡張部よりも下流の流路断面積は、面積拡張
部の断面積よりも縮小されていることを特徴とする。
【0017】前記した燃料噴射ノズルによれば、その先
端に形成された燃料噴射用噴孔の途中に噴孔入口部より
も燃料の流路断面積を拡張させる面積拡張部が設けられ
ると共に、面積拡張部よりも下流の流路は、面積拡張部
の断面積よりも縮小されているので、噴孔入口部での圧
力低下により発生したキャビテーション混じりの燃料
は、面積拡張部よりも下流の流路内を流過することによ
って圧力が高められる。その際、燃料内部に混在するキ
ャビテーションは燃料の圧力上昇に伴って崩壊・消滅
し、噴孔内の燃料には衝撃圧力が作用することとなる。
これにより、燃料は撹乱され、微粒化の促進された燃料
が燃料噴射用噴孔から燃焼室へと噴射される。
【0018】また、本発明の燃料噴射ノズルは、内燃機
関に形成された燃焼室内に燃料を噴射するための燃料噴
射ノズルにおいて、該燃料噴射ノズルの先端に形成され
た燃料噴射用噴孔は、複数本からなり、それら燃料噴射
用噴孔のうち少なくとも2本が合流する噴孔合流部を有
することを特徴とする。
【0019】前記した燃料噴射ノズルによれば、この燃
料噴射ノズルの先端に形成された燃料噴射用噴孔は、複
数本からなり、それら燃料噴射用噴孔のうち少なくとも
2本が合流する噴孔合流部を有するので、それぞれの燃
料噴射用噴孔入口部における圧力低下により発生したキ
ャビテーション混じりの燃料は、噴孔合流部において合
流することによって圧力が高められる。その際、燃料内
部に混在するキャビテーションは燃料の圧力上昇に伴っ
て崩壊・消滅し、噴孔内の燃料には衝撃圧力が作用する
こととなる。これにより、燃料は撹乱され、微粒化の促
進された燃料が燃料噴射用噴孔から燃焼室へと噴射され
る。
【0020】また、本発明の内燃機関は、燃焼室内に供
給された燃料を燃焼させることによって生じた高温,高
圧のガスエネルギを利用して動力を発生させる内燃機関
において、該内燃機関には、上述の燃料噴射ノズルが備
え付けられていることを特徴とする。
【0021】前記した内燃機関によれば、燃料にキャビ
テーションを発生させると共に、そのキャビテーション
を消滅させることによって発生する衝撃圧力により燃料
を微粒化させる燃料噴射ノズルが備え付けられているの
で、燃焼室内には細かい霧状の燃料が供給されることと
なり、これにより、燃料の燃焼効率が高められる。
【0022】また、本発明の燃料噴射方法は、内燃機関
に形成された燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射方法に
おいて、前記燃料にキャビテーションを発生させるキャ
ビテーション発生工程と、該キャビテーション発生工程
で発生したキャビテーションを消滅させるためのキャビ
テーション消滅工程とを含むことを特徴とする。
【0023】前記した燃料噴射方法によれば、燃料にキ
ャビテーションを発生させるキャビテーション発生工程
を有するので、大量のキャビテーションが混在した燃料
が生成されることとなり、また、このキャビテーション
は、キャビテーション消滅工程によって壊されることと
なる。ここで、キャビテーションが壊れる際には衝撃圧
力が発生するため、その圧力によって燃料が撹乱される
こととなり、これにより、微粒化の促進された燃料が燃
焼室へと噴射されることとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明に係る燃料噴射ノズル及び
燃料噴射方法の第一実施形態について、図1を参照しな
がら説明する。図1において、燃料噴射ノズル1は、図
示しないディーゼルエンジン(内燃機関)の燃焼室部分
に設けられている。燃料噴射ノズル1の先端には、燃焼
室内へ燃料を噴射するための燃料噴射用噴孔2が略円筒
形状に形成されている。この燃料噴射用噴孔2後端側の
開口部(キャビテーション発生部)2aは常態におい
て、ニードルバルブ3と接触することにより塞がれてお
り、一方、先端側の開口部2bは、燃料噴射ノズル1と
燃焼室(図示せず。)とを連通させるように設けられて
いる。また、この燃料噴射用噴孔2の途中には、直角状
に形成された段差2c及び段部2d(面積縮小部,キャ
ビテーション消滅部)が設けられている。この段差2c
は噴孔2の径方向に形成されており、段差2c及び段部
2dによって、噴孔2の軸線方向下流側の断面積は噴孔
後端側開口部2aの断面積より縮小されている。
【0025】ここで、燃料噴射ノズル1は上記燃料噴射
用噴孔2以外に、図示しない燃料噴射ポンプから送られ
てくる高圧の燃料を燃料噴射ノズル1内に取り入れる燃
料入口(図示せず。)とニードルバルブ3とを主たる構
成要素としている。このニードルバルブ3は、ニードル
バルブ3を燃料噴射用噴孔の後端側開口部2aに押し付
けるように設置されたバネ(図示せず。)の付勢力と燃
料噴射ノズル1内に供給される燃料の圧力とのバランス
や電磁力等によって上下方向に移動できるように燃料噴
射ノズル1内に取り付けられている。
【0026】本実施形態の燃料噴射ノズル1では、燃料
噴射ポンプからの高圧燃料が燃料入口から燃料噴射ノズ
ル1内に供給されると共にニードルバルブ3が上昇し、
バルブ3と噴孔後端側開口部2aとの間に隙間が形成さ
れることによって、燃料が燃料噴射用噴孔2内へと流入
する。その際、燃料は高圧且つ高速の状態で噴孔後端側
開口部2aへと流れ込むことから、噴孔の内面から剥離
して、噴孔の半径方向内側へと一旦絞られたのちに噴孔
の半径方向外側へと広がっていく。この時、燃料の圧力
は飽和蒸気圧よりも低下することとなり、噴孔2内部の
燃料には細かい泡(キャビテーション)が発生する(キ
ャビテーション発生工程)。一方、キャビテーションが
発生した燃料が噴孔2に設けられた段差2cから段部2
dに掛けて流過する際には流路断面積が減少することか
ら、燃料の圧力が高められる。すると、燃料内に混在し
ていたキャビテーションは崩壊・消滅し始め、これに伴
い燃料に衝撃圧力が作用することとなる(キャビテーシ
ョン消滅工程)。これにより、燃料噴射用噴孔2内を流
過する燃料は撹乱され、微粒化の促進された燃料が噴孔
先端側の開口部2bから燃焼室へと噴射される。
【0027】以上、本燃料噴射ノズル1によれば、燃料
の中にキャビテーションを発生させると共にそのキャビ
テーションを消滅させることによって、燃料の微粒化を
促進させることが可能となる。これにより、燃料の燃焼
効率が向上することとなり、排出される排気ガスのクリ
ーン化も促進される。
【0028】次に、本発明に係る燃料噴射ノズル及び燃
料噴射方法の第二実施形態について、図2を参照しなが
ら説明する。図2に示す燃料噴射ノズル11は、上述し
た本発明の第一実施形態と同様に図示しないディーゼル
エンジン(内燃機関)の燃焼室部分に設けられており、
燃料噴射ノズル11の概略構成は本発明の第一実施形態
における燃料噴射ノズル1の構成に準じている。
【0029】燃料噴射用噴孔12は略円筒形状からな
り、燃料噴射用噴孔12後端側の開口部(キャビテーシ
ョン発生部)12aは常態において、ニードルバルブ1
3と接触することにより塞がれている。一方、先端側の
開口部12bは、燃料噴射ノズル11と燃焼室(図示せ
ず。)とを連通させるように設けられている。また、燃
料噴射用噴孔12の途中には、図1に示す第一実施形態
の燃料噴射用噴孔2と同様にノズルの軸線方向(下流方
向)にみて断面積を縮小させる段差12cと段部12d
とを備えて成る面積縮小部(キャビテーション消滅部)
が形成されている。但し、図1に示す第一実施形態では
段差2cが直角に形成されているのに対し、図2に示す
第二実施形態では段差12cに面取りが施されている。
【0030】ここで、第一実施形態では、段差2cが直
角に形成されており、流路断面積が急激に変化している
ことから、燃料が段差2cを流過する際に噴孔内面から
剥離し、流れが乱される可能性があるものの、第二実施
形態では、段差12cに面取りが施されているので、燃
料は段差12cの面取り部分に沿い、流れを乱すことな
くスムーズに噴孔内を流過していく。これにより、段差
12cでの燃料の剥離に伴う不要な圧力低下が抑制され
るので、キャビテーションの崩壊が一層活発に行なわれ
る。よって、微粒化の促進された燃料が噴孔先端側の開
口部12bから燃焼室へと噴射されることとなる。
【0031】次に、本発明に係る燃料噴射ノズル及び燃
料噴射方法の第三実施形態について、図3を参照しなが
ら説明する。図3に示す燃料噴射ノズル21は、本発明
の第一実施形態と同様に図示しないディーゼルエンジン
(内燃機関)の燃焼室部分に設けられており、燃料噴射
ノズル21の概略構成は本発明の第一実施形態における
燃料噴射ノズル1の構成に準じている。
【0032】燃料噴射用噴孔22は略円筒形状からな
り、燃料噴射用噴孔22後端側の開口部(キャビテーシ
ョン発生部)22aは常態において、ニードルバルブ2
3と接触することにより塞がれている。一方、先端側の
開口部22bは、燃料噴射弁21と燃焼室(図示せ
ず。)とを連通させるように設けられている。また、燃
料噴射用噴孔22の途中には、直角状に形成された段差
22c,22eと段部22d,22f(面積縮小部,キ
ャビテーション消滅部)とが順次設けられている。この
段差22c,22eは噴孔22の径方向に形成されてお
り、段差22c,22e及び段部22d,22fによっ
て、噴孔の軸線方向下流側の断面積は噴孔後端側開口部
22aの断面積より縮小されている。
【0033】第三実施形態の燃料噴射ノズル21では、
第一実施形態の燃料噴射ノズル1と同様に、燃料噴射ポ
ンプ(図示せず。)からの高圧燃料が燃料入口(図示せ
ず。)から燃料噴射ノズル21内に供給されると共に、
ニードルバルブ23が上昇し、バルブ23と噴孔後端側
開口部22aとの間に隙間が形成されることによって、
燃料が燃料噴射用噴孔22内へと流入する。その際、燃
料は高圧且つ高速の状態で噴孔後端側開口部22aへと
流れ込むことから、噴孔の内面から剥離して、噴孔の半
径方向内側へと一旦絞られたのちに噴孔の半径方向外側
へと広がっていく。この時、燃料の圧力は飽和蒸気圧よ
りも低下することとなり、噴孔22内部の燃料にはキャ
ビテーションが発生する(キャビテーション発生工
程)。ここで、本実施形態では、段差22c,22eと
段部22d,22fとが順次設けられていることから、
キャビテーションの混在した燃料が各々の段差及び段部
を流過するに連れて、圧力が段階的に高められることと
なり、キャビテーションの崩壊・消滅も段階的に進行す
る(キャビテーション消滅工程)。これにより、噴孔内
の燃料は幾度にも亘って撹乱されることとなり、さらに
微粒化の促進された燃料が燃料噴射用噴孔先端側の開口
部22bから燃焼室へと噴射される。
【0034】なお、本実施の形態では、噴孔の段差を2
2cと22dの二段にて示したが、段差数は内燃機関の
仕様や加工費用などによって適宜決定されるものであ
り、本実施の形態によって限定されるものではない。例
えば、大型エンジン等の場合は三段以上の段差を設けて
も良い。また、第二実施形態と同様に段差に面取りを施
し、且つ面取り寸法を各段差毎に変更させることも可能
である。
【0035】次に、本発明に係る燃料噴射ノズル及び燃
料噴射方法の第四実施形態について、図4を参照しなが
ら説明する。図4に示す燃料噴射ノズル31は、本発明
の第一実施形態と同様に図示しないディーゼルエンジン
(内燃機関)の燃焼室部分に設けられており、燃料噴射
ノズル31の概略構成は本発明の第一実施形態における
燃料噴射ノズル1の構成に準じている。
【0036】燃料噴射用噴孔32は、その後端側開口部
(入口部,キャビテーション発生部)32aから先端側
開口部(出口部)32bにかけて断面積が減少するテー
パ形状からなる。常態において、後端側開口部32aは
ニードルバルブ33と接触することによって塞がれてお
り、一方、先端側の開口部32bは、燃料噴射ノズル3
1と燃焼室(図示せず。)とを連通させるように設けら
れている。
【0037】第四実施形態の燃料噴射ノズル31では、
第一実施形態の燃料噴射ノズル1と同様に、燃料噴射ポ
ンプ(図示せず。)からの高圧燃料が燃料入口(図示せ
ず。)から燃料噴射ノズル31内に供給されると共に、
ニードルバルブ33が上昇し、バルブ33と噴孔後端側
開口部32aとの間に隙間が形成されることによって、
燃料が燃料噴射用噴孔32内へと流入する。その際、燃
料は高圧且つ高速の状態で噴孔後端側開口部32aへと
流れ込むことから、噴孔の内面から剥離して、噴孔の半
径方向内側へと一旦絞られたのちに噴孔の半径方向外側
へと広がっていく。この時、燃料の圧力は飽和蒸気圧よ
りも低下することとなり、噴孔32内部の燃料にはキャ
ビテーションが発生する(キャビテーション発生工
程)。ここで、本実施形態では、噴孔の後端側開口部3
2aから先端側開口部32bにかけて断面積が減少する
テーパ形状(キャビテーション消滅部)からなるので、
噴孔後端側開口部32aでの圧力低下によって発生した
キャビテーション混じりの燃料は、テーパ形状部を流過
するに連れて漸次圧力が高められていく。その際、燃料
内部に混在するキャビテーションは燃料の圧力上昇に伴
って崩壊・消滅し始め、燃料には衝撃圧力が作用するこ
ととなる(キャビテーション消滅工程)。これにより、
燃料噴射用噴孔32内を流過する燃料は撹乱され、微粒
化の促進された燃料が燃料噴射用噴孔先端側の開口部3
2bから燃焼室へと噴射される。
【0038】次に、本発明に係る燃料噴射ノズル及び燃
料噴射方法の第五実施形態について、図5を参照しなが
ら説明する。図5に示す燃料噴射ノズル41は、本発明
の第一実施形態と同様に図示しないディーゼルエンジン
(内燃機関)の燃焼室部分に設けられており、燃料噴射
ノズル41の概略構成は本発明の第一実施形態における
燃料噴射ノズル1の構成に準じている。
【0039】燃料噴射用噴孔42は略円筒形状からな
り、その途中には、噴孔の軸線方向に断面積を拡張させ
る面積拡張部42cが形成されている。また、この面積
拡張部42cよりも下流側(図において下側)の噴孔
は、面積拡張部42cの断面積よりも縮小されて形成さ
れている。ここで、燃料噴射用噴孔42の後端側開口部
(キャビテーション発生部)42aは常態において、ニ
ードルバルブ3と接触することにより塞がれており、一
方、後端側開口部42aは、燃料噴射ノズル41と燃焼
室(図示せず。)とを連通させるように設けられてい
る。
【0040】第五実施形態の燃料噴射ノズル41では、
第一実施形態の燃料噴射ノズル1と同様に、燃料噴射ポ
ンプ(図示せず。)からの高圧燃料が燃料入口(図示せ
ず。)から燃料噴射ノズル41内に供給されると共に、
ニードルバルブ43が上昇し、バルブ43と噴孔後端側
開口部42aとの間に隙間が形成されることによって、
燃料が燃料噴射用噴孔42内へと流入する。その際、燃
料は高圧且つ高速の状態で噴孔後端側開口部42aへと
流れ込むことから、噴孔の内面から剥離して、噴孔の半
径方向内側へと一旦絞られたのちに噴孔の半径方向外側
へと広がっていく。この時、燃料の圧力は飽和蒸気圧よ
りも低下することとなり、噴孔42内部の燃料にはキャ
ビテーションが発生する(キャビテーション発生工
程)。ここで、本実施形態では、燃料噴射用噴孔42の
途中に面積拡張部42cが設けられると共に、それより
も下流の流路は面積拡張部42cの断面積よりも縮小さ
れているので、噴孔入口部分での圧力低下により発生し
たキャビテーション混じりの燃料は、面積拡張部42c
よりも下流の流路内を流過することによって圧力が高め
られる。その際、燃料内部に混在するキャビテーション
は燃料の圧力上昇に伴って崩壊・消滅し、ノズル内の燃
料には衝撃圧力が作用することとなる(キャビテーショ
ン消滅工程)。これにより、燃料噴射用噴孔42内を流
過する燃料は撹乱され、微粒化の促進された燃料が燃料
噴射用噴孔先端側の開口部42bから燃焼室へと噴射さ
れる。
【0041】次に、本発明に係る燃料噴射ノズル及び燃
料噴射方法の第六実施形態について、図6を参照しなが
ら説明する。図6に示す燃料噴射ノズル51は、本発明
の第一実施形態と同様に図示しないディーゼルエンジン
(内燃機関)の燃焼室部分に設けられており、燃料噴射
ノズル51の概略構成は本発明の第一実施形態における
燃料噴射ノズル1の構成に準じている。
【0042】燃料噴射用噴孔52は略円筒形状からな
り、その途中には、噴孔の軸線方向に断面積を縮小させ
る面積縮小部52cが形成されている。さらに、この面
積縮小部52cよりも下流側(図において下側)の噴孔
は、面積縮小部52cの断面積よりも拡大されている。
ここで、燃料噴射用噴孔52の後端側開口部(キャビテ
ーション発生部)52aは常態において、ニードルバル
ブ53と接触することにより塞がれており、一方、後端
側開口部52aは、燃料噴射ノズル51と燃焼室(図示
せず。)とを連通させるように設けられている。
【0043】第六実施形態の燃料噴射ノズル51では、
第一実施形態の燃料噴射ノズル1と同様に、燃料噴射ポ
ンプ(図示せず。)からの高圧燃料が燃料入口(図示せ
ず。)から燃料噴射ノズル51内に供給されると共に、
ニードルバルブ53が上昇し、バルブ53と噴孔後端側
開口部52aとの間に隙間が形成されることによって、
燃料が燃料噴射用噴孔52内へと流入する。その際、燃
料は高圧且つ高速の状態で噴孔後端側開口部52aへと
流れ込むことから、噴孔の内面から剥離して、噴孔の半
径方向内側へと一旦絞られたのちに噴孔の半径方向外側
へと広がっていく。この時、燃料の圧力は飽和蒸気圧よ
りも低下することとなり、噴孔52内部の燃料にはキャ
ビテーションが発生する(キャビテーション発生工
程)。ここで、本実施形態では、燃料噴射用噴孔52の
途中に面積縮小部52cが設けられているので、噴孔入
口部分での圧力低下により発生したキャビテーション混
じりの燃料は、面積縮小部52c流過することによって
圧力が高められる。その際、燃料内部に混在するキャビ
テーションは燃料の圧力上昇に伴って崩壊・消滅し始
め、噴孔内の燃料には衝撃圧力が作用することとなる
(キャビテーション消滅工程)。これにより、燃料噴射
用噴孔52内を流過する燃料は撹乱され、微粒化の促進
された燃料が燃料噴射用噴孔先端側の開口部52bから
燃焼室へと噴射される。
【0044】次に、本発明に係る燃料噴射ノズル及び燃
料噴射方法の第七実施形態について、図7を参照しなが
ら説明する。図7に示す燃料噴射ノズル61は、本発明
の第一実施形態と同様に図示しないディーゼルエンジン
(内燃機関)の燃焼室部分に設けられており、燃料噴射
ノズル61の概略構成は本発明の第一実施形態における
燃料噴射弁1の構成に準じている。
【0045】円筒状からなる燃料噴射用噴孔62は略Y
字状に形成されている。つまり、燃料噴射用噴孔は、図
示しない燃料入口側(図において上側)では62e,6
2fの2本から構成され、その途中に設けられた噴孔合
流部62cにて合流している。そして、この噴孔合流部
62cより下流(キャビテーション消滅部)62gでは
1本に集約されている。より具体的には、噴孔合流部6
2cより下流側噴孔62gの断面積は、噴孔62eと噴
孔62fとによるトータル断面積よりも小さく形成され
ている。ここで、燃料噴射用噴孔62の後端側開口部
(キャビテーション発生部)62a及び62dは常態に
おいて、ニードルバルブ63と接触することにより塞が
れており、一方、後端側開口部62bは、燃料噴射ノズ
ル61と燃焼室(図示せず。)とを連通させるように設
けられている。
【0046】第七実施形態の燃料噴射ノズル61では、
第一実施形態の燃料噴射ノズル1と同様に、燃料噴射ポ
ンプ(図示せず。)からの高圧燃料が燃料入口(図示せ
ず。)から燃料噴射ノズル61内に供給されると共に、
ニードルバルブ63が上昇し、バルブ63と噴孔後端側
開口部62a,62dとの間に隙間が形成されることに
よって、燃料が各燃料噴射用噴孔62e,62f内へと
それぞれ流入する。その際、燃料は高圧且つ高速の状態
で各噴孔後端側開口部62e,62fへと流れ込むこと
から、噴孔の内面から剥離して、噴孔の半径方向内側へ
と一旦絞られたのちに噴孔の半径方向外側へと広がって
いく。この時、燃料の圧力は飽和蒸気圧よりも低下する
こととなり、各噴孔62e,62f内部の燃料にはキャ
ビテーションが発生する(キャビテーション発生工
程)。ここで、本実施形態では、燃料噴射用噴孔62
e,62fの途中に噴孔合流部62cが設けられると共
に、噴孔合流部62cより下流側噴孔62gの断面積
は、噴孔62eと噴孔62fとによる断面積の合計より
も縮小されているので、噴孔入口部分での圧力低下によ
って発生したキャビテーション混じりの燃料は、噴孔6
2gを流過することによって圧力が高められる。その
際、燃料内部に混在するキャビテーションは燃料の圧力
上昇に伴って崩壊・消滅し、噴孔内の燃料には衝撃圧力
が作用することとなる(キャビテーション消滅工程)。
これにより、燃料噴射噴孔62内を流過する燃料は撹乱
され、微粒化の促進された燃料が燃料噴射用噴孔先端側
の開口部62bから燃焼室へと噴射される。
【0047】なお、本実施の形態では、噴孔の本数を6
2e,62fの二本で示したが、本実施の形態によって
限定されるものではない。例えば、三本以上の噴孔を設
けると共に、それら噴孔を集約して燃料の流路断面積を
縮小させることによっても噴孔内の燃料圧力を上昇させ
ることが可能となる。これにより、燃料内のキャビテー
ションが崩壊・消滅して、燃料の微粒化が促進される。
【0048】次に、本発明に係る燃料噴射ノズル及び燃
料噴射方法の第8実施形態について、図8を参照しなが
ら説明する。図8に示す燃料噴射ノズル71は、本発明
の第一実施形態と同様に図示しないディーゼルエンジン
(内燃機関)の燃焼室部分に設けられており、燃料噴射
ノズル71の概略構成は本発明の第一実施形態における
燃料噴射ノズル1の構成に準じている。
【0049】円筒状からなる燃料噴射用噴孔72は略X
状に形成されている。つまり、燃料噴射用噴孔は72
e,72fの2本から構成され、その途中に設けられた
噴孔合流部72cにおいて一端合流したのち再び2本に
分岐している。より具体的には、噴孔72e,72fの
2本が噴孔合流部72cにおいて合流することによって
燃料の流路断面積は一端縮小され、分岐することによっ
て再び流路断面積が拡張されている。ここで、燃料噴射
用噴孔72の後端側開口部(キャビテーション発生部)
72a及び72dは常態において、ニードルバルブ73
と接触することにより塞がれており、一方、先端側開口
部72b及び72gは、燃料噴射ノズル71と燃焼室
(図示せず。)とを連通させるように設けられている。
【0050】第八実施形態の燃料噴射ノズル71では、
第一実施形態の燃料噴射ノズル1と同様に、燃料噴射ポ
ンプ(図示せず。)からの高圧燃料が燃料入口(図示せ
ず。)から燃料噴射ノズル71内に供給されると共に、
ニードルバルブ73が上昇し、バルブ73と噴孔後端側
開口部72a,72dとの間に隙間が形成されることに
よって、燃料が燃料噴射用噴孔72内へと流入する。そ
の際、燃料は高圧且つ高速の状態で噴孔後端側開口部7
2aへと流れ込むことから、噴孔の内面から剥離して、
噴孔の半径方向内側へと一旦絞られたのちに噴孔の半径
方向外側へと広がっていく。この時、燃料の圧力は飽和
蒸気圧よりも低下することとなり、噴孔72内部の燃料
にはキャビテーションが発生する(キャビテーション発
生工程)。ここで、本実施形態では、燃料噴射用噴孔7
2の途中に噴孔合流部72cが設けられているので、噴
孔入口部分での圧力低下により発生したキャビテーショ
ン混じりの燃料は、噴孔合流部72cにて合流すること
により圧力が高められる。その際、燃料内部に混在する
キャビテーションは燃料の圧力上昇に伴って崩壊・消滅
し、噴孔内の燃料には衝撃圧力が作用することとなる
(キャビテーション消滅工程)。これにより、燃料噴射
用噴孔72内を流過する燃料は撹乱され、微粒化の促進
された燃料が各燃料噴射用噴孔先端側の開口部72b,
72gから燃焼室へと噴射される。
【0051】なお、本実施の形態では、噴孔の本数を7
2e,72fの二本で示したが、本実施の形態によって
限定されるものではない。例えば、三本以上の噴孔を設
けると共に、それら噴孔を一端合流させて燃料の流路断
面積を縮小させることにより、噴孔内の燃料圧力を上昇
させることが可能となる。これにより、燃料内のキャビ
テーションが崩壊・消滅して、燃料の微粒化が促進され
る。
【0052】
【発明の効果】本発明の燃料噴射ノズルによれば、燃料
にキャビテーションを発生させるためのキャビテーショ
ン発生部が設けられているので、大量のキャビテーショ
ンが混在した燃料が燃料噴射ノズル内を流過し、そのキ
ャビテーションは同じく燃料噴射ノズルに設けられたキ
ャビテーション消滅部において壊される。ここで、キャ
ビテーションが壊れる際には衝撃圧力が発生するので、
その圧力によってノズル内の燃料を撹乱させることがで
き、これにより、微粒化の促進された燃料を燃料噴射ノ
ズルから燃焼室へと噴射することが可能となる。したが
って、燃料の燃焼効率が向上することとなり、排出され
る排気ガスのクリーン化も促進される。
【0053】さらに本発明の燃料噴射ノズルによれば、
キャビテーション消滅部は燃料噴射ノズルの先端に形成
された燃料噴射用噴孔の途中に設けられ、該燃料噴射用
噴孔の入口部よりも燃料の流路断面積を減少させた面積
縮小部とされているので、噴孔入口部分での圧力低下に
よって燃料内に発生したキャビテーションは、面積縮小
部を流過することにより圧力が高められて崩壊・消滅す
る。ここで、キャビテーションが壊れる際には衝撃圧力
が発生するため、その圧力によって噴孔内の燃料を撹乱
させることができ、これにより、微粒化の促進された燃
料を燃料噴射用噴孔から燃焼室へと噴射することが可能
となる。したがって、燃料の燃焼効率が向上することと
なり、排出される排気ガスのクリーン化も促進される。
【0054】さらに本発明の燃料噴射ノズルによれば、
面積縮小部は燃料噴射用噴孔の径方向に段差を有する段
部とされているので、噴孔入口部分での圧力低下によっ
て燃料内に発生したキャビテーションは、段差から段部
を流過することにより圧力が高められて崩壊・消滅す
る。ここで、キャビテーションが壊れる際には衝撃圧力
が発生するため、その圧力によって噴孔内の燃料を撹乱
させることができ、これにより、微粒化の促進された燃
料を燃料噴射噴孔から燃焼室へと噴射することが可能と
なる。したがって、燃料の燃焼効率が向上することとな
り、排出される排気ガスのクリーン化も促進される。
【0055】また、本発明の燃料噴射ノズルによれば、
その先端に形成された燃料噴射用噴孔の入口部から出口
部にかけて断面積が減少するテーパ形状からなるので、
噴孔入口部分での圧力低下によって燃料内に発生したキ
ャビテーションは、テーパ形状部を流過するにしたがっ
て逐次圧力が高められて崩壊・消滅する。ここで、キャ
ビテーションが壊れる際には衝撃圧力が発生するため、
その圧力によって噴孔内の燃料を撹乱させることがで
き、これにより、微粒化の促進された燃料を燃料噴射用
噴孔から燃焼室へと噴射することが可能となる。したが
って、燃料の燃焼効率が向上することとなり、排出され
る排気ガスのクリーン化も促進される。
【0056】また、本発明の燃料噴射ノズルによれば、
その先端に形成された燃料噴射用噴孔の途中に噴孔入口
よりも燃料の流路断面積を拡張させる面積拡張部が設け
られると共に、面積拡張部よりも下流の流路は、面積拡
張部の断面積よりも縮小されて設けられているので、噴
孔入口部分での圧力低下により燃料内に発生したキャビ
テーションは、面積拡張部よりも下流の流路内を流過す
ることにより圧力が高められて崩壊・消滅する。ここ
で、キャビテーションが壊れる際には衝撃圧力が発生す
るため、その圧力によって噴孔内の燃料を撹乱させるこ
とができ、これにより、微粒化の促進された燃料を燃料
噴射用噴孔から燃焼室へと噴射することが可能となる。
したがって、燃料の燃焼効率が向上することとなり、排
出される排気ガスのクリーン化も促進される。
【0057】また、本発明の燃料噴射ノズルによれば、
その燃料噴射ノズルの先端に形成された燃料噴射用噴孔
は、複数本からなり、それら燃料噴射用噴孔のうち少な
くとも2本が合流する噴孔合流部を有するので、それぞ
れの燃料噴射用噴孔入口部分における圧力低下によって
燃料内に発生したキャビテーションは、噴孔合流部にお
いて合流することにより圧力が高められて崩壊・消滅す
る。ここで、キャビテーションが壊れる際には衝撃圧力
が発生するため、その圧力によって噴孔内の燃料を撹乱
させることができ、これにより、微粒化の促進された燃
料を燃料噴射用噴孔から燃焼室へと噴射することが可能
となる。したがって、燃料の燃焼効率が向上することと
なり、排出される排気ガスのクリーン化も促進される。
【0058】また、本発明の内燃機関によれば、燃料に
キャビテーションを発生させると共に、そのキャビテー
ションを消滅させることで発生する衝撃圧力によって燃
料の微粒化を促進させる燃料噴射ノズルが備え付けられ
ているので、燃焼室内に細かい霧状の燃料を供給するこ
とが可能となる。したがって、燃料の燃焼効率が高めら
れ、排出される排気ガスのクリーン化も促進される。
【0059】また、本発明の燃料噴射方法によれば、燃
料にキャビテーションを発生させるキャビテーション発
生工程を有するので、大量のキャビテーションが混在し
た燃料が生成されることとなり、このキャビテーション
は、キャビテーション消滅工程によって壊される。ここ
で、キャビテーションが壊れる際には衝撃圧力が発生す
るため、その圧力によって燃料を撹乱させることがで
き、これにより、微粒化の促進された燃料を燃焼室に噴
射することが可能となる。したがって、燃料の燃焼効率
が向上することとなり、排出される排気ガスのクリーン
化も促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ノズル
の概略図である。
【図2】 本発明の第二実施形態に係る燃料噴射ノズル
の概略図である。
【図3】 本発明の第三実施形態に係る燃料噴射ノズル
の概略図である。
【図4】 本発明の第四実施形態に係る燃料噴射ノズル
の概略図である。
【図5】 本発明の第五実施形態に係る燃料噴射ノズル
の概略図である。
【図6】 本発明の第六実施形態に係る燃料噴射ノズル
の概略図である。
【図7】 本発明の第七実施形態に係る燃料噴射ノズル
の概略図である。
【図8】 本発明の第八実施形態に係る燃料噴射ノズル
の概略図である。
【図9】 従来の燃料噴射ノズル及び燃料噴射用噴孔を
示し、(a)はその全体を示す断面図、(b)は噴孔部
分の拡大図である。
【図10】 従来の燃料噴射ノズルの概略図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ノズル 2 燃料噴射用噴孔 2a 後端側開口部(キャビテーション発生部) 2b 先端側開口部 2c 段差(キャビテーション消滅部) 2d 段部(キャビテーション消滅部) 11 燃料噴射ノズル 12 燃料噴射用噴孔 12a 後端側開口部(キャビテーション発生部) 12b 先端側開口部 12c 段差(キャビテーション消滅部) 12d 段部(キャビテーション消滅部) 21 燃料噴射ノズル 22 燃料噴射用噴孔 22a 後端側開口部(キャビテーション発生部) 22b 先端側開口部 22c,22e 段差(キャビテーション消滅部) 22d,22f 段部(キャビテーション消滅部) 31 燃料噴射ノズル 32 燃料噴射用噴孔(テーパ形状,キャビテーション
消滅部) 32a 後端側開口部(入口部,キャビテーション発生
部) 32b 先端側開口部(出口部) 41 燃料噴射ノズル 42 燃料噴射用噴孔 42a 後端側開口部(キャビテーション発生部) 42b 先端側開口部 42c 面積拡張部 51 燃料噴射ノズル 52 燃料噴射用噴孔 52a 後端側開口部(キャビテーション発生部) 52b 先端側開口部 52c 面積縮小部(キャビテーション消滅部) 61 燃料噴射ノズル 62,62e,62f 燃料噴射用噴孔 62a,62d 後端側開口部(キャビテーション発生
部) 62b 先端側開口部 62c 噴孔合流部 62g 下流側噴孔(キャビテーション消滅部) 71 燃料噴射ノズル 72,72e,72f 燃料噴射用噴孔 72a,72d 後端側開口部(キャビテーション発生
部) 72b,72g 先端側開口部 72c 噴孔合流部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に形成された燃焼室内に燃料を
    噴射するための燃料噴射ノズルにおいて、 前記燃料にキャビテーションを発生させるためのキャビ
    テーション発生部と、 該キャビテーション発生部で発生したキャビテーション
    を消滅させるためのキャビテーション消滅部とを有する
    ことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 前記キャビテーション消滅部は、前記燃
    料噴射ノズルの先端に形成された燃料噴射用噴孔の途中
    に設けられ、該燃料噴射用噴孔の入口部よりも燃料の流
    路断面積を減少させた面積縮小部とされていることを特
    徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 前記面積縮小部は、燃料噴射用噴孔の径
    方向に段差を有する段部とされていることを特徴とする
    請求項2に記載の燃料噴射ノズル。
  4. 【請求項4】 内燃機関に形成された燃焼室内に燃料を
    噴射するための燃料噴射ノズルにおいて、 該燃料噴射ノズルの先端に形成された燃料噴射用噴孔の
    入口部から出口部にかけて断面積が減少するテーパ形状
    からなることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  5. 【請求項5】 内燃機関に形成された燃焼室内に燃料を
    噴射するための燃料噴射ノズルにおいて、 該噴射ノズルの先端に形成された燃料噴射用噴孔の途中
    には、該燃料噴射用噴孔の入口部よりも燃料の流路断面
    積を拡張させる面積拡張部が設けられ、 該面積拡張部よりも下流の流路断面積は、面積拡張部の
    断面積よりも縮小されていることを特徴とする燃料噴射
    ノズル。
  6. 【請求項6】 内燃機関に形成された燃焼室内に燃料を
    噴射するための燃料噴射ノズルにおいて、 該燃料噴射ノズルの先端に形成された燃料噴射用噴孔
    は、複数本からなり、 それら燃料噴射用噴孔のうち少なくとも2本が合流する
    噴孔合流部を有することを特徴とする燃料噴射ノズル。
  7. 【請求項7】 燃焼室内に供給された燃料を燃焼させる
    ことによって生じた高温,高圧のガスエネルギを利用し
    て動力を発生させる内燃機関において、 該内燃機関には、請求項1から請求項6のいずれかに記
    載の燃料噴射ノズルが備え付けられていることを特徴と
    する内燃機関。
  8. 【請求項8】 内燃機関に形成された燃焼室内に燃料を
    噴射する燃料噴射方法において、 前記燃料にキャビテーションを発生させるキャビテーシ
    ョン発生工程と、 該キャビテーション発生工程で発生したキャビテーショ
    ンを消滅させるためのキャビテーション消滅工程とを含
    むことを特徴とする燃料噴射方法。
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