JPH06312000A - 吸水性材料および吸水性物品 - Google Patents

吸水性材料および吸水性物品

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JPH06312000A
JPH06312000A JP5320196A JP32019693A JPH06312000A JP H06312000 A JPH06312000 A JP H06312000A JP 5320196 A JP5320196 A JP 5320196A JP 32019693 A JP32019693 A JP 32019693A JP H06312000 A JPH06312000 A JP H06312000A
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JP
Japan
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water
absorbent resin
weight
resin particles
absorbent material
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JP5320196A
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English (en)
Inventor
Takumi Hatsuda
卓己 初田
Kazumasa Konishi
一正 小西
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 しなやかで、良好なる吸水性(吸水速度およ
び吸水量)を有し、任意の大きさまたは形状に切断で
き、安全性が高く、しかもその物性の低湿度雰囲気下で
の経時安定性がよい吸水性材料を提供する。 【構成】 吸水性樹脂粒子100重量部に対して水不溶
性微粒子、界面活性剤および繊維よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の吸水助剤0.1〜10重量部、水3
〜30重量部および多価アルコール5〜50重量部が配
合された吸水性材料で、該吸水性材料は、厚みが約0.
3〜5mmのシート状態であって、該シート状態は前記
吸水性樹脂粒子同士の接着に起因したものである吸水性
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な吸水性材料およ
び吸水性物品に関する。更に詳しくは、大きい吸水速度
を有する可撓性吸水性材料であって、吸水性樹脂粒子、
吸水助剤、水および多価アルコールとからなるシート状
物であり、任意の大きさまたは形状に切断できる吸水性
材料、および該吸水性材料を収納した吸水性物品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】おむつ、失禁パッド、生理用品等の衛材
製品に組み込まれる吸水性物品が知られており(例えば
US−A−4699619、US−A−4798603
およびUS−A−4834735等)、一般にこれらの
吸水性物品は繊維状のマトリックスおよび必要により吸
水性樹脂から成っている。繊維状マトリックスは木材パ
ルプフラッフとして知られているセルロース繊維あるい
はセルロース繊維と合成繊維とから成っている。また種
々の吸水性樹脂が知られている。例えばポリアクリル酸
部分中和物架橋体、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共
重合体のケン化物、架橋ポリビニルアルコール変成物、
架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、澱粉−ア
クリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−ア
クリル酸グラフト重合体、ポリエチレンオキサイドの部
分架橋体等である。
【0003】従来の吸水性物品の内、吸水性樹脂を用い
ないものは、必然的に容積が大きいものとなり、取扱い
が極めて不便であった。即ち、木材パルプフラッフの単
位重量当たりの吸水量は比較的小さく(約7〜9g/
g)、所定の吸水量を達成するために比較的大量の木材
パルプフラッフを使うことが必要となり、その結果比較
的大きく、厚い吸水性物品となった。これに対して、吸
水性樹脂はかなり大きい吸水量(少なくとも15g/
g)を有しており、吸水性樹脂を吸水性物品に導入する
ことで木材パルプフラッフの使用量を低減することが可
能となった。そして吸水性樹脂を使用することで、小さ
く薄い吸水性物品を製造することがが可能となった。し
かしながら、従来の吸水性物品は、まだ比較的低い吸水
性樹脂量(一般的に約50重量%以下)から成ってお
り、十分に小さく薄い吸水性物品を提供しているとはい
えない。単位重量当たりの吸水量を考えれば、吸水性樹
脂量を高くすることでコンパクトで薄型の吸水性物品が
えられるはずである。EP−A−443627におい
て、吸水性樹脂量を多くした吸水性物品が提案されてい
る。
【0004】しかしながら、従来公知の吸水性樹脂を用
い、単にその樹脂量を多くした吸水性物品をつくったの
では、種々の問題を生じるであろう。ひとつの問題点は
ゲルブロッキング現象である。一般に吸水性樹脂は吸水
して膨潤した際に変形し、吸水性樹脂粒子間、および吸
水性樹脂粒子と繊維状マトリックス間に当初あった空間
を塞ぎ、その結果、該空間を流れていた流体の流れを妨
げるのである。吸水性樹脂量が少ない場合には繊維状マ
トリックスが吸水性樹脂粒子同士の接近を少なくするこ
とができ、流体がマトリックス中を流れるのに十分なキ
ャピラリー構造を保つことができる。もう一つの問題点
は、吸水性樹脂の吸水速度不足である。一般に吸水性樹
脂の吸水速度は木材パルプフラッフに比べて小さく、実
使用時に吸水性物品に適用される流体の速度に対応でき
ない。したがって木材パルプフラッフのような繊維状マ
トリックスが、吸水性物品に適用される流体の一次貯蔵
層として機能しているのが現状である。
【0005】EP−A−443627では、吸水速度を
高めた吸水性樹脂を用いることで吸水性樹脂量を多くし
た吸水性物品を提案している。しかしながら、EP−A
−443627で提案されているような、粒子状の吸水
性樹脂の固定化の役目をしていた繊維状マトリックスが
少ない、あるいはない場合には、吸水性物品中での吸水
性樹脂の移動や偏りの問題が生じることが予想される。
吸水性樹脂は一般に粉末状、粒子状の形態であり、吸水
性物品の使用前および使用中に吸水性物品の中を容易に
移動し、意図しない偏りが生じ、吸水性物品に安定した
性能を与えることが困難である。このように吸水性樹脂
量が多くなった際に吸水性樹脂を吸水性物品中の所定の
位置に配置する(固定化する)ための、何等かの方法が
求められていた。さらにまた吸水性樹脂を乾燥粉末とし
て用いようとすると、微細なため漏れや空中飛散が多
く、極めて扱いにくい。このことは機械的大量生産にお
いて安定な運転を大いに阻害する。
【0006】吸水性樹脂を基材に付与して固着化処理を
行う方法が種々提案されている。吸水性樹脂粉末に少量
の水分を与え、基材シートと強固な固着を実現しようと
する方法(例えば、US−A−3959569、特開昭
51−40497号、特開昭54−123293号特開
昭54−141099号および特開昭58−36452
号)、樹脂バインダーを用いて、吸水性樹脂粉末と基材
シートとの固着を実現しようとする方法(例えば、特開
昭58−101047号、特開昭58−208404
号、特開平4−504234号、US−A−51280
82)あるいは単量体を直接重合することにより吸水性
樹脂の製造とシート化を同時に行う方法(例えば、特開
昭60−149609号、特開昭62−53309号、
特開昭62−62829号および特開昭62−9797
9号)等がある。また特開平1−230671号には、
吸水性樹脂に水性液を組み合わせて水化物を形成する吸
水性樹脂の不動化方法が提案されている。
【0007】しかしながら、吸水性樹脂を基材に固着化
し、シート状の吸水性材料を得ようとするこれらの方法
にはいくつかの問題点があった。例えば、シート状態を
保持するためには基材が必須であり、基材と吸水性樹脂
粉末との複合化工程が繁雑であったり、粉塵がたつ等の
作業環境が悪かったり、得られるシートの強度あるいは
柔軟度が不十分であったりした。また、単位面積当たり
の吸水性樹脂量を高くできないため、吸水量が小さかっ
たり、吸水速度が小さかったりした。単位面積当たりの
吸水性樹脂量を高くすると、シートが硬くなったり、吸
水性樹脂粉末がシートからこぼれ出たりした。また基材
シート上で単量体を重合する場合には、重合に用いた重
合開始剤やその他の添加剤および比較的多くの単量体が
残存する可能性が高い。これらの物質の安全性が懸念さ
れる場合には、衛材用途あるいは食品用途等に製品を使
用する際に問題となる。また反応のコントロールが困難
であったり、生産性が低かったりした。さらに得られる
シート状の吸水性材料の吸水性能が小さかったり、柔軟
性が不十分で、いわゆるソフト感に欠けるものであった
りした。
【0008】本発明者は上記の事情を鑑み、特願平5−
1550において吸水性樹脂粒子および水とからなり吸
水性樹脂の粒子同士の接着に起因するシート状物を提案
していた。このものは、コンパクトで薄型の吸水性物品
を得るための吸水速度が大きく、しかも柔軟性があり、
該吸水性物品の所望の位置に固定化できる吸水性材料で
あったが、その物性の低湿度雰囲気下での経時安定性が
よくないという改良すべき点があった。吸水性材料およ
び吸水性物品は低湿度雰囲気にさらされる場合もあり、
このような雰囲気下での物性の経時安定性を改善する必
要があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した従
来の吸水性樹脂あるいは吸水性物品の製造方法が有する
欠点を改良し、しなやかで、良好なる吸水性(吸水速度
および吸水量)を有し、任意の大きさまたは形状に切断
でき、安全性が高く、しかもその物性の低湿度雰囲気下
での経時安定性がよい吸水性材料、該吸水性材料を得る
ための簡便で生産性が高く、製品性能のコントロールの
容易な製造方法および該吸水性材料を用いたコンパクト
で薄型の吸水性物品を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、吸水性樹脂
の有する特性に着目し研究を重ねた結果、下記のごとき
吸水性材料および吸水性物品が、前記目的を達成するこ
とを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち前記目的は、吸水性樹脂粒子10
0重量部に対して水不溶性微粒子、界面活性剤および繊
維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の吸水助剤
0.1〜10重量部、水3〜30重量部および多価アル
コール5〜50重量部が配合された吸水性材料で、該吸
水性材料は、厚みが約0.3〜5mmのシート状態であ
って、該シート状態は前記吸水性樹脂粒子同士の接着に
起因したものであることを特徴とする吸水性材料によっ
て達成される。
【0012】前記目的は、上記の吸水性材料の少なくと
も片面に水透過性シートを配してなる積層吸水性材料に
よっても達成される。
【0013】前記目的は、上記の吸水性材料を、少なく
とも片面側を透水性シートによって形成した袋体の内部
に収納した吸水性物品によっても達成される。
【0014】前記目的は、吸水性樹脂粒子100重量部
および水不溶性微粒子、界面活性剤および繊維よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の吸水助剤0.1〜10
重量部を支持体上に、厚みを約0.3〜5mmに規制し
て面状に流展し、この面状態を保持しながら、水3〜3
0重量部およびグリセリン5〜50重量部を加えて接触
させることを特徴とする吸水性材料の製造方法によって
も達成される。
【0015】
【作用】以下本発明を詳しく説明する。
【0016】本発明に用いる吸水性樹脂粒子は、吸水性
樹脂の粒子状物であって、水を吸収して体積膨脹を起こ
すものであれば特に制限はないが、一般に水溶性不飽和
単量体を重合させることにより得られる。これらの水溶
性不飽和単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、
(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン
酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−
(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、等のアニオン
性単量体やその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、等のノニオン性親水性基含有単量体;N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、等
のアミノ基含有不飽和単量体やそれらの4級化物等を具
体的に挙げることがでる。また得られる重合体の親水性
を極度に阻害しない程度の量で、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル類や酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の疎水性単量体を使用
してもよい。
【0017】単量体成分としてはこれらのうちから1種
または2種以上を選択して用いることができるが、最終
的に得られる吸水性樹脂の吸水諸特性を考えると(メ
タ)アクリル酸(塩)、2−(メタ)アクリロイルエタ
ンスルホン酸(塩)、2−(メタ)アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸(塩)、(メタ)アクリル
アミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレートまたはその4級化物からなる群から選ばれる1
種以上のものが好ましく、(メタ)アクリル酸(塩)を
必須成分として含むものがさらに好ましい。この場合
(メタ)アクリル酸の30〜90モル%が塩基性物質で
中和されているものが最も好ましい。また、吸水性樹脂
としての吸水倍率は、生理食塩水中のティーバッグ法に
よる値で、20〜60g/g程度有することが好まし
い。未架橋成分、いわゆる水可溶成分の割合は20重量
%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下、さ
らに少ないほど好ましい。
【0018】本発明に用いる吸水性樹脂は、架橋剤を使
用せずに得られる自己架橋型のものでも、重合性不飽和
基および/または反応性官能基を有する架橋剤を、得ら
れる吸水性樹脂粒子の諸特性が所望の基準に達する範囲
で用いて得られるものでもよい。これらの架橋剤の例と
しては、例えばN,N´−メチレンビス(メタ)アクリ
ルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリア
リルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(ポ
リ)エチレングリコール、ジエチレングリコール、(ポ
リ)グリセリン、プロピレングリコール、ジエタノール
アミン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、エ
ピクロルヒドリン、エチレンジアミン、ポリエチレンイ
ミン、(ポリ)塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、
塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等を具体的に挙げる
ことができ、これらのうち反応性を考慮して、1種また
は2種以上を用いることができる。
【0019】また吸水性樹脂を得るにあたっては、デン
プン、セルロース、ポリビニルアルコール等の親水性高
分子の存在下で上記単量体成分を重合させることによっ
て、重合と同時にグラフト結合やコンプレックスを形成
させてもよい。
【0020】これらの単量体成分を重合させるにあた
り、重合開始剤として、過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、2、2´−アゾビス−アミジノプロパン二塩酸塩等
の水溶性ラジカル重合開始剤を用いればよい。重合方法
は何等制限されることなく、例えば塊状重合、水溶液重
合、逆相懸濁重合等の方法によれば良い。
【0021】これらの吸水性樹脂粒子は、単独または2
種あるいはそれ以上の混合物の形で使用される。
【0022】本発明に使用される吸水性樹脂粒子の粒子
の形は、特に限定されない。ドラムで乾燥することによ
り得られるフレーク状であってもよく、塊状の樹脂を粉
砕して得られる不定形状であってもよい。また逆相懸濁
重合により得られる球状であってよい。一般に逆相懸濁
重合により得られる粒子は、その表面に分散剤あるいは
界面活性剤を有しており、この様な粒子の場合には、追
加の粉砕を加えたのち、本発明に使用することが好まし
い場合がある。
【0023】本発明に用いる吸水性樹脂粒子は、本発明
の目的が達成できる程度の粒子状であればよく、その大
きさは特に限定されない。一般に、粒子サイズがある程
度小さい方が得られる吸水性材料の吸水速度は大きくな
る傾向がみられるが、取扱い性の点および吸液しゲル化
した後の通液性の点であまりに細かい粒子は好ましくな
い。一方、1000μmをこえる粒子の量が限度を越え
て多くなると、吸水性材料の吸水速度が小さくなる。し
たがって、吸水性樹脂粒子は、1000μmよりも大き
な粒子を実質的に含まず、かつ150μm以下の粒子が
10%以上である粒度分布を有することが、得られる吸
水性材料の吸水速度および柔軟度をバランス良く満足す
る点で好ましく、850μmよりも大きな粒子を実質的
に含まず、かつ150μm以下の粒子が10%以上であ
る粒度分布を有することがさらに好ましい。取扱い性お
よび通液性の点からは、150μm以下の粒子は10〜
60%、より好ましくは10〜30%の範囲である粒度
分布を有するものが好ましい。
【0024】本発明において、吸水速度の大きい吸水性
材料は、吸水性樹脂粒子に荷重下の吸収倍率が大きいも
のを用いることが好ましい。荷重下の吸収倍率の測定方
法は後述するが、少なくとも20g/cm2 の荷重下で
0.9重量%食塩水を少なくとも20ml/g吸収する
ものが好ましい。少なくとも24ml/g吸収するもの
がより好ましく、少なくとも28ml/g吸収するもの
がさらに好ましい。この荷重下の吸収倍率が、特定の値
よりも大きい吸水性樹脂粒子を用いた吸水性材料は特に
吸水速度に優れたものとなる。このような荷重下の吸収
倍率が大きい吸水性樹脂粒子は、例えば、後述するよう
に吸水性樹脂粒子の表面を架橋処理することによって得
られる。
【0025】本発明に用いる吸水性樹脂粒子は、表面架
橋されていることが吸水速度の大きい吸水性材料が得ら
れる点で好ましい。吸水性樹脂粒子と該粒子の有する少
なくとも2個の官能基と反応し得る基を有する架橋剤と
を混合、反応し、吸水性樹脂粒子の表面近傍の架橋密度
を高くした吸水性樹脂粒子を用いることで、特に吸水速
度に優れる吸水性材料を得ることができる。吸水性樹脂
粒子に、例えば、架橋剤として多価アルコールを用いる
方法(特開昭58−180233号、特開昭61−16
903号)、多価グリシジル化合物、多価アジリジン化
合物、多価アミン化合物、多価イソシアネート化合物を
用いる方法(特開昭59−189103号)、グリオキ
サールを用いる方法(特開昭52−117393号)、
多価金属を用いる方法(特開昭51−136588号、
特開昭61−257235号、特開昭62−7745
号)、シランカップリング剤を用いる方法(特開昭61
−211305号、特開昭61−252212号、特開
昭61−264006号)、エポキシ化合物とヒドロキ
シ化合物を用いる方法(特開平2−132103号)、
アルキレンカーボネートを用いる方法(DE−4020
780)等に知られている表面架橋を施すことで、表面
架橋された吸水性樹脂粒子を得ることができる。また、
架橋反応時に不活性無機粉末を存在させる方法(特開昭
60−163956号、特開昭60−255814
号)、二価アルコールを存在させる方法(特開平1−2
92004号)、水とエーテル化合物を存在させる方法
(特開平2−153903号)等も知られている。
【0026】本発明に使用される吸水性樹脂粒子の含水
率は、吸水性樹脂が粒子として取り扱える範囲であれば
特に限定されない。水分を加えることにより本発明の吸
水性材料とした際に、実質的に乾燥した吸水性樹脂粒子
100重量部に対し水が3〜30重量部、好ましくは5
〜20重量部となっていればよい。好ましくは含水率1
0%以下、より好ましくは含水率5%以下の吸水性樹脂
粒子を用いることが作業性の点でよい。
【0027】本発明の吸水性材料は、吸水性樹脂粒子1
00重量部に対して吸水助剤0.1〜10重量部、水3
〜30重量部および多価アルコール5〜50重量部が配
合されて成り、かつ吸水性樹脂の粒子同士の接着に起因
してシート状物となったものである。30重量部を越え
る水の量では、吸水性材料の物性、即ち吸水速度および
柔軟度の低湿度雰囲気下での経時安定性が悪くなる。一
方、3重量部未満の水の量では、シート状の吸水性材料
が得られない。また50重量部を越える多価アルコール
の量では、該超過は、使用量に比例する効果を得ること
ができず、そればかりかむしろ、吸水量が減少する。一
方、5重量部未満の多価アルコールの量では、経時柔軟
度の大きいシート状の吸水性材料が得られない。水が5
〜20重量部、かつ多価アルコールが5〜30重量部で
ある場合が、さらに好ましい。
【0028】多価アルコールおよび水の好ましい配合量
は、多価アルコールと水の重量比の値が1以上の場合で
ある。この比の値が1より小さいと、吸水性材料の経時
柔軟度が低下する場合がある。驚くべきことに、ばらば
らの吸水性樹脂粒子の状態よりも、多価アルコールおよ
び水を上述の範囲で配合し、本発明のシート状吸水性材
料とすることで著しく吸水速度が向上し、しかも経時吸
水速度および経時柔軟度に優れた吸水性材料となるので
ある。
【0029】本発明において使用される多価アルコール
としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール、ポ
リプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリ
ン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,
2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシ
プロピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック
共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの
多価アルコールが例示でき、好適なものとしてグリセリ
ン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール等が挙げられる。なかでも、グリセリン、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、ポリグリセ
リンが好ましい。
【0030】本発明に使用される吸水助剤とは、本発明
の吸水性材料が吸水する際にその吸水速度を高める作用
をするものである。これらは界面活性剤、無機微粒子お
よび有機微粒子であって具体例としては以下のものを挙
げることができる。界面活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェノールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンアシルエステル、オキシエチレンオキシプロピ
レンブロック共重合体、ショ糖脂肪酸エステル等を挙げ
ることができる。
【0031】無機微粒子としては、雲母、パイロフィラ
イト、カオリナイト、ハルサイト、および他の類似した
粘土鉱物および主に50μm以下の平均粒子径を有する
二酸化ケイ素粒子から成るアエロジル200(日本アエ
ロジル株式会社製)およびカープレックス#80(シオ
ノギ株式会社製)のような微粒子状のシリカ等を挙げる
ことができる。有機微粒子としては、カーボンブラッ
ク、活性炭およびパルプ粉等を挙げることができる。な
かでも微粒子状シリカが吸水速度を高める作用が大きく
好ましい。これらの吸水助剤の使用量は、0.1〜10
重量部、好ましくは0.2〜5重量部、最も好ましくは
0.5〜2重量部である。前記重量が10重量部を越え
るならば、該超過は、使用量に比例する効果を得ること
ができず、そればかりかむしろ吸水量が減少し、場合に
よっては、シートの形成をを困難にする。0.1重量部
未満の使用量ではその使用効果が得られない。
【0032】本発明にいうシート状態とは、少なくとも
一部が連続する面を有している状態であればよく、例え
ば任意の形状の貫通孔を複数個有していてもよい。また
ウエーブがかかっていたり、ヒダ状であってもよい。好
ましくは片面(表面あるいは裏面)が、5cm2 以上、
より好ましくは10cm2 以上、さらに好ましくは15
cm2 以上の面積を有するシートである。
【0033】本発明の吸水性材料は、吸水性樹脂粒子同
士の接着に起因するシート状材料である。すなわち、例
えば接着剤や繊維状の基材のような第3物質を介して連
続的なシート状態になっているのではなく、吸水性樹脂
粒子同士の接着によって連続的なシートを形成している
ものである。ここで吸水性樹脂粒子同士の接着とは、複
数の吸水性樹脂粒子が接触しているところに、水分を与
えることにより形成される接着であり、元の吸水性樹脂
粒子同士の間に共有結合等の化学結合は生じていない。
このことは、本発明の吸水性材料が吸液して膨潤する際
に、ばらばらの吸水性樹脂粒子にもどることからも推察
できる。
【0034】本発明の吸水性材料は、厚みが約0.3〜
5mmのシート状態である。厚みが約0.3mm未満で
はシートの強度が小さくなるとともに、取扱い性が悪く
なる。また単位面積当たりの吸水性樹脂量が小さすぎ、
膨潤速度あるいは吸水速度も小さいものになる。一方、
厚みが約5mmを越えると均質な吸水性シートを得にく
くなるばかりか、かえって膨潤速度あるいは吸水速度が
小さくなる傾向がある。より好ましくは、厚みが約0.
5〜3mmのシート状態である。先に述べたように吸水
性樹脂粉末を基材シート上に散布し、これに別のシート
を重ね、必要により水を与えてシート化する技術は公知
である。しかしながら、従来の技術は吸水性樹脂粒子同
士の接近をできるだけ避けるように配慮され、したがっ
て吸水性樹脂粒子の散布量は高々100g/m2 であっ
た。この様に低い散布量では本発明でいうところの吸水
性樹脂粒子同士の接着はほとんど起こらず、したがっ
て、粒子同士の接着に起因したシート状態は実現し得な
い。本発明のシートは、一体のシートとして取り扱える
範囲のものであり、吸水性樹脂粒子同士の接着によりシ
ートの形態を保つものである。
【0035】本発明の吸水性材料は、吸水性樹脂粒子同
士の接着に起因するシート状物であるが、被吸収液、す
なわち水性媒体と接触することにより実質的に個々の吸
水性樹脂粒子に分解されるものである。このことが良好
なる吸水性を示す要因であると考えられる。従来公知の
可撓性を有する吸水性シートとして、例えば薄膜状の含
水ゲル状重合体(特開平4−236203号)、ポリビ
ニルアルコールとポリアクリル酸(塩)からなるフィル
ム(特公昭62−921号、特公平2−48024号
等)等があるが、いずれも吸液により一体のゲル状を呈
するものであり、吸水倍率が小さすぎたり、吸水速度が
小さすぎるものであった。
【0036】本発明の吸水性材料の好ましい実施態様
は、経時吸水速度が50秒以下で、かつ経時柔軟度が9
0度以上である。経時吸水速度の測定方法の詳細は後述
するが、所定の面積を有する吸水性材料を低湿度雰囲気
下に保持した後、一定量の人工尿を与え、これを完全に
吸水する時間を本発明の経時吸水速度と定義する。木材
パルプフラッフの使用量を低減し、小さく薄く、そして
性能の経時安定性のある吸水性物品を製造するうえで、
この経時吸水速度を大きくすることが重要であることが
わかった。さらに好ましくは、経時吸水速度が30秒以
下である。
【0037】経時柔軟度の測定方法の詳細は後述する
が、低湿度雰囲気下に保持した後の吸水性材料のしなや
かさ、外力が加わった際の微粉粒子の発生のし難さを表
す指標が、本発明の経時柔軟度である。柔軟度が不足す
ると、硬くゴワゴワした感触が強くなり、使用に耐えな
いものとなったり、シートが崩壊し、吸水性樹脂粒子が
発生したりする。吸水性樹脂の粒子同士の接着に起因す
るシート状材料でこれらの物性を同時に満足する材料は
従来知られていなかった。吸水性樹脂粒子として、10
00μmよりも大きな粒子を実質的に含まず、かつ15
0μm以下の粒子が10%以上である粒度分布を有する
ものを用いることが、このような吸水性材料を得るうえ
で好ましい。850μmよりも大きな粒子を実質的に含
まず、かつ150μm以下の粒子が10%以上である粒
度分布を有することがより好ましい。取扱い性および通
液性の点からは、150μm以下の粒子は、10〜60
%、より好ましくは10〜30%の範囲である粒度分布
を有するものが好ましい。また、吸水性樹脂粒子は、前
述のように荷重下の吸収倍率が少なくとも20ml/g
であるものが好ましく、表面架橋されたものであること
が好ましい。
【0038】本発明は、吸水性樹脂粒子100重量部お
よび水不溶性微粒子、界面活性剤および繊維よりなる群
から選ばれた少なくとも1種の吸水助剤0.1〜10重
量部を支持体上に、厚みを約0.3〜5mmに規制して
面状に流展し、この面状態を保持しながら、水3〜30
重量部および多価アルコール5〜50重量部を加えて接
触させることを特徴とする吸水性材料の製造方法をも提
供する。
【0039】厚みを規制して流展した吸水性樹脂粒子お
よび吸水助剤に、その面状態を保持しながら水および多
価アルコールを加えて接触させるとは、吸水性樹脂粒子
および吸水助剤に、実質的に剪断力がかからない状態
で、水および多価アルコールを加えることを意味し、例
えば、支持体上に、厚みを約0.3〜5mmに規制して
流展した吸水性樹脂粒子に多価アルコールの水溶液を噴
霧する方法、多価アルコールを噴霧した後、飽和水蒸気
をかける、あるいは相対湿度50%以上の雰囲気中に保
持する方法、水を噴霧した後、多価アルコールを噴霧す
る方法等が挙げられる。好ましくは、多価アルコールの
水溶液を噴霧する方法である。吸水性樹脂粒子および吸
水助剤に水および多価アルコールを加える際に、例え
ば、吸水性樹脂粒子および吸水助剤と水あるいは多価ア
ルコールとを組合わせて掻き混ぜるというような剪断力
が加わると、得られる吸水性材料の吸水速度が小さくな
るため好ましくない。その様な操作を行うと、吸水性樹
脂粒子は塊状となる傾向がある。この塊状のものを本発
明の目的であるシート状に成型することは困難である。
例えば、押し出し機等を用い、この塊状のものをシート
状に成型することは不可能ではないが、その様な操作は
非常に多くのエネルギーを必要とするばかりか、吸水性
樹脂粒子同士の接着が過度に進行し、極端な場合には粒
子間の界面が消失し、一体化する。この様にして得られ
たシートは吸水速度が著しく低下する傾向がある。
【0040】吸水性樹脂粒子と吸水助剤を組み合わせる
際の組合わせの手順は特に制限されない。吸水性樹脂粒
子と吸水助剤とをあらかじめ混合しておき、該混合物に
水および多価アルコールを接触させる方法でもよく、吸
水助剤を溶解あるいは分散させた水および多価アルコー
ルを吸水性樹脂粒子に接触させる方法でもよい。吸水性
樹脂粒子と吸水助剤とをあらかじめ混合しておき、該混
合物に水および多価アルコールを接触させる方法が好ま
しい。
【0041】本発明の製造方法において、吸水性樹脂粒
子および吸水助剤と水および多価アルコールを接触させ
る際に、吸水性樹脂粒子および吸水助剤を支持体上に、
厚みを約0.3〜5mmに規制して面状に流展する。厚
みが約0.3mm未満ではシートの強度が小さくなり取
扱い性が悪くなったり、単位面積当たりの吸水性樹脂量
が小さすぎ、吸水速度も小さいものになる。また、シー
トとしての形態保持が困難になる。このような厚みを達
成するためには、一般に200g/m2 以上、好ましく
は250g/m2 以上、さらに好ましくは300g/m
2 以上の吸水性樹脂粒子が必要である。一方、厚みが約
5mmを越えると、得られる吸水性材料の吸水速度がか
えって小さくなるとともに、吸水性樹脂粒子および吸水
助剤と水および多価アルコールとの接触が不完全になる
傾向がある。従ってシート状態が得られるまでに要する
時間が著しく長くなったりする。
【0042】本発明の吸水性材料の製造方法において、
吸水性樹脂粒子および吸水助剤を広げて水および多価ア
ルコールと接触させる際に、その広げ方は任意である。
すなわち、吸水性樹脂粒子および吸水助剤を一面に均一
な厚みに広げれば、均一な厚みを有する一体のシート状
の吸水性材料が得られ、任意の厚み、任意のパターンに
広げれば、それに応じた吸水性材料が得られる。
【0043】本発明の製造方法において、吸水性樹脂粒
子に加える水分量は、吸水性樹脂粒子100重量部に対
し、3〜30重量部の量である。ここで吸水性樹脂粒子
は、前述のようにもともといくらかの水を含有していて
もよく、粒子として取り扱える範囲のものであればよ
い。30重量部を越える水の量では吸水性材料中の吸水
性樹脂含量が低くなり、得られる吸水性材料の吸水量が
低くなると共に、吸水速度および柔軟度の低湿度雰囲気
下での経時安定性が悪くなる。一方、3重量部未満の水
の量では目的のシート状の吸水性材料が得られない。よ
り好ましい水の量は、吸水性樹脂粒子100重量部に対
し5〜25重量部の範囲であり、最も好ましくは5〜2
0重量部の範囲である。
【0044】本発明の吸水性材料の製造方法において、
水は蒸留水、イオン交換水、水道水、工業用純水等のい
ずれであってもよく、これらの水の中に無機物あるいは
有機物が溶解あるいは分散しているものであってもよ
い。
【0045】本発明の製造方法において、吸水性樹脂粒
子に加える多価アルコール量は、吸水性樹脂粒子100
重量部に対し、5〜50重量部の量である。ここで吸水
性樹脂粒子は、もともといくらかの多価アルコール量を
含有していてもよく、粒子として取り扱える範囲のもの
であればよい。50重量部を越える多価アルコールの量
では吸水性材料中の吸水性樹脂含量が低くなり、得られ
る吸水性材料の吸水量が低くなるなる。一方、5重量部
未満の多価アルコールの量では目的の経時柔軟度の大き
いシート状の吸水性材料が得られない。より好ましい多
価アルコールの量は、吸水性樹脂粒子100重量部に対
し5〜40重量部の範囲であり、最も好ましくは5〜3
0重量部の範囲である。
【0046】本発明は、上述の吸水性材料の少なくとも
片面に水透過性シートを配してなる積層吸水性材料をも
提供する。本発明の積層吸水性材料において、水透過性
シートは前記吸水性材料の少なくとも片面に配すればよ
いが、両面に配してもよく、場合によっては、片面に水
透過性シート、他面に水不透過性シートを配してもよ
い。このような積層吸水性材料は、水透過性シートまた
は水不透過性シートを前記吸水性材料と重ね合わせるだ
けでえられるが、必要であればエンボス加工等を施して
もよい。また、水透過性シートまたは水不透過性シート
上で、前記吸水性材料を形成することでもこのような積
層吸水性材料が得られる。
【0047】水透過性シートとしては、例えば再生セル
ロース系不織布、綿状パルプ、レーヨン、コットンカー
ドウエブあるいは紙等を挙げることができ、水を透過し
やすい構造を持っているものが好ましい。また水不透過
性シートとしては、例えばナイロン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレンおよびポリ塩化ビニルのフ
ィルムを挙げることができる。
【0048】本発明の吸水性材料および積層吸水性材料
は、しなやかで強靭な風合い、良好なる吸水性を有し、
任意の大きさまたは形状に切断できるため、種々の用途
に使用できる。
【0049】本発明の方法に従って得られた吸水性材料
および積層吸水性材料は該材料と水溶性高分子、消臭
剤、香料、薬剤、植物育成助剤、殺菌剤、防黴剤、発泡
剤、顔料、カーボンブラック、活性炭、短繊維等とを混
合し、得られた吸水性材料に新たな機能を付与すること
もできる。
【0050】本発明の吸水性材料はセルロース繊維ある
いはそのウェブ、合成繊維あるいはそのウェブ等と組み
合わせることにより、例えば衛生材料の吸水層として好
適な吸水性物品とすることができる。例えば、セルロー
ス繊維あるいは合成繊維からなる紙、不織布やマットに
該吸水性材料を挟持する方法、セルロース繊維と該吸水
性材料を短冊状としたものとをブレンドする方法等、吸
水性物品を得るための公知の手段を適宜選択できる。な
かでも本発明の吸水性材料を少なくとも片面側を透水性
シートによって形成した袋体の内部に収納した吸水性物
品は、従来の吸水性物品に比べ薄くコンパクトであるに
もかかわらず、従来と同等以上の吸水性能を示す。
【0051】本発明の吸水性材料は、大きい吸水速度を
有する柔軟度の大きいシート状吸水性材料であるので、
ゲルブロッキングを防止するために従来の吸水性樹脂粒
子のように繊維状マトリックス中に比較的低い濃度で組
み込む必要がなく、吸水性物品中に比較的高い濃度で組
み込むことができる。特に、本発明の吸水性物品は、吸
水性物品の全重量に対し約50〜90重量%の(実質的
に乾燥した)吸水性樹脂含有量である。好ましくは約6
0〜90重量%、より好ましくは約70〜90重量%で
ある。このような高い樹脂濃度の吸水性物品を作成して
も本発明の吸水性材料は柔軟なシート状であるので、吸
水性物品の製造工程、包装工程および輸送工程で、吸水
性物品内での吸水性樹脂の移動および吸水性樹脂のこぼ
れがなく、しかも吸水性物品の風合いを損なうことがな
い。また吸水性物品の使用に至までの物性の経時安定性
に優れ、特に低湿度雰囲気下で長時間保持されても、そ
の大きい吸水速度および柔軟度を維持できる。
【0052】本発明の吸水性物品は、前記のように吸水
性樹脂含有量を高くできるため、従来の吸水性物品と同
等以上の吸水性能を有しながら、薄くコンパクトであ
る。また柔軟性が大きいため体によくフィットし、使い
勝手がよい。
【0053】本発明の吸水性物品は、尿、経血および血
液のような体液をはじめとする多くの流体を吸収するの
に好適であり、おむつ、失禁用品、ベッドパッドのよう
な製品、生理用ナプキン、タンポンのような生理用品お
よびタオル、包帯のような製品に適用可能である。
【0054】
【発明の効果】本発明の吸水性材料は、不純物を含有し
ないために安全性が高く、しなやかで強靱な風合い、良
好なる吸水性(吸水速度および吸水量)を有しており、
吸水ないし吸湿を目的とする種々の用途に用いることが
できる。例えば、衛生材料の吸水層、結露吸水シート、
農業用保水シート、土木用止水剤、メディカルシーツ、
食品用鮮度保持材、食品用ドリップ吸収材、雑貨用吸水
剤等の用途が挙げられる。また、本発明の吸水性材料の
製造方法により、上記の吸水性材料を極めて容易にかつ
安価に製造することができる。本発明の吸水性物品は、
吸水性樹脂含有量を高くできるため、従来の吸水性物品
と同等以上の吸水性能を有しながら、薄くコンパクトで
ある。また柔軟性が高いため体によくフィットし、使い
勝手がよい。また、低湿度雰囲気下で長時間保持されて
も、その大きい吸水速度および柔軟度を維持できる。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0056】参考例1 吸水性樹脂粒子(A)の合成例 内容積10リットル、シグマ型羽根を2本有するジャケ
ット付きステンレス製ニーダーに、アクリル酸ナトリウ
ム75モル%とアクリル酸25モル%とからなる単量体
の水溶液5500g(モノマー濃度38%)と、架橋剤
としてのトリメチロールプロパントリアクリレート4.
2g(対単量体0.06モル%)とを投入し、窒素ガス
を吹き込み反応系内を窒素置換した。ジャケットに35
℃の温水を通じて加温し、シグマ型羽根を40rpmで
回転攪拌させながら、重合開始剤として過硫酸ナトリウ
ム2.8gとL−アスコルビン酸0.1gを添加し、重
合を開始させた。重合反応は1時間行った。反応終了
後、細分化された含水ゲル状重合体を目開き0.3mm
の金網上に広げ、160℃で1時間乾燥した。得られた
乾燥物(ppA)をハンマーミルで粉砕し、850μm
を通過する吸水性樹脂粒子(pA)を得た。吸水性樹脂
粒子(pA)のうち150μmを通過するものの割合は
18重量%であった。また吸水性樹脂粒子(pA)の荷
重下吸収倍率は16ml/gであった。吸水性樹脂粒子
(pA)100重量部を、グリセリン0.5重量部、水
2重量部およびイソプロパノール2重量部からなる水性
混合物と混合した。得られた混合物を、オイルバス(1
95℃)に漬けられたボウルに投入し、撹拌下で40分
間熱処理し、850μmを通過する吸水性樹脂粒子
(A)を得た。吸水性樹脂粒子(A)のうち150μm
を通過するものの割合は15重量%であった。また吸水
性樹脂粒子(A)の荷重下吸収倍率は28.5ml/g
であった。
【0057】実施例1 吸水性樹脂粒子(pA)15gと水不溶性の微粒子状シ
リカ(“アエロジル200”、日本アエロジル株式会社
製)0.15gとを混合し、得られた混合物を150×
200mmの型枠にを均一に広げた。このものに濃度が
50重量%のグリセリン水溶液を3.9g噴霧し、厚み
が約0.8mmのシート状の吸水性材料(1)を得た。
得られた吸水性材料(1)を下記の方法で評価し、得ら
れた結果を表1に示した。
【0058】a:吸水倍率 吸水性材料を吸水性樹脂粒子換算で0.5g精秤し、不
織布製のティーバッグ式袋に入れ、0.9重量%食塩水
に浸漬し60分後の重量を測定し下記の数式1に従って
吸水倍率を求めた。
【0059】
【数1】
【0060】b:吸水速度 吸水性材料を45×45mmの正方形にカットし、この
ものを水平な台上においた底面6cm径の円筒形の容器
に入れ、上から22℃の人工尿20gをいっきに投入し
た。同時にストップウォッチをスタートさせた。人工尿
の組成は、KCl 2.0g/l; Na2 SO4
2.0g/l; (NH4 )H2 PO4 0.85g/
l; (NH4 2 HPO4 0.15g/l; Ca
Cl2 0.19g/l; MgCl2 0.23g/
lである。吸水性材料が人工尿を完全に吸収した時点で
ストップウォッチを止め、得られた時間を吸水速度とし
た。この時間の短いものほど吸水速度が大きい。
【0061】c:経時吸水速度 吸水性材料を45×45mmの正方形にカットし、この
ものを25℃、相対湿度40%の恒温恒湿器に180分
間放置した。恒温恒湿器から取り出した吸水性材料につ
いて、上述のbの操作を繰り返した。得られた時間を経
時吸水速度とした。この時間の短いものほど経時吸水速
度が大きい。
【0062】d:柔軟度 少なくとも2cmの幅を有する吸水性材料を水平に置
き、該吸水性材料の面積を概略2等分する直線を中心に
して吸水性材料の半分を平面を保ちながらゆっくり回転
させた。その際、吸水性材料に実質的な亀裂が入る時点
の、回転を開始した水平面からの角度を柔軟度とした。
この角度が大きいほど柔軟度が大きい。
【0063】e:経時柔軟度 少なくとも2cmの幅を有する吸水性材料を相対湿度4
0%の恒温恒湿器に180分間放置した。恒温恒湿器か
ら取り出した吸水性材料について、上述のdの操作を繰
り返した。吸水性材料に実質的な亀裂が入る時点の、回
転を開始した水平面からの角度を経時柔軟度とした。こ
の角度が大きいほど経時柔軟度が大きい。
【0064】f:水分量 吸水性材料1.0gを精秤し、アルミニウムカップ(W
1 g)に入れた。このものを180℃に調整された乾燥
器に入れ、3時間放置した。乾燥器から取り出した吸水
性材料の入ったアルミニウムカップをデシケーター中で
放冷後、重量(W2 g)を測定した。下記の数式2に従
って実質的に乾燥した吸水性樹脂粒子100重量部当た
りの水分量を求めた。
【0065】
【数2】
【0066】g:吸水性樹脂粒子の粒度分布 JIS標準フルイの網目が16メッシュ、18.5メッ
シュ、30メッシュ、50メッシュ、100メッシュお
よび受け皿の分級皿を重ね、その上に約30gの吸水性
樹脂粒子をいれ、フルイ振とう器で10分間振とうさせ
た。その後、それぞれのフルイ上の分級物の重量を秤量
し、仕込み吸水性樹脂粒子重量に対する重量%で表示し
た。
【0067】h:吸水性樹脂粒子の荷加重下の吸収倍率 図1に示す装置を用いて荷重下の吸収倍率を測定する。
ビュレット1の上口2に栓3をし、測定台4と空気口5
を等高位にセットする。測定台4の中央部にある直径7
0mmのガラスフィルター6上にろ紙7を載せる。一
方、直径55mmの支持円筒10の下端部に不織布8を
固定させ、不織布8上に吸水性樹脂粒子11を0.2g
を均一に散布し、さらに20g/cm2 の加重9を載せ
る。この不織布8−吸水性樹脂粒子−荷重9を支持円筒
10ごとガラスフィルター6上のろ紙7上に載せ、30
分間にわたって吸収した0.9重量%食塩水の量(Am
l)を測定し、下記の数式3に従って荷重下の吸収倍率
を求めた。
【0068】
【数3】
【0069】実施例2 吸水性樹脂粒子(A)15gと水不溶性の微粒子状シリ
カ(“アエロジル200”、日本アエロジル株式会社
製)0.15gとを混合し、得られた混合物を150×
200mmの型枠に均一に広げた。このものに濃度が5
0重量%のグリセリン水溶液を4.0g噴霧し、厚みが
約0.8mmのシート状の吸水性材料(2)を得た。得
られた吸水性材料(2)を実施例1と同様の方法で評価
し、得られた結果を表1に示した。
【0070】実施例3 吸水性樹脂粒子(A)を目開き150μmの金網で分級
し、850μm〜150μmのサイズの吸水性樹脂粒子
(B)を得た。吸水性樹脂粒子(B)15gと水不溶性
の微粒子状シリカ(“アエロジル200”、日本アエロ
ジル株式会社製)0.15gとを混合し、得られた混合
物を、あらかじめ濃度50重量%のグリセリン水溶液
1.8gが噴霧してある150×200mmの型枠上に
均一に広げた。この上からさらに濃度が50重量%のグ
リセリン水溶液1.8gを噴霧し、厚みが約0.8mm
のシート状の吸水性材料(3)を得た。得られた吸水性
材料(3)を実施例1と同様の方法で評価し、得られた
結果を表1に示した。
【0071】参考例2 吸水性樹脂粒子(C)の合成例 500mlの円筒形セパラブルフラスコに、2−スルホ
エチルメタクリレートのナトリウム塩8.6g、75モ
ル%がナトリウム塩により中和されたアクリル酸35.
4gと、架橋剤としてのトリメチロールプロパントリア
クリレート0.077g(対単量体0.06モル%)お
よび水69gからなる単量体水溶液を仕込んだ。攪拌下
に反応系内の窒素置換を行い、単量体水溶液の温度を3
0℃にした。次いで10重量%過硫酸ナトリウム水溶液
0.5gおよび0.5重量%、L−アスコルビン酸水溶
液0.4gを添加し、攪拌を停止して重合を開始させ
た。重合開始後15分で系内温度は70℃に上昇した。
系内温度が下がり始めたのを確認した後、重合系を外部
加熱し、75℃で1時間保持した。得られた含水ゲル状
重合体を細分化し、150℃で90分間乾燥した。得ら
れた乾燥物(ppC)をハンマーミルで粉砕し、300
μmを通過する吸水性樹脂粒子(pC)を得た。吸水性
樹脂粒子(pC)100重量部を、グリセリン1重量
部、水1重量部およびイソプロパノール2重量部からな
る水性混合物と混合した。得られた混合物を、オイルバ
ス(195℃)に漬けられたボウルに投入し、攪拌下で
30分間熱処理し、300μmを通過する吸水性樹脂粒
子(C)を得た。吸水性樹脂粒子(C)のうち150μ
mを通過するものの割合は27重量%であった。また吸
水性樹脂粒子(C)の荷重下吸収倍率は24ml/gで
あった。
【0072】実施例4 吸水性樹脂粒子(C)15gと水不溶性の微粒子状シリ
カ(“シペルナート22S”、デグッサ株式会社製)
0.3gとを混合し、得られた混合物を150×200
mmの型枠に均一に広げた。このものに濃度が50重量
%のグリセリン水溶液を4.8g噴霧し、厚みが約0.
8mmのシート状の吸水性材料(4)を得た。得られた
吸水性材料(4)を実施例1と同様の方法で評価し、得
られた結果を表1に示した。
【0073】実施例5 吸水性樹脂粒子(C)を150μmで分級し、150μ
mを通過する吸水性樹脂粒子(D)を得た。吸水性樹脂
粒子(D)を用いること以外は実施例4と同様の操作を
繰り返し、厚みが約0.8mmのシート状の吸水性材料
(5)が得られた。得られた吸水性材料(5)を実施例
1と同様の方法で評価し、得られた結果を表1に示し
た。
【0074】実施例6 実施例4において、水不溶性の微粒子状シリカ(“シペ
ルナート22S”、デグッサ株式会社製)0.3gにか
えて、KCフロック W−300(セルロースパウダ
ー、山陽国策パルプ株式会社製)0.75gを用いるこ
と以外は実施例4と同様の操作を繰り返した。厚みが約
0.9mmのシート状の吸水性材料(6)が得られた。
得られた吸水性材料(6)を実施例1と同様の方法で評
価し、得られた結果を表1に示した。
【0075】実施例7 実施例2において、濃度が50重量%のグリセリン水溶
液を4.0gにかえて濃度が75重量%のグリセリン水
溶液を6.0g噴霧した以外は実施例2と同様の操作を
繰り返し、シート状の吸水性材料(7)が得られた。得
られた吸水性材料(7)を実施例1と同様の方法で評価
し、得られた結果を表1に示した。
【0076】実施例8 150×200mmの紙(a)(坪量15g/m2 )を
水平な台上に広げ、その上に吸水性樹脂粒子(A)15
gと水不溶性の微粒子状シリカ(“アエロジル20
0”、日本アエロジル株式会社製)0.15gとの混合
物を均一に広げた。このものに濃度が50重量%のグリ
セリン水溶液を2.1g噴霧し、厚み約0.8mmのシ
ート状の吸水性材料が載ったシートを作成した。吸水性
材料の上に、同じサイズの紙(a)を重ね、さらに16
メッシュ(JIS)の金網を載せた。これらを3kg/
cm2 の圧力下に3分間保持し、吸水性材料が紙(a)
で挟持された積層吸水性材料(8)が得られた。得られ
た積層吸水性材料(8)を実施例1と同様の方法で評価
し、得られた結果を表1に示した。
【0077】
【表1】
【0078】実施例9 実施例2において、グリセリン水溶液にかえてエチレン
グリコール水溶液を用いる以外は実施例2と同様の操作
を繰り返し、厚みが約0.8mmのシート状の吸水性材
料(9)が得られた。得られた吸水性材料(9)を実施
例1と同様の方法で評価し、得られた結果を表2に示し
た。
【0079】実施例10 実施例2において、グリセリン水溶液にかえてジエチレ
ングリコール水溶液を用いる以外は実施例2と同様の操
作を繰り返し、厚みが約0.8mmのシート状の吸水性
材料(10)が得られた。得られた吸水性材料(10)
を実施例1と同様の方法で評価し、得られた結果を表2
に示した。
【0080】実施例11 実施例2において、50重量%のグリセリン水溶液4.
0gに代えて、28重量%のグリセリン水溶液5.3g
を用いた以外は実施例2と同様の操作を繰り返し、厚み
が約0.8mmのシート状の吸水性材料(11)が得ら
れた。得られた吸水性材料(11)を実施例1と同様の
方法で評価し、得られた結果を表2に示した。
【0081】比較例1 吸水性樹脂粒子(A)15gと水不溶性の微粒子状シリ
カ(“アエロジル200”、日本アエロジル株式会社
製)0.15gとを混合し、さらに得られた混合物とグ
リセリン1.8gとを混合した。得られた混合物を15
0×200mmの型枠に広げたがシートを形成しなかっ
た。
【0082】比較例2 実施例2において、50重量%のグリセリン水溶液4.
0gに代えて、75重量%のグリセリン水溶液0.6g
を用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返した。シ
ートを形成しなかった。
【0083】比較例3 実施例4において、水不溶性の微粒子状シリカを使用し
ないこと以外は実施例4と同様の操作を繰り返し、厚み
が約0.8mmのシート状の比較吸水性材料(3c)が
得られた。得られた比較吸水性材料(3c)を実施例1
と同様の方法で評価し、得られた結果を表2に示した。
【0084】比較例4 吸水性樹脂粒子(A)15gと水不溶性の微粒子状シリ
カ(“アエロジル200”、日本アエロジル株式会社
製)0.15gとの混合物をミキサーに入れて攪拌しな
がら、50重量%のグリセリン水溶液4.0gを滴下投
入した。すぐに塊状の、吸水性樹脂と水からなる組成物
が得られた。このものは強い弾性を有しており、引きち
ぎって小粒塊にすることはできたが、均一なシート状に
成型することは困難であった。
【0085】比較例5 吸水性樹脂粒子(A)4.2gと水不溶性の微粒子状シ
リカ(“アエロジル200”、日本アエロジル株式会社
製)0.04gとを混合し、得られた混合物を150×
200mmの型枠に均一に広げた。このものに濃度が5
0重量%のグリセリン水溶液を1.1g噴霧したが、造
粒された粒子が一部みられただけで、全体は粒子状のま
までシートを形成しなかった。
【0086】
【表2】
【0087】実施例12 実施例1において、型枠にかえて150×300mmの
ヒートロンペーパーGS22(南国パルプ工業株式会社
製)を水平な台上に広げ、その上に実施例1の操作を繰
り返し、約0.5mmの厚みの吸水性材料がヒートロン
ペーパーGS22に載った積層シートを作成した。一
方、市販の使い捨ておむつピンポンパンツLサイズ(株
式会社 資生堂のポリエチレンフィルムからなる防水材
シートの中央を縦方向に切断し、吸水性樹脂、綿状パル
プおよび吸水紙からなる吸収体を取り除いた。この様に
して得られた使い捨ておむつのシャシーに、前述のシー
トを吸水性材料がシャシーの表面材(ポリプロピレン不
織布)側にくるように組み込み、防水材シートの切れ目
を粘着テープで塞いだ。得られた吸水性物品(1)を下
記の方法で評価し、結果を表3に示した。
【0088】i:吸水性物品評価方法 体重10kgの幼児をもとにした、排尿管を備えたベビ
ーモデルを作成した。実施例12で作成した吸水性物品
(1)を上記ベビーモデルに装着し、人工尿(組成は
b:吸水速度の測定に使用したものと同様)を50ml
/10secの速度で排出させた。50分後に同様の排
尿操作を行い、人工尿が吸水性物品から漏れ出るまでに
吸収された人工尿の量により尿漏れを評価した。
【0089】実施例13〜16 実施例12において、吸水性材料の作成は実施例2〜5
の操作を繰り返す以外は、実施例12と同様の操作を行
い、吸水性材料がヒートロンペーパーGS22に載った
積層シートをそれぞれ作成した。以後、実施例12の操
作を繰り返して、吸水性物品(2〜5)を得た。得られ
た吸水性物品(2〜5)を実施例12と同様の方法で評
価し、結果を表3に示した。
【0090】比較例6 実施例12において、吸水性材料の作成を比較例1の操
作を繰り返す以外は、実施例12と同様の操作を行い吸
水性樹脂粒子(A)が載ったシートを作成した。吸水性
樹脂粒子(A)は、ほとんど固定化されておらず非常に
取扱い難いものであったが、以後、実施例12の操作を
繰り返して、比較吸水性物品(1c)を得た。得られた
比較吸水性物品(1c)を実施例12と同様の方法で評
価し、結果を表3に示した。比較吸水性物品(1c)内
で吸水性樹脂粒子の移動、偏りがみられた。
【0091】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において使用した荷重下の吸収倍率測
定装置の断面図である。
【符号の説明】
1…ビュレット 2…ビュレットの上端部 3…栓 4…測定台 5…空気取り入れ口 6…ガラスフィルター 7…ろ紙 8…不織布 9…荷重 10…支持円筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 7/02 7148−4F C08J 3/24 CEY Z 9268−4F 5/18 CEY 9267−4F // C08L 33:00 7603−4C A61F 13/18 307 C

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性樹脂粒子100重量部に対して水
    不溶性微粒子、界面活性剤および繊維よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の吸水助剤0.1〜10重量部、
    水3〜30重量部および多価アルコール5〜50重量部
    が配合された吸水性材料で、該吸水性材料は、厚みが約
    0.3〜5mmのシート状態であって、該シート状態は
    前記吸水性樹脂粒子同士の接着に起因したものであるこ
    とを特徴とする吸水性材料。
  2. 【請求項2】 経時吸水速度が50秒以下で、かつ経時
    柔軟度が90度以上である請求項1に記載の吸水性材
    料。
  3. 【請求項3】 吸水性樹脂粒子が、少なくとも20g/
    cm2 の荷重下で0.9重量%食塩水を少なくとも20
    ml/g吸収するものである請求項1に記載の吸水性材
    料。
  4. 【請求項4】 吸水性樹脂粒子が、表面架橋されたもの
    である請求項1に記載の吸水性材料。
  5. 【請求項5】 吸水性樹脂粒子が、1000μmよりも
    大きな粒子を実質的に含まず、かつ150μm以下の粒
    子が10%以上である粒度分布を有するものである請求
    項1に記載の吸水性材料。
  6. 【請求項6】 多価アルコールが、グリセリン、ポリグ
    リセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコー
    ル、トリエチレングリコールおよびトリメチレングリコ
    ールよりなる群から選ばれた少なくとも1種のものであ
    る請求項1に記載の吸水性材料。
  7. 【請求項7】 多価アルコールと水の重量比の値が、1
    以上である請求項1に記載の吸水性材料。
  8. 【請求項8】 吸水性材料が、水性液体と接することに
    より、実質的に個々の吸水性樹脂粒子に分解されるもの
    である請求項1に記載の吸水性材料
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の吸水性材料の少なくと
    も片面に水透過性シートを配してなる積層吸水性材料。
  10. 【請求項10】 吸水性樹脂粒子100重量部および水
    不溶性微粒子、界面活性剤および繊維よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の吸水助剤0.1〜10重量部を
    支持体上に、厚みを約0.3〜5mmに規制して面状に
    流展し、この面状態を保持しながら、水3〜30重量部
    および多価アルコール5〜50重量部を加えて接触させ
    ることを特徴とする吸水性材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9いずれかに記載の吸水性
    材料を、少なくとも片面側を水透過性シートによって形
    成した袋体の内部に収納したことを特徴とする吸水性物
    品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09234219A (ja) * 1996-03-01 1997-09-09 Kao Corp 吸水性シート及びその製造方法並びにそれを用いた吸収性物品
JPH11221249A (ja) * 1998-02-10 1999-08-17 Oji Paper Co Ltd 吸収性物品
JPH11226054A (ja) * 1998-02-17 1999-08-24 Oji Paper Co Ltd 吸収性物品
US7429009B2 (en) 2003-06-03 2008-09-30 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for production of water-absorbing material
JP2018131545A (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 株式会社日本触媒 吸水剤の製造方法

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