JPH0631157A - マイクロカプセルの連続製造法 - Google Patents

マイクロカプセルの連続製造法

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JPH0631157A
JPH0631157A JP4195401A JP19540192A JPH0631157A JP H0631157 A JPH0631157 A JP H0631157A JP 4195401 A JP4195401 A JP 4195401A JP 19540192 A JP19540192 A JP 19540192A JP H0631157 A JPH0631157 A JP H0631157A
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JP
Japan
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tubular
soluble monomer
microcapsules
passed
aqueous liquid
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JP4195401A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Matsushita
壽彦 松下
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続的にマイクロカプセルを製造する方法。 【構成】 非水性液又はその固体粒子分散液からなるマ
イクロカプセル内包物、油溶性モノマー非水性液、水溶
性モノマー水性液からなる3成分を使用し、これを貯蔵
する貯蔵タンク、多孔質ガラスパイプ、乳化槽、管状反
応器を管状部(又は、螺旋管状部)と接続する種々組み
合わせからなる界面重合法を用いたマイクロカプセルの
連続製造法である。 【効果】 本発明は、連続的に、且つ均一な粒径のマイ
クロカプセルを製造することができ、工業的価値の高い
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロカプセルの連
続製造法に関するものである。さらに詳しくは、均一な
粒径のマイクロカプセルを製造することのできるマイク
ロカプセルの連続製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、微小な容器であ
る。その容器内に各種機能性素材を封じ込めて一時的
に、或は経時的に放出させることができるものである。
その素材は多岐にわたり、例えば、染顔料、医薬品、食
品、触媒、接着剤、化粧品、香料、記録材料、磁性材
料、液晶、農薬、肥料、種子等が挙げられる。
【0003】マイクロカプセルの用途は、上記のとおり
多岐に亙るが、これらの内でも、特に馴染みのあるもの
として、感圧複写紙が挙げられる。感圧複写紙は、電子
供与性の無色又は淡色からなる染料前駆体を不揮発性溶
剤に溶解した溶液を内包したマイクロカプセルが支持体
上に塗工された塗工紙(上用紙)と電子受容性からなる
酸性物質を塗工した塗工紙(下用紙)を互いにその塗工
面を重ね合わせて、筆圧などの手段で加圧することによ
って印字記録するものである。
【0004】このようなマイクロカプセルの製造法とし
ては、スプレードライング法、気中懸濁被覆法、噴霧造
粒法、パンコーティング法、オリフィス法等の物理的、
機械的方法、或はコンプレックス・コアセルベーション
法、界面重合法、インサイチュ重合法(以下、in s
itu重合法と称す。)、液中硬化被覆法、液中乾燥
法、融解分散冷却法等の物理化学的方法が挙げられる。
これらの内、物理化学的方法として、界面重合法及びi
n situ重合法が広く使用されている。
【0005】界面重合法によるマイクロカプセルの製造
法は、従来より行われている製造法として、バッチ方式
が主流であり、界面重合法を使用する限り、マイクロカ
プセルの増産のためには設備の大型化方向の対策のみで
あり、他のマイクロカプセル製造法の必要性が待たれて
いる現状である。
【0006】マイクロカプセルの連続製造法について
は、種々検討がなされており、例えば、in situ
重合法としては、特公昭52−22829号公報、同5
2−49797号公報、特公平3−46170号公報を
挙げることができる。
【0007】特公昭52−22829号公報では、単一
の入口部と単一の出口部を有する管状カプセル製造用導
管中で液−液分離を行う方法である。特公昭52−49
797号公報では、カプセル製造用導管に複数の入口部
と単一の出口部を配設せしめた以外は特公昭52−22
829号公報と同じ方法である。これらの公報では、カ
プセルの形成過程において未成熟カプセルが凝集するの
を防止するために、カプセル製造用ビヒクルを乱流条件
下で導管に通過させねばならないという点で制約を受け
るばかりでなく、導管に沿って温度勾配を維持せしめた
うえで、目的とするカプセル核物質を壁物質で包被する
ことが必要である。
【0008】又、これら2つの発明を改善したものとし
て、特公平3−46170号公報がある。同公報では、
カプセル核物質、水溶性カプセル壁先駆物質、陰電荷高
分子電解質を含有するカプセル製造用水性ビヒクルから
なる混合物を管状内に導く際に、乱流を必要とせず、乳
化装置を経たエマルジョンを管状反応器に導き、管状反
応器を単一の高温度に維持して連続的にマイクロカプセ
ルを製造するものでカプセルの凝集がなく、反応容器内
で固体物質の堆積を生じないと記載されている。
【0009】しかしながら、上記の各公報では、カプセ
ル核物質、水溶性カプセル壁先駆物質、陰電荷高分子電
解質を含有するカプセル製造用水性ビヒクルからなる混
合物を管状内に導き、乳化装置に投入される工程で十分
な分散状態になりにくいこと、又、所望の乳化粒子を得
る上で乳化装置の設定条件を調整することが難しいこ
と、更に、乳化工程の前にカプセル核物質、水溶性カプ
セル壁先駆物質、陰電荷高分子電解質からなる3成分を
導入、混合することで局所的なマイクロカプセル壁膜形
成が行われるという問題点がある。又、各公報は、in
situ重合法に関するものであり、本発明の界面重
合法にこれを代替しても、上記の問題点を解決するには
不十分であった。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】上記のとおり、改善の余地のあったマイク
ロカプセルの連続製造法について、マイクロカプセル化
を行う連続工程を見直し、粒径の均一化、且つ均質な被
膜形成のできる界面重合法を用いたマイクロカプセルの
連続製造法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】本発明者は、鋭意研究を行った結果、均一
な粒径のマイクロカプセルを製造することのできるマイ
クロカプセルの連続製造法を提供するものである。
【0012】即ち、本発明によって提供されるマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性液又はその固体粒子分
散液を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、非水性液又はその固体粒子分散液からなるマイクロ
カプセル内包物、水溶性モノマー水性液、油溶性モノマ
ー非水性液からなる3成分をそれぞれ貯蔵する貯蔵タン
クより、水溶性モノマー水性液を除く該2成分又は該3
成分を管状部又は螺旋管状部に通過させて微細孔を有す
る多孔質ガラスパイプに導入、一方、該水溶性モノマー
水性液を乳化槽又は管状反応器との間に接続する管状部
又は螺旋管状部に導入、加圧下該多孔質ガラスパイプの
薄膜より透過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、
形成された乳化液を管状部又は螺旋管状部内に通過させ
て管状反応器内に導入し、一定温度に維持した管状反応
器内に連続的に通過させてマイクロカプセルを製造する
ものである。
【0013】本発明のマイクロカプセルの連続製造法
は、基本的には、数多くの連続製造法を有するものであ
るが、特に、以下に記述する3つのマイクロカプセルの
製造法が本発明を有効に発揮できるものである。
【0014】本発明によって提供される第1のマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性液又はその固体粒子分
散液を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、非水性液又はその固体粒子分散液からなるマイクロ
カプセル内包物及び油溶性モノマー非水性液を、一定流
速でそれぞれの管状部内に通過させ、合流点で混合して
該2成分の混合状態を形成せしめ、該合流点に接続する
管状部又は螺旋管状部内に一定流速で連続的に通過させ
て予備的分散を生じせしめた後、微細孔を有する多孔質
ガラスパイプ内に導入し、該混合物を加圧下多孔質ガラ
スパイプの薄膜より透過させて該乳化槽内に乳化粒子を
形成させ、形成された乳化液と水溶性モノマー水性液と
をそれぞれの管状部内に導き、合流点で混合して混合状
態を形成せしめて後、管状部又は螺旋管状部内に通過さ
せて管状反応器内に導入、一定温度に維持した管状反応
器内に連続的に通過させてマイクロカプセルを製造する
ものである。
【0015】本発明によって提供される第2のマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性液又はその固体粒子分
散液を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、水溶性モノマー水性液を管状部内に一定流速で通過
させて乳化槽内に導入、一方、非水性の固体粒子の水分
散液又は非水性液からなるマイクロカプセル内包物及び
油溶性モノマー非水性液を、一定流速でそれぞれの管状
部内に通過させ、合流点で混合して該2成分の混合状態
を形成せしめ、該合流点に接続する管状部又は螺旋管状
部内に一定流速で連続的に通過させて予備的分散を生じ
せしめた後、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内に導
入し、加圧下該多孔質ガラスパイプの薄膜を透過させて
該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、形成された乳化液を
管状部内に通過させて管状反応器内に導入し、一定温度
に維持した管状反応器内に連続的に通過させてマイクロ
カプセルを製造するものである。
【0016】本発明によって提供される第3のマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性液又はその固体粒子分
散液を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、非水性液又はその固体粒子分散液からなるマイクロ
カプセル内包物及び油溶性モノマー非水性液を、一定流
速でそれぞれの管状部内に通過させ、合流点で混合して
2成分の混合状態を形成せしめ、これを管状部又は螺旋
管状部内に通過させて予備的分散を生じせしめ、続いて
水溶性モノマー水性液を管状部内に導き、合流点で該2
成分の混合液と混合せしめ、該合流点に接続する管状部
又は螺旋管状部内に一定流速で連続的に通過させて予備
的分散を生じせしめた後、微細孔を有する多孔質ガラス
パイプ内に導入し、該混合物を加圧下多孔質ガラスパイ
プの薄膜より透過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成さ
せ、これを管状部内に通過させて管状反応器内に導入
し、一定温度に維持した管状反応器内に連続的に通過さ
せてマイクロカプセルを製造するものである。
【0017】本発明において、水溶性モノマー/油溶性
モノマーとの組合せは、多価アミン/多塩基酸クロライ
ド、多価アミン/ビスハロホルメート、多価アミン/多
価イソシアネート、ポリヒドロキシ化合物/多塩基酸ク
ロライド、ポリヒドロキシ化合物/多価イソシアネート
の群から選ばれる1種であることを特徴とするものであ
る。
【0018】本発明のマイクロカプセル壁膜としては、
多価アミン/多塩基酸クロライドの組合せによるポリア
ミド、多価アミン/ビスハロホルメートの組合せによる
ポリウレタン、多価アミン/多価イソシアネートの組合
せによるポリウレア、ポリヒドロキシ化合物/多塩基酸
クロライドの組合せによるポリエステル、ポリヒドロキ
シ化合物/多価イソシアネートの組合せによるポリウレ
タンが挙げられる。
【0019】本発明において、一定温度に維持した管状
反応器における該温度は、50〜90℃であることを特
徴とするものである。
【0020】本発明の多孔質ガラスパイプは、0.2〜
100μmの細孔径を有することを特徴とするものであ
る。
【0021】本発明の多孔質ガラスパイプとは、機械的
強度、耐熱強度等の特性を備えた多孔質ガラスからなる
ものであれば、特に限定するものではないが、例えば、
特公昭62−25618号公報に開示されたCaO−B
23−SiO2−Al23 系多孔質ガラス、特開昭61
−40841号公報に開示されたCaO−B23−Si
2−Al23−Na2O系多孔質ガラス及びCaO−B
23−SiO2−Al23−Na2O−MgO系多孔質ガ
ラスが好ましい。ここで使用される多孔質ガラスパイプ
は、それ自体がサブミクロン〜ミクロンオーダーの細孔
径を有するものである。乳化しようとする素材(マイク
ロカプセル内包物)を用いて乳化する場合、所望の乳化
粒子を得るためには、その粒径に応じた細孔径を有する
多孔質ガラスパイプを選定し、該素材を多孔質ガラスパ
イプに加圧下導入して細孔部に透過させることによって
所望の乳化粒子を得ることができる。
【0022】多孔質ガラスパイプに該素材を導入して加
圧する方法は、一般に使用されているポンプ、不活性ガ
ス(例えば、窒素ガス)等により圧力を加えることでよ
い。又、加える圧力は、多孔質ガラスパイプに導入する
素材の液物性(液粘度等)によって変わるが、1〜10
Kg/cm2の範囲であり、通常1〜3Kg/cm2で十
分である。
【0023】本発明に用いられる管状反応器は、一定温
度に維持した恒温槽に折り重ねた管状部を設けたもの
で、管状部の入口部から出口部までの間でマイクロカプ
セル化が行われるようにしたものである。マイクロカプ
セル化は、管状部の長さ、管状部内を通過する流速、滞
留時間を制御することによってなされるものであり、マ
イクロカプセルの内包物、水溶性モノマー水性液、油溶
性モノマー非水性液の種類によって適宜変えることがで
きるものであり、好適な条件を予め選定しておけばよ
い。
【0024】本発明に用いられる管状部は、通常使用さ
れている円管でよい。特に、本発明において、2種類の
液体を合流して混合させる場合、螺旋管状部を使用する
ことが特徴であるが、これを使用することによって効果
的な混合が行われる。螺旋管状部を通過する2種又は3
種の液体は、管内で乱流状態を生じるために通過中に均
一に混じり合うことができる。ここで、螺旋管状部と
は、円管内に螺旋状のものを封入されたもの、或は全体
の形状が螺旋管状を持つものである。
【0025】管状部又は螺旋管状部に液体を通過させる
場合、供給ポンプとして定量ポンプのような一定量を供
給できるポンプを使用することが望ましい。供給量は、
目的とするマイクロカプセルによって異なるもので、マ
イクロカプセルの内包物、水溶性モノマー水性液、油溶
性モノマー非水性液の各量を適宜変える必要がある。例
えば、マイクロカプセルの膜厚を厚くして被膜強度を高
める場合、水溶性モノマー水性液及び油溶性モノマー非
水性液の量を多く供給すればよい。
【0026】次に、本発明による各種マイクロカプセル
の連続製造法について、製造工程及びその工程図を順に
説明していく。なお、「非水性液又はその固体粒子分散
液からなるマイクロカプセル内包物」、「水溶性モノマ
ー水性液」、「油溶性モノマー非水性液」の各材料をそ
れぞれ「内包物」、「水性液モノマー」、「油溶性モノ
マー」と略して以下に説明する。
【0027】第1のマイクロカプセルの連続製造法にお
いて、その製造工程は、第1の工程で、「内包物」と
「油溶性モノマー」とを一定流速でそれぞれの管状部内
に通過、合流点で混合する。
【0028】第2の工程では、第1の工程による該混合
液を管状部又は螺旋管状部に導き、該管状部内で混合し
て、予め選定された微細孔を有する多孔質ガラスパイプ
内に導入する。「内包物」は、該管状部、特に螺旋管状
部内で液の流れ方向に攪拌状態をとることにより、マイ
クロカプセル壁材となる一方の成分「油溶性モノマー」
と均一に混合される。
【0029】第3の工程では、多孔質ガラスパイプ内に
圧力を加える。該予備分散液の分散粒子は、加圧によ
り、予め選定された細孔径を持つ多孔質ガラスパイプを
透過し、選定された細孔径に対応する粒径の乳化粒子を
乳化槽内に形成する(乳化槽には、予め水又は「水溶性
モノマー」等を充填させておく。)。
【0030】第4の工程では、第3の工程で形成した乳
化粒子の乳化液を管状部内に導き、一方、「水溶性モノ
マー」を一定流速で管状部内に導き、合流点で混合す
る。
【0031】第5の工程では、第4の工程で混合した乳
化液と「水溶性モノマー」とからなる該混合液を管状部
又は螺旋管状部を通過して管状反応器内に導入する。
【0032】第6の工程では、管状反応器内に導入され
た該混合液を、特定温度に設定された反応器内入口部か
ら出口部まで通過させることにより、マイクロカプセル
化を行う。出口部を通過した段階では、「内包物」を被
覆するマイクロカプセルが形成される。以上のように、
6段階の工程を連続的に進行させることによってマイク
ロカプセルを製造するものである。
【0033】第1のマイクロカプセルの連続製造法につ
いて、その工程を図1で説明する。貯蔵タンク1に貯蔵
した「内包物」及び貯蔵タンク2に貯蔵した「油溶性モ
ノマー」をそれぞれ対応する供給ポンプ4及び5を用
い、一定流速で管状部7及び8を通過して合流点9で混
合する。該混合液を合流点9に接続する管状部又は螺旋
管状部10に一定流速で連続的に通過、予備的分散を生
じさせて多孔質ガラスパイプ13内に導入する。多孔質
ガラスパイプ13の薄膜細孔部より該混合液を加圧下透
過させる。これにより、乳化槽11内には「内包物」の
乳化粒子からなる乳化液12が形成される。(乳化槽に
は、予め水又は「水溶性モノマー」等を充填させてお
く。)乳化液12を一定流速で管状部14に通過、一
方、貯蔵タンク3に貯蔵した「水溶性モノマー」を供給
ポンプ6を用いて管状部15に導き、合流点16で混合
する。混合状態を経て、管状部又は螺旋管状部17を通
過、管状反応器18へ導き、一定温度に維持した管状反
応器18の入口部19より出口部20まで連続的に通過
させてマイクロカプセルを製造し、管状部21に続く排
出部22よりマイクロカプセルを放出させる。なお、図
1では、貯蔵タンク1に「内包物」、貯蔵タンク2に
「油溶性モノマー」を貯蔵する配列で説明したが、逆に
貯蔵タンク1に「油溶性モノマー」、貯蔵タンク2に
「内包物」を貯蔵する配列としても良い。
【0034】第2のマイクロカプセルの連続製造法にお
いて、その製造工程は、第1の工程で「内包物」と「油
溶性モノマー」とを一定流速でそれぞれの管状部内に通
過、合流点で混合する。
【0035】第2の工程では、第1の工程による混合液
を管状部又は螺旋管状部に導き、該管状部内で予備分散
を行い、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内に導入す
る。「内包物」は、該管状部、特に螺旋管状部内で液の
流れ方向に攪拌状態をとることにより、「油溶性モノマ
ー」が均一に混合される。
【0036】第3の工程では、「水溶性モノマー」を管
状部内に一定流速で通過させて乳化槽に導入する。
【0037】第4の工程では、多孔質ガラスパイプ内に
圧力を加える。「内包物」は、加圧により、予め選定さ
れた細孔径を持つ多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部を透
過し、選定された細孔径に対応する粒径の乳化粒子を乳
化槽内に形成する。ここで、乳化粒子は「水溶性モノマ
ー」により、初期の界面重合反応が開始される。
【0038】第5の工程では、「水溶性モノマー」で予
備的に覆われた乳化粒子の乳化液を管状部を経て管状反
応器内に導入するものである。
【0039】第6の工程では、管状反応器内に導入され
た該乳化液を、特定温度に設定された反応器内入口部か
ら出口部まで通過させることにより、マイクロカプセル
化を行う。出口部を通過した段階では、「内包物」を被
覆するマイクロカプセルが形成される。以上のように、
6段階の工程を連続的に進行させることによってマイク
ロカプセルを製造するものである。
【0040】第2のマイクロカプセルの連続製造法につ
いて、その工程を図2で説明する。貯蔵タンク1に貯蔵
した「内包物」及び貯蔵タンク2に貯蔵した「油溶性モ
ノマー」をそれぞれ対応する供給ポンプ4及び5を用
い、一定流速で管状部23及び24を通過して合流点2
5で混合、該管状部の合流点25に接続する管状部又は
螺旋管状部26に一定流速で連続的に通過させて混合さ
せて、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ13内に該混
合物を導入する。一方、貯蔵タンク3に貯蔵した「水溶
性モノマー」を供給ポンプ6を用い、乳化槽11内に導
入する。多孔質ガラスパイプ内を加圧して、該混合物を
多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部より透過させ、乳化槽
11内に乳化粒子12を形成させる。乳化液を管状部2
8に導入し、管状部28より管状反応器18へ導き、一
定温度に維持した管状反応器18の入口部19より出口
部20まで連続的に通過させてマイクロカプセルを製造
し、管状部21に続く排出部22よりマイクロカプセル
を放出させる。なお、図2では、貯蔵タンク1に「内包
物」、貯蔵タンク2に「油溶性モノマー」を貯蔵する配
列で説明したが、逆に貯蔵タンク1に「油溶性モノマ
ー」、貯蔵タンク2に「内包物」を貯蔵する配列として
も良い。
【0041】第3のマイクロカプセルの連続製造法にお
いて、その製造工程は、第1の工程で「内包物」及び
「油溶性モノマー」を一定流速でそれぞれの管状部内に
通過させて合流点で混合する。
【0042】第2の工程では、「水溶性モノマー」を管
状部内に一定流速で通過させ、第1の工程の該混合液を
管状部又は螺旋管状部に通過させて合流点で混合する。
【0043】第3の工程では、第2の工程による該混合
液を管状部又は螺旋管状部に通過させて多孔質ガラスパ
イプ内に導入する。
【0044】第4の工程では、多孔質ガラスパイプ内に
圧力を加える。該混合液は、加圧により、予め選定され
た細孔径を持つ多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部を透過
し、選定された細孔径に対応する粒径の乳化粒子を乳化
槽内に形成する(乳化槽には、予め水又は「水溶性モノ
マー」等を充填させておく。)。
【0045】第5の工程では、「水溶性モノマー」で予
備的に覆われた乳化粒子の乳化液を管状部を経て管状反
応器内に導入する。
【0046】第6の工程では、管状反応器内に導入され
た該混合液を、特定温度に設定された反応器内入口部か
ら出口部まで通過させることにより、マイクロカプセル
化を行う。出口部を通過した段階では、「内包物」を被
覆するマイクロカプセルが形成される。以上のように、
6段階の工程を連続的に進行させることによってマイク
ロカプセルを製造するものである。
【0047】第3のマイクロカプセルの連続製造法につ
いて、その工程を図3で説明する。貯蔵タンク1に貯蔵
した「内包物」及び貯蔵タンク2に貯蔵した「油溶性モ
ノマー」をそれぞれ対応する供給ポンプ4及び5を用
い、一定流速で管状部29及び30に通過、合流点31
で混合する。該混合液を管状部又は螺旋管状部32に通
過、一方、貯蔵タンク3に貯蔵した「水溶性モノマー」
を供給ポンプ6を用い、一定流速で管状部33に通過
し、該混合液と「水溶性モノマー」とを合流点34で混
合する。ここで、混合された混合液を管状部又は螺旋管
状部35に通過、多孔質ガラスパイプ13内に導入す
る。微細孔を有する多孔質ガラスパイプ13に該混合物
を加圧下透過させて乳化槽11内に乳化粒子を形成させ
る(乳化槽には、予め水又は「水溶性モノマー」等を充
填させておく。)。乳化液を管状部36に導入し、管状
部36より管状反応器18へ導き、一定温度に維持した
管状反応器18の入口部19より出口部20まで連続的
に通過させてマイクロカプセルを製造し、管状部21に
続く排出部22よりマイクロカプセルを放出させる。
【0048】本発明において、図4は、多孔質ガラスパ
イプを付設した乳化槽の部分を説明したものであるが、
乳化槽39に多孔質ガラスパイプ41を2本付設した状
態を示している。図1〜図3では、乳化槽内に1本の多
孔質ガラスパイプを付設した概略図として説明したが、
これを2本、或はさらに多くの多孔質ガラスパイプを付
設することで乳化を効果的に行うことができる。本発明
では、理解しやすくするために1本の多孔質ガラスパイ
プを付設した概略図を以て説明したものであり、多孔質
ガラスパイプの付設数を限定するものではない。
【0049】本発明で用いられる水溶性モノマーとして
は、次のものが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。多価アミンとして、例えば、エチレンジアミ
ン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p
−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペ
ラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペ
ラジン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、トリエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチル
アミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、エ
ポキシ化合物のアミン付加物等。
【0050】ポリヒドロキシ化合物として、例えば、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,
8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3
−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,4
−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジ
エチレングリコール、1,2,6−トリヒドロキシヘキ
サン、フェニルエチレングリコール、1,1,1−トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリ
ストール、グリセリン;1,4−ジ(2−ヒドロキシ)
ベンゼン、レゾルシノールジヒドロキシエチルエーテ
ル;p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコ
ール、α,α’−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピルベ
ンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2
−(p,p’−ジヒドロキシジフェニルメチル)ベンジ
ルアルコール、ビスフェノールAにエチレンオキサイド
の付加物。
【0051】本発明で用いられる油溶性モノマーとして
は、次のものが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。多塩基酸クロライドとしては、例えば、マロ
ニルジクロライド、琥珀酸クロライド、グルタルジクロ
ライド、アジポイルクロライド、セバコイルクロライ
ド、塩化フマリン、塩化フマリル、塩化イタコニル、テ
レフタル酸クロライド、塩化フタロイル、塩化イソフタ
ロイル、1,3−ナフトエ酸クロライド、4,4’−ビ
フェニル−ジカルボン酸クロライド。
【0052】ビスハロホルメートとしては、例えば、ビ
スクロロホルメート、ビスブロモホルメート、エチレン
ビス(クロロホルメート)、ヘキサメチレンビス(クロ
ロホルメート)、p−フェニレンビス(クロロホルメー
ト)。
【0053】多価イソシアネートとしては、例えば、フ
ェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−
トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイ
ソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシ
アネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシ
アネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネ
ート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネ
ート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘ
キシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレ
ン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート、
4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のト
リイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタ
ン−2,2’5,5’−テトライソシアネート等のテト
ライソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンの付加物、2,4−トリレンジ
イソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キ
シリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの
付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオー
ルの付加物。
【0054】本発明で用いられる非水性液としては、綿
実油、大豆油、コーン油、オリーブ油、ヒマシ油、魚
油、亜麻仁油等の植物油;ケロシン、パラフィン油、軽
油等の鉱物油;塩素化パラフィン、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、トリブチルフォスフェー
ト、ジブチルマレエート、ジイソプロピルナフタレン、
アルキル化ナフタレン、ジアリールエタン、水素化ター
フェニル、アルキル化ビフェニール等の合成油;アセト
ン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルホル
ムアミド、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶剤;等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0055】本発明において、乳化効果の促進、或は乳
化粒子の安定化のために、界面活性剤等の乳化剤をマイ
クロカプセル内包物、水溶性モノマー、油溶性モノマー
の中に混合することができ、これを限定するものではな
い。
【0056】本発明で用いられる非水性液又はその固体
粒子分散液からなるマイクロカプセル内包物としては、
例えば、染顔料、有機溶剤、医薬品、食品、触媒、接着
剤、化粧品、香料、記録材料、磁性材料、液晶、農薬、
肥料、種子等が挙げられる。特に、感圧複写紙用マイク
ロカプセルの内包物として、電子供与性の無色又は淡色
からなる染料前駆体を不揮発性溶剤に溶解した溶液が好
適である。
【0057】
【作用】本発明のマイクロカプセルの連続製造法は、非
水性液又はその固体粒子分散液からなるマイクロカプセ
ル内包物、油溶性モノマー非水性液、水溶性モノマー水
性液の3種の材料を貯蔵する貯蔵タンクより、少なくと
も該マイクロカプセル内包物を含む2種以上の材料を多
孔質ガラスパイプ内に導入、多孔質ガラスパイプ内を加
圧、多孔質ガラスパイプの薄膜よりマイクロカプセル内
包物を透過させ、乳化槽内に乳化粒子を形成、乳化液と
し、乳化液を管状部内を通過させ、所定の温度を維持し
た管状反応器に導入してマイクロカプセル化を連続的、
且つ短時間に行うことができる。ここで、該マイクロカ
プセル内包物は、多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部を透
過することで多孔質ガラスパイプの有する細孔径によっ
て均一、且つ安定な乳化粒子を形成することができるた
め、均一なマイクロカプセルを得ることができる。
【0058】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0059】実施例1 本実施例では、第1のマイクロカプセルの連続製造法に
従うものである。3種類の貯蔵タンクには、次のような
調整液を各々貯蔵しておく。貯蔵タンク1には、ハイゾ
ールSAS N−296(日石化学石油社製、ジアリー
ルエタン系溶剤)に電子供与性染料前駆体として3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオ
ランを溶解した6wt%染料溶液からなるマイクロカプ
セル内包物を60℃に維持した状態で貯蔵した。貯蔵タ
ンク2には、酢酸エチルに溶解した25wt%ヘキサメ
チレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加
物溶液(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHL)
を貯蔵した。貯蔵タンク3には、水酸化ナトリウムでp
H9.5に調整したヘキサメチレンジアミンの1%水溶
液を30℃に維持した状態で貯蔵した。各々の貯蔵タン
クには、管状部7、8、15への供給ポンプ4、5、6
が付設されており、各々のポンプにより一定流量を供給
するようにしてある。
【0060】貯蔵タンク1の6wt%染料溶液を供給ポ
ンプ4により管状部7に5g/秒を通過させ、同時に貯
蔵タンク2の25wt%ヘキサメチレンジイソシアネー
トのトリメチロールプロパン付加物溶液を供給ポンプ5
により管状部8に2g/秒を通過させ、合流点9で合流
させて混合させた。合流点9より螺旋管状部10を通過
させ、この螺旋管状部10の管内でこれらの2成分を予
備分散させた。
【0061】続いて、予備分散液を細孔径1μmを有す
る多孔質ガラスパイプ13に導入させ、1Kg/cm2
の圧力で加圧し、多孔質ガラスパイプ内に導入された予
備分散液を多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部より乳化槽
11内に透過させ、乳化粒子を形成させた。このとき、
初期段階として乳化槽内にはヘキサメチレンジアミンの
1%水溶液を充填させておき、多孔質ガラスパイプから
の乳化を容易にした。
【0062】均一な乳化粒子の乳化液を管状部14に導
いた。同時に、貯蔵タンク3のヘキサメチレンジアミン
からなる1wt%水溶液を供給ポンプ6により管状部1
5に5g/秒を通過させ、合流点16で合流して混合
し、螺旋管状部17を通過させて、管状反応器18の入
口部19に導入した。管状反応器18は、マイクロカプ
セル化をその出口部20までで行えるように70℃に維
持した。入口部19から出口部20を通過させ、マイク
ロカプセルの排出部22でポリウレア壁膜からなるマイ
クロカプセルを連続的に取り出すことができた。製造し
たマイクロカプセルは、約5μmの均一な粒径を有する
ものであった。
【0063】製造したマイクロカプセル分散液を使用
し、乾燥固形分が7g/m2となるようにサリチル酸系
顕色剤を塗工した下用紙(三菱製紙製)に塗工した。作
成した塗工紙は、マイクロカプセルの破壊がなく、白い
塗層状態を示し、完全に被膜形成がなされていることが
確認できた。
【0064】実施例2 本実施例では、第2のマイクロカプセルの連続製造法に
従うものである。3種類の貯蔵タンクには、次のような
調整液を各々貯蔵しておく。貯蔵タンク1には、メント
ール油をマイクロカプセル内包物として貯蔵した。貯蔵
タンク2には、酢酸エチルに溶解した25wt%キシリ
レンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの
(3:1)付加物溶液を貯蔵した。貯蔵タンク3には、
5wt%の1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼン水溶液を貯蔵した。各々の貯蔵タンクには、管状部
への供給ポンプが付設されており、各々のポンプにより
一定流量を供給するようにしてある。
【0065】貯蔵タンク1のマイクロカプセル内包物を
供給ポンプ4により管状部23に4g/秒で通過させ、
同時に貯蔵タンク2の25wt%キシリレンジイソシア
ネートとトリメチロールプロパンの(3:1)付加物溶
液を供給ポンプ5により管状部24に4g/秒で通過さ
せ、合流点25で合流させて混合した。合流点25より
螺旋管状部26を通過させ、この螺旋管状部26の管内
でこれらの2成分を予備分散させた。
【0066】一方、貯蔵タンク3の5wt%の1,4−
ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン水溶液を供給ポ
ンプ6により管状部27に2.6g/秒を通過させ、乳
化槽11内に導入した。
【0067】続いて、予備分散液を細孔径2μmを有す
る多孔質ガラスパイプ13内に導入させ、多孔質ガラス
パイプ内に導入された分散液を1kg/cm2の圧力で
加圧し、多孔質ガラスパイプ外に透過させて、乳化槽1
1内に乳化粒子からなる乳化液を作成した。
【0068】均一な乳化粒子を有する乳化液を管状部2
8により通過させ、管状反応器18の入口部19に導入
させた。管状反応器18は、マイクロカプセル化をその
出口部20までで行えるように70℃に維持した。入口
部19から出口部20を通過させ、マイクロカプセルの
排出部22でポリウレタン壁膜からなるマイクロカプセ
ルを連続的に取り出すことができた。製造したマイクロ
カプセルは、約10μmの均一な粒径を有するものであ
った。
【0069】製造したメントール油を内包するマイクロ
カプセルについて、完全に被膜形成されているかどうか
確認するために、製造したマイクロカプセル分散液を使
用して次のような配合の25wt%の塗液を調製した。 45%マイクロカプセル分散液 100重量部 15%ポリビニルアルコール水溶液 60重量部 小麦デンプン(粒径20〜30μm) 25重量部 水 131重量部
【0070】上記で調整した塗液を、坪量60g/m2
の上質紙に塗工量が10g/m2となるようにメイヤー
バーを使用して塗工した。得られた塗工紙は、メントー
ルの香りを識別することなく、完全にマイクロカプセル
化されていることが確認できた。この塗工紙の塗工面を
爪で引っかいたところ、メントールの香りが瞬間に放出
され、マイクロカプセル内に内包されていることを確認
することができた。
【0071】実施例3 本実施例では、第3のマイクロカプセルの連続製造法に
従うものである。3種類の貯蔵タンクには、次のような
調整液を各々貯蔵しておく。貯蔵タンク1には、ハイゾ
ールSAS N−296(日石化学石油社製、ジアリー
ルエタン系溶剤)に電子供与性染料前駆体として3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオ
ランを溶解した6wt%染料溶液からなるマイクロカプ
セル内包物を60℃に維持した状態で貯蔵した。貯蔵タ
ンク2には、ハイゾールSAS N−296に溶解した
5wt%テレフタロイルクロライド溶液を貯蔵した。貯
蔵タンク3には、20wt%エチレングリコール水性液
を貯蔵した。各々の貯蔵タンクには、管状部への供給ポ
ンプが付設されており、各々のポンプにより一定流量を
供給するようにしてある。
【0072】貯蔵タンク1の6wt%染料溶液を供給タ
ンク4により管状部29に5g/秒を通過させ、同時に
貯蔵タンク2の5wt%テレフタロイルクロライド溶液
を供給ポンプ5により管状部30に1g/秒を通過さ
せ、合流点31で合流させた。一方、貯蔵タンク3の2
0wt%エチレングリコール水性液を供給ポンプ6によ
り管状部33に6g/秒を通過させた。又、合流点34
より螺旋管状部35に通過させ、6wt%染料溶液と5
wt%テレフタロイルクロライド溶液とを予備混合させ
た。螺旋管状部35で混合した混合液と20wt%エチ
レングリコール水性液とを螺旋管状部35の管内でこれ
らの3成分を予備分散させた。
【0073】続いて、予備分散液を細孔径2μmを有す
る多孔質ガラスパイプ10内に導入させ、多孔質ガラス
パイプ内に導入された予備分散液を圧力1Kg/cm2
の加圧下、多孔質ガラスパイプ外に透過させ、乳化槽内
に乳化粒子からなる乳化液を作成させた。このとき、初
期段階として乳化槽内には2wt%エチレングリコール
水性液を充填させておき多孔質ガラスパイプからの乳化
を容易にした。
【0074】均一な乳化粒子を有する乳化液を管状部3
6により通過させ、管状反応器18の入口部19に導入
させた。管状反応器18は、マイクロカプセル化をその
出口部20までで行えるように70℃に維持した。入口
部19から出口部20を通過させ、マイクロカプセルの
排出部22でポリエステル壁膜からなるマイクロカプセ
ルを連続的に取り出すことができた。製造したマイクロ
カプセルは、約8μmの均一な粒径を有するものであっ
た。
【0075】実施例1と同様の簡易試験を行い、マイク
ロカプセルの被膜形成状態を確認した。製造したマイク
ロカプセル分散液を使用し、乾燥固形分が7g/m2
なるようにサリチル酸系顕色剤を塗工した下用紙(三菱
製紙製)に塗工した。作成した塗工紙は、マイクロカプ
セルの破壊がなく、白い塗層状態を示し、完全に被膜形
成がなされていることが確認できた。
【0076】
【発明の効果】本発明は、均一な粒径を有するマイクロ
カプセルを連続的に製造することのできるマイクロカプ
セルの連続製造法である。マイクロカプセルの連続製造
法は、マイクロカプセル内包物、水溶性モノマー水性
液、油溶性モノマー非水性液からなる3成分を使用し
て、該3成分を貯蔵する貯蔵タンク、多孔質ガラスパイ
プ、乳化槽、並びに管状反応器を管状部(又は、螺旋管
状部)で接続することにより、種々組合せることができ
る。本発明のマイクロカプセルの連続製造法は、一連の
工程を経て均一なマイクロカプセルを製造することがで
きることから工業的価値の極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【図2】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【図3】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【図4】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【符号の説明】
1 貯蔵タンク 2 貯蔵タンク 3 貯蔵タンク 4 貯蔵タンク1の供給ポンプ 5 貯蔵タンク2の供給ポンプ 6 貯蔵タンク3の供給ポンプ 7、8、14、15、21、23、24、27、28、
29、30、33、36、38、42 管状部 10、17、26、32、35、37 管状部又は螺旋
管状部 11、39 乳化槽 13、41 多孔質ガラスパイプ 12、40 乳化液 9、16、25、31、34 合流点 18 管状反応器 19 管状反応器の入口部 20 管状反応器の出口部 22 マイクロカプセルの排出部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水性液又はその固体粒子分散液を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、非水性液
    又はその固体粒子分散液からなるマイクロカプセル内包
    物、水溶性モノマー水性液、油溶性モノマー非水性液か
    らなる3成分をそれぞれ貯蔵する貯蔵タンクより、水溶
    性モノマー水性液を除く該2成分又は該3成分を管状部
    又は螺旋管状部に通過させて微細孔を有する多孔質ガラ
    スパイプに導入、一方、該水溶性モノマー水性液を乳化
    槽又は管状反応器との間に接続する管状部又は螺旋管状
    部に導入、加圧下該多孔質ガラスパイプの薄膜より透過
    させて該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、形成された乳
    化液を管状部又は螺旋管状部内に通過させて管状反応器
    内に導入し、一定温度に維持した管状反応器内に連続的
    に通過させてマイクロカプセルを製造することを特徴と
    するマイクロカプセルの連続製造法。
  2. 【請求項2】 水溶性モノマー/油溶性モノマーとの組
    合せが、多価アミン/多塩基酸クロライド、多価アミン
    /ビスハロホルメート、多価アミン/多価イソシアネー
    ト、ポリヒドロキシ化合物/多塩基酸クロライド、ポリ
    ヒドロキシ化合物/多価イソシアネートの群から選ばれ
    る1種であることを特徴とする請求項1記載のマイクロ
    カプセルの連続製造法。
  3. 【請求項3】 一定温度に維持した管状反応器におい
    て、該温度が50〜90℃であることを特徴とする請求
    項1又は2記載のマイクロカプセルの連続製造法。
  4. 【請求項4】 多孔質ガラスパイプが、0.2〜100
    μmの細孔径を有することを特徴とする請求項1、2又
    は3記載のマイクロカプセルの連続製造法。
  5. 【請求項5】 非水性液又はその固体粒子分散液を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、非水性液
    又はその固体粒子分散液からなるマイクロカプセル内包
    物及び油溶性モノマー非水性液を、一定流速でそれぞれ
    の管状部内に通過させ、合流点で混合して該2成分の混
    合状態を形成せしめ、該合流点に接続する管状部又は螺
    旋管状部内に一定流速で連続的に通過させて予備的分散
    を生じせしめた後、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ
    内に導入し、該混合物を加圧下多孔質ガラスパイプの薄
    膜より透過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、形
    成された乳化液と水溶性モノマー水性液とをそれぞれの
    管状部内に導き、合流点で混合して混合状態を形成せし
    めて後、管状部又は螺旋管状部内に通過させて管状反応
    器内に導入、一定温度に維持した管状反応器内に連続的
    に通過させてマイクロカプセルを製造することを特徴と
    するマイクロカプセルの連続製造法。
  6. 【請求項6】 非水性液又はその固体粒子分散液を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、水溶性モ
    ノマー水性液を管状部内に一定流速で通過させて乳化槽
    内に導入、一方、非水性液又はその固体粒子分散液から
    なるマイクロカプセル内包物及び油溶性モノマー非水性
    液を、一定流速でそれぞれの管状部内に通過させ、合流
    点で混合して該2成分の混合状態を形成せしめ、該合流
    点に接続する管状部又は螺旋管状部内に一定流速で連続
    的に通過させて予備的分散を生じせしめた後、微細孔を
    有する多孔質ガラスパイプ内に導入し、加圧下該多孔質
    ガラスパイプの薄膜を透過させて該乳化槽内に乳化粒子
    を形成させ、形成された乳化液を管状部内に通過させて
    管状反応器内に導入し、一定温度に維持した管状反応器
    内に連続的に通過させてマイクロカプセルを製造するこ
    とを特徴とするマイクロカプセルの連続製造法。
  7. 【請求項7】 非水性液又はその固体粒子分散液を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、非水性液
    又はその固体粒子分散液からなるマイクロカプセル内包
    物及び油溶性モノマー非水性液を、一定流速でそれぞれ
    の管状部内に通過させ、合流点で混合して2成分の混合
    状態を形成せしめ、これを管状部又は螺旋管状部内に通
    過させて予備的分散を生じせしめ、続いて水溶性モノマ
    ー水性液を管状部内に導き、合流点で該2成分の混合液
    と混合せしめ、該合流点に接続する管状部又は螺旋管状
    部内に一定流速で連続的に通過させて予備的分散を生じ
    せしめた後、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内に導
    入し、該混合物を加圧下多孔質ガラスパイプの薄膜より
    透過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、これを管
    状部内に通過させて管状反応器内に導入し、一定温度に
    維持した管状反応器内に連続的に通過させてマイクロカ
    プセルを製造することを特徴とするマイクロカプセルの
    連続製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005205338A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Dainippon Toryo Co Ltd 単分散粒子の製造方法
JP2005238118A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Tosoh Corp 微小流路構造体を用いた固化粒子の製造方法及び装置
JP2006082028A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Dainippon Toryo Co Ltd 単分散粒子の製造方法

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