JP3198151B2 - マイクロカプセルの連続製造法 - Google Patents

マイクロカプセルの連続製造法

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JP3198151B2 JP10827392A JP10827392A JP3198151B2 JP 3198151 B2 JP3198151 B2 JP 3198151B2 JP 10827392 A JP10827392 A JP 10827392A JP 10827392 A JP10827392 A JP 10827392A JP 3198151 B2 JP3198151 B2 JP 3198151B2
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/40Mixing liquids with liquids; Emulsifying
    • B01F23/41Emulsifying
    • B01F23/4105Methods of emulsifying

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  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロカプセルの連
続製造法に関するものである。さらに詳しくは、均一な
粒径のマイクロカプセルを製造することのできるマイク
ロカプセルの連続製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、微小な容器であ
る。その容器内に各種機能性素材を封じ込めて一時的
に、或は経時的に放出させることができるものである。
その素材は多岐にわたり、例えば、染顔料、医薬品、食
品、触媒、接着剤、化粧品、香料、記録材料、磁性材
料、液晶、農薬、肥料、種子等が挙げられる。
【0003】マイクロカプセルの用途は、上記のとおり
多岐に亙るが、これらの内でも、特に馴染みのあるもの
として、感圧複写紙が挙げられる。感圧複写紙は、電子
供与性の無色又は淡色からなる染料前駆体を不揮発性溶
剤に溶解した溶液を内包したマイクロカプセルが支持体
上に塗工された塗工紙(上用紙)と電子受容性からなる
酸性物質を塗工した塗工紙(下用紙)を互いにその塗工
面を重ね合わせて、筆圧などの手段で加圧することによ
って印字記録するものである。
【0004】このようなマイクロカプセルの製造法とし
ては、スプレードライング法、気中懸濁被覆法、噴霧造
粒法、パンコーティング法、オリフィス法等の物理的、
機械的方法、或はコンプレックス・コアセルベーション
法、界面重合法、インサイチュ重合法(以下、in s
itu重合法と称す。)、液中硬化被覆法、液中乾燥
法、融解分散冷却法等の物理化学的方法が挙げられる。
これらの内、物理化学的方法として、界面重合法及びi
n situ重合法が広く使用されている。特に、上記
の感圧複写紙の用途においては、in situ重合法
が一般的に使用されている。
【0005】in situ重合法によるマイクロカプ
セルの製造法は、従来より行われている製造法として、
バッチ方式が主流であり、in situ重合法を使用
する限り、マイクロカプセルの増産のためには設備の大
型化方向の対策のみであり、他のマイクロカプセル製造
法の必要性が待たれている現状である。
【0006】マイクロカプセルの連続製造法について
は、種々検討がなされており、例えば、特公昭52−2
2829号公報、同52−49797号公報、特公平3
−46170号公報を挙げることができる。
【0007】特公昭52−22829号公報では、単一
の入口部と単一の出口部を有する管状カプセル製造用導
管中で液−液分離を行う方法である。特公昭52−49
797号公報では、カプセル製造用導管に複数の入口部
と単一の出口部を配設せしめた以外は特公昭52−22
829号公報と同じ方法である。これらの公報では、カ
プセルの形成過程において未成熟カプセルが凝集するの
を防止するために、カプセル製造用ビヒクルを乱流条件
下で導管に通過させねばならないという点で制約を受け
るばかりでなく、導管に沿って温度勾配を維持せしめた
うえで、目的とするカプセル核物質を壁物質で包被する
ことが必要である。
【0008】又、これら2つの発明を改善したものとし
て、特公平3−46170号公報がある。同公報では、
カプセル核物質、水溶性カプセル壁先駆物質、陰電荷高
分子電解質を含有するカプセル製造用水性ビヒクルから
なる混合物を管状内に導く際に、乱流を必要とせず、乳
化装置を経たエマルジョンを管状反応器に導き、管状反
応器を単一の高温度に維持して連続的にマイクロカプセ
ルを製造するものでカプセルの凝集がなく、反応容器内
で固体物質の堆積を生じないと記載されている。
【0009】しかしながら、上記の各公報では、カプセ
ル核物質、水溶性カプセル壁先駆物質、陰電荷高分子電
解質を含有するカプセル製造用水性ビヒクルからなる混
合物を管状内に導き、乳化装置に投入される工程で十分
な分散状態になりにくいこと、又、所望の乳化粒子を得
る上で乳化装置の設定条件を調整することが難しいこ
と、更に、乳化工程の前にカプセル核物質、水溶性カプ
セル壁先駆物質、陰電荷高分子電解質からなる3成分を
導入、混合することで局所的なマイクロカプセル壁膜形
成が行われるという問題点がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】上記のとおり、従来のマイクロカプセルの
連続製造法において、改善の余地のあったカプセル核物
質(本発明で云うマイクロカプセル内包物)、水溶性カ
プセル壁先駆物質(本発明で云う水溶性マイクロカプセ
ル壁材水溶液)、陰電荷高分子電解質(本発明で云うア
ニオン系水性分散液)を含有するカプセル製造用水性ビ
ヒクルからなる混合物を混合し、乳化装置により乳化粒
子を形成、マイクロカプセル化を行う連続工程を見直
し、粒径の均一化、且つ均質な被膜形成のできるマイク
ロカプセルの連続製造法を提供することを目的とするも
のである。
【課題を解決するための手段】
【0011】本発明者は、鋭意研究を行った結果、均一
な粒径のマイクロカプセルを製造することのできるマイ
クロカプセルの連続製造法を提供するものである。
【0012】即ち、本発明によって提供されるマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性の固体粒子又は非水性
液体を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、非水性固体粒子の水分散液又は非水性液体からなる
マイクロカプセル内包物、アニオン系水性分散液、水溶
性マイクロカプセル壁材水溶液からなる3成分をそれぞ
れ貯蔵する貯蔵タンクより、該3成分の少なくとも1種
以上を管状部又は螺旋管状部に通過させて微細孔を有す
る多孔質ガラスパイプに導入、一方、該3成分中の該マ
イクロカプセル内包物を除く該2成分の1種以上を乳化
槽又は管状反応器との間に接続する管状部に導入、加圧
下該多孔質ガラスパイプの薄膜より透過させて該乳化槽
内に乳化粒子を形成させ、形成された乳化液を管状部内
に通過させて管状反応器内に導入し、一定温度に維持し
た管状反応器内に連続的に通過させてマイクロカプセル
を製造するものである。
【0013】本発明のマイクロカプセルの連続製造法
は、基本的には、数多くの連続製造法を有するものであ
るが、特に、以下に記述する6つのマイクロカプセルの
製造法が本発明を有効に発揮できるものである。
【0014】本発明によって提供される第1のマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性の固体粒子又は非水性
液体を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、アニオン系水性分散液を管状部内に一定流速で通過
させて乳化槽内に導入、一方、非水性固体粒子の水分散
液又は非水性液体からなるマイクロカプセル内包物を管
状部内に一定流速で通過させて、微細孔を有する多孔質
ガラスパイプ内に導入し、加圧下該多孔質ガラスパイプ
の薄膜より透過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成さ
せ、形成された乳化液を管状部内に通過させ、同時に水
溶性マイクロカプセル壁材水溶液を管状部内に通過させ
て該乳化液と該水溶性マイクロカプセル壁材水溶液とを
合流点で混合して混合状態を形成せしめこれを管状部又
は螺旋管状部内に通過させて管状反応器内に導入し、一
定温度に維持した管状反応器内に連続的に通過させてマ
イクロカプセルを製造するものである。
【0015】本発明によって提供される第2のマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性の固体粒子又は非水性
液体を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、アニオン系水性分散液及び水溶性マイクロカプセル
壁材水溶液を、一定流速でそれぞれの管状部内に通過さ
せ、合流点で混合して2成分の混合状態を形成せしめ、
これを管状部又は螺旋管状部に通過させて乳化槽内に導
入、一方、非水性固体粒子の水分散液又は非水性液体か
らなるマイクロカプセル内包物を管状部内に一定流速で
通過させて、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内に導
入し、加圧下該多孔質ガラスパイプの薄膜より透過させ
て該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、形成された乳化液
を管状部内に通過させて管状反応器内に導入し、一定温
度に維持した管状反応器内に連続的に通過させてマイク
ロカプセルを製造するものである。
【0016】本発明によって提供される第3のマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性の固体粒子又は非水性
液体を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、アニオン系水性分散液及び非水性の固体粒子の水分
散液又は非水性液体からなるマイクロカプセル内包物
を、一定流速でそれぞれの管状部内に通過させ、合流点
で混合して該2成分の混合状態を形成せしめ、該合流点
に接続する管状部又は螺旋管状部内に一定流速で連続的
に通過させて予備的分散を生じせしめた後、微細孔を有
する多孔質ガラスパイプ内に導入し、該混合物を加圧下
多孔質ガラスパイプの薄膜より透過させて該乳化槽内に
乳化粒子を形成させ、形成された乳化液と水溶性マイク
ロカプセル壁材水溶液とをそれぞれの管状部内に導き、
合流点で混合して混合状態を形成せしめて後、管状部又
は螺旋管状部内に通過させて管状反応器内に導入、一定
温度に維持した管状反応器内に連続的に通過させてマイ
クロカプセルを製造するものである。
【0017】本発明によって提供される第4のマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性の固体粒子又は非水性
液体を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、水溶性マイクロカプセル壁材水溶液を管状部内に一
定流速で通過させて乳化槽内に導入、一方、アニオン系
水性分散液及び非水性の固体粒子の水分散液又は非水性
液体からなるマイクロカプセル内包物を、一定流速でそ
れぞれの管状部内に通過させ、合流点で混合して該2成
分の混合状態を形成せしめ、該合流点に接続する管状部
又は螺旋管状部内に一定流速で連続的に通過させて予備
的分散を生じせしめた後、微細孔を有する多孔質ガラス
パイプ内に導入し、加圧下該多孔質ガラスパイプの薄膜
を透過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、形成さ
れた乳化液を管状部内に通過させて管状反応器内に導入
し、一定温度に維持した管状反応器内に連続的に通過さ
せてマイクロカプセルを製造するものである。
【0018】本発明によって提供される第5のマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性の固体粒子又は非水性
液体を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、非水性の固体粒子の水分散液又は非水性液体からな
るマイクロカプセル内包物及びアニオン系水性分散液
を、一定流速でそれぞれの管状部内に通過させ、合流点
で混合して2成分の混合状態を形成せしめ、これを管状
部又は螺旋管状部内に通過させて予備的分散を生じせし
め、続いて水溶性マイクロカプセル壁材水溶液を管状部
内に導き、合流点で該2成分の混合液と混合せしめ、該
合流点に接続する管状部又は螺旋管状部内に一定流速で
連続的に通過させて予備的分散を生じせしめた後、微細
孔を有する多孔質ガラスパイプ内に導入し、該混合物を
加圧下多孔質ガラスパイプの薄膜より透過させて該乳化
槽内に乳化粒子を形成させ、これを管状部内に通過させ
て管状反応器内に導入し、一定温度に維持した管状反応
器内に連続的に通過させてマイクロカプセルを製造する
ものである。
【0019】本発明によって提供される第6のマイクロ
カプセルの連続製造法は、非水性の固体粒子又は非水性
液体を内包するマイクロカプセルの連続製造法におい
て、アニオン系水性分散液及び水溶性マイクロカプセル
壁材水溶液を、一定流速でそれぞれの管状部内に通過さ
せ、合流点で混合して2成分の混合状態を形成せしめ、
これを管状部又は螺旋管状部内に通過させ、続いて非水
性の固体粒子の水分散液又は非水性液体からなるマイク
ロカプセル内包物を管状部内に導き、合流点で該2成分
の混合液と混合せしめ、該合流点に接続する管状部又は
螺旋管状部内に一定流速で連続的に通過させて予備的分
散を生じせしめた後、微細孔を有する多孔質ガラスパイ
プ内に導入し、該混合物を加圧下多孔質ガラスパイプの
薄膜より透過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、
これを管状部内に通過させて管状反応器内に導入し、一
定温度に維持した管状反応器内に連続的に通過させてマ
イクロカプセルを製造することものである。
【0020】本発明において、水溶性マイクロカプセル
壁材は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物、
尿素−ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物、メチロールメ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物からなる群か
ら選ばれた1種であることを特徴とするものである。
【0021】本発明において、一定温度に維持した管状
反応器における該温度は、50〜90℃であることを特
徴とするものである。
【0022】本発明の多孔質ガラスパイプは、0.2〜
100μmの細孔径を有することを特徴とするものであ
る。
【0023】本発明の多孔質ガラスパイプとは、機械的
強度、耐熱強度等の特性を備えた多孔質ガラスからなる
ものであれば、特に限定するものではないが、例えば、
特公昭62−25618号公報に開示されたCaO−B
23−SiO2−Al23 系多孔質ガラス、特開昭61
−40841号公報に開示されたCaO−B23−Si
2−Al23−Na2O系多孔質ガラス及びCaO−B
23−SiO2−Al23−Na2O−MgO系多孔質ガ
ラスが好ましい。ここで使用される多孔質ガラスパイプ
は、それ自体がサブミクロン〜ミクロンオーダーの細孔
径を有するものである。乳化しようとする素材(マイク
ロカプセル内包物)を用いて乳化する場合、所望の乳化
粒子を得るためには、その粒径に応じた細孔径を有する
多孔質ガラスパイプを選定し、該素材を多孔質ガラスパ
イプに加圧下導入して細孔部に透過させることによって
所望の乳化粒子を得ることができる。
【0024】多孔質ガラスパイプに該素材を導入して加
圧する方法は、一般に使用されているポンプ、不活性ガ
ス(例えば、窒素ガス)等により圧力を加えることでよ
い。又、加える圧力は、多孔質ガラスパイプに導入する
素材の液物性(液粘度等)によって変わるが、1〜10
Kg/cm2の範囲であり、通常1〜3Kg/cm2で十
分である。
【0025】本発明に用いられる管状反応器は、一定温
度に維持した恒温槽に折り重ねた管状部を設けたもの
で、管状部の入口部から出口部までの間でマイクロカプ
セル化が行われるようにしたものである。マイクロカプ
セル化は、管状部の長さ、管状部内を通過する流速、滞
留時間を制御することによってなされるものであり、マ
イクロカプセルの内包物、水溶性マイクロカプセル壁
材、アニオン系水性分散液等の種類によって適宜変える
ことができるものであり、好適な条件を予め選定してお
けばよい。
【0026】本発明に用いられる管状部は、通常使用さ
れている円管でよい。特に、本発明において、2種類の
液体を合流して混合させる場合、螺旋管状部を使用する
ことが特徴であるが、これを使用することによって効果
的な混合が行われる。螺旋管状部を通過する2種又は3
種の液体は、管内で乱流状態を生じるために通過中に均
一に混じり合うことができる。ここで、螺旋管状部と
は、円管内に螺旋状のものを封入されたもの、或は全体
の形状が螺旋管状を持つものである。
【0027】管状部又は螺旋管状部に液体を通過させる
場合、供給ポンプとして定量ポンプのような一定量を供
給できるポンプを使用することが望ましい。供給量は、
目的とするマイクロカプセルによって異なるもので、マ
イクロカプセルの内包物、水溶性マイクロカプセル壁
材、アニオン系水性分散液の各量を適宜変える必要があ
る。例えば、マイクロカプセルの膜厚を厚くして被膜強
度を高める場合、水溶性マイクロカプセル壁材の量を多
く供給すればよい。
【0028】次に、本発明による各種マイクロカプセル
の連続製造法について、製造工程及びその工程図を順に
説明していく。なお、「非水性の固体粒子の水分散液又
は非水性液体からなるマイクロカプセル内包物」、「ア
ニオン系水性分散液」、「水溶性マイクロカプセル壁材
水溶液」の各材料をそれぞれ「内包物」、「乳化剤」、
「壁材」と略して以下に説明する。
【0029】第1のマイクロカプセルの連続製造法にお
いて、その製造工程は、第1の工程で、「乳化剤」を管
状部内に一定流速で通過、乳化槽内に導入する。
【0030】第2の工程では、「内包物」を管状部内に
一定流速で通過、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内
に導入する。ここでは、多孔質ガラスパイプの薄膜界面
で「乳化剤」と「内包物」とは隔離された状態である。
【0031】第3の工程では、多孔質ガラスパイプ内に
圧力を加える。「内包物」は、加圧により、予め選定さ
れた細孔径を持つ多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部を透
過し、選定された細孔径に対応する粒径の乳化粒子を乳
化槽内に形成、「乳化剤」中に分散して乳化液を形成す
る。ここで、乳化粒子は、「乳化剤」により保護コロイ
ド化される。
【0032】第4の工程では、形成された乳化液を管状
部内に通過、同時に「壁材」を管状部内に通過、該乳化
液と「壁材」を合流点で混合する。ここで、保護コロイ
ド化された乳化粒子は、被膜形成の前段として「壁材」
で覆われる。
【0033】第5の工程では、第4の工程で混合した乳
化液と「壁材」とからなる混合液を管状部又は螺旋管状
部に通過させ、管状反応器内に導入する。
【0034】第6の工程では、管状反応器内に導入され
た該混合液を、特定温度に設定された反応器内入口部か
ら出口部まで通過させてマイクロカプセル化を行う。出
口部を通過した段階で、「内包物」を被覆するマイクロ
カプセルが形成される。以上のように、6段階の工程を
連続的に進行させることによってマイクロカプセルを製
造するものである。
【0035】第1のマイクロカプセルの連続製造法につ
いて、その工程を図1で説明する。貯蔵タンク1に貯蔵
した「内包物」を供給ポンプ4を用い、一定流速で管状
部7に通過させて多孔質ガラスパイプ10に導入、一
方、貯蔵タンク2に貯蔵した「乳化剤」を供給ポンプ5
を用い、一定流速で管状部8に通過させて乳化槽9の中
に導入する。多孔質ガラスパイプ内を加圧させ、「内包
物」を多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部より透過させ
る。これにより、乳化槽内には「内包物」の乳化粒子か
らなる乳化液が形成される。乳化液11を一定流速で管
状部12に通過、一方、貯蔵タンク3に貯蔵した「壁
材」を供給ポンプ6を用いて管状部13に導き、合流点
14で該乳化液と「壁材」とを混合させる。混合状態を
経て、螺旋管状部15を通過、管状反応器16へ導き、
一定温度に維持した管状反応器16の入口部17より出
口部18まで連続的に通過させてマイクロカプセルを製
造し、管状部19に続く排出部20よりマイクロカプセ
ルを放出させる。
【0036】第2のマイクロカプセルの連続製造法にお
いて、その製造工程は、第1の工程で、「乳化剤」及び
「壁材」を一定流速でそれぞれの管状部内に通過、合流
点で「乳化剤」と「壁材」とを混合する。
【0037】第2の工程では、混合された該混合液を管
状部又は螺旋管状部に通過、乳化槽内に導入する。ここ
で、該混合液は、管状部又は螺旋管状部内を通過するこ
とにより均一混合される。
【0038】第3の工程では、「内包物」を管状部内に
一定流速で通過、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内
に導入する。ここでは、多孔質ガラスパイプの薄膜界面
で「乳化剤」及び「壁材」の該混合液と、「内包物」と
は隔離された状態である。
【0039】第4の工程では、多孔質ガラスパイプ内に
圧力を加える。「内包物」は、加圧により、予め選定さ
れた細孔径を持つ多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部を透
過し、選定された細孔径に対応する粒径の乳化粒子を乳
化槽内に形成、「乳化剤」及び「壁材」の混合液中に分
散して乳化液を形成する。ここで、乳化粒子は、「乳化
剤」により保護コロイド化される。
【0040】第5の工程では、第4の工程で形成された
該乳化液を管状部に通過、管状反応器内に導入する。
【0041】第6の工程では、管状反応器内に導入され
た該混合液を、特定温度に設定された反応器内入口部か
ら出口部まで通過させてマイクロカプセル化を行う。出
口部を通過した段階で、「内包物」を被覆するマイクロ
カプセルが形成される。以上のように、6段階の工程を
連続的に進行させることによってマイクロカプセルを製
造するものである。
【0042】第2のマイクロカプセルの連続製造法につ
いて、その工程を図3で説明する。貯蔵タンク2に貯蔵
した「乳化剤」及び貯蔵タンク3に貯蔵した「壁材」を
それぞれ対応する供給ポンプ5及び6を用い、一定流速
で管状部28及び29に通過、合流点30で混合し、こ
の混合液を管状部又は螺旋管状部31に通過、乳化槽9
の中に導入する。一方、貯蔵タンク1に貯蔵した「内包
物」を供給ポンプ4を用い、一定流速で管状部27に通
過、多孔質ガラスパイプ10に導入する。多孔質ガラス
パイプ内を加圧させ、「内包物」を多孔質ガラスパイプ
の薄膜細孔部より透過させる。これにより、乳化槽内に
は「内包物」の乳化粒子からなる乳化液が形成される。
乳化液11を一定流速で管状部32に通過させ、管状反
応器16へ導き、一定温度に維持した管状反応器16の
入口部17より出口部18まで連続的に通過させてマイ
クロカプセルを製造し、管状部19に続く排出部20よ
りマイクロカプセルを放出させる。
【0043】第3のマイクロカプセルの連続製造法にお
いて、その製造工程は、第1の工程で、「内包物」と
「乳化剤」とを一定流速でそれぞれの管状部内に通過、
合流点で混合する。
【0044】第2の工程では、第1の工程による該混合
液を管状部又は螺旋管状部に導き、該管状部内で予備分
散を行い、予め選定された微細孔を有する多孔質ガラス
パイプ内に導入する。「内包物」は、該管状部、特に螺
旋管状部内で液の流れ方向に攪拌状態をとることによ
り、「乳化剤」からなる保護コロイド膜で覆われた予備
分散粒子となる。
【0045】第3の工程では、多孔質ガラスパイプ内に
圧力を加える。該予備分散液の分散粒子は、加圧によ
り、予め選定された細孔径を持つ多孔質ガラスパイプを
透過し、選定された細孔径に対応する粒径の乳化粒子を
乳化槽内に形成する(乳化槽には、予め水又は「乳化
剤」等を充填させておく。)。
【0046】第4の工程では、第3の工程で形成した乳
化粒子の乳化液を管状部内に導き、一方、「壁材」を一
定流速で管状部内に導き、合流点で混合する。
【0047】第5の工程では、第4の工程で混合した乳
化液と「壁材」とからなる該混合液を管状部又は螺旋管
状部を通過して管状反応器内に導入する。
【0048】第6の工程では、管状反応器内に導入され
た該混合液を、特定温度に設定された反応器内入口部か
ら出口部まで通過させることにより、マイクロカプセル
化を行う。出口部を通過した段階では、「内包物」を被
覆するマイクロカプセルが形成される。以上のように、
6段階の工程を連続的に進行させることによってマイク
ロカプセルを製造するものである。
【0049】第3のマイクロカプセルの連続製造法につ
いて、その工程を図4で説明する。貯蔵タンク1に貯蔵
した「内包物」及び貯蔵タンク2に貯蔵した「乳化剤」
をそれぞれ対応する供給ポンプ4及び5を用い、一定流
速で管状部33及び34を通過して合流点35で混合す
る。該混合液を合流点35に接続する管状部又は螺旋管
状部36に一定流速で連続的に通過、予備的分散を生じ
させて多孔質ガラスパイプ10内に導入する。多孔質ガ
ラスパイプ10の薄膜細孔部より該混合液を加圧下透過
させる。これにより、乳化槽9内には「内包物」の乳化
粒子からなる乳化液11が形成される。(乳化槽には、
予め水又は「乳化剤」等を充填させておく。)乳化液1
1を一定流速で管状部37に通過、一方、貯蔵タンク3
に貯蔵した「壁材」を供給ポンプ6を用いて管状部38
に導き、合流点39で混合する。混合状態を経て、管状
部又は螺旋管状部40を通過、管状反応器16へ導き、
一定温度に維持した管状反応器16の入口部17より出
口部18まで連続的に通過させてマイクロカプセルを製
造し、管状部19に続く排出部20よりマイクロカプセ
ルを放出させる。なお、図4では、貯蔵タンク1に「内
包物」、貯蔵タンク2に「乳化剤」を貯蔵する配列で説
明したが、逆に貯蔵タンク1に「乳化剤」、貯蔵タンク
2に「内包物」を貯蔵する配列としても良い。
【0050】第4のマイクロカプセルの連続製造法にお
いて、その製造工程は、第1の工程で「内包物」と「乳
化剤」とを一定流速でそれぞれの管状部内に通過、合流
点で混合する。
【0051】第2の工程では、第1の工程による混合液
を管状部又は螺旋管状部に導き、該管状部内で予備分散
を行い、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内に導入す
る。「内包物」は、該管状部、特に螺旋管状部内で液の
流れ方向に攪拌状態をとることにより、「乳化剤」から
なる保護コロイド膜で覆われた予備分散粒子となる。
【0052】第3の工程では、「壁材」を管状部内に一
定流速で通過させて乳化槽9に導入する。
【0053】第4の工程では、多孔質ガラスパイプ内に
圧力を加える。「内包物」は、加圧により、予め選定さ
れた細孔径を持つ多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部を透
過し、選定された細孔径に対応する粒径の乳化粒子を乳
化槽内に形成する。ここで、乳化粒子は「乳化剤」によ
り、保護コロイド化され、被膜形成の前段として乳化粒
子が「壁材」で覆われる。
【0054】第5の工程では、「壁材」で予備的に覆わ
れた乳化粒子の乳化液を管状部を経て管状反応器内に導
入するものである。
【0055】第6の工程では、管状反応器内に導入され
た該乳化液を、特定温度に設定された反応器内入口部か
ら出口部まで通過させることにより、マイクロカプセル
化を行う。出口部を通過した段階では、「内包物」を被
覆するマイクロカプセルが形成される。以上のように、
6段階の工程を連続的に進行させることによってマイク
ロカプセルを製造するものである。
【0056】第4のマイクロカプセルの連続製造法につ
いて、その工程を図5で説明する。貯蔵タンク1に貯蔵
した「内包物」及び貯蔵タンク2に貯蔵した「乳化剤」
をそれぞれ対応する供給ポンプ4及び5を用い、一定流
速で管状部41及び42を通過して合流点43で混合、
該管状部の合流点43に接続する管状部又は螺旋管状部
44に一定流速で連続的に通過させて予備分散を生じさ
せ、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ10内に該混合
物を導入する。一方、貯蔵タンク3に貯蔵した「壁材」
を供給ポンプ6を用い、乳化槽9内に導入する。多孔質
ガラスパイプ内を加圧して、該混合物を多孔質ガラスパ
イプの薄膜細孔部より透過させ、乳化槽9内に乳化粒子
11を形成させる。乳化液を管状部46に導入し、管状
部46より管状反応器16へ導き、一定温度に維持した
管状反応器16の入口部17より出口部18まで連続的
に通過させてマイクロカプセルを製造し、管状部19に
続く排出部20よりマイクロカプセルを放出させる。な
お、図4では、貯蔵タンク1に「内包物」、貯蔵タンク
2に「乳化剤」を貯蔵する配列で説明したが、逆に貯蔵
タンク1に「乳化剤」、貯蔵タンク2に「内包物」を貯
蔵する配列としても良い。
【0057】第5のマイクロカプセルの連続製造法にお
いて、その製造工程は、第1の工程で「内包物」及び
「乳化剤」を一定流速でそれぞれの管状部内に通過させ
て合流点で混合する。
【0058】第2の工程では、「壁材」を管状部内に一
定流速で通過させ、第1の工程の該混合液を管状部又は
螺旋管状部に通過させて合流点で混合する。
【0059】第3の工程では、第2の工程による該混合
液を管状部又は螺旋管状部に通過させて多孔質ガラスパ
イプ内に導入する。
【0060】第4の工程では、多孔質ガラスパイプ内に
圧力を加える。該混合液は、加圧により、予め選定され
た細孔径を持つ多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部を透過
し、選定された細孔径に対応する粒径の乳化粒子を乳化
槽内に形成する(乳化槽には、予め水又は「乳化剤」等
を充填させておく。)。ここで、乳化粒子は、「乳化
剤」により保護コロイド化され、被膜形成の前段として
乳化粒子が「壁材」で覆われる。
【0061】第5の工程では、「壁材」で予備的に覆わ
れた乳化粒子の乳化液を管状部を経て管状反応器内に導
入する。
【0062】第6の工程では、管状反応器内に導入され
た該混合液を、特定温度に設定された反応器内入口部か
ら出口部まで通過させることにより、マイクロカプセル
化を行う。出口部を通過した段階では、「内包物」を被
覆するマイクロカプセルが形成される。以上のように、
6段階の工程を連続的に進行させることによってマイク
ロカプセルを製造するものである。
【0063】第5のマイクロカプセルの連続製造法につ
いて、その工程を図6で説明する。貯蔵タンク1に貯蔵
した「内包物」及び貯蔵タンク2に貯蔵した「乳化剤」
をそれぞれ対応する供給ポンプ4及び5を用い、一定流
速で管状部47及び48に通過、合流点49で混合す
る。該混合液を管状部又は螺旋管状部50に通過、一
方、貯蔵タンク3に貯蔵した「壁材」を供給ポンプ6を
用い、一定流速で管状部51に通過し、該混合液と「壁
材」とを合流点52で混合する。ここで、混合された混
合液を管状部又は螺旋管状部53に通過、多孔質ガラス
パイプ10内に導入する。微細孔を有する多孔質ガラス
パイプ10に該混合物を加圧下透過させて乳化槽9内に
乳化粒子を形成させる(乳化槽には、予め水又は「乳化
剤」等を充填させておく。)。乳化液を管状部54に導
入し、管状部54より管状反応器16へ導き、一定温度
に維持した管状反応器16の入口部17より出口部18
まで連続的に通過させてマイクロカプセルを製造し、管
状部19に続く排出部20よりマイクロカプセルを放出
させる。
【0064】第6のマイクロカプセルの連続製造法にお
いて、その製造工程は、第1の工程で「乳化剤」及び
「壁材」を一定流速でそれぞれの管状部内に通過させて
合流点で混合する。
【0065】第2の工程では、「内包物」を管状部内に
一定流速で通過させ、第1の工程の混合液を管状部又は
螺旋管状部に通過させて合流点で混合する。
【0066】第3の工程では、第2の工程による該混合
液を管状部又は螺旋管状部に通過させて多孔質ガラスパ
イプ内に導入する。
【0067】第4の工程では、多孔質ガラスパイプ内に
圧力を加える。該混合液は、加圧により、予め選定され
た細孔径を持つ多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部を透過
し、選定された細孔径に対応する粒径の乳化粒子を乳化
槽内に形成する(乳化槽には、予め水又は「乳化剤」等
を充填させておく。)。ここで、乳化粒子は、「乳化
剤」により保護コロイド化され、被膜形成の前段として
乳化粒子が「壁材」で覆われる。
【0068】第5の工程では、「壁材」で予備的に覆わ
れた乳化粒子の該乳化液を管状部を経て管状反応器内に
導入する。
【0069】第6の工程では、管状反応器内に導入され
た該混合液を、特定温度に設定された反応器内入口部か
ら出口部まで通過させることにより、マイクロカプセル
化を行う。出口部を通過した段階では、「内包物」を被
覆するマイクロカプセルが形成される。以上のように、
6段階の工程を連続的に進行させることによってマイク
ロカプセルを製造するものである。
【0070】第6のマイクロカプセルの連続製造法につ
いて、その工程を図6で説明する。図6は、上記による
第5のマイクロカプセルの連続製造法と同一であるが、
材料を貯蔵する貯蔵タンクの配列が異なる。貯蔵タンク
1に貯蔵した「乳化剤」及び貯蔵タンク2に貯蔵した
「壁材」をそれぞれ対応する供給ポンプ4及び5を用
い、一定流速で管状部47及び48に通過、合流点49
で混合する。該混合液を管状部又は螺旋管状部50に通
過、一方、貯蔵タンク3に貯蔵した「内包物」を供給ポ
ンプ6を用い、一定流速で管状部51に通過し、該混合
液と「内包物」とを合流点52で混合する。ここで、混
合された混合液を管状部又は螺旋管状部53に通過、多
孔質ガラスパイプ10内に導入する。微細孔を有する多
孔質ガラスパイプ10に該混合物を加圧下透過させて乳
化槽9内に乳化粒子を形成させる(乳化槽には、予め水
又は「乳化剤」等を充填させておく。)。乳化液を管状
部54に導入し、管状部54より管状反応器16へ導
き、一定温度に維持した管状反応器16の入口部17よ
り出口部18まで連続的に通過させてマイクロカプセル
を製造し、管状部19に続く排出部20よりマイクロカ
プセルを放出させる。
【0071】本発明において、図2は、多孔質ガラスパ
イプを付設した乳化槽の部分を説明したものであるが、
乳化槽23に多孔質ガラスパイプ24を2本付設した状
態を示している。図1、図3〜図6では、乳化槽内に1
本の多孔質ガラスパイプを付設した概略図として説明し
たが、これを2本、或はさらに多くの多孔質ガラスパイ
プを付設することで乳化を効果的に行うことができる。
本発明では、理解しやすくするために1本の多孔質ガラ
スパイプを付設した概略図を以て説明したものであり、
多孔質ガラスパイプの付設数を限定するものではない。
【0072】本発明で用いられるアニオン系水性分散液
としては、例えば、次のものが挙げられる。エチレン−
無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水
マレイン酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重
合体、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体、イソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体、イソブテン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ビニルアセテート−無水マレイン酸共重合体、メタクリ
ルアミド−無水マレイン酸共重合体などのアルカリ金属
塩又はアンモニウム塩からなるものの少なくとも1種以
上を用いることができる。
【0073】本発明で用いられる非水性の固体粒子の水
分散液又は非水性液体からなるマイクロカプセル内包物
としては、例えば、染顔料、有機溶剤、医薬品、食品、
触媒、接着剤、化粧品、香料、記録材料、磁性材料、液
晶、農薬、肥料、種子等が挙げられる。特に、感圧複写
紙用マイクロカプセルの内包物として、電子供与性の無
色又は淡色からなる染料前駆体を不揮発性溶剤に溶解し
た溶液が好適である。
【0074】
【作用】本発明のマイクロカプセルの連続製造法は、非
水性固体粒子の水分散液又は非水性液体からなるマイク
ロカプセル内包物、アニオン系水性分散液、水溶性マイ
クロカプセル壁材水溶液からなる3種の材料を貯蔵する
貯蔵タンクより、少なくとも該マイクロカプセル内包物
を含む1種以上の材料を多孔質ガラスパイプ内に導入、
多孔質ガラスパイプ内を加圧、多孔質ガラスパイプの薄
膜よりマイクロカプセル内包物を透過させ、乳化槽内に
乳化粒子を形成、乳化液とし、乳化液を管状部内を通過
させ、所定の温度を維持した管状反応器に導入してマイ
クロカプセル化を連続的、且つ短時間に行うことができ
る。ここで、該マイクロカプセル内包物は、多孔質ガラ
スパイプの薄膜細孔部を透過することで多孔質ガラスパ
イプの有する細孔径によって均一、且つ安定な乳化粒子
を形成することができるため、均一なマイクロカプセル
を得ることができる。
【0075】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 本実施例では、第1のマイクロカプセルの連続製造法に
従うものである。3種類の貯蔵タンクには、次のような
調整液を各々貯蔵しておく。貯蔵タンク1には、ハイゾ
ールSAS N−296(日石化学石油社製、ジアリー
ルエタン系溶剤)に電子供与性染料前駆体として3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオ
ランを溶解した6wt%染料溶液からなるマイクロカプ
セル内包物を60℃に維持した状態で貯蔵した。貯蔵タ
ンク2には、水酸化ナトリウムでpH4に調整した5w
t%スチレン−無水マレイン酸共重合体のNa塩からな
る水溶液を30℃に維持した状態で貯蔵した。貯蔵タン
ク3には、水酸化ナトリウムでpH9に調整した40w
t%メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物からなる水
溶液を30℃に維持した状態で貯蔵した。各々の貯蔵タ
ンクには、管状部7、8、13への供給ポンプ4、5、
6が付設されており、各々のポンプにより一定流量を供
給するようにしてある。
【0076】貯蔵タンク1の6wt%染料溶液を供給ポ
ンプ4により管状部7に8g/秒を通過させ、細孔径1
μmを有する多孔質ガラスパイプ10内に導入させた。
一方、貯蔵タンク2の5wt%スチレン−無水マレイン
酸共重合体のNa塩からなる水溶液を供給ポンプ5によ
り管状部8に通過させ、乳化槽9内に導入させた。該共
重合体水溶液の流速は、10g/秒とした。
【0077】続いて、6wt%染料溶液が導入された細
孔径1μmを有する多孔質ガラスパイプ10を1Kg/
cm2の圧力で加圧し、多孔質ガラスパイプの薄膜細孔
部より6wt%染料溶液を透過させ、5wt%スチレン
−無水マレイン酸共重合体のNa塩からなる水溶液で充
填された乳化槽9中に乳化粒子を形成させた。
【0078】均一な乳化粒子は、乳化液となって管状部
12に導いた。同時に、貯蔵タンク3の40wt%メラ
ミン−ホルムアルデヒド初期縮合物からなる水溶液を供
給ポンプ6により管状部13に2g/秒を通過させて合
流点14で合流、混合して、螺旋管状部15より管状反
応器16の入口部17に導入させた。管状反応器16は
マイクロカプセル化をその出口部18までで行えるよう
に70℃に維持した。入口部17から出口部18を通過
させ、マイクロカプセルの排出部20でマイクロカプセ
ルを連続的に取り出すことができた。製造したマイクロ
カプセルは、約4μmの均一な粒径を有するものであっ
た。
【0079】製造したマイクロカプセルが完全に被膜形
成されているかどうかを確認するために、次のような簡
易試験を行った。製造したマイクロカプセル分散液を使
用し、乾燥固形分が7g/m2となるようにサリチル酸
系顕色剤を塗工した下用紙(三菱製紙製)に塗工した。
作成した塗工紙についてその塗工面を観察したところ、
マイクロカプセルの破壊がなく、白い塗層状態を示して
おり、実施例1で作成したマイクロカプセルは、完全に
被膜形成がなされていることを確認できた。
【0080】実施例2 本実施例では、第2のマイクロカプセルの連続製造法に
従うものである。3種類の貯蔵タンクには、次のような
調整液を各々貯蔵しておく。貯蔵タンク1には、メント
ール油からなるマイクロカプセル内包物を貯蔵した。貯
蔵タンク2には、水酸化ナトリウムでpH4に調整した
5wt%スチレン−無水マレイン酸共重合体のNa塩か
らなる水溶液を30℃に維持した状態で貯蔵した。貯蔵
タンク3には、水酸化ナトリウムでpH9に調整した4
0wt%メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物からな
る水溶液を30℃に維持した状態で貯蔵した。各々の貯
蔵タンクには、管状部への供給ポンプが付設されてお
り、各々のポンプにより一定流量を供給するようにして
ある。
【0081】貯蔵タンク1のメントール油を供給ポンプ
4により管状部27に4g/秒で通過させ、細孔径4μ
mを有する多孔質ガラスパイプ10内に導入させた。
【0082】一方、貯蔵タンク2の5wt%スチレン−
無水マレイン酸共重合体のNa塩からなる水溶液を供給
ポンプ5により管状部28に5g/秒で通過させ、同時
に、貯蔵タンク3の40wt%メラミン−ホルムアルデ
ヒド初期縮合物からなる水溶液を供給ポンプ6により管
状部29に1.5g/秒で通過させた。これを合流点3
0で合流させ、混合した。
【0083】合流点30で混合させた混合液を螺旋管状
部31に導入させ、更に同管内で均一混合液とし、乳化
槽9内に導入した。
【0084】続いて、メントール油が導入された細孔径
4μmを有する多孔質ガラスパイプ10を0.8Kg/
cm2の圧力で加圧し、多孔質ガラスパイプの薄膜細孔
部よりメントール油を透過させ、5wt%スチレン−無
水マレイン酸共重合体のNa塩と40wt%メラミン−
ホルムアルデヒド初期縮合物からなる水溶液との均一混
合液で充填された乳化槽9中に乳化粒子を形成させた。
【0085】均一な乳化粒子を有する乳化液を管状部3
2により通過させ、管状反応器16の入口部17に導入
させた。管状反応器16は、マイクロカプセル化をその
出口部17までで行えるように70℃に維持した。入口
部17から出口部18を通過させ、マイクロカプセルの
排出部20でマイクロカプセルを連続的に取り出すこと
ができた。製造したマイクロカプセルは、約16μmの
均一な粒径を有するものであった。
【0086】製造したメントール油を内包するマイクロ
カプセルについて、完全に被膜形成されているかどうか
を確認するために、製造したマイクロカプセル分散液を
使用して次のような配合の25重量%の塗液を調整し
た。 46%マイクロカプセル分散液 100重量部 15%ポリビニルアルコール水溶液 60重量部 小麦デンプン(粒径20〜30μm) 25重量部 水 135重量部
【0087】上記で調整した塗液を、坪量60g/m2
の上質紙に塗工量が10g/m2となるようにメイヤー
バーを使用して塗工した。得られた塗工紙は、メントー
ル油の香りを識別することなく、完全にマイクロカプセ
ル化されていることが確認できた。この塗工紙の塗工面
を爪で引っかいたところ、メントール油の香りが瞬間に
放出され、マイクロカプセル内に内包されていることを
確認することができた。
【0088】実施例3 本実施例では、第3のマイクロカプセルの連続製造法に
従うものである。3種類の貯蔵タンクには、次のような
調整液を各々貯蔵しておく。貯蔵タンク1には、ハイゾ
ールSAS N−296(日石化学石油社製、ジアリー
ルエタン系溶剤)に電子供与性染料前駆体として3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオ
ランを溶解した6wt%染料溶液からなるマイクロカプ
セル内包物を60℃に維持した状態で貯蔵した。貯蔵タ
ンク2には、水酸化ナトリウムでpH4に調整した5w
t%スチレン−無水マレイン酸共重合体のNa塩からな
る水溶液を30℃に維持した状態で貯蔵した。貯蔵タン
ク3には、水酸化ナトリウムでpH9に調整した40w
t%メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物からなる水
溶液を30℃に維持した状態で貯蔵した。各々の貯蔵タ
ンクには、管状部33、34、38への供給ポンプ4、
5、6が付設されており、各々のポンプにより一定流量
を供給するようにしてある。
【0089】貯蔵タンク1の6wt%染料溶液を供給ポ
ンプ4により管状部33に8g/秒を通過させ、同時に
貯蔵タンク2の5wt%スチレン−無水マレイン酸共重
合体のNa塩からなる水溶液を供給ポンプ5により管状
部34に10g/秒を通過させ、合流点35で合流させ
て混合させた。合流点35より螺旋管状部36を通過さ
せ、この螺旋管状部36の管内でこれらの2成分を予備
分散させた。
【0090】続いて、予備分散液を細孔径1μmを有す
る多孔質ガラスパイプ10に導入させ、1Kg/cm2
の圧力で加圧し、多孔質ガラスパイプ内に導入された予
備分散液を多孔質ガラスパイプの薄膜細孔部より乳化槽
9内に透過させ、乳化粒子を形成させた。
【0091】均一な乳化粒子の乳化液を管状部37に導
いた。同時に、貯蔵タンク3の40wt%メラミン−ホ
ルムアルデヒド初期縮合物からなる水溶液を供給ポンプ
6により管状部38に2g/秒を通過させ、合流点39
で合流して混合し、螺旋管状部40を通過させて、管状
反応器16の入口部17に導入した。管状反応器16
は、マイクロカプセル化をその出口部18までで行える
ように70℃に維持した。入口部17から出口部18を
通過させ、マイクロカプセルの排出部20でマイクロカ
プセルを連続的に取り出すことができた。製造したマイ
クロカプセルは、約5μmの均一な粒径を有するもので
あった。
【0092】製造したマイクロカプセル分散液を使用
し、乾燥固形分が7g/m2となるようにサリチル酸系
顕色剤を塗工した下用紙(三菱製紙製)に塗工した。作
成した塗工紙は、マイクロカプセルの破壊がなく、白い
塗層状態を示し、完全に被膜形成がなされていることが
確認できた。
【0093】実施例4 本実施例では、第4のマイクロカプセルの連続製造法に
従うものである。3種類の貯蔵タンクには、次のような
調整液を各々貯蔵しておく。貯蔵タンク1には、花のヒ
ヤシンスの香りを有するフェニルアセトアルデヒドメチ
ルアセタールをマイクロカプセル内包物として貯蔵し
た。貯蔵タンク2には、水酸化ナトリウムでpH4に調
整した5wt%スチレン−無水マレイン酸共重合体のN
a塩からなる水溶液を30℃に維持した状態で貯蔵し
た。貯蔵タンク3には、水酸化ナトリウムでpH9に調
整した40wt%メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合
物からなる水溶液を30℃に維持した状態で貯蔵した。
各々の貯蔵タンクには、管状部への供給ポンプが付設さ
れており、各々のポンプにより一定流量を供給するよう
にしてある。
【0094】貯蔵タンク1のマイクロカプセル内包物を
供給ポンプ4により管状部41に2g/秒で通過させ、
同時に貯蔵タンク2の5wt%スチレン−無水マレイン
酸共重合体のNa塩からなる水溶液を供給ポンプ5によ
り管状部42に2.5g/秒で通過させ、合流点43で
合流させて混合した。合流点43より螺旋管状部44を
通過させ、この螺旋管状部44の管内でこれらの2成分
を予備分散させた。
【0095】一方、貯蔵タンク3の40%メラミン−ホ
ルムアルデヒド初期縮合物からなる水溶液を供給ポンプ
6により管状部45に0.75g/秒を通過させ、乳化
槽9内に導入した。
【0096】続いて、予備分散液を細孔径2μmを有す
る多孔質ガラスパイプ10内に導入させ、多孔質ガラス
パイプ内に導入された分散液を1kg/cm2の圧力で
加圧し、多孔質ガラスパイプ外に透過させて、乳化槽9
内に乳化粒子からなる乳化液を作成した。
【0097】均一な乳化粒子を有する乳化液を管状部4
6により通過させ、管状反応器16の入口部17に導入
させた。管状反応器16は、マイクロカプセル化をその
出口部18までで行えるように70℃に維持した。入口
部17から出口部18を通過させ、マイクロカプセルの
排出部20でマイクロカプセルを連続的に取り出すこと
ができた。製造したマイクロカプセルは、約10μmの
均一な粒径を有するものであった。
【0098】製造したヒヤシンスの香り物質を内包する
マイクロカプセルについて、完全に被膜形成されている
かどうか確認するために、製造したマイクロカプセル分
散液を使用して次のような配合の25wt%の塗液を調
製した。 46%マイクロカプセル分散液 100重量部 15%ポリビニルアルコール水溶液 60重量部 小麦デンプン(粒径20〜30μm) 25重量部 水 135重量部
【0099】上記で調整した塗液を、坪量60g/m2
の上質紙に塗工量が10g/m2となるようにメイヤー
バーを使用して塗工した。得られた塗工紙は、ヒヤシン
スの香りを識別することなく、完全にマイクロカプセル
化されていることが確認できた。この塗工紙の塗工面を
爪で引っかいたところ、ヒヤシンスの香りが瞬間に放出
され、マイクロカプセル内に内包されていることを確認
することができた。
【0100】実施例5 本実施例では、第5のマイクロカプセルの連続製造法に
従うものである。3種類の貯蔵タンクには、次のような
調整液を各々貯蔵しておく。貯蔵タンク1には、ハイゾ
ールSAS N−296(日石化学石油社製、ジアリー
ルエタン系溶剤)に電子供与性染料前駆体として3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオ
ランを溶解した6wt%染料溶液からなるマイクロカプ
セル内包物を60℃に維持した状態で貯蔵した。貯蔵タ
ンク2には、水酸化ナトリウムでpH4に調整した5w
t%スチレン−無水マレイン酸共重合体のNa塩からな
る水溶液を30℃に維持した状態で貯蔵した。貯蔵タン
ク3には、水酸化ナトリウムでpH9に調整した40w
t%メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物からなる水
溶液を30℃に維持した状態で貯蔵した。各々の貯蔵タ
ンクには、管状部への供給ポンプが付設されており、各
々のポンプにより一定流量を供給するようにしてある。
【0101】貯蔵タンク1の6wt%染料溶液を供給タ
ンク4により管状部47に8g/秒を通過させ、同時に
貯蔵タンク2の5wt%スチレン−無水マレイン酸共重
合体のNa塩からなる水溶液を供給ポンプ5により管状
部48に10g/秒を通過させ、合流点49で合流させ
た。一方、貯蔵タンク3の40wt%メラミン−ホルム
アルデヒド初期縮合物からなる水溶液を供給ポンプ6に
より管状部51に2g/秒を通過させた。又、合流点4
9より螺旋管状部50に通過させ、6wt%染料溶液と
5wt%スチレン−無水マレイン酸共重合体のNa塩と
を予備混合させた。螺旋管状部50で混合した混合液と
40wt%メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物から
なる水溶液とを合流点52で混合させた。合流点52よ
り螺旋管状部53に通過させ、この螺旋管状部53の管
内でこれらの3成分を予備分散させた。
【0102】続いて、予備分散液を細孔径2μmを有す
る多孔質ガラスパイプ10内に導入させ、多孔質ガラス
パイプ内に導入された予備分散液を圧力1Kg/cm2
の加圧下、多孔質ガラスパイプ外に透過させ、乳化槽内
に乳化粒子からなる乳化液を作成させた。このとき、初
期段階として乳化槽内には40wt%メラミン−ホルム
アルデヒド初期縮合物からなる水溶液を充填させておき
多孔質ガラスパイプからの乳化を容易にした。
【0103】均一な乳化粒子を有する乳化液を管状部5
4により通過させ、管状反応器16の入口部17に導入
させた。管状反応器16は、マイクロカプセル化をその
出口部17までで行えるように70℃に維持した。入口
部17から出口部18を通過させ、マイクロカプセルの
排出部20でマイクロカプセルを連続的に取り出すこと
ができた。製造したマイクロカプセルは、約8μmの均
一な粒径を有するものであった。
【0104】実施例1と同様の簡易試験を行い、マイク
ロカプセルの被膜形成状態を確認した。製造したマイク
ロカプセル分散液を使用し、乾燥固形分が7g/m2
なるようにサリチル酸系顕色剤を塗工した下用紙(三菱
製紙製)に塗工した。作成した塗工紙は、マイクロカプ
セルの破壊がなく、白い塗層状態を示し、完全に被膜形
成がなされていることが確認できた。
【0105】実施例6 本実施例では、第6のマイクロカプセルの連続製造法に
従うものである。3種類の貯蔵タンクには、次のような
調整液を各々貯蔵しておく。貯蔵タンク1には、水酸化
ナトリウムでpH4に調整した5wt%スチレン−無水
マレイン酸共重合体のNa塩からなる水溶液を30℃に
維持した状態で貯蔵した。貯蔵タンク2には、水酸化ナ
トリウムでpH9に調整した40wt%メラミン−ホル
ムアルデヒド初期縮合物からなる水溶液を30℃に維持
した状態で貯蔵した。貯蔵タンク3には、ハイゾールS
AS N−296(日石化学石油社製、ジアリールエタ
ン系溶剤)に電子供与性染料前駆体として3−ジエチル
アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオランを
溶解した6wt%染料溶液からなるマイクロカプセル内
包物を60℃に維持した状態で貯蔵した。各々の貯蔵タ
ンクには、管状部への供給用ポンプが付設されており、
各々のポンプにより一定流量を供給するようにしてあ
る。
【0106】貯蔵タンク1の5wt%スチレン−無水マ
レイン酸共重合体のNa塩からなる水溶液を供給ポンプ
4により管状部47に10g/秒を通過させ、同時に貯
蔵タンク2の40wt%メラミン−ホルムアルデヒド初
期縮合物からなる水溶液を供給ポンプ5により管状部4
8に2g/秒を通過させ合流点49で合流させた。貯蔵
タンク3の6wt%染料溶液を供給タンク6により管状
部51に8g/秒を通過させ、合流点49より螺旋管状
部50に通過して混合した混合液とを合流点52で混合
させた。合流点52より螺旋管状部53を通過させ、こ
の螺旋管状部53の管内でこれらの3成分を予備分散さ
せた。
【0107】続いて、予備分散液を細孔系1μmを有す
る多孔質ガラスパイプ10内に導入し、多孔質ガラスパ
イプ内に導入された予備分散液を圧力1.5Kg/cm
2で加圧して多孔質ガラスパイプ外に透過させ、乳化粒
子を形成させた。
【0108】均一な乳化粒子は、乳化液となって管状部
54を通過させ、管状反応器16の入口部17に導入し
た。管状反応器16は、マイクロカプセル化をその出口
部18までで行えるように70℃に維持した。入口部1
7から出口部18を通過させ、管状部19を経てマイク
ロカプセルの排出部20でマイクロカプセルを連続的に
取り出すことができた。製造したマイクロカプセルは、
約4μmの均一な粒径を有するものであった。
【0109】製造したマイクロカプセル分散液を使用
し、乾燥固形分が7g/m2となるようにサリチル酸系
顕色剤を塗工した下用紙(三菱製紙製)に塗工した。作
成した塗工紙は、マイクロカプセルの破壊がなく、白い
塗層状態を示し、完全に被膜形成がなされていることが
確認できた。
【0110】
【発明の効果】本発明は、均一な粒径を有するマイクロ
カプセルを連続的に製造することのできるマイクロカプ
セルの連続製造法である。マイクロカプセルの連続製造
法は、マイクロカプセル内包物、アニオン系水性分散
液、水溶性マイクロカプセル壁材水溶液からなる3成分
を使用して、該3成分を貯蔵する貯蔵タンク、多孔質ガ
ラスパイプ、乳化槽、並びに管状反応器を管状部(又
は、螺旋管状部)で接続することにより、種々組合せる
ことができる。本発明のマイクロカプセルの連続製造法
は、一連の工程を経て均一なマイクロカプセルを製造す
ることができることから工業的価値の極めて高いもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【図2】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【図3】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【図4】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【図5】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【図6】本発明の一実施例を示すマイクロカプセルの連
続製造法の概略図である。
【符号の説明】
1 貯蔵タンク 2 貯蔵タンク 3 貯蔵タンク 4 貯蔵タンク1の供給ポンプ 5 貯蔵タンク2の供給ポンプ 6 貯蔵タンク3の供給ポンプ 7、8、12、13、19、21、22、26、27、
28、29、32、33、34、37、38、41、4
2、45、46、47、48、51、54 管状部1
5、31、36、40、44、50、53 管状部又は
螺旋管状部 9、23 乳化槽 10、24 多孔質ガラスパイプ 11、25 乳化液 14、30、35、39、43、49、52 合流点 16 管状反応器 17 管状反応器の入口部 18 管状反応器の出口部 20 マイクロカプセルの排出部

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水性の固体粒子又は非水性液体を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、非水性固
    体粒子の水分散液又は非水性液体からなるマイクロカプ
    セル内包物、アニオン系水性分散液、水溶性マイクロカ
    プセル壁材水溶液からなる3成分をそれぞれ貯蔵する貯
    蔵タンクより、該マイクロカプセル内包物と、該アニオ
    ン系水性分散液及び該水溶性マイクロカプセル壁材水溶
    液の少なくとも1種以上を管状部又は螺旋管状部に通過
    させて微細孔を有する多孔質ガラスパイプに導入、一
    方、該3成分中の該マイクロカプセル内包物を除く該2
    成分の1種以上を乳化槽又は管状反応器との間に接続す
    る管状部又は螺旋管状部に導入、加圧下該多孔質ガラス
    パイプの薄膜より透過させて該乳化槽内に乳化粒子を形
    成させ、形成された乳化液を管状部又は螺旋管状部内に
    通過させて管状反応器内に導入し、一定温度に維持した
    管状反応器内に連続的に通過させてマイクロカプセルを
    製造することを特徴とするマイクロカプセルの連続製造
    法。
  2. 【請求項2】 水溶性マイクロカプセル壁材が、メラミ
    ン−ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物、尿素−ホルムア
    ルデヒド樹脂初期縮合物、メチロールメラミン−ホルム
    アルデヒド樹脂初期縮合物からなる群から選ばれた1種
    であることを特徴とする請求項1記載のマイクロカプセ
    ルの連続製造法。
  3. 【請求項3】 一定温度に維持した管状反応器におい
    て、該温度が50〜90℃であることを特徴とする請求
    項1又は2記載のマイクロカプセルの連続製造法。
  4. 【請求項4】 多孔質ガラスパイプが、0.2〜100
    μmの細孔径を有することを特徴とする請求項1、2又
    は3記載のマイクロカプセルの連続製造法。
  5. 【請求項5】 非水性の固体粒子又は非水性液体を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、アニオン
    系水性分散液を管状部内に一定流速で通過させて乳化槽
    内に導入、一方、非水性固体粒子の水分散液又は非水性
    液体からなるマイクロカプセル内包物を管状部内に一定
    流速で通過させて、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ
    内に導入し、加圧下該多孔質ガラスパイプの薄膜より透
    過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、形成された
    乳化液を管状部内に通過させ、同時に水溶性マイクロカ
    プセル壁材水溶液を管状部内に通過させて該乳化液と該
    水溶性マイクロカプセル壁材水溶液とを合流点で混合し
    て混合状態を形成せしめこれを管状部又は螺旋管状部内
    に通過させて管状反応器内に導入し、一定温度に維持し
    た管状反応器内に連続的に通過させてマイクロカプセル
    を製造することを特徴とするマイクロカプセルの連続製
    造法。
  6. 【請求項6】 非水性の固体粒子又は非水性液体を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、アニオン
    系水性分散液及び水溶性マイクロカプセル壁材水溶液
    を、一定流速でそれぞれの管状部内に通過させ、合流点
    で混合して2成分の混合状態を形成せしめ、これを管状
    部又は螺旋管状部に通過させて乳化槽内に導入、一方、
    非水性固体粒子の水分散液又は非水性液体からなるマイ
    クロカプセル内包物を管状部内に一定流速で通過させ
    て、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内に導入し、加
    圧下該多孔質ガラスパイプの薄膜より透過させて該乳化
    槽内に乳化粒子を形成させ、形成された乳化液を管状部
    内に通過させて管状反応器内に導入し、一定温度に維持
    した管状反応器内に連続的に通過させてマイクロカプセ
    ルを製造することを特徴とするマイクロカプセルの連続
    製造法。
  7. 【請求項7】 非水性の固体粒子又は非水性液体を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、アニオン
    系水性分散液及び非水性の固体粒子の水分散液又は非水
    性液体からなるマイクロカプセル内包物を、一定流速で
    それぞれの管状部内に通過させ、合流点で混合して該2
    成分の混合状態を形成せしめ、該合流点に接続する管状
    部又は螺旋管状部内に一定流速で連続的に通過させて予
    備的分散を生じせしめた後、微細孔を有する多孔質ガラ
    スパイプ内に導入し、該混合物を加圧下多孔質ガラスパ
    イプの薄膜より透過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成
    させ、形成された乳化液と水溶性マイクロカプセル壁材
    水溶液とをそれぞれの管状部内に導き、合流点で混合し
    て混合状態を形成せしめて後、管状部又は螺旋管状部内
    に通過させて管状反応器内に導入、一定温度に維持した
    管状反応器内に連続的に通過させてマイクロカプセルを
    製造することを特徴とするマイクロカプセルの連続製造
    法。
  8. 【請求項8】 非水性の固体粒子又は非水性液体を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、水溶性マ
    イクロカプセル壁材水溶液を管状部内に一定流速で通過
    させて乳化槽内に導入、一方、アニオン系水性分散液及
    び非水性の固体粒子の水分散液又は非水性液体からなる
    マイクロカプセル内包物を、一定流速でそれぞれの管状
    部内に通過させ、合流点で混合して該2成分の混合状態
    を形成せしめ、該合流点に接続する管状部又は螺旋管状
    部内に一定流速で連続的に通過させて予備的分散を生じ
    せしめた後、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内に導
    入し、加圧下該多孔質ガラスパイプの薄膜を透過させて
    該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、形成された乳化液を
    管状部内に通過させて管状反応器内に導入し、一定温度
    に維持した管状反応器内に連続的に通過させてマイクロ
    カプセルを製造することを特徴とするマイクロカプセル
    の連続製造法。
  9. 【請求項9】 非水性の固体粒子又は非水性液体を内包
    するマイクロカプセルの連続製造法において、非水性の
    固体粒子の水分散液又は非水性液体からなるマイクロカ
    プセル内包物及びアニオン系水性分散液を、一定流速で
    それぞれの管状部内に通過させ、合流点で混合して2成
    分の混合状態を形成せしめ、これを管状部又は螺旋管状
    部内に通過させて予備的分散を生じせしめ、続いて水溶
    性マイクロカプセル壁材水溶液を管状部内に導き、合流
    点で該2成分の混合液と混合せしめ、該合流点に接続す
    る管状部又は螺旋管状部内に一定流速で連続的に通過さ
    せて予備的分散を生じせしめた後、微細孔を有する多孔
    質ガラスパイプ内に導入し、該混合物を加圧下多孔質ガ
    ラスパイプの薄膜より透過させて該乳化槽内に乳化粒子
    を形成させ、これを管状部内に通過させて管状反応器内
    に導入し、一定温度に維持した管状反応器内に連続的に
    通過させてマイクロカプセルを製造することを特徴とす
    るマイクロカプセルの連続製造法。
  10. 【請求項10】 非水性の固体粒子又は非水性液体を内
    包するマイクロカプセルの連続製造法において、アニオ
    ン系水性分散液及び水溶性マイクロカプセル壁材水溶液
    を、一定流速でそれぞれの管状部内に通過させ、合流点
    で混合して2成分の混合状態を形成せしめ、これを管状
    部又は螺旋管状部内に通過させ、続いて非水性の固体粒
    子の水分散液又は非水性液体からなるマイクロカプセル
    内包物を管状部内に導き、合流点で該2成分の混合液と
    混合せしめ、該合流点に接続する管状部又は螺旋管状部
    内に一定流速で連続的に通過させて予備的分散を生じせ
    しめた後、微細孔を有する多孔質ガラスパイプ内に導入
    し、該混合物を加圧下多孔質ガラスパイプの薄膜より透
    過させて該乳化槽内に乳化粒子を形成させ、これを管状
    部内に通過させて管状反応器内に導入し、一定温度に維
    持した管状反応器内に連続的に通過させてマイクロカプ
    セルを製造することを特徴とするマイクロカプセルの連
    続製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101907148B1 (ko) * 2016-01-14 2018-10-12 웬-산 초우 공기압축기의 개선된 실린더 공기 배출 구조

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