JPH0631131B2 - 自動ワインダ−への管糸供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 紡績工程の巻糸工程で使用されるマガジン装置付き自動
ワインダーにおいて、該マガジン装置へ管糸を自動的に
供給する装置であって、特にマガジン装置のロータリマ
ガジンが回動作動中管糸の供給を待機させるか或はこの
マガジン装置は通過させるようにして管糸供給トラブル
をなくしたものである。

［従来の技術］ リング精紡機で巻かれた管糸をチーズやコーンに巻き返
すために利用されるワインダーには、個々の糸巻返し部
に対応して複数の予備管糸をロータリマガジンに保留し
ておいて、巻取中の管糸がなくなるとこのマガジンを１
ピッチ回動させて保留管糸の１個を糸巻返し部へ自動的
に供給する自動ワインダーが使用されることはよく知ら
れている。一方このような自動ワインダーのマガジン装
置に保留管糸を自動的に供給する装置も提案されており
且つ実用にも供されている。またマガジン装置に供給す
る管糸としては、その糸端を簡単に引き出し得るように
あらかじめ糸端を探索してこれをボビンの天穴に導入保
持した管糸を利用することもよく知られている。

本出願人は先にこのような装置として、天穴に糸端を導
入保持した管糸を立てたままトレイを利用して個々に搬
送すると共にこの搬送レールを上下２段型の閉ループ状
に構成してこれを自動ワインダーのマガジン装置列に沿
って設け、上段側を管糸搭載トレイ搬送用として利用し
下段側を空トレイ返還用とすると共に搬送レールに管糸
抜き取り供給装置を走行させ、この抜き取り供給装置が
マガジン装置内における保留管糸の存在を検知して管糸
補給を必要とするマガジン装置へ搬送する管糸をトレイ
から引き抜いて供給し、空トレイは下段側の搬送レール
を利用して再び管糸搭載部へ返還されるものを提案して
いる（特開昭６１−１８８３７１号公報）。即ち第８図
乃至第１４図はその実施の一例を示したもので第８図
（平面略図）及び第９図（第１図の下側正面略図）に示
すごとく、ワインダー２ａに設けられたコップマガジン
装置２の列に沿って搬送レールが設けられ、該レールは
第９図のごとく上段側レール４と下段側レール５とで構
成され、それぞれが管糸糸端処理搭載装置２ｂに連結し
ており、図面で左側端には上段側の空トレイを下段側レ
ール５へ案内するシュート（図示せず）が設けられてい
る。１はこれらのレール４，５に沿って移動する管糸抜
き取り供給装置を示している。そしてこの抜き取り供給
装置１は第１０図（第８図の一部拡大図）及び第１１図
（第９図の一部拡大図に示すように上段側レール４に形
成した案内部４ａに沿って積極的に移動し、その電源は
下段側レール５に設けられたバスダクト５ａから供給さ
れる。一方マガジン装置２としては固定ケース内にチュ
ーブクリール３が設けられたものを示しており、このチ
ューブクリレール３は６分割されて常時５個の予備管糸
を保留できるものを示している。

他方抜き取り供給装置１は第１２図（第１１図の左側面
図）に示すように上段側レール４を覆うように構成され
て搬送される管糸６の搭載トレイを保留支持すると共に
引き抜き装置７が作動してマガジン装置２内へ管糸６を
供給するものである。第１３図（第１２図の拡大側面
図）及び第１４図（第１３図の左側正面図でマガジン装
置２を省略して示す）はこの抜き取り供給装置を示した
もので、抜き取り供給装置１は走行駆動装置８を設けて
左右に走行し、この駆動装置８は駆動部８ｃ，８ｃに設
けられたプーリ８ｂ，８ｂに掛け渡されたベルト８ａを
前記案内部４ａに当接して走行し、駆動部８ｃはいずれ
か一方が積極的に駆動する。他方管糸引き抜き装置７は
２連で構成したもので示しており、それぞれが別の駆動
モータ１ｄ，１ｄによって四角状に回動移動するように
なっており、それぞれの下部はフォーク状になってトレ
イの管糸挿設ピンの外周に入るようになっている。従っ
て引き抜き装置７が前進することによって管糸搭載トレ
イを係留し、次で上昇することによって管糸６をトレイ
から抜くと共に引き抜き装置７に併設された跳り出し板
が作動して引き抜き管糸を傾倒させ、ガイド９を介して
マガジン装置２へ投入供給する。そしてこれらの作動は
ガイド９の下部に設けた検知装置１１がマガジン装置２
の管糸補給部における管糸の存在を検知して作動し、管
糸補給部の２個がいずれも空のときは２個の係留管糸を
同時に、１個が空のときは搬送先端側の係留管糸を供給
するようになっている。尚１ａは駆動部のカバー，１ｂ
は操作部，１ｃはフレームを示し、１０はそれぞれ搬送
レールに沿う滑車である。

ところでこのような管糸引き抜き供給装置１では、マガ
ジン装置２のチューブクリール３が回動するときに管糸
を投入供給するとガイド９とチューブクリール３の間に
管糸詰まりを起こす事故が発生する場合があり、チュー
ブクリール３が回動中或は回動直前を検知して、管糸の
投入供給を一時的に中断してチューブクリールの停止を
待つか、或は通過させて次のマガジン装置へ進めるよう
な検知装置を設けているが、この実施例のマガジン装置
２ではチューブクリール３が６個の管糸保留穴を大型に
形成して大径に形成されているので前記したような管糸
詰まり事故が比較的少ない。従ってチューブクリールの
回動を検知して管糸の投入供給を待ったり或は通過させ
るような検知装置の重要性は小さい。

他方自動ワインダーには、これらのマガジン装置を小径
として構成し、しかもチューブクリールは比較的に長い
管糸保留筒を５個接合して構成されるものがあり、この
ような自動ワインダーへ前記したような管糸供給手段並
びに管糸引き抜き供給装置を適用しようとすると、この
マガジン装置ではチューブクリールの１ピッチ回動が７
２度ずつであり、しかも回動速度が速いので管糸の投入
供給に当たって管糸投入供給詰まりや投入ミス事故が多
く発生する。即ち第２図（一部側面図）はこのようなマ
ガジン装置１２の一例を示したもので、第３図（第２図
の矢印Ａ方向平面略図）に示すように個々の糸巻取部に
対応してマガジン装置１２が設けられ、このマガジン装
置は管糸保留筒１３を５ケ接合して形成され、支持装置
１４に支持された回動軸に固定されている。そして保留
筒１３に保持された管糸は１３ａで示す位置において受
け支え部が欠除しているので開閉案内筒１６に投下さ
れ、開閉受皿１８によって係留される。ついで空ボビン
を排出させたペッグ１７が受皿１８側に傾動してから受
皿１８が開いて係留した管糸をペッグ１７に挿設し、ペ
ッグ１７が再び実線の位置に傾動して巻取部へ糸を戻す
ように構成されている。そしてこのマガジン装置１２の
１ピッチ回動は、糸巻取部への導糸がなくなるとクレー
ドルが傾動して巻糸と駆動ドラムとの接触を断ち、巻糸
の糸端を吸引探索して糸結びを行なうので、クレードル
の傾動によってマガジン装置１２を１ピッチずつ回動さ
せている。そしてマガジン装置１２の回動はクレードル
レバー１９に連結したサプライドロッド２０を介して前
記ペッグ１７の傾動と該サプライドロッド２０に係合し
て作動するマガジン回動操作レバー２１によって行なう
ように構成されており、サプライドロッド２０の作動位
置及び操作レバー２１の傾動位置によってマガジン装置
１２の回動中及び回動開始直前の状態を知ることができ
る。

［発明が解決しようとする問題点］ そこで本発明は前記したような管糸抜き取り供給装置を
前記した比較的小径でしかも間欠回転角度の大きいマガ
ジン装置に適用するに当たって、管糸詰まり事故を未然
に防止しようとするものであり、特に管糸供給装置に設
けた管糸投入作動を一時的に中断して待機させるか、或
は管糸投入作動を取り止めて通過させるための検知装置
を、回動させる作動部材或はこれに関連する部材に設け
た感知部材に対応させて、マガジン装置が回動するとき
は管糸の投入供給を行なわないようにしたものである。

［問題点を解決するための手段］ 即ち本発明は前記した管糸供給装置又はワインダーのマ
ガジン装置列に沿って平行に移動する管糸供給装置にお
いて、該管糸供給装置の一部に、マガジン装置の回動開
始時或は回動中を検知する検知装置を設けると共にマガ
ジン装置側には、マガジン回動開始作動サプライドロッ
ド或はこれに連係して作動させる部材に感知部を設け、
該感知部と前記検知装置とを対応させて、マガジン装置
の回動作動時一時的に管糸供給を中断して待機させるか
若しくは該マガジン装置は通過させるように構成したも
のである。

［作用及び実施例］ 以下図面に基づいて本発明を詳細に説明するが図は本発
明の具体的な実施例を示したもので、本発明は図示例に
限定されず、前・後記の趣旨に沿って構成の一部を変更
しても同様に実施することができる。第１図（側断面
図）は第２図に例示したマガジン装置１２を設けた自動
ワインダーに、第８図乃至第１４図で示したような管糸
供給装置１を適用したものを示しており、搬送レールを
設けるに当たっては、マガジン装置１２を支持するブラ
ケット１５の前側にそれぞれステースタンド１５ａを取
り付け、該ステースタンド１５ａにそれぞれ上段側レー
ル４及び下段側レール５をブラケットを介して取り付け
る。そしてマガジンの管糸保留筒１３の管糸存在検知部
材１１としては１個のみを示したが、第１４図で示した
ように２個が設けられている。尚このようなマガジン装
置１２では第３図で示したように５個の管糸保留筒１３
が配置されるので、検知部材１１としては第３図の右側
に示す管糸保留筒１３ｂと１３ｃの管糸存在を検知する
ように対設される。また管糸引き抜き供給装置も２連式
で構成したものを利用するが、ガイド９はそれぞれ管糸
保留筒１３ｂと１３ｃに管糸を投入供給するように指向
させて設けられており、保留筒１３ｂ，１３ｃが共に空
の場合は同時に２本の管糸を、１３ｂのみが空の場合は
１３ｂのみに管糸を投入供給する。尚これらの作動に当
たっては、各マガジン装置１２に対応して非接触型の定
位置検知部材が例えば下段側レール５の一部に設けられ
ており、管糸供給装置１がこの定位置検知部材に到達し
て管糸の存在を検出するようになっており、管糸の投入
を必要とするときのみその部で停止して引き抜き供給を
行なう。またこの定位置検知部材と対応して作動する管
糸供給装置１側の検出部材としては複数例えば３個で構
成し、中央側の検出部材は２個の管糸を、左右の検出部
材はそれぞれ走行方向側の管糸保留筒１３ｂの不存在を
検知して停止供給を行なう。

一方本発明を適用する前記マガジン装置１２では前記し
たサプライドロッド２０が第１図の矢印Ｂ方向に下降す
ることによって操作レバー２１が反時計方向に傾動して
管糸保留筒１３が１ピッチ回動する。即ち第４図（作動
説明図）から第５図（作動説明図）のように作動する。
よって本発明ではこのサプライドロッド２０の作動に着
目して、例え管糸保留筒１３に管糸がなく投入供給を必
要としてもサプライドロッド２０が降下中及び降下状態
にあるときは、前記管糸供給装置側に設ける検知部材を
不感状態又は感状態にして通過させるか、或は管糸引き
抜き供給装置７の作動をサプライドロッド２０の上昇復
帰を待って行なうようにしたものである。即ち２３は管
糸供給装置１に設ける検知装置であり、２２はサプライ
ドロッド２０の頂部に検知装置２３に対応して設けた感
知部材で、図は検知装置２３として投光反射検知装置を
示し、感知部材としては反射板２２で構成したものを示
している。即ち検知装置２３はサプライドロッド２０が
図示位置を保持しているときのみ管糸の投入供給を行な
い、矢印Ｂ方向に移動し、若しくは移動しているときは
管糸の投入供給を中断してサプライドロッド２０の上昇
復帰を持って投入供給するか或は投入供給を止めて通過
させるものである。第６図及び第７図（いずれも他の構
成説明図）は本発明の他の実施例を示すもので、第６図
ではサプライドロッド２０に取り付けた反射板２２の代
りに非接触型近接スイッチ２５を先端側に設けたレバー
２４を支持装置１４に枢支して他端側をサプライドロッ
ド２０に係合したものを示しており、サプライドロッド
２０が下降すると近接スイッチ２５が上昇し、管糸供給
装置１にこの近接スイッチ２５と対応して設けた検知装
置がマガジン装置１２の回動を検知して前記しように管
糸の投入供給を待つか或は中止する。また第７図は操作
レバー２１の傾動を検知するように構成したもので例え
ば第１図に示したバスダクト５ａの上部にアングルブラ
ケット２７を介して、揺動型感知板３０を枢支し、操作
レバー２１と感知板３０とをワイヤ２９で連結したもの
を示しており、このワイヤ２９はアングルブラケット２
７と支持装置１４に取り付けたブラケット２６との間に
設けたコンジットチューブ２８内に納まっている。そし
て感知板３０としては近接スイッチを設けたものであっ
たり、或は反射板であったり或は投光を遮断するもので
あってもよく、管糸供給装置１に設けた検知装置と対応
させて操作レバー２１の傾動状態、即ちサプライドロッ
ド２０の下降状態（マガジン装置の回動）を検知して管
糸の投入供給を待つか或は中止する。尚これら検知作動
手段はこれらに限定されずサプライドロッド２０に関連
して作動する部材を利用する限り本発明を満足させるこ
とができる。

［発明の効果］ 本発明はこのように構成したから、比較的小径で且つ管
糸保留数の少ないコップマガジン装置を設けた自動ワイ
ンダーに管糸抜き取り供給装置を適用するに当たって、
管糸投入供給詰まり故障や投入ミスがなくなり、安定し
た管糸の自動供給を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す側断面図、第２図は本発
明を適用するマガジン装置の側断面図、第３図は第２図
の矢印Ａ方向一部平面図、第４図及び第５図は第２図の
裏面側で作動状態を示す説明略図、第６図及び第７図は
本発明の他の構成例を示す説明略図、第８図は管糸供給
手段の一例を示す平面略図、第９図は第１図の下側正面
図、第１０図は第８図の一部拡大図、第１１図は第９図
の一部拡大図、第１２図は第１１図の左側面図、第１３
図は第１２図の一部拡大図、第１４図は第１３図の左正
面図でマガジン装置２を省略して示したものである。 １……管糸供給装置、２……マガジン装置 ３……チューブクリール、４……上段側レール ５……下段側レール、６……供給管糸 ７……引き抜き供給装置、８……走行駆動装置 ９……ガイド、10……滑車 11……検知部材、12……マガジン装置 13……管糸保留筒、14……支持装置 15……ブラケット、16……開閉案内筒 17……ペッグ、18……開閉受皿 19……クレードル、20……サプライドロッド 21……操作レバー、22……反射板 23……検知装置、24……レバー 25……近接スイッチ、26,27……ブラケット 28……コンジットチューブ 29……ワイヤ、30……感知板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】個々の糸巻取部に対応してロータリマガジ
   ン装置が設けられ、糸巻取部へ導糸がなくなることによ
   ってマガジン装置を１ピッチ回動させてマガジン装置に
   保留した管糸を１個ずつ糸巻取部へ供給する自動ワイン
   ダーであって、マガジン装置列に沿って移動し、マガジ
   ン内の補給管糸の存在を検知して搬送管糸を自動的にマ
   ガジン内へ補給する管糸供給装置において、該管糸供給
   装置の一部に、マガジン装置の回動開始時或は回動中を
   検知する検知装置を設けると共にマガジン装置側には、
   マガジン回動開始作動サプライドロッド或はこれに連係
   して作動させる部材に感知部材を設け、該感知部材と前
   記検知装置とを対応させて、マガジン装置の回動作動時
   一時的に管糸供給を中断して待機させるか若しくは該マ
   ガジン装置は通過させるように構成したことを特徴とす
   る自動ワインダーへの管糸供給装置。