JPH0631103A - ワーク洗浄用の可燃性溶剤の真空蒸留方法および真空蒸留機 - Google Patents

ワーク洗浄用の可燃性溶剤の真空蒸留方法および真空蒸留機

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JPH0631103A
JPH0631103A JP21362392A JP21362392A JPH0631103A JP H0631103 A JPH0631103 A JP H0631103A JP 21362392 A JP21362392 A JP 21362392A JP 21362392 A JP21362392 A JP 21362392A JP H0631103 A JPH0631103 A JP H0631103A
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distillation
vacuum
pot
solvent
flammable solvent
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JP21362392A
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English (en)
Inventor
Saichi Okamura
佐一 岡村
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MARUSAN SHOKAI KK
Original Assignee
MARUSAN SHOKAI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ワーク洗浄後の可燃性溶剤を蒸留・再生する
ために適した真空蒸留方法および真空蒸留機を提案す
る。 【構成】 真空ポンプとしてトロコイドポンプ18また
は液封式真空ポンプを備え、さらに蒸留終点を検出する
ための接点付き真空計10と蒸留残留物を冷却するため
の蒸留残留物冷却タンク23とを備えている真空蒸留
機。上記真空蒸留機を用いて可燃性溶剤を含むワーク洗
浄排液を回収するための、安全で効率のよい真空蒸留方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油系溶剤等に代表さ
れる可燃性溶剤を用いてワークの洗浄を行う洗浄装置に
付設される可燃性溶剤を真空蒸留して再生するための真
空蒸留方法および真空蒸留機に関するものである。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】近年、環境
汚染等を防止するために、金属部品等のワークの洗浄
を、フロン、トリエタン等の代わりに石油系溶剤等の可
燃性溶剤を用いて行う洗浄方法および装置が提案されて
いる。このような洗浄方法および装置においては、ワー
ク洗浄後の石油系溶剤を再生して使用することが溶剤節
約等の観点から好ましい。この石油系溶剤の再生方法と
しては真空蒸留方法が考えられる。これは、石油系溶剤
の常圧沸点が高いために、真空にすれば沸点が下げられ
て有利だからである。しかし、従来においては、ワーク
洗浄用に使用した石油系溶剤を真空蒸留するために適し
た方法および装置は提案されていない。
【0003】ここに、従来においてはドライクリーニン
グ用の石油系溶剤の真空蒸留機が知られている。しか
し、このような真空蒸留機をそのまま使用する場合には
次のような問題点がある。
【0004】 従来の真空蒸留機においては、蒸留釜
を真空引きするための真空ポンプとしてギヤポンプを使
用している。この場合、得られる真空度は蒸留時におい
て約180Torr前後、空運転時でも約80Torr
程度しか得られない。このために石油系溶剤の蒸留温度
が高くなってしまう。例えば、エクソン化学株式会社製
のアクトレル1140Lと呼ばれる石油系溶剤の場合に
は圧力180Torrの時の溶剤の沸点は摂氏125度
である。この結果、加熱温度を高くしなければならず、
その分加熱のための電気代あるいは燃料代が嵩み、ラン
ニングコストが高くなってしまう。また、蒸気で加熱す
る場合には常圧時の沸点が摂氏200度までの石油系溶
剤しか蒸留できない。さらには、このように加熱温度が
高いと、石油系溶剤の劣化が早いという問題も発生す
る。
【0005】 従来の真空蒸留機のようにギヤポンプ
を用いる場合には、運転時に騒音が大きい(約85から
90ホーン)という問題点がある。
【0006】 従来の真空蒸留機においては、蒸留時
間の管理をタイマーを用いて行っている。このため、タ
イマーの設定によっては、石油系溶剤の蒸留が完全に終
了しないうちに動作が終了してしまい、石油系溶剤の回
収が完全に行われないという弊害が発生するおそれがあ
る。逆に、石油系溶剤の蒸留が完全に終わったにもかか
わらず、空運転が継続している事態も発生するおそれが
ある。いずれも場合も適切で無駄のない蒸留動作を保証
できない。
【0007】 従来の真空蒸留機においては、次工程
への移行が作業員による手動操作に頼っている。すなわ
ち、機械が停止した後、手動によりスラッジバルブを開
けて、蒸留釜内に蒸留残留物を排出させる。次に、再び
手動によりスラッジバルブを閉めて、次のサイクル運転
のスイッチを入れるようにしている。このように人手に
頼っているために、効率の良い連続運転ができない。特
に、洗浄機と接続して石油系溶剤の循環・再生を行う場
合には、連続運転の要求が強いが、従来の真空蒸留機で
はこのような要求を満足させることは不可能である。
【0008】 従来の真空蒸留機においては、蒸留釜
内の蒸留残留物をそのまま外部に排出するようにしてい
る。しかし、石油系溶剤の蒸留の場合、蒸留終了後に直
ちに蒸留残留物を取り出すと、蒸留残留物は摂氏100
度以上に加熱されているので、火傷をするおそれがあ
る。また、この蒸留残留物に中には、濃度の高い石油系
溶剤が僅かに残っている。したがって、蒸留釜内から蒸
留残留物を取り出すと、そこから石油系溶剤のガスが出
る。このガスは発火、爆発の危険性があるので、安全上
問題である。
【0009】本発明の課題は、このような従来の真空蒸
留機における問題点を解消することの可能な真空蒸留方
法および真空蒸留機を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の真空蒸留方法および真空蒸留機において
は、石油系溶剤に代表される可燃性溶剤を真空蒸留する
ための蒸留釜およびこれに接続された真空蒸留配管系の
真空引きを、トロコイドポンプまたは前記可燃性溶剤を
封液した液封式真空ポンプのいずれかによって行うよう
にしている。
【0011】トロコイドポンプあるいは液封式真空ポン
プを使用することにより、ギヤポンプを使用する場合に
比べて、真空度を高めることができる。この結果、可燃
性溶剤の蒸留温度を低くすることができ、加熱に必要な
エネルギーコストを低減できる。また、可燃性溶剤の劣
化を防止できる。さらには、運転時の騒音を低く抑える
ことができる。
【0012】また、本発明においては、蒸留釜の真空度
の測定を接点付き真空計または圧力スイッチを用いて行
い、蒸留が終了すると蒸留釜内の圧力が低下することを
利用してこの接点付き真空計または圧力スイッチにより
蒸留終点の検出を行い、蒸留終点が検出されると蒸留釜
での蒸留を終了して当該蒸留釜を大気開放すると共に、
可聴手段あるいは可視手段によって蒸留の終了を報知す
るようにしている。このように、蒸留終点になると蒸留
釜内の圧力が低下することを利用して自動的に蒸留終点
の検出を行うようにすれば、蒸留動作を適切にしかも空
運転を行うことなく効率良く行うことができる。
【0013】ここに、蒸留の終了後に、蒸留釜内の蒸留
残留物を蒸留釜外のタンクに回収して冷却し、しかる後
に排出するようにすれば火傷の心配がなく、また蒸留残
留物内の石油系溶剤のガスの発生を抑制できるので、発
火、爆発のおそれがない。
【0014】一方、本発明においては、可燃性溶剤を真
空蒸留するための蒸留釜の真空度の測定を接点付き真空
計または圧力スイッチを用いて行い、蒸留が終了すると
蒸留釜内の圧力が低下することを利用して、前記接点付
き真空計または圧力スイッチにより蒸留終点の検出を行
い、蒸留終点が検出されると前記蒸留釜での蒸留を終了
して当該蒸留釜を大気開放し、しかる後に、蒸留残留物
を前記蒸留釜内から排出するためのスラッジバルブを開
放して蒸留釜外に蒸留残留物を排出し、蒸留残留物の排
出終了後に、スラッジバルブを閉じて蒸留釜内を再度真
空引きして、当該蒸留釜内に可燃性溶剤を供給してその
蒸留を行うという一連の工程サイクルを自動的に、かつ
連続して行うようにしている。
【0015】このようにすると、人手に頼ることなく可
燃性溶剤の蒸留を繰り返し行うことができるので、特
に、洗浄機と接続して可燃性溶剤の循環・再生を行う場
合には、可燃性溶剤を効率的に清浄な状態に保持でき、
ワークの洗浄・乾燥品質を向上させることができる。
【0016】この場合においても、蒸留釜外に排出され
る蒸留残留物を冷却するようにすれば、前述したよう
に、火傷の心配がなく、また蒸留残留物内の石油系溶剤
のガスの発生を抑制できるので、発火、爆発のおそれが
ないので好ましい。
【0017】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0018】図1には、本発明を適用した真空蒸留機の
全体構成の概要を示してある。この図において、1はワ
ーク洗浄後の石油系溶剤2を真空蒸留するための蒸留釜
である。この蒸留釜1の内周側面の下方側の位置には、
ワーク洗浄済みの石油系溶剤の供給口1aが開いてい
る。この供給口1aには、溶剤流入管3が接続されてい
る。溶剤流入管3は、溶剤流入弁4を介して液位調整器
5に接続されている。この液位調整器5の内部空間は蒸
留釜1の内部空間1bに連通しており、既知の原理によ
り、蒸留釜1内の溶剤液面が液位調整器5によって常に
一定の位置の保持される。この液位調整器5の天井側は
溶剤供給管6に連通しており、この溶剤供給管6を介し
て、洗浄機よりワーク洗浄済みの石油系溶剤2が液位調
整器5内に供給される。
【0019】蒸留釜1の内周側面の上方側の位置には、
蒸留釜内を大気開放するための管7が接続されている。
この管7は、手動式の真空解除弁8および自動式の真空
解除弁9を介して大気側に連通している。また、これら
の弁8、9の間の位置に、蒸留釜1内の真空度を測定す
るための真空計10が取付けられている。本例において
は、この真空計10は接点付きのものであり、蒸留釜1
内の真空度が予め設定した圧力以下に低下したことを検
出可能となっている。この接点付き真空計に代えて、圧
力スイッチを使用しても構わない。
【0020】次に、蒸留釜1の天井には、蒸留釜1内で
発生した溶剤蒸気2aを外部に導出するための溶剤蒸気
管12が接続されている。この溶剤蒸気管12は、熱交
換器であるエコノマイザー13に連通している。エコノ
マイザー13の内部空間には前述した溶剤供給管6が通
っており、エコノマイザー13の内部空間に通された溶
剤蒸気は、ここで、溶剤供給管6内を流れる石油系溶剤
2との間で熱交換が行なわれ、冷却される。熱交換が行
われた後の溶剤蒸気2bは、溶剤蒸気回収管14内に排
出される。この回収管14は凝縮器15に接続されてい
る。回収管14によって凝縮器15内に導かれた溶剤蒸
気2bは、ここで冷却・凝縮されて液体に戻される。液
体に戻された溶剤2cは、逆止弁16が介挿された溶剤
回収管17を介してトロコイドポンプ18の吸入ポート
18aからポンプ内に吸引される。このトロコイドポン
プ18の吐出ポート18bの側は、水分分離器19に接
続されている。ポンプ18から吐出された溶剤2cは、
水分分離器19において水分が分離された後に、出口管
20を介して洗浄機に還流として供給される。
【0021】一方、蒸留釜1の底には、ここに溜まった
蒸留残留物を排出するための排出管21が接続されてい
る。この排出管21はスラッジバルブ22を介して蒸留
残留物冷却タンク23に接続されている。この冷却タン
ク23は、外周に冷却パイプ23aが取付けられてお
り、ここに回収された蒸留残留物の冷却を行う。この蒸
留残留物冷却タンク23の底は、排出管24および排出
バルブ25を介して、廃油タンク26に繋がっている。
また、蒸留釜1の底の外周側には、この中に貯留された
石油系溶剤2を加熱して蒸発させるための加熱源27が
取付けられている。加熱源27は、ヒーター、蒸気、オ
イル等の熱媒などがあるが、安全面から蒸気、熱媒が好
ましい。
【0022】ここに、31は、蒸留終点を報知するため
の報知器であり、ブザー、ランプ等から構成することが
できる。また、32は、上記の各部分の駆動制御を司る
制御回路であり、各部分の制御を後述するようにシーケ
ンシャルに行うように構成されている。
【0023】このように構成した本例の真空蒸留機の動
作を説明する。まず、トロコイドポンプ18を駆動し
て、蒸留釜1内の真空引きを行う。次に、洗浄機より一
定量のワーク洗浄済みの石油系溶剤2を、溶剤供給管6
を介して液位調整器5に圧力差により供給し、さらにこ
こから溶剤流入管3を介して、蒸留釜1内に供給する。
蒸留釜1内に一定量の石油系溶剤2が貯留すると、液位
調整器5の作用により溶剤流入管3に介挿されている溶
剤流入弁4が自動的に閉じる。次に、加熱源27によっ
て蒸留釜1内に貯留した石油系溶剤2を加熱する。この
蒸留時には、真空解除弁8、9およびスラッジバルブ2
2は閉じた状態にある。
【0024】トロコイドポンプ18の駆動によって、蒸
留釜1内の真空度は約40Torr程度まで高まり、比
較的低い加熱温度(エクソン化学株式会社製のアクトレ
ル1140Lの場合、摂氏100度)で蒸留釜1内の石
油系溶剤2の蒸発が始まり、溶剤蒸気2aが発生する。
発生した溶剤蒸気2aは、溶剤蒸気管12を通ってエコ
ノマイザー13に供給され、ここで、石油系溶剤2との
間で熱交換が行われて冷却される。冷却された後の溶剤
蒸気2bは、回収管14を通って凝縮器15に供給さ
れ、ここで冷却・凝縮されて液化する。液化した石油系
溶剤2cはトロコイドポンプ18に吸引されて、その吐
出側から水分分離器19に供給される。この水分分離器
19において水分が分離された後の石油系溶剤、すなわ
ち蒸留再生された石油系溶剤2dは、溶剤出口管20を
通って洗浄機に還流として供給される。
【0025】このようにして、蒸留釜1内の石油系溶剤
2の蒸留再生が行われる。蒸留釜1内の底には、石油系
溶剤2の蒸留に伴って、蒸留残留物が徐々に蓄積してい
く。蒸留釜1内の蒸留残留物の量が多くなり、大半を占
めるようになると、石油系溶剤の蒸発量が殆ど無くなる
為、トロコイドポンプは空運転状態に近くなり、蒸留釜
1内の圧力は低下する。ここに、蒸留釜1内の圧力は接
点付き真空計10により測定されており、蒸留釜1内の
圧力が予め設定された圧力以下に低下すると、それがこ
の接点付き真空計10によって検出される。
【0026】この接点付き真空計10の蒸留終点の検出
信号により、ブザーまたはランプなどの報知器31が駆
動され、蒸留終点が作業員に報知される。また、この検
出信号により、トロコイドポンプ18が停止され、加熱
源27による加熱が停止される。さらに、真空解除弁9
が開き、蒸留釜1内が大気開放される。
【0027】この後は、スラッジバルブ22が開けら
れ、蒸留残留物が蒸留残留物冷却タンク23内に回収さ
れる。ここに回収された蒸留残留物は所定時間冷却され
る。この後は、排出バルブ25が開き、ここを介して冷
却された後の蒸留残留物が廃油タンク26内に回収され
る。
【0028】一方、スラッジバルブ22を介して蒸留釜
1内の蒸留残留物が完全に排出されるに充分な時間が経
過した後は、自動的に各部分が初期状態に設定されて、
洗浄機よりワーク洗浄済みの石油系溶剤2の供給、蒸留
動作が開始される。このような一連のサイクルは、制御
回路32の制御の下に行われる。
【0029】以上のように、蒸留・再生動作と蒸留残留
物の排出動作が繰り返し連続して行われる。
【0030】このように、本例の真空蒸留機において
は、蒸留釜1およびそれに接続されている配管系の真空
引きをトロコイドポンプ18を用いて行っている。した
がって、従来のギヤポンプを用いている場合に比べて、
真空度を高めることができる。この結果、蒸留釜1内で
の石油系溶剤2の蒸発温度を低くできるので、その分、
加熱源27による加熱温度を低下でき、エネルギーコス
トを低減させることができる。また、このように真空度
を高めることができるので、沸点が摂氏200度以上の
石油系溶剤、例えばエクソン化学株式会社製のアクトレ
ル1178L、3377L(商品名)、出光興産株式会
社製のダフニクリーナーH(商品名)等の蒸留も行うこ
とが可能となる。さらには、蒸留温度を低下させたこと
により、石油系溶剤の劣化を防止できるという効果も得
られる。これに加えて、運転時の騒音をギヤポンプを用
いる場合に比べて低くすることができる。
【0031】また、本例の真空蒸留機においては、蒸留
終点を接点付き真空計または圧力スイッチを用いて検出
するようにしている。したがって、従来のようなタイマ
ー管理による場合とは異なり、正確に蒸留終点を検出で
きるので、石油系溶剤の蒸留を完全に行うことができ、
また、空運転を行ってしまうという弊害も解消できる。
よって、効率良く蒸留を行うことができる。
【0032】さらに、本例の真空蒸留機においては、制
御回路32の制御の下に、蒸留終点で機械の運転を停止
することなく、自動的に、蒸留残留物を排出し繰り返し
蒸留動作を行うようにしている。したがって、従来のよ
うに人手に頼ることなく、効率の良い自動蒸留運転を実
現することができる。
【0033】これに加えて、本例の真空蒸留機において
は、蒸留釜1内の蒸留残留物を蒸留残留物冷却タンク2
3に一旦回収して、ここで冷却するようにしている。し
たがって、高温の残留蒸留物が排出されることが無いの
で、火傷などのおそれがない。また、冷却されるので、
残留蒸留物内に含まれている濃度の高い石油系溶剤がガ
スとして発生することがないので、発火、爆発等の危険
性も回避できる。
【0034】次に、図2には、本発明の別の実施例であ
る真空蒸留機を示してある。この例においては、真空ポ
ンプとしてトロコイドポンプの代わりに蒸留再生する溶
剤を封液した液封式真空ポンプを利用している。図に示
す部分以外の構成は、図1に示す例と同一であるので、
その説明は省略する。
【0035】この図2に示す例においては、逆止弁16
を介して供給される石油系溶剤2cを液封式真空ポンプ
41で吸引し、気液混合排液管42を介して、石油系溶
剤2eを気液分離槽43内に供給している。気液分離槽
43内に貯留されている石油系溶剤2f内に、石油系溶
剤2eを通して、気液分離を行い、分離された気体を、
気液分離槽43の上端側から排気管44を介して排出し
ている。ここで、気液混合排液管42の出口は、気液分
離槽43内に貯留されている石油系溶剤2f内に開口し
ており、液封式真空ポンプ41より吐出される石油系溶
剤のミストや蒸気を、気液分離槽43内に貯留されてい
る石油系溶剤2fに溶かす形で除去している。また、気
液分離槽43の内周側面の中程にオーバーフロー管45
が接続されており、液封式真空ポンプ41に吸引された
石油系溶剤2cに相当する量の石油系溶剤2gが気液分
離槽43よりオーバーフローして、オーバーフロー管4
5を介して洗浄機へ還流として供給される。ここに、気
液分離槽43の底面は送液管46および送液ポンプ47
を介して液封式真空ポンプ41に接続されており、この
液封式真空ポンプ41に対して石油系溶剤の封液2hを
循環させるようになっている。なお、気液分離槽43内
に貯留されている石油系溶剤2fを冷却するためのクー
ラユニット48が取付けられている。
【0036】本例のように液封式真空ポンプ41を利用
して真空引きを行うようにすれば、トロコイドポンプを
使用する場合に比べてさらに高い真空度(10乃至20
Torr)を得ることができる。よって、蒸留釜1内で
の石油系溶剤2の蒸発温度を低くできるので、その分、
加熱源27による加熱温度を低下でき、エネルギーコス
トを低減させることができる。また、このように真空度
を高めることができるので、沸点が摂氏200度以上の
石油系溶剤の蒸留も行うことが可能となる。さらには、
蒸留温度を低下させたことにより、石油系溶剤の劣化を
防止できる。これに加えて、運転時の騒音をギヤポンプ
を用いる場合に比べて低くすることができる。
【0037】なお、上記の各例においては、石油系溶剤
の蒸留・再生を行う真空蒸留機について説明したが、石
油系溶剤以外の可燃性溶剤の蒸留・再生も、本発明を同
様に適用することによって行うことができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、石油系溶剤に代表される可燃性溶剤を真空蒸留する
ための蒸留釜およびこれに接続された真空蒸留配管系の
真空引きを、トロコイドポンプまたは前記可燃性溶剤を
封液した液封式真空ポンプのいずれかによって行うよう
にしている。したがって、ギヤポンプを使用する場合に
比べて、真空度を高めることができ、可燃性溶剤の蒸留
温度を低くすることができ、加熱に必要なエネルギーコ
ストを低減できる。また、可燃性溶剤の劣化を防止でき
る。さらには、運転時の騒音を低く抑えることができ
る。
【0039】また、本発明においては、蒸留釜の真空度
の測定を接点付き真空計または圧力スイッチを用いて行
い、蒸留が終了すると蒸留釜内の圧力が低下することを
利用してこの接点付き真空計または圧力スイッチにより
蒸留終点の検出を行い、蒸留終点が検出されると蒸留釜
での蒸留を終了して当該蒸留釜を大気開放すると共に、
報知手段によって蒸留の終了を報知するようにしてい
る。したがって、蒸留終点を正確に検出でき、蒸留動作
を適切にしかも空運転を行うことなく効率良く行うこと
ができる。
【0040】さらに、本発明において、蒸留の終了後
に、蒸留釜内の蒸留残留物を蒸留釜外に回収して冷却
し、しかる後に排出するようにすれば、火傷の心配がな
く、また蒸留残留物内の石油系溶剤のガスの発生を抑制
できるので、発火、爆発のおそれがないという利点があ
る。
【0041】一方、本発明においては、可燃性溶剤を真
空蒸留するための蒸留釜の真空度の測定を接点付き真空
計または圧力スイッチを用いて行い、蒸留が終了すると
蒸留釜内の圧力が低下することを利用して前記接点付き
真空計または圧力スイッチにより蒸留終点の検出を行
い、蒸留終点が検出されると前記蒸留釜での蒸留を終了
して当該蒸留釜を大気開放し、しかる後に、蒸留残留物
を前記蒸留釜内から排出するためのスラッジバルブを開
放して蒸留釜外に蒸留残留物を排出し、蒸留残留物の排
出終了後に、スラッジバルブを閉じて蒸留釜内を再度真
空引きして、当該蒸留釜内に可燃性溶剤を供給してその
蒸留を行うという一連の工程サイクルを自動的に、かつ
連続して行うようにしている。このようにすると、人手
に頼ることなく可燃性溶剤の蒸留を繰り返し行うことが
できるので、特に、洗浄機と接続して可燃性溶剤の循環
・再生を行う場合には、可燃性溶剤を効率的に清浄な状
態に保持でき、ワークの洗浄・乾燥品質を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である真空蒸留機の全体構成を
示す概略構成図である。
【図2】本考案の別に実施例である真空蒸留機を示す部
分構成図である。
【符号の説明】
1・・・蒸留釜 2・・・石油系溶剤 3・・・溶剤流入管 4・・・溶剤流入弁 5・・・液位調整器 6・・・溶剤供給管 7・・・管 8・・・手動式真空解除弁 9・・・自動式真空解除弁 10・・・接点付き真空計 12・・・溶剤蒸気管 13・・・エコノマイザー 14・・・回収管 15・・・凝縮器 16・・・逆止弁 17・・・溶剤回収管 18・・・トロコイドポンプ 19・・・水分分離器 20・・・出口管 21・・・排出管 22・・・スラッジバルブ 23・・・蒸留残留物冷却タンク 24・・・排出管 25・・・排出弁 26・・・廃油タンク 27・・・加熱源 31・・・報知器 32・・・制御回路 41・・・液封式真空ポンプ 42・・・気液混合排液管 43・・・気液分離槽 44・・・排気管 45・・・オーバーフロー管 46・・・送液管 47・・・送液ポンプ 48・・・クーラーユニット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの洗浄に使用した後の可燃性溶剤
    を真空蒸留再生するための方法において、前記可燃性溶
    剤を真空蒸留するための蒸留釜およびこれに接続された
    真空蒸留配管系の真空引きを、トロコイドポンプまたは
    前記可燃性溶剤を封液した液封式真空ポンプのいずれか
    によって行うことを特徴とするワーク洗浄用の可燃性溶
    剤の真空蒸留方法。
  2. 【請求項2】 ワークの洗浄に使用した後の可燃性溶剤
    を真空蒸留再生するための方法において、前記可燃性溶
    剤を真空蒸留するための蒸留釜の真空度の測定を接点付
    き真空計または圧力スイッチを用いて行い、蒸留が終了
    すると蒸留釜内の圧力が低下することを利用して前記接
    点付き真空計または圧力スイッチにより蒸留終点の検出
    を行い、蒸留終点が検出されると前記蒸留釜での蒸留を
    終了して当該蒸留釜を大気開放すると共に、報知手段に
    よって蒸留の終了を報知することを特徴とするワーク洗
    浄用の可燃性溶剤の真空蒸留方法。
  3. 【請求項3】 ワークの洗浄に使用した後の可燃性溶剤
    を真空蒸留再生するための方法において、前記可燃性溶
    剤を真空蒸留するための蒸留釜の真空度の測定を接点付
    き真空計または圧力スイッチを用いて行い、蒸留が終了
    すると蒸留釜内の圧力が低下することを利用して、前記
    接点付き真空計または圧力スイッチにより蒸留終点の検
    出を行い、蒸留終点が検出されると前記蒸留釜での蒸留
    を終了して当該蒸留釜を大気開放し、しかる後に、蒸留
    残留物を前記蒸留釜内から排出するためのスラッジバル
    ブを開放して蒸留釜外に前記蒸留残留物を排出し、蒸留
    残留物の排出終了後に、前記スラッジバルブを閉じて前
    記蒸留釜内を再度真空引きして、当該蒸留釜内に可燃性
    溶剤を供給してその蒸留を行う一連の工程サイクルを自
    動的に、かつ連続して行うことを特徴とするワーク洗浄
    用の可燃性溶剤の真空蒸留方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3おいて、蒸留の終
    了後に、前記蒸留釜内の蒸留残留物を蒸留釜外のタンク
    に回収して冷却し、しかる後に排出することを特徴とす
    るワーク洗浄用の可燃性溶剤の真空蒸留方法。
  5. 【請求項5】 ワークの洗浄に使用した後の可燃性溶剤
    を真空蒸留再生するための真空蒸留機において、前記可
    燃性溶剤の真空蒸留を行う蒸留釜およびこれに接続され
    ている蒸留配管系の真空引きを行うための真空ポンプと
    して、トロコイドポンプまたは前記可燃性溶剤を封液し
    た液封式真空ポンプのいずれかを備えていることを特徴
    とするワーク洗浄用の可燃性溶剤の真空蒸留機。
  6. 【請求項6】 ワークの洗浄に使用した後の可燃性溶剤
    を真空蒸留再生するための真空蒸留機において、前記可
    燃性溶剤の真空蒸留を行う蒸留釜での蒸留終点を自動的
    に検出するための接点付き真空計または圧力スイッチ
    と、この接点付き真空計または圧力スイッチにより蒸留
    終点が検出されると前記蒸留釜内を大気開放する真空解
    除弁と、蒸留が終了したことを報知するための報知手段
    とを有することを特徴とするワーク洗浄用の可燃性溶剤
    の真空蒸留機。
  7. 【請求項7】 ワークの洗浄に使用した後の可燃性溶剤
    を真空蒸留再生するための真空蒸留機において、前記可
    燃性溶剤の真空蒸留を行う蒸留釜での蒸留終点を自動的
    に検出する接点付き真空計または圧力スイッチと、前記
    蒸留釜内を大気開放する真空解除弁と、前記蒸留釜内の
    蒸留残留物を外部に排出するためのスラッジバルブとを
    有し、前記接点付き真空計または圧力スイッチにより蒸
    留終点が検出されると蒸留を終了して前記真空解除弁を
    駆動して当該蒸留釜を大気開放し、しかる後に、前記ス
    ラッジバルブを開いて蒸留残留物を前記蒸留釜内から排
    出し、蒸留残留物の排出終了後に、前記スラッジバルブ
    を閉じて前記蒸留釜内を再度真空引きして、当該蒸留釜
    内に可燃性溶剤を供給してその蒸留を行う一連の工程サ
    イクルを自動的に、かつ連続して行なうようになってい
    ることを特徴とするワーク洗浄用の可燃性溶剤の真空蒸
    留機。
  8. 【請求項8】 請求項5、6または7において、前記蒸
    留終了後に前記蒸留釜内の蒸留残留物を冷却するための
    冷却手段を有していることを特徴とするワーク洗浄用の
    可燃性溶剤の真空蒸留機。
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