JPH0631091A - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造作業性を向上すると共に、製造コストを
安くする。 【構成】 ブレーキドラム２７及びブレーキバンド４１
より成り回転槽１３を制動するブレーキ装置２３を備え
ると共に、ハウジング４４及びローラ４５を有し脱水軸
２４の所定方向への回転を阻止するワンウェイクラッチ
４３を備えて成るものにおいて、脱水軸２４を回転可能
に支承する軸受３２を支持する下部ケース１８に、ワン
ウェイクラッチ４３のハウジング４４を嵌合し且つ該ハ
ウジング４４を回り止めする嵌合部４６を一体に形成し
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワンウェイクラッチに
よって回転槽が脱水時の回転方向と逆方向に回転するこ
とを防止するようにした脱水兼用洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】脱水兼用洗濯機においては、従来より、
回転槽を制動するブレ―キ装置を備えると共に、洗濯時
の渦巻水流に起因する回転槽の逆回転を防止する逆転防
止装置を備えている。この場合、ブレ―キ装置はバンド
ブレ―キ装置により構成され、逆転防止装置はワンウェ
イクラッチにより構成されている。

【０００３】上記ワンウェイクラッチを用いた構成の一
例を、図４に従って述べる。図４において、ワンウェイ
クラッチ１は、ブレ―キドラム２よりも下方に配設され
ており、略円筒状をなすハウジングである外輪３及びこ
の外輪３と脱水軸４の下部中空軸５との間に介装された
複数のロ―ラ６を有している。上記外輪３は、略円筒状
の取付部材７内に嵌合固定されている。この取付部材７
の下端部には固定板部７ａが鍔状に一体に形成されてお
り、この固定板部７ａを下部ケ―ス８に段付きボルト９
により固定している。この段付きボルト９は、固定板部
７ａに形成された貫通孔に遊嵌されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成では、製造時において、ワンウェイクラッチ１を
組み付ける場合、そのハウジング３を取付部材７内に嵌
合すると共に、該取付部材７の固定板部７ａを下部ケ―
ス８に段付きボルト９により締め付け固定しているの
で、ボルト９を締め付ける作業が面倒であると共に、取
付部材７及び段付きボルト９が必要なので部品点数が多
く且つコスト高であるという欠点がある。また、回転槽
の逆転を防止するとき、回転槽の逆転力を取付部材７及
びその固定板部７ａで受ける構成であるので、取付部材
７の強度を高くする必要があり、取付部材７の製造コス
トが高くなるという欠点があった。

【０００５】そこで、本発明の目的は、製造作業性を向
上できると共に、製造コストを安くし得る脱水兼用洗濯
機を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の脱水兼用洗濯機
は、回転槽の槽軸に設けられたブレーキドラム及びこの
ブレーキドラムの外周面に装着されたブレーキバンドよ
りなるブレーキ装置を備えると共に、ハウジング及びこ
のハウジングと前記槽軸との間に設けられたローラを有
し前記槽軸の所定方向への回転を阻止するワンウェイク
ラッチを備えて成る脱水兼用洗濯機において、前記槽軸
を回転可能に支承する軸受を支持する軸受ハウジング
に、前記ワンウェイクラッチのハウジングを嵌合し且つ
該ハウジングを回り止めする嵌合部を一体に設けたとこ
ろに特徴を有する。

【０００７】この場合、嵌合部とワンウェイクラッチの
ハウジングとの間に、調芯用の隙間を設ける構成として
も良い。

【０００８】

【作用】上記手段によれば、槽軸の軸受を支持する軸受
ハウジングに一体に設けられた嵌合部に、ワンウェイク
ラッチのハウジングを嵌合し且つ該ハウジングを回り止
めする構成としたので、ワンウェイクラッチのハウジン
グを固定するための取付部材及びボルトを不要にできる
と共に、ボルトの締め付け作業も不要にできる。そし
て、回転槽の逆転力は、ワンウェイクラッチのハウジン
グを嵌合する嵌合部即ち軸受ハウジングに作用するよう
になり、この軸受ハウジングはもともと高い強度を有し
ているものであるから、取付部材のような強度の高い別
部材を不要にし得、製造コストを低減できる。

【０００９】また、嵌合部とワンウェイクラッチのハウ
ジングとの間に、調芯用の隙間を設ける構成とすれば、
各構成部品の寸法誤差及び組立誤差に起因してワンウェ
イクラッチの調芯が阻害されることを防止できる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図１ないし
図３を参照しながら説明する。まず、脱水兼用洗濯機の
全体構成を示す図３において、外箱１１の内部には、水
受槽１２が吊り棒機構（図示しない）を介して揺動自在
に弾性支持されている。水受槽１２内には、洗い槽及び
脱水槽を兼用する回転槽１３が配設されており、この回
転槽１３の内底部に撹拌体１４が配設されている。

【００１１】また、水受槽１２の外底部には、動力制御
機構１５が配設されており、この動力制御機構１５のケ
―ス１６は上部ケ―ス１７及び下部ケ―ス１８から構成
されていて水受槽１２の外底部に固定されている。そし
て、水受槽１２の外底部には、モータ１９が取付けられ
ており、このモータ１９の回転力はベルト伝達機構２０
を介して上記動力制御機構１５へ伝達されるようになっ
ている。

【００１２】一方、動力制御機構１５は、図１に示すよ
うに、減速装置２１、クラッチ機構２２及びブレ―キ装
置２３等を内蔵している。これにより、動力制御機構１
５は、モ―タ１９の回転力を洗い時には撹拌体１４に減
速して伝え、また脱水時には回転槽１３及び撹拌体１４
に伝えて双方を一体的に高速回転させるようになってい
る。

【００１３】さて、図１において、回転槽１３を駆動す
るための槽軸である脱水軸２４は、上部中空軸２５と下
部中空軸２６とをブレ―キドラム２７により連結一体化
して構成されている。上記ブレ―キドラム２７は、ドラ
ム本体２８とこれの下面開口部を閉塞する蓋体２９とを
結合してなり、ドラム本体２８の上端に一体形成したス
リ―ブ３０は前述の上部中空軸２５に連結され、蓋体２
９の下部には前述の下部中空軸２６が一体形成されてい
る。

【００１４】この脱水軸２４のうちの上部中空軸２５
は、上部ケ―ス１７に軸受３１を介して支承され、下部
中空軸２６は下部ケ―ス１８に軸受３２を介して支承さ
れている。この場合、上部ケ―ス１７が軸受３１を支持
する軸受ハウジングを構成し、下部ケ―ス１８が軸受３
２を支持する軸受ハウジングを構成している。

【００１５】また、前記ブレ―キドラム２７は前述の減
速装置２１のケ―シングを兼用するものであり、該ブレ
―キドラム２７内には減速のための周知の遊星歯車機構
３３が設けられている。この遊星歯車機構３３の入力軸
が駆動軸３４であり、該駆動軸３４は、モ―タ１９から
の回転力をベルト伝達機構２０及び連結軸３５を介して
受けて回転されるようになっている。遊星歯車機構３３
の出力軸が撹拌軸３６であり、この撹拌軸３６の上端に
前記撹拌体１４が連結支持されている。

【００１６】一方、クラッチ機構２２において、クラッ
チスプリング３７を収容するクラッチスリ―ブ３８が、
後述するブレ―キレバ―３９と共に図示しない電磁石に
よって移動制御されるクラッチレバ―４０に係止されて
いるとき（洗い時）には、駆動軸３４と一体回転する前
記連結軸３５から前記脱水軸２４の一部である下部中空
軸２６への回転力伝達を断つようになっている。これに
より、洗い時には、モ―タ１９により駆動軸３４側のみ
が回転され、この結果、撹拌体１４が減速装置２１によ
り減速された回転速度で駆動される。

【００１７】また、クラッチレバ―４０による係止が解
除されたとき（脱水時）には、該連結軸３５と下部中空
軸２６とを連結状態として回転力を脱水軸２４にも伝達
するようになっている。これにより、脱水時には、駆動
軸３４，脱水軸２４，ブレ―キドラム２７及び撹拌軸３
６が一体回転し、この結果、回転槽１３が撹拌体１４と
共に高速回転される。

【００１８】また、前記ブレ―キ装置２３について述べ
るに、ブレ―キドラム２７の外周面には、該ブレ―キド
ラム２７を制動するためのブレ―キバンド４１が装着さ
れている。このブレ―キバンド４１は、その一端部が下
部ケ―ス１８に固定された枢軸４２に連結され、他端部
が同じく下部ケ―ス１８に上記枢軸４２により回動可能
に支持されたブレ―キレバ―３９に連結されている。上
記ブレ―キバンド４１のうちのブレ―キドラム２７に接
触する面には、ブレ―キシュ―が取付けられている。

【００１９】更に、ブレ―キレバ―３９は、図示しない
引張りコイルばね等により常時ブレ―キバンド４１をブ
レ―キドラム２７に締め付ける方向に回動付勢されてお
り、このブレ―キバンド４１の締り勝手方向は脱水時の
回転槽１３の回転方向と同方向に設定されている。ま
た、ブレ―キレバ―３９は、電磁石やモータ等によりブ
レ―キバンド４１の緩み勝手方向に回動されるようにな
っている。

【００２０】さて、脱水軸２４の下部の軸受３２の下方
には、回転槽１３の逆転防止装置であるワンウェイクラ
ッチ４３が設けられており、以下、これについて図１及
び図２を参照して詳述する。このワンウェイクラッチ４
３は、図２にも示すように、ハウジング４４及びこのハ
ウジング４４と前記脱水軸２４の下部中空軸２６との間
に介装された複数のロ―ラ４５を有して構成されてい
る。上記ハウジング４４は、横断面形状が図２に示すよ
うな形状（周方向に凹凸状）をなす筒状部材である。

【００２１】そして、下部ケース１８の下端部には、上
記ワンウェイクラッチ４３のハウジング４４を嵌合する
嵌合部４６が一体に形成されている。この嵌合部４６
は、横断面形状が図２に示すような形状（周方向に凹凸
状）をなす筒状部であり、ハウジング４４を嵌合したと
き、両者の凹凸部が互いに嵌合することにより、ハウジ
ング４４が回り止めされるようになっている。これによ
り、ワンウェイクラッチ４３は、脱水軸２４つまり回転
槽１３の図２中右回り方向への回転を許容し、所定方向
たる左回り方向への回転を阻止するようになっている。
また、嵌合部４６とハウジング４４との間には、若干の
隙間４７が設けられている。この隙間４７により、ワン
ウェイクラッチ４３の調芯がスムーズになされる。

【００２２】次に、上記構成の作用を説明する。まず洗
濯時には、ブレ―キバンド４２がブレ―キドラム２７に
締め付けられており、回転槽１３が制動状態にある。こ
の状態で、撹拌体１４がモ―タ１９によって正逆回転駆
動される。そして、撹拌体１４が正逆回転すると、回転
槽１３内に渦巻水流が生成され、洗濯物が洗濯される
が、回転槽１３はこの渦巻水流から或は渦巻水流に乗じ
て流動する洗濯物から正逆方向の回転力を受ける。

【００２３】今、回転槽１３が脱水時の回転方向と同方
向の回転力を受けたとすると、これはブレ―キバンド４
１にとって締り勝手方向であるから、ブレ―キバンド４
１がより強くブレ―キドラム２７に締り付くことによっ
て、脱水軸２４に大きな制動力が作用し、回転槽１３の
同方向への回転が阻止される。

【００２４】一方、回転槽１３が脱水時の回転方向とは
逆方向の回転力を受けると、これはブレ―キバンド４１
にとって緩み側であることから、ブレ―キバンド４１に
よる脱水軸２４の制動力が減少し、回転槽１３が上記方
向に回転することがある。この場合、回転槽１３が僅か
に同方向つまり図２中左回り方向へ回転すると、その回
転はワンウェイクラッチ４３にとって回転を阻止する方
向であるため、脱水軸２４ひいては回転槽１３の回転が
阻止され、それ以上の回転が防止される。

【００２５】このような構成の本実施例によれば、脱水
軸２４の軸受３２を支持する下部ケース１８に一体に設
けられた嵌合部４６内に、ワンウェイクラッチ４３のハ
ウジング４４を嵌合し、且つ、該ハウジング４４を回り
止めする構成としたので、従来構成（図４参照）とは異
なり、ワンウェイクラッチ４３のハウジング４４を固定
するための取付部材及びボルトを不要にできると共に、
ボルトの締め付け作業も不要にできる。このため、製造
作業性が向上すると共に、製造コストが安くなる。

【００２６】そして、回転槽１３の逆転力は、ワンウェ
イクラッチ４３のハウジング４４を嵌合する嵌合部４６
即ち下部ケース１８に作用するようになり、この下部ケ
ース１８はもともと高い強度を有しているものであるか
ら、従来構成の取付部材のような強度の高い別部材を不
要にし得、製造コストを低減できる。また、嵌合部４６
とワンウェイクラッチ４３のハウジング４４との間に、
調芯用の隙間４７を設ける構成としたので、各構成部品
の寸法誤差及び組立誤差に起因してワンウェイクラッチ
４３の調芯が阻害されることを確実に防止できる。

【００２７】

【発明の効果】本発明は、以上説明した通りであるの
で、次の効果を得ることができる。

【００２８】請求項１の脱水兼用洗濯機においては、槽
軸を回転可能に支承する軸受を支持する軸受ハウジング
に嵌合部を一体に設け、この嵌合部にワンウェイクラッ
チのハウジングを嵌合して該ハウジングを回り止めする
構成としたので、製造作業性を向上できると共に、製造
コストを安くし得る。

【００２９】請求項２の脱水兼用洗濯機においては、嵌
合部とワンウェイクラッチのハウジングとの間に、調芯
用の隙間を設ける構成としたので、各構成部品の寸法誤
差及び組立誤差に起因してワンウェイクラッチの調芯が
阻害されることを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す動力制御機構の縦断面
図

【図２】ワンウェイクラッチ部分の横断面図

【図３】洗濯機全体の縦断側面図

【図４】従来構成を示す図１相当図

【符号の説明】

１１は外箱、１３は回転槽、１４は撹拌体、１５は動力
制御機構、１６はケ―ス、１７は上部ケ―ス（軸受ハウ
ジング）、１８は下部ケ―ス（軸受ハウジング）、２３
はブレ―キ装置、２４は脱水軸（槽軸）、２５は上部中
空軸、２６は下部中空軸、２７はブレ―キドラム、３１
は軸受、３２は軸受、４１はブレ―キバンド、４３はワ
ンウェイクラッチ、４４はハウジング、４５はローラ、
４６は嵌合部、４７は隙間を示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転槽の槽軸に設けられたブレーキドラ
   ム及びこのブレーキドラムの外周面に装着されたブレー
   キバンドよりなるブレーキ装置を備えると共に、ハウジ
   ング及びこのハウジングと前記槽軸との間に設けられた
   ローラを有し前記槽軸の所定方向への回転を阻止するワ
   ンウェイクラッチを備えて成る脱水兼用洗濯機におい
   て、 前記槽軸を回転可能に支承する軸受を支持する軸受ハウ
   ジングに、前記ワンウェイクラッチのハウジングを嵌合
   し且つ該ハウジングを回り止めする嵌合部を一体に設け
   たことを特徴とする脱水兼用洗濯機。
2. 【請求項２】 前記嵌合部と前記ワンウェイクラッチの
   ハウジングとの間に、調芯用の隙間を設けたことを特徴
   とする請求項１記載の脱水兼用洗濯機。