JPH06310620A - 半導体装置用放熱基板及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置用放熱基板及びその製造方法

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JPH06310620A
JPH06310620A JP12360093A JP12360093A JPH06310620A JP H06310620 A JPH06310620 A JP H06310620A JP 12360093 A JP12360093 A JP 12360093A JP 12360093 A JP12360093 A JP 12360093A JP H06310620 A JPH06310620 A JP H06310620A
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JP
Japan
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infiltration
heat dissipation
content
thermal expansion
semiconductor device
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JP12360093A
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Masahiro Omachi
正弘 大町
Akira Fukui
彰 福井
Junzo Matsumura
順三 松村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体素子のSiやGaAs並びにアルミナ
等の各種パッケージ材料と熱膨張係数を整合させること
ができ、空孔や亀裂等の欠陥をなくした信頼性の高い半
導体装置用放熱基板を低コストで提供する。 【構成】 溶浸法又は焼結法により製造したCu含有量
5〜30重量%のMo−Cu溶浸又は焼結合金に加工率
5〜30%の塑性加工を施すことにより、熱伝導率を同
じに維持したまま、熱膨張係数を低減させた半導体装置
用放熱基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に用いられ
る放熱基板、特にMo−Cu系合金からなる半導体装置
用放熱基板、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置用放熱基板には、搭載した半
導体素子から発生される熱を効率良く放熱するため高い
熱伝導度を有することと共に、熱応力を極力小さくする
ため半導体素子や各種パッケージ材料と熱膨張係数が近
似していること、即ち熱膨張係数が整合していること、
パッケージの気密性維持や接合部の劣化防止等の信頼性
を確保し且つ所望の放熱性等を確実にするため、空孔や
亀裂等の欠陥が存在しないこと、及び低コスト即ち経済
性に優れることが要求される。
【0003】一方、従来より一般的に使用されている半
導体装置用放熱基板としては、金属材料のCu、W又は
Mo、溶浸法により製造される溶浸合金又は焼結法によ
り製造される焼結合金でW−Cu系又はMo−Cu系の
溶浸又は焼結合金、及びクラッド材のCu/Mo/Cu
等がある。しかしながら、これらの材料も上記の全ての
要求を満たすものは少なく、それぞれが長所と短所を有
することから、特定の半導体素子やパッケージとの組み
合わせ等に限って使用している現状である。
【0004】例えば、Cuは熱伝導率が390W/mK
と高く且つ経済性にも優れるが、熱膨張係数が16.5
×10-6/℃と非常に大きいため、半導体素子のSiの
熱膨張係数4.2×10-6/℃及びGaAsの熱膨張係
数6.7×10-6/℃、主なるパッケージ材料であるア
ルミナ(Al23)の熱膨張係数6〜9×10-6/℃と
大きく相違し、この欠点のため小型のLSI、IC、パ
ワートランジスタの内で特に製造時にロウ付け接合等の
高温での熱処理のないものに限って使用されている。
【0005】又、WとMoについては、熱膨張係数がそ
れぞれ4.3×10-6/℃及び4.9×10-6/℃とSi
の熱膨張係数に近似しているものの、通常最も広範に利
用されているパッケージ材料であるアルミナとの熱膨張
係数の差が大きく、この整合性の欠如のためアルミナの
パッケージでは補助的な部分にしか使用されていない現
状である。
【0006】Cu/Mo/Cu等のクラッド材では、そ
の熱膨張係数を主なパッケージ材料であるアルミナに整
合させるためには、Mo等の基材層の厚さをかなり薄く
する必要があるが、クラッド後の厚みのバラツキを抑え
て均一化することが技術的に難しいため、基材層が薄く
なるほど熱膨張係数や熱伝導率の均一性に欠け、信頼性
が乏しくなるという問題がある。
【0007】W−Cu溶浸又は焼結合金及びMo−Cu
溶浸又は焼結合金は、特公平2−31863号公報に示
されるごとく、W又はMoの多孔質焼結体中にCuを溶
浸させる溶浸法か、W又はMo粉末とCu粉末を混合し
て焼結する焼結法により製造され、Cu含有量を変える
ことによって熱伝導率を変化させ、且つまた熱膨張係数
を半導体素子やパッケージ材料の熱膨張係数に整合させ
ることが可能である。例えば、Cu含有量を少なくすれ
ば熱膨張係数が低下し、数重量%のCu含有量でアルミ
ナと熱膨張係数の整合を得ることができる。
【0008】しかし、W−Cu溶浸又は焼結合金及びM
o−Cu溶浸又は焼結合金は、W又はMoの含有量が多
くなるほど原料コストがかさむうえ、溶浸法によるW−
Cu又はMo−Cu溶浸合金の場合は、余剰のCuが表
面に付着するため全面切削加工してこれを除去するが、
この切削加工により面粗さが粗くなるのでその後ラップ
加工を行う必要があり、このため後加工工程が長くなっ
てコスト高になる欠点がある。又、W又はMoの含有量
を多くするほど比重が大きくなり、特にW−Cu溶浸又
は焼結合金では比重の大きさが半導体装置の軽量化の点
で障害となっている。
【0009】更に、W−Cu溶浸又は焼結合金及びMo
−Cu溶浸又は焼結合金は、W又はMoの含有量が多く
なるにつれて空孔等の欠陥が生じやすく、特に焼結法に
よる場合には溶浸法のようにWやMoの骨格が形成され
ないので、W又はMoの含有量を増やすほどCu部に微
小な空孔等の欠陥が生じ易くなる欠点がある。空孔等の
欠陥が存在する放熱基板は、メッキを施した場合に欠陥
部分にメッキの膨れ、染み、ムラ等が発生し、又パッケ
ージとの接合部が欠陥により劣化して気密性や耐熱衝撃
性が損なわれるため、信頼性を要求される半導体装置用
放熱基板としては殆ど使用されていない現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の事情に鑑み、半導体素子のSiやGaAs並びに各種
パッケージ材料、特にアルミナと熱膨張係数を整合させ
ることができ、空孔や亀裂等の欠陥をなくした信頼性の
高いMo−Cu溶浸又は焼結合金からなる半導体装置用
放熱基板を、低コストで提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する半導体装置用放熱基板は、塑性加
工を施したCu含有量5〜30重量%のMo−Cu溶浸
又は焼結合金からなることを特徴とする。
【0012】又、本発明の半導体装置用放熱基板の製造
方法は、Cu含有量5〜30重量%のMo−Cu合金を
溶浸法又は焼結法により製造し、得られたMo−Cu溶
浸又は焼結合金に加工率5〜30%の塑性加工を施すこ
とを特徴とする。
【0013】
【作用】溶浸法又は焼結法によるMo−Cu合金は放熱
基板材料として既に知られているが、本発明者等はこの
Mo−Cu溶浸又は焼結合金に塑性加工を施すことによ
って、塑性加工前と同じ熱伝導率を維持しながら、塑性
加工前よりも熱膨張係数が大幅に低下することを見いだ
した。例えば、Mo−Cu溶浸合金を加工率10%で塑
性加工した場合、塑性加工前後の熱膨張係数(800
℃)はCu含有量によって図1に示すごとく変化する。
この理由は現時点では明らかでないが、塑性加工によっ
て合金の複合化構造が一層ミクロに微細化されるためと
考えられる。
【0014】この図1から判るように、加工率10%の
塑性加工を加えることによって得られる本発明のMo−
Cu溶浸又は焼結合金の熱膨張係数は、塑性加工を施し
ていないCu含有量が同一の従来のMo−Cu溶浸又は
焼結合金に比べ、熱膨張係数が約1.0×10-6/℃低
減される。しかも、各Cu含有量毎に図1の括弧中に付
記した通り、Mo−Cu溶浸又は焼結合金の熱伝導率は
塑性加工の前後で変わらない。又、図1中に点線で示し
た熱膨張係数7.0〜8.0×10-6/℃の範囲は、パッ
ケージ材料として汎用されているアルミナとの組み合わ
せで許容できるMo−Cu溶浸又は焼結合金の熱膨張係
数の範囲である。
【0015】従って、熱膨張係数をアルミナと整合させ
るため例えば7.5×10-6/℃に定める場合、従来の
Mo−Cu溶浸又は焼結合金(塑性加工なし)では95
重量%のMo含有量が必要で、必然的に高価で熱伝導率
も120W/mKと低くなるが、本発明のMo−Cu溶
浸又は焼結合金によれば85重量%の少ないMo含有量
で良く、しかもCu含有量の増加によって低コストで且
つ熱伝導率も約160W/mK程度に増加した放熱基板
を得ることが出来る。
【0016】この様に、本発明の塑性加工を施したMo
−Cu溶浸又は焼結合金からなる放熱基板は、塑性加工
を施していないCu含有量が同一のMo−Cu溶浸又は
焼結合金からなる放熱基板に比べ、熱伝導率が同一であ
りながら、熱膨張係数を低減することが出来る。又、塑
性加工を施していない熱膨張係数が同一のMo−Cu溶
浸又は焼結合金からなる放熱基板に比べれば、Cu含有
量及び熱伝導率を増加させることができ、より低コスト
の放熱基板を提供することが可能となる。
【0017】又、本発明の放熱基板では、Mo含有量の
低減によりMo−Cu溶浸又は焼結合金の比重が小さく
なり、特に同程度の熱膨張係数のW−Cu溶浸又は焼結
合金の放熱基板に比べ比重が約60%小さくなるので、
半導体装置の軽量化にも適している。
【0018】本発明においては、Mo−Cu溶浸又は焼
結合金の熱膨張係数はCu含有量と塑性加工の加工率に
より精密に調整することができ、且つ熱膨張係数の低減
の程度は塑性加工の加工率に依存する。この加工率が5
%未満では熱膨張係数の低減は僅かであるが、熱膨張係
数を塑性加工前に比べて有意差のある0.5×10-6
℃以上低減させるためには5%以上の加工率が必要であ
る。しかし、加工率が30%を越えると塑性加工の巾方
向端に割れが生じ易くなるので、5〜30%の加工率が
好ましい。
【0019】又、本発明に係わるMo−Cu溶浸又は焼
結合金のCu含有量は、放熱基板としてMo基板に比べ
て利用価値のある5重量%以上であり、且つ熱膨張係数
の点で放熱基板として通常利用できる範囲を考慮して3
0重量%以下とする。特に、パッケージ材料として最も
広く使用されているアルミナと組み合わせる場合には、
熱膨張係数の整合を得るため、Cu含有量を10〜20
重量%とすることが好ましい。
【0020】尚、本発明に係わるMo−Cu溶浸は、合
金のCu含有量と塑性加工の加工率により定まる熱膨張
係数に応じ、放熱基板として各種の半導体素子又はパッ
ケージ材料等と組み合わせて利用出来る。例えばCu含
有量が5重量%の合金は図1から判るように加工率10
%で約6.5×10-6/℃の熱膨張係数となり、GaA
s半導体素子を支障なく搭載し得る。又、絶縁材フォル
ステライトは熱膨張係数が10.6×10-6/℃である
から、Cu含有量30重量%で加工率10%のMo−C
u溶浸又は焼結合金の熱膨張係数と良く一致している。
【0021】次に、本発明の放熱基板の製造方法につい
て説明する。本発明方法は、公知の溶浸法又は焼結法に
よりMo−Cu合金を製造し、この合金に塑性加工を施
してMo−Cu溶浸又は焼結合金からなる放熱基板とす
るものである。
【0022】Mo−Cu溶浸又は焼結合金の製造方法と
して、まず溶浸法ではMo粉末を加圧成形し、この成形
体を非酸化性雰囲気中で所定の空孔を有するように焼結
し、得られた多孔質焼結体に溶融させたCuを含浸させ
る。具体的には、平均粒径1〜40μmのMo粉末を加
圧成形した後、1300〜1600℃の非酸化性雰囲気
中で焼結して空孔率を調節した多孔質焼結体を製造し、
これにCuを含浸させることによりMo−Cu溶浸合金
が得られる。
【0023】Mo粉末の平均粒径が1μm未満では粉末
コストが高くなり、逆に40μmを越える粗粒ではMo
粒子が焼結時の粒成長により更に粗大化し、熱伝導率の
バラツキが大きくなるから好ましくない。尚、Mo粉末
は粗粒と微粒を適度に混ぜて使用すると、成形性並びに
焼結性が改善され好ましい。焼結雰囲気については非酸
化性雰囲気であれば良いが、中でも水素雰囲気又は真空
雰囲気が好ましい。しかし、焼結温度については、13
00℃未満では充分な強度を持ったMo骨格が形成され
ず、1600℃を越えると焼結が進行し過ぎるため一部
に独立空孔が生じ、所望のCu含有量が得られないの
で、1300〜1600℃とする必要がある。
【0024】焼結法においては、Mo粉末とCu粉末を
混合して加圧成形し、成形体を非酸化性雰囲気中で焼結
する。具体的には、平均粒径1〜40μmのMo粉末と
Cu粉末を混合し、加圧成形した後、1300〜160
0℃の非酸化性雰囲気中で焼結することによって、焼結
と同時にCuがMo粒子の間に充填されてMo−Cu焼
結合金が得られる。尚、焼結法における原料粉末、焼結
雰囲気及び焼結温度の考え方は、溶浸法と同様である。
【0025】本発明方法においては、上記溶浸法又は焼
結法のいずれかにより製造したMo−Cu溶浸又は焼結
合金を更に塑性加工するのであるが、溶浸法と焼結法の
いずれによるか、及び塑性加工の方法並びにその加工率
の選定については、放熱基板としての用途及び生産形態
等に応じて適宜選ぶことが出来る。又、塑性加工法につ
いては、熱間又は温間で塑性加工すれば少ない荷重でよ
り高い加工率を達成することが可能であるが、Cuの酸
化防止あるいは設備の保守等を考慮すると冷間での塑性
加工が望ましく、特に冷間一軸加圧法又は冷間圧延法が
好ましい。尚、塑性加工の加工率は前記の通り5〜30
%が好ましい。
【0026】従来の溶浸法で製造する放熱基板では、M
o−Cu溶浸合金の表面に付着した余剰のCuを全面切
削加工で除去し、更に切削加工により粗くなった表面を
ラップ加工する必要があったため、後加工工程が長くな
って放熱基板がコスト高になっていた。これに対し本発
明方法によれば、塑性加工を行うためラップ加工を省略
又は大幅に軽減することができ、Mo含有量の低減と相
俟って、放熱基板のコストを大幅に低減することが出来
る。
【0027】更に、従来のMo−Cu溶浸又は焼結合金
ではMo含有量が多くなるにつれて空孔等の欠陥が多発
していたが、本発明方法では塑性加工を行うので、空孔
等の欠陥を無くし、合金の密度比をほぼ100%にする
ことができる。その結果、放熱基板にメッキを施した場
合に欠陥に起因するメッキの膨れ、染み、ムラ等の発生
がなくなり、又パッケージとの接合部が欠陥により劣化
することがなく、パッケージの気密性や耐熱衝撃性を保
持できるため、高い信頼性を要求される用途にも半導体
装置用放熱基板として使用できる。
【0028】
【実施例】平均粒径3.0μmのMo粉末を2ton/
cm2の圧力で型押成形し、寸法が100mm×50m
m×3mmの成形体を作製し、水素ガス雰囲気中におい
て1300〜1600℃で焼結し、Moの多孔質焼結体
を製造した。その後、この多孔質焼結体を水素ガス雰囲
気中で1100〜1400℃に加熱し、溶融したCuを
多孔質焼結体の空孔内に含浸させて、表1に示す溶浸法
による各Mo−Cu溶浸合金を得た。
【0029】一方、平均粒径3.0μmのMo粉末と平
均粒径2.0μmのCu粉末とを混合し、2ton/c
2の圧力で型押成形して上記と同一寸法の成形体を作
製し、水素ガス雰囲気中において1300〜1600℃
で焼結することによって、表1に示す焼結法による各M
o−Cu焼結合金を製造した。
【0030】かくして得られた溶浸法と焼結法の各Mo
−Cu溶浸又は焼結合金を、表面の余剰Cuや汚れを除
去するために表面粗研削し、寸法を80mm×40mm
×2mmに加工した。その後、各Mo−Cu溶浸又は焼
結合金から試料片を切り出して、それぞれ塑性加工前の
熱伝導率及び熱膨張係数を測定した結果を表1に示し
た。
【0031】その後、各Mo−Cu溶浸又は焼結合金に
ついて、表1に示すように冷間圧延法又は冷間一軸加圧
法により加工率3〜35%の塑性加工をそれぞれ施し
た。塑性加工後の各Mo−Cu溶浸又は焼結合金から試
料片を切り出し、それぞれ塑性加工後の熱伝導率及び熱
膨張係数を測定した結果を表1に併せて示した。尚、熱
伝導率は塑性加工の前後で変化が無かった。
【0032】
【表1】 Cu量 合金 熱伝導率 冷間塑性 加工率 熱膨張係数(×10-6/℃)試料 (wt%) 製法 (W/mK) 加工方法 (%) 塑性加工前 塑性加工後 1 5 溶浸 120 圧延ロール 10 7.5 6.5 2 10 〃 140 〃 10 8.0 7.0 3 20 〃 180 〃 10 9.1 8.0 4 25 〃 190 〃 10 10.0 8.9 5 30 〃 200 〃 10 12.1 11.0 6 5 焼結 110 〃 10 7.4 6.5 7 10 〃 130 〃 10 7.9 7.0 8 20 〃 170 〃 10 9.1 8.2 9 25 〃 180 〃 10 10.5 9.0 10 30 〃 190 一軸加圧 10 13.0 11.0 11 10 溶浸 140 〃 10 8.0 7.0 12 10 焼結 130 圧延ロール 10 7.9 7.0 13 10 溶浸 140 〃 25 8.0 6.8 14 10 〃 140 〃 5 8.0 7.2 15 10 焼結 130 〃 25 7.9 6.8 16 10 〃 130 〃 5 7.9 7.2 17* 10 溶浸 140 〃 3 8.0 7.9 18* 10 〃 140 〃 35(割れ) 8.0 6.5 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0033】表1の結果から判るように、塑性加工にお
ける加工率が3%の試料17では熱膨張係数の低減が極
めて少なく、加工率が35%の試料18は熱膨張係数が
低減されるものの塑性加工後に巾方向端部に割れが生
じ、放熱基板として品質が不適当であった。一方、加工
率が10%及び25%の本発明の各試料1〜16では、
合金製造法が溶浸法又は焼結法のいずれであっても、更
に塑性加工の方法いかんに拘らず、塑性加工によって高
い熱伝導率を維持しながら熱膨張係数が0.7×10-6
/℃以上低減されている。
【0034】又、Cu含有量が10重量%のMo−Cu
焼結合金(試料7)について、塑性加工前後の試料の断
面を電子顕微鏡観察した。塑性加工前は図2に示すよう
にMo粒子がほぼ球形で、部分的に空孔(黒色部分)の
存在が認められるが、塑性加工後には図3に示すように
Mo粒子が偏平に変形し、密度比100%に緻密化され
て、空孔の無い健全な金属組織になっていることが判明
した。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、半導体素子のSiやG
aAs並びに各種パッケージ材料、特にアルミナと熱膨
張係数を簡単且つ精密に整合させることができ、空孔や
亀裂等の欠陥が無く信頼性の高いMo−Cu溶浸又は焼
結合金からなる半導体装置用放熱基板を、低コストで提
供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶浸法によるMo−Cu溶浸合金を加工率10
%で塑性加工した時の塑性加工前後の熱膨張係数(80
0℃)と、Cu含有量との関係を示すグラフである。各
Cu含有量毎に括弧中に付記した値は当該合金の熱伝導
率である。
【図2】焼結法によるCu含有量10重量%のMo−C
u溶浸合金の塑性加工前における金属組織の電子顕微写
真(400倍)である。
【図3】焼結法によるCu含有量10重量%のMo−C
u溶浸合金の塑性加工後における金属組織の電子顕微写
真(400倍)である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塑性加工を施したCu含有量5〜30重
    量%のMo−Cu溶浸又は焼結合金からなる半導体装置
    用放熱基板。
  2. 【請求項2】 Cu含有量が10〜20重量%であるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置用放熱基
    板。
  3. 【請求項3】 空孔が存在せず、密度比がほぼ100%
    であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導
    体装置用放熱基板。
  4. 【請求項4】 塑性加工を施していないCu含有量が同
    一のMo−Cu溶浸又は焼結合金からなる放熱基板に比
    べ、熱伝導率が同一で、熱膨張係数が0.5×10-6
    ℃以上低減されていることを特徴とする、請求項1ない
    し3のいずれかに記載の半導体装置用放熱基板。
  5. 【請求項5】 溶浸法又は焼結法によりCu含有量5〜
    30重量%のMo−Cu溶浸又は焼結合金を製造し、得
    られたMo−Cu溶浸又は焼結合金に加工率5〜30%
    の塑性加工を施すことを特徴とする半導体装置用放熱基
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】 Cu含有量を10〜20重量%とするこ
    とを特徴とする、請求項5に記載の半導体装置用放熱基
    板の製造方法。
  7. 【請求項7】 塑性加工法が冷間一軸加圧法又は冷間圧
    延法であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の
    半導体装置用放熱基板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7547412B2 (en) 2002-10-28 2009-06-16 A.L.M.T. Corporation Composite material, method for producing same and member using same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7547412B2 (en) 2002-10-28 2009-06-16 A.L.M.T. Corporation Composite material, method for producing same and member using same

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