JPH06310404A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH06310404A
JPH06310404A JP5098019A JP9801993A JPH06310404A JP H06310404 A JPH06310404 A JP H06310404A JP 5098019 A JP5098019 A JP 5098019A JP 9801993 A JP9801993 A JP 9801993A JP H06310404 A JPH06310404 A JP H06310404A
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JP
Japan
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mark
light
beams
reticle
plane
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Pending
Application number
JP5098019A
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English (en)
Inventor
Hideo Mizutani
英夫 水谷
Toru Kiuchi
徹 木内
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Publication of JPH06310404A publication Critical patent/JPH06310404A/ja
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レチクルとウェハとを投影光学系を介して別
波長アライメントする際、レチクルマークからの検出光
にノイズ光が混入することを防止する。 【構成】 投影光学系の瞳面のアライメントビーム通過
位置に位相格子を設け、アライメントビームの光路のみ
について、レチクル面から一定量離れた空間中の面とウ
ェハ面とで互いに共役にする。 【効果】 瞳面の位相格子は、別波長アライメントビー
ムのもとでレチクル面とウェハ面とを共役にしないた
め、ウェハ面で反射した光がレチクルマークの検出光に
重畳し難い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレチクル(マスク)のパ
ターンを、投影光学系を介して感光基板上に形成された
パターンへ重ね合わせ露光する装置のアライメント(位
置合わせ)装置に関するものであり、特に露光用の照明
光と異なる波長の照明光を投影光学系を介して感光基板
上に照射するアライメント装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の投影露光装置の投影光学
系は、露光用の照明光の波長において最良の像質でレチ
クルの回路パターンを感光基板へ結像するように、色収
差とともに各種の収差が補正されている。従って、レチ
クルと感光基板とをアライメントする最も理想的な方法
は、レチクル上のアライメントマークと感光基板上のア
ライメントマークとを露光用照明光(波長365nm、
あるいは248nm等の紫外線)と同じ波長の照明光で
照射し、両方のマークをレチクルの上方に配置されたア
ライメント光学系を介して光電的に検出する方法であ
る。しかしながら、露光波長を利用したマーク検出は、
感光基板上のフォトレジスト層の影響によって必ずしも
良好なマーク検出結果が得られるとは限らない。これは
フォトレジスト層の露光波長の吸収や薄膜干渉現象等に
よって、マークを光電検出したときの信号波形等に大き
な歪みが生じることが主な原因である。
【0003】そこで、近年のサブミクロン領域の投影露
光を可能とする投影露光装置(ステッパー)では、フォ
トレジスト層による光学的な歪みの付加を低減し、フォ
トレジストの不要な感光をさける目的で露光波長よりも
十分に長い波長、例えばHe−Neレーザの赤色光を照
明光として感光基板上のマークを検出するアライメント
方式が主流となってきた。
【0004】He−Neレーザ光を用いたアライメント
装置は、大別して2つの方式があり、その1つはアライ
メント光学系からHe−Neレーザによる照明ビームを
投影光学系のみを介して感光基板上へ投射し、感光基板
のマークからの反射光(散乱、回折光も含む)を投影光
学系のみを介してアライメント光学系で検出するTTL
(スルーザレンズ)方式である。このTTL方式は、H
e−Neレーザの波長633nmにおいてレチクルと感
光基板とを互いに共役にする必要がないため、投影光学
系で発生する軸上色収差や倍率色収差を考える必要がな
く、比較的容易にアライメント光学系を組むことができ
た。ただしTTL方式では、感光基板上のマークの位置
を検出するだけなので、レチクルの回路パターンの中心
点の投影位置とTTL方式のアライメント光学系のマー
ク検出位置との間の距離、所謂ベースラインを時々精密
に測定し、そのベースラインの値を管理しておかなけれ
ばならないといった問題点もある。
【0005】He−Neレーザ光を用いたもう1つの方
式は、投影光学系の瞳面(フーリエ変換面)の中心に径
が小さい正の単レンズ(補正レンズ)を配置すること
で、投影光学系の極めて小さい開口数の光路に関しての
み、レチクルと感光基板とをHe−Neレーザ光の波長
のもとで互いに共役にし、感光基板のマークからの反射
光を投影光学系及び補正レンズを介してレチクル上に結
像させ、そこにできた感光基板のマーク像と、レチクル
上のマークとを同時にアライメント光学系で検出するT
TR(スルーザレチクル)方式である。
【0006】このようなTTRアライメント方式は、例
えば米国特許第5,100,237号公報(以下US
P.’237とする)に開示されている。さらにこの公
報には、レチクル上のマーク、感光基板上のマークとし
て1次元の回折格子を設け、これら回折格子に対称的な
入射角をもつ2本の照明ビームを照射し、レチクルの回
折格子からの干渉光と、感光基板の回折格子から発生し
て投影光学系、補正レンズを介してレチクル側へ戻って
くる干渉光とを光電検出することによって、レチクルと
感光基板とを回折格子のピッチ方向にアライメントする
方法が開示されている。
【0007】図1は、USP.’237に開示された投
影光学系の構成とアライメント用の照明ビームの光路と
を模式的に表したものであり、図2はUSP.’237
に示されたレチクルR上のマークと感光基板(以下、ウ
ェハWとする)上のマークとの位置関係を表す斜視図で
ある。図2(A)に示すように、レチクルR上の回路パ
ターン領域の周辺には遮光帯(斜線部)が形成され、そ
の一部に、回折格子によるレチクルマークRMxと透明
窓WIとが設けられている。レチクルマークRMxはY
方向に延びた微小ラインをX方向に一定ピッチで刻設し
たものであり、窓WIはレチクルマークRMxに対して
レチクル中心側で近接するようにY方向に並んで配置さ
れる。
【0008】また図2(B)に示すように、ウェハW上
のショット領域とショット領域との間には幅ysでスト
リートラインSTLが設けられ、そのストリートライン
STL内にウェハマーク形成領域MAが設定される。こ
の領域MA内には、Y方向に延びた微小ラインをX方向
に一定ピッチで刻設した格子状のウェハマークWMx
が、レチクルR上の窓WIに対応した配置で形成され
る。このウェハマークWMxは、マーク形成領域MA内
でショット領域の中心側の半分の領域に形成され、他の
半分の領域はブランク領域になっている。
【0009】さて、このようなマーク配置に対して、図
2(A)、及び図1(A)に示すように、レチクルマー
クRMxと窓WIとの両方を包含する太さ(径)を有す
る2本の可干渉性の照明ビーム(He−Neレーザ)L
1 、LB2 を、レチクルRのマーク面で交差するよう
に入射する。この2本のビームLB1 、LB2 の入射角
は、アライメント光学系の光軸AXaに関して対称にな
るように定められ、かつ交差角はレチクルマークRMx
のピッチPgrに対してPgr/2のピッチの干渉縞を
生成するように定められる。従ってレチクルマークRM
xからは、ビームLB1 の入射によって発生した−1次
回折光と、ビームLB2 の入射によって発生した+1次
回折光とが光軸AXaと平行な方向に同軸になって進
む。この2つの1次回折光は互いに干渉した干渉光BT
rとなり、その強度は干渉縞とレチクルマークRMxと
のX方向の位置関係に対応したものとなる。
【0010】一方、レチクルR上の窓WIを通過した2
本のビームLB1 、LB2 は、図1(A)に示されたよ
うに、前側レンズ群GAと後側レンズ群GBとで構成さ
れる両側テレセントリックな投影レンズ系に入射する。
そして2本のビームLB1 、LB2 は投影レンズ系の瞳
面EPの中心に配置された補正レンズCLによって軸上
色収差に対応した量だけ屈折され、ウェハW上で交差す
る。この補正レンズCLは、露光時の結像光束への影響
を少なくするために、極力小さな径、例えば瞳面EPの
有効径に対して10%以下になるように定められる。
尚、補正レンズCLがない場合、2本のビームLB1
LB2 は破線で示すようにウェハW上で交差させること
ができない。
【0011】さて、ウェハW上で交差する2本のビーム
LB1 、LB2 はウェハマークWMxの上に干渉縞を生
成する。ウェハマークWMxのピッチをPgwとする
と、ウェハ上の干渉縞のピッチはPgw/2に定められ
る。従って、ウェハマークWMxからは、図2(B)に
示すようにアライメント光学系の光軸AXaと平行な方
向に±1次回折光の干渉光BTwが発生する。この干渉
光BTwは投影レンズ系と補正レンズCLとを介してレ
チクルRの窓WIの位置まで戻り、さらにこの窓WIを
通過して、干渉光BTrと平行になってアライメント光
学系へ入射する。その干渉光BTrの強度は、ウェハW
上の干渉縞とウェハマークWMxとのピッチ方向の相対
位置に応じて変化する。
【0012】従って、アライメント光学系を介して得ら
れる干渉光BTrとBTwとをそれぞれ光電検出し、各
光電信号のレベル変化、もしくは各光電信号の位相差を
求めることによって、レチクルマークRMxとウェハマ
ークWMxとのX方向の相対位置誤差がわかる。尚、図
1(B)は、図1(A)の光路を直交する方向(X方
向)から見た図であり、この方向から見ると、ウェハへ
達する2本のビームLB1 、LB2 とウェハマークWM
xからの干渉光BTwとは重なってみえる。また瞳面E
Pに単レンズCLを入れると、軸上色収差は補正できる
が、倍率色収差の補正は、ほとんどの場合、不十分であ
る。このためUSP.’237にはレチクルRと投影レ
ンズ系との間のアライメント光路中に、倍率色収差補正
用のレンズ素子、プリズム等を付加することも開示され
ている。
【0013】以上の図1、図2の構成で、2本の照射ビ
ームLB1 、LB2 の間に一定の周波数差Δf(例えば
数十KHz)を与えると、干渉光BTr、BTwは周波
数Δfで強度変調され、2つの光電信号はいずれも周波
数Δfの交流信号(正弦波)となる。そのため、レチク
ルマークRMxとウェハマークWMxとの相対位置ずれ
量は、2つの光電信号の位相差から求めることになる。
【0014】また本願と同一出願人により出願された特
願平4−136669号には、図1に示した補正レンズ
CLの代わりに、照明ビームLB1 、LB2 や干渉光B
Twが通る瞳面EP内の位置のみに位相格子を配置して
軸上色収差と倍率色収差の両方を補正する方式が開示さ
れている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の従来
の技術においては、アライメント用の照明ビームや検出
ビームの光路において、軸上色収差がほぼ完全に補正さ
れているという大きな利点が得られる反面、回折格子状
のマークを2本のビームの干渉縞で照明するアライメン
ト方式にとってはその利点が逆に大きな欠点となること
が発見された。
【0016】一般にレチクルマークRMxは、レチクル
Rのパターン面のクロム層をエッチングして形成される
ため、透過型の回折格子にもなっている。そのため、レ
チクルマークRMxからは投影レンズ系へ入射する透過
回折光(0次光,±1次回折光等)が発生する。この透
過回折光のうち少なくとも2本の0次光は、ウェハマー
クWMxに達する照明ビームLB1 、LB2 と同じ光路
を通り、補正レンズCL(もしくは位相格子)を通って
ウェハW上で交差する。
【0017】このため、ウェハW上のマーク形成領域内
のブランク領域には、レチクルマークRMxの回折像に
対応した干渉縞が生成(結像)される。さらに、そのブ
ランク領域で正反射され、散乱、回折された反射光は、
再び投影レンズ系に入射し、補正レンズCL(又は位相
格子)を通って再びレチクルRのパターン面(マーク
面)に結像する。仮に、ウェハW上において2本のビー
ムLB1 、LB2 を含む面がウェハ面と垂直(換言する
と、光軸AXと平行)であって、倍率色収差もそれ程大
きくないものとすると、ウェハW上のブランク領域から
の反射光はレチクルマークRMxと重畳することにな
り、レチクルマークRMxから直接得られる干渉光BT
rには、ブランク領域からの反射光がノイズとして混入
することになる。ブランク領域がほぼ完全な反射面にな
っていればよいが、何らかの段差構造が形成されていた
りすると、それによって干渉光BTrの光電検出信号は
歪みを生じる。
【0018】あるいは、図2(B)においてウェハW上
のストリートラインSTLの幅ysをウェハマークWM
xの幅程度に狭くしてあった場合、レチクルマークRM
xを透過した2本の0次光はウェハW上で隣りのショッ
ト内の周辺部に投射されるため、そこに形成されている
段差構造のパターンによっては、強い散乱光や回折光が
発生し、干渉光BTrに含まれるノイズ成分が多くな
る。
【0019】以上のことから、レチクルマークRMxか
らの干渉光BTrには、ウェハWからのノイズ成分が重
畳しやすくなり、そのノイズ成分の大小によってマーク
RMxの位置検出精度が変化することになる。本来、干
渉縞を利用したアライメント方式ではナノ・メータのオ
ーダでマーク位置検出が可能とされているが、上記のノ
イズ成分の影響によって必ずしもそのオーダの検出精度
が得られなくなるのである。
【0020】このように干渉光BTw、BTrによっ
て、ウェハマークWMx、レチクルマークRMxの位置
を計測する系においては、本来の信号光にわずかな迷光
が混入し、それが本来の信号光と干渉するものである
と、それは多かれ少なかれ信号光に歪みを与え、位相差
に基づいた位置計測、すなわちヘテロダインアライメン
ト方式ではその歪みが位相角に影響を及ぼすといった問
題を生じる。
【0021】そこで本発明は、投影光学系を介して露光
光と異なる波長のアライメント用照明ビームを、レチク
ルと感光基板とに投射する際、レチクル上のアライメン
トマークを透過して感光基板で反射した光による影響を
低減させて、より高精度なアライメントを達成する装置
を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、基本的に図3に示すような基本構成を採
る。すなわち、転写すべきパターンが形成されたマスク
(レチクルR)を露光光(I1 )で照射する照明光学系
と、その露光光(I1 )のもとで最良の結像性能を有す
る投影光学系(PL)と、その露光光と異なる波長のア
ライメントビーム(LB1 、LB2 )をレチクルRに形
成された第1格子マーク(レチクルマークRMx等)と
その近傍の透明部(窓WI)とに向けて照射するととも
に、透明部(WI)と投影光学系(PL)とを介して感
光基板(ウェハW)に形成された第2格子マーク(ウェ
ハマークWMx等)に照射するビーム照射手段(対物レ
ンズOBを含む)と、第2格子マーク(WMx)から発
生して、投影光学系(PL)とレチクルRの透明部(W
I)とを介して進む回折光と、第1格子マーク(RM
x)から発生した回折光とを受光する光電検出器を有
し、その検出器の出力信号に基づいてレチクルRとウェ
ハWとの相対的な位置ずれを検出するマーク位置検出手
段とを設ける。
【0023】そして本発明では、ビーム照射手段の一部
に、第1格子マーク(RMx)上で交差する2本の第1
アライメントビーム(LBR1 、LBR2 )と、第1格
子マーク(RMx)を照射することなくレチクルR上の
透明部(WI)のみを通るように、レチクルRのパター
ン面から間隔Dだけ離れた空間中で交差する2本の第2
アライメントビーム(LBW1 、LBW2 )とを生成す
る4ビーム生成部材(2重点素子DF等)を設ける。
【0024】さらに本発明では、図3に示すように、投
影光学系(PL)の瞳面(EP)内で2本の第2アライ
メントビーム(LBW1 、LBW2 )の通る部分に配置
されて、2本の第2アライメントビーム(LBW1 、L
BW2 )が投影光学系(PL)を介して第2格子マーク
(WMx)上で交差するように偏向させる複数の光学素
子(位相格子GX1 、GX2 等)を設ける。
【0025】そしてこれらの光学素子(GX1 、GX2
等)によって、アライメントビームの波長(図3中の光
束I2 の波長と同一)においてレチクルR側で生じる本
来の軸上色収差Lcを少なくとも第2アライメントビー
ム(LBw1 、LBw2 )の光路については間隔Dまで
補正することを特徴としている。
【0026】
【作用】本発明では、図3に示すように、ウェハW上で
交差する2本のアライメントビーム(LBW1 、LBW
2 )を、瞳面EPに配置した補正板(透明ガラス板)P
C上の位相格子GX1 、GX2 で回折偏向させて得るよ
うにしたが、本発明が従来の技術と本質的に異なる点
は、レチクルRの窓WIを通ってウェハWへ向けられる
2本のビーム(LBW1 、LBW2 )のレチクルR側で
の交差位置を、あえて窓WIの位置から光軸AX方向に
間隔Dだけずらし、位相格子GX1 、GX2等の補正素
子を設けたにもかかわらず、アライメントビーム(LB
1 、LBW 2 )の波長のもとで軸上色収差をDだけ残
すようにしたのである。すなわち、ウェハマークを照射
する2本のアライメントビームの光路上では、レチクル
RとウェハWとが軸上色収差量Dを伴って共役になるよ
うに設計された位相格子GX1、GX2 等を設け、レチ
クルマークを照射する2本のアライメントビームはレチ
クル上で交差するように入射させる。
【0027】このようにすると、レチクルマーク(RM
x)を透過したビームは、例え位相格子GX1 、GX2
等に入射したとしても、最早ウェハW上では交差しなく
なる。そのため、ウェハW上でさらに反射してレチクル
Rに戻ってくるビームは、レチクルマークRMxからは
大きくずれた位置に当たる。これによって、レチクルマ
ークRMxから直接発生した回折光(±1次光)に含ま
れ得るノイズ成分は大幅に低減されることになる。ま
た、ウェハW上で反射してレチクルRに戻ってくる2本
のビームは、ヘテロダイン方式の場合、周波数差Δfを
持つので、それら2本の反射ビームがレチクルRのマー
ク位置で交差してしまうと、干渉光(BTr)にビート
周波数と同じノイズ成分が混入することになるが、本発
明では反射ビームがレチクル上で交差しないため、その
ような不都合はない。
【0028】
【実施例】次に本発明の各実施例を説明するが、その第
1の実施例はUSP.’237に開示されたような補正
レンズ(凸レンズ)CL(図1参照)を投影光学系PL
の瞳中心に配置するとともに、その補正レンズCLによ
る軸上色収差をレチクルRの上方の間隔Dまで補正する
ようにし、さらに2焦点素子DF等を用いて、レチクル
マークRMx上で交差する2本のビームと、レチクルR
の上方の間隔Dの空間位置とウェハマークWMx上とで
交差する2本のビームとの計4本のビームを使うように
構成したことである。
【0029】ここで間隔Dは、アライメントビームの波
長をλ1 、レチクルマークRMxのピッチ方向の幅、も
しくはレチクルマークRMx上で交差したビームのピッ
チ方向の有効照射幅をdiとすると、D≧(Pgr・d
i)/2λ1 の関係に定められる。図4は第1の実施例
による投影光学系PLの構成とアライメント用ビームの
光路とを模式的に示した図である。後で詳しく説明する
が、レチクルマークRMxやウェハマークWMxを照射
する2本のビームは、いずれもほぼ平行光束である。そ
こで図4では、特にレチクルマークRMxの照明ビーム
LBR1 、LBR2の振舞いについて説明する。図4中
の面P0 はレチクルRのパターン面から間隔Dだけ離れ
ており、補正レンズCLによってビームLBR1 、LB
2 の波長λ 1 のもとでウェハWの表面と共役になる面
である。従って、レチクルマークRMxを入射角θrで
斜めに照射する平行ビームLBR2 は、投影光学系PL
の前側レンズ群GAによって瞳面EP内の偏心した位置
でビームウェストとなって収斂するとともに、補正レン
ズCLによって所定角度だけ屈折されて後側レンズ群G
Bに発散ビームとなって入射する。そしてビームLBR
2 は、後側レンズ群GBから再び傾いた平行ビームとな
ってウェハWに達する。そのビームLBR2 のウェハW
での正規反射光(反射ビーム)LBR2 ’は、投影光学
系PL内の後側レンズ群GB、補正レンズCL、及び前
側レンズ群GAを順に通って平行光束となってレチクル
Rへ戻る。反射ビームLBR2 ’は、瞳面EP内では光
軸AXを挟んで送光側のビームLBR2 の通過位置と対
称的な位置でビームウェストとなる。
【0030】レチクルRに向かう反射ビームLBR2
は、レチクルマークRMxからX方向にずれたレチクル
上の部分に達し、その部分が透明であると、面P0 で送
光側のビームLBR2 と交差する。従って、送光ビーム
LBR2 と反射ビームLBR 2 ’とが面P0 内で交差す
る領域の中心位置の光軸AXからのずれ量をΔXrとす
ると、ウェハW上の送光ビームLBR2 の照射領域の中
心位置が光軸AXからずれる量は、−ΔXr/Mとな
る。ここでMは投影光学系PLの縮小倍率1/Mに対応
し、1/5縮小投影レンズではM=5である。
【0031】一方、レチクルマークRMxを照射するも
う1つの送光ビームLBR1 は、光軸AXに対して送光
ビームLBR2 の光路と対称的な光路を通ってウェハW
へ達する。このとき送光ビームLBR1 の瞳面EP内で
の通過位置は、反射ビームLBR2 ’の通過位置と同じ
になり、さらにウェハW上での照射領域は光軸AXを挟
んで送光ビームLBR2 の照射領域と対称的に、X方向
に分離して位置する。そして送光ビームLBR1 のウェ
ハWでの反射ビームLBR1 ’は、瞳面EP内の送光ビ
ームLBR2 の通過位置と同じ位置でビームウェストと
なった後、レチクルRを平行光束となって透過し、面P
0 で送光ビームLBR1 と交差する。
【0032】尚、図4において、面P0 内の光軸AXの
位置で交差する2本の破線は、ウェハW上のマークを照
射する2本の送光ビームLBR1 、LBR2 (入射角±
θr)の光路を表し、この光路はウェハW上でも交差す
る。以上の幾何光学的な解析から明らかなように、レチ
クルマークRMxの照射ビームLBR1 、LBR2 のウ
ェハWでの反射ビームLBR1 ’、LBR2 ’は、ウェ
ハ共役面P0 ではX方向に2・ΔXrだけ中心位置が離
間するとともに、互いに部分的に交差することもない。
すなわち、面P0 はウェハ面と共役であるから、2本の
反射ビームLBR1 ’、LBR2 ’が面P0 で部分的に
も交差しないと言うことは、ウェハ面上の2本の送光ビ
ームLBR1 、LBR2 の各照射領域が互いに重畳しな
いことを意味する。
【0033】送光ビームLBR1 、LBR2 に一定の周
波数差Δfを持たせたヘテロダイン方式の場合、それら
ビームLBR1 、LBR2 がウェハW上で重畳しないと
言うことは、ウェハ上のビームLBR1 、LBR2 の各
照射領域内に何らかのパターンが存在して、そこから回
折光、散乱光が発生しても、それら回折、散乱光は周波
数差Δfのビート周波数を持たないことを意味する。す
なわち、ヘテロダイン方式の場合の検出光である干渉光
BTr、BTwと同じビート周波数を持つノイズ光成分
もなくなると言うことである。
【0034】また図4に示すように、2つの反射ビーム
LBR1 ’、LBR2 ’は面P0 よりも遠方の面P0
で交差することになるが、面P0 ’のレチクルRからの
距離は2・Dになる。そこで面P0 とレチクルRとの間
隔Dの最小値について、さらに図5を参照して説明す
る。図5は図4中のレチクルRよりも上方の光路の様子
を拡大して表したものである。また図5において、送光
ビームLBR1 、LBR2 、反射ビームLBR1 ’、L
BR2 ’のレチクル面内、もしくは面P0 内でのX方向
の幅はdiとする。この図5から、2つの反射ビームL
BR1 ’、LBR2 ’が面P0 内で部分的に交差し始め
るのは、反射ビームLBR1 ’、LBR2 ’の面P0
での中心位置の光軸AXaからのずれ量ΔXrがビーム
幅diとの関係において、ΔXr≦di/2を満たすと
きである。
【0035】ところで2本の反射ビームLBR1 ’、L
BR2 ’は、投影光学系PLが両側テレセントリックで
あるため、送光ビームLBR1 、LBR2 と平行に戻っ
てくる。従って反射ビームLBR1 ’、LBR2 ’の光
軸AXaからの傾きも±θrである。さらに送光ビーム
LBR1 、LBR2 の入射角θrは、特開昭63−28
3129号公報、特開平2−116116号公報等に開
示されているように、レチクルマークRMxのピッチP
grとビームの波長λ1 との関係から、±1次回折光を
干渉光BTrとして垂直に発生させる場合は、sinθ
r=λ1 /Pgrで一義的に決められている。
【0036】ここでΔXr=di/2の限界条件を仮定
すると、2つの反射ビームLBR1’、LBR2 ’は面
1 よりも上方で交差し始める。面P1 は2つの送光ビ
ームLBR1 、LBR2 が交差し始める高さ位置である
とともに、ΔXr=di/2の条件のもとでウェハWと
共役になる面でもある。このことから、間隔Dが最小値
をとる面は面P1 ということになる。面P1 の高さ位置
D’は、幾何光学的にsinθr≒(di/2)/D’
の関係から求められる。従って、送光ビームの入射角の
条件から、λ1 /Pgr=(di/2)/D’となり、
この式を変形すると、D’=di・Pgr/2λ1 が導
かれる。
【0037】従って先に述べたように、面P0 の間隔D
がD≧D’であれば、2つの送光ビームLBR1 、LB
2 のウェハW上での各照射領域は互いに重畳する部分
がなく、分離したものとなる。ここで具体的な一例をあ
げると、波長λ1 をHe−Neレーザ光の633nm、
レチクルマークRMxのピッチPgrを10μm(5μ
mのラインとスペースによる格子)としたとき、送光ビ
ームLBR1 、LBR 2 の入射角θrは約3.63°に
なる。またこのとき、レチクルマークRMxのラインの
本数を20本程度にすると、マークRMxのピッチ方向
の幅は約200μm程度になるため、送光ビームの幅d
iはビーム照射位置の設定精度も考慮して最小値で約2
40μm程度にする。これにより最小間隔D’は先の式
より、約1900μmになる。
【0038】またウェハマークWMxの格子を安定に形
成するという観点から考えたとき、ウェハマークWMx
の格子1本の線幅は2μm程度が望ましい。従ってウェ
ハマークWMxのピッチは4μmとなり、投影光学系P
Lの縮小倍率を1/5とすると、それに応じてレチクル
マークRMxのピッチPgrは20μm、マークRMx
の幅は400μm程度に設定され、送光ビームの幅di
もそれに合わせて最小値で440μm程度になる。この
場合、最小間隔D’は先の式より約7000μmにな
る。
【0039】以上の数値例から実際の間隔Dは、例えば
10mm程度あれば十分である。このように、面P0
レチクル面から10mm程度も離れていると、この面P
0 は最早レチクル面に対して軸上色収差が補正されてい
る範疇とは言えず、むしろ補正されていないと言うべき
ものである。従って、先の図3に示した光束I2 (波長
λ1 )の結像状態のように、ウェハW上の1点から発生
した波長λ1 の光束が、補正レンズCLや後述する位相
格子による補正を受けることなく投影光学系PLによっ
てレチクルR側に結像する点とレチクルRのパターン面
との間隔Lc(投影光学系PLの本来の軸上色収差量)
が、設定すべき間隔Dよりも大きいとき、補正レンズC
Lや位相格子(GX1、GX2 、GX3 ・・・等)は、
ビームをより内側(光軸側)へ屈曲させる作用(例えば
正の屈折力)を持つ。
【0040】逆に、送光ビームの波長λ1 が露光光の波
長λ0 と近似しているか、もしくは一致しているとき
は、本来の軸上色収差量Lcが設定すべき間隔Dよりも
小さいため、補正レンズCLや位相格子(GX1 、GX
2 、GX3 ・・・等)にはビームをより外側へ屈曲させ
る作用(例えば負の屈折力)を持たせることになる。次
に図3〜図5の系を実現するためのアライメント装置の
送光系について、図6〜図9を参照して説明する。本実
施例では、図3に示したような2焦点素子DFによって
レチクルマークRMx用の2本の送光ビームとウェハマ
ークWMx用の2本の送光ビームとを作成する代わり
に、送光系内部で予め分離した4本の送光ビームLBR
1 、LBR2 、LBW1 、LBW2 を作成するようにし
た。
【0041】例えば、特開平2−227602号公報、
特開平2−231504号公報に開示されているよう
に、従来の2焦点素子DFでは、それに入射する2本の
ビームLB1 、LB2 を複屈折作用によって4本のビー
ムに分けている。そのため、レチクルマーク照射用の2
本のビームLBR1 、LBR2 とウェハマーク照射用の
2本のビームLBW1 、LBW2 とは偏光状態が互いに
直交したものになっている。また2焦点素子DFを使う
と、図2に示した各マーク配置の場合に、レチクルマー
クRMx用の2本のビームとウェハマークWMx用の2
本のビームとのレチクル上での各照射領域を完全に分離
させることが難しい。なぜなら、マークのピッチ方向に
ついては、2本のビームの入射角θr、ビーム幅di、
間隔D等に基づいて容易に分離させることが可能である
が、マークの非計測方向(図2ではY方向)について
は、2焦点素子DFに入射するビームLB1 、LB2
夫々が、レチクルマークRMxと窓WIとの両方をY方
向にカバーするビーム幅を持っていなければならないか
らである。
【0042】このような場合、レチクルマークRMxか
らの干渉光BTrとウェハマークWMxからの干渉光B
Twとは、互いに直交した偏光になるため、受光系の内
部の光電検出器までは偏光ビームスプリッタ等を介する
ことによって、逆方向の偏光成分のノイズ光をカットし
た状態で導くこともできる。しかしながら、偏光ビーム
スプリッタの偏光分離特性(消光比)を完全にすること
は難しく、数%程度の混入が生じる。
【0043】そこで図6〜図9に示した実施例では、敢
えて2焦点素子DFを用いずに、空間的にほぼ完全に分
離し得る4本の独立したビームを作るようにした。また
投影光学系PLの瞳面EPに配置する補正素子は、US
P.’237のような単レンズでもよいし、又は本願と
同一出願人による先の出願、特願平4−136669号
に詳細に開示され、図3にも示された位相格子GX1
GX2 、GX3 ・・・でもよい。
【0044】さて、図6において、レチクルマークRM
xと窓WIは図2と同様の形状、配置であるものとする
と、レチクルマークRMxを照射する2本のビームLB
1、LBR2 と、ウェハマークを照射する2本のビー
ムLBW1 、LBW2 とは、アライメント系の対物レン
ズOBの光軸AXaと平行なZ軸とマークRMxのピッ
チ方向に延びたX軸とを含むZ−X平面内で交差する。
ここで以後の説明を簡単にするため、対物レンズOBか
ら投影光学系PLまでの空間、又はレチクルと共役な面
を空中に有する空間を便宜上像空間と呼び、投影光学系
PLの前側レンズ群GAから後側レンズ群GBまでの空
間、又は瞳面EPと共役な面を空中に有する空間を便宜
上瞳空間と呼ぶことにする。
【0045】一方、対物レンズOBからレチクルR、投
影光学系PLまでの光路を、図6(B)のようにZ−Y
平面上でみると、2本のビームLBR1 、LBR2 と2
本のビームLBW1 、LBW2 とは、それぞれレチクル
マークRMxと窓WIとの各中心位置に対応してY方向
にも分離している。また4本のビームLBR1 、LBR
2 、LBW1 、LBW2 は、Z−Y平面内ではレチクル
面を垂直に通る。
【0046】これら4本のビームは図6(A)、(B)
に示したように、レーザ光源側からビームスプリッタ1
6、レンズ系14、反射鏡12、及びレンズ系10を介
して対物レンズOBに入射する。図6において、フーリ
エ変換面EP1 は対物レンズOBとレンズ系10との間
の瞳空間に形成され、投影光学系PL内の瞳面EPと共
役になっている。またレンズ系10とレンズ系14との
間の像空間中の面R’はレチクル面と共役であって、そ
こではZ−X平面内において2本のビームLBR1 、L
BR2 が交差する。また同じ像空間中の面P0 ’は、ウ
ェハ面と面P0の夫々と共役であって、Z−X平面内に
おいて2本のビームLBW1 、LBW2が交差する。
【0047】瞳空間に配置されたビームスプリッタ16
は、レチクルマークRMxから垂直に発生し、対物レン
ズOB、レンズ系10、反射鏡12、及びレンズ系14
を通ってくる干渉光BTrを受光系へ反射させるととも
に、ウェハマークWMxから垂直に発生し、投影光学系
PLの後側レンズ群GB、補正素子(補正レンズCL、
又は位相格子の場合はGX3 )、前側レンズ群GA、レ
チクルRの窓WI、及び対物レンズOB〜レンズ系14
を通ってくる干渉光BTwを受光系へ反射させる。また
図6中のEP1 ’はフーリエ変換面EP1 と共役な面で
ある。
【0048】尚、4本のビームLBR1 、LBR2 、L
BW1 、LBW2 は、像空間ではいずれも平行光束とな
るようにリレーされてくるため、瞳空間(フーリエ変換
面)ではいずれも収斂、発散光束となる。このことは先
の図4の光路の説明から明らかである。次に、図6のよ
うなビーム光路を実現する前段の系を、図7〜図9を参
照してレーザ光源から説明する。図7に示すように、H
e−Neレーザ光源からのビームLBは、第1のAOM
(音響光学変調素子)50に、ラマン・ナス(Rama
n−Nath)回折の条件を満たすように入射する。A
OM50は適当な高周波信号(例えば周波数80MH
z)で駆動され、その周波数f1 に応じた回折角を持つ
±1次回折ビームLBa、LBbと0次ビームLB0
を発生する。この1次回折ビームLBa、LBbはZ−
Y平面内で広がるように、AOM50の変調格子のピッ
チ方向(進行波の方向)が定められている。
【0049】さて、その1次回折ビームLBa、LBb
は、0次ビームLB0 や他の高次ビームをカットする空
間フィルター52を通った後、レンズ系54によって面
02で交差する。この面P02はAOM50の回折点が位
置する面P03と共役になっている。従って、元々のビー
ムLBが平行光束であれば、面P02に達する+1次回折
ビームLBaと−1次回折ビームLBbとはいずれも平
行光束である。尚、元々のビームLBの周波数をf0
すると、+1次回折ビームLBaの周波数はf 0 +f1
になり、−1次回折ビームLBbの周波数はf0 −f1
になる。
【0050】ところで面P02には、第2のAOM56の
回折点が位置し、2本の1次ビームLBa、LBbはA
OM56にブラッグ(Bragg)回折の条件を満たす
ように入射する。ただし、AOM56の変調格子のピッ
チ方向(進行波の方向)は、AOM50のそれに対して
45°だけ光軸の回りに回転した位置に定められる。こ
のようにAOM56を45°だけ回転したのは、そこに
同時に入射する2本のビームLBa、LBbの夫々によ
って発生する1次回折ビームと0次ビームとを空間中で
最も分離させることができるからである。すなわち、ビ
ームLBa、LBbがAOM56に入射すると、その各
0次ビームはZ−Y平面内で広がって進むことになる
が、例えばビームLBbからの+1次回折ビームとビー
ムLBaからの−1次回折ビームとは、Z−Y平面と直
交するZ−X平面内で広がって進む。そのため、AOM
56からの各1次回折ビームと各0次ビームとを、レン
ズ系58とレンズ系62によるリレー系に通すとき、リ
レー系内のフーリエ変換面EP3 ’に空間フィルター6
0を配置し、その空間フィルター60上の光軸を挟んで
X方向に対称的な2ヶ所にアパーチャを設けておけば、
ビームLBbから作られた+1次回折ビームをビームL
1 として抽出でき、ビームLBaから作られた−1次
回折ビームをビームLB2 として抽出できる。
【0051】そこでAOM56のドライブ周波数をf2
とすると、ビームLB1 の周波数は(f0 −f1 )+f
2 となり、ビームLB2 の周波数は(f0 +f1 )−f
2 となる。従って2本のビームLB1 、LB2 の周波数
差Δfは、2(f1 −f2 )になり、f1 =80MH
z、f2 =80.025MHzにすると、Δf=50K
Hzのビート周波数が得られる。こうして得られた2本
のビームLB1 、LB2は面P01で交差するが、面P01
は面P02と共役であるため、面P03とも共役である。た
だし、面P01に物体をおいたときに生成される干渉縞
は、ビームLB1 、LB2 がZ−X平面内にあるために
X方向のピッチを有し、周波数Δfに応じた速度でX方
向に流れている。これに対して、1段目のAOM50内
の変調格子はY方向にピッチを有し、見掛け上、周波数
1 に応じた速度でY方向に流れている。
【0052】以上、図7の構成によって、ヘテロダイン
方式のための周波数差Δfを持つ2本の基本的なビーム
LB1 、LB2 が得られる。この構成は従来のように2
個のAOMを並列的に使う方式に対してタンデム方式と
呼ばれ、アライメントビームの多波長化の際に並列方式
にはない大きな利点がある。そのことについては後で詳
しく述べる。
【0053】図8は、図7の後に続く4ビーム生成系を
表し、図8(A)はZ−Y平面内でみた光路であり、図
8(B)はZ−X平面内でみた光路である。図7には示
していなかったが、2本のビームLB1 、LB2 が交差
する面P01には、レチクル上、又はウェハ上でのビーム
形状や寸法(幅)を決定する視野絞り64が配置され
る。この視野絞り64には、レチクルマークRMx、又
はウェハマークWMxの外形と相似の透明開口が形成さ
れ、その開口を通った2本のビームLB1 、LB 2 は、
スプリット面をZ−X平面と平行にしたビームスプリッ
タ66の1つの面に斜めに入射する。これによってビー
ムスプリッタ66からは、2本のビームLB1 、LB2
の夫々をほぼ1/2の強度で分割した4本のビームLB
1 、LBR2 、LBW1 、LBW2 (それぞれ平行光
束)がZ−Y平面内では光軸と並行に射出する。4本の
ビームはレンズ系68によって次段へリレーされていく
が、レンズ系68は面P01に対するフーリエ変換面EP
2 ’内で4本のビームの夫々をビームウェストに収斂す
る。この図8から明らかなように、Z−X平面内でみた
とき、フーリエ変換面EP2 ’が存在する瞳空間では、
ビームLBR1 とLBR2 とは光軸を挟んで対称的に、
かつ互いに平行に位置する。このことはビームLBW1
とLBW2 についても同じである。このビームLB
1 、LBR2 とビームLBW1 、LBW2 とのY方向
の分離度は、ビームスプリッタ66に入射する2本のビ
ームLB1 、LB2 を図8(A)中でY方向に平行移動
させることによって変えることができ、そのためには視
野絞り64とビームスプリッタ66との間に回転可能な
平行平板ガラスを配置し、その回転軸をX軸と平行にす
ればよい。
【0054】ビームスプリッタ66によるビームLBR
1 、LBR2 とビームLBW1 、LBW2 との分離は、
図6(B)のようにレチクル上のマークRMxと窓WI
とのY方向の間隔に対応して設定される。図9は、図8
の後に続く光路長補正系(もしくは2焦点化光学系)を
表し、レチクル用の2本のビームLBR1 、LBR2
像空間における交差位置と、ウェハ用の2本のビームL
BW1 、LBW2 の像空間における交差位置とを光軸方
向に一定量(結果的にはレチクル上で間隔D)だけずら
す働きをする。図9(A)は光路長補正系をZ−Y平面
内で見た図、図9(B)は主に2本のビームLBW 1
LBW2 の光路をZ−X平面内で見た図、そして図9
(C)は主に2本のビームLBR1 、LBR2 の光路を
Z−X平面内で見た図である。
【0055】図9(A)に示すように、4本のビームL
BR1 、LBR2 、LBW1 、LBW2 はレンズ系70
を介して分割プリズム72に入射し、2本のビームLB
1、LBW2 は分割プリズム72内の全反射面72A
で直角に反射し、ミラー74で再び直角に曲げられて、
Z−Y平面内ではレンズ系70の光軸と平行に進む。こ
の2本のビームLBW1 、LBW2 は図9(B)のよう
に、Z−X平面内で見たとき、レンズ系70によって面
0W’で交差する。その後、ビームLBW1 、LBW2
は合成プリズム76(実質上、プリズム72と同一)を
そのまま透過してレンズ系82に入射する。レンズ系8
2の前側焦点位置は図9(B)中の面R’であり、面
R’が面P0W’から光軸方向にずれていることから、Z
−X平面内で見たとき、レンズ系82を通った2本のビ
ームLBW1 、LBW2 は光軸に対して平行にならず、
若干の収斂傾向を持って進む。ここでレンズ系70と8
2との間は像空間であって、面P0W’はウェハWの表
面、図4、又は図6中の面P0のいずれとも共役な面で
あり、面R’はレチクルRのパターン面と共役な面であ
る。従って、レンズ系70から82までの間は、ビーム
LBW1 、LBW2 の夫々は平行光束となっている。
【0056】一方、分割プリズム72に入射したレチク
ル用の2本のビームLBR1 、LBR2 は、Z−Y平面
内で見たとき、光軸と平行になってそのまま透過し、光
路長補正用の光学ブロック78に入射する。このビーム
LBR1 、LBR2 は図9(A)、(C)に示すよう
に、元々面Pr0’で交差するように設定されていたが、
光学ブロック78によって光路長が引き延ばされて、ミ
ラー80で直角に曲げられた後、図9(A)中の面R’
で交差する。ミラー80で反射したビームLBR 1 、L
BR2 は、合成プリズム76の全反射面76Aで直角に
曲げられて、光軸と平行になってレンズ系82に入射す
る。このとき、2本のビームLBR1 、LBR2 は、レ
ンズ系70と82との間でいずれも平行光束であり、面
R’で交差するからレンズ系82を通った後ではいずれ
も光軸と平行に進む。
【0057】以上のレンズ系82を通過した4本のビー
ムは、先の図6に示した系に入射する。すなわち、図9
(A)中のフーリエ変換面EP1 ’が、図6(B)中の
EP 1 ’と同一点となるように配置され、4本のビーム
は図6(B)中のビームスプリッタ16、レンズ系1
4、・・・の順に送光される。図10は、図8、図9に
示した4ビーム生成系と光路長補正系とを、1つの像空
間内でまとめて実現した変形例である。そして図10
(A)はZ−Y平面内で視野絞り64からレンズ系82
までの系を示したものであり、図10(B)はその系を
Z−X平面内で見たものである。
【0058】視野絞り64を通った2本のビームL
1 、LB2 はビームスプリッタ84によって2つに分
割され、このスプリッタ84を水平に透過した2本のビ
ームは合成プリズム76もそのまま透過してレンズ系8
2に入射し、ビームLBR1 、LBR2 として図9と同
様の状態で射出する。一方、ビームスプリッタ84で反
射された2本のビームは、ミラー85、86で図示の通
りに反射され、さらに合成プリズム76の全反射面76
Aで反射されて、Z−Y平面内では光軸と平行になって
レンズ系82に入射し、図9と同様の状態でビームLB
1 、LBW2 として射出する。
【0059】この図10の系では、ミラー85、86を
通る分だけ、ビームLBW1 、LBW2 の方が物理的な
光路長が長くなる。すなわち、図10(B)において、
面P 01の視野絞り64はレチクルRのマークRMxと共
役になっているが、レンズ系82に入射するビームLB
1 、LBW2 の交差点は、ミラー85、86による光
路の引き回しによって、面P01よりもレーザ光源側の面
01’に位置する。従って面P01とP01’との間の光軸
方向の距離が図3、図6に示した間隔Dに対応する。
【0060】図10の系によれば、先の図8、図9の系
のうち、レンズ系68、70によるリレー系が省略され
るので、それだけアライメント装置の送光部がコンパク
トになる。尚、図10(A)に示すように、2本のビー
ムLBR1 、LBR2 が通るビームスプリッタ84と合
成プリズム76との間に、厚みを可変とした平行平板状
の光学ブロック87を挿入し、ここでビームLBR1
LBR2 の像空間での交差位置と、ビームLBW1 、L
BW2 の像空間での交差位置との光軸方向の間隔を微調
してもよい。
【0061】また光路長差を大きく変えたいときは、図
10(A)において、ミラー85、86を一体にしてY
方向に平行移動させればよい。以上、図6〜図10によ
って、本実施例のアライメント装置の送光部が構成され
るが、図6(A)に表したように、対物レンズOBから
レンズ系10までの瞳空間において、ウェハマーク用の
ビームLBW1 、LBW2 はZ−X平面内で光軸AXa
に対して傾斜したものとなり、レチクルマーク用のビー
ムLBR1 、LBR2 はZ−X平面内で光軸AXaに対
して平行になるとしたが、その関係は逆であってもよ
い。むしろ、逆の方が、マーク配置に応じた対物レンズ
OBの移動(光軸AXaのレチクルR上での位置のX、
Y方向の移動)を考えたときに有利である。具体的に
は、対物レンズOBの後側焦点面を図6中の面P0 に一
致させ、系の瞳空間を通るビームLBW1 、LBW
2 を、Z−X平面内では光軸を挟んで互いに平行にする
ように、ビームの送光を行えばよい。
【0062】それについて、さらに図11を参照して説
明する。図11は対物レンズOBからフーリエ変換面
(瞳共役面)EP1 までの系を表す斜視図であり、ここ
ではレチクルR上のマークRMxと窓WIの位置が、個
々のレチクル毎に異なることに対応するために、対物レ
ンズOBとミラー90とを一体にしてY方向(投影光学
系PLの視野内で放射方向)に可動としてある。
【0063】図11のように、光軸AXaと平行に2本
のビームLBW1 、LBW2 がフーリエ変換面EP1
通過してミラー90で直角に曲げられて対物レンズOB
に入射する場合、対物レンズOBからレンズ系10まで
は、2本のビームLBW1 、LBW2 にとってアフォー
カル系になっていため、対物レンズOBとミラー90が
一体にY方向移動しても、2本のビームLBW1 、LB
2 の交差位置は常に面P0 上に存在する。ところが面
EP1 を含む瞳空間で2本のビームLBW1 、LBW2
が光軸AXaと平行になっていないと、対物レンズO
B、ミラー90を移動する毎に、2本のビームLB
1 、LBW2 の交差位置が面P0 に対して上下方向に
若干移動してしまう。すなわち、共役関係の変動が生じ
る。その変動量は、瞳空間での2本のビームLBW1
LBW2 の光軸AXaに対する傾きに依存するが、対物
レンズOBがテレセントリックな系であるとすると、そ
の変動量は対物レンズOBの焦点距離(対物レンズOB
の主面からレチクルまでの距離)Lfと間隔Dとの比で
決まり、D/Lfが小さければ対物レンズOB、ミラー
90のY方向の単位移動量に対する共役関係の変動量も
小さくなる。
【0064】さて、図11ではウェハ用のビームLBW
1 、LBW2 に対してアフォーカル系となるようにした
ので、上述の共役関係の変動は発生しない。このことは
レチクル用のビームLBR1 、LBR2 に関しては共役
関係が変動することを意味する。しかしながら、レチク
ル上では2本のビームLBR1 、LBR2 の交差角は極
めて小さい値になるので、2本のビームLBR1 、LB
2 の交差空間の光軸AXa方向の長さ(深度)は極め
て大きくなり、レチクル上での共役関係の変動量は実用
上は無視できる。
【0065】仮に無視できないとしても、ビームLBR
1 、LBR2 の夫々のレチクルマークRMx上での照射
領域がX方向(ピッチ方向)に徐々に分離して、互いに
重畳する照射領域(干渉縞が生成される範囲)のX方向
の幅が小さくなるだけなので、ビームLBR1 、LBR
2 の断面形状がレチクル上でX方向に長い長方形となる
ように、視野絞り64の開口形状を設定しておけばよ
い。それにレチクルマークRMxの場合は、クロム層の
エッチングによって作られているので安定な格子性能を
得ることができることから、ビームLBR1 、LBR2
による干渉縞の生成範囲のX方向(Xピッチ方向)の幅
が小さくなって、その範囲内に含まれる格子線の本数が
半分程度(例えば20本から10本)に減少しても、比
較的良好に干渉光BTrを得ることができる。
【0066】ところが、もしウェハ用のビームLB
1 、LBW2 の方で共役関係の変動が生じると、当然
にウェハマークWMx上に生成される干渉縞のピッチ方
向の全幅が減少し、干渉光BTwの発生に寄与するウェ
ハマークWMx内の格子本数も減少する。一般にウェハ
マークはレチクルマークほど安定な格子性能をもってい
ないので、なるべく多くの格子本数をとらえる方が精度
上は望ましい。以上の理由から、対物レンズOBに入射
するウェハ用のビームLBW1 、LBW2 に対してアフ
ォーカル系が達成されている方が有利である。次に図1
2を参照して、図6中にも示された受光系の構成を説明
する。先にも述べたように、レチクルマークRMxから
の干渉光BTrとウェハマークWMxからの干渉光BT
wとは、本実施例ではいずれも像空間において対物レン
ズOBの光軸AXaと平行に進み、レンズ系10、ミラ
ー12、レンズ系14を介してビームスプリッタ16に
達する。このビームスプリッタ16で分岐された干渉光
BTr、BTwは、図12のようにフーリエ変換面(瞳
面EPの共役面)EP’ 4 を通り、ミラー20で反射さ
れ、レンズ系22によって逆フーリエ変換され、ビーム
スプリッタ23でともに2分割される。そしてビームス
プリッタ23を透過した光路上で、面P0 、すなわちウ
ェハ面と共役な位置には視野絞り24wが配置される。
この視野絞り24wは、ウェハマークWMx(又はウェ
ハマーク上の干渉縞生成領域)の大きさに対応した開口
を有し、干渉光BTwのみを抽出して他の光はカットす
る。抽出された干渉光BTwは光電素子26Wで受光さ
れ、ビート周波数(例えば50KHz)をもつ交流信号
SSwが得られる。
【0067】一方、ビームスプリッタ23を反射した方
向の光路上で、レチクル面(マーク面)と共役な位置に
は視野絞り24Rが配置される。この視野絞り24Rは
レチクルマークRMx(又はレチクルマークRMx上の
干渉縞生成領域)の大きさに対応した開口を有し、干渉
光BTrのみを抽出して他の光はカットする。抽出され
た干渉光BTrは光電素子26Rで受光され、ビート周
波数(例えば50KHz)をもつ交流信号SSrが得ら
れる。
【0068】従って、2つの交流信号(検出信号)SS
w、SSrの間の位相差を計測すれば、レチクルマーク
RMxとウェハマークWMxとのX方向(ピッチ方向)
の相対的な位置ずれ量がマークピッチの±1/4の範囲
内で求められる。例えば、レチクルマークRMxのピッ
チを10μm、縮小倍率1/Mを1/5、そしてウェハ
マークWMxのピッチを2μmとし、位相差変化の±1
80°を約2°の分解能で検出できるものとすると、ウ
ェハ上では±0.5μmが±180°に対応するので、
位相差の2°の変化は0.5(2/180)≒0.00
56μmの位置ずれ量に相当する。
【0069】周波数が等しい2つの交流信号(正弦波)
SSr、SSwの位相差の計測には、2つの信号波形を
その周波数よりも十分に高い周波数のクロックに応答し
て同一タイミングでデジタルサンプリングして波形メモ
リに取り込んだ後、コンピュータ(プロセッサー)によ
ってフーリエ変換、又はフーリエ積分を行うのが望まし
い。この場合、波形メモリに取り込んでフーリエ演算に
使われる周期数(波の数)が多ければ多い程、ランダム
ノイズ等の低減効果によって計測精度は向上するが、そ
れだけ演算時間が長くなる。
【0070】一般にフーリエ演算の場合、演算過程で基
準周波数(ここではビーム周波数)のサイン波とコサイ
ン波とを利用し、基準周波数に対する信号SSrの位相
成分と基準周波数に対する信号SSwの位相成分とを個
別に算出した後、両方の位相成分の差から信号SSr、
SSwの位相差を求めている。そこでその基準周波数に
対する信号SSrの位相成分を求める際は、レチクルマ
ークRMxが安定した格子性能をもつことから、演算に
使う信号SSrの周期数を所定の精度が得られる範囲内
で少なくしておき、基準周波数に対する信号SSwの位
相成分を求める際は、ウェハマークWMxの形状劣化、
段差(凹凸)の程度、表面の粗さ、反射率の低下等に応
じて、演算に使う信号SSwの周期数を可変としてお
く。このようにすると、ウェハマークWMxが良好に形
成されていれば、演算時間を短くすることができ、かつ
ウェハマークWMxの格子性能が低下している場合は演
算時間が長くなるものの計測精度をそれ程落とすことが
ないといった利点が得られる。
【0071】またそのようなウェハマークの格子性能の
低下は、光電素子26Wからの信号SSwを波形メモリ
に取り込む際、その振幅を求めることでも予想されるの
で、振幅が小さくなっていたらフーリエ演算に使う信号
SSwの周期数を増せばよい。さらにウェハマークWM
はウェハW上の各ショット領域毎に設けられているた
め、マークWMのウェハW上での位置によっても格子性
能が変化し得る。従って信号SSwの振幅によって演算
に使う周期数を増減させることは、マーク位置の計測精
度がウェハ上の位置によらずほぼ同じにできるのみなら
ず、複数のショットのマークWMの夫々を予め順次計測
するグローバルアライメント(EGA)方式では、高い
計測精度を保ちつつ処理時間も短縮できるという利点が
ある。
【0072】さて、以上のようなTTR方式のアライメ
ント装置は、一例としては特開平4−45512号公報
に開示されているようなステップアンドリピート方式の
投影露光装置、あるいは特開平4−307720号公報
に開示されているようなステップアンドスキャン方式の
走査型投影露光装置に組み込まれる。このような装置に
組み込む場合はシステムの都合上、レチクルR単体、又
はウェハW単体の位置計測が必要になることもある。
【0073】その場合は、特開平4−45512号公報
にも開示されているように、図6〜図10中に示された
送光ビームLB1 、LB2 の2本、送光ビームLB
1 、LBR2 の2本、あるいは送光ビームLBW1
LBW2 の2本の少なくとも1組を、送光路からビーム
スプリッターで分岐させて基準格子板上で交差させ、そ
の基準格子板から発生する干渉光(±1次回折光)を光
電素子で受光して、基準信号(ビート周波数)を得るよ
うにする。そしてこの基準信号と信号SSrとの位相差
を求めれば、レチクルマークRMxの基準格子板に対す
る位置ずれ量がわかり、レチクル単体の基準格子板との
アライメントが可能になる。ウェハ側についても同様
に、基準格子板に対する単体のアライメントが可能にな
る。
【0074】ところで、図3、図6等では、レチクル上
のマーク、ウェハ上のマークともX方向用のみを例示し
たが、実際はレチクルRの周辺の複数ヶ所、及びそれに
対応したウェハW上のショット領域の周辺の位置に、X
方向用とY方向用の各マークが設けられている。この場
合、ウェハ上のX方向用のウェハマークWMxとY方向
用のウェハマークWMyとの各ピッチは互いに直交する
方向に設定される。
【0075】図13はそれらマークWMx、WMyの配
置と各ビームの瞳面EPでの通り方とを模式的に表した
斜視図である。図13に示すように、ウェハ上のショッ
ト領域SAの互いに直交する辺の各ストリートライン上
には、X方向用のマークWMxとY方向用のマークWM
yとが形成されている。そしてショット領域の中心を投
影光学系PLの光軸AX上に位置させたとき、マークW
Mxはショット中心を原点とするXY座標系のY軸上に
位置し、マークWMyはY軸上に位置するものとする。
このとき、マークWMxを照射する2本の送光ビームL
BW1x、LBw 2xが、像空間(ここでは後側レンズ群G
Bとウェハとの間)においてZ−X平面と平行であるも
のとすると、送光ビームLBW1x、LBw2xは、瞳面E
P内において、瞳中心を通るX軸と平行な線Lpx上に
対称に位置する。
【0076】一方、マークWMyを照射する2本の送光
ビームLBW1y、LBw2yは、像空間においてZ−Y平
面と平行に進み、瞳面EP内では瞳中心を通るY軸と平
行な線LPy上に対称に位置する。さらにウェハマーク
WMx、WMyの夫々から垂直に発生した干渉光BTw
x、BTwyは、瞳面EP内ではいずれも瞳中心(光軸
AXの位置)を通ることになる。
【0077】しかしながら、投影光学系PLの色収差補
正された波長とアライメント用ビームの波長とが比較的
大きく離れていると、干渉光BTwx、BTwyはいず
れも厳密には瞳中心をわずかにはずれて通ることにな
る。このため補正素子として位相格子GX1 、GX2
GX3 等を設ける場合、瞳面EP上では干渉光BTw
x、BTwyの夫々が通る位置に、屈折方向(回折方
向)が互いに直交する位相格子を個別に配置する必要が
ある。換言すれば、投影光学系PL上の色収差が比較的
小さければ、干渉光BTwx、BTwyはいずれも瞳中
心を通るので、そこにあえて位相格子を設けておかなく
てもよいことになる。
【0078】ところが実際の装置上では、露光波長がi
線(365nm)やエキシマレーザの248nm等の紫
外域であり、アライメントビームの波長がHe−Neレ
ーザの633nmであるため、軸上色収差、倍率色収差
の両方が比較的大きく発生する。このことは逆に、瞳中
心近傍を通る干渉光BTwx、BTwyは、瞳面EP内
で分離したとしても大きく分離することがなく、むしろ
極端に接近することを意味し、そのままでは干渉光BT
wx、BTwyのそれぞれを通す位相格子GX 3x、GX
3yを個別に配置することが難しくなってしまう。
【0079】ここで、干渉光BTwx、BTwyの夫々
を個別に通す位相格子GX3x、GX 3yの配置と、各送光
ビームを通す位相格子GX1x、GX2x、GX1y、GX2y
の配置とを基礎となる図14を参照して説明する。尚、
このような位相格子の配置とアライメントビームの入射
方式については、基本的には特開平5−55112号公
報等に詳細に説明されている。
【0080】図14はX方向用のレチクルマークRM
x、ウェハマークWMxを検出するTTRアライメント
系のビーム送光路を示し、レチクルマークRMxを照射
する2本のビームLBR1x、LBR2xと、レチクル上の
窓WIxを介してウェハマークWMxを照射する2本の
ビームLBW1x、LBW2xは、レチクルRと対物レンズ
OBの間の像空間では、対物レンズOBの光軸AXa
(投影光学系PLの光軸AXとは平行)に対していずれ
もY方向(非計測方向)に若干傾いている。このよう
に、投影光学系PLの視野内で送光ビームの主軸を、光
軸AXを中心とする放射方向、すなわちメリジオナル方
向に傾けることをM方向傾斜方式と呼ぶ。まず、レチク
ル用の2本のビームLBR1x、LBR2xはレチクルマー
クRMx上で交差し、そこで反射された正規反射ビーム
と干渉光(±1次回折光)BTrxとは、ビームLBR
1x、LBR2xのレチクルに対するM方向の傾斜角(入射
角)と同じ角度をもって進み、対物レンズOBへ戻る。
一方、ウェハ用の2本のビームLBW1x、LBW2xはY
方向に傾いて窓WIxを通過して投影光学系PLに入射
する。このとき、面P0 内で2本のビームLBW1x、L
BW2xが交差する領域の中心を通り、かつレチクルRを
垂直に通る線K1 を考えてみると、この線K1 は像空間
において投影光学系の光軸PLとも平行になるため、瞳
面EPでは瞳中心(光軸AXの位置)を通る。
【0081】さて、投影光学系PLに入射した2本のビ
ームLBW1x、LBW2xは、瞳面EPに配置された補正
板(石英等)PC上の位相格子GX1x、GX2xで所定方
向に所定量だけ偏向(実際は回折によって生ずる1次回
折光ビームの回折角)され、ウェハマークWMxに達す
る。このときウェハマークWMxに達する2本のビーム
LBW1x、LBW2xはウェハ上における線K1 に対して
M方向(ここではY方向)に傾斜している。従ってウェ
ハマークWMxから発生する干渉光BTwxは、投影光
学系PL内では線K1 に関して送光ビームLBW1x、L
BW2xと対称的な光路を進み、補正板PCの位相格子G
3xで偏向され、レチクルR上の窓WIx内を通って面
0 内で送光ビームLBW1x、LBW2xと交差して対物
レンズOBへ戻る。
【0082】以上のように、ウェハ用の2本のビームL
BW1x、LBW2xをM方向傾斜方式にすると、送光用の
位相格子GX1x、GX2xと受光用の位相格子GX3xとを
M方向傾斜の程度に応じた量だけ瞳中心からほぼ対称的
にY方向に分離させることができる。このような補正板
PC上の位相格子GX1x、GX2x、GX3xの平面配置は
図15に示すようになる。図15において補正板PCの
中心で直交する線Lpx、Lpyは図13中のものと同
じ意味のものであり、線Lpx、Lpyの交点が瞳中心
点である。そして送光用の位相格子GX1x、GX2xは線
Lpyを挟んでX方向に対称的に配置され、受光用の位
相格子GX3xは線Lpy上に配置される。さらに位相格
子GX1x、GX2xを結ぶ線は線LpxからY方向に−Δ
Ypだけ離れて線Lpxと平行になり、位相格子GX3x
は線LpxからY方向に+ΔYpだけ離れて位置する。
その間隔ΔYpは、おおよそ送光ビームLBW1x、LB
2xのM方向傾斜量に応じて決まるが、さらに倍率色収
差による影響分も考慮して決められる。
【0083】このような3つの位相格子GX1x、G
2x、GX3xは、図15中の線Lpy上の点O1 を中心
とする円形フレネルレンズFLyの一部として形成され
る。点O 1 は瞳面EP上で光軸AXに対してY方向に偏
心しており、このことによって、送光ビームや受光ビー
ムに横シフトを与えることによって、それらのビームに
対する倍率色収差が制御される。円形フレネルレンズF
Lyの屈折力をどの程度のものにし、かつ点O1 の偏心
量をどの程度のものにするかは、2本の送光ビームLB
1x、LBW2x、又は受光ビーム(干渉光)BTwxに
対する軸上色収差の補正量(図3中のLc−D)と、倍
率色収差の制御量によって一義的に決定される。
【0084】倍率色収差とは、先の特願平4−1366
69号にも開示したように、レチクルR上で像高値(光
軸AXからの距離)Soに位置する物点を露光光と異な
る波長の光でウェハW上に投影したとき、露光光のもと
で決まる倍率値に応じたウェハW上での像高値So’か
らのずれ量として表される。例えば投影光学系PLの露
光光の波長における倍率を1/Mとすると、レチクルR
上で像高値Soにある物点は、露光光のもとではウェハ
W上で像高値So’=So/Mの位置に投影されるが、
露光光の波長と異なる波長を用いたとき、その関係が例
えばSo’=So/M+f(So)のようになる。ここ
で関数f(So)で決まる値が倍率色収差であり、一般
に像高値に応じてその量も変化する特性をもつ。
【0085】さて、図15に示したように、送光用の位
相格子GX1x、GX2xと受光用の位相格子GX3xとは、
補正板PC上で互いに分離して形成することができるの
で、送光用の2本のビームに対する倍率色収差の制御量
と、受光用の1本のビームに対する倍率色収差の制御量
とを変えるように、位相格子GX1x、GX2xの屈折力
(回折角)と位相格子GX3xの屈折力(回折角)とを変
えてもよい。さらに位相格子GX1x、GX2xと位相格子
GX3xとのフレネル・レンズとしての中心点O1は、か
ならずしも一致している必要はなく、線Lpy上でずれ
ていてもよい。
【0086】以上、X方向用の1軸のアライメント系に
対する位相格子GXの配置をふまえると、Y方向用の1
軸のアライメント系に対する位相格子は、図15中の3
個の位相格子全体を瞳中心の回りに90°回転させれば
よいことがわかる。図16は、X方向用のアライメント
系の送受光ビームと、Y方向用のアライメント系の送受
光ビームとの夫々に対する補正板PC上の位相格子の配
置例を示す。位相格子GX1x、GX2x、GX3xの配置は
図15に示した通りであり、Y方向アライメント系の送
光ビーム用の位相格子GX1y、GX2yは、線Lpxを挟
んでY方向に対称的に配置され、かつそれら2つの格子
GX1y、GX2yを結ぶ線は線LpyからX方向に−ΔX
pだけ離間して平行になっている。さらに位相格子GX
3yは線LpyからX方向に+ΔXpだけ離れた線Lpx
上に配置される。
【0087】Y方向用の位相格子GX1y、GX2y、GX
3yは、線Lpx上で−X方向に偏心した位置に中心O1
を有する円形フレネル・レンズFLxの一部を構成する
ように、その格子のピッチ方向や格子間隔が決められて
いる。位相格子は、補正板PCを所定の深さだけエッチ
ングした凹ライン部(格子)をフレネル・レンズの径方
向に所定のピッチで複数本形成したものから成り、その
フレネル・レンズの中心からの距離に応じて格子ピッチ
が変わるものである。また、それらの位相格子の凹ライ
ン部の深さ(凹凸の段差量)は、送光ビームの波長(例
えばHe−Neレーザの633nm)においては凹ライ
ン部と凸ライン部との夫々を通るビームの位相がπの奇
数倍に近くなるように定められ、かつ露光光の波長(3
65nm、あるいは248nm)に対しては位相格子全
体が透明部となるように、すなわち凹ライン部と凸ライ
ン部との夫々を通る露光光の位相がπのほぼ偶数倍とな
るように定められている。尚、位相格子を露光光に対し
て遮光性とするときは、凹ライン部と凸ライン部との夫
々を通る露光光の位相をπの奇数倍となるように定めれ
ばよい。
【0088】ところで、レチクルマークRM、ウェハマ
ークWMは、図13に示すように1つのショット領域S
Aに対してX方向用に1ヶ所、Y方向用に1ヶ所の計2
ヶ所に設ければ、レチクルRとショット領域SAとの
X,Y方向のアライメントが可能であるが、それだけで
はレチクルRとショット領域SAとの相対的な回転誤差
を検出することが難しい。そこで、ショット領域SA周
囲の4辺の夫々にX方向用のマークとY方向用のマーク
とを配置することが望ましい。この場合、レチクルR上
のマークRMもそれに対応して4ヶ所に配置される。そ
のようなマーク配置の一例は、例えば特開平4−455
12号公報に開示されている通りである。
【0089】このように、レチクルRのパターン領域の
周辺の4ヶ所、及びショット領域SAの周辺の4ヶ所に
マークが配置されていると、それに応じてTTR方式の
アライメント系も4組設けられることになる。図17
は、TTR方式のアライメント系(図6〜図12)を4
組用いたときの補正板PC上の位相格子の配置例を示
す。基本的には、送光ビーム用の2個の位相格子と受光
ビーム用の1個の位相格子とを1組として、瞳面EP内
で0°、90°、180°、270°の各回転角度位置
の夫々に図16と同様のルールで、計4組を配置する。
【0090】ただし、図17に示した補正板PCは、投
影光学系PLの瞳面EPよりも若干レチクルR側に配置
することを前提にしたため、図14中の送受光ビームの
光路からも明らかなように、受光用ビーム(干渉光BT
w)用の位相格子GX3 は若干瞳中心の方に位置し、送
光ビーム用の位相格子GX1 、GX2 は瞳中心から若干
離れるように位置する。
【0091】また図17では、各位相格子に対する符号
をA、B、C、Dで表し、位相格子A1、A2、A3
は、それぞれ図16中のGX1x、GX2x、GX3xに相当
し、位相格子B1、B2、B3はそれぞれ図16中のG
1y、GX2y、GX3yに相当している。そして位相格子
C1、C2は、X方向アライメント用のもう1組のTT
Rアライメント系からの送光ビーム用に設けられ、位相
格子C3はその受光ビーム用に設けられる。さらに位相
格子D1、D2はY方向アライメント用のもう1組のT
TRアライメント系からの送光ビーム用に設けられ、位
相格子D3はその受光ビーム用に設けられる。
【0092】図17において、受光ビーム用の位相格子
A3、B3、C3、D3の夫々は、その全体形状を数m
m程度の直径の円形領域とし、その円形領域内で放射方
向にピッチを有する。ただしそのピッチは各位相格子の
内部である範囲にわたって連続的に変化している。一
方、送光ビーム用の位相格子A1、A2、B1、B2、
C1、C2、D1、D2の夫々は、その全体形状が数m
m角程度でM(メリジオナル)方向に若干長い長方形領
域となっている。このように受光ビーム用の位相格子A
3、B3、C3、D3を円形としたのは、一般にウェハ
マークWMからの干渉光BTwが、ウェハマークでの不
規則な散乱成分も含むことによってビーム径が若干大き
くなることに対応するためである。
【0093】また送光ビーム用の位相格子の夫々の外形
を長方形としたのは、レチクルマークRMやウェハマー
クWM上のビーム照射領域を長方形にしたことによるも
のであり、さらには送光ビームLBの波長を多波長化す
る際、その各波長毎に微妙に色収差量が異なることに起
因して、各波長の送光ビーム毎に瞳面内での通過位置が
わずかにずれることに対応するためである。このとき、
多波長化といっても極端に波長の異なる複数の送光ビー
ムを同時に送るのではなく、例えば波長633nmのH
e−Neレーザと、波長670〜710nmに発振スペ
クトルを有する半導体レーザ(LD)とを使って、波長
が40〜80nm程度離れた少なくとも2つの波長を使
うのである。 多波長化のためには、先の図7に示した
1段面のAOM50に入射するビームLBを、He−N
eレーザ光源からの平行ビーム(633nm)と半導体
レーザ光源からの平行ビーム(例えば690nm)とを
ダイクロイックミラー,ビームスプリッタ等により同軸
に合成したものにするだけでよい。このようにすると、
レチクルマークRM、又はウェハマークWMに入射する
2本のビームLBR1 、LBR2 、あるいはLBW1
LBW2 はいずれも2波長化され、干渉縞を作るための
2本のビームの交差角を波長差(690−633nm)
に応じた量だけ異ならせることができる。尚、異なるレ
ーザ光源からのビームは、時間的コヒーレンシィ、空間
的コヒーレンシィが全くないので互いに干渉することが
なく、He−Neレーザのビームと半導体レーザのビー
ムとの交差による干渉縞は発生しない。
【0094】次に、多波長化のときのウェハマークWM
xに対するビームの送光について図18を参照して説明
する。図18において、X方向にピッチを有するマーク
WMxに対しては、波長λ1 (He−Neレーザ)の2
本のビームLBW1 、LBW 2 が入射角±θ1 で入射す
るとともに、波長λ2 (半導体レーザ)の2本のビーム
LBW1 ’、LBW2 ’が入射角±θ2 で入射する。こ
れらの入射角θ1 、θ 2 は、原始点には1段目のAOM
50での変調格子のピッチ(回折角)を基準として決ま
ってくるため、入射角±θ1 の2本のビームLBW1
LBW2 の交差によって生成される干渉縞と、入射角±
θ2 の2本のビームLBW1 ’、LBW 2 ’の交差によ
って生成される干渉縞とは、全く同一のピッチで位相差
が零の状態で重畳している。
【0095】従って2本のビームLBW1 、LBW2
照射によってウェハマークWMxから発生する干渉ビー
ト光BTwと、2本のビームLBW1 ’、LBW2 ’の
照射によってウェハマークWMxから発生する干渉ビー
ト光BTw’とは、互いに同軸となって垂直方向に進
み、図12中の光電素子26Wで同時に光電検出され
る。このとき光電素子26Wからの信号SSwは、ビー
ト周波数をもつ単一の交流波形となる。
【0096】以上のように、少なくともウェハマークW
Mxを照射する2本のビームを多波長化することによっ
て、ウェハW上にほぼ一様の厚み(1μm程度)で塗布
されたフォトレジスト層における薄膜干渉の影響による
位相計測誤差が低減される。また多波長化は、所定の帯
域幅(例えば40〜100nm)内にブロードな強度分
布を有する光源からのビームを用いてもよく、このよう
なブロードなバンド幅のビームを、図7中の1段目のA
OM50に平行光束として入射させれば、ウェハマーク
WMx上では例えば図18中の入射角θ1 からθ2 の間
に連続的に入射ビームが存在する。ただしこの場合もウ
ェハ上には、ウェハマークWMxのピッチに対応した1
つの干渉縞しか生成されない。
【0097】以上の多波長化を実施する場合、その波長
範囲(バンド幅)に対応して軸上色収差(もしくは倍率
色収差)が若干異なってくること、及び波長に応じて2
本のビームの交差角が異なってくることにより、ウェハ
マークWMを照射する2本のビームの補正板PC上での
径(サイズ)、又は間隔は波長範囲に応じた広がりを持
つことになる。
【0098】図19は、X方向用のウェハマークWMx
に対する波長633nmの2本のビームLBW1 、LB
2 と、波長690nmの2本のビームLBW1 ’、L
BW 2 ’との送光用の位相格子A1、A2上での分布の
一例を示す。ビームLBW1、LBW2 はそのビーム断
面形状がY方向に長い楕円となり、入射角±θ1 に対応
して瞳面EP上ではX方向に間隔Xhで並ぶ。そしてビ
ームLBW1 ’、LBW2 ’は、そのビーム断面形状が
Y方向に長い楕円形となり、入射角±θ2 (θ 2
θ1 )に対応して瞳面EP上ではX方向に間隔Xd(X
d>Xh)で並ぶ。
【0099】このようにレーザを光源とすると、ウェハ
上での照射領域の形(図8、又は図10中の視野絞り6
4の開口形)が長方形であると、回折の影響によって送
光用の位相格子(A1、A2等)上でのビーム断面(ス
ポット)はその長方形と直交した方向に長い楕円形にな
ることから、送光用の位相格子の夫々の全体形状は長方
形とされ、かつ多波長化に対応した間隔Xh,Xdの差
分とスポットサイズに応じて間隔方向の幅が決定され
る。また2つの波長λ1 、λ2 の差が大きいと、瞳面E
P上での各送光ビームの間隔Xh,Xdは、互いに重畳
することなく分離するので、各波長の送光ビーム毎に送
光用位相格子を設けた方がよく、この場合、各波長用の
位相格子毎にフレネル格子のピッチをわずかに変えた方
が望ましい。
【0100】図20は、2つの波長λ1 、λ2 によるウ
ェハマーク用の送光ビームのレチクルR上での入射状態
を模式的に表したものである。波長λ1 =633nmの
2本の送光ビームLBW1 、LBW2 の各中心線は、面
0 よりも若干下方(レチクルR側)の面P0b内で交差
し、波長λ2 =690nmの2本の送光ビームLB
1 ’、LBW2 ’の各中心線は、面P0 よりも若干上
方(対物レンズOB側)の面P0a内で交差するように対
物レンズOBから射出される。このとき面P0a、P 0b
レチクルパターン面との間隔Da、Dbは、D=(Da
+Db)/2に設定される。従って面P0 は2つの波長
633nmと690nmとの平均波長においてウェハ面
と共役になるので、平均共役面と呼ぶことにする。
【0101】このとき波長λ1 、λ2 の各送光ビームが
補正板PC上の同一の送光用位相格子を通るものとする
と、軸上色収差の補正(ウェハ面と面P0 との共役化)
は平均波長に対して設計されるから、面P0aとP0bとの
間隔(Da−Db)は、2つの波長λ1 、λ2 の差分に
対応した色収差量となる。その差分による色収差量がレ
チクル側で十分に小さい(例えば1mm以下)のであれ
ば、波長λ1 のビームLBW1 、LBW2 の交差面P0b
と波長λ2 のビームLBW1 ’、LBW2 ’の交差面P
0aとを平均共役面P0 に一致させてしまってもよい。た
だし、この場合はウェハ面におけるビームLBW1 、L
BW2 の交差面とビームLBW1 ’、LBW2 ’の交差
面とが、レチクル側での差分色収差量に対して光軸AX
a方向に投影倍率(1/M)の2乗倍だけずれることに
なる。すなわち、レチクル側での差分色収差量を1m
m、投影倍率を1/5とすると、ウェハ側での差分色収
差量は1000/25=40μmになる。
【0102】またレチクル側での差分色収差量が比較的
大きいときは、図20のようにレチクル側で各波長の送
光ビーム毎に交差面をずらしておき、ウェハ面上ではそ
れらの交差面の共役面が一致するようにしておくのが望
ましい。尚、レチクルマークRM用の送光ビームは、必
ずしも多波長化されている必要はないので、波長λ1
ビーム、又は波長λ2 のビームのいずれか一方を選択し
てマークRMへ照射するように、送光系内に色フィルタ
ー、ダイクロイックミラー等を設けてもよい。あるい
は、波長λ1 、λ2 の各ビームはレチクルマークRMに
同時に照射し、図12の受光系のうちレチクルマークR
Mからの干渉光BTrを受ける光電素子26Rまでの光
路中に、干渉光BTr中の波長λ1 、λ2 のいずれか一
方を抽出するフィルターを設けてもよい。
【0103】また、図20のように波長λ1 のビームL
BW1 、LBW2 と波長λ2 のビームLBW1 ’、LB
2 ’との各交差面P0b、P0aを光軸方向にずらすため
には、アライメント系の各種レンズ系、対物レンズOB
に、それに見合った色収差を発生させればよい。このよ
うに波長に応じて異なる面内に結像点を有する対物レン
ズ系の一例は、例えば特開昭59−42517号公報に
開示されている。
【0104】さて、図21はX方向用のマークRMxと
窓WIxとの配置に対するウェハマークWMxの位置関
係をレチクルR上で表したものである。図21におい
て、レチクルR上の窓WIxとパターン露光領域との間
には、一定の幅でX方向に延設された遮光帯SBが形成
される。露光用照明光は、遮光帯SBの内側(光軸AX
側)の全ての領域に一様に照射されるが、このとき露光
用照明光学系内のレチクルと共役な位置に設けられた照
明視野絞り(レチクルブラインド)の開口を規定する1
辺の直線エッジは、遮光帯SB上にブラインドエッジ像
AReとして結像される。従ってブラインドエッジ像A
Reよりも外側のレチクル面上には露光用照明光が達し
ない。また、レチクルRの上方に露光光の波長とアライ
メントビームの波長とを、反射と透過とで分離するダイ
クロイックミラーが45°で設けられていると、レチク
ルブラインドで露光光に対して影となっているレチクル
マークRMx、窓WIxの部分でも、アライメントビー
ムの波長のもとでは観察可能となる。
【0105】さて、図21はこれから露光しようとする
レチクルRとウェハW上の1つのショット領域SAと
が、ウェハマークWMxの格子ピッチの1/2程度の誤
差内でアライメントされた状態を示し、このとき、遮光
帯SBの回路パターン領域側のエッジSBeは、ウェハ
W上のストリートラインSTLの幅Ystのほぼ中心に
位置する。そしてストリートラインSTLとウェハ上の
パターン領域とを区画する境界エッジSTeと、遮光帯
SBのエッジSBeとの間には、対象とするショット領
域とともに形成されたウェハマークWMxが位置する。
【0106】ここでは、ウェハマークWMxの中心を通
りY軸と平行な線が、レチクルRのパターン領域の中
心、すなわち光軸AXの位置を通るものとする。このと
きウェハマークWMxの像高値をHyとする。尚、スト
リートラインSTL内でウェハマークWMxの隣りに
は、遮光帯SBでかくされる隣接ショット領域用のウェ
ハマークWMx’が存在する。
【0107】以上のような配置関係から明らかなよう
に、窓WIxとレチクルマークRMxとの直下には、隣
接ショット領域内のパターンが位置することになる。そ
こで、まず多波長化されていない場合を考えると、レチ
クルマーク用の2本のビームLBR1 、LBR2 はマー
クRMx上で互いに交差し、X方向に長い長方形の照射
領域を生成する。この照射領域内には、X方向にピッチ
を有する干渉縞がビート周波数に応じた速度で流れてい
る。またウェハマーク用の2本のビームLBW1、LB
2 は、窓WIx内ではその中心位置がX方向に分離し
た状態で位置する。ビームLBW1 、LBW2 の断面形
状は、ウェハマークWMxの全体形状に合わせてX方向
に長い長方形になっている。
【0108】その後、2本のビームLBW1 、LBW2
は投影光学系内の送光用の位相格子GX1x、GX2x(又
はA1、A2)による補正を受けてウェハマークWMx
上で重畳する。すなわち、レチクル上でのビームLBW
1 、LBW2 の通過位置の像高値が、ウェハマークWM
xの像高値Hyに対して倍率色収差ΔYmに対応した量
だけメリジオナル方向にシフトするように、送光用の位
相格子GX1x、GX2x(又はA1、A2)のピッチとそ
のピッチ方向とを定めるのである。換言すれば、送光用
ビームの光路において制御された倍率色収差ΔYmが発
生するように位相格子を作成するのである。このことは
受光用ビームの光路に対しても同様であって、ウェハマ
ークWMxからの干渉ビート光BTwxを、ほぼ倍率色
収差ΔYmだけシフトさせるように受光用の位相格子G
3x(又はA3)を作成するのである。
【0109】このように、倍率色収差を制御された量だ
け発生させることによって、レチクルマークRMxとウ
ェハマークWMxとをM方向に大きく分離させることが
でき、同時に窓WIxを遮光帯SBの外側(もしくはブ
ラインドエッジAReの外側)に配置することが可能と
なる。この場合、図21のままでは、そのショットを露
光するとウェハマークWMxの部分のレジスト層も感光
することになり、マークWMxが破壊されてしまう。そ
こでマーク保護が必要なときは、遮光帯SBのエッジS
BeのうちマークWMxに対応した部分のみをストリー
トラインSTLのエッジSTeまでY方向に突出させれ
ばよい。
【0110】尚、先の図14で説明した通り、送光ビー
ムをM方向傾斜方式で入射させた場合は、窓WIx内で
の送光ビームLBW1 、LBW2 と受光ビームBTwx
とのY方向(M方向)の位置が図21のように若干ずれ
ることになる。またウェハマークWMxのウェハ上での
寸法は、100×70μm角〜60×30μm角程度の
長方形になり、各送光ビームの断面寸法もほぼ同程度に
なっている。
【0111】ところで、図21に示したマーク配置のう
ち、パターン領域、又はショット領域の大きさによっ
て、特に像高値Hyが変化する。これに対応するため
に、先の図11で示したようにアライメント系の対物レ
ンズOB等を可動にするのであるが、その際、ウェハマ
ークWMxの像高値Hyの変化に応じて倍率色収差ΔY
mも変化し得る。一般に像高値Hyが小さくなれば、倍
率色収差ΔYmも小さくなる傾向にある(必ずしもそう
なるとは限らない)ので、マークWMxが配置可能な範
囲内で最小となる像高値Hyと最大となる像高値Hyと
を設定し、その範囲内で生じる倍率色収差ΔYmの変化
範囲を見積り、ΔYmの変化範囲で送光ビームLB
1 、LBW2 と受光ビームBTwとがけられないよう
に、窓WIxのY方向(M方向)の幅を決定する。それ
に関連してレチクルマークRMxのY方向(ピッチ方向
と直交する方向)の寸法も、送光ビームLBW1 、LB
2 のY方向の幅と比べて十分に大きくされている。
【0112】図22(A)、(B)は、ウェハマークW
Mxの像高Hyの違いによる倍率色収差ΔYmの差を表
したものであり、図22(A)は最も小さい倍率色収差
ΔYm1 のときの各ビームの配置を表し、図22(B)
は最も大きい倍率色収差ΔYm2 のときの各ビームの配
置を表している。このとき、レチクルマーク用のビーム
LBR1 、LBR2 の照射位置とウェハマーク用のビー
ムLBW1 、LBW2の照射位置とのY方向の間隔Yc
は一定であるものとする。
【0113】このように、マークWMxの像高値Hyの
違いによってウェハ用のビームLBW1 、LBW2 の窓
WIx内でのY方向位置を変える必要があるため、図1
1のように対物レンズOB等を駆動する際、対物レンズ
OBの光軸AXaのレチクル上での設定位置は、そのレ
チクルの窓WIxのY方向の像高に応じて予め求めてお
いた倍率色収差ΔYm(ΔYm1 〜ΔYm2 )の記憶テ
ーブルに基づいて制御される。
【0114】ところで多波長化された送光ビームを使う
ときは、図21、図22中のビームLBW1 、LBW2
の位置よりもX方向(ピッチ方向)の間隔が広がった別
のビームが位置することもあるため、窓WIxのX方向
の幅はそれにも対応するように定められる。以上、本発
明の各実施例では、レチクルマークRM、ウェハマーク
WMの夫々に2本の送光ビームを対称的な入射角で照射
し、各マークから垂直に発生する1本の受光ビーム(干
渉光BTr、BTw)を光電検出するようにしたが、1
本の送光ビームをレチクルマークRMに垂直に照射する
とともに、他の1本の送光ビームを瞳面EPの位相格子
(A3、B3、C3、D3)を介してマークWMに垂直
に照射し、ウェハマークから対称的な角度で発生する±
1次回折ビームの夫々を瞳面EP内の1対の位相格子
(A1、A2:B1、B2:C1、C2:D1、D2)
を介してレチクルの窓まで戻すように構成してもよい。
この場合、ヘテロダイン(干渉縞走査)方式が採用でき
ないため、レチクルマークRMからの±1次回折ビーム
をアライメント光学系内の共役面で受ける第1の基準格
子と、ウェハマークWMからの±1次回折ビームをアラ
イメント光学系内の共役面で受ける第2の基準格子とを
設け、第1基準格子で再回折された回折光の強度と第2
基準格子で再回折された回折光の強度とを個別に光電検
出し、そのレベルの差を求めることによってレチクルマ
ークRMとウェハマークWMとのピッチ方向の位置ずれ
を計測することになる。
【0115】すなわち、補正板PC上の3個で1組の位
相格子の各配置は従前のままで、送光ビームと受光ビー
ムとを入れ替えてしまうのである。要するに、各実施例
中の受光ビームとしての干渉光BTwの光路と同一位置
に窓WIを介して1本の送光ビームを通し、各実施例中
の送光ビームLBW1 、LBW2 の光路と同一位置にウ
ェハマークWMからの±1次回折ビームを通すのであ
る。このような方式の場合、マークWMからの±1次回
折ビームはレチクルRの上方空間の面P0 内で交差(結
像)することになり、一方レチクルマークRMを透過し
てウェハ面で反射し、再びレチクルへ戻ってくる±1次
回折ビームはレチクル上では最早交差することがない。
従って、送光ビームを1本にした方式でも本発明の効果
が同様に得られることになる。
【0116】図23は、補正板PC上の位相格子の他の
配置例を示し、図17で示した位相格子と同一機能のも
のには同じ符号を付けてある。この補正板PCは、特に
2本の送光ビームが多波長化されていて、M方向傾斜方
式(Mテレくずし)でレチクル、ウェハに入射する場合
であって、対物レンズOBの観察位置をM方向に変える
ことに対応したものである。
【0117】マーク配置の異なるレチクル、ウェハをア
ライメントする際、送光ビームは像空間において像高の
異なる位置を通ることになるが、その異なる像高に対応
して、アライメントビームの波長における投影光学系P
Lのテレセントリシティも若干変化してくる。このよう
な像高に対するテレセントリシティの変化は露光光の波
長ではほとんど無視できる程小さいが、アライメントビ
ームの波長が露光波長と大きく離れれば、それに応じて
無視できない量になる。
【0118】図24はそのテレセントリシティの変化を
誇張して表したもので、最も周辺の像高Hy1 の位置に
対物レンズOBが設定された場合と、最も内側の像高H
2の位置に対物レンズOBが設定された場合とを示
す。対物レンズOBの光軸AXaは、機械設計上、投影
光学系PLの光軸AXと平行を保ってM方向(Y方向)
に可動とされている。図24において、面P0 内で光軸
AXaと交差している線Ltは主光線を表し、その延長
は投影光学系PLの瞳面EPの中心、すなわち図23中
の線Lpx、Lpyの交点を通る。主光線Ltは像高H
1 、Hy2 の夫々の位置で、光軸AXa(AX)に対
するM方向の角度が異なっている。これがテレセントリ
シティの誤差である。露光波長の場合、主光線はどの像
高位置でも光軸AXと平行になり、テレセントリックな
投影光学系として働く。
【0119】一方、X方向用のウェハマークWMxを照
射する2本のビームLBW1 、LBW2 のM方向の傾斜
量は、対物レンズOBの光軸AXaに対して常に一定に
設定されているため、対物レンズOBが像高Hy1 に位
置するときに生ずる主光線Ltに対するビームLB
1 、LBW2 のM方向の傾斜量α1 と、像高Hy2
おける主光線Ltに対するビームLBW1 、LBW2
M方向の傾斜量α2 (ここではα2 <α1 )とは異なっ
てくる。この傾斜量α1 、α2 は、図23中では2本の
ビームLBW1 、LBW2 の瞳面EP内での通過位置が
線LpxからY方向へ偏位することに対応しているか
ら、傾斜量がα1 のときとα2 のときとでその偏位量も
異なることを意味する。
【0120】そこで図23のように、図24中の2本の
ビームLBW1 、LBW2 が通る送光用位相格子A1、
A2をY方向(M方向)に長い形状とし、それに対応し
て受光用の位相格子A3もY方向(M方向)に長い形状
とするのである。他の3組の位相格子群についても同様
にして、それぞれM方向に長い面積を持たせる。以上の
ように、送光用、受光用の各位相格子をM方向に長い形
状としておけば、投影光学系PLのテレセントリシティ
の誤差があっても、それにかかわらず任意の像高位置で
ウェハマークの検出が可能となる。ただし、各位相格子
の面積をなるべく小さくしたいときには、投影光学系P
Lのテレセントリシティの誤差に応じて、すなわち像高
位置に応じて送光ビームLBW1 、LBW2 自体のM方
向傾斜量を変えるような工夫(例えばアライメント系内
の瞳空間に傾斜角可変の平行平板ガラスを設け、そのガ
ラス板の傾き量を変えて瞳空間におけるビームLB
1 、LBW2 の光軸AXaからの偏心量を変える等)
が必要となる。このようにすると、像高位置によらず、
図24中の傾斜量α1 、α2 を等しく保つことができ
る。
【0121】
【発明の効果】以上本発明によれば、投影光学系の瞳
面、もしくはその近傍に、アライメント用のビームが通
る光路における軸上色収差を制御する補正素子を設け、
マスクのパターン面(マーク面)から光軸方向に一定量
離間した面と感光基板の表面とを、そのアライメント光
路に関して互いに共役にしたので、マスク上のマーク部
分と投影光学系とを透過して感光基板で反射して再びマ
スク側へ戻ってくる光がノイズ成分となってマスクマー
クからのアライメント光に混入することが防止できる。
【0122】このため、特にマスクマークの検出信号の
歪みが低減され、マスクと感光基板との相対位置ずれ計
測の精度が向上するといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投影露光装置におけるアライメント方式
を説明する図。
【図2】レチクル上のマーク配置とウェハ上のマーク配
置とを模式的に示す斜視図。
【図3】本発明の各実施例によるアライメント方式の原
理を説明する図。
【図4】本発明の各実施例における送光ビームの光路と
その作用を説明する図。
【図5】図4の構成のうちレチクル近傍における各ビー
ムの振舞いを説明する図。
【図6】本発明の実施例におけるアライメント光学系の
うち、対物レンズを含む一部の構成を示す図。
【図7】図6のアライメント光学系に供給されるヘテロ
ダイン方式の送光ビームを作成する系を示す斜視図。
【図8】図7の系で作成された2本の送光ビームを4本
にする4ビーム化手段の系を示す図。
【図9】図8の系で作成された4本のビームをレチクル
用ビームとウェハ用ビームとで光路差を与えて図6の系
へ供給する2焦点化手段の系を示す図。
【図10】図8と図9の系を合わせて4ビーム化と2焦
点化とを同時に行う変形例を示す図。
【図11】アライメント光学系の対物レンズを可動とす
るときの様子を示す斜視図。
【図12】図6中のアライメント光学系と組み合わされ
る受光光学系の構成を示す図。
【図13】アライメントマークをX、Y方向の夫々につ
いて設けたときの送光ビーム、受光ビームの光路を説明
する斜視図。
【図14】送光ビームをメリジオナル方向傾斜方式で入
射させる場合の光路を説明する図。
【図15】メリジオナル方向傾斜方式に敵した補正素子
の配置を示す図。
【図16】図13のマーク配置においてメリジオナル方
向傾斜方式を適用したときに好適な補正素子の配置を示
す図。
【図17】図13のマーク配置の他に、X、Y方向用に
それぞれもう1組のマークを配置して、メリジオナル方
向傾斜方式にしたときの補正素子の配置を示す図。
【図18】ウェハ上のマークへの送光ビームを多波長化
したときのビーム入射の様子を示す図。
【図19】補正素子を通る多波長化された送光ビームの
配置を示す図。
【図20】多波長化された送光ビームのレチクル上での
光路を説明する図。
【図21】本発明の各実施例に好適なレチクル上のマー
クと窓との配置関係を示す図。
【図22】像高位置に応じてレチクル上の窓を通す送光
ビームの位置を変化させる様子を説明する図。
【図23】図17の補正素子の形状、配置の変形例を示
す図。
【図24】像高位置によってレチクル側のテレセントリ
シティが変化する様子を説明した図。
【符号の説明】
R…レチクル PL…投影光学系 EP…瞳面 W…ウェハ RMx、RMy…レチクルマーク WI、WIx…窓 WMx、WMy…ウェハマーク PC…補正板 GX1 、GX2 、GX3 ;A1、A2、A3…位相格子 LBW1 、LBW2 …ウェハ用送光ビーム LBR1 、LBR2 …レチクル用送光ビーム BTw…ウェハマーク干渉光 BTr…レチクルマーク干渉光

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転写すべきパターンが形成されたマスクを
    露光光で照射する照明系と、前記マスクのパターンを感
    光基板に結像投影する投影光学系と、前記露光光と異な
    る波長のアライメントビームを、前記マスクに形成され
    た第1格子マークとその近傍の透明部とに向けて照射す
    るとともに、前記透明部と前記投影光学系とを介して前
    記感光基板に形成された第2格子マークに照射するビー
    ム照射手段と、前記第2格子マークから発生して前記投
    影光学系と前記マスクの透明部とを介して進む回折光
    と、前記第1格子マークから発生した回折光とを受光す
    る光電検出器を有し、該光電検出器の出力信号に基づい
    て、前記マスクと前記感光基板との相対的な位置ずれを
    検出するマーク位置検出手段とを備えた投影露光装置に
    おいて、 前記ビーム照射手段は、前記第1格子マーク上で交差す
    る2本の第1アライメントビームと、前記第2格子マー
    クを照射することなく前記透明部のみを通るように、前
    記マスクの面から所定の間隔Dだけ離れた空間中で交差
    する2本の第2アライメントビームとを生成する4ビー
    ム生成部材を有し;さらに前記投影光学系の瞳面、もし
    くはその近傍の面内で前記2本の第2アライメントビー
    ムの通る部分に配置され、前記2本の第2アライメント
    ビームが前記投影光学系を介して前記第2格子マーク上
    で交差するように偏向させる複数の光学素子を備え;該
    複数の光学素子により、前記アライメントビームの波長
    において前記マスク側で生じる前記投影光学系の本来の
    軸上色収差量Lcを前記間隔Dとほぼ等しくなるまで補
    正したことを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】前記複数の光学素子は、前記投影光学系の
    瞳面、もしくはその近傍の面内に配置された透明板の表
    面に形成された位相格子で構成され、該位相格子によっ
    て回折された前記第2アライメントビームの回折ビーム
    が前記第2格子マーク上で交差するように、該位相格子
    のピッチと回折方向とを定めたことを特徴とする請求項
    第1項に記載の装置。
  3. 【請求項3】前記ビーム照射手段は、可干渉性のビーム
    を発生するビーム光源と、該ビームを周波数f1 とf2
    の2本の並行したビームに変換する変調部材と、前記マ
    スクの面とほぼ垂直な光軸を有し、該変調部材からの2
    本のビームを入射して前記マスクの面から間隔Dだけ離
    れた空間中の面、もしくは前記マスク上の第1格子マー
    クの面で交差させる対物レンズ系とを備え、前記4ビー
    ム生成部材は該対物レンズ系の前側焦点面、又はその近
    傍に配置される複屈折性レンズで構成され、前記第1ア
    ライメントビームと前記第2アライメントビームは、該
    複屈折性レンズによって屈折作用を受ける一方の偏光成
    分の2本のビームと、該複屈折性レンズによって屈折作
    用を受けない他方の偏光成分の2本のビームとによって
    作ることを特徴とする請求項第2項に記載の装置。
  4. 【請求項4】転写すべきパターンが形成されたマスクを
    露光光で照射する照明系と、前記マスクのパターンを感
    光基板に結像投影する投影光学系と、前記露光光と異な
    る波長のアライメントビームを、前記マスクに形成され
    た第1格子マークとその近傍の透明部とに向けて照射す
    るとともに、前記透明部と前記投影光学系とを介して前
    記感光基板に形成された第2格子マークに照射するビー
    ム照射手段と、前記第2格子マークから発生して前記投
    影光学系と前記マスクの透明部とを介して進む回折光
    と、前記第1格子マークから発生した回折光とを受光す
    る光電検出器を有し、該光電検出器の出力信号に基づい
    て、前記マスクと前記感光基板との相対的な位置ずれを
    検出するマーク位置検出手段とを備えた投影露光装置に
    おいて、 前記アライメントビームの波長において生じる前記投影
    光学系の軸上色収差量をLcとしたとき、前記投影光学
    系の瞳面内の前記アライメントビームが通る位置に配置
    され、前記マスクの面から光軸方向に所定の間隔Dだけ
    離れた空間面と前記感光基板とを、前記アライメントビ
    ームの波長において前記投影光学系を介して互いに共役
    にするために、前記軸上色収差量LcをLc−Dだけ補
    正する補正光学素子を設けたことを特徴とする投影露光
    装置。
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