JPH06309677A - 光学式情報処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラック飛びを正確に検出し、トラック飛び
が発生した場合、記録を中止する。 【構成】 トラッキングエラー信号検出器３からのトラ
ッキングエラー信号は、微分手段７に入力され、トラッ
キングエラー信号の微分信号を、比較手段８で比較基準
値設定手段９が設定する基準値と比較する。比較手段８
は、微分信号が基準値を越えた場合、判定信号ａをＯＲ
ゲート１０に出力する。オントラック信号検出器１１が
検出したオントラック信号は、比較手段１２により比較
基準設定手段１３が設定する基準値と比較され、その比
較結果が、トラックガイド到達検知手段１４に出力され
る。トラックガイド到達検知手段１４は、トラッキング
エラー信号を、基準値”０”と比較する比較手段１２及
び比較手段１５の各出力によりトラックガイドに到達し
たことを検知して、判定信号ｂをＯＲゲート１０に出力
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数のトラックを備え
た光学式記録媒体に光ビームを照射して、トラック毎に
情報を記録／再生する光学式情報処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子技術及び光学技術の進歩によ
り、光学式記録媒体に光ビームを照射して情報を記録す
ると共に、記録した情報を、光ビームの戻り光を受光し
てその受光量により再生する高密度記録再生装置として
の光学式情報処理装置が種々開発されている。

【０００３】このような光学式情報処理装置において
は、光学式記録媒体の記録領域を、複数のトラックと呼
ばれる領域に分割して、トラック毎に情報を記録してい
る。したがって、情報の記録再生時には、光ビームを正
確にトラックに追従させる必要があり、いわゆるトラッ
キングサーボを行う必要がある。

【０００４】以下、従来例を図面を参照して説明する。
図５に示すように、トラック５０は、トラック毎にトラ
ックガイド５１により分割されており、上記トラッキン
グサーボは、このトラックガイドを含む領域に光ビーム
を照射し、その戻り光を図示しない２分割されたディテ
クタで検出し、２分割されたそれぞれの出力の差信号で
あるトラッキングエラー信号を０にするように制御す
る。

【０００５】しかしながら、情報処理中に、振動や衝撃
等の外乱により、図６に示すように、トラッキングサー
ボが外れ、目標トラック５０と異なる位置に移動した後
に、その位置で再びトラッキングサーボに引き込まれ、
トラッキングエラー信号を０にするように制御を行い、
その結果、目標とするトラックと変わることがある（以
下、トラック飛びという）。

【０００６】このようなトラック飛びが生じたまま、情
報処理を続行すると、図７（ａ）に示すように、既に記
録済みのトラックに情報を上書きし、記録済みデータを
破壊したり、図７（ｂ）に示すように、記録トラックに
移動したとしても、記録領域を無駄に使用すると共に、
記録した情報がどの位置から移動したのか分からないの
で、情報を再生することができないという問題が生じて
いた。

【０００７】そこで、従来より、このトラック飛びの発
生を検出し、記録を中止する手段が講じられた。この手
段は、図８に示すように、光学式記録媒体６１に光ビー
ムを照射し、その反射光を対物レンズ６２を介してトラ
ッキングエラー信号検出器６３でトラッキングエラー信
号を検出する。制御回路６４は、検出されたトラッキン
グエラー信号が０になるように駆動回路６５を駆動し、
この駆動回路６５によりトラッキングアクチュエータ６
６を駆動し、光ビームがトラック中央に位置するように
制御する。

【０００８】一方、トラッキングエラー信号は、微分手
段６７にも入力され、この微分手段６７によりトラッキ
ングエラー信号の微分信号、即ち、トラッキングエラー
信号の変化の速さを示す信号を、比較手段６８で比較基
準値設定手段６９が設定する基準値と比較する。この比
較基準値設定手段６９は、図９に示すように、トラッキ
ングエラー信号に微分信号に対して上限値と下限値を設
定しており、比較手段６８は、トラックエラー信号が変
化し、このトラッキングエラー信号の微分信号が上限値
あるいは下限値を越えた場合、トラック飛びと判断し、
記録中止命令が、図示しない記録再生制御手段に出力
し、トラック飛び発生時には記録を中止するようにして
いた。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図１０
（ａ）に示すように、トラッキングエラー信号の微分信
号の値に対して、トラック飛びは、発生確率曲線（図中
では、便宜的に直線で表しているが、装置の構成等によ
り、この発生確率曲線は必ずしも直線にならないが、定
性的には微分信号に対して増加する曲線となる）にした
がって発生する。

【００１０】したがって、トラッキングエラー信号の微
分信号の値が基準値を越えた場合、トラック飛び発生と
判断する従来の方式では、図１０（ｂ）に示すように、
基準値が比較的低い基準Ａに対しては、基準Ａ以下では
トラック飛びを見逃す領域が生じ、基準Ａを越えた領域
ではトラック飛びが発生していないにもかかわらず、ト
ラック飛び発生と誤判定する領域が生じる。同様に、図
１０（ｃ）に示すように、基準値を大きくし、トラック
飛びが必ず生じるトラッキング信号の微分信号の値に基
準値を設定（基準Ｂ）しても、この基準Ｂに対してもト
ラック飛びを見逃す領域が生じる。

【００１１】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、トラック飛びを正確に検出し、トラック飛びが
発生した場合、記録を中止することのできる光学式情報
処理装置を提供することを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の光学式情報処理
装置は、複数のトラックを備えた光学式記録媒体に、光
ビームを照射して前記トラック毎に情報を記録／再生す
る光学式情報処理装置において、光ビームのトラックか
らのずれ量を示すトラッキングエラー信号を検出するト
ラッキングエラー信号検出手段としてのトラッキングエ
ラー信号検出器３と、光ビームのトラック上に位置を示
すオントラック信号を検出するオントラック検出手段と
してのオントラック信号検出器１１と、トラッキングエ
ラー信号を微分する微分手段としての微分手段７と、微
分手段７の出力を所定の第１の基準値としての比較基準
値設定手段９が設定する基準値と比較する第１の比較手
段としての比較手段８と、オントラック信号を所定の第
２の基準値としての比較基準設定手段１３が設定する基
準値と比較する第２の比較手段としての比較手段１５
と、比較手段１５の出力により光ビームがトラックの境
界に達したことを検出する境界到達検出手段としてのト
ラックガイド到達検知手段１４とを備えている。

【００１３】上記構成の光学式情報処理装置は、比較手
段８の出力及びトラックガイド到達検知手段１４出力に
基づいて、トラック飛びの判定を行う判定手段としての
ＯＲゲート１０を備えて構成することができる。

【００１４】また、比較基準値設定手段９が設定する基
準値と比較基準設定手段１３が設定する基準値とを可変
とすることができる。

【００１５】

【作用】上記構成の光学式情報処理装置では、比較手段
８の出力によりトラッキングエラー信号の変化速度が所
定速度より大きい場合と、トラックガイド到達検知手段
１４の出力によりトラックガイドに光ビームが到達した
場合に、トラック飛びと判定し、確実に記録を中止させ
ることを可能とする。

【００１６】トラックガイド到達検知手段１４の出力と
比較手段８の出力をＯＲゲート１０によりＯＲ演算を行
い、記録を中止させることができる。

【００１７】また、比較基準値設定手段９が設定する基
準値と比較基準設定手段１３が設定する基準値とを可変
にすることで、最適な基準値と比較が可能となる。

【００１８】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて述べる。

【００１９】図１及至図４は本発明の一実施例に係わ
り、図１は本発明の光学式情報処理装置の一実施例の概
念構成を示す構成図、図２は図１の光学式情報処理装置
の具体的な構成を示すブロック図、図３は図２の動作を
説明するタイミング図、図４は図２によるトラック飛び
の検出領域を説明する説明図である。

【００２０】本一実施例の光学式情報処理装置の概念構
成は、図１に示すように、光学式記録媒体１に光ビーム
を照射し、その反射光を対物レンズ２を介してトラッキ
ングエラー信号検出器３でトラッキングエラー信号を検
出する。制御回路４は、検出されたトラッキングエラー
信号が０になるように駆動回路５を駆動し、この駆動回
路５によりトラッキングアクチュエータ６を駆動し、光
ビームがトラック中央に位置するように制御する。

【００２１】一方、トラッキングエラー信号は、微分手
段７にも入力され、この微分手段７によりトラッキング
エラー信号の微分信号、即ち、トラッキングエラー信号
の変化の速さを示す信号を、比較手段８で比較基準値設
定手段９が設定する基準値と比較する。比較手段８は、
トラックエラー信号が変化し、このトラッキングエラー
信号の微分信号が基準値を越えた場合、判定信号ａをＯ
Ｒゲート１０に出力する。

【００２２】オントラック信号検出器１１は、光学式記
録媒体１に照射された光ビームの反射光によりオントラ
ック信号を検出する。具体的には、例えば、２分割され
たディテクタのそれぞれの領域の出力の和信号をオント
ラック信号として検出する。検出されたオントラック信
号は、比較手段１２により比較基準設定手段１３が設定
する基準値と比較され、その比較結果がトラックガイド
到達検知手段１４に出力される。一方、トラックガイド
到達検知手段１４には、トラッキングエラー信号を基準
値”０”と比較する比較手段１５の出力が入力されてお
り、トラックガイド到達検知手段１４は、比較手段１２
及び比較手段１５の各出力によりトラックガイドに到達
したことを検知して判定信号ｂをＯＲゲート１０に出力
する。

【００２３】そして、ＯＲゲート１０は判定信号ａ、ｂ
に対してＯＲ演算を行い、記録中止命令を出力する。こ
のような判定信号ｂにより図２に示すように、従来トラ
ック飛びを見逃していた領域を検出し記録の中止を実現
する。

【００２４】上記概念構成の光学式情報処理装置の具体
的な構成を、図２及び図３を用いて説明する。

【００２５】図２に示すように、トラッキングエラー検
出器３により検出されたトラッキングエラー信号（図３
（ａ））は、微分回路３０により微分信号となり、この
微分信号は、コンパレータ回路３１でＤ／Ａ変換器３２
により与えられるスレッシュレベルと比較され、判定結
果がＯＲゲート３３に出力される。一方、微分信号は、
反転回路３４により反転され、反転微分信号となり、こ
の反転微分信号は、コンパレータ回路３５でＤ／Ａ変換
器３２により与えられるスレッシュレベルと比較され、
判定結果がＯＲゲート３３に出力される。したがって、
ＯＲゲート３３の出力は、微分信号の絶対値がＤ／Ａ変
換器３２により与えられるスレッシュレベルを越えたか
どうかを示す判定信号ａとなる。

【００２６】オントラック検出器１１により検出された
オントラック信号（図３（ｂ））は、コンパレータ回路
３６でＤ／Ａ変換器３７により与えられるスレッシュレ
ベルと比較され、２値化オントラック信号（図３
（ｃ））となる。また、トラッキングエラー信号はコン
パレータ回路３８で基準値”０”と比較され、２値化ト
ラッキングエラー信号（図３（ｄ））となる。２値化オ
ントラック信号は、フリップフロップ３９、４０のデー
タ入力端子に出力され、２値化トラッキングエラー信号
は、フリップフロップ３９のタイミング端子及びインバ
ータ４１を介してフリップフロップ４０のタイミング端
子に出力される。したがって、フリップフロップ３９の
反転出力／Ｑは、２値化オントラック信号が”Ｈ”の時
（即ち、光トラックがトラックガイドに達した時）を２
値化トラッキングエラー信号の立ち上がりでラッチした
信号となり、フリップフロップ４０の反転出力／Ｑは、
２値化オントラック信号が”Ｈ”の時（即ち、光トラッ
クがトラックガイドに達した時）を２値化トラッキング
エラー信号の立ち下がりでラッチした信号となる、この
フリップフロップ３９、４０のそれぞれの反転出力／Ｑ
をＯＲゲート４２でＯＲ演算することにより、ＯＲゲー
ト４２の出力は、光ビームがトラックガイドに到達した
ことを示す判定信号ｂとなる。

【００２７】このようにして得られた判定信号ａ、ｂを
ＯＲゲート４３でＯＲ演算し、ＡＮＤ回路４４を介して
記録再生等の信号処理を行うＣＰＵ４５に出力すること
により、ＣＰＵ４５は、光ビームがガイドトラックに達
したか、あるいは光ビームの移動速度が所定の速度より
速い場合、記録（ライト）許可／禁止信号を”Ｈ”にし
て記録中止を図示しない記録駆動回路に指示する。尚、
ＡＮＤ回路４４には、記録（ライト）許可／禁止信号が
入力されており、記録（ライト）許可／禁止信号が”
Ｌ”の時、即ち、記録が許可されている状態の時のみＯ
Ｒゲート４３の出力をＣＰＵ４５に出力するようになっ
ている。また、ＣＰＵ４５は、スレッシュレベルをＤ／
Ａ変換器３２及びＤ／Ａ変換器３７に設定しており、し
たがって、このスレッシュレベルを可変することができ
るようになっている。

【００２８】このように、本一実施例の光学式情報処理
装置によれば、図４に示すように、判定信号ａによりト
ラッキングエラー信号の変化が基準値を越えた場合のト
ラック飛びを検出し、トラッキングエラー信号の変化が
基準値以下である場合においては判定信号ｂにより、従
来トラック飛びを見逃していた領域を検出することで、
トラック飛びを正確に検出し、トラック飛びが発生した
場合、確実に記録を中止することができる。また、スレ
ッシュレベルは可変であるので、装置毎に最適なスレッ
シュレベルを設定することができる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の光学式情報
処理装置によれば、第１の比較手段の出力によりトラッ
キングエラー信号の変化速度が所定速度より大きい場合
と、境界到達検出手段の出力によりトラックガイドに光
ビームが到達した場合に、トラック飛びと判定し確実に
記録を中止させることを可能とする。

【００３０】境界到達検出手段の出力と第１の比較手段
の出力を判定手段により判定し、記録を中止させること
ができる。

【００３１】また、第１の基準値と第２の基準値とを可
変にすることで、最適な基準値と比較が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光学式情報処理装置の一実施例の概念
構成を示す構成図である。

【図２】図１の光学式情報処理装置の具体的な構成を示
すブロック図である。

【図３】図２の動作を説明するタイミング図である。

【図４】図２によるトラック飛びの検出領域を説明する
説明図である。

【図５】光学式記録媒体からのトラッキングエラー信号
を説明する説明図である。

【図６】トラック飛びを説明する説明図である。

【図７】信号処理中におけるトラック飛びによって記録
される誤記録を説明する説明図である。

【図８】従来のトラック飛び判定手段の構成を示す構成
図である。

【図９】図８のトラック飛び判定手段の作用を説明する
タイミング図である。

【図１０】図８のトラック飛び判定手段による誤判定を
説明する説明図である。

【符号の説明】

１ 光学式記録媒体 ３ トラッキングエラー信号検出器 ７ 微分手段 ８ 比較手段 ９ 比較基準設定手段 １０ ＯＲゲート １１ オントラック信号検出器 １２ 比較手段 １３ 比較基準設定手段 １４ トラックガイド到達検知手段

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のトラックを備えた光学式記録媒体
   に、光ビームを照射して前記トラック毎に情報を記録／
   再生する光学式情報処理装置において、 前記光ビームの前記トラックからのずれ量を示すトラッ
   キングエラー信号を検出するトラッキングエラー信号検
   出手段と、 前記光ビームの前記トラック上に位置を示すオントラッ
   ク信号を検出するオントラック検出手段と、 前記トラッキングエラー信号を微分する微分手段と、 前記微分手段の出力を所定の第１の基準値と比較する第
   １の比較手段と、 前記オントラック信号を所定の第２の基準値と比較する
   第２の比較手段と、 前記第２の比較手段の出力により前記光ビームが前記ト
   ラックの境界に達したことを検出する境界到達検出手段
   とを備えたこと特徴とする光学式情報処理装置。
2. 【請求項２】 前記第１の比較手段の出力及び前記境界
   到達検出手段の出力に基づいて、トラック飛びの判定を
   行う判定手段を備えたこと特徴とする請求項１に記載の
   光学式情報処理装置。
3. 【請求項３】 前記判定手段は、前記第１の比較手段の
   出力と前記境界到達検出手段の出力とをＯＲ演算するこ
   とにより判定すること特徴とする請求項２に記載の光学
   式情報処理装置。
4. 【請求項４】 前記第１の基準値と前記第２の基準値は
   可変であることを特徴とする請求項１、２または３のい
   ずれか１つに記載の光学式情報処理装置。