JPH06309477A - アナログ乗算器およびこの乗算器を使用した検波回路 - Google Patents

アナログ乗算器およびこの乗算器を使用した検波回路

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JPH06309477A
JPH06309477A JP5100969A JP10096993A JPH06309477A JP H06309477 A JPH06309477 A JP H06309477A JP 5100969 A JP5100969 A JP 5100969A JP 10096993 A JP10096993 A JP 10096993A JP H06309477 A JPH06309477 A JP H06309477A
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Mikio Hayashibara
幹雄 林原
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 CMOSのアナログLSIで実現できるよう
にし、これにより消費電力が小さくかつ安価なアナログ
乗算器を提供する。 【構成】 アナログ乗算器を、減算積分器11、比較器
12、1サンプル遅延回路および1ビットDAC14に
より構成されるΔΣ変調器10と、反転回路20と、ア
ナログスイッチからなる選択回路30と、低域通過フィ
ルタ40とを用いて構成し、ΔΣ変調器10によって第
2のアナログ入力信号BSのレベルをパルスの粗密で表
わした二値化信号CSを得、この二値化信号CSの論理
レベルに応じて、第1のアナログ入力信号ASと上記反
転回路20から出力された反転信号AS ̄とを選択回路
30で択一的に選択して出力し、この選択回路30から
出力された信号DSに含まれる量子化雑音成分を低域通
過フィルタ40により除去することにより、乗算出力E
Sを得るようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば測定機器や通信
機器の信号処理部において用いられるアナログ乗算器お
よびこの乗算器を使用した検波回路に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば無線通信機では、周波数変換や検
波を行なうためにアナログ乗算器が多く使用されてい
る。図6はこのアナログ乗算器の一つであるギルバート
乗算器の構成を示したものである。ギルバード乗算器
は、2つのエミッタ接地ペア回路を交差接続した回路
と、1つのエミッタ接地ペア回路とを直列接続したもの
で、その動作はP.R.グレイ/R.G.メイヤー共
著,永田穣監訳:超LSIのためのアナログ集積回路設
計技術,下巻第10章3節に詳述されている。しかし、
このギルバード乗算器は、バイポーラトランジスタの入
力電圧と出力電流との指数関数特性を利用しているた
め、入力電圧と出力電流との関係が2乗特性であるCM
OSトランジスタにより実現することは困難である。
【0003】一方、最近移動通信の分野では、従来のア
ナログFM通信方式から、π/4シフトDQPSK(π
/4 shifted,differentially encoded quadrature pha
se shift keying )変調方式を使用したディジタル通信
方式に移行しようとしている。図7は、このディジタル
通信方式を採用した無線通信機の受信系の構成を示す回
路ブロック図である。
【0004】同図において、アンテナ1により受信され
た無線信号はアンテナ共用器2を介して受信回路3に導
かれる。この受信回路3では、上記無線信号が周波数シ
ンセサイザ4から出力された受信局部発信信号とミキシ
ングされて中間周波または低周波の受信信号に変換さ
れ、この受信信号はディジタル復調回路5に入力され
る。ディジタル復調回路5では、上記受信信号が直交復
調または遅延検波されて受信ディジタル信号が再生さ
れ、この受信ディジタル信号は信号処理部6に入力され
る。信号処理部6では、上記受信ディジタル信号が誤り
訂正復号および音声復号などの通信に必要な信号処理や
エコーキャンセル処理などの付加価値を高めるための信
号処理を施されて受話信号となり、この受話信号は音声
回路7を介してスピーカ8に供給されて拡声出力され
る。
【0005】ところで、この種の移動無線通信機を設計
製作する場合、機器の小形軽量化および低消費電力化を
図るために、ディジタル復調回路5を信号処理部ととも
にCMOS−LSIにより1チップ化することが強く要
望されている。しかし、ディジタル復調回路は、例えば
遅延検波方式を採用すると、図8に示すごとく2個の1
シンボル遅延回路51I,51Qと、2個の加減算器5
2I,52Qと、2個の比較器53I,53Qと、4個
の乗算器54I,54Q,55I,55Qとから構成さ
れる。なお、RSI,RSQは受信変調入力信号の同相
成分および直交成分、またRDI,RSQは検波後のデ
ィジタル受信信号の同相成分および直交成分を示してい
る。このため、ディジタル復調回路5を信号処理部とと
もに1チップ化しようとするには、4個の乗算器54
I,54Q,55I,55Qをディジタル乗算器により
構成しなければならない。
【0006】しかし、ディジタル乗算器は一般に消費電
力が大きいため、電源としてバッテリを用いている移動
通信機器では使用時間の短縮を生じる。使用時間を十分
長く設定するには大容量のバッテリを使用しなければな
らないが、この様にすると機器の大形化および重量化を
招く。
【0007】また、これらの不具合を回避するために、
BiCMOSプロセスを用いてアナログ乗算器を構成す
ることが試みられている。しかし、BiCMOSプロセ
スは製造工程が多く複雑であるため、LSIが高価にな
り延いては機器のコストアップを招くという問題点があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように移動通信
機器などに使用される従来の乗算器は、CMOSのアナ
ログLSIで実現することが困難であり、CMOSLS
Iで実現するにはディジタル回路で構成するかまたはB
iCMOSにより構成せざるを得ず、この様にすると消
費電力の増加やコストアップを生じるという問題点を有
している。
【0009】そこで、本発明の目的は、回路構成を工夫
することによりCMOSのアナログLSIで実現できる
ようにし、これにより消費電力が小さくかつ安価なアナ
ログ乗算器を提供することである。
【0010】また本発明の他の目的は、小形かつ安価で
消費電力が小さく、電源としてバッテリを使用した携帯
形の移動無線通信機器に好適な検波回路を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のアナログ乗算器は、2つのアナログ入力信号
のうち第1のアナログ入力信号を反転回路で反転すると
ともに、第2のアナログ入力信号をΔΣ変調器によりΔ
Σ変調して二値化信号として出力している。そして、こ
のΔΣ変調器から出力された二値化信号のレベルに応じ
て、上記第1のアナログ入力信号と上記反転回路から出
力された反転信号とを選択回路で択一的に選択して出力
し、この選択回路から出力された信号に含まれる量子化
雑音成分を低域通過フィルタにより除去するように構成
したものである。
【0012】一方、上記他の目的を達成するために本発
明の検波回路は、アナログ入力信号どうしの掛け算を行
なうために使用される複数の乗算器の各々を、入力され
た2つのアナログ入力信号のうちの第1の信号を反転し
て出力する反転回路と、第2の信号をΔΣ変調して二値
化信号として出力するΔΣ変調器と、このΔΣ変調器か
ら出力された二値化信号のレベルに応じて、上記第1の
信号と上記反転回路から出力された反転信号とを択一的
に選択して出力するための選択回路と、この選択回路か
ら出力された信号に含まれる量子化雑音成分を除去する
低域通過フィルタとを用いて構成したものである。
【0013】また本発明の検波回路は、複数の乗算器の
各低域通過フィルタを、これらの乗算器の出力信号を相
互に加算するために設けられている加算器の出力側に配
設することを特徴とし、さらには複数の乗算器の各ΔΣ
変調器を、これらの乗算器にアナログ入力信号を入力す
るために設けられている遅延回路の入力側に配設するこ
とも特徴としている。
【0014】
【作用】この結果、本発明のアナログ乗算器によれば、
反転回路、ΔΣ変調器、アナログスイッチからなる選択
回路および低域通過フィルタにより回路が構成されるの
で、アナログ乗算器でありながら通常のCMOSプロセ
スを用いて容易にLSI化することができる。このた
め、ディジタル乗算器を用いる場合に比べて消費電力の
低減を図ることができ、かつBiCMOSのような複雑
で多くの製造工程を用いることなく製作することができ
るので安価なアナログ乗算器を提供することが可能とな
る。
【0015】一方、本発明のアナログ乗算器を使用した
検波回路によれば、消費電力が小さくかつ安価な乗算器
を使用可能となったことで、検波動作に要する回路の消
費電力が低減され、さらに回路が安価に構成可能とな
る。このため、検波回路を電源としてバッテリを使用し
た携帯形の通信機器に使用した場合に、通信使用時間の
延長とバッテリの小容量化とのうち少なくとも一方を実
現可能となり、これにより携帯形通信機器の小形軽量化
および使用性能の向上を図ることができる。
【0016】また本発明の検波回路によれば、複数の乗
算器の各低域通過フィルタを、これらの乗算器の出力信
号を相互に加算するために設けられている加算器の出力
側に配設することにより、複数の乗算器の各低域通過フ
ィルタを一つに共用化することができ、これにより回路
構成を簡単化することができる。
【0017】さらに本発明の検波回路によれば、複数の
乗算器の各ΔΣ変調器を、これらの乗算器にアナログ入
力信号を入力するために設けられている遅延回路の入力
側に配設することにより、複数の乗算器の各ΔΣ変調器
を一つに共用化することができ、しかもΔΣ変調器から
出力される二値化信号を遅延回路に入力することができ
るので、遅延回路をシフトレジスタのような簡単な回路
により構成することがでは、これにより検波回路の構成
をより一層簡単化することができる。
【0018】
【実施例】
(第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例に係わ
るアナログ乗算器の構成を示す回路ブロック図である。
【0019】このアナログ乗算器は、ΔΣ変調器10
と、反転回路20と、選択回路30と、低域通過フィル
タ40とから構成される。ΔΣ変調器10は、2つのア
ナログ入力信号AS,BSのうちの一方のアナログ入力
信号BSを、そのレベルをパルス信号の粗密で表わした
二値化信号CSに変換して出力するものである。反転回
路20は、上記2つのアナログ入力信号AS,BSのう
ちの他方のアナログ入力信号ASを極性反転して出力す
る。選択回路30は、2個のアナログスイッチ31,3
2により構成される。これらのアナログスイッチ31,
32は、上記ΔΣ変調器10から出力された二値化信号
CSの論理レベル“H”,“L”に応じて相反的に開成
動作し、これにより上記反転回路20の反転アナログ信
号AS ̄と第1のアナログ入力信号ASとを択一的に選
択して出力する。低域通過フィルタ40は、上記選択回
路30により選択出力された信号DSの量子化雑音を除
去し、この量子化雑音が除去された信号を乗算結果を表
わすアナログ信号ESとして出力する。
【0020】図2は、上記ΔΣ変調器10の回路構成を
示す図である。このΔΣ変調器10は、減算積分器11
と、比較器12と、D形フリップフロップからなる1サ
ンプル遅延回路13と、1ビットディジタル・アナログ
変換器(1ビットDAC)14とから構成される。アナ
ログ入力信号BSは、減算積分器11において1ビット
DAC14から出力されたVREF(+)またはVREF(-)との
差がとられたのち積分される。この減算積分器11から
出力された信号BS′は、比較器12により1ビットに
量子化される。つまり二値化される。そして、この二値
化されたパルス信号は、遅延回路13で1サンプル時間
遅延されたのち二値化信号CSとして出力される。ま
た、この二値化信号CSは、上記1ビットDAC14l
に帰還される。この1ビットDAC14は2個のアナロ
グスイッチからなり、上記二値化信号CSが“H”レベ
ルのときにVREF(+)を、一方二値化信号CSが“L”レ
ベルのときにVREF(-)をそれぞれ出力する。
【0021】図3(a)は、正弦波からなるアナログ入
力信号BSが入力されたときに上記減算積分器11から
出力される信号BS′の波形を示し、また図3(b)は
この信号BS′を比較器12で1ビット量子化し、さら
に遅延回路13で1ビット遅延することにより得られる
二値化信号CSの波形を示している。この波形から明ら
かなように、二値化信号CSはアナログ入力信号BSの
信号成分を忠実に含んだものとなる。
【0022】このような構成であるから、第1のアナロ
グ入力信号ASおよび第2のアナログ入力信号BSとし
て、例えば図4に示すような信号が入力されたとする。
そうすると、これらの入力信号のうち第2のアナログ入
力信号BSは、ΔΣ変調器10によりそのレベルをパル
スの粗密で表わした二値化信号CSに変換され、この二
値化信号CSはスイッチ制御信号として選択回路30の
各アナログスイッチ31,32に供給される。このた
め、各アナログスイッチ31,32は、上記二値化信号
CSのレベルに応じて相反的に開閉動作し、これにより
図4に示すように第1のアナログ入力信号ASとその反
転信号AS ̄とが択一的に選択されて出力される。そし
て、この選択出力された信号DSは、低域通過フィルタ
40により量子化雑音成分が除去され、図4のESに示
すようなアナログ信号波形となって出力される。このア
ナログ信号波形ESは、図4に示したように第1のアナ
ログ入力信号ASと第2のアナログ入力信号BSとを掛
け合わせたアナログ信号波形AS×BSと等しくなる。
【0023】このように本実施例であれば、アナログ乗
算器を、減算積分器11、比較器12、1サンプル遅延
回路および1ビットDAC14により構成されるΔΣ変
調器10と、反転回路20と、アナログスイッチからな
る選択回路30と、低域通過フィルタ40とを用いて構
成したことによって、アナログ乗算器をそのまま通常の
CMOSプロセスにより容易にLSI化することができ
る。したがって、ディジタル乗算器を用いる場合に比べ
て消費電力を低減することができ、かつBiCMOSの
ような複雑で多くの製造工程を用いることなく製作する
ことができるので安価なアナログ乗算器を提供すること
ができる。
【0024】(第2の実施例)本実施例は、本発明のア
ナログ乗算器をπ/4シフトQPSK遅延検波回路の乗
算器に使用した場合を示すものである。
【0025】図5は本実施例に係わるπ/4シフトQP
SK遅延検波回路の構成を示す回路ブロック図である。
なお、同図において前記図8と同一部分には同一符号を
付して説明を行なう。
【0026】同図において、π/4シフトQPSK変調
波信号の同相成分RSIおよび直交成分RSQは、それ
ぞれ二分岐されてその一方はアナログ乗算器54I,5
4Qの他の一部を構成するΔΣ変調器101I,101
Qに入力され、他方はアナログ乗算器54I,54Qの
他の一部を構成する選択部102I,102Qに入力さ
れる。
【0027】ΔΣ変調器101I,101Qでは、それ
ぞれ上記π/4シフトQPSK変調波信号の同相成分R
SIおよび直交成分RSQのレベルをパルスの粗密出表
わした二値化信号が得られる。これらの二値化信号は、
それぞれ遅延回路51I,51Qで1シンボル分遅延さ
れる。上記選択部102I,102Qは、それぞれ反転
回路および2個のアナログスイッチからなる。そして、
上記遅延回路51I,51Q出力された二値化信号のレ
ベルに応じて、各アナログスイッチが相反的に開閉動作
し、これにより上記π/4シフトQPSK変調波信号の
同相成分RSIおよび直交成分RSQと、その各々の反
転信号RSI ̄,RSQ ̄とが択一的に選択されて加算
器52Iに入力される。
【0028】また、上記π/4シフトQPSK変調波信
号の同相成分RSIおよび直交成分RSQは、それぞれ
乗算器55I,55Qの一部を構成する選択部103
I,103Qに入力されている。この選択部103I,
103Qは、それぞれ反転回路と2個のアナログスイッ
チとからなる。これらのアナログスイッチは、それぞれ
上記遅延回路51Q,51Iから出力された二値化信号
に応じて相反的に開閉動作し、これによりそれぞれ上記
π/4シフトQPSK変調波信号の同相成分RSIおよ
び直交成分RSQと、その各々の反転信号RSI ̄,R
SQ ̄とが択一的に選択されて加算器52Qに入力され
る。
【0029】上記加算器52Iでは、上記選択部102
I,102Qから出力された信号が相互に加算され、ま
た上記加算器52Qでは、上記選択部103I,103
Qから出力された信号が相互に加算される。これらの加
算器52I,52Qから出力された加算信号は、それぞ
れ低域通過フィルタ104I,104Qに入力され、こ
こで量子化雑音成分が除去される。そして、この低域通
過フィルタ104I,104Qから出力された信号はそ
れぞれ比較器53I,53Qに入力され、ここでパルス
信号に波形整形される。かくして、復調信号RDI,R
DQが得られる。
【0030】このように本実施例のπ/4シフトQPS
K遅延検波回路では、図8に示した4個のアナログ乗算
器54I,54Q,55I,55Qが、ΔΣ変調器10
1I,101Qと、反転回路およびアナログスイッチか
らなる選択部102I,102Q,103I,103Q
と、低域通過フィルタ104I,104Qとから構成さ
れることになる。このため、これらのアナログ乗算器を
含めて検波回路を通常のCMOSプロセスにより容易に
LSI化することができ、これにより消費電力が小さく
かつ安価なLSIを提供することができる。
【0031】また本実施例では、乗算器54I,54Q
および乗算器55I,55Qの構成の一部となる低周波
通過フィルタ104I,104Qを、それぞれ加算器5
3I,53Qの出力側に配置している。このため、本来
ならば各乗算器54I,54Q,55I,55Qごとに
合計4個必要となる低域通過フィルタを2個にすること
ができ、これにより回路構成を簡単化することができ
る。
【0032】さらに本実施例では、乗算器54I,54
Qおよび乗算器55I,55Qの構成の一部となるΔΣ
変調器101I,101Qを、それぞれ1シンボル遅延
回路51I,51Qの入力側に配設している。このた
め、1シンボル遅延回路51I,51Qには、それぞれ
上記ΔΣ変調器101I,101Qにより予め二値化さ
れた信号が入力されることになり、これにより従来では
例えば演算増幅器を使用した複数のスイッチトキャパシ
タ遅延回路を縦続接続することにより構成しなければな
らなかった1シンボル遅延回路を、1ビットのシフトレ
ジスタにより構成することが可能となり、この結果検波
回路の回路構成を大幅に簡単小形化することが可能とな
る。
【0033】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではない。例えば、第2の実施例では、本発明のア
ナログ乗算器をπ/4シフトQPSK遅延検波回路に使
用した場合を例にとって説明したが、直交復調回路で使
用される乗算器や周波数変換回路のミキサとして使用し
てもよく、また通信機器以外に測定機器やアナログ演算
装置に使用される乗算器として使用するようにしてもよ
い。その他、ΔΣ変調器および選択回路の回路構成等に
ついても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施できる。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のアナログ乗
算器は、2つのアナログ入力信号のうち第1のアナログ
入力信号を反転回路で反転するとともに、第2のアナロ
グ入力信号をΔΣ変調器によりΔΣ変調して二値化信号
として出力している。そして、このΔΣ変調器から出力
された二値化信号のレベルに応じて、上記第1のアナロ
グ入力信号と上記反転回路から出力された反転信号とを
選択回路で択一的に選択して出力し、この選択回路から
出力された信号に含まれる量子化雑音成分を低域通過フ
ィルタにより除去するように構成している。
【0035】したがって本発明によれば、回路構成を工
夫することによりCMOSのアナログLSIで実現する
ことができ、これにより消費電力が小さくかつ安価なア
ナログ乗算器を提供することができる。
【0036】また本発明の検波回路は、アナログ入力信
号どうしの掛け算を行なうために使用される複数の乗算
器の各々を、入力された2つのアナログ入力信号のうち
の第1の信号を反転して出力する反転回路と、第2の信
号をΔΣ変調して二値化信号として出力するΔΣ変調器
と、このΔΣ変調器から出力された二値化信号のレベル
に応じて、上記第1の信号と上記反転回路から出力され
た反転信号とを択一的に選択して出力するための選択回
路と、この選択回路から出力された信号に含まれる量子
化雑音成分を除去する低域通過フィルタとを用いて構成
している。
【0037】したがってこの発明によれば、小形かつ安
価で消費電力が小さく、電源としてバッテリを使用した
携帯形の移動無線通信機器に好適な検波回路を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わるアナログ乗算器
の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示したアナログ乗算器のΔΣ変調器の構
成を示す回路ブロック図。
【図3】図2に示したΔΣ変調器の各部の信号波形を示
す図。
【図4】図1にしめしたアナログ乗算器の各部の信号波
形を示す図。
【図5】本発明の第2の実施例に係わるπ/4シフトQ
PSK遅延検波回路の構成を示す回路ブロック図。
【図6】従来の代表的なアナログ乗算器であるギルバー
ト形乗算器の回路構成を示す図。
【図7】ディジタル無線通信機の受信系の構成を示す回
路ブロック図。
【図8】π/4シフトQPSK遅延検波回路の基本構成
を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
1…アンテナ 2…アンテナ共用
器 3…受信回路 4…周波数シンセ
サイザ 5…ディジタル復調回路 6…信号処理部 7…音声回路 8…スピーカ 10…ΔΣ変調器 11…減算積分器 12…比較回路 13…1サンプル
遅延回路 14…1ビットディジタル・アナログ変換器(1ビット
DAC) 20…反転回路 30…選択回路 31,32…アナログスイッチ 40…低域通過フ
ィルタ 51I,51Q…1シンボル遅延回路 52I,51Q…加算器 53I,53Q…比較回路 54I,54Q,55I,55Q…アナログ乗算器 101I,101Q…ΔΣ変調器 102I,102Q,103I,103Q…選択部 104I,104Q…低域通過フィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のアナログ入力信号と第2のアナロ
    グ入力信号とを乗算した信号を出力するアナログ乗算器
    において、 前記第1のアナログ入力信号を反転した信号を出力する
    ための反転回路と、 前記第2のアナログ入力信号をΔΣ変調して二値化信号
    を出力するためのΔΣ変調器と、 このΔΣ変調器から出力された二値化信号のレベルに応
    じて、前記第1のアナログ入力信号と前記反転回路から
    出力された反転信号とを択一的に選択して出力するため
    の選択回路と、 この選択回路から出力された信号に含まれる量子化雑音
    成分を除去するための低域通過フィルタとを具備したこ
    とを特徴とするアナログ乗算器。
  2. 【請求項2】 位相変調信号の同相成分および直交成分
    を入力とし、この同相成分の信号とこの信号を第1の遅
    延回路で1シンボル遅延した信号とを第1の乗算器で乗
    算するとともに、前記直交成分の信号とこの信号を第2
    の遅延回路で1シンボル遅延した信号とを第2の乗算器
    で乗算して、これら第1および第2の乗算器の出力信号
    を第1の加算器で加算し、かつ前記第1の遅延回路で遅
    延された信号と前記直交成分の信号とを第3の乗算器で
    乗算するとともに、前記第2の遅延回路で遅延された信
    号と前記同相成分の信号とを第4の乗算器で乗算して、
    これら第3および第4の乗算器の出力信号を第2の加算
    器で相互に加算することにより、前記位相変調信号の同
    相成分および直交成分に対応する検波出力を得る検波回
    路において、 前記第1、第2、第3および第4の各乗算器は、それぞ
    れ入力された第1および第2の信号のうちの第1の信号
    を反転して出力するための反転回路と、 前記第2の信号をΔΣ変調して二値化信号を出力するた
    めのΔΣ変調器と、 このΔΣ変調器から出力された二値化信号のレベルに応
    じて、前記第1の信号と前記反転回路から出力された反
    転信号とを択一的に選択して出力するための選択回路
    と、 この選択回路から出力された信号に含まれる量子化雑音
    成分を除去するための低域通過フィルタとを備えたこと
    を特徴とする検波回路。
  3. 【請求項3】 第1および第2の乗算器の低域通過フィ
    ルタ、および第3および第4の乗算器の低域通過フィル
    タは、それぞれ共用化されて第1の加算器の出力側およ
    び第2の加算器の出力側に配設されることを特徴とする
    請求項2に記載の検波回路。
  4. 【請求項4】 第1および第3の乗算器のΔΣ変調器、
    および第2および第4の乗算器のΔΣ変調器は、それぞ
    れ共用化されて第1の遅延回路の入力側および第2の遅
    延回路の入力側に配設されることを特徴とする請求項2
    に記載の検波回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1742268A3 (en) * 1997-02-05 2007-08-01 Telefonaktiebolaget LM Ericsson (publ) Radio architecture

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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