JPH06307657A - 暖房機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 媒体を加熱し無動力熱搬送方式による暖房機
において、大きな熱搬送量を得る暖房機を提供すること
を目的とする。 【構成】 気液セパレータ３と、この気液セパレータ３
の上方に位置したレシーバ２と、前記レシーバ２底部と
気液セパレータ３頂部を接続した第１逆止弁５とレシー
バ２と気泡セパレータ３を開閉弁４を介して接続してな
り、前記レシーバ２は、すり鉢状に構成されており、開
閉弁４の開弁により液冷媒がレシーバ２から気泡セパレ
ータ３へ通過する際の落とし込み抵抗を少なくすること
ができるので、液冷媒がレシーバ２から気液セパレータ
３へ流出するまでの時間短縮が図れその結果、より大き
な熱搬送量を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、媒体を加熱し無動力熱
搬送方式で暖房運転する暖房機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の暖房機は、図３に示すよう
に、媒体加熱器１の上方に位置した円筒状のレシーバ２
の中間位置に気液セパレータ３を配設し、前記レシーバ
２と、前記気液セパレータ３の間に両者を均圧させる開
閉弁４を有し、さらにレシーバ２底部と、気液セパレー
タ３頂部を接続した第１逆止弁５を設けている。媒体加
熱器１で蒸発した媒体は、室内熱交換器６で凝縮され、
第２逆止弁７を介しレシーバ２へ流入される。レシーバ
２に液冷媒が溜まると、開閉弁４を開き、レシーバ２と
気液セパレータ３を均圧化し、レシーバ２の液冷媒を第
１逆止弁５を介し、気液セパレータ３に流入させる。流
入し終わると開閉弁４を閉じ第１逆止弁５も閉じるた
め、再び室内熱交換器６から凝縮された液冷媒がレシー
バ２に流入される。このような動作を繰り返して熱搬送
を行い、暖房運転を行うようになっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では次のような課題を有していた。

【０００４】レシーバ２に溜まった液冷媒を気液セパレ
ータ３内の静圧成分と均圧させて重力差で流出させるた
め、開閉弁４の開時間を長く設定しなければならず、冷
媒循環量Ｇ(g/sec)、開閉弁４の周期（開時間Ｔ₀＋閉時
間Ｔ₁）をＴとすると、 Ｇ＝Ｖ×γ／Ｔ （Ｖ：レシーバ容積(cc)） （γ：レシーバ内液冷媒密度(g/cc)） からＴが大きくなると、Ｇが減少し大きな熱搬送量が得
られない。

【０００５】流入時間を短くし、大きな熱搬送量を得る
には、単純にレシーバ２をさらに上方に位置させ、液面
を高くする必要があり、レシーバ２と気液セパレータ３
間の高さが大きくなり機器全体が大きくなる。

【０００６】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、開閉弁が開の時、レシーバの液冷媒を短時間で気液
セパレータに流入させることにより、大きな熱搬送量を
得るとともに、レシーバと気液セパレータの高さ方向の
構成を小形コンパクトにすることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の暖房機は、室内熱交換器と、媒体加熱器
と、この媒体加熱器の上方に位置した気液セパレータ
と、この気液セパレータのさらに上方に位置したレシー
バと、前記気泡セパレータ項部と前記レシーバを室内熱
交換器を介して配管し、さらに前記レシーバと気液セパ
レータの間に配設した開閉弁と、前記レシーバ底部と気
液セパレータ頂部を接続した第１逆止弁とからなり、前
記レシーバは、すり鉢状に構成してなるものである。

【０００８】

【作用】本発明は、上記した構成によって、開閉弁を開
にしてレシーバ内に溜まった液冷媒の、レシーバを通過
する際の落とし込み抵抗を少なくすることができるた
め、レシーバから完全に液冷媒が気液セパレータへ流出
するまでの時間短縮が図れ、大きな熱搬送量が得られ
る。又、液冷媒重心位置が上がるため、単純にレシーバ
や、レシーバと気液セパレータ間の高さを大きくする必
要もなく、高さ方向の構成を小形コンパクトにすること
ができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて
説明する。尚、図３と同一部材には同一番号を付してあ
る。図１、図２において、１は、媒体加熱器で、この媒
体加熱器１の上方にはすり鉢状のレシーバ２、さらにこ
のレシーバ２と前記媒体加熱器１の中間位置には、気液
セパレータ３が配設されている。前記気液セパレータ３
の頂部には、接続口Ａ８と、前記レシーバ２の底部を、
第１逆止弁５を介し接続する接続口Ｂ９と、室内熱交換
器６の一端と接続配管する接続口Ｃ１０を有し、底部に
は、接続口Ｄ１１と接続口Ｅ１２を有している。前記気
液セパレータ３と媒体加熱器１とは、前記媒体加熱器１
の底部と接続口Ｄ１１とを接続する加熱器入口管１３
と、前記媒体加熱器１の頂部と接続管Ｅ１２とを接続す
る加熱器出口管１４とでループ状に接続してあり、前記
加熱器出口管１４は、前記気液セパレータ３内へ挿入す
るとともに、先端開口部は、前記接続口Ａ８の下方にあ
る。前記レシーバ２の頂部には、接続口Ａ８からの均圧
管１５を開閉弁４を介し接続する接続口Ｆ１６と、前記
室内熱交換器６の他端と第２逆止弁７を介し接続する接
続口Ｇ１７を設けてある。

【００１０】上記構成において、媒体加熱器１で加熱さ
れた媒体は、２相状態で加熱器出口管１４を通り、気液
セパレータ３内に流入し、ここで液媒体は、気液セパレ
ータ３内に落下し、再び加熱器入口管１３を通って媒体
加熱器１に流入する。一方、気液セパレータ３内に媒体
加熱器１から流入した２相状態のガス媒体は、接続口Ｃ
１０から室内熱交換器６に圧送され室内熱交換器６にて
熱交換して凝縮液化する。この時、開閉弁４が閉の時
は、第１逆止弁５は閉状態で、レシーバ２へ室内熱交換
器６からの過冷却液媒体が第２逆止弁７を通り圧送さ
れ、レシーバ２内のガス媒体が凝縮液化し、レシーバ２
内の圧力が急激に低下し、室内熱交換器６の過冷却液媒
体がレシーバ２内へ引き込まれ、レシーバ２内は、室内
熱交換器６からの凝縮液媒体で満たされる。

【００１１】この状態で開閉弁４を開にすると、レシー
バ２と気液セパレータ３とは均圧状態となり、レシーバ
２内の液媒体は、第１逆止弁５を通り、気液セパレータ
３に流入する。この時、第２逆止弁７は閉状態である。

【００１２】次に開閉弁４を閉にすると、第１逆止弁５
も閉となり、再びレシーバ２に室内熱交換器６から過冷
却液媒体が流入し、レシーバ２を凝縮液媒体で満たし、
開閉弁４を開にするというサイクルを繰り返す。すなわ
ち、気液セパレータ３と媒体加熱器１の間は自然循環サ
イクル、気液セパレータ３、室内熱交換器６、第２逆止
弁７、すり鉢状レシーバ２、第１逆止弁５のサイクル
は、レシーバ２へ室内熱交換器６からの過冷却液媒体を
溜めて、それを間欠的に気液セパレータ３に供給すると
いう間欠動作サイクルである。

【００１３】ここで、室内熱交換器６から液冷媒を受
け、気液セパレータ３に流出するレシーバ２をすり鉢状
に構成しており、液冷媒の流出時、レシーバ２を通過す
る際の落とし込み抵抗を、従来よりはるかに少なくする
ことができる。その結果、レシーバ２から完全に液冷媒
が気液セパレータ３へ流出するまでの時間短縮がなさ
れ、その結果より大きな熱搬送量を得ることができる。
又、液冷媒重心位置が上がるため、レシーバ２と気液セ
パレータ３の高さ方向の構成を小形コンパクトにするこ
とができる。

【００１４】

【発明の効果】以上の実施例で説明したように本発明の
暖房機によれば、次の効果が得られる。

【００１５】（１）液冷媒を流出するレシーバを、すり
鉢状に構成しており、液冷媒の流出時、レシーバを通過
する際の落とし込み抵抗を少なくすることができるの
で、液冷媒がレシーバから気液セパレータへ流出するま
での時間短縮がなされ、より大きな熱搬送量を得ること
ができる。

【００１６】（２）又、液冷媒重心位置が上がるため、
単純にレシーバや、レシーバと気液セパレータ間の高さ
を大きくする必要もなく、高さ方向の構成を小形コンパ
クトにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における暖房機の回路構成図

【図２】同要部断面図

【図３】従来の暖房機の回路構成図

【符号の説明】

１ 媒体加熱器 ２ レシーバ ３ 気液セパレータ ４ 開閉弁 ５ 第１逆止弁 ６ 室内熱交換器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】媒体加熱器と、この媒体加熱器の上方に位
   置した気液セパレータと、この気液サパレータのさらに
   上方に位置したレシーバと、前記気泡セパレータ項部と
   前記レシーバを室内熱交換器を介して配管し、さらに前
   記レシーバと気液セパレータの間に配設した開閉弁と、
   前記レシーバ底部と気液セパレータ頂部を接続した第１
   逆止弁とからなり、前記レシーバは、すり鉢状に構成し
   てなる暖房機。