JPH06307547A - 超高真空容器のシール構造 - Google Patents

超高真空容器のシール構造

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JPH06307547A
JPH06307547A JP5092852A JP9285293A JPH06307547A JP H06307547 A JPH06307547 A JP H06307547A JP 5092852 A JP5092852 A JP 5092852A JP 9285293 A JP9285293 A JP 9285293A JP H06307547 A JPH06307547 A JP H06307547A
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恩 中之瀬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的単純な真空排気系およびシール構造で
真空度が10−10Torr以上ないしは10−11
orr以上の超高真空を得ることが可能であり、かつま
た軽量なものとすることが可能である超高真空容器およ
びそのシール構造を提供する。 【構成】 超高真空容器のシール構造において、シール
面1cに二重のナイフエッジ部1e,1fを形成して、
二重のナイフエッジ部1e,1fにシール用ガスケット
材を圧接させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的単純な真空排気
系を用いて真空度が例えば10−10Torr以上ない
しは10−11Torr以上の超高真空を得るのに好適
な超高真空容器に関し、特にシール部分においてガスリ
ークが生じがたいものとすることによって超高真空を維
持するのに好適な超高真空容器のシール構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、高真空ないしは超高真空を得るた
めの真空容器の素材としては、例えば、特開平1−31
6439号公報,特開平3−31451号公報に開示さ
れているように鋼中の不純物を極度に低減させた超清浄
鋼が用いられたり、特開昭60−36648号公報に開
示されているようにオーステナイト系ステンレス鋼成分
に少量のN,B,Ceを含有させた合金の表面に窒化ボ
ロンを加熱析出させたステンレス鋼が用いられたり、加
藤らの報告(真空vol.34 1(1991)p.5
6)にあるようにガス放出量を抑えるために内面に特殊
な表面処理を施したステンレス鋼が用いられたりしてい
る。
【0003】しかし、このようなステンレス鋼を用いた
場合であっても、比較的単純な真空排気系であるターボ
ポンプのみでは真空度が10−11Torr以上の超高
真空を得ることは難しく、例えば、チタンサプリメーシ
ョンポンプやクライオポンプなどの複雑な真空排気系を
用いる必要がある。さらに、超清浄鋼やステンレス鋼を
用いた真空容器は重量が大きくなる欠点を有している。
【0004】一方、軽量な超高真空用材料として、例え
ば、特開昭59−153514号公報,特開昭59−1
83926号公報,特開昭60−128258号公報,
特開昭63−103073号公報に開示されているよう
にアルミニウム合金が用いられることもあるが、この場
合にはガス放出量が多いため真空度が10−11Tor
r以上の超高真空を得るのは極めて困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のス
テンレス鋼を超高真空容器の素材として用いた場合に
は、ステンレス鋼からガスが放出されることから、真空
度が10−11Torr以上の超高真空を得るために
は、容器内面を電解研磨したり、鋼中の不純物を極度に
低減させた超清浄鋼が必要となる。
【0006】さらに、上述したように、このような材料
を用いてもイオンポンプやチタンサプリメーションポン
プ、クライオポンプ等の複雑な真空排気系が必要とな
る。
【0007】また、近年、宇宙空間で超高真空の実験を
行うことが考えられており、このような場合、真空容器
材料の重量が問題となるが、ステンレス鋼や超清浄鋼で
は重量が大きくなりやすい欠点がある。
【0008】これに対して、軽量な真空容器材料とし
て、アルミニウム合金が用いられることもあるが、この
アルミニウム合金はガス放出量が多いため真空度が10
−11Torr以上の超高真空を得ることは容易ではな
い。
【0009】また、たとえ超高真空を得ることが可能で
あったとしても、開口部分等をシールする場合にこのシ
ール部分でガスリークが生じると超高真空を維持するの
が困難となる。
【0010】
【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みてなされ
たものであって、イオンポンプやチタンサプリメーショ
ンポンプ、クライオポンプなどの複雑な真空排気装置を
用いなくともターボポンプなどの比較的単純な真空排気
系で真空度が10−10Torr以上ないしは10
−11Torr以上の超高真空を得ることが可能であ
り、かつまた軽量である超高真空容器を提供すると共
に、このような超高真空容器において、とくにシール部
分でのガスリークを生じがたいものとして超高真空状態
を維持させることが可能である超高真空容器のシール構
造を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる超高真空
容器のシール構造は、シール面に少なくとも二重のナイ
フエッジ部を形成して、前記少なくとも二重のナイフエ
ッジ部にシール用ガスケット材を圧接させる構成とした
ことを特徴としている。
【0012】また、本発明に係わる超高真空容器のシー
ル構造の実施態様においては、シール面に形成した少な
くとも二重のナイフエッジ部の少なくとも一方の表面に
耐酸化用として金,銀などの貴金属の表面処理が施して
あるものとすることができ、同じく実施態様において、
シール面に形成した少なくとも二重のナイフエッジ部の
少なくとも一方の表面に耐酸化及び耐摩耗用としてTi
Nの表面処理が施してあるものとすることができ、同じ
く実施態様において、少なくとも二重のナイフエッジ部
に圧接するシール用ガスケット材として、無酸素銅を用
いるものとすることができ、同じく実施態様において、
シール用ガスケット材の表面に耐酸化用として金,銀な
どの貴金属の表面処理が施してあるものとすることがで
きる。
【0013】図1ないし図3は、本発明が適用される超
高真空容器の一例を示すものであって、この超高真空容
器1は、図1および図2に示すように、円筒形状をなす
胴部1aに、大,中,小多数のフランジ形軸継手1bを
溶接結合して一体化した構造をなすものであり、例え
ば、胴部(容器本体)1aは板状素材を円筒形状にU−
O曲げ成形して軸方向に電子ビーム溶接すると共に大,
中,小多数のフランジ取付孔を形成することにより製作
され、また、フランジ形軸継手1bは塑性加工や切削加
工などによって鍔付円筒形状に製作されたのち、別体の
前記胴部(容器本体)1aとフランジ形軸継手1bとを
雰囲気真空度が1×10−3Torr以下である電子ビ
ーム溶接により外表面から胴部(容器)内部へと貫通す
ると共に全円周にわたる溶接結合により一体化してなる
構造のものとすることが可能である。
【0014】また、この真空容器1は、図3(A),
(B),(C)に示すように、フランジ形軸継手1bに
そのシール面1cを貫通する多数のボルト孔1dを形成
していると共に、シール面1cにはリング形状をなす二
重のナイフエッジ部1e,1fを同心円状に形成してい
て真空シールが良好に行えるようになっており、ナイフ
エッジ部1e,1fの先端Rを0.06に形成し、そし
て外側のナイフエッジ部1eにおける外側の傾斜角θ
3Aを30°にしていると共に内側の傾斜角θ3Bを2
0°にし、また、内側のナイフエッジ部1fにおける外
側の傾斜角θ3Cを20°にしていると共に内側の傾斜
角θ3Dを30°にしているものである。
【0015】そして、前記ナイフエッジ部1e,1fの
少なくとも一方の表面に耐酸化用として例えばスパッタ
蒸着によって厚さを0.01〜2.00μm程度に成膜
したAuやAgなどの表面処理が施してあるものとする
ことも場合によっては望ましく、また、同様に、ナイフ
エッジ部1e,1fの少なくとも一方の表面に耐酸化及
び耐摩耗用としてTiNの表面処理が施してあるものと
することも場合によっては望ましく、さらに、前記ナイ
フエッジ部1e,1fに圧接されるシール用ガスケット
材として、O:0.08重量%以下、H:0.001重
量%以下、Fe:0.042重量%以下、C:0.00
6重量%以下、N:0.005重量%以下の高純度Ti
を用いたり、無酸素銅を用いたりするようになすことも
場合によっては望ましく、さらにまた、シール用ガスケ
ット材の表面にAuやAgなどの表面処理が施してある
ものとすることも場合によっては望ましく、さらにま
た、容器外表面の少なくとも一部に、酸化膜及び窒化膜
から選択される少なくとも1種の表面保護膜が設けてあ
るものとすることも場合によっては望ましい。
【0016】図4(A),(B),(C)はシール構造
の他の例を示すものであって、シール面1cにはリング
形状をなす二重のナイフエッジ部1e,1fを同心円状
に形成していて真空シールが良好に行えるようになって
おり、ナイフエッジ部1e,1fの先端Rを0.03に
形成し、そして外側のナイフエッジ部1eにおける外側
の傾斜角θ4Aを20°にしていると共に内側の傾斜角
θ4Bを30°にし、また、内側のナイフエッジ部1f
における外側の傾斜角θ4Cを20°にしていると共に
内側の傾斜角θ4Dを30°にしているものである。ま
た、この場合にも、図3の場合と同様に適宜の表面処理
を施したものとすることが可能である。
【0017】図5(A),(B),(C)はシール構造
のさらに他の例を示すものであって、シール面1cには
リング形状をなす二重のナイフエッジ部1e,1fを同
心円状に形成していて真空シールが良好に行えるように
なっており、ナイフエッジ部1e,1fの先端Rを0.
1に形成し、そして、外側のナイフエッジ部1eにおけ
る外側の傾斜角θ5Aを30°にしていると共に内側の
傾斜角θ5Bを20°にし、また、内側のナイフエッジ
部1fにおける外側の傾斜角θ5Cを30°にしている
と共に内側の傾斜角θ5Dを20°にしているものであ
る。また、この場合にも、適宜の表面処理を施したもの
とすることが可能である。
【0018】図6(A),(B),(C)はシール構造
のさらに他の例を示すものであって、シール面1cには
リング形状をなす二重のナイフエッジ部1e,1fを同
心円状に形成していて真空シールが良好に行えるように
なっており、ナイフエッジ部1e,1fの先端Rを0.
03に形成し、そして、外側のナイフエッジ部1eにお
ける外側の傾斜角θ6Aを35°にしていると共に内側
の傾斜角θ6Bを25°にし、また、内側のナイフエッ
ジ部1fにおける外側の傾斜角θ6Cを35°にしてい
ると共に内側の傾斜角θ6Dを25°にしているもので
ある。また、この場合にも、適宜の表面処理を施したも
のとすることが可能である。
【0019】本発明に係わる超高真空容器のシール構造
において用いられる超高真空容器は、Pd,Pt,R
h,Ru,Re及びOsからなる群から選択される少な
くとも1種の白金系金属を0.02〜1.00重量%、
Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
重量%、La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,
Dy,Ho,Erの希土類元素及びYからなる群から選
択される少なくとも1種の希土類系元素を0.02〜
0.50重量%の範囲で含有し、不純物元素としての
C,N及びOをそれぞれC:0.05重量%以下、N:
0.05重量%以下、O:0.08重量%以下に規制
し、残部Ti及び不可避的不純物よりなるガス放出特性
の優れた超高真空用に適する部材を用いたものとするこ
とができる。
【0020】また、本発明に係わる超高真空容器のシー
ル構造において用いられる超高真空容器は、上記超高真
空用に適する部材を構成する合金にさらにAlを0.2
〜9.5重量%の範囲で含有し、このうちとくに冷間加
工性が良好であることが要求される場合にはAlを0.
2〜1.5重量%の範囲で含有するガス放出特性の優れ
た超高真空用に適する部材を用いたものとすることがで
きる。
【0021】さらにまた、本発明に係わる超高真空容器
のシール構造において用いられる超高真空容器は、α型
ないしはニアα型,α+β型,β型等のチタン合金をベ
ースとし、Pd,Pt,Rh,Ru,Re及びOsから
なる群から選択される少なくとも1種の白金系金属を
0.02〜1.00重量%、Co,Fe,Cr,Ni,
Mn及びCuからなる群から選択される少なくとも1種
の遷移金属を0.1〜3.0重量%、La,Ce,P
r,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Erの希土
類元素及びYからなる群から選択される少なくとも1種
の希土類系元素を0.02〜0.50重量%の範囲で含
有し、不純物元素としてのC,N及びOをそれぞれC:
0.05重量%以下、N:0.05重量%以下、O:
0.08重量%以下に規制したガス放出特性の優れた超
高真空用に適する部材を用いたものとすることができ
る。
【0022】さらに、このような超高真空容器におい
て、この超高真空容器は、フランジ形軸継手をそなえ、
前記フランジ形軸継手のナイフエッジ部表面に耐酸化用
として例えばスパッタ蒸着によって厚さを0.01〜
2.00μm程度に成膜したAuやAg等の表面処理を
施してあるものとすることが可能であり、また、この超
高真空容器は、フランジ形軸継手をそなえ、前記フラン
ジ形軸継手のナイフエッジ部表面に耐酸化及び耐摩耗用
としてTiNの表面処理が施してあるものとすることが
可能であり、さらに、この超高真空容器は、フランジ形
軸継手をそなえ、前記軸継手部分のシール用ガスケット
材として、O:0.08重量%以下、H:0.001重
量%以下、Fe:0.042重量%以下、C:0.00
6重量%以下、N:0.005重量%以下の高純度Ti
を用いたり、無酸素銅を用いたりすることが可能であ
り、さらにまた、この超高真空容器は、容器外表面の少
なくとも一部に、酸化膜及び窒化膜から選択される少な
くとも1種の表面保護膜が設けてあるものとすることが
可能であり、さらにまた、この超高真空容器は、容器本
体とフランジ形軸継手をそなえ、別体の容器本体とフラ
ンジ形軸継手とを電子ビーム溶接により外表面から容器
内部へと貫通する溶接結合により一体化してなるものと
することが可能である。
【0023】本発明者らは、超高真空容器の素材として
比較的軽量な超高真空用に適する部材を用いることを前
提として、超高真空中で、素材内部に固溶するガス成分
が真空側に拡散して表面から放出される現象を抑えるべ
く検討を加えた結果、C,N,Oを低減させたチタン合
金において、白金系金属であるPd,Pt,Rh,R
u,Re及びOsのうちの1種以上と、遷移金属である
Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuの1種以上と、
希土類系元素であるLa,Ce,Pr,Nd,Sm,G
d,Tb,Dy,Ho,Erの希土類元素及びYの1種
以上を所定量添加することによって、超高真空下でのこ
のようなガス放出を低減することができる超高真空用に
適する部材が得られることを見い出した。
【0024】また、添加物系をこのような範囲にするこ
とにより高加工性が付与されることも見い出した。さら
に、このような合金系にAlを1.5重量%以内で添加
することによって上記特性を損なわずに高強度化が図れ
ることも併せて見い出し、冷間加工性が良好であること
が要求されないときはAlを9.5重量%まで添加する
ことによってより一層の高強度化が図れることも見い出
した。さらにまた、α型ないしはニアα型,α+β型,
β型等のチタン合金をベースとした場合にも、このよう
な添加物系を用いることにより、熱間加工性に悪影響を
与えないことも見い出し、このような超高真空用に適す
る部材を超高真空容器の素材として用いることによっ
て、比較的単純な真空排気系を使用したときでも真空度
が10−1 Torr以上ないしは10−11Torr
以上の超高真空を容易に得ることができることを確認し
た。
【0025】上記構成を有する本発明に係わる超高真空
容器のシール構造において用いられる超高真空容器は、
本発明者らのこのような知見に基づいて成されたもので
あるが、このような超高真空容器の素材として用いる超
高真空用に適する部材における添加元素の限定理由につ
いて述べる。
【0026】Pd,Pt,Rh,Ru,Re及びOs;
これら白金系金属元素は、超高真空容器の内部に残留す
る分子状の水素を材料表面でトラップして原子状の水素
に分離する触媒の働きをする極めて重要な元素である。
そして、このような機能が発揮されるためには、上記元
素のうち少なくとも1種を合計で0.02重量%以上添
加することが必要である。しかしながら、合計で1.0
0重量%を超えて添加された場合には、加工性が低下す
るため、超高真空容器ないしはその部材への冷間成形が
困難になる。また、チタン合金をベースにする場合に
は、これらの元素が1.00重量%を超えて含有すると
熱間での加工性が低下し、材料自体の加工が困難とな
る。従って、上記元素の少なくとも1種を0.02〜
1.00重量%の範囲で添加するのが良い。
【0027】Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCu;
これらの遷移金属元素は、上記白金系金属元素によって
表面に吸着した原子状の水素を固定する能力がかなり高
いTiCo,TiFe,TiCr,TiNi,T
iMn,TiCu等の金属間化合物を生成させるため
に必要である。そして、このような金属間化合物を生成
させるためには上記元素の少なくとも1種を合計で0.
1重量%以上添加することが必要である。しかしなが
ら、3.0重量%を超えて過剰に添加した場合には、生
成された金属間化合物によって材料の延性および加工性
が低下する。また、チタン合金をベースにする場合に
は、これらの元素が3.0重量%を超えて含有すると、
生成された金属間化合物によって熱間での加工性が低下
する。このため、これらの元素の少なくとも1種を0.
1〜3.0重量%の範囲で添加するのが良い。
【0028】La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,T
b,Dy,Ho,Er及びY;これらの希土類系元素
は、材料に固溶する酸素を内部酸化により酸化物として
固定することによって固体内部から表面への固溶酸素の
拡散を抑制する働きをする。このような働きは、La,
Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r及びYを単独で添加しても得られるし、あるいは、ミ
ッシュメタルのような形で複合添加した場合においても
変わらずに得られ、合計で0.02重量%以上添加した
場合に有効に発揮される。しかしながら、これらの1種
または2種以上を合計で0.50重量%を超えて添加し
た場合には、析出した酸化物によって延性および加工性
が低下する。また、チタン合金をベースにする場合に
は、これらの元素が0.50重量%を超えて含有する
と、析出した酸化物によって熱間での加工性が低下す
る。このため、これらの元素のうち少なくとも1種を
0.02〜0.50重量%の範囲で添加するのが良い。
【0029】C;Cは材料に固溶した場合、表面に拡散
して残留ガス中の酸素と結合してCOガスを生成するた
めできるだけ低減させる必要がある。しかしながら、
0.05重量%以下の含有量では、このような固体内部
からの拡散によるCOガス放出量は、真空度10−11
〜10−12Torrではほとんど影響しない。従っ
て、Cは0.05重量%以下に規制するのが良い。
【0030】N;Nも同様に材料中に固溶すると表面に
拡散してNガスとなり放出される恐れがある。しかし
ながら、真空度10−11〜10−12Torrでは、
0.05重量%以下のN含有量とすれば、Nガスによ
る著しい真空度の低下は認められない。従って、Nは
0.05重量%以下に規制するのが良い。
【0031】O;Oはチタン合金の場合に固溶度が高い
ため、真空中へのガス放出といった観点からは最も管理
が必要な不純物である。材料中に固溶するOは、表面か
らOなどの形で放出され、真空度の低下を招く。この
ため本発明では、上述のように、La,Ce,Pr,N
d,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er及びYの1種
又は2種以上の添加によって酸素を固定するのである
が、酸素が0.08重量%を超えて含有している場合
は、上記の希土類系元素による固定の効果が十分ではな
く、ガス放出が多くなる。さらに、固定されたOは酸化
物の形となって、冷間成形性を低下させる。また、チタ
ン合金をベースにする場合には、酸素が0.08重量%
を超えて含有すると、同様の理由で熱間加工性を低下さ
せる。従って、Oは0.08重量%以下に規制するのが
良い。
【0032】Al;Alは少量の添加によってガス放出
特性、冷間成形性に大きな変化を生じさせずに、材料の
強度を上昇させるために有効である。特に、0.2重量
%以上添加した場合にこの効果は大きい。しかしなが
ら、1.5重量%を超えて添加すると冷間成形性が低下
し、真空容器ないしはその部材への冷間加工が難しくな
るので、冷間加工性を考慮する場合にはAlを添加する
としても0.2〜1.5重量%の範囲とするのが望まし
い。そして、この冷間成形性を考慮しないときにはAl
を1.5重量%以上添加して強度のより一層の向上をは
かることが可能であるが、9.5重量%を超えると熱間
加工性が低下するので、1.5重量%以上添加するとし
ても9.5重量%以下とするのが良い。
【0033】Ti;Tiは強度および耐食性に優れてい
ると共に、比重が小さい軽量な金属であるので残部とし
ている。
【0034】さらに、チタン合金をベースとする場合に
は、適用するチタン合金に特に制限はなく、α及びニア
α合金、α+β合金、β合金のいずれをベースにしても
よい。そして、いずれの合金をベースにした場合でも、
上記添加系を用いることにより、熱間加工性を低下させ
ずに優れたガス放出特性を有するチタン合金よりなる超
高真空用に適する部材を得ることができ、このようなベ
ースとなるチタン合金において、α及びニアα合金とし
ては、Ti−0.3Mo−0.8Ni,Ti−5Al−
2.5Sn,Ti−5Al−2.5Sn−ELI,Ti
−8Al−1Mo−1V,Ti−6Al−2Sn−4Z
r−2Mo,Ti−6Al−2Nb−1Ta−0.8M
o,Ti−2.25Al−11Sn−5Zr−1Mo,
Ti−5Al−5Sn−2Zr−2Moなどがあり、ま
た、α+β合金としては、Ti−6Al−4V,Ti−
6Al−4V−ELI,Ti−6Al−6V−2Sn,
Ti−8Mn,Ti−7Al−4Mo,Ti−6Al−
2Sn−4Zr−6Mo,Ti−5Al−2Sn−2Z
r−4Mo−4Cr,Ti−6Al−2Sn−2Zr−
2Mo−2Cr,Ti−10V−2Fe−3Al,Ti
−3Al−2.5Vなどがあり、さらにβ合金として
は、Ti−13V−11Cr−3Al,Ti−8Mo−
8V−2Fe−3Al,Ti−3Al−8V−6Cr−
4Mo−4Zr,Ti−11.5Mo−6Zr−4.5
Snや、その他Ti0.80〜0.45Nb
0.20〜0.55などがある。
【0035】
【発明の作用】従来のようにステンレス鋼を超高真空容
器の素材として用いた場合、真空容器内部に残留するガ
スは、ステンレス鋼中に固溶していた酸化ガスや、介在
物とマトリックス界面にトラップされた水素ガスや、表
面変質層に残留する酸素などと鋼中の炭素と結びついた
CO,COガス等により構成されている。
【0036】これに対して、本発明に係わる超高真空容
器のシール構造で用いる超高真空用に適する部材は、
C,N,Oを低減したチタン合金に、Pdなどの白金系
金属、Coなどの遷移金属、Yやミッシュメタルなどの
希土類系元素を適量添加することとしたので、このよう
な超高真空用に適する部材を超高真空容器の素材として
用いた場合に、以下のメカニズムによって構成部材から
のガス放出を抑制し、残留ガスの固定が良好に行われる
ものとなる。
【0037】(1) 超高真空用に適する部材を構成す
るチタン合金中からの酸素の放出をYやミッシュメタル
などの希土類系元素により酸化物の形で材料内部に固定
し、低減させる。
【0038】(2) 真空容器内の残留ガスの大部分を
占めるHガスをPdなどの白金系金属の触媒作用によ
り、H原子として材料表面に物理吸着させる。
【0039】(3) 吸着されたH原子は、チタンとC
oなどの遷移金属よりなる水素トラップ能力の高い金属
間化合物(TiCo等)により強く固定される。
【0040】また、本発明で用いる超高真空用に適する
部材にガス放出特性を付与する各元素の添加量の適性化
を図ることにより、冷間成形性の良好なチタン合金より
なる超高真空用に適する部材が得られる。
【0041】さらに、上記の特長を有するチタン合金
に、9.5重量%以下のAlを添加することにより、A
lの固溶強化によって、熱間加工性を良好なものにする
と共にガス放出特性を損なうことなく強度を上昇させる
ものとなり、1.5重量%以下のAlを添加することに
より、Alの固溶強化によって、冷間加工性を良好なも
のにすると共にガス放出特性を損なうことなく強度を上
昇させるものとなる。
【0042】さらにまた、チタン合金をベースとした場
合に、上記添加系を用いることにより、ガス放出特性に
優れていると共に、熱間加工性の低下をもたらさないも
のとなる。
【0043】そして、従来の場合には、図8に示すよう
に、シール面1cに一つの円形状ナイフエッジ部1eを
形成しているだけであるので、容器部材とシール用ガス
ケット材2との間に大きな熱膨張係数差があるとき(例
えば、ガスケット材2の熱膨張係数の方が大きいとき)
には、図8(A)に示す組み込み状態から、図8(B)
に示す加熱状態を経て、図8(c)に示す冷却状態に至
ったときに、すき間Sが形成されてガスリークを生じる
こともありうるものとなっていたのに対して、本発明に
よるシール構造の場合には、図9に示すように、シール
面1cに少なくとも二重の円形状ナイフエッジ部1e,
1fを同心円状に形成しているので、容器部材とシール
用ガスケット材2との間に大きな熱膨張係数差があると
き(例えば、同じく、ガスケット材2の熱膨張係数の方
が大きいとき)でも、図9(A)に示す組み込み状態か
ら、図9(B)に示す加熱状態を経て、図9(C)に示
す冷却状態に至ったときに、すき間が形成されないもの
となって、ガスリークが生じがたいものとなり、超高真
空容器で得られた真空度10−10Torr以上ないし
は10−11Torr以上の超高真空状態が良好に維持
されうるものとなる。
【0044】
【実施例】
(実施例1,比較例1)表1および表2に示す組成の合
金をアーク溶解炉によりボタンインゴットに溶製し、熱
間圧延・熱処理を施した後に各種試験に供した。なお、
表1のNo.1〜9は本発明実施例1であり、表2のN
o.10〜18は比較例1であり、表2のNo.19は
実施例1の参考例であり、表2のN0.20は従来材で
あるオーステナイト系ステンレス鋼の場合の従来例1で
ある。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】これらの供試材についてガス放出特性、及
び機械的性質を把握した。
【0048】ガス放出特性については、昇温脱離分析装
置(TDS)を用い、供試材を400℃で昇温加熱して
ベーキング処理とし、その後室温におけるガス放出率を
求めた。ガス放出率は四重極質量分析装置(QMS)の
測定強度にQMSの各気体毎の感度係数、各気体毎の排
気速度を乗じることによって求め、No.20の従来材
を基準とする比の値とした。さらに一部については、V
ARインゴットより板材としてこれを供試材とし、図1
および図2に示した構造を有する小型の超高真空容器1
を製作して、ターボ分子ポンプ(180 l/s)によ
る到達真空度のテストを行った。
【0049】また、図に示したフランジ形軸継手1bを
冷間塑性加工により製作する場合を考慮して、冷間成形
性の指標として供試材の限界曲げ試験を行い、ベンドフ
ァクター曲げポンチの半径/板厚で整理を行った。さら
に、各供試材の引張試験を行い、引張強さの比較もあわ
せて行った。
【0050】表3および表4にそれらの結果を示す。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】表3より明らかなように、本発明実施例1
であるNo.1〜9の供試材は、H,CO+N,C
のいずれのガスも従来材であるNo.20のオース
テナイト系ステンレス鋼と比較して1/10以下であ
り、特に質量数28のCO+Nガスは非常に少ない特
徴を示した。また、冷間成形性もきわめて高く、板厚と
同等程度までの曲げ半径においても割れが生じなかっ
た。さらに、Alを1.5重量%以下の範囲で添加した
N0.1,3,4,6,8,9については、引張強さが
45kgf/mmを超える高い値を示した。
【0054】一方、比較例1であるNo.10〜19で
は、ガス放出特性または加工性が劣っていることが確認
された。
【0055】このうち、No.10は、白金系金属の量
が本発明の好ましい範囲よりも少ない例であるが、冷間
加工性には優れているものの、ガス放出特性が優れてい
るとはいい難いものとなっていた。一方、No.11
は、白金系金属を本発明の好ましい範囲よりも過剰に添
加した場合であるが、優れたガス放出特性を有するもの
の、ベンドファクターが5.5と冷間加工性に乏しいこ
とが確認された。
【0056】また、No.12,13は、遷移金属の量
が本発明の好ましい範囲から外れる例であり、遷移金属
が本発明の好ましい範囲よりも過剰に添加したNo.1
2の場合には加工性が低下したものとなっており、一
方、本発明の好ましい範囲より少ないNo.13の場合
には、ガス放出量がNo.20のステンレス鋼と比べて
著しく少ないとはいえないものとなっていた。
【0057】さらに、No.14,15は、Yを含む希
土類系元素の量が本発明の好ましい範囲から外れる例で
あり、希土類系元素が本発明の好ましい範囲よりも少な
いNo.14では、酸素を含んだガス成分が多く放出さ
れ、ステンレス鋼とほぼ同等のガス放出特性しか得られ
なかった。一方、これらが本発明の好ましい範囲よりも
過剰に含まれたNo.15では、生成された酸化物によ
り加工性が低下していた。さらに、ガス放出特性も損な
われていた。
【0058】さらにまた、No.16,17,及び18
は、それぞれC,N,及びOが本発明の好ましい範囲を
超えて含有された場合であるが、いずれの場合も、ガス
放出特性が著しく低下しており、ステンレス鋼並みとな
ってしまうことが確認された。
【0059】さらにまた、No.19は、Alが冷間加
工性の確保にとって必要な好ましい範囲を超えて含有さ
れた場合であり、ガス放出特性は優れた結果を有するも
のの、冷間成形性に劣るものとなっていた。
【0060】実施例1のNo.1〜4の材料を用いて図
3ないし図7に示したシール構造を有する超高真空容器
(φ200×300)1を試作し、180 1/sのタ
ーボポンプのみで真空度を高めたところ、表5に示す結
果が得られた。なお、図7は比較例のシール構造を示す
ものであり、シール面1cにはリング形状をなす一つの
ナイフエッジ部1eを形成して、シールエッジ部1eの
先端Rを0.1に形成し、ナイフエッジ部1eにおける
外側の傾斜角θ7Aを30°にしていると共に内側の傾
斜角θ7Bを20°にしているものである。
【0061】
【表5】
【0062】表5に示したように、図3ないし図6に示
したシール構造を採用した場合、6×10−11Tor
rでガスリーク等は生じなかったが、図7のシール構造
を採用した場合には若干のガスリーク等らしきものが生
じていた。しかし、いずれにしても、同等のステンレス
鋼製の超高真空容器の場合に真空度が1.0×10
Torrまでであったのと比べて到達真空度が大きなも
のとなっており、本発明で用いた超高真空用に適する部
材の優れたガス放出特性およびシール構造での優れたガ
スリーク防止性能を裏付けるものといえる。なお、この
到達真空度の実験はいずれも370℃×48時間加熱し
た後、室温にて24時間冷却した後に行った。
【0063】(実施例2,比較例2)この実施例2およ
び比較例2は、添加元素としてAl以外のものをも含む
チタン合金をベースとした場合を例にとって示すもので
ある。そして、チタン合金をベースとした表6および表
7に示す組成の合金をアーク溶解炉によりボタンインゴ
ットに溶製し、熱間圧延・熱処理を施した後に各種試験
に供した。なお、表6のNo.21〜25は本発明実施
例2であり、表7のNo.26〜34は比較例2であ
り、表7のNo.35は従来材であるオーステナイト系
ステンレス鋼の場合の従来例2である。
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】これらの供試材についてガス放出特性、及
び機械的性質を把握した。
【0067】ガス放出特性については、実施例1と同様
の値を用い、さらに一部については、VARインゴット
より板材としてこれを供試材とし、図1および図2に示
した構造を有する小型の超高真空容器1を製作して、タ
ーボ分子ポンプ(800 1/s)によりテストを行っ
た。
【0068】また、図に示したフランジ形軸継手1bを
旋盤およびフライス盤を用いた切削加工により製作する
場合を考慮して、熱間加工性の指標として熱間圧延後の
供試材の割れ発生の程度を把握し、熱間加工性の評価を
行った。
【0069】それらの結果を表8および表9に示す。
【0070】
【表8】
【0071】
【表9】
【0072】表8より明らかなように、本発明実施例2
であるNo.21〜25の供試材は、H,CO+
,COのいずれのガスも従来材であるNo.35
のオーステナイト系ステンレス鋼と比較して1/10以
下であり、特に質量数28のCO+Nガスは非常に少
ない特徴を示した。また、熱間成形性も良好であり、耳
割れが生じた場合であっても1cmを超えないものとな
っていた。
【0073】一方、比較例2であるNo.26〜34で
は、ガス放出特性または熱間加工性が劣っていることが
確認された。
【0074】このうち、No.26は、白金系金属の量
が本発明の好ましい範囲よりも少ない例であるが、熱間
加工性には優れているものの、ガス放出特性が優れてい
るとはいい難いものとなっていた。
【0075】また、No.29,31は、それぞれ遷移
金属,希土類系元素の量が本発明の好ましい範囲よりも
少ない例であるが、いずれも実施例2に比較してガス放
出量が劣っていた。
【0076】さらに、No.27,28,及び30は、
それぞれ白金系金属,遷移金属,及び希土類系元素が本
発明の好ましい範囲を超える場合であるが、いずれも優
れたガス放出特性を有しているものの、耳割れが大きく
熱間加工が困難であったさらにまた、No.32,3
3,及び34は、それぞれC,N,及びOが本発明の好
ましい範囲を超えて含有された場合であるが、いずれの
場合も、ガス放出特性が著しく低下しており、ステンレ
ス鋼並みとなってしまうことが確認された。
【0077】実施例2のNo.21〜24の材料を用い
て図3ないし図7に示したシール構造を有する超高真空
容器(φ200×300)1を試作し、180 1/s
のターボポンプのみで真空度を高めたところ、表10に
示す結果が得られた。
【0078】
【表10】
【0079】表10に示したように、図3ないし図6に
示したシール構造を採用した場合、6×10−11To
rrでガスリーク等は生じなかったが、図7のシール構
造を採用した場合には若干のガスリーク等らしきものが
生じていた。しかし、いずれにしても、同等のステンレ
ス鋼製の超高真空容器の場合に真空度が1.0×10
−8Torrまでであったのと比べて到達真空度が大き
なものとなっており、本発明で用いた超高真空用に適す
る部材の優れたガス放出特性およびシール構造における
優れたガスリーク防止性能を裏付けるものといえる。な
お、この到達真空度の実験はいずれも370℃×48時
間加熱した後、室温にて24時間冷却した後に行った。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、チタンサプリメーショ
ンポンプやクライオポンプなどの複雑な真空排気装置を
用いることなしにターボポンプのみの比較的単純な真空
排気系で真空度が例えば10−10Torr以上ないし
は10−11Torr以上の超高真空を得ることが可能
であり、かつまたガス放出量の少ない超高真空用に適し
た部材を用いた軽量な超高真空容器を提供することがで
き、とくにこのような超高真空容器のシール部分でのガ
スリークを生じがたいものとすることが可能であって、
上記のような超高真空状態を良好に維持させることが可
能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超高真空容器のシール構造におけ
る超高真空容器の構造例を示す正面説明図である。
【図2】本発明による超高真空容器のシール構造におけ
る超高真空容器の構造例を示す平面説明図である。
【図3】本発明による超高真空容器のシール構造におけ
るフランジ形軸継手の正面説明図(図3の(A))、縦
断面説明図(図3の(B))および拡大断面説明図(図
3の(C))である。
【図4】本発明による超高真空容器のシール構造におけ
るフランジ形軸継手の正面説明図(図4の(A))、縦
断面説明図(図4の(B))および拡大断面説明図(図
4の(C))である。
【図5】本発明による超高真空容器のシール構造におけ
るフランジ形軸継手の正面説明図(図5の(A))、縦
断面説明図(図5の(B))および拡大断面説明図(図
5の(C))である。
【図6】本発明による超高真空容器のシール構造におけ
るフランジ形軸継手の正面説明図(図6の(A))、縦
断面説明図(図6の(B))および拡大断面説明図(図
6の(C))である。
【図7】従来例による超高真空容器のシール構造におけ
るのフランジ形軸継手の正面説明図(図7の(A))、
縦断面説明図(図7の(B))および拡大断面説明図
(図7の(C))である。
【図8】従来例によるシール部分でのガスリーク発生形
態を示す断面説明図である。
【図9】本発明によるシール部分でのガスリーク防止形
態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 超高真空容器 1a 胴部(容器本体) 1b フランジ形軸継手 1c シール面 1d ボルト孔 1e ナイフエッジ部 1f ナイフエッジ部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超高真空容器のシール構造において、シ
    ール面に少なくとも二重のナイフエッジ部を形成して、
    前記少なくとも二重のナイフエッジ部にシール用ガスケ
    ット材を圧接させることを特徴とする超高真空容器のシ
    ール構造。
  2. 【請求項2】 シール面に形成した少なくとも二重のナ
    イフエッジ部の少なくとも一方の表面に耐酸化用として
    貴金属の表面処理が施してある請求項1に記載の超高真
    空容器のシール構造。
  3. 【請求項3】 シール面に形成した少なくとも二重のナ
    イフエッジ部の少なくとも一方の表面に耐酸化及び耐摩
    耗用としてTiNの表面処理が施してある請求項1また
    は2に記載の超高真空容器のシール構造。
  4. 【請求項4】 少なくとも二重のナイフエッジ部に圧接
    するシール用ガスケット材として、無酸素銅を用いた請
    求項1ないし3のいずれかに記載の超高真空容器のシー
    ル構造。
  5. 【請求項5】 シール用ガスケット材の表面に耐酸化用
    として貴金属の表面処理が施してある請求項1ないし4
    のいずれかに記載の超高真空容器のシール構造。
  6. 【請求項6】 超高真空容器は、Pd,Pt,Rh,R
    u,Re及びOsからなる群から選択される少なくとも
    1種の白金系金属を0.02〜1.00重量%、 Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
    選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
    重量%、 La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,H
    o,Erの希土類元素及びYからなる群から選択される
    少なくとも1種の希土類系元素を0.02〜0.50重
    量%の範囲で含有し、 不純物元素としてのC,N及びOをそれぞれC:0.0
    5重量%以下、N:0.05重量%以下、O:0.08
    重量%以下に規制し、 残部Ti及び不可避的不純物よりなる部材を用いた請求
    項1ないし5のいずれかに記載の超高真空容器のシール
    構造。
  7. 【請求項7】 超高真空容器は、Pd,Pt,Rh,R
    u,Re及びOsからなる群から選択される少なくとも
    1種の白金系金属を0.02〜1.00重量%、 Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
    選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
    重量%、 La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,H
    o,Erの希土類元素及びYからなる群から選択される
    少なくとも1種の希土類系元素を0.02〜0.50重
    量%、 Al:0.2〜9.5重量%の範囲で含有し、 不純物元素としてのC,N及びOをそれぞれC:0.0
    5重量%以下、N:0.05重量%以下、O:0.08
    重量%以下に規制し、 残部Ti及び不可避的不純物よりなる部材を用いた請求
    項1ないし5のいずれかに記載の超高真空容器のシール
    構造。
  8. 【請求項8】 Alを0.2〜1.5重量%の範囲で含
    有する請求項7に記載の超高真空容器のシール構造。
  9. 【請求項9】 超高真空容器は、チタン合金をベースと
    し、 Pd,Pt,Rh,Ru,Re及びOsからなる群から
    選択される少なくとも1種の白金系金属を0.02〜
    1.00重量%、 Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
    選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
    重量%、 La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,H
    o,Erの希土類元素及びYからなる群から選択される
    少なくとも1種の希土類系元素を0.02〜0.50重
    量%の範囲で含有し、 不純物元素としてのC,N及びOをそれぞれC:0.0
    5重量%以下、N:0.05重量%以下、O:0.08
    重量%以下に規制した部材を用いた請求項1ないし5の
    いずれかに記載の超高真空容器のシール構造。
  10. 【請求項10】 容器外表面の少なくとも一部に、酸化
    膜及び窒化膜から選択される少なくとも1種の表面保護
    膜が設けてある請求項1ないし9のいずれかに記載の超
    高真空容器のシール構造。
  11. 【請求項11】 容器本体とフランジ形軸継手をそな
    え、別体の容器本体とフランジ形軸継手とを電子ビーム
    溶接により外表面から容器内部へと貫通する溶接結合に
    より一体化してなる請求項1ないし10のいずれかに記
    載の超高真空容器のシール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003097483A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Tsurumi Mfg Co Ltd 水中ポンプの吐出口におけるフランジ接合構造
JP2011185758A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Yokogawa Electric Corp 圧力測定器
EP2738271A1 (en) * 2011-07-26 2014-06-04 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Titanium alloy

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