JPH0630642U - ガス冷却室のノズル部清掃装置 - Google Patents

ガス冷却室のノズル部清掃装置

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JPH0630642U
JPH0630642U JP6188292U JP6188292U JPH0630642U JP H0630642 U JPH0630642 U JP H0630642U JP 6188292 U JP6188292 U JP 6188292U JP 6188292 U JP6188292 U JP 6188292U JP H0630642 U JPH0630642 U JP H0630642U
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和昭 坂田
芳宏 山本
力夫 釜親
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 都市ごみ焼却施設におけるガス冷却室の排ガ
ス冷却能率を長期間維持すると共に、パージ空気の消費
量に係るコストを削減する。 【構成】 ガス冷却室10の耐火壁10aを貫通して設
けられる筒状のノズル取付金具11内に設けられ、そし
てガス冷却室10の内側に突出する水噴霧ノズル12の
先端のノズルチップ12aの上下外周部に向かってパー
ジ空気を噴射する空気噴射孔2aを有する空気噴射ノズ
ル2、2を設けて、これら空気噴射孔2aから、ノズル
チップ12aの上下外周部に付着・堆積して成長するダ
ストに集中的にパージ空気を噴射することによって、少
ない空気量で効果的にダストを除去することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ガス冷却室のノズル部清掃装置に係り、特に都市ごみ焼却施設等に 用いるガス冷却室に設けられる水噴射ノズルの先端の外周部に付着するダストを 効果的に除去清掃するためのガス冷却室のノズル部清掃装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ焼却施設、例えば、都市ごみ焼却施設における都市ごみ焼却処理工程 が、そのフローを示すブロック図の図4に示されるが、収集した都市ごみは給じ ん装置によって焼却炉に投入されて焼却処理され、その焼却残渣は焼却炉から取 出されて処分される。一方、高温の燃焼排ガスはガス冷却室に送られて噴霧水で 冷却された後、空気予熱器、集じん装置を経て無害のガスとして誘引送風機で吸 引し、煙突から大気中に排出される。
【0003】 以下、都市ごみ焼却施設のガス冷却室の典型的例を、その断面構成説明図の図 5を参照しながら説明すると、上部に排ガス入口52を有し、本体上部の壁部に 冷却水を噴霧するノズル56を有し、下部にダストの掻寄装置53aと排出用の ダンパ53bとからなるダスト排出装置53を有し、かつダスト排出装置53の 上方位置において、内側の耐火壁51aと外側の鉄皮51bとからなる冷却室壁 部51の下部側面から斜め上方に突出し、前記空気予熱器、集じん装置等に対し て冷却した排ガスを排出する排ガス出口54を有している。
【0004】 さらに、その要部構成説明図の図6に示すように、ガス冷却室壁部51の上部 には、この壁部51の耐火壁51aに開口すると共に、パージ用空気を吹込む空 気導入口55aを有するノズル取付金具55が設けられている。そして、このノ ズル取付金具55には、冷却水用の噴霧水を供給するノズルガン56bと、冷却 水を噴霧するためのノズルチップ56aとからなる水噴霧ノズル56が遊嵌され ている。
【0005】 ところが、この水噴霧ノズル部には、ダスト付着状況説明図の図7に示すよう に、排ガス中のダストが水噴霧ノズル56回りの耐火壁51aの開口部に付着す ると共に、時間の経過につれて成長し、水噴射ノズル56から噴霧される噴霧水 の噴霧角度αが狭められ、この噴霧水が成長した付着ダストに当たってドレンと なり、耐火壁51aを濡らして下方に流下する。
【0006】 そして、ドレンの流下により、ダストの付着がさらに増大するだけでなく、耐 火壁51aが浸食され、耐火壁51aが剥離・亀裂等を起こし、その部分から侵 入する腐食性ガス・蒸気等により耐火物用のアンカー金物や鉄皮51bが腐食す るのに加えて、水噴霧状態の悪化で排ガスを所定の温度まで冷却することができ なくなるという問題が生じていた。
【0007】 このような問題を解決し得るものとしては、例えば実開昭62−142626 号公報にて開示されてなる技術が公知である。以下、これを、排ガス冷却装置を 示す要部断面図の図8を参照しながら説明すると、ガス冷却室内に噴霧角度αで 水を噴霧する水噴霧ノズル56が、鉄皮51bに溶接されたノズル取付金具55 に取付けられ、その先端はガス冷却室50の耐火壁51aの内周面から約150 mm以上突出している。さらに、このノズル56には、ノズルチップ56aの先 端が少し突出するようにセラミック製の保護管57が外装されている。
【0008】 そのため、水噴霧ノズル56の先端から噴射される水がセラミック保護管57 に当たってドレンになることが防止され、さらに空気導入口55aから供給した パージ空気をノズル取付金具55の開口から噴出させ、排ガスと接触しないよう にして水噴霧ノズル56回りのダストの付着を防止している。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、パージ空気を水噴霧ノズルの外周回りに吹込んでも、水噴霧ノ ズルの先端部でパージ空気が周辺部に拡散して十分な強さがないために、その先 端部は十分保護されず、この先端部を起点として、ダスト付着開始状況説明図の 図9aと、図9aのB矢視図の図9bに示すように、ノズルチップ外周部の上下 にダストd1 ,d2 の付着が始まる。
【0010】 また、例え、先端部まで保護管で覆っても保護管の上部に堆積するダストd3 により、水噴霧ノズルのノズルチップの先端が急速に覆われ、水の噴霧状態が悪 化してしまう。そして、ダストの付着がさらに進むと、ノズルチップの水の噴霧 孔まで塞がれることとなり、完全な噴霧ができず、水が大きな粒子や鉄砲水状態 となり、蒸発せずそのまま落下することもあって十分な冷却性能を発揮できなく なるという解決すべき課題の他、パージ空気の消費量も多く経済的に不利になる という解決すべき課題もあった。
【0011】 従って、本考案の目的とするところは、水噴霧ノズルの先端部に付着するダス トを従来よりも少ないパージ空気量で効果的に除去することを可能ならしめるガ ス冷却室のノズル部清掃装置を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案に係るノズル部清掃装置が採用した主たる 手段の特徴とするところは、高温の排ガスに水を噴霧して該排ガスを冷却する水 噴霧ノズルが、該水噴霧ノズルの先端部が内側に突出する状態で壁部に貫設され てなるガス冷却室の前記水噴霧ノズルの外周部に付着するダストを除去するノズ ル部清掃装置にあって、前記水噴霧ノズルの先端部の上下外周部の近傍位置にお いて、これら上下外周部に向かって開口し、パージ空気を噴射する空気噴射孔を 有する空気噴射ノズルを設けたところにある。
【0013】
【作用】
ガス冷却室の内側に突出する水噴霧ノズルの先端部では、その上下外周部から ダストが付着・成長し、左右の外周部には殆どダストが付着しない。そこで、本 考案に係るノズル部清掃装置によれば、水噴霧ノズルの先端部の上下外周部の近 傍位置において、これら上下外周部に向かって開口する空気噴射孔を有する空気 噴射ノズルが設けられているので、細い空気噴射ノズルから水噴霧ノズルの先端 部の上下外周部に付着しているダストに向かって未拡散状態でパージ空気が噴射 される。
【0014】
【実施例】
本考案は、水噴霧ノズル先端部でのダストの堆積・成長状況が、先ず上部外周 は重力で水噴霧ノズルの先端のノズルチップの頂部にダストが降りかかり、これ が水で湿って次第に成長し、傾斜の急な山形に堆積する。また、水噴霧ノズルの 下部外周は、噴霧水により濡れたダストが付着し、次第に成長する現象が見られ るので、これらダストの付着・成長部位に集中的にパージ空気を噴射すれば、そ の成長を防止し、付着・堆積しているダストを効果的に水噴霧ノズルの先端から 除去し得ると考えてなしたものである。
【0015】 因みに、ダスト付着部位に集中的に圧縮空気を噴射する場合と、水噴霧ノズル の全周からパージ空気を吹出す従来方式の場合とについてのダスト除去性能比較 試験を行った。冷間テストと熱間テストとを対比してその試験結果を示すと、下 記表1のとおりである。なお、冷間テストでは水分20%の加湿ダストを用い、 この表1には、従来例による場合を従来法と示し、また本考案に係る場合を本法 として記載している。
【0016】
【表1】
【0017】 熱間における実機テストでは、水噴霧ノズルの先端のダストの付着状況が、湿 ったダストが熱気により乾燥され、この時ダスト中のCa分が水と反応して冷間 の場合よりも強固に固着するのにも係わらず、本法によればダストは確実に除去 され、十分な除去性能を示し、従来方式では熱間におけるダストの除去性能が大 幅に低下している。また、従来方式では、水噴霧ノズルの上下外周部にダストが 残ったまま、その他の左右外周部からパージ空気が抜け出てしまい、ダストを効 果的に除去することができなかった。そこで、ダストの付着・成長部位に集中的 にパージ空気を噴射する下記構成になるノズル部清掃装置を開発するに至ったも のである。
【0018】 以下、本考案に係る実施例を、水噴射ノズル装着部断面図の図1aと、図1a のA矢視図の図1bと、パージ空気噴射間隔説明図の図2とを参照しながら説明 する。なお、ガス冷却室の全体構造については、従来例に係る図5に基づいて説 明したとおりであるから割愛する。即ち、図1a,図1bに示す符号10aは、 ガス冷却室10の耐火壁であって、この耐火壁10aにはノズル取付用の貫通孔 10bが設けられ、この貫通孔10bには、外方に突出する突出端にフランジ部 11aを有し、かつ耐火壁10aを覆う鉄皮10cに溶接されてなる筒状のノズ ル取付金具11が取付けられている。
【0019】 また、上記ノズル取付金具11には、噴霧水を供給するノズルガン12bと、 その先端に付設されてなるノズルチップ12aとからなる水噴霧ノズル12が、 その先端側を内側に突出させた状態で遊嵌され、この水噴霧ノズル12はそのノ ズルガン12bが貫通する取付フランジ13が、上記ノズル取付金具11のフラ ンジ部11aに固着されることにより、ガス冷却室10に装着されている。
【0020】 一方、後述するノズル部清掃装置1が上記ノズル取付金具11に内設される。 このノズル部清掃装置1は2つの空気噴射ノズル2,2が、水噴霧ノズル12 のノズルガン12bを上下方向から挟む位置で、空気噴射孔2aが上記ノズルチ ップ12aの耐火物内面10d側の端面と寸法aの間隔を隔て、かつノズルチッ プ12aと水噴霧ノズル12との間に寸法bを隔てて上記取付フランジ13を貫 通した状態で、外周を溶接してフランジに固定され、これら2本の空気噴射ノズ ル2,2のガス冷却室の外方への突出端には、圧縮空気供給源4からパージ空気 としての圧縮空気を供給するための、電磁開閉弁3aが介装されてなる圧縮空気 供給管3が連通している。
【0021】 そして、この空気噴射ノズル2には、多量の空気を消費せず、しかも100m /s以上の噴射速度が得られるサイズとして、呼び10Aの鋼管を選定し、圧力 6kgf/cm2 の圧縮空気を供給することによって、150m/s以上の速度 のパージ空気が得られた。
【0022】 以下、上記ノズル部清掃装置1の作用態様を説明すれば、水噴霧ノズル12の 先端部であるノズルチップ12aの、ダストが付着・堆積して成長する上・下外 周部に空気噴射ノズル2のガス噴射孔2aからダストに向かって未拡散状態でパ ージ空気が集中的に噴射されるので、ノズルチップ12aの上・下外周部に付着 ・堆積しているダストが効果的に除去される。
【0023】 この場合、パージ空気の噴射間隔は、例えば、図2に示すように、ガス冷却室 10に設けられた合計8本の空気噴射ノズル2に対して1本当たりパージ空気を 1.5秒間噴射した後60秒間停止し、次の空気噴射ノズル2により8本のノズ ルを1本毎パージを繰り返した後に1時間停止するという繰り返し、パターンに より各空気噴射ノズル2当たり1時間毎に1回パージするという比較的少ないパ ージ数と空気量でダストを効果的に除去することができ、水噴霧状態に異常をき たすことなく、長期間にわたりガス冷却室10を効率良く安定して稼動させるこ とができた。なお、このようなパージ空気の間欠供給は、タイマー(図示省略) により上記電磁開閉弁3aを開閉させることにより行われる。
【0024】 一方、従来方法では、本法に比較して10〜20倍の圧縮空気を消費するのに 加えて、ダストの付着・堆積・成長部位以外の左右外周部からのパージ空気の抜 け出しがあるために、30分に1回〜10分に1回、さらには5回連続噴射する ということを試みたが、ダストは部分的に除去され得たに止まり、特に40%以 上の水分を含んで黒くなっているダストの場合には殆ど除去することができなか った。
【0025】 なお、水噴霧ノズル12のノズルチップ12aの耐火物内面10d側の端面と 空気噴射ノズル2の先端との間の寸法aと、ノズルチップ12aと空気噴射ノズ ル2との間の寸法bは近いほど有利であるが、水噴霧ノズル12の取付および点 検・取外し作業時に、この水噴霧ノズル12と空気噴射ノズル2とが干渉して損 傷する恐れがあるので、実際的には寸法a=20〜30mm、寸法b=5〜10 mmとしたが、ダストの除去効果に格別の支障は認められなかった。
【0026】 次に、本考案に係る他の実施例を、水噴霧ノズル装着部断面図の図3を参照し ながら以下に説明すると、本実施例が構成に関して上記実施例と相違するところ は、同図から良く理解されるように、2本の空気噴射ノズル2,2の先端部それ ぞれを、水噴霧ノズル12のノズルチップ12a側に角度βで折曲げてなる構成 としたものである。
【0027】 従って、空気噴射ノズル2,2の空気噴射孔2a,2aのそれぞれからノズル チップ12aの上・下外周部に向かってパージ空気が集中的に噴射されるので、 本実施例は上記実施例と同効である。
【0028】
【考案の効果】
以上詳述したように、本考案に係るガス冷却室のノズル部清掃装置によれば、 水噴霧ノズルの先端のノズルチップの上下外周部のダスト付着・成長部位に集中 的に空気噴射ノズルからパージ空気が噴射されるので、従来より少ない空気量で 確実に付着ダストを除去することが可能になり、ガス冷却室の冷却能力の維持と 運転経費の削減とに対して多大な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは本考案の実施例に係る水噴射ノズル装
着部断面図であり、また図1bは図1aのA矢視図であ
る。
【図2】本考案の実施例に係る圧縮空気噴射間隔説明図
である。
【図3】本考案の他の実施例に係る水噴射ノズル装着部
断面図である。
【図4】都市ごみ焼却処理工程のフローを示すブロック
図である。
【図5】ガス冷却室の断面構成説明図である。
【図6】図5の要部構成説明図である。
【図7】ダスト付着状況説明図である。
【図8】従来のガス冷却装置を示す要部断面図である。
【図9】図9aはダスト付着開始状況説明図、図9bは
図9aのB矢視図である。
【符号の説明】
1…ノズル部清掃装置 2…空気噴射ノズル、2a…空気噴射孔 3…圧縮空気供給管、3a…電磁開閉弁 10…ガス冷却室、10a…耐火壁、10b…貫通孔、
10c…鉄皮、10d…耐火物内面 11…ノズル取付金具、11a…フランジ部 12…水噴霧ノズル、12a…ノズルチップ、12b…
ノズルガン 13…取付フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 小倉 賢藏 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温の排ガスに水を噴霧して該排ガスを
    冷却する水噴霧ノズルが、該水噴霧ノズルの先端部が内
    側に突出する状態で壁部に貫設されてなるガス冷却室の
    前記水噴霧ノズルの外周部に付着するダストを除去する
    ノズル部清掃装置にあって、前記水噴霧ノズルの先端部
    の上下外周部の近傍位置において、これら上下外周部に
    向かって開口し、パージ空気を噴射する空気噴射孔を有
    する空気噴射ノズルを設けたことを特徴とするガス冷却
    室のノズル部清掃装置。
JP6188292U 1992-09-02 1992-09-02 ガス冷却室のノズル部清掃装置 Expired - Lifetime JP2565807Y2 (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11304137A (ja) * 1998-04-24 1999-11-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 灰溶融炉の排ガス処理方法及び灰溶融炉
JP2001132936A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Nippon Steel Corp 排ガス冷却塔のスプレーノズル
JP2010223473A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Mitsubishi Heavy Industries Environment & Chemical Engineering Co Ltd ストーカ式焼却炉のノズル清掃装置
KR20170099938A (ko) * 2014-12-10 2017-09-01 에박 오이 쓰레기 처리 설비
JP2023057641A (ja) * 2021-10-12 2023-04-24 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 灰押出装置

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