JPH06306026A - 不斉合成触媒および(s)−メトプロロールの製造法 - Google Patents

不斉合成触媒および(s)−メトプロロールの製造法

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JPH06306026A
JPH06306026A JP5097513A JP9751393A JPH06306026A JP H06306026 A JPH06306026 A JP H06306026A JP 5097513 A JP5097513 A JP 5097513A JP 9751393 A JP9751393 A JP 9751393A JP H06306026 A JPH06306026 A JP H06306026A
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rare earth
nitroaldol
catalyst
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JP5097513A
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Masakatsu Shibazaki
正勝 柴崎
Hiroaki Sasai
宏明 笹井
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Chisso Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 YCl3,LaCl3,PrCl3,NdC
3,SmCl3,EuCl3,GdCl3,TbCl3
よびYbCl3からなる群から選ばれた少なくとも一種
の希土類金属三塩化物、式(IR)で表されるジリチウ
ム(R)−ビナフトキシド、水酸化アルカリ、および水
から調製された希土類錯体からなる不斉合成触媒を用い
てニトロメタンと式(Id)で表わされる4−(2−メ
トキシエチル)フェノキシアセトアルデヒドとのニトロ
アルドール反応により、式(2d)で表わされる(S)
−3−〔4−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕ニト
ロプロパン−2−オールを合成し、この化合物をアセト
ン溶媒中でPtO2触媒下で還元することを特徴とする
式(3d)で表わされる(S)−メトプロロールの製造
法。 【効果】 特定の希土類錯体からなる不斉合成触媒を用
いるニトロアルドール反応を利用し、新規な(S)−メ
トプロロールの製造法が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は(S)−メトプロロール
の新規な製造法に関する。さらにそれらの中間体である
ニトロアルドール、および不斉合成用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類錯体触媒の不斉合成は近年、多く
の注目を集めている。たとえば、Chem. Rev. 92. 1007
〜1019, 1992; J. Am. Chem. Soc., 114, 2761, 1992;
J. Organometallics, 11 2003-2005, 1992; Bull. Che
m. Soc. Jpn., 65, 2001-2003, 1992 などにその報告が
ある。本発明者らはJ. Am. Chem. Soc., 114, 4418-442
0,1992において、光学活性Laビナフトキシド錯体を塩
基として使用した触媒的不斉ニトロアルドール反応の開
発における最初の成功例を報告している。希土類金属
は、その+3の酸化状態がもっとも安定な一連の類似元
素である。八配位三価希土類元素のイオン半径は、希土
類元素の原子番号の増加とともに、いわゆるランタノイ
ド収縮を反映してLaにおける1.18オングストロー
ムからLuにおける0.97オングストロームまで減少
する。(Sinha, S.P.Structure and Bonding, 25, Spri
nger-Verlag: New York. 1976; pp. 69-149.参照)
【0003】一方、そのイオン半径は配位数の増加とと
もに増加する。不斉希土類金属錯体におけるより短い金
属−酸素結合は、触媒の基本的構造を変えることなくよ
り近接した不斉環境を形成するために、不斉ニトロアル
ドール反応において異なる反応性を示す。一方、光学活
性(S)−メトプロロールは選択的β遮断薬として知ら
れており光学分割による合成が知られている。しかしな
がら、実用性に乏しく、必ずしも満足すべき合成法でな
い。従って市販のメトプロロール及びその誘導体はすべ
てラセミ体として供給されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、
(S)−メトプロロールの新規な製造法を提供すること
であり、その中間反応のニトロアルドールを効率的に製
造する不斉合成触媒を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意研究の結果、特定の希土類錯体からなる不
斉合成触媒を見出し、該触媒を用いるニトロアルドール
反応を利用することにより、本発明の新規な(S)−メ
トプロロールの製造法を完成するに至った。本発明は次
の(1)〜(3)の構成を有する。
【0006】本発明の(S)−メトプロロールの製造法
は、 (1) YCl3,LaCl3,PrCl3,NdCl3
SmCl3,EuCl3,GdCl3,TbCl3およびY
bCl3からなる群から選ばれた少なくとも一種の希土
類金属三塩化物、式(IR
【化9】 で表されるジリチウム(R)−ビナフトキシド、水酸化
アルカリ、および水から調製された希土類錯体からなる
不斉合成触媒を用いてニトロメタンと式(Id)
【化10】 で表わされる4−(2−メトキシエチル)フェノキシア
セトアルデヒドとの反応により、式(2d)
【化11】 で表わされる(S)−3−〔4−(2−メトキシエチ
ル)フェノキシ〕ニトロプロパン−2−オールを合成
し、この化合物をアセトン溶媒中でPtO2触媒下で還
元し、式(3d)
【化12】 で表わされる(S)−メトプロロールを得ることを特徴
とする。
【0007】(2) YCl3,LaCl3,PrC
3,NdCl3,SmCl3,EuCl3,GdCl3
TbCl3およびYbCl3からなる群から選ばれた少な
くとも一種の希土類金属三塩化物、式(IR
【化13】 で表わされるジリチウム(R)−ビナフトキシド、水酸
化アルカリ、および水から調製された希土類錯体からな
る不斉合成触媒を用いてニトロメタンと式(1)
【化14】 (ただしRはフェニル、フェネチル、シクロヘキシルま
たは基を示す)で表わされるアルデヒドとの反応で、式
(2)
【化15】 (Rは前記と同じ)で表わされる(S)−ニトロアルド
ールを得ることを特徴とする。
【0008】(3) 本発明の不斉合成触媒は、YCl
3,LaCl3,PrCl3,NdCl3,SmCl3,E
uCl3,GdCl3,TbCl3およびYbCl3からな
る群から選ばれた少なくとも一種の希土類金属三塩化
物、式(IR
【化16】 で表わされるジリチウム(R)−ビナフトキシド、水酸
化アルカリ、および水から調製された希土類錯体[以
下、(R)−ビナフトール錯体という]からなることを
特徴とする。
【0009】本発明の不斉合成用触媒は、希土類金属三
塩化物、前記式(IR)で表されるジリチウム(R)−
ビナフトキシドおよび水酸化アルカリを水の存在下、エ
ーテル系溶媒中つぎに示す反応によって得られる。
【0010】
【化17】 (ここで、LnはLa,Pr,Nd,Sm,Eu,G
d,Tb,Yb,またはYを示す。MはNa,Liもし
くはKを示す。)
【0011】反応溶媒としては、エーテル系溶媒が好ま
しく、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが使用され
る。モル比(1:x:y)は1:1:1〜1:2:2で
あり、三塩化物と水とのモル比は1:0〜1:50の範
囲が好ましい。反応温度、時間は通常10〜60℃、1
0〜72時間で行なわれる。
【0012】本発明の製造法におけるニトロアルドール
反応は、次式で示される
【化18】 〔ここで、Rは、フェニル、フェネチル、シクロヘキシ
ルまたは4−(2−メトキシエチル)フェニル基を示
す〕
【0013】たとえば、後述の実施例におけるニトロア
ルドール反応は次式で示される。
【化19】
【0014】触媒の(R)−ビナフトール錯体はアルデ
ヒドに対して1〜10モル%を用い、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどの溶媒中、温度−80℃〜30℃、
0.1〜10時間反応を行う。
【0015】本発明の(S)−メトプロロールの製造
は、次式の反応により行なう。
【化20】
【0016】式(1d)→式(2d)で示されるニトロ
アルドール反応は、前述のニトロアルドール反応により
行なう。式(2d)→式(3d)で示される(S)−メ
トプロロールの合成は、たとえば、ニトロアルドールを
アセトン中PtO2触媒で還元する。正確にはニトロア
ルドールをPtO2触媒下で還元してアミノ基に変換し
た後、単離することなく還元条件下アセチルアミンへ導
く。
【0017】すなわち、式(2d)で示されるニトロア
ルドールが絶対配置保持でのニトロ基から相当する一級
アミノ基への還元およびそれに続いてアルキル化され式
(3d)で示される(S)−メトプロロールが得られ
る。この還元反応は、PtO2触媒をニトロアルドール
に対して0.1〜10%、水素雰囲気下、メタノール、
酢酸エチルなどの溶媒中、室温下1〜50時間反応を行
う。アルキル化は上記の還元反応にアセトンをニトロア
ルドールに対して1〜10当量加えて1〜30時間反応
を行う。
【0018】本発明の不斉合成触媒の能力をニトロメタ
ンと式(1a)で示されるヒドロシンナムアルデヒドを
用いたニトロアルドール反応によって検討したのが後述
の実施例5〜37である。実施例37(Y触媒)を除い
てすべての希土類金属(R)−ビナフトキシド触媒から
(S)−配置の式(2a)で示されるニトロアルドール
が得られる。表2に示すように、PrまたはNdがLa
錯体触媒に対し、同じ、あるいはわずかに高い反応性を
示す。これに対し、より短いイオン半径を持つ他の希土
類金属は化学収率および光学収率の両方の点で不満足な
結果である。SmCl3,EuCl3,GdCl3,Tb
Cl3,YbCl3およびYCl3の場合に表1−表2の
結果を比較すると1:2:1:10(表1)がもっとも
よい化学収率、光学収率が得られる。しかしながら、T
b,Yb,およびY触媒では、式(2a)で示される4
−フェニルニトロブタン−2−オールの光学収率はL
a,Pr,Ndの希土類触媒の使用によって得られる水
準には達しない。前期の希土類金属(La,Pr,N
d)と後期の希土類金属(Sm,Eu,Gd,Tb,Y
b,Y)との間の違いは次の二つの事実に帰属できる。
第一に、一部のLaCl3が溶けずに残るLa錯体の生
成に比べ、SmCl3,EuCl3,GdCl3,TbC
3,YbCl3およびTCl3はジリチウム(R)−ビ
ナフトキシドに対しかなりよい反応性を示す。第二に、
より短いイオン半径を持つ後期の希土類金属から誘導さ
れた希土類錯体は、たぶん構造的に異なるオリゴマーを
生成するために低いeeの式(2a)で示される4−フ
ェニルニトロブタン−2−オールを与えるのであろう。
【0019】本発明の結果、構造的に異なるアルデヒド
を使った触媒的不斉ニトロアルドール反応における希土
類金属効果は、興味深いことに、アルデヒドの構造に高
く関わっていることも明らかになった。希土類金属のイ
オン半径とニトロアルドールの光学純度の間の関係を図
1に示す。例えば、ベンズアルデヒドとニトロメタンを
出発物質として使用したとき、La錯体の場合(−40
℃,40時間)の37%ee(化学収率81%)に対
し、Eu錯体は72%ee(化学収率91%)で(S)
−2−フェニルニトロエタン−2−オールを得た。芳香
族アルデヒドとニトロアルカンとの触媒的不斉ニトロア
ルドール反応によって合成可能な多くの生理活性アミノ
−アルコール誘導体が、開発されている。したがって、
Eu錯体は有用化合物への新規合成経路に対し効果的試
剤として役に立つかもしれない。(1d)で示される4
−(2−メトキシエチル)フェノキシアセトアルデヒド
の場合に、−50℃で(2d)式で示されるニトロアル
ドールの光学純度は89%ee(化学収率86%,N
d)、91%ee(化学収率82%,Pr)、および9
3%ee(化学収率76%,La)であった。更に、5
mol%および3mol%のLa錯体を使った時には、式(2
d)で示されるニトロアルドールは、90%ee(化学
収率88%)および86%ee(化学収率78%)でそ
れぞれ得られる。使用触媒のパーセントの減少に伴う式
(2d)で示されるニトロアルドールの光学純度のわず
かな減少はニトロメタンとの交換による触媒からの
(R)−ビナフトールの解離によるものであろう。式
(2d)で示されるニトロアルドールは1ポット反応で
β1選択的β遮断薬(S)−メトプロロールへ容易に変
換できる。
【0020】
【実施例】以下、実施例で本発明を説明する。光学純度
はHPLC分析(ダイセルCHIRALPAK ASあ
るいはAD)により決定した。
【0021】実施例1 (S)−メトプロロールを次の手順で合成した。 (1) La−(R)−ビナフトール錯体(以下ランタ
ン触媒ということがある)の調製 窒素雰囲気下、三塩化ランタン7水和物5.57g(1
5mmol)、をテトラヒドロフラン(以下THFと略す)
184mlに懸濁し(R)−2,2′−ジヒドロキシ−
1,1′−ビナフチルのジリチウム塩のTHF溶液94
ml(0.16mol/l)、水酸化ナトリウム600mg(15m
mol)、および水0.81ml(45mmol)を順に混合
し、50℃で2日間撹拌し、La−(R)−ビナフトー
ル錯体を調製した。
【0022】(2) (S)−3−〔4−(2−メトキ
シエチル)フェノキシ〕ニトロプロパン−2−オール
[式(2d)]の合成 4−(2−メトキシエチル)フェノキシアセトアルデヒ
ド(106mg、0.55mmol)、とニトロメタン(1.
5ml)、27mmol)を室温で30mlのTHFに加えた。
その溶液を−50℃に冷却した後、ランタン触媒のTH
F溶液(約0.05M)1.1ml(0.055mmol)を
徐々に加えた。この反応混合物を−50℃で60時間撹
拌した後、1mlの1NHClを加えて反応を停止させ
た。通常の後処理を行った後、塩化メチレン−メタノー
ル(200:1)を展開溶媒としてシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し、100mgのニトロアルドー
ル[式(2d)](化学収率76%)を得た。その鏡像
体過剰率はHPLCにより93%であった。
【0023】(3) (S)−メトプロロールの合成 上で得られた(S)−〔4−(2−メトキシエチル)フ
ェノキシ〕ニトロプロパン−2−オールの64mg(0.
25mmol)〕の5mlメタノール溶液に酸化白金(IV)1
5mgを加え、その反応混合物を水素雰囲気下、室温で1
時間激しく撹拌した。それからアセトン(18μl、
0.30mmol)を加え、その反応混合物を更に50℃で
16時間撹拌した。粗生成物のエーテル溶液に塩酸のエ
ーテル溶液を加えて、塩酸塩に変換した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/ア
ンモニア水=100/20/1)にかけ、54mgの
(S)−メトプロロール塩酸塩を得た(化学収率80
%)。[α]22 D+5.9°(c0.998、EtO
H)。
【0024】実施例2 (1) 実施例1のランタン触媒を使用した。 (2) ランタン触媒濃度5mol%にかえる以外は実施
例1と同様に行った。化学収率88%、鏡像体過剰率8
8%eeのニトロアルドール[式(2d)]を得た。
(3) 上記ニトロアルドールを用いる以外は、実施例
1と同様にして(S)−メトプロロールを得た。
【0025】実施例3 (1) 実施例1のランタン触媒を使用した。 (2) ランタン触媒濃度3mol%にかえる以外は実施
例1と同様に行った。化学収率78%、鏡像体過剰率8
6%eeのニトロアルドール[式(2d)]を得た。
(3) 上記ニトロアルドールを用いる以外は、実施例
1−(3)と同様にして(S)−メトプロロールを得
た。
【0026】実施例4 (1) Pr−(R)−ビナフトール錯体(以下プラセ
オジム触媒ということがある)の調製 塩化ランタン・七水和物を塩化プラセオジムにかえる以
外は実施例1−(1)と同様にしてプラセオジム触媒を
得た。 (2) (S)−3−〔4−(2−メトキシエチル)フ
ェノキシ〕ニトロプロパン−2−オール[式(2d)]
の合成 ランタン触媒をプラセオジム触媒にかえる以外は実施例
1−(2)と同様に行ない、ニトロアルドール[式(2
d)]を得た。化学収率82%、鏡像体過剰率82%で
あった。 (3) 上記のニトロアルドールを用いる以外は、実施
例1−(3)と同様にして(S)−メトプロロールを得
た。
【0027】実施例5〜13 (1) 不斉合成触媒の調製 無水の希土類金属三塩化物(表1)、ジリチウム(R)
−ビナフトキシド、水酸化ナトリウム、および水を1:
2:1:10のモル比で順にTHF(0.4mmolの希土
類金属三塩化物に対し8ml)に加え室温で48時間撹拌
して不斉合成触媒を得た。 (2) (S)−4−フェニルニトロブタン−2−オー
ル[式(2a)]の合成 不斉合成触媒のTHF溶液912μl(0.05N)に
THF1.2mlを加え−40℃に冷却した後、ヒドロシ
ンナムアルデヒド60μl(0.456mmol)、ニトロ
メタン247μl(4.56mmol)を加えた。この反応
混合液を−40℃で54時間撹拌した後、2mlの1N塩
酸を加えて反応を停止させた。通常の処理を行なった
後、ヘキサン−アセトン(10:1)を展開溶媒として
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ニトロ
アルドール[式(2a)]を得た。該ニトロアルドール
の鏡像体過剰率はHPCLにより求めた。その結果を表
1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】実施例14〜22 (1) 不斉合成触媒の調製 無水の希土類金属三塩化物(表2)、ジリチウム(R)
−ビナフトキシド、水酸化ナトリウムおよび水のモル比
を1:1:2:10にする以外は、実施例5と同様にし
て不斉合成触媒を得た。 (2) (S)−4−フェニルニトロブタン−2−オー
ル[式(2a)]の合成 上記不斉合成触媒を用いる以外は、実施例5と同様にし
て(S)−ニトロアルドール[式(2a)]を得た。化
学収率、鏡像体過剰率を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】実施例23〜29 (1) 不斉合成触媒の調製 無水の希土類金属三塩化物(表3)、ジリチウム(R)
−ビナフトキシド、水酸化ナトリウムおよび水のモル比
を1:1:2:10にする以外は、実施例5と同様にし
て不斉合成触媒を得た。 (2) (S)−4−フェニルニトロブタン−2−オー
ル[式(2a)]の合成 上記不斉合成触媒を用いる以外は、実施例5と同様にし
て(S)−ニトロアルドール[式(2a)]を得た。化
学収率、鏡像体過剰率を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】実施例30〜37 (1) 不斉合成触媒の調製 無水の希土類金属三塩化物(表4)、ジリチウム(R)
−ビナフトキシド、水酸化ナトリウムおよび水のモル比
を1:1:1:20にする以外は、実施例5と同様にし
て不斉合成触媒を得た。 (2) (S)−4−フェニルニトロブタン−2−オー
ル[式(2a)]の合成 上記不斉合成触媒を用いる以外は、実施例5と同様にし
て(S)−ニトロアルドール[式(2a)]を得た。化
学収率、鏡像体過剰率を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】特定の希土類錯体からなる不斉合成触媒
を用いるニトロアルドール反応を利用し、新規な(S)
−メトプロロールの製造法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】希土類金属元素のイオン半径とニトロアルドー
ル誘導体の鏡像体過剰率との関係。
【符号の説明】
2a 4−フェニルニトロブタン−2−オール 2b 2−フェニルニトロエタン−2−オール 2c 2−シクロヘキシルニトロエタン−2−オール (c.y.) 化学収率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300 C07F 5/00 B 7457−4H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 YCl3,LaCl3,PrCl3,Nd
    Cl3,SmCl3,EuCl3,GdCl3,TbCl3
    およびYbCl3からなる群から選ばれた少なくとも一
    種の希土類金属三塩化物、式(IR) 【化1】 で表わされるジリチウム(R)−ビナフトキシド、水酸
    化アルカリ、および水から調製された希土類錯体からな
    る不斉合成触媒を用いてニトロメタンと式(1d) 【化2】 で表わされる4−(2−メトキシエチル)フェノキシア
    セトアルデヒドとのニトロアルドール反応により、式
    (2d) 【化3】 で表わされる(S)−3−〔4−(2−メトキシエチ
    ル)フェノキシ〕ニトロプロパン−2−オールを合成
    し、この化合物をアセトン中でPtO2触媒下で還元す
    ることを特徴とする式(3d) 【化4】 で表わされる(S)−メトプロロールの製造法。
  2. 【請求項2】 希土類金属三塩化物、ジリチウム(S)
    −ビナフトキシドおよび水酸化アルカリおよび水のモル
    比が1:(1〜3):(0〜3):(0〜50)である
    ことからなる請求項1記載の(S)−メトプロロールの
    製造法。
  3. 【請求項3】 YCl3,LaCl3,PrCl3,Nd
    Cl3,SmCl3,EuCl3,GdCl3,TbCl3
    およびYbCl3からなる群から選ばれた少なくとも一
    種の希土類金属三塩化物、式(IR) 【化5】 で表されるジリチウム(R)−ビナフトキシド、水酸化
    アルカリ、および水から調製された希土類錯体からなる
    不斉合成触媒を用いてニトロメタンと式(1) 【化6】 〔ただしRはフェニル、フェネチル、シクロヘキシルま
    たは4−(2−メトキシエチル)フェニルを示す〕で表
    わされるアルデヒドとのニトロアルドール反応で、式
    (2) 【化7】 (Rは前記と同じ)で表される(S)−ニトロアルドー
    ルの製造法。
  4. 【請求項4】 希土類金属三塩化物、ジリチウム(R)
    −ビナフトキシドおよび水酸化アルカリおよび水のモル
    比が1:(1〜3):(0〜3):(0〜50)である
    ことからなる請求項3記載の(S)−ニトロアルドール
    の製造法。
  5. 【請求項5】 YCl3,LaCl3,PrCl3,Nd
    Cl3,SmCl3,EuCl3,GdCl3,TbCl3
    およびYbCl3からなる群から選ばれた少なくとも一
    種の希土類金属三塩化物、式 【化8】 で表されるジリチウム(R)−ビナフトキシド、水酸化
    アルカリ、および水から調製された希土類錯体からなる
    ことを特徴とする不斉合成触媒。
JP5097513A 1993-04-23 1993-04-23 不斉合成触媒および(s)−メトプロロールの製造法 Pending JPH06306026A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100332399B1 (ko) * 1999-02-22 2002-04-13 김경호 메토프롤롤 라세미체로부터 메토프롤롤 에난티오머의 제조방법
JP2010235585A (ja) * 2009-03-12 2010-10-21 Japan Science & Technology Agency フルオレノンイミンを用いた炭素−炭素結合生成反応

Non-Patent Citations (1)

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Title
JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY=1992 *

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