JPH06305955A - キノン系細胞分化誘導剤 - Google Patents

キノン系細胞分化誘導剤

Info

Publication number
JPH06305955A
JPH06305955A JP12217393A JP12217393A JPH06305955A JP H06305955 A JPH06305955 A JP H06305955A JP 12217393 A JP12217393 A JP 12217393A JP 12217393 A JP12217393 A JP 12217393A JP H06305955 A JPH06305955 A JP H06305955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cancer
menatetrenone
cells
cell differentiation
agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12217393A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsu Sakai
達 酒井
Tomohide Tanaka
智英 田中
Kana Satou
加名 佐藤
Takashi Hibi
孝 日比
Yoshio Tanabe
義雄 田邊
Shigemitsu Osawa
重光 大沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eisai Co Ltd
Original Assignee
Eisai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eisai Co Ltd filed Critical Eisai Co Ltd
Priority to JP12217393A priority Critical patent/JPH06305955A/ja
Publication of JPH06305955A publication Critical patent/JPH06305955A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来、臨床的有用性の高い医薬品のなかっ
た、細胞分化誘導作用に基づく造血器腫瘍・固形腫瘍な
どの疾患の治療・改善剤を提供する。 【構成】 従来の癌薬物治療法の基礎となる考え方は、
増殖能が異常に高い腫瘍細胞をすべて死滅させるという
ものであるが、正常細胞に対しても毒性を示すため重篤
な副作用が避けられず治療効果にも限界があった。しか
し安全性が極めて高いビタミンK剤・止血剤等として利
用されているメナテトレノンは、意外にも細胞分化誘導
作用をも有しており、造血器腫瘍・固形腫瘍等の各種癌
・悪性腫瘍に対する、臨床上有用な治療・改善剤となり
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞分化誘導(以下、
分化誘導)作用に基づく造血器腫瘍・固形腫瘍などの疾
患の治療・改善剤に関する。
【0002】
【発明の背景】わが国における死亡原因の第一位を癌が
占めるようになって久しく、しかも患者数は年々増加し
てきており、有効性および安全性の高い薬剤や治療法の
開発が、今や国民・研究者・行政の最大関心事となって
いる。
【0003】癌(腫瘍)は発現部位・病理像・症状等に
より多岐に分類されるが、造血器腫瘍の代表的疾患であ
る白血病は血液細胞(白血球)の腫瘍であり、未分化の
各種幼若型白血球細胞の増殖が特徴である。またそれら
の中でも、増加している腫瘍細胞が未成熟な芽球である
ものを急性白血病、成熟細胞であるものを慢性白血病と
分類しており、多岐にわたる臨床症状を呈するが、その
多くは、正常造血の抑制に基づく症状と、他臓器への浸
潤・圧迫に基づく症状に大別することができる。具体的
には、正常血球細胞の減少は赤血球減少による貧血・顆
粒球減少による感染症や発熱・血小板の減少による出血
傾向として現れ、正常造血の抑制は骨髄不全を招く。癌
が予後不良な疾患であることは一般によく知られるとこ
ろであり、これまでにも種々の薬剤や治療方法が検討さ
れてきた。
【0004】それらの中でも薬物治療法の基礎となる考
え方は、腫瘍細胞である白血病細胞をすべて死滅させる
ことにより治療効果を得るというものであり、従ってよ
りよい治療成績を上げるために、増殖能が異常に高い腫
瘍に対し、細胞毒性による殺細胞作用をより強力に示す
薬剤の開発や、併用療法、高濃度・多量投与療法などが
試みられてきた。しかしこれらの薬剤や治療法は、腫瘍
細胞だけに特異的に作用するのではなく、正常細胞に対
しても毒性を示すため、心臓・心筋障害、骨髄機能抑
制、悪心・嘔吐、神経障害、脱毛等の重篤な副作用が発
現し、治療効果にも限界があった。
【0005】一方、従来の制癌剤と比較して安全性のよ
り高い各種分化誘導剤が、in vitroにおいて腫瘍細胞を
成熟細胞へ分化誘導する事実は知られており、分化誘導
療法への期待が集まっていたが、残念ながら従来の分化
誘導剤では臨床での有用性が認められていなかった。し
かし1988年にヒュン(Huang) らが、オールトランス−レ
チノイン酸(以下、ATRA)が急性前骨髄性白血病(以
下、APL)患者に対し100%に近い完全寛解をもたらした臨
床成績を報告して以来[ブラッド(Blood), 72,567-572,
1988.]、世界各国においてその効果が再確認され、造血
器腫瘍のみならず固形腫瘍を含めた広い範囲の癌に対す
る分化誘導療法に期待が高まりつつある。
【0006】
【従来技術】前述のように、ATRAが臨床において APLに
有効であることは、ヒュン(Huang)ら[ブラッド(Bloo
d), 72,567-572,1988.]を始め、キャステン(Castaign
e)ら[ブラッド(Blood), 76,1704-1709,1990.]、ワー
レル(Warrell) ら[ニューイングランド・ジャーナル・
オブ・メディスン(New Engl.J.Med.),324,1385-1393,19
91.]など、多く研究者が報告している。
【0007】またオルソン(Olsson)らは、ビタミンD3
の生理活性型代謝物である 1α,25-ジヒドロキシコレカ
ルシフェロール(以下、活性V.D3)が、ヒト・リンパ腫
培養細胞系(U937) において分化誘導作用を有すること
を報告している[キャンサー・リサーチ(Cancer Res.),
43(12Pt1),5862-5867,1983.]。これより分化誘導作用を
有する活性V.D3誘導体の開発も盛んに行われるようにな
り、例えば特開昭61-33165号公報には24−アルキルーデ
ヒドロビタミンD3 誘導体が抗腫瘍作用を有すること
が、また特開昭 61-140560号公報には20−オキサ-21-ノ
ル−ビタミンD3誘導体が分化誘導作用を有すること
が、それぞれ開示されている。
【0008】ツァン(Zhang) らは、ブファリン(Bufali
n)がヒト白血病細胞の培養細胞系であるHL60、U937お
よび ML1において分化誘導作用を示したことを報告して
いる[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リ
サーチ・コミュニケーションズ(Biochem.Biophys.Res.C
ommun.),178(2),686-693,1991.およびキャンサー・リサ
ーチ(Cancer Res.),52(17),4634-4641,1992.] 。
【0009】また上記以外にも分化誘導作用を有する化
合物として、バカラーニ(Baccarani)らはシトシン・ア
ラビノシド(Ara-C)を[ブリティッシュ・ジャーナル・
オブ・ヘマトロジー(Br.J.Haematol.),42,485-487,197
9.]、モーリン(Morin) らはアクラシノマイシンAを
[キャンサー・リサーチ(Cancer Res.),44,2807-2812,1
984.] 、森屋らはインターフェロン−αを[臨床血液,3
2,170-172,1991.]に報告している。
【0010】石倉らは、マウス骨髄球性白血病の培養細
胞系を用いて、ゲラニル・ファルネソール(3,7,11,15,
19−ペンタメチル-2、6、10、14、18-エイコサペンタエン−
1-オール)が分化誘導作用を有することを報告している
[ロイケミア・リサーチ(Leukemia Res.),8(5),843-85
2,1984.] 。
【0011】
【本発明が解決しようとする問題点】ATRAおよびその誘
導体は、皮膚癌や難治性皮膚角化疾患である乾癬の治療
に利用されているが、脂溶性が極めて高いため、長期間
投与すると肝臓の肥大・神経異常・食欲不振・嘔吐・脱
毛・そう痒感等のビタミンA過剰症状を発現しやすいこ
とが広く知られており、かつ投与を中止しても肝臓や組
織に長期間残留するため、副作用が一度発現すると長期
間消失しない重大な欠点がある。またATRAが APLに有効
であることは前述の通りであるが、 APLが全白血病患者
中に占める割合は約5%と非常に少なく、他の多くのタイ
プの急性白血病患者にはほとんど無効であった。さらに
寛解後も投与を中止すると再発しやすい問題もあった。
【0012】ビタミンD3 誘導体は骨粗鬆症などの治療
に利用されているが、腸管でのカルシウム吸収および腎
臓におけるカルシウム再吸収を促進するので、投与量が
過剰になると高カルシウム血症を引き起こし、石灰沈着
に起因する腎臓障害や消化器障害をもたらすことが知ら
れている。このため投与期間中は定期的に血清カルシウ
ム値を検査しなければならず、臨床では非常に使いにく
い問題点がある。さらにビタミンD3 誘導体の分化誘導
作用は、ヒト前骨髄球性白血病の培養細胞系であるHL60
には有効であるが、他のタイプのモデルにおいては有効
性が認められていない。
【0013】ブファリンは臨床には応用されていないた
め、その安全性に関して全く不明であり、ヒトでの有用
性を予測することはできなかった。
【0014】さらにシトシン・アラビノシドやアクラシ
ノマイシンAも安全性上の問題から国内では薬剤として
許可されておらず、インターフェロン−αの抗腫瘍作用
も期待されたほどではなかった。
【0015】ゲラニル・ファルネソールの分化誘導作用
に関する評価結果はマウス白血病細胞培養細胞系におけ
るものである。その後ヒト白血病細胞培養細胞系での評
価結果は全く報告されていないので、種の異なる細胞間
での薬剤感受性の差を考慮すると、ヒトでの有効性は一
切不明であった。
【0016】このように、各種癌に対して優れた有効性
と安全性を兼ね備えた薬剤はないのが現状であり、臨床
で広範囲の癌に対し有用性の高い医薬品の開発が強く望
まれていた。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる、メナテ
トレノン(ビタミンK2)は止血ビタミンとして、ビタミ
ンK 欠乏による下記疾患および症状の改善作用を有する
化合物として公知であり、医薬品として臨床で広く使用
されている。 (1) 胆道閉塞・胆汁分泌不全による低プロトロンビン血
症 (2) 新生児低プロトロンビン血症 (3) 分娩時出血 (4) クマリン系抗凝血薬投与中に起こる低プロトロンビ
ン血症
【0018】さらにメナテトレノン自身の副作用は少な
く、極めて安全性の高い化合物でもある。本発明者ら
は、メナテトレノンが、優れた生理活性とヒトや動物へ
の安全性が高いという要件を兼ね備えていることに着目
し、永年他の疾患への有効性も検討してきた。その結
果、意外にもメナテトレノンが分化誘導作用も有してお
り、造血器腫瘍・固形腫瘍などの各種癌に対する治療・
改善剤として所期の目的を達成できることを見い出し本
発明を完成した。メナテトレノンは下記化学構造式で表
される。
【0019】
【化2】
【0020】メナテトレノンは分子内に4組の二重結合
を有し、そのうち3組については2種類づつ(E体、Z
体)、計8種類の幾何異性体が存在し、本発明において
はいずれの異性体でもよく限定されないが、オールトラ
ンス体がより好ましい。また本発明ではこれらの幾何異
性体のうち1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上
の混合物を用いてもよく限定されない。さらにメナテト
レノンには、天然抽出物と合成品とがあるが、由来も限
定されない。なおメナテトレノンは、医薬品、化粧品、
食品、工業原料などとして広く販売されており、容易に
入手することができる。
【0021】従って本発明の目的は、分化誘導作用を有
する臨床的有用性の高い、各種癌に対する治療・改善剤
を提供することにある。具体的にはメナテトレノンを有
効成分とする、造血器腫瘍・固形腫瘍等の各種癌・悪性
腫瘍の治療・改善剤、および本化合物の分化誘導作用が
有効な疾患の治療・改善剤に関する。ここで造血器腫瘍
の具体的疾患名の一例としては、例えば急性白血病、慢
性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、マクログロブ
リン血症などを挙げることができ、また固形腫瘍として
は、例えば脳腫瘍、頭頸部癌、乳癌、肺癌、食道癌、胃
癌、大腸癌、肝癌、胆嚢・胆管癌、膵癌、膵島細胞癌、
腎細胞癌、副腎皮質癌、膀胱癌、前立腺癌、睾丸腫瘍、
卵巣癌、子宮癌、絨毛癌、甲状腺癌、悪性カルチノイド
腫瘍、皮膚癌、悪性黒色腫、骨肉腫、軟部組織肉腫、神
経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、胎児性横紋筋肉腫、網膜
芽細胞種などを挙げることができるが、本発明の対象疾
患がこれらに限定されないことは言うまでもない。
【0022】また本発明においては上記治療・改善剤と
しての有効性に加え、長期間投与しても極めて高い安全
性が期待できることから、長期間治療を続けることが可
能となり、癌患者のクオリティー・オブ・ライフの改善
に大きく貢献する発明であると言える。
【0023】次にメナテトレノンの安全性を示すため
に、急性毒性試験試験結果(LD50値)を示す。
【表1】
【0024】表1から、メナテトレノンの極めて高い安
全性が明らかである。さらに前述のようにメナテトレノ
ンはすでに医薬品として広く臨床で使用されており、そ
の安全性は確認されている。
【0025】投与剤型としては、例えば散剤、細粒剤、
顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤などの経口製剤、
注射製剤および外用剤(経皮製剤)が挙げられる。製剤
化の際には、通常の製剤担体を用いて常法により製造す
ることができる。
【0026】すなわち経口製剤を製造するには、メナテ
トレノンと賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊
剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法
により散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセ
ル剤等とする。
【0027】賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスタ
ーチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、
結晶セルロース、二酸化ケイ素などが、結合剤として
は、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテ
ル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴ
ム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール
・ポリオキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミン
などが、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン
末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリ
ウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、
カルボキシメチルセルロース・カルシウム等が、滑沢剤
としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、
ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が、着
色剤としては医薬品に添加することが許可されているも
のが、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香
散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用いられる。これらの
錠剤・顆粒剤には糖衣、その他必要により適宜コーティ
ングすることはもちろん差支えない。
【0028】また注射用製剤を製造する際には、メナテ
トレノンにpH調整剤、溶解剤、等張化剤などと、必要に
応じて溶解補助剤、安定化剤などを加えて、常法により
製剤化する。
【0029】外用剤を製造する際の方法は限定されず、
常法により製造することができる。すなわち製剤化にあ
たり使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、
化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能
である。
【0030】使用する基剤原料として具体的には、例え
ば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級ア
ルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン
脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分
子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、さら
に必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐
防黴剤、着色料、香料などを添加することができるが、
本発明にかかる外用剤の基剤原料はこれらに限定されな
い。また必要に応じて他の分化誘導作用を有する成分、
血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン
類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合する
こともできる。なお上記基剤原料の添加量は、通常外用
剤の製造にあたり設定される濃度になる量である。
【0031】本発明におけるメナテトレノンの臨床投与
量は、症状、重症度、年齢、合併症などによって異なり
限定されず、また化合物の種類・投与経路などによって
も異なるが、通常成人1日あたり10mg〜10g であり、好
ましくは50mg〜5gであり、さらに好ましくは 100mg〜1g
であり、これを経口、静脈内または経皮投与する。
【0032】次に本発明を具体的に説明するため以下に
実施例を掲げるが、本発明がこれらに限定されないこと
は言うまでもない。
【0033】
【実施例】実施例1 顆粒剤
【0034】
【表2】
【0035】実施例2 錠剤
【0036】
【表3】
【0037】実施例3 注射剤
【0038】
【表4】
【0039】実施例4 外用剤
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】次に本発明化合物の分化誘導剤としての
有用性を示すため、マウスB16 メラノーマ細胞および各
種ヒト白血病培養細胞系に対する効果実験例を挙げる。
なお実験に用いたヒト白血病培養細胞系は以下の通りで
ある。 (1) HL60;ヒト前骨髄性白血病細胞 (2) U937;ヒト単芽球様白血病細胞 (3) ML1 ;ヒト骨髄芽球様白血病細胞 (4) K562;ヒト骨髄赤芽球白血病細胞
【0042】実験1 マウスB16 メラノーマ細胞に対す
るメナテトレノンの分化誘導作用 (方法)マウス由来 B16メラノーマ細胞に対するメナテ
トレノンの分化誘導作用を、メラニン生成能を指標とし
て評価した。すなわちB16メラノーマ細胞を継代培養後、 2×
104 セル/ml になるよう 10%FCS MEM*に加え培養用シャ
ーレ(φ=10cm)にて24時間培養した。培養後、各試料
が毒性を示さなかった濃度( 1.0×10-6 M)に調製した
10%FCS MEM で培地交換を行った後、同条件で 5日間培
養した。培養後、等張緩衝塩類溶液[日水製薬製、商品
名;Dulbecco's PBS(-) ]で洗浄し、0.25% トリプシン
/エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)溶液を用いて細胞
を集め、さらに上記等張緩衝塩類溶液で再び洗浄した
後、遠心分離(100G)して細胞を得た。( 10%FCS MEM*
標準培地に 10%ウシ胎仔血清、ペニシリン、ストレプト
マイシンおよび炭酸水素ナトリウムを添加した培地)
【0043】得られた細胞に1mM-フェニルメチルスルホ
ニルフルオリド(PMSF) 1mlを添加したリン酸緩衝液を加
えた後、及川らの方法(エール・ジャーナル・オブ・バ
イオロジカル・メディスン[Yale J.Biol.Med.], 46、500
-507,1973.)にしたがって総メラニン量を吸光度(λ=
400nm )で測定し評価した。
【0044】表6に、マウス由来 B16メラノーマ細胞に
対するメナテトレノンの分化誘導作用を示す。
【0045】
【表6】
【0046】表6から明らかなように、 1.0×10-6M の
メナテトレノンにて5日間培養処理した B16メラノーマ
細胞の蛋白量あたりの総メラニン量(ユーメラニンおよ
びフェオメラニン)は、コントロール培養細胞に比べ約
15%低下した。この時の細胞内チロシナーゼ量は、メナ
テトレノン処理により明らかに減少したことが SDS電気
泳動法により確認された。
【0047】上記の結果はメナテトレノンの固形腫瘍に
対する有効性を示すものであり、メナテトレノンの造血
器腫瘍の分化誘導のみに止まらない幅広い適応性を示唆
するものである。
【0048】実験2〜5 各種ヒト白血病培養細胞系に
対するメナテトレノンの分化誘導作用 (方法)実験2〜5にかかる分化誘導作用の評価は、文
献に記載されている方法[中谷ら、キャンサー・リサー
チ(Cancer Res.),48,4201-4205,1988.] に従って行い、
下記分化誘導マーカーについて測定・評価した。 (1) 正常細胞への分化誘導マーカーであるニトロブルー
テトラゾリウム(以下、 NBT)還元能は、細胞を NBT試
薬と37℃で40分間インキュベートし、還元されて生じた
フォルマザンを顕微鏡で観察して評価した。 (2) 死細胞の割合(細胞の viability)は、トリパンブ
ルー試薬で染色された細胞を死細胞とし、全体の細胞数
に対する百分率を算出した。
【0049】(結果)実験2 ヒト前骨髄性白血病細胞 HL60 に対する分化誘
導作用 次にヒト骨髄芽球様白血病細胞 HL60 に対する、メナテ
トレノンの濃度と分化誘導作用の関係を図1に示す。
【0050】
【図1】
【0051】図1から明らかなように、メナテトレノン
濃度の増加と共に NBT還元能(分化誘導能)は増加し、
1.0×10-5M のメナテトレノン処理では約 57%の細胞に
分化が認められた。一方細胞数はメナテトレノン濃度の
増加と共に減少し、同じく 1.0×10-5M のメナテトレノ
ン処理でコントロールの約 48%に減少し、増殖阻害作用
も認められた。死細胞数の増加は、 1.0×10-5M までコ
ントロールと比較してわずかであり、細胞毒性はほとん
ど認められなかった。従ってメナテトレノンは、細胞毒
性に基づかずに特徴的にHL60細胞の分化を誘導すること
が明らかである。
【0052】実験3 ヒト単芽球様白血病細胞 U937 に
対する分化誘導作用 ヒト単芽球様白血病細胞 U937 に対する、メナテトレノ
ン濃度と分化誘導作用の関係を図2に示す。
【0053】
【図2】
【0054】図2から明らかなように、メナテトレノン
濃度の増加と共に NBT還元能(分化誘導能)は増加し、
1.0×10-6M のメナテトレノン処理では約 84%の細胞に
分化が認められた。一方細胞数はメナテトレノン濃度の
増加と共に減少し、同じく 1.0×10-6M のメナテトレノ
ン処理でコントロールの約 61%となり、増殖阻害作用も
認められた。死細胞数は、 5.0×10-6M までコントロー
ルと比較して差は認められず、細胞毒性は認められなか
った。従ってメナテトレノンは、細胞毒性に基づかずに
特徴的にU937細胞の分化を誘導することが明らかであ
る。
【0055】実験4 ヒト骨髄芽球様白血病細胞 ML1に
対する分化誘導作用 ヒト骨髄芽球様白血病細胞 ML1に対する、メナテトレノ
ン濃度と分化誘導作用の関係を図3に示す。
【0056】
【図3】
【0057】図3から明らかなように、メナテトレノン
濃度の増加と共に NBT還元能(分化誘導能)は増加し、
1.0×10-6M のメナテトレノン処理で約 84%の細胞に分
化が認められた。一方細胞数はメナテトレノン濃度の増
加と共に減少し、同じく 1.0×10-6M のメナテトレノン
処理でコントロールの約 61%となり、増殖阻害作用も認
められた。死細胞数は、 1.0×10-6M までコントロール
と比較して差は認められず、細胞毒性は認められなかっ
た。従ってメナテトレノンは、細胞毒性に基づかずに特
徴的に ML1細胞の分化を誘導することが明らかである。
【0058】実験5 ヒト骨髄赤芽球白血病細胞 K562
に対する分化誘導作用 ヒト骨髄赤芽球白血病細胞 K562 に対する、メナテトレ
ノン濃度と分化誘導作用の関係を図4に示す。
【0059】
【図4】
【0060】図4から明らかなように、メナテトレノン
濃度の増加と共に NBT還元能(分化誘導能)は明らかに
増加し、 1.0×10-6M のメナテトレノン処理では 60%の
細胞に分化が認められた。一方細胞数は 1.0×10-5M 以
上の高濃度において減少し、細胞増殖抑制作用は弱かっ
た。死細胞数は、 2.0×10-5M までコントロールと比較
して差は認められず、細胞毒性は認められなかった。こ
の結果より、メナテトレノンは前記のようにHL60、U93
7、 ML1の各細胞に対するほど強くはないが、ヒト骨髄
赤芽球白血病細胞K562細胞の分化も誘導することが明ら
かである。
【0061】上記実験例の結果から、メナテトレノンは
10-6〜10-5M 濃度において、発生段階の異なる各種ヒト
白血病細胞の分化を誘導することが明らかである。しか
も取り分け骨髄芽球様白血病細胞(HL60)、単芽球様白血
病細胞(U937)、骨髄芽球様白血病細胞(ML1) に対する効
果がより顕著であることが特徴的であり、骨髄赤芽球白
血病細胞に対する分化誘導能も有している。
【0062】実験6 各種ヒト白血病培養細胞系におけ
る、メナテトレノンが他の分化誘導マーカーに与える効
さらに NBT還元能と細胞数以外には、以下のマーカーが
分化誘導の指標として利用されており、それぞれ次のよ
うな意味を有する。 (1) AS-D−クロロアセテートエステラーゼ活性;顆粒球
への分化 (2) α−ナフチルアセテートエステラーゼ活性;単球
(マクロファージ)への分化 (3) 貪食能;正常白血球細胞への分化 (4) Fcレセプター数;顆粒球・単球への分化
【0063】(方法)上記マーカーの測定は、(1)(2)は
前記文献[中谷ら、キャンサー・リサーチ(Cancer Re
s.),48,4201-4205,1988.] 記載の方法に従った。(3)
は、細胞とポリスチレンラテックスビーズを37℃で4時
間インキュベートし、10個以上のビーズを取り込んだ細
胞数をカウントした。細胞の viability(生細胞の割
合)はトリパンブルー試薬で染色されない細胞を生細胞
とし、全体の細胞数に対する百分率を貪食能として算出
した。(4) はモレキュラー・イムノロジー(Molecular I
mmunology),25(11),1159-67,1988. に記載された方法に
従った。
【0064】(結果)次にメナテトレノンが、上記の分
化誘導マーカーに与える効果を表7に示す。
【0065】
【表7】
【0066】表7から明らかなように、メナテトレノン
処理により、ヒト骨髄芽球様白血病細胞 HL60 およびヒ
ト単芽球様白血病細胞 U937 において、α−ナフチルア
セテートエステラーゼ活性および貪食能が正常化してお
り、これらのヒト白血病細胞が単球(マクロファージ)
へ分化誘導されたことがわかる。またヒト骨髄芽球様白
血病細胞 ML1においては、すべての分化誘導マーカーが
改善されており、顆粒球および単球へ分化誘導されたこ
とがわかる。これらの結果より、メナテトレノンはタイ
プの異なる各種ヒト白血病培養細胞に対し、広く分化誘
導能を有していることが明らかである。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】 前骨髄性白血病細胞 HL60 に対するメナテト
レノン濃度と分化誘導作用との関係を示した図である。
(各群とも n= 3、平均±標準誤差で示す)
【図2】 ヒト単芽球様 U937 細胞に対するメナテトレ
ノン濃度と分化誘導作用との関係を示した図である。
(各群とも n= 3、平均±標準誤差で示す)
【図3】 ヒト骨髄芽球様白血病細胞 ML1に対する、メ
ナテトレノン濃度と分化誘導作用の関係を示した図であ
る。(各群とも n= 3、平均±標準誤差で示す)
【図4】 ヒト骨髄赤芽球白血病細胞 K562 に対するメ
ナテトレノン濃度と分化誘導作用との関係を示した図で
ある。(各群とも n= 3、平均±標準誤差で示す)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田邊 義雄 埼玉県本庄市東台 2−3−9 メゾン小 暮201 (72)発明者 大沢 重光 埼玉県本庄市見福 1−10−12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学構造式で表されるメナテトレノ
    ンを有効成分とする細胞分化誘導剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 造血器腫瘍治療剤である請求項1記載の
    細胞分化誘導剤。
  3. 【請求項3】 急性白血病、慢性白血病、悪性リンパ
    腫、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症からなる群よ
    り選ばれた疾患の治療・改善剤である請求項2記載の細
    胞分化誘導剤。
  4. 【請求項4】 固形腫瘍治療剤である請求項1記載の細
    胞分化誘導剤。
  5. 【請求項5】 脳腫瘍、頭頸部癌、乳癌、肺癌、食道
    癌、胃癌、大腸癌、肝癌、胆嚢・胆管癌、膵癌、膵島細
    胞癌、腎細胞癌、副腎皮質癌、膀胱癌、前立腺癌、睾丸
    腫瘍、卵巣癌、子宮癌、絨毛癌、甲状腺癌、悪性カルチ
    ノイド腫瘍、皮膚癌、悪性黒色腫、骨肉腫、軟部組織肉
    腫、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、胎児性横紋筋肉
    腫、網膜芽細胞種からなる群より選ばれた疾患の治療・
    改善剤である請求項4記載の細胞分化誘導剤。
  6. 【請求項6】 メナテトレノンを有効成分とする細胞分
    化誘導作用がその疾患の治療・改善に有効な疾患の治療
    ・改善剤。
JP12217393A 1993-04-27 1993-04-27 キノン系細胞分化誘導剤 Pending JPH06305955A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12217393A JPH06305955A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 キノン系細胞分化誘導剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12217393A JPH06305955A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 キノン系細胞分化誘導剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06305955A true JPH06305955A (ja) 1994-11-01

Family

ID=14829383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12217393A Pending JPH06305955A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 キノン系細胞分化誘導剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06305955A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6174905B1 (en) 1996-09-30 2001-01-16 Mitsui Chemicals, Inc. Cell differentiation inducer
WO2003105818A1 (ja) * 2002-06-12 2003-12-24 エーザイ株式会社 キノン系肝疾患治療剤
WO2004056351A1 (ja) * 2002-12-20 2004-07-08 Eisai Co., Ltd. Pka活性調節剤
US6794392B1 (en) 1996-09-30 2004-09-21 Schering Aktiengesellschaft Cell differentiation inducer
WO2004093858A1 (ja) * 2003-04-23 2004-11-04 Eisai Co., Ltd. Mmp発現抑制剤
WO2005077351A1 (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Eisai Co., Ltd キノン系肺疾患治療剤
WO2006080463A1 (ja) * 2005-01-28 2006-08-03 Fukuoka University ビタミンkヒドロキノン誘導体を用いる癌治療剤および再発予防剤
US7138433B2 (en) 2002-09-16 2006-11-21 Eisai Co., Ltd. Quinone-based therapeutic agent for hepatopathy

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6174905B1 (en) 1996-09-30 2001-01-16 Mitsui Chemicals, Inc. Cell differentiation inducer
US8026239B2 (en) 1996-09-30 2011-09-27 Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft Cell differentiation inducer
EP1437346A1 (en) 1996-09-30 2004-07-14 Schering AG Benzamide derivatives useful as cell differentiation inducers
US6794392B1 (en) 1996-09-30 2004-09-21 Schering Aktiengesellschaft Cell differentiation inducer
US7687525B2 (en) 1996-09-30 2010-03-30 Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft Cell differentiation inducer
USRE40703E1 (en) 1996-09-30 2009-04-28 Schering Aktiengesellschaft Cell differentiation inducer, benzamide compounds
US7317028B2 (en) 1996-09-30 2008-01-08 Schering Aktiengesellschaft Cell differentiation inducer
USRE39754E1 (en) 1996-09-30 2007-07-31 Schering Ag Benzamide derivatives and pharmaceutical compositions containing same
WO2003105818A1 (ja) * 2002-06-12 2003-12-24 エーザイ株式会社 キノン系肝疾患治療剤
US7138433B2 (en) 2002-09-16 2006-11-21 Eisai Co., Ltd. Quinone-based therapeutic agent for hepatopathy
JPWO2004056351A1 (ja) * 2002-12-20 2006-04-20 エーザイ株式会社 Pka活性調節剤
WO2004056351A1 (ja) * 2002-12-20 2004-07-08 Eisai Co., Ltd. Pka活性調節剤
WO2004093858A1 (ja) * 2003-04-23 2004-11-04 Eisai Co., Ltd. Mmp発現抑制剤
WO2005077351A1 (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Eisai Co., Ltd キノン系肺疾患治療剤
WO2006080463A1 (ja) * 2005-01-28 2006-08-03 Fukuoka University ビタミンkヒドロキノン誘導体を用いる癌治療剤および再発予防剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rephaeli et al. Derivatives of butyric acid as potential anti‐neoplastic agents
CA2087251C (en) Pharmaceutical compositions
Kasukabe et al. Control of proliferating potential of myeloid leukemia cells during long-term treatment with vitamin D3 analogues and other differentiation inducers in combination with antileukemic drugs: in vitro and in vivo studies
JPH06192073A (ja) 細胞分化誘導剤
JP2005523906A (ja) 1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−プレグナカルシフェロール及びその使用
EP0774255B1 (en) Use of ursolic acid for the manufacture of a medicament for suppressing metastasis
JPH06305955A (ja) キノン系細胞分化誘導剤
JP3098544B2 (ja) サイトカイン活性増強剤およびサイトカインの働きが低下した疾病の治療剤
CA2191850C (en) Cancerous metastasis inhibitor
EP0815858B1 (en) Pharmaceutical composition for the treatment of leukemia containing 9-cis-retinoic acid-alpha-tocopherol ester
JP2005132823A (ja) 自然な日光暴露なる条件下で誘発される膠原繊維の分解を防止する及び/又はこれに抗するための組成物
CA2016985C (en) Dehydrocholecalciferol derivatives
JPH1067656A (ja) 細胞接着抑制剤
JP3593350B2 (ja) 細胞分化誘導剤
EP0500953A1 (en) Antineoplastic effect potentiator and antineoplastic agent
JP2563158B2 (ja) ノナテトラエン酸誘導体
WO1997047295A1 (en) Substituted methoxy benzylidene indenyl-acetic and propionic acids for treating patients with precancerous lesions
JPH06316520A (ja) 非環状ポリイソプレノイド系細胞分化誘導剤
AU2004280176B2 (en) Use of 2-methylene-19-nor-20(S)-1a,25-dihydroxyvitamin D3 to increase the life expectancy of human beings
JP2005507869A (ja) 特殊構造を持つ新規抗癌化合物の一群
US4863969A (en) Treatment of premalignant lesions and certain malignant tumors
KR20150011763A (ko) 여드름 치료, 예방 또는 개선에 유효한 클로린 e6
KR102099510B1 (ko) 푸니칼라진을 포함하는 par2 활성 억제용 조성물
JPH09227376A (ja) 白血病治療剤
JPH1072345A (ja) 9−シス−レチノイン酸−α−トコフェロールエステルを含有する白血病治療剤

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20041213

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050210

A521 Written amendment

Effective date: 20050216

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050222

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050325

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060705