JPH0630582Y2 - アンチスキッドブレーキ装置 - Google Patents

アンチスキッドブレーキ装置

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JPH0630582Y2
JPH0630582Y2 JP10746688U JP10746688U JPH0630582Y2 JP H0630582 Y2 JPH0630582 Y2 JP H0630582Y2 JP 10746688 U JP10746688 U JP 10746688U JP 10746688 U JP10746688 U JP 10746688U JP H0630582 Y2 JPH0630582 Y2 JP H0630582Y2
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brake
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一郎 金田
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車の急制動時における車両の方向安定性確
保と、制動距離の短縮を目的として使用されるアンチス
キッドブレーキ装置に関する。
従来の技術 一般に、この種のアンチスキッドブレーキ装置は、急制
動時等において車輪がスキッドに向かうとホイールシリ
ンダ内の液圧の保持,減圧,増圧を繰り返し、車輪が適
当なスリップ率を保つように制御している。
ところで、このアンチスキッドブレーキ装置作動時、特
にホイールシリンダ内のブレーキ液圧減圧時には、ホイ
ールシリンダからリザーバタンク内に排出されたブレー
キ液がポンプによりアキュムレータ内に送り込まれ、次
のホイールシリンダ内のブレーキ液増圧時までアキュム
レータ内にブレーキ液が蓄えられるようになっている。
そして、このブレーキ液をアキュムレータに蓄えると
き、液圧が高圧となるため、主ブレーキ回路の途中にバ
ルブが配設され、このバルブにより高圧がマスタシリン
ダ側に作用するのを抑え、ブレーキペダルへの所謂キッ
クバックを防止している(上記の構成に関しては例えば
日産自動車株式会社が昭和61年2月に発行したサービ
ス周報第549号のC−51頁、もしくは特公昭61−
16656号公報参照)。
考案が解決しようとする課題 しかしながら、このような従来技術にあっては、ホイー
ルシリンダ内のブレーキ液圧減圧時にポンプから送られ
る高圧のブレーキ液を蓄えるアキュムレータと、このア
キュムレータに高圧のブレーキ液を蓄える際に高圧がマ
スタシリンダ側に作用するのを防止するカットバルブと
が別々に独立して配設されていたため、アンチスキッド
ブレーキ装置全体が大型化されてしまうので、近年の自
動車業界における自動車部品の小型化及び部品点数の削
減化の要望に応えることができないという課題があっ
た。即ち前記アキュムレータに内蔵されるスプリングは
その機能上から弾性力が強いものが要求されるため、ア
キュムレータ自体の大型化を招来してしまう一方、前記
カットバルブはアンチスキッドが作動しない通常ブレー
キ時にも常に作動する構成となっていたため、該カット
バルブの耐久性が低下するとともに通常ブレーキ時の液
圧剛性が低下する事によって、ペダルストロークが増大
してしまうという難点を有している。
又アンチスキッド装置の作動時にブレーキ液圧の作用に
基づいて前記アキュムレータに異常な高圧が加えられる
と、この高圧によって該アキュムレータが破損する惧れ
があるという課題も有している。
課題を解決するための手段 そこで、本考案は上記課題に鑑みて成されたもので、通
常ブレーキ時に電磁弁を介してマスタシリンダからホイ
ールシリンダにブレーキ液を供給する主ブレーキ回路
と、車輪のスキッド状態に応じてホイールシリンダ内の
ブレーキ液をリザーバタンクに排出してホイールシリン
ダ内を減圧する減圧回路と、前記リザーバタンク内のブ
レーキ液をポンプによりアキュムレータ内に蓄圧し、車
輪のスキッド状態に応じてアキュムレータから電磁弁を
介してホイールシリンダにブレーキ液を還流してホイー
ルシリンダ内を再増圧する再増圧回路とを備えたアンチ
スキッドブレーキ装置であって、前記主ブレーキ回路の
マスタシリンダと電磁弁とを接続する管路の一部がアキ
ュムレータを貫通して形成されるとともに、このアキュ
ムレータの内方に、蓄圧室内の圧力が所定圧に達した場
合には該蓄圧室から前記管路へのブレーキ液の流れのみ
を許容する一方、該アキュムレータの蓄圧室に異常な高
圧が加えられた場合には、この異常な高圧をマスタシリ
ンダ側へ解放するリリーフ弁機構を具備したチェックバ
ルブを配備したことを特徴としている。
作用 本考案は上記構成を備える結果、ブレーキ踏み込み開始
時及び増圧時(通常ブレーキ時)、蓄圧室内の圧力が所
定圧に達しない場合には、バルブ装置が開弁してマスタ
シリンダから主ブレーキ回路を介してホイールシリンダ
にブレーキ液が供給される。この際、バルブ装置に付設
されたチェックバルブによって、主ブレーキ回路の管路
と蓄圧室とが遮断されている。
ホイールシリンダ内のブレーキ液圧減圧時、ホイールシ
リンダからリザーバタンクに排出されたブレーキ液は、
ポンプによりアキュムレータの蓄圧室に送り込まれて蓄
えられる。この蓄圧室内の圧力が所定圧に達するとバル
ブ装置が閉弁して、ポンプからアキュムレータに送り込
まれるブレーキ液の液圧が管路を介してマスタシリンダ
に作用するのを防止する。これによって所謂キックバッ
クが防止される。
ブレーキ解除時、ホイールシリンダのブレーキ液がバイ
パス回路を介してマスタシリンダに還流されるのに伴っ
て蓄圧室と管路との間に圧力差を生じ、この圧力差によ
ってチェックバルブが開弁して蓄圧室内の残留ブレーキ
液が排出される。そのため、アキュムレータはブレーキ
踏み込み開始時又はブレーキ操作前の状態に復帰してバ
ルブ装置が開弁するため、ホイールシリンダ内のブレー
キ液は完全にマスタシリンダ側に還流され、所謂ブレー
キの引きづり現象の発生が防止される。
更に上記の作動中にアキュムレータの蓄圧室に異常に高
圧なブレーキ液圧が供給された場合には、このブレーキ
液圧がチェックバルブに設けられたリリーフ弁機構を介
してマスタシリンダ側へ流出するので、該高圧に起因す
るアキュムレータの破損が防止される。
実施例 以下本考案にかかるアンチスキッドブレーキ装置の一実
施例を図面に基づいて詳述する。
第1図は本考案の一実施例を示すアンチスキッドブレー
キ装置の配管系統図である。この図において、マスタシ
リンダ1とホイールシリンダ2,2とを接続し、マスタ
シリンダ1内のブレーキ液をホイールシリンダ2,2内
に供給する主ブレーキ回路3は、マスタシリンダ側管路
4及びホイールシリンダ側管路5と、これらマスタシリ
ンダ側管路4とホイールシリンダ側管路5との間に介装
されて、両管路4,5とを連通・遮断する電磁弁6を備
え、マスタシリンダ側管路4の中途部に後述するアキュ
ムレータ7が介挿されている。8は主ブレーキ回路3の
ホイールシリンダ側管路5とリザーバタンク9とを接続
する減圧管路であり、この減圧管路8の途中には減圧管
路8を開閉する電磁弁10が配設されている。そして、
減圧管路8,電磁弁10及びリザーバタンク9とにより
減圧回路11が構成されており、この減圧回路11によ
り、ホイールシリンダ2内のブレーキ液をリザーバタン
ク9に排出して、ホイールシリンダ2内を減圧するよう
にしている。12は再増圧回路であり、この再増圧回路
12は減圧回路11のリザーバタンク9とアキュムレー
タ7とを接続する再増圧管路13と、この再増圧管路1
3の途中に配設されて、リザーバタンク9のブレーキ液
を再増圧管路13内に圧送するポンプ14と、このポン
プ14から送られてきたブレーキ液を蓄えておく前記ア
キュムレータ7と、ポンプ14とアキュムレータ7との
間に介装された逆止弁16とから構成されている。そし
て、この再増圧回路12は、アキュムレータ7に蓄えら
れたブレーキ液を主ブレーキ回路3のマスタシリンダ側
管路4,電磁弁6及びホイールシリンダ側管路5を介し
てホイールシリンダ2内に送り込んで再増圧を行う機能
を有している(矢印D)。17はマスタシリンダ1とア
キュムレータ7との間のマスタシリンダ側管路4とホイ
ールシリンダ側管路5とに架設されたバイパス回路であ
る。このバイパス回路17は、管路18の途中にホイー
ルシリンダ2からマスタシリンダ1へ向かう流れのみを
許容する逆止弁19が配設されている。20,20は、
車輪21,21に隣接配置された車輪回転数検出器であ
り、この車輪回転数検出器20,20からは車輪21,
21の回転速度に比例したパルス波が出力され、このパ
ルス波がコントロールユニット22に入力される。コン
トロールユニット22は入力されたパルス波に基づい
て、車輪速度,スリップ率及び減速度等を演算し、前記
電磁弁6,電磁弁10及びポンプ14を駆動するモータ
23に制御信号を出力する。
第2図はブレーキ解除時又はブレーキ踏み込み開始時に
おける前記アキュムレータ7の断面図を示すものであ
る。図中、24はハウジングであり、このハウジング2
4には有底段付穴25が形成され、この有底段付穴25
の小径部26には一端がプラグ27で閉塞された円筒状
のピストン28が往復動可能な状態で嵌装されており、
このピストン28の小径円筒部29が有底段付穴25の
開口部を閉塞する蓋体30の軸部31に外嵌されてい
る。そして小径部26とピストン28の先端との間に
は、蓄圧室Aとして機能する空間が形成される。
一方、前記有底段付穴25の大径部32には、ばね受け
33が往復動可能な状態で嵌装されており、このばね受
け33の内周端部34がピストン28の小径円筒部29
に外嵌されている。そして、蓋体30に支持されたスプ
リング35により、ばね受け33が有底段付穴25の段
部36に押圧され、ばね受け33とピストン28との間
に介装されたスプリング37により、ピストン28が有
底段付穴25の底部38方向に押圧されている。
39はピストン28の内方室40内に収容されたバルブ
装置である。このバルブ装置39は、蓋体30に形成さ
れた貫通孔41のピストン28側開口端を開閉するバル
ブ本体42と、該バルブ本体42に嵌合固定されて、前
記貫通孔41の弁座面45と対向する部位に配置された
弁体70と、このバルブ本体42を常時閉弁方向に押圧
付勢するバルブスプリング43とから構成されている。
上記の弁体70には連通孔70aが形成されている。
この図において、バルブ本体42は、ピストン28の内
部室40の段部44に着座しており、貫通孔41のピス
トン28側開口端に形成された弁座面45との間には隙
間46が形成され、又、ピストン28の内周面との間に
は隙間46aが形成されている。更にバルブ本体42に
は複数個の切欠通路47aが形成されている。
一方48はバルブ本体42の背面側に付設されたチェッ
クバルブである。このチェックバルブ48は、第1内方
室50aと、第2内方室50bとを有する筒状のリテー
ナ50で成り、上記第1内方室50aにはオリフィス5
3aが形成されたバルブシート53と、該バルブシート
53に当接する球状弁体51と、この球状弁体51を閉
弁付勢するスプリング52とが配設されていて、この第
1内方室と前記ピストン28の内方室40間に連通孔6
0aが形成されている。又リテーナ50に形成された前
記第2内方室50bには、球状弁体55と、この球状弁
体55が当接するスプリング受部材56と、球状弁体5
5を閉弁付勢するスプリング57とが配設されていて、
この第2内方室50bと前記蓄圧室A間に連通孔60b
が形成されている。即ち上記球状弁体55は、リテーナ
50のテーパ部50cを弁座とするリリーフ弁機構を構
成しており、第2図に示した状態にあってはこのリリー
フ弁機構は閉弁となっている。
このリテーナ50は、一端がバルブ本体42に嵌合固定
され、他端がプラグ27の孔27aに往復動可能に嵌合
されている。このリテーナ50の外径寸法Bは蓋体30
の軸部31の外径寸法Cと略同一寸法に形成されてい
る。
このように構成されたチェックバルブ48は、蓄圧室A
内にブレーキ液が送り込まれることにより、ピストン2
8及びバルブ装置39が一体となって図中右方向へ移動
して、バルブ本体42に嵌合固定された弁体70が軸部
31の弁座面45に着座するまで開弁しないように、ス
プリング52のばね力及び、オリフィス53aの直径が
設定されている。ここでスプリング52のばね力の設定
如何によっては、オリフィス53aは単なる通孔でよい
場合もある。そして、このチェックバルブ48は、蓄圧
室Aからピストン28の内方室40へのブレーキ液の流
れを許容する一方、その逆方向へのブレーキ液の流れを
阻止するようになっている。
61はピストン28に複数形成された連通路であり、こ
の連通路62はピストン28の外周を一部切欠いて形成
した環状液室63と内方室40とを常時連通している。
この環状液室63は、ピストン28が有底段付穴25の
底部38に当接した場合でも、電磁弁6から延設された
マスタシリンダ側管路4が環状液室63に常時連通する
ように形成されている。従って、一方のマスタシリンダ
側管路4と他方のマスタシリンダ側管路4はアキュムレ
ータ7に形成された貫通孔41,隙間46,切欠通路4
7a,隙間46a,内方室40,連通路62及び環状液
室63を介して連通される。そして、アキュムレータ7
に形成された貫通孔41,隙間46,切欠通路47a,
隙間46a,内方室40,連通路62及び環状液室63
とにより、主ブレーキ回路3のマスタシリンダ側管路4
の一部が構成されている。
以上の実施例構造による作用を以下に説明する。即ち第
2図に示すブレーキ踏み込み開始時(通常ブレーキ時)
には、減圧回路11を構成する管路8に設けられた電磁
弁10が閉弁する一方、主ブレーキ回路3を構成する管
路4に設けられた電磁弁6が開弁し、アキュムレータ7
内のバルブ装置39が開弁している。そのため、マスタ
シリンダ1から供給されるブレーキ液は、一方のマスタ
シリンダ側管路4,貫通孔41,隙間46,切欠通路4
7a,隙間46a,内方室40,連通路62,環状液室
63,他方のマスタシリンダ側管路4,電磁弁6及びホ
イールシリンダ側管路5を通過して、ホイールシリンダ
2,2内に供給される。ここで、マスタシリンダ1から
供給されたブレーキ液によりピストン28の内方室40
内の圧力が上昇しても、ピストン28は動かず、液量消
費はない。この際、ばね受け33は、スプリング35の
比較的強いばね力により、段付穴25の段部36に押圧
されている。一方、バルブ装置39は、段部44がピス
トン28を介してスプリング37により押圧されている
ため、開弁状態が維持される。従って、マスタシリンダ
1のブレーキ液はホイールシリンダ2,2に供給され
る。
又前記逆止弁19は、ブレーキの解除時にホイールシリ
ンダ2,2のブレーキ液を素早くマスタシリンダ1へ還
流させる機能を有しており、該逆止弁19はホイールシ
リンダ2,2からマスタシリンダ1への方向を順方向と
しているので、ブレーキ作動時にはマスタシリンダ1側
へブレーキ液が逆流することがない。
次に急制動時や雪路などのすべりやすい路面で制動した
ときに車輪がスキッドに向かうと、ホイールシリンダ2
内のブレーキ液の液圧上昇を防止するため、コントロー
ルユニット22(第1図参照)から主ブレーキ回路3の
電磁弁6に励磁信号が出力される。それによって主ブレ
ーキ回路3の電磁弁6が閉弁して、ホイールシリンダ
2,2内のブレーキ液の液圧が一定に保持される。
更に車輪21がスキッドに向かうと、コントロールユニ
ット22から減圧回路11の電磁弁10に励磁信号が出
力され、第3図に示すように電磁弁10は開弁する。
尚、この際、主ブレーキ回路3の電磁弁6は閉弁状態を
維持している。従って、ホイールシリンダ2,2内のブ
レーキ液は減圧管路8を通過してリザーバタンク9に排
出され、ホイールシリンダ2,2内が減圧される。そし
て、この減圧状態になる前、コントロールユニット22
から電磁弁6に励磁信号が出力されるとほぼ同時に、コ
ントロールユニット22からモータ23に作動信号が出
力され、ポンプ14を駆動する。そのため再増圧回路1
2のポンプ14は、リザーバタンク9内のブレーキ液を
逆止弁16及び再増圧管路13を介してアキュムレータ
7の段付穴25の小径部26(蓄圧室A)内に送り込
む。そして、ポンプ14から蓄圧室A内に送り込まれた
高圧のブレーキ液の液圧によりピストン28が図中右方
へ移動し、まず、スプリング37が押し縮められピスト
ン28がスプリング受け36に接する前にバルブ本体4
2の弁体70が弁座面45に着座して貫通孔41を閉塞
し、次にピストン28及びばね受け33が一体となって
スプリング35を押し縮めて図中右方へ移動した第3図
に示した状態となる。これによってアキュムレータ7の
蓄圧室Aには、スプリング35のばね力とつり合う圧力
のブレーキ液が蓄えられる。そのため、アキュムレータ
7からマスタシリンダ1にブレーキ液が流れることがな
く、ブレーキペダルに対しての所謂キックバックが防止
される。
次に、車輪のスリップ率を適当な範囲に保つため、ホイ
ールシリンダ2内の液圧を再増圧する場合には、コント
ロールユニット22からの出力信号に基づいて減圧回路
11の電磁弁10が閉弁し、主ブレーキ回路3の電磁弁
6が開弁する。すると蓄圧室Aに蓄えられた高圧のブレ
ーキ液は、オリフィス53aを通過してスプリング52
の弾性力に抗して球状弁51を押し上げ、連通孔60a
を通ってピストン28の内方室40へ入り、更に連通路
62,環状液室63,管路4及び電磁弁6を経由してホ
イールシリンダ2,2に供給され、該ホイールシリンダ
2,2内のブレーキ液圧を上昇させる。
ここでホイールシリンダ2,2の増圧動作が蓄圧室Aに
て蓄圧された液圧では間に合わない場合があり、その時
にはマスタシリンダ1から供給される液圧によってバル
ブ装置39の弁体70が開いて、ブレーキ液が貫通孔4
1,隙間46,切欠通路47a,隙間46a,連通路6
2,管路4及び電磁弁6を経由してホイールシリンダ
2,2に送り込まれる。
このようにしてアキュムレータ7は、車輪のスキッド時
には高圧のブレーキ液を蓄圧するとともに、この高圧を
マスタシリンダ1側へ作用させないカットバルブとして
の機能を有している。従ってスキッド時には以上のよう
に、ホイールシリンダ2内のブレーキ液圧の保持,減
圧,再増圧が繰り返し行われて、車両が停止又は所望の
速度まで減速することにより、ブレーキ操作が完了す
る。
一方第3図において、増圧側の電磁弁6が閉弁されたま
ま蓄圧室Aに異常な高圧が加えられて、スプリング35
が予想以上に押し縮められたた場合を想定する。すると
一般にはこの異常な高圧によってアキュムレータ7が破
損する惧れが発生するものであるが、本考案の場合蓄圧
室Aの液圧が所定値以上になると、この液圧が連通孔6
0bを経由して前記第2内方室50b内に配設された球
状弁体55に達し、該球状弁体55及びスプリング受部
材56とをスプリング57の弾性力に抗して押動するの
で、リリーフ弁機構を構成する球状弁体55がリテーナ
50のテーパ部50cから離反して第2内方室50bに
高圧のブレーキ液が流入する。従ってこのブレーキ液を
弁体70に形成された連通孔70aから貫通路41を介
してマスタシリンダ1へ還流させることができる。
アンチスキッド装置作動終了とともに、減圧回路11の
電磁弁10が閉弁し、主ブレーキ回路3の電磁弁6が開
弁する。そのため、ホイールシリンダ2内のブレーキ液
は、バイパス回路17の逆止弁19を押し開き、マスタ
シリンダ側管路4を介してマスタシリンダ1内に還流さ
れる。そして、この際、蓄圧室Aとピストン28の内方
室40との間の圧力差によって蓄圧室A内の残留ブレー
キ液が連通孔60aから内方室40,連通路62,マス
タシリンダ側管路4,ホイールシリンダ側管路5,バイ
パス回路17及びマスタシリンダ側管路4を介してマス
タシリンダ1に還流される。又、還流途中からは隙間4
6が開くので、隙間46a,切欠通路47a,隙間4
6,貫通孔41を介してマスタシリンダ1に還流され
る。これによって、第2図に示すように、アキュムレー
タ7内はブレーキ操作前の状態に復帰する。したがっ
て、ホイールシリンダ2側はマスタシリンダ1側と同圧
となり、バイパス回路17の逆止弁19の開弁圧に相当
する圧力残留がなく、所謂ブレーキの引きづり現象を生
じることがない。
尚、前記実施例は一対のホイールシリンダ2,2に対し
て共通の電磁弁6,10及び共通のバイパス回路17が
付設されているが、これに限られず、第4図に示すよう
に、各ホイールシリンダ2に対し、それぞれ電磁弁6,
10及びバイパス回路17を付設するようにしてもよ
い。又、第4図に示したアンチスキッドブレーキ装置を
前輪側に使用し、第1図に示したアンチスキッドブレー
キ装置を後輪側に使用する組合せも考えられる。或はこ
の逆の組合せとして使用することもできる。さらに、本
装置はX型ブレーキ配管の途中に設置することも可能で
ある。
考案の効果 以上述べたように本考案は、主ブレーキ回路のマスタシ
リンダと電磁弁とを接続する管路の一部がアキュムレー
タを貫通して形成されるとともに、このアキュムレータ
の内方に、蓄圧室内の圧力が所定圧に達した場合には該
蓄圧室から前記管路へのブレーキ液の流れのみを許容す
る一方、該アキュムレータの蓄圧室に異常な高圧が加え
られた場合には、この異常な高圧をマスタシリンダ側へ
解放するリリーフ弁機構を具備したチェックバルブを配
備した構成にしたので、従来別々に設置されていたアキ
ュムレータとキックバック防止用バルブとを一体化する
ことができ、部品点数を削減することができて小型化で
きると共に、所謂キックバックやブレーキの引きづり現
象をより確実に防止することができる。加えて、通常ブ
レーキ時(アキュムレータの蓄圧室内の圧力が所定圧に
達しない時)にはバルブ装置が作動しないため、通常ブ
レーキ時の液圧剛性が高くバルブ装置の作動頻度が少な
い為、バルブ装置、ひいてはアンチスキッドブレーキ装
置の耐久性を向上することができる。
更にアンチスキッド装置の作動時にアキュムレータの蓄
圧室に異常な高圧が加えられた場合にあっても、この液
圧をチェックバルブに具備されたリリーフ弁機構を介し
てマスタシリンダへ還流させることができるので、前記
異常な高圧に起因してアキュムレータが破損することを
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示すアンチスキッドブレー
キ装置の配管系統図、第2図は同ブレーキ踏み込み開始
時のアキュムレータの断面図、第3図は同減圧時のアキ
ュムレータの断面図、第4図は本考案の他の実施例を示
すアンチスキッドブレーキ装置の配管系統図である。 1……マスタシリンダ、2……ホイールシリンダ、3…
…主ブレーキ回路、4……管路(マスタシリンダ側管
路)、6,10……電磁弁、7……アキュムレータ、9
……リザーバタンク、11……減圧回路、12……再増
圧回路、14……ポンプ、16,19……逆止弁、17
……バイパス回路、20……車輪回転数検出器、21…
…車輪、22……コントロールユニット、39……バル
ブ装置、40……内方室、42……バルブ本体、48…
…チェックバルブ、A……蓄圧室。50a……第1内方
室、50b……第2内方室、60a,60b……連通
孔、70……弁体。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】通常ブレーキ時に電磁弁を介してマスタシ
    リンダからホイールシリンダにブレーキ液を供給する主
    ブレーキ回路と、車輪のスキッド状態に応じてホイール
    シリンダ内のブレーキ液をリザーバタンクに排出してホ
    イールシリンダ内を減圧する減圧回路と、前記リザーバ
    タンク内のブレーキ液をポンプによりアキュムレータ内
    に蓄圧し、車輪のスキッド状態に応じてアキュムレータ
    から電磁弁を介してホイールシリンダにブレーキ液を還
    流してホイールシリンダ内を再増圧する再増圧回路とを
    備えたアンチスキッドブレーキ装置において、 前記主ブレーキ回路のマスタシリンダと電磁弁とを接続
    する管路の一部がアキュムレータを貫通して形成される
    とともに、このアキュムレータの内方に、蓄圧室内の圧
    力が所定圧に達した場合には該蓄圧室から前記管路への
    ブレーキ液の流れのみを許容する一方、該アキュムレー
    タの蓄圧室に異常な高圧が加えられた場合には、この異
    常な高圧をマスタシリンダ側へ解放するリリーフ弁機構
    を具備したチェックバルブを配備したことを特徴とする
    アンチスキッドブレーキ装置。
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