JPH06303951A - 柿ピューレまたは柿ピューレ含有食品の処理方法 - Google Patents

柿ピューレまたは柿ピューレ含有食品の処理方法

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JPH06303951A
JPH06303951A JP5094337A JP9433793A JPH06303951A JP H06303951 A JPH06303951 A JP H06303951A JP 5094337 A JP5094337 A JP 5094337A JP 9433793 A JP9433793 A JP 9433793A JP H06303951 A JPH06303951 A JP H06303951A
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JP
Japan
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puree
persimmon
japanese persimmon
food
heat
Prior art date
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Pending
Application number
JP5094337A
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English (en)
Inventor
Yasuo Takahashi
保男 高橋
Yutaka Jinbo
豊 神保
Yasushi Ifuku
靖 伊福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
WAKAYAMA PREF GOV NOUSANBUTSU
WAKAYAMA PREF GOV NOUSANBUTSU KAKO KENKYUSHO
Original Assignee
WAKAYAMA PREF GOV NOUSANBUTSU
WAKAYAMA PREF GOV NOUSANBUTSU KAKO KENKYUSHO
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Publication date
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 加熱処理されていない柿ピューレまたは加熱
処理されていない柿ピューレを含有する食品を3000
kg/cm2 以上の圧力下で所定時間保持する。 【効果】 食品に柿特有の渋味が生じないようにしなが
ら微生物を殺菌して、人体に対する安全性を確保しかつ
長期保存可能な食品とすることができる。したがって、
従来食品製造にあまり利用されていなかった、加熱処理
により渋戻りを起こす品種も利用できるようになり、こ
のような品種の利用範囲を拡大して農産物の有効利用が
計れるとともに、柿ピューレ含有食品の製造コストを低
減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柿ピューレまたは柿ピ
ューレ含有食品の処理方法に係り、より詳しくは加熱処
理されていない柿ピューレまたは加熱処理されていない
柿ピューレを含有する食品を高圧力で処理することによ
り、柿の渋味を生ぜしめることなく、これらに含まれる
微生物の殺菌を行う柿ピューレまたは柿ピューレ含有食
品の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】柿の果実を潰して得られた柿ピューレを
用いて果汁飲料,ジャム等の食品を製造する際、人体に
対する安全性を確保しかつ長期保存可能な食品とするた
め柿ピューレに含まれる微生物を殺菌することが必要で
あり、このため従来は加熱処理を行うのが通例であっ
た。従来の加熱処理は、食品を殺菌可能な温度(65℃
以上)に加熱し、この状態を所定時間(温度が65℃の
場合10分以上)保持するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような加熱処理を行うと、柿ピューレの原料となった柿
の品種によっては、食品に柿特有の渋味が生じる、所謂
“渋戻り”という現象を起こし、食味が悪くなる欠点が
あった。これは、ある品種の柿に多く含まれる不溶性タ
ンニンが、加熱されることにより渋味の原因物質である
可溶性タンニンに変化するためであると考えられてい
る。
【0004】したがって従来は、食品製造には主として
加熱処理を行っても渋戻りを起こさない例えば『富有
柿』といった品種を原料とする柿ピューレが利用され、
加熱処理により渋戻りを起こす例えば『平核無(ひらた
ねなし)』といった品種は食品製造には利用されない
か、もしくは、加熱処理を行っても渋戻りを起こさない
品種に対する増量剤としてごく僅かな割合で混入される
にとどまっていた。ところで、一般的に渋戻りを起こさ
ない品種は、渋戻りを起こす品種よりも高価であり、従
来はこのような事情から、柿ピューレ含有食品の製造コ
ストが高くついてしまうことになっていた。
【0005】以上のような欠点を鑑み、本発明は、柿の
渋味を生ぜしめることなく、柿ピューレに含まれる微生
物の殺菌を行い、人体に対する安全性を確保しかつ長期
保存可能な食品とすることのできる、柿ピューレまたは
柿ピューレ含有食品の処理方法を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】一般に、食品等を高圧力
で処理することにより微生物を殺菌することが知られて
いるが、この処理は、主として食品に含まれるある種の
栄養素(特にビタミンA,ビタミンCなど)が加熱する
ことにより破壊されるのを防ぐ目的で検討されているも
のであって、柿の渋戻りを防ぐために高圧力処理が用い
られたという報告はない。しかし、本発明者らは加熱す
ることなく殺菌できる高圧力処理を柿に適用することに
着目し、前記目的を達成する手段について鋭意研究を重
ねたところ、加熱処理されていない柿ピューレまたは加
熱処理されていない柿ピューレを含有する食品を高圧力
で処理すると、原料となる柿の品種にかかわらず、渋戻
りを起こすことなく必要かつ充分な殺菌が行えることを
見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明に係る柿ピューレまたは
柿ピューレ含有食品の処理方法は、加熱処理されていな
い柿ピューレまたは加熱処理されていない柿ピューレを
含有する食品を3000kg/cm2 以上の圧力下で所定時
間保持することを特徴とするものである。
【0008】なお、本発明の処理方法において用いられ
る圧力としては3000kg/cm2 以上の圧力が必要であ
るが、好ましくは4000〜5000kg/cm2 程度の圧
力に5〜30分間程度保持するのがよく、3000kg/
cm2 以下の圧力では殺菌が不充分となる可能性が高い。
また、本発明では圧力の上限については特に限定はない
が、経済的見地から6000kg/cm2 前後が上限である
と考えてよく、それ以上の高圧をかけても特別な効果を
生じない。
【0009】高圧力処理を行う際の柿ピューレまたは柿
ピューレ含有食品の温度は特に限定されないが、一般的
に常温といわれる温度で処理すればよく、また、冷蔵保
存されている柿ピューレを冷蔵庫から取り出したときの
温度(約2℃前後)で処理することも、0℃以下の温度
で処理することも可能である。ただし、高圧力処理の際
の柿ピューレまたは柿ピューレ含有食品の温度が60℃
を超えると渋戻りが起きる傾向が強まるので好ましくな
い。
【0010】
【作用】本発明に係る柿ピューレまたは柿ピューレ含有
食品の処理方法においては、加熱処理されていない柿ピ
ューレまたは加熱処理されていない柿ピューレを含有す
る食品を3000kg/cm2 以上の圧力下で所定時間保持
することにより、柿の渋戻りが起こらないようにしなが
ら柿ピューレに含まれる含まれる微生物を殺菌して、人
体に対する安全性を確保しかつ長期保存可能な食品とす
ることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、実
施例において“柿ピューレ”とは完熟した柿の果実から
果皮と種子を除去したのち、これを潰してペースト状と
したものを意味する。また、実施例において、静水圧処
理(高圧力処理)を行う前の柿ピューレ含有食品の温度
は全て25℃とした。
【0012】(実施例1)調味柿ピューレ 未加熱柿ピューレ(品種:平核無)800g,砂糖20
0g,およびクエン酸4gを混合攪拌したものをポリエ
チレンフィルムからなる袋に充填したのち脱気・密封
し、これを20℃の水(圧力媒体)で満たされた圧力容
器中に入れ、種々の条件の下で静水圧処理したところ、
比較例および従来例を併記する表1に示す結果が得られ
た。
【0013】
【表1】
【0014】(実施例2)柿ドリンク 未加熱柿ピューレ(品種:平核無)400g,砂糖80
g,クエン酸2.5g,および水517.5gを混合攪
拌し、これを実施例1と同様の方法で静水圧処理したと
ころ、比較例および従来例を併記する表2に示す結果が
得られた。
【0015】
【表2】
【0016】(実施例3)柿ジャム 未加熱柿ピューレ(品種:平核無)400g,砂糖35
0g,果糖葡萄糖液糖36g,ペクチン8g,および乳
酸カルシウム0.8gを混合攪拌し、これを実施例1と
同様の方法で静水圧処理したところ、比較例および従来
例を併記する表3に示す結果が得られた。
【0017】
【表3】
【0018】以上の実施例において、静水圧処理に伴う
調味柿ピューレ,柿ドリンクおよび柿ジャムの温度上昇
は約2〜3℃と僅かであり、柿の渋戻りに対する影響は
なかった。温度上昇が僅かである理由には、圧縮により
発生した熱が圧力容器内の水に吸収されることも考えら
れる。また、以上の実施例に係る調味柿ピューレ,柿ド
リンクおよび柿ジャムを気密性の容器に充填して密封
し、常温で3ヵ月間保管したが、何れも微生物による腐
敗を起こさなかった。
【0019】なお、以上の実施例では静水圧処理により
食品に高圧力を加えたが、本発明において高圧力を加え
る手段がこれに限定されるものではなく、例えば、強靱
でかつ少なくとも一部が変形可能な容器に柿ピューレま
たは柿ピューレ含有食品を密封したのち、プレスにより
圧縮して容器を変形させることによって高圧力を加える
ようなことも考えられる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る柿ピ
ューレまたは柿ピューレ含有食品の処理方法において
は、加熱処理されていない柿ピューレまたは加熱処理さ
れていない柿ピューレを含有する食品を3000kg/cm
2 以上の圧力下で所定時間保持することにより、柿の渋
戻りが起こらないように、すなわち、食品に柿特有の渋
味が生じないようにしながら、柿ピューレに含まれる微
生物を殺菌して、人体に対する安全性を確保しかつ長期
保存可能な食品とすることができる。
【0021】したがって、従来ほとんど利用されていな
かった例えば『平核無』など加熱処理により渋戻りを起
こす品種を柿ピューレ含有食品の原料として利用できる
ようになり、このような品種の利用範囲を拡大して農産
物の有効利用が計れるとともに、一般的に廉価であるこ
のような品種を原料とすることにより、柿ピューレ含有
食品の製造コストを低減することができるという効果を
奏するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱処理されていない柿ピューレまたは
    加熱処理されていない柿ピューレを含有する食品を30
    00kg/cm2 以上の圧力下で所定時間保持することを特
    徴とする柿ピューレまたは柿ピューレ含有食品の処理方
    法。
JP5094337A 1993-04-21 1993-04-21 柿ピューレまたは柿ピューレ含有食品の処理方法 Pending JPH06303951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5094337A JPH06303951A (ja) 1993-04-21 1993-04-21 柿ピューレまたは柿ピューレ含有食品の処理方法

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5094337A JPH06303951A (ja) 1993-04-21 1993-04-21 柿ピューレまたは柿ピューレ含有食品の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06303951A true JPH06303951A (ja) 1994-11-01

Family

ID=14107478

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5094337A Pending JPH06303951A (ja) 1993-04-21 1993-04-21 柿ピューレまたは柿ピューレ含有食品の処理方法

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JP (1) JPH06303951A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010025936A (ko) * 1999-09-01 2001-04-06 왕정환 홍시감 퓨레 및 단감 퓨레 제조방법
KR100821873B1 (ko) * 2007-06-08 2008-04-16 안용근 감잼의 제조방법

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KR20010025936A (ko) * 1999-09-01 2001-04-06 왕정환 홍시감 퓨레 및 단감 퓨레 제조방법
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