JPH06302841A - 太陽電池製造方法及び製造装置 - Google Patents

太陽電池製造方法及び製造装置

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JPH06302841A
JPH06302841A JP5086136A JP8613693A JPH06302841A JP H06302841 A JPH06302841 A JP H06302841A JP 5086136 A JP5086136 A JP 5086136A JP 8613693 A JP8613693 A JP 8613693A JP H06302841 A JPH06302841 A JP H06302841A
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寛嗣 下田
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篤志 塩崎
Katsumi Nakagawa
克己 中川
Toshihiro Yamashita
敏裕 山下
Jo Toyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽電池の製造方法において、反射率の高い
裏面反射層の高速製造方法を提供する。 【構成】 基板上に、銀又は銀を主成分とする金属から
なる金属層、透明金属酸化物層、半導体層及び透明電極
層を順次積層してなる薄膜半導体太陽電池の製造方法に
おいて、前記金属層が形成された基板表面に波長300
nm以上800nm以下の光を少なくとも所定時間照射
しながら、金属ターゲットを用いて酸素ガス存在下にリ
アクティブスパッタリングすることにより前記透明金属
酸化物層を形成することを特徴とする太陽電池製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高性能で信頼性が高く、
しかも量産が可能な太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人類のこれからのエネルギー源として、
その使用の結果発生する二酸化炭素の為に地球の温暖化
をもたらすと言われる石油や石炭、あるいは不測の事故
により、さらには正常な運転時においてすら放射線の危
険が皆無とは言えない原子力に全面的に依存していくこ
とは問題が多い。太陽電池は太陽をエネルギー源として
おり地球環境に対する影響が極めて少ないので、一層の
普及が期待されている。しかし現状においては、本格的
な普及を妨げているいくつかの問題点がある。
【0003】従来太陽光発電用としては、単結晶又は多
結晶のシリコンが多く用いられてきた。しかしこれらの
太陽電池では結晶の成長に多くのエネルギーと時間を要
し、また、続く製造工程においても複雑な工程が必要と
なるため量産効果があがりにくく、低価格での提供が困
難であった。一方アモルファスシリコン(以下a−Si
と記載)や、CdS・CuInSe2などの化合物半導
体を用いた、いわゆる薄膜半導体太陽電池が盛んに研
究、開発されてきた。これらの太陽電池では、ガラスや
ステンレススティールなどの安価な基板上に必要なだけ
の半導体層を形成すればよく、その製造工程も比較的簡
単であり、低価格化できる可能性を持っている。しかし
薄膜太陽電池は、その変換効率が結晶シリコン太陽電池
に比ベて低く、しかも長期の使用に対する信頼性に不安
があるため、これまで本格的に使用されてこなかった。
そこで薄膜太陽電池の性能を改善するため、様々な工夫
がなされている。
【0004】その一つが基板表面の光の反射率を高める
ことにより、薄膜半導体層で吸収されなかった太陽光
を、再び薄膜半導体層に戻し入射光を有効に利用するた
めの裏面反射層である。即ち、透明な基板の基板側から
太陽光を入射させる場合には、基板と薄膜半導体層との
間に透明電極層を設け、薄膜半導体層の表面に銀(A
g)、アルミニウム(Al)など反射率の高い金属を裏
面の電極を兼ねて形成すると良い。また薄膜半導体層の
表面から太陽光を入射させる場合には、同様の金属の層
を基板上に形成した後、半導体層を形成すると良い。
【0005】また、金属層と薄膜半導体層との間に適当
な光学的性質を持った透明金属酸化物層を介在させる
と、多重干渉効果によりさらに反射率を高めることがで
きる。透明金属酸化物層としては酸化亜鉛(ZnO)等
の金属酸化膜がよく用いられる。金属酸化膜は抵抗加熱
や電子ビームによる真空蒸着法、CVD法、スパッタリ
ング等の成膜法によって成膜されるが、その中でもより
ハイレートな成膜を行うには、金属酸化膜に含有される
金属ターゲットを用いて酸素ガス雰囲気中でスッパツタ
リングするリアクティブスパッタリングが有効である。
この様な透明金属酸化物層を用いることは薄膜太陽電池
の信頼性を高める上でも効果がある。特公昭60−41
878号公報には透明金属酸化物層を用いることにより
半導体と金属層とが合金化することを防止できるとの記
載がある。また米国特許4,532,372及び4,5
98,306には、適度な抵抗を持った透明金属酸化物
層を用いることにより万が一半導体層に短絡箇所が発生
しても電極間に過剰な電流が流れるのを防止できるとの
記載がある。
【0006】しかしながら、上記従来技術においては、
裏面反射層(金属層/透明金属酸化物層)の金属層の上
の透明金属酸化物層を金属酸化膜に含有される金属ター
ゲットを用いてリアクティブスパッタリングにより成膜
を行うと、酸素ガスを反応性ガスとして用いるため下地
の金属層までもが酸化されてしまい反射率の高い裏面反
射層が得られないという問題点が生ずる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な現状
に鑑みなされた物であり、反射率の高い裏面反射層を用
いることにより入射する太陽光を有効に利用し、透明金
属酸化物層と金属層の反応による抵抗値の増加が防止で
きる変換効率の高い、しかも半導体層と金属層との直接
の接触や欠陥箇所でのリーク電流が防止できる信頼性の
高い薄膜半導体太陽電池を、低コストで提供することに
より、太陽光発電の本格的な普及に寄与することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、基板上に、銀又は銀を主成分とする金属からなる
金属層、透明金属酸化物層、半導体層及び透明電極層を
順次積層してなる薄膜半導体太陽電池の製造方法におい
て、前記金属層が形成された基板表面に波長300nm
以上800nm以下の光を少なくとも所定時間照射しな
がら、金属ターゲットを用いて酸素ガス存在下にリアク
ティブスパッタリングすることにより前記透明金属酸化
物層を形成することを特徴とする太陽電池製造方法であ
る。
【0009】また、本発明は、上記製造方法で製造され
た太陽電池である。
【0010】また、本発明は、上記製造方法を実施する
スパッタリング装置であって、少なくとも、真空排気可
能な堆積室、前記堆積室へパージガス又は反応ガスを導
入するガス導入管、前記堆積室を排気する真空排気用ポ
ンプ、前記堆積室内に放電を生起させるための電源、前
記堆積室内の基板及びターゲット、並びに前記堆積室内
に波長300nm以上800nm以下の光を選択的に照
射できる光源を設けてなる太陽電池製造装置である。
【0011】
【作用】本発明による半導体太陽電池の1態様を図1に
示す。図中、101は導電性の基板である。その表面に
反射率の高い金属の層102が形成されている。また十
分反射率の高い基板を使用する場合は、金属層102は
省略しても良い。その上に透明金属酸化物層103が形
成されている。金属層及び透明金属酸化物層は裏面反射
層として機能する。透明金属酸化物層は半導体層を透過
してきた太陽光に対しては透明であり、また適度な電気
抵抗を持ってる。この上に半導体層104がある。ここ
では半導体層としてpin型のa−Si半導体層を用い
た例を示す。即ち、105はn型a−Si半導体層、1
06はi型a−Si半導体層、107はp型μc−Si
半導体層である。108は表面の透明電極層である。そ
の上に櫛型の集電電極109が設けられている。
【0012】裏面反射層の一つとして機能する金属層1
02は、最も反射率の高い材料であるところの銀(A
g)又は銀を主成分とする金属とすることが好ましい。
【0013】前記金属層上に、金属層と共に裏面反射層
を形成する透明金属酸化物層としてZnO、SnO2
In23、ITO、CdO、Cd2SnO4等の金属酸化
物層を金属ターゲットを用いて酸素ガス存在下でリアク
ティブスパッタリングすると、裏面反射層は黒変し反射
率は著しく低下する。これは陰極(ターゲット)からた
たき出された金属原子が基板上で酸素原子と結合し薄膜
を形成する際、下地金属層である銀原子までもが酸素原
子と結合し、その結果酸化銀が銀表面に形成されるため
であると考えられる。
【0014】そこでキセノンランプ,ハロゲンランプ,
高圧水銀ランプ等の光源にフィルターを取り付けること
により、好ましくは波長が300nm以上800nm以
下の可視光を金属酸化物層成膜開始時から少なくとも所
定時間照射することにより、酸化銀を光分解反応により
Agに還元しO2を脱着させ、酸化銀の生成を抑制す
る。
【0015】所定時間とは、成膜開始直後から金属酸化
物層がAgの金属層上に一様に少なくとも100オング
ストローム程度堆積されるまでの時間を意味する。金属
酸化物層が100オングストローム程度一様に堆積され
た後は光照射を中止しても良いし、成膜終了時まで続け
ても良い。
【0016】ところで照射する光の波長を300nm以
上800nm以下に限定したのは、可視部や紫外部の光
量子は化学結合のエネルギーに近く、その結果光分解反
応の過程において、光量子のエネルギーが一度酸化銀分
子に全部吸収されてから励起による解離反応が進展する
ためである。またII型放電管、希ガス連続光源、ヘリウ
ム連続光源等の真空紫外光源により波長が300nm以
下の短波長光を金属酸化物層成膜時に照射した場合は効
果が見られなかった。これは酸素ガス存在下に短波長光
を照射すると酸素O2の光化学反応が起こりO3が生成さ
れ、その結果過酸化銀が形成されるためであると考えら
れる。
【0017】また、透明金属酸化物層を金属ターゲット
を用いて酸素ガス存在下で波長が300nm以上800
nm以下の可視光を照射しながらリアクティブスパッタ
リングにより成膜することにより、下地金属層(Ag)
の酸化を抑制し且つハイレートな成膜が行えるだけでな
く、金属酸化物ターゲットを用いた通常のスパッタリン
グにより成膜した膜と比較して、より緻密なテクスチャ
ー構造の発達した膜が成膜され裏面反射層としては乱反
射率が向上することにより光散乱効果が増し、その結果
薄膜太陽電池の歩留まり並びに光電変換効率も向上す
る。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0019】実施例1 本実施例においては、図1の模式断面図に示す構成のp
in型a−Si光起電力素子を作製した。
【0020】まず図2に示すスパッタリング装置を用い
て裏面反射層として機能する金属層及び透明反射層の形
成を行った。201は堆積室であり、不図示の排気ポン
プで真空排気できる。この内部に、不図示のガスボンベ
に接続されたガス導入管202より、アルゴン(Ar)
等の不活性ガスが所定の流量導入され、排気弁203の
開度を調整し堆積室201内は所定の圧力とされる。ま
た基板204は内部に赤外線ヒーター205が設けられ
たアノード206の表面に固定される。アノード206
に対向してその表面にターゲット207が固定されたカ
ソード電極208が設けられている。ターゲット207
は堆積されるべき金属のブロックである。カソード電極
は電源209に接続されている。またターゲット207
の両側には基板204全面に光照射できるように固定さ
れたキセノンランプ210が設置されている。電源20
9により、直流(DC)の高電圧を加え、カソード・ア
ノード間にプラズマを発生させプラズマの作用によりタ
ーゲット207の金属原子が基板204上に堆積され
る。またカソード208の内部に磁石を設けプラズマの
強度を高めたマグネトロンスパッタリング装置では、堆
積速度を高めることができる。
【0021】堆積条件の一例を挙げる。表面を研磨した
5cm×5cm、厚さ1mmのステンレス基板(SUS
430)101上に図2に示したスパッタリング装置に
おいてガス導入管202よりアルゴンガスを150sc
cm導入し、DCマグネトロンスパッタ法により、まず
純度99.99%の銀ターゲット207を用いて基板温
度200℃にて平均的な厚さが1000オングストロー
ムのAgの金属層102を堆積した。次に、ガス導入管
202から酸素−不活性ガス混合ガス(Ar50scc
m、O2100sccm)を導入し、純度99.99%
の亜鉛ターゲット207を用いてDCマグネトロンスパ
ッタ法により、オゾンレス石英製発光管をもつキセノン
ランプ(350W定格)210により金属層が形成され
た基板204の全面を光照射しながら、リアクティブス
パッタリングを行い、基板温度200℃にて平均的な厚
さが6000オングストロームの酸化亜鉛層103を堆
積した。このとき光源に紫外線カットフィルターを取り
付けてもよい。
【0022】上記のようにして得られた裏面反射層(A
g/ZnO)の全反射率は80%以上であった。
【0023】引き続き、該下部電極の形成された基板を
市販の容量結合型高周波CVD装置(アルバック社製C
HJ−3030)にセットした。排気ポンプにて、反応
容器の排気管を介して、粗引き、高真空引き操作を行っ
た。この時、基板の表面温度は250℃となるよう、温
度制御機構により制御した。十分に排気が行われた時点
で、ガス導入管より、SiH4300sccm、SiF4
4sccm、PH3/H2(1%H2希釈)55scc
m、H240sccmを導入し、スロットルバルブの開
度を調整して、反応容器の内圧を1Torrに保持し、
圧力が安定したところで、直ちに高周波電源より200
Wの電力を投入した。プラズマは5分間持続させた。こ
れにより、n型a−Si半導体層105が透明金属酸化
物層103上に形成された。再び排気をした後に、今度
はガス導入管よりSiH4300sccm、SiF44s
ccm、H240sccmを導入し、スロットルバルブ
の開度を調整して、反応容器の内圧を1Torrに保持
し、圧力が安定したところで、直ちに高周波電源より1
50Wの電力を投入し、プラズマは40分間持続させ
た。これによりi型a−Si半導体層106がn型a−
Si半導体層105上に形成された。再び排気をした後
に、今度はガス導入管よりSiH450sccm、BF3
/H2(1%H2希釈)50sccm、H2500scc
mを導入し、スロットルバルブの開度を調整して、反応
容器の内圧を1Torrに保持し、圧力が安定したとこ
ろで、直ちに高周波電源より300Wの電力を投入し
た。プラズマは2分間持続させた。これによりp型μc
−Si半導体層107がi型a−Si半導体層106上
に形成された。次に試料を高周波CVD装置より取り出
し、抵抗加熱真空蒸着装置にてITOを堆積した後、塩
化鉄水溶液を含むペ一ストを印刷し、所望の透明電極層
108のパターンを形成した。更にAgペーストをスク
リーン印刷して集電電極109を形成し薄膜半導体太陽
電池を完成した。この方法で10枚の試料を作製し、A
Ml.5(100mW/cm2)光照射下にて特性評価
を行つたところ、平均歩留まり80%、光電変換効率で
7.5±0.2%の変換効率が再現性良く得られた。
【0024】実施例2 本実施例においては、図1の模式断面図に示す構成のp
in型a−SiGe光起電力素子を作製した。
【0025】図3に示すロール・ツー・ロールスパッタ
リング装置を用いて裏面反射層として機能する金属層及
び透明金属酸化物層の形成を行った。金属層に続いて透
明金属酸化物層を連続的に成膜できるように堆積室を3
01、302と2つ設けており、303の排気ポンプで
真空排気できる。この内部に、不図示のガスボンベに接
続されたガス導入管304、305よりアルゴンガスが
所定の流量導入され、排気弁306の開度を調整し堆積
室301、302は所定の圧力とされる。また、シート
状の基板307の背面部には赤外線ヒーター308、3
09が設置されており、不図示の熱電対を基板裏面に接
触させモニタすることにより所望の温度に加熱できるよ
うになっている。基板に対向してその表面にターゲット
310、311が固定されたカソード電極が設けられて
いる。ターゲット310、311は堆積されるべき材料
のブロックである。カソード電極は312、313の電
源に接続されている。また堆積室302には堆積区間に
搬送されてきた基板307全面に光照射できるように固
定されたキセノンランプ314が設置されている。電源
312、313により直流(DC)の高電圧を加え各々
の堆積室内のカソード−基板(アノード)間にプラズマ
を発生させる。このプラズマの作用によりターゲット3
10、311の材料原子が基板307上に堆積される。
またターゲット312、313が取り付けてあるカソー
ドの内部に磁石を設け、プラズマをターゲットに集中さ
せることにより堆積速度を高めている。
【0026】堆積条件の一例を挙げる。洗浄済みの幅1
20mm、厚さ0.2mm、長さ10mのステンレス
(SUS430)シートをロール状にして基板とし、基
板送り出し部315と基板巻き取り部316との間で張
力を掛け100mm/minの搬送速度で送った。ター
ゲットと基板との距離は50mmとした。堆積室301
にはArを150sccm、堆積室302にはArを7
5sccm、O2を75sccm流し、排気弁306の
開度を調整し堆積室内の圧力を各々1.8mTorrに
保った。基板温度は赤外線ヒーター308、309によ
り200℃に調整した。ターゲット310には10イン
チ×10インチ角、純度99.99%のAgを用い、D
Cマグネトロンスパッタリング法により基板307上に
まずAg層を堆積した。ターゲット311には10イン
チ×10インチ角、純度99.99%のZnを用い、オ
ゾンレス石英製発光管をもつキセノンランプ(350W
定格)314により光照射の下、酸素ガス存在下でDC
マグネトロンスッパタリング法によりリアクティブスパ
ッタリングを行い引き続き透明酸化亜鉛(ZnO)層を
堆積した。
【0027】巻き取られた基板の一部を切りとり化学エ
ッチングを行い、触針式膜厚測定機により膜厚を調ベた
ところAg層の厚さは平均2000オングストローム、
ZnO層の厚さは平均6000オングストロームであ
り、堆積速度に換算するとAg層は平均15オングスト
ローム/sec、ZnO層は平均50オングストローム
/secとなった。また、この裏面反射層(Ag/Zn
O)の全反射率は実施例1とほぼ同様であった。
【0028】次に裏面反射層の形成された基板を5cm
×5cmの大きさに切断し、その上にi型半導体層とし
て、Si26を50sccm、GeH4を10scc
m、H2を300sccm導入し、反応容器の内圧を1
Torrに保持し、100Wの電力を投入しプラズマを
10分間持続させて堆積したa−SiGeを用いた以外
は実施例1と同様にして10枚の試料を作製した。これ
らをAMl.5(100mW/cm2)光照射下にて特
性評価を行ったところ、平均歩留まり70%、光電変換
効率で7.0±0.2%の変換効率が再現性良く得られ
た。
【0029】比較例1 本比較例においては、裏面反射層の内の透明金属酸化物
層であるZnO層をAgの金属層上にキセノンランプに
よる光照射を行わずにリアクティブスパッタリングによ
り堆積した以外は実施例1と同様にして10枚の試料を
作製した。その結果、裏面反射層(Ag/ZnO)は黒
色化し、全反射率は30%以下であった。また、この裏
面反射層上に作製した図1の模式断面図に示す構成のp
in型a−Si光起電力素子についてAM1.5(10
0mW/cm2)光照射下にて特性評価を行ったとこ
ろ、変換効率は光電変換効率で5.5±0.2%とかな
り低下した。
【0030】比較例2 本比較例においては、裏面反射層の内の透明金属酸化物
層であるZnO層をAgの金属層上にキセノンランプの
代わりに真空紫外光源により波長が200nm以下の短
波長光照射の下、リアクティブスパッタリングにより堆
積した以外は実施例1と同様にして10枚の試料を作製
した。その結果、裏面反射層(Ag/ZnO)は比較例
1同様黒色化し、全反射率は30%以下であり光照射の
効果は見られなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明により、リアクティブスパッタ法
による透明金属酸化物層の形成において、下地金属層の
酸化を抑制しつつ、ハイレートで緻密な金属酸化物層の
形成が可能となる。さらにこの様な金属酸化物層の成膜
法はロール・ツー・ロール法等の量産性に富む方法にも
適用でき、本発明は太陽光発電の普及に寄与するもので
ある。
【0032】即ち、本発明により、反射率の高い裏面反
射層により入射する太陽光を有効に利用することが可能
で、且つ、半導体層と金属層との直接の接触を防いで、
透明金属酸化物層と金属層との反応による抵抗値の増
加、或るいは欠陥箇所でのリーク電流を防止することの
できる、変換効率及び信頼性の高い薄膜半導体太陽電池
を、ハイレート且つ低コストで提供することが可能とな
り、太陽光発電の本格的な普及に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜半導体太陽電池の1実施例の断面
構造を示す模式図である。
【図2】本発明太陽電池の裏面反射層を製造するに好適
なスパッタリング装置の構成例を示す模式図である。
【図3】本発明太陽電池の裏面反射層を製造するに好適
なスパッタリング装置の別の構成例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
101、204、307 基板 102 金属層 103 透明金属酸化物層 104 半導体層 105 n型a−Si半導体層 106 i型a−Si半導体層 107 p型μc−Si半導体層 108 透明電極層 109 集電電極 201 堆積室 202、304、305 ガス導入管 203、303 真空排気用ポンプ 205、308、309 基板加熱赤外線ヒーター 207、310、311 ターゲット 209、312、313 電源 210、314 キセノンランプ 301 金属層堆積室 302 透明金属酸化物層堆積室 315 基板送り出し部 316 基板巻き取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 克己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山下 敏裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 遠山 上 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、銀又は銀を主成分とする金属
    からなる金属層、透明金属酸化物層、半導体層及び透明
    電極層を順次積層してなる薄膜半導体太陽電池の製造方
    法において、前記金属層が形成された基板表面に波長3
    00nm以上800nm以下の光を少なくとも所定時間
    照射しながら、金属ターゲットを用いて酸素ガス存在下
    にリアクティブスパッタリングすることにより前記透明
    金属酸化物層を形成することを特徴とする太陽電池製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法で製造された
    太陽電池。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の製造方法を実施するス
    パッタリング装置であって、少なくとも、真空排気可能
    な堆積室、前記堆積室へパージガス又は反応ガスを導入
    するガス導入管、前記堆積室を排気する真空排気用ポン
    プ、前記堆積室内に放電を生起させるための電源、前記
    堆積室内の基板及びターゲット、並びに前記堆積室内に
    波長300nm以上800nm以下の光を選択的に照射
    できる光源を設けてなる太陽電池製造装置。
JP05086136A 1993-04-13 1993-04-13 太陽電池製造方法及び製造装置 Expired - Fee Related JP3142682B2 (ja)

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