JPH06302282A - シャドウマスク - Google Patents

シャドウマスク

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JPH06302282A
JPH06302282A JP10980093A JP10980093A JPH06302282A JP H06302282 A JPH06302282 A JP H06302282A JP 10980093 A JP10980093 A JP 10980093A JP 10980093 A JP10980093 A JP 10980093A JP H06302282 A JPH06302282 A JP H06302282A
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明 牧田
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豊 松本
Takahito Aoki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は,ドーミング性の向上による画像品
位の向上,シャドウマスク強度の向上,プレス加工性の
安定化を解決し,良好なエッチング特性を有するシャド
ウマスクを提供しようとするものである。 【構成】 低炭素鋼材とInver材とを鋳込み圧延し
たシャドウマスク1の蛍光面側(大孔側)11を低炭素
鋼材とし,電子ビーム照射側(小孔側)12をInve
r材組成(36%Ni層)で構成したシャドウマスク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,カラーブラウン管用シ
ャドウマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスクの主目的は,電子銃から
照射される電子ビームを適切に制御することにあるが,
現在,なおつぎのような問題がある。電子ビームの熱エ
ネルギーによるシャドウマスクの熱膨張(ドーミング)
が,開孔位置を移動させ,ランディングミスを引き起こ
し,画像品位を低下させる。このため,低熱膨張のIn
ver材(Ni36%−Fe合金)のみのシャドウマス
クが提案されるが,ヤング率が小さいため,シャドウマ
スクの強度が弱く,特に,大型ブラウン管になるととも
に保形性が良くない。また,シャドウマスク成形時のプ
レス成形性にも問題がある。また,Inver材はアル
ミキルド鋼に比し,エッチング速度が遅く,エッチング
性も良くない。ヤング率の高いアルミキルド鋼のみで
は,熱膨張が大きすぎる欠陥がある。
【0003】そこで,特開昭62−82630号公報,
特開昭62−82630号公報のように,Inver材
と軟鋼をそれぞれを通常の溶解法により溶解し,熱間圧
延及び冷間圧延により,Ni36%−Fe合金を内層部
とし,外側に軟鋼を配したシャドウマスク部材,あるい
は,軟鋼を内層部とし,外側にNi36%−Fe合金を
配したシャドウマスク部材も提案されているが,このよ
うな3層構成の素材では,エッチング特性上,内層部に
比較的エッチング速度の遅いInver材が介在し,精
度のコントロールを要する電子ビーム照射側(小孔側)
に比較的エッチング速度の速い軟鋼があるため,あるい
は,内層部に比較的エッチング速度の速い軟鋼が介在
し,蛍光面側(大孔側)に比較的エッチング速度の遅い
Inver材があるため,シャドウマスクの孔断面形状
を得るのに良好なエッチング特性が損なわれ,また,圧
着圧延法によりクラッド加工した素材は,各層の特性に
よる違いからプレス加工時に,割れ・ゆがみの問題あ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,ドーミング
性の向上による画像品位の向上,シャドウマスク強度の
向上,プレス加工性の安定化を解決し,良好なエッチン
グ特性を有するシャドウマスクを提供しようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の手段は,
カラーブラウン管用シャドウマスクにおいて,低炭素鋼
材とInver材とを鋳込み圧延してなり,蛍光面側
(大孔側)11を低炭素鋼材とし,電子ビーム照射側
(小孔側)12をInver材組成で構成したことを特
徴とするシャドウマスクである。鋳込み圧延法自体は,
公知で,図2に示すような鋳型でのスラブ形成を経由し
た圧延法であり,Inver材を芯材52とし,低炭素
鋼材を溶鋼53とするか,低炭素鋼材を芯材52とし,
Inver材を溶鋼53として形成したスラブが用いら
れる。具体的には,特開昭62−33043号公報のよ
うに,2枚の芯材52を余熱後,溶鋼53を下注法によ
り注入して,できあがった2枚のクラッドスラブを仕上
げ処理し,加熱炉で加熱したのち熱間圧延,冷間圧延を
行って,シャドウマスク素材を形成することができる。
また,シャドウマスクに必要な板厚と鋼材中のNi濃度
の相関図により設定される条件に応じて,鋼材中のNi
濃度がInver材と低炭素鋼材との中間の値の鋼材を
用いた合わせ芯材52を中間段階に用いて,多段階の鋳
込みによりスラブを形成して,厚さ方向に鋼材中のNi
濃度勾配をもつた構成とすることにより,蛍光面側(大
孔側)から電子ビーム照射側(小孔側)へのなだらかな
機械的物性をうることができる。
【0006】請求項2記載の手段は,シャドウマスクの
厚さが0.05〜0.30mmであり,Inver材組
成を有する層の厚さがシャドウマスクの厚さの1/4〜
1/2であることを特徴とする請求項1記載のシャドウ
マスクである。本発明のシャドウマスクにおいては,エ
ッチング特性とヤング率の低下防止の観点からInve
r材組成を有する層の厚さを除いた厚みは全板厚の1/
2以上を必要とし,Inver材組成を有する層の厚さ
は,耐ドーミング性の観点から全板厚の1/4が必要と
される。
【0007】
【作用】本発明によれば,シャドウマスク1の電子ビー
ム照射側(小孔側)12のInver材層(以下,In
ver材組成の36%Ni−Fe合金層を,36%Ni
層という)が熱膨張を抑制するためランディングミスを
抑え,品位の向上を図ることができるとともに,36%
Ni層は,ヤング率が低いものの,蛍光面側(大孔側)
11に存在する低炭素鋼材が,高いヤング率を示すため
全体のヤング率が上がり,シャドウマスク1の強度を向
上させる。電子ビーム照射側(小孔側)12の36%N
i層から蛍光面側(大孔側)11への接着は鋳込み圧延
によるため接着強度が高く,圧着圧延法に比し,シャド
ウマスクの成形時に,割れ・ゆがみを生ずることが少な
い。さらに,シャドウマスクのエッチングにおいて,蛍
光面側(大孔側)が低炭素鋼材であるためエッチング速
度が大きく,精度のコントロールを要する電子ビーム照
射側(小孔側)が36%Ni層でエッチング速度が小さ
く良好なエッチング特性を示す。
【実施例】
【0008】(実施例1)以下,本発明を図を参照しな
がら実施例により説明する。まず,シャドウマスク1の
素材として,芯材52にInver材を用い,低炭素ア
ルミキルド鋼材(炭素含有量0.002%)を溶鋼53
に用いたスラブを,鋳込み圧延法により形成した板厚
0.15mmのシャドウマスク素材を用いた。Inve
r材層の厚さは全厚さの1/3(0.05mm)であ
る。
【0009】次に,図3に示すように,常法にしたがっ
て,(a) 洗浄,(b) レジスト塗布,(c) パターン焼付
(孔のピッチは,300μm),(d) 現像(両面のレジ
スト21の熱処理強化温度は180〜280℃),(e)
エッチング(塩化第二鉄の温度40〜80℃表裏よりエ
ッチング),(f) 剥離(10%NaOH処理)を行いシ
ャドウマスク1を得た。
【0010】更に,図4は,アニール,プレス成形,黒
化処理後ブラウン管に組み込まれたブラウン管の側面説
明図である。図1は,図4の成形シャドウマスク1の一
部拡大説明図であり,図1に示すように,電子ビーム照
射側(小孔側)12は36%Ni層であるため,耐ドー
ミン性に優れ,また,中間部から蛍光面側(大孔側)1
1にかけてのアルミキルド鋼部がシャドウマスク1全体
の強度を上げるため極めて良好な結果が得られた。
【0011】次に,エッチング加工前のアルミキルド
鋼,Inver材,本実施例のそれぞれの熱膨張係数及
びヤング率を表1として示す。エッチング加工後は,ヤ
ング率は若干おちるものの,36%Ni層が,電子ビー
ム照射側(小孔側)12に集まっているので,Inve
r材単体のシャドウマスクに匹敵する耐ドーミング性が
確認された。
【0012】
【表1】
【0013】(実施例2)図5は,本実施例のシャドウ
マスクの一部断面と蛍光面側(大孔側)から電子ビーム
照射側(小孔側)までの鋼材中のNi濃度分布を模式的
に説明する図であり,多段階の鋳込み圧延法により,全
体の厚みを0.15mmとし,電子ビーム照射側(小孔
側)12の端面から0.05mmまでが35.5〜3
6.5%のNi層(36%Ni層),0.05〜0.1
0mmが5.0〜35.5%のNi層,0.10〜蛍光
面側(大孔側)11の端面までが0〜5.0%Ni層と
なるようシャドウマスク素材を形成した。この素材を用
いて実施例1と同様の工程でシャドウマスク1を作成し
た。このシャドウマスク1は,プレス工程で実施例1よ
り割れ・ゆがみの点で良好な結果が得られた。
【0014】
【発明の効果】本発明は,以上説明したように構成され
ているので,以下に記載するような効果を奏する。 電子ビーム照射側(小孔側)の36%Ni層が熱膨張
を支配するので,Inver材単体のシャドウマスクに
匹敵する耐ドーミング性が得られる。 36%Ni層はヤング率が低いが,蛍光面側(大孔
側)に存在する低Ni含有部が高いヤング率を示すた
め,全体のヤング率をあげ,シャドウマスクとしての強
度が保持される。 電子ビーム照射側(小孔側)の36%Ni層から蛍光
面側(大孔側)へ鋳込み圧延法による接着強度の高いシ
ャドウマスクであるため,低炭素鋼材とInver材と
を圧着圧延によりクラッド加工したシャドウマスクに対
し,プレス成形性に優れた効果が得られる。 さらに,シャドウマスクのエッチングにおいて,蛍光
面側(大孔側)が低炭素鋼材リッチであるためエッチン
グ速度が大きく,精度のコントロールを要する電子ビー
ム照射側(小孔側)が36%Ni層でエッチング速度が
小さく良好なエッチング特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における図4の成形シャドウマスクの一
部拡大の断面説明図である。
【図2】鋳込圧延の概念を説明する側面図である。
【図3】シャドウマスクのエッチング工程を説明する側
面図である。
【図4】カラーブラウン管の側面説明図である。
【図5】本発明のシャドウマスクの実施例の一部断面と
蛍光面側(大孔側)から電子ビーム照射側(小孔側)ま
での鋼材中のNi濃度分布を模式的に説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 シャドウマスク(シャドウマスク材料) 11 蛍光面側(大孔側) 12 電子ビーム照射側(小孔側) 21 レジスト 31 ガラスパターン 51 鋳型 52 芯材 53 溶鋼 101 ネック部 102 電子銃 103 フェイスパネル 104 蛍光面 105 電子ビーム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーブラウン管用シャドウマスクにお
    いて,低炭素鋼材とInver材とを鋳込み圧延してな
    り,蛍光面側(大孔側)(11)を低炭素鋼材とし,電
    子ビーム照射側(小孔側)(12)をInver材組成
    で構成したことを特徴とするシャドウマスク。
  2. 【請求項2】 シャドウマスクの厚さが0.05〜0.
    30mmであり,Inver材組成を有する層の厚さが
    シャドウマスクの厚さの1/4〜1/2であることを特
    徴とする請求項1記載のシャドウマスク。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7211168B2 (en) 2003-12-01 2007-05-01 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Substrate supporting plate and stripping method for supporting plate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7211168B2 (en) 2003-12-01 2007-05-01 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Substrate supporting plate and stripping method for supporting plate

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