JPH0630226U - 土木用樹脂発泡体ブロック - Google Patents

土木用樹脂発泡体ブロック

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JPH0630226U
JPH0630226U JP6452392U JP6452392U JPH0630226U JP H0630226 U JPH0630226 U JP H0630226U JP 6452392 U JP6452392 U JP 6452392U JP 6452392 U JP6452392 U JP 6452392U JP H0630226 U JPH0630226 U JP H0630226U
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JP
Japan
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resin foam
foam block
civil engineering
projection
block
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JP6452392U
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滝 恒 雄 大
寺 淳 山
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Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本考案の土木用樹脂発泡体ブロックは、EP
S工法に使用される樹脂発泡体ブロックであって、その
幅を単位長さnでm等分したときに、長稜が、k(m×
n)である長方体であり、その表面を単位長さnで等分
する仮想区画線によって区画される仮想正方形の中心に
突起が設けられ、かつこの突起が設けられた面の裏面に
突起が嵌合する凹部が形成されており、さらに、上記仮
想区画線に沿って切断導入溝が設けられている。 【効果】 本考案のブロックは、突起を凹部に嵌合しな
がら積み上げるので、特に係止具を用いなくともズレが
生じない。さらに、この突起および凹部の位置に対応さ
せて、切断誘導溝が設けられているので、積み上げられ
たブロックの端部に生ずる半端部分の切断位置の特定が
容易になる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の技術分野】
本考案は、盛土材料、裏込め材料などとして積み上げて用いる土木用発泡ブロ ックに関する。
【0002】
【考案の技術的背景】
発泡スチロールのような発泡樹脂は、超軽量であり、しかも優れた耐圧縮性、 耐水性を有し、またこの発泡樹脂からなる大型のブロックを積み重ねた時の自立 性にも優れている。上記のような発泡樹脂の特性を利用して、近年、発泡ポリス チロールを盛土材料や裏込め材料として、道路、鉄道あるいは土地造成などの土 木工事に用いる工法が盛んに採用されている。いわゆるEPS工法である。
【0003】 このEPS工法は、簡単に整地された地盤上に、例えば2,000mm×1,00 0mm×500mm程度の大きさの樹脂発泡体ブロックを間隙を形成しないように敷 き詰め、次いで、この敷き詰められた樹脂発泡体ブロック上に所望の高さになる まで発泡ブロックを積み重ねる工法である。このEPS工法で使用される樹脂発 泡体ブロックは、載置されているだけであって、それぞれのブロック間には係止 力は作用していない。盛土や裏込めのような土木基礎は長期間にわたって安定し た状態を維持する必要がある。このためには例えば地盤レベルの微妙な変動等に よって生ずる応力を積み重ねられた樹脂発泡体ブロック全体で吸収できるように 樹脂発泡体ブロックを相互に係止して積み重ねられた樹脂発泡体ブロックを一体 化する必要がある。
【0004】 そこで、従来は、図21に示すように、樹脂発泡体ブロックが接合する部分に 、接合する樹脂発泡体ブロックが相互に係合されるように上下に挿入刃91が設 けられた金属性の係止具92を配置して前後、左右、そして上下の樹脂発泡体ブ ロックを係止していた。
【0005】 しかしながら、この係止具92は、金属性の鋭利な挿入刃を有しているために 装着の際に危険を伴う。また、ある段の樹脂発泡体ブロックを載置した後、この 段の接合部にこの係止具92を装着し、上の段に積み上げられる樹脂発泡体ブロ ックに挿入される挿入刃91が露出した状態で、次の段の樹脂発泡体ブロックを 積み上げなければならないので、次の段の樹脂発泡体ブロックの積み上げ作業は 、いたるところに鋭利な挿入刃が露出した樹脂発泡体ブロック載置面で行われて おり、労働災害の危険があった。
【0006】 さらに、樹脂発泡体ブロックは耐水性があり腐食することはないが、この係止 具92は、金属性であるので長期間埋設された場合には、腐蝕による係止力の低 下の可能性がないとはいえない。
【0007】 こうした状況下に、樹脂発泡体ブロックが相互に係止力を有するように、樹脂 発泡体ブロックの表面に凹凸を設けてこの凹部に凸部が嵌合するように樹脂発泡 体ブロックを積み上げる方法および表面に凹凸を有する樹脂発泡体ブロックに関 する技術が開示されている(特開平1-210503号、同3-36319号、実開昭63-81941 号、同63-81942号公報参照)。このように凹凸を有する樹脂発泡体ブロックを用 いることにより、樹脂発泡体ブロックのずれ込みを防止できるので、上記のよう な係止具を用いる必要がなくなり、安全な環境で作業することができると共に、 樹脂発泡体ブロック相互間の経時的な係止力の低下の虞もなくなる。
【0008】 ところで、上記のような凹凸が形成された樹脂発泡体ブロックを積み上げる際 には、積み上げられた樹脂発泡体ブロックが一体的に応力を吸収するように、千 鳥格子状になるように樹脂発泡体ブロックをずらして配置して積み上げる。この ように樹脂発泡体ブロックのずらして配置したことに伴って、積み上げられた樹 脂発泡体ブロックの端部は直線的にはならずにブロックの凹凸が生ずる。積み上 げられた樹脂発泡体ブロックの一体化という観点からすると、端部は直線的にな ることが好ましい。従って、端部に位置する樹脂発泡体ブロックは、出っ張りに なる部分すなわち半端部分を切断した後に配置し、端部が直線的になるように配 置するブロックの位置を微調整しながら樹脂発泡体ブロックを積み上げるのが一 般的である。
【0009】 ところが、上記のように樹脂発泡体ブロックの表面に凹凸を設けると、凹凸の 位置によってズレのピッチが一定になるので、積み上げる際に樹脂発泡体ブロッ クの配置位置を微調整することができなくなる。従って、切断精度がわるいと、 その精度が積み上げられた樹脂発泡体ブロックの端部に直接反映され、直線的な 端面を得ることができないという新たな問題が生ずる。
【0010】
【考案の目的】
本考案は、特に係止具を使用しなくとも、樹脂発泡体ブロックのズレが発生す ることがなく、しかも施設の容易な土木用樹脂発泡体ブロックであって、積み上 げられた樹脂発泡体ブロックの端面に凹凸が生じないように積み上げ可能な土木 用樹脂発泡体ブロックを提供することを目的としている。
【0011】
【考案の概要】
本考案の土木用樹脂発泡体ブロックは、長方体に成形された樹脂発泡体ブロッ クを積み上げて盛り土を構築する工法に用いられる、幅をm×nとしたときに、 長稜が、k(m×n)である長方体[但し、nは該樹脂発泡体ブロックの幅をm 等分(mは1〜5の整数)したときの単位長さであり、kは2〜4の整数である ]からなる土木用樹脂発泡体ブロックであって、 該樹脂発泡体ブロックが、該ブロックの一方の面を幅方向および長さ方向に、 上記単位長さnで等分する仮想区画線によって区画することにより形成されるk ×m2個の仮想正方形のそれぞれの中心を中心とするk×m2個の突起を有すると 共に、該突起が形成されている面の裏面の該突起に対応する位置に、該突起が嵌 合可能な凹部を有し、かつ該仮想区画線に沿って切断誘導手段が形成されている ことを特徴としている。
【0012】 本考案の土木用樹脂発泡体ブロックは、表面および裏面にそれぞれ突起および 凹部を設けて突起が凹部に嵌合するように樹脂発泡体ブロックを積み重ねると、 突起および凹部の位置によって樹脂発泡体ブロックのズレが特定されることに基 づいて、切断位置を突起および凹部の形成位置との関連において特定したもので ある。
【0013】 すなわち、樹脂発泡体ブロックの表面を、幅方向の長さをm等分する単位長さ nで区画すると、表面にはk×m2個の正方形が形成される。ここでkは具体的 には樹脂発泡体ブロックの長さを幅で割った値と同じ値になる。この各正方形の 中心を中心にして突起または凹部を形成する。このように突起および凹部が形成 された樹脂発泡体ブロックを千鳥格子状に積み重ねる場合に、各ブロックのズレ の単位長さはnの倍数になる。従って、予め樹脂発泡ブロックの表面にこの単位 長さnの整数倍になる位置に切断するための印を付けておくと、ブロックの配置 方法に拘りなく、切断位置は、この印と必ず一致する。従って、積み上げ作業現 場において、面倒な墨出しなどを行わなくとも、即座に切断位置が特定される。
【0014】 さらに、本考案の土木用樹脂発泡体ブロックは、上記のように一方の面に突起 を有し、積み重ねられたときにこの突起が嵌合可能な位置に凹部を有するので、 従来のように係止具を使用しなくとも隙間なくブロックを積み重ねることができ る。しかも、金属性の係止具を使用する必要がないので、作業効率が向上すると 共に、作業の際、載置されたブロックの表面に鋭利な金属刃が露出していないの で、安全に作業することができる。
【0015】 そして、このように凹部に突起を嵌合して本考案の土木用樹脂発泡ブロックを 積み重ねることにより、積み重ねられたブロックが一体化するので、地盤レベル が微妙に変化して歪が生じたとしても、積み重ねられたブロック全体でこの歪が 吸収され、ブロックの一部にこの歪が偏在することがないので、積み上げられた 土木用樹脂発泡体ブロックを基礎として長期間安定に使用することができる。し かも、金属を使用していないので、金属の腐蝕等による基礎の物性変化も生じな い。
【0016】
【考案の具体的説明】
以下、本考案を図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。 図1は、本考案の土木用樹脂発泡体ブロックの正面図であり、図2は、このブ ロックのA−A断面図である。図3は、このブロックの斜視図である。
【0017】 本考案の土木用樹脂発泡体ブロック30は、幅をm×nとしたときに、長稜が 、k(m×n)である長方体からなる。但し、nはこの樹脂発泡体ブロックの幅 をm等分(mは1〜5の整数)したときの長さ(単位長さ)であり、kは2〜4 の整数である。
【0018】 具体的にこの樹脂発泡体ブロックの大きさは、上記条件に適合していれば特に 制限はないが、通常は数十cm角程度のものから長稜が10m以下になる直方体状 である。例えば、土木用樹脂発泡体ブロック30の外寸法は、50×100×2 00(単位cm)である。将来的には、土木用樹脂発泡体ブロック30の外寸法は 、100×200×600(単位cm)の大型のものが好ましい。但し、これらの 寸法は単に例示であり、本考案の樹脂成形体の土木用樹脂発泡体ブロック30は 、これらの寸法に限定されないのは勿論である。
【0019】 本考案の土木用樹脂発泡体ブロック30は、図1、図2および図3に示すよう に、長方体に成形された樹脂発泡体ブロックの一方の面に突起を有している。そ して、この突起が形成されている面の裏面の上記突起に対応する位置に、この突 起が嵌合可能な凹部を有している。
【0020】 突起は、通常は、ブロックの上面64、前面68および右側面66に設けられ ており、凹部はこのブロックを並べた時および積み重ねた時に上記面と接する面 、すなわち上面64と接する下面65、前面68と接する後面69および右側面 66と接する左側面67に設けられている。なお、このブロックは左右および前 後に対象であるので、凹部と突起が形成されている面が逆になっても良い。
【0021】 上記突起62の形状に特に制限はないが、図4に示すように、円柱状または円 筒台状にすることが好ましい。このような形態にすることにより、ブロックの配 置方向および積み上げ方向が突起の形状によって制約を受けることがなくなる。 このような突起62の大きさは、ブロックを並べた時および積み上げた時に、凹 部に突起が嵌合して、ブロックの前後、左右および上下方向へのズレが生じない ように、それぞれのブロックを相互に係止できる係止力が発現する大きさであれ ばよく、図4に示すように、直径(R1,R2)が50〜80mm程度、高さ(H) が10〜30mm程度の円筒台形または円柱状の形態のものが好ましい。また、図 4に示すように、円柱状の突起の上端部の直径R1を下端部の直径R2よりも1〜 10mm程度小さくした円筒台形にすることにより、凹部へよりスムーズに嵌合す ることができる。
【0022】 また、この突起が嵌合される凹部は、上記突起に対応した形態を有しており、 通常は、突起の直径と同一、もしくはわずかに大きな直径を有している。特に、 1〜2mm程度のクリアランスを取ることにより、スムーズに嵌合することができ る。
【0023】 本考案の土木用樹脂発泡体ブロック30は、ある段に並べられた各ブロック3 0の接合部が次の段に並べられる各ブロック30の接合部と一致しないようにブ ロック30の配置方向を変え、または、配置位置をずらして積み重ねられるのが 一般的である。従って、本考案の土木用樹脂発泡体ブロック30に設けられる突 起は、こうした配置方向を変換した場合、または、位置をずらして配置した場合 であっても、ブロックの突起が、このブロックの上下、左右、前後に配置される ブロックの凹部に嵌合するように、突起および凹部の位置を特定することが必要 である。
【0024】 本考案において、この突起および凹部の形成位置は、以下に記載するようにし て設定される。 図3に示されるように、樹脂発泡体ブロックの幅方向の長さをm等分する長さ をn(単位長さn)とする。図3には、幅方向の長さを2等分した態様、すなわ ちmが2である態様が示されている。mは1〜5の整数である。さらに、mが2 〜5の整数であることが好ましい。このようにmを2以上の整数にすることによ り、単位長さnを1ピッチとして幅方向へ樹脂発泡体ブロックをずらして積み上 げることが可能になる。
【0025】 本考案の樹脂発泡体ブロックは、段毎にブロックの方向を変えて積み上げるこ とが好ましいので、樹脂発泡体ブロックの長さは、幅方向の長さ(n×m)の倍 数、即ちk×(n×m)である。ここでkは2〜5の整数であり、好適には2〜 3の整数である。図3には、長さが幅(n×m)の2倍である2(n×m)の長 方体、すなわちkが2である樹脂発泡ブロックが示されている。
【0026】 上記のような長さおよび幅を有する樹脂発泡体ブロック30の表面を単位長さ nで区画すると、表面にはk×m2個の仮想正方形が形成される。図3において 、仮想区分線は一点鎖線で示されており、ブロックの上面64には8個(k=2 、m=2)の仮想正方形が形成されている。
【0027】 本考案において突起は、ブロックの幅および単位長さをnで等分する仮想区分 線によって区画される仮想正方形の中心部分に設ける。そして、この8個の仮想 正方形のそれぞれの中心に突起62aが形成されている。この突起62aが形成さ れている上面64の裏面65には、上記突起62aが設けられている位置と対応 する位置に8個の凹部63aが設けられている。
【0028】 また、図3に示すように、上記樹脂発泡体ブロックの前面を長さ方向に、上記 単位長さnで等分する仮想区画線によって区画することにより形成される仮想長 方形または正方形のそれぞれの中心を中心にして突起62cを形成する。そして 、同様に、この突起が形成されている面の裏面の前面の形成される突起に対応す る位置に、凹部63cを形成する。
【0029】 さらに、同様に、上記樹脂発泡体ブロックの右側面を幅方向に、単位長さnで 等分する仮想区画線によって区画して仮想長方形または仮想正方形を形成する。 そしてこの仮想長方形または仮想正方形の中心に突起62bを形成する。そして 、同様にこの突起62bが形成されている面の裏面のこの突起62bに対応する位 置に、凹部63bを形成する。
【0030】 上記のようにして突起および凹部を形成することにより、例えば図5に示すよ うに、本考案の樹脂発泡体ブロックを縦横に組み合わせて積み上げることができ る。さらに、単位長さnを1単位(1ピッチ)として、任意のピッチ単位で縦お よび横方向にずらして樹脂発泡体ブロック30を配置・積層することができる。
【0031】 上記のようにしてピッチをずらして樹脂発泡体ブロック30を配置すると、そ の端部の面を一様に合わせようとすると、図5において71,71aでで示す樹脂 発泡体ブロックのように、単位長さnの整数の位置で切断したブロックが必要に なる。図5において、ブロック71は2ピッチのズレが生じているブロックであ り、71aは、3ピッチのズレが生じているブロックである。図5において、樹 脂発泡体ブロックの切断面は、斜線で示してある。
【0032】 このような樹脂発泡体ブロック71の切断は、土木用樹脂発泡体ブロック30 を設置する作業現場で行われるため、正確に切断されないことがある。本考案の 土木用樹脂発泡体ブロック30は、上述のように、突起および凹部の設定位置に より積み重ねられるブロックのズレ、および、横方向に配置されるブロックのず れが、単位長さnを1ピッチとするピッチ単位になるため、土木用樹脂発泡体ブ ロック30に予め切断誘導手段を形成することができる。
【0033】 この切断誘導手段72は、図6に示すように、土木用樹脂発泡体ブロック30 の幅および長さを、単位長さnで等分する仮想区分線に沿って形成する。図6に は、想定され得る全ての仮想区分線に沿って溝状の切断誘導手段72が設けられ た態様が示されているが、この切断誘導手段72は溝状である必要はなく、例え ば図1に示す仮想区分線に沿って描画された線であってもよい。また、この切断 誘導手段72は、全ての仮想区分線に沿って設けられる必要はなく、一部の仮想 区分線に沿って設けることもできる。切断誘導手段72が溝状である場合に、こ の溝の深さは、本考案の土木用樹脂発泡体ブロック30の強度などの特性に影響 を及ぼさない範囲内で適宜設定することができるが、通常は1〜5mm程度である 。
【0034】 上記のようにして単位長さnを基準にして樹脂発泡体ブロックを区画して突起 および凹部を形成すると共に、この単位長さnに基づいて切断誘導手段を設ける ことにより、積み重ねの際の樹脂発泡体ブロックの相互の配列位置は、突起およ び凹部の位置によって特定される。そして、切断誘導手段も、この単位長さnに 基づいてその位置が特定されているので、積み重ねられた樹脂発泡体ブロックの 端部に置いて切断されるべき位置は常にこの切断誘導手段の位置と一致する。従 って、本考案の樹脂発泡体ブロックを使用することにより、積み上げ作業現場で 墨出しなどの面倒な作業をすることなく、切断位置を特定することができる。
【0035】 本考案の土木用樹脂発泡体ブロックは上記のように特定の位置に突起および凹 部、並びに切断誘導手段を有していればよく、ブロック本体は、種々の樹脂発泡 体を突起および凹部並びに切断誘導溝を形成する凹部および突起などが形成され た金型内で樹脂を発泡させることにより製造することができる。
【0036】 さらに、本考案の土木用樹脂発泡体ブロックは、既に使用された発泡樹脂また はロットアウトの発泡樹脂などを芯材として、この周辺に突起、凹部および切断 誘導溝を形成することにより製造することもこともできる。
【0037】 例えば、図7に示すように、本考案の土木用樹脂発泡体ブロック30は、合成 樹脂成形体または合成樹脂発泡体を粉砕した小片を主成分とする芯体26を有し 、該芯体26の少なくとも一面(図7では、全面)を新たに型内成形された発泡 ポリスチレン層28によって被覆された二層構造を有している。図7では、芯体 26の全面(六面)を発泡ポリスチレン層28により覆っているが、必ずしも全 面覆われる必要はなく、芯体26の一面、二面、三面、四面、五面のいずれを覆 うものであってもよい。このとき、土木用樹脂発泡体ブロック30の内部の芯体 の外寸法は、通常は25×50×100(単位cm)から45×90×180(単 位cm)であり、好適には、成形体40×80×160(単位cm)である。
【0038】 この土木用樹脂発泡体ブロックの製造方法について簡単に述べる。 芯体26は、一旦成形された合成樹脂成形体または合成樹脂成形体を粉砕して 、粉砕小片にバインダを添加してこれを型内成形により押し固めて芯体とするも のであり、この合成樹脂発泡体としては、発泡ポリスチレン、発泡ウレタン、発 泡塩化ビニル、発泡ポリオレフィンなどであり、合成樹脂成形体としては、熱可 塑性、熱硬化性樹脂を問わず使用できる。
【0039】 このような芯体26を発泡ポリスチレン層28を覆うに際しては、一例として は、図8に示すように、定形状のキャビティを有する金型24a,24bに芯体 26の支持用ピン25を複数設け、型を開いた状態で例えば下型24bに芯体2 6を収容する。このとき支持用ピン25により3方向から成形体の形状に応じて 該芯体26を支持する。ついで、上型24aを閉じて材料注入口27(ゲート) から発泡ポリスチレンビーズを注入し、支持用ピン25を後退させる。その後、 ポリスチレン樹脂の発泡成形を行う。このようにして土木用樹脂発泡体ブロック 30を製造してもよいが、以下の3つの製造方法でもよい。
【0040】 1 発泡ポリスチレンビーズを、所定の位置に突起、凹部および切断誘導溝が 形成された凹状金型内で加熱発泡成形して、開口を有する中空の箱状体を形成し 、 一旦成形された合成樹脂発泡体または合成樹脂成形体を粉砕した粉砕小片に、 バインダを添加して、この粉砕小片を前記箱状体内に充填し、 前記バインダが添加された粉砕小片を加熱して相互に密着させて芯体を形成し 、同時に、または次いで、発泡ポリスチレンビーズにより前記箱状体の開口を封 鎖する蓋体(この蓋体の表面には突起および切断誘導溝が形成されている)を加 熱発泡成形し、 これにより、箱状体と蓋体とにより芯体を被覆した土木用樹脂発泡体ブロック を製造する方法。
【0041】 2 発泡ポリスチレンビーズを、所定の位置に突起、凹部および切断誘導溝が 形成された凹状金型内で加熱発泡成形して、開口を有する中空の箱状体を形成し 、 一旦成形された合成樹脂発泡体または合成樹脂成形体を粉砕した粉砕小片にバ インダを添加して型内成形してなる芯体を、前記箱状体内に収納し、 発泡ポリスチレンビーズにより前記箱状体の開口を封鎖する蓋体を加熱発泡成 形し、 これにより、箱状体と蓋体とにより芯体を被覆した土木用樹脂発泡体ブロック を製造する方法。
【0042】 3 加熱発泡成形した所定の位置に凹部が形成された発泡ポリスチレン板を、 所定の位置に突起、凹部および切断誘導溝が形成された金型内の底部に載置し、 一旦成形された合成樹脂発泡体または合成樹脂成形体を粉砕した粉砕小片にバ インダを添加して型内成形してなる芯体を、前記金型内の底部の発泡ポリスチレ ン板の上に載置し、 前記金型と芯体との間の空間に発泡ポリスチレンビーズを充填して加熱発泡成 形して箱状体を形成し、 これにより、発泡ポリスチレン板と箱状体とにより芯体を被覆した土木用樹脂 発泡体ブロックを製造する方法。
【0043】 このように種々の製造方法が考えられるが、本考案の土木用ブロックの製造方 法は、如何なるものでもよく、特に上記のものに限定されない。 次に、このように構成された土木用樹脂発泡体ブロック30を用いる施工方法 を以下に例示する。すなわち、このような樹脂成形体の土木用樹脂発泡体ブロッ ク30は軟弱地盤上の盛土、急傾斜地の盛土、構造物の裏込め、直立壁、盛土の 拡幅などの荷重軽減および土圧軽減を図る必要のあるところに適用することがで きる。以下にこれらを具体的に例示する。
【0044】 図9および図10は、本考案の土木用樹脂発泡体ブロックを軟弱地盤上の盛土 、急傾斜地の盛土に適用した道路の縦断面図である。 まず図9に示す実施例においては、軟弱地盤1上に不織布3aが敷設されてお り、この不織布3aは後述する不織布3bと同様な材質で構成され、防水層を通 過してきた水等を排出する役割をもつと共にブロック部と地盤とを分ける作用を 成す。また、この不織布3aの上には本考案の土木用樹脂発泡体ブロック30が 積層されている。なお、図9および図10に示す実施例においては、かかる土木 用樹脂発泡体ブロック30が断面矩形状に積層されているが、これに限らず断面 が裾広がりの台形状に積層することもできる。
【0045】 このように土木用樹脂発泡体ブロック30を突起が凹部に嵌合するように積層 した後に、この土木用樹脂発泡体ブロック30の周囲に不織布3bが敷設される 。不織布3bは前述した不織布3aと同様に例えばポリエステル長繊維から構成 されている。この不織布3bを敷設した後に、この不織布3bに吹き付け等の塗 布手段によってアスファルトが塗布され、防水層が形成される。その後、この不 織布3bの表面が保護シート5にて被覆される。保護シート5は防水層を保護す るためのものでポリエチレンフィルムあるいはポリエステルフィルム等で構成さ れる。
【0046】 このように防水層と保護シート5とで被覆された土木用樹脂発泡体ブロック3 0上に道路2を例えば以下に示す手順で形成する。 まず、保護シート5上にコンクリート板6を敷設する。その後、この上に砂利 等で路盤7,8を形成し、その上に路面用表層9を形成する。その後、もしくは 以上の工程と同時に、両側に被覆土等で擁壁10を形成すれば道路が完成する。 なお、擁壁10は被覆土を用いずに簡易な壁面保護材で代用することもできる。
【0047】 このように本考案の土木用樹脂発泡体ブロック30を道路の構築に適用した場 合、積層された土木用樹脂発泡体ブロック30の周囲に防水層を形成しているの で雨水等の水分が土木用樹脂発泡体ブロックに吸収されることがなくなり、した がって、この土木用樹脂発泡体ブロックの重量増加を引き起こすこともない。し かも、土木用樹脂発泡体ブロック自身が耐水性を有する必要がなくなるため、上 述した本考案の土木用樹脂発泡体ブロックの如く、EPSの再利用品を用いて好 ましい。
【0048】 図10は、傾斜地盤に道路を構築する場合に本考案の土木用樹脂発泡体ブロッ クを用いた具体例である。この実施例の場合は、傾斜地盤12に沿って土木用樹 脂発泡体ブロック30を積層し、片側を壁面保護材11で覆っている。この実施 例の場合にも前記実施例と同様な作用効果を有すると共に、傾斜地盤に対する悪 影響がほとんどなく、道路の沈下やすべり等の発生を抑制することができる。ま た、樹脂発泡体ブロック30が突起および凹部によって相互に係合されているの で、積み上げられた樹脂発泡体ブロックにズレが発生しにくくなる。
【0049】 次に、図11には、軟弱地盤にプール槽を構築する際、本実施例に係る土木用 発泡体ブロック30を盛土として用いた例を示している。軟弱地盤にプール槽を 構築する場合、軟弱地盤を改良せずにプール槽を構築すると、このプール槽が除 々に沈下する虞れがある。そのため、本実施例では、プール槽の構築の前に、軟 弱地盤を除去し、本考案の土木用樹脂発泡体ブロック30を積層する。この際、 不織布などが必要な場合には適宜箇所に設置する。その後、積層された土木用発 泡体ブロック30の上にコンクリートなどによりプール槽42を構築する。この ようにプール槽42の下に土木用樹脂発泡体ブロック30を積層してあり、この 土木用発泡体ブロック30は極めて軽量であるため、プール槽42の沈下を防止 することができ、また、維持管理の低減を図ることができる。なお、軟弱地盤に 構築するものとしては、プール槽に限られず、道路、建築物を軟弱地盤に施工す る場合にも、同様に施工することができ、地盤沈下を有効に防止することができ る。
【0050】 次に、図12には、構造物の埋戻しに、本実施例に係る土木用樹脂発泡体ブロ ック30を用いた例を示している。トンネルなどの構造物43を地中に設置した 後、この構造物43の上に、土木用樹脂発泡体ブロック30を積層し、その上に 、道路41などを設置している。この場合には、土木用樹脂発泡体ブロック30 は極めて軽量であるため、構造物43にかかる上載荷重を低減することができ、 構造物30を構成する部材の断面積を低減することもでき、また、構造物30を より深い深度に設置することも可能になる。さらに、土により埋戻しを行った場 合には、埋戻した土内の水分が、冬期の夜間に凍結し、昼間に、土内の水分が凍 解することがあるが、これが繰り返し行われると、埋戻した土内に隙間ができ、 地耐力が減少することがある。しかし、本例のように、土木用樹脂発泡体ブロッ ク30により埋戻しを行っている場合には、土木用樹脂発泡体ブロック30は断 熱性・保温性にも優れているため、これらのブロック30で水分が凍結すること がなく、十分な地耐力を得ることができる。
【0051】 次に、図13には、橋台、擁壁の裏込めとして、本実施例に係る土木用樹脂発 泡体ブロック30を用いた例を示している。橋桁44を支持する橋台45の裏側 が、軟弱地盤などである場合には、橋台45の裏側に土圧が作用し、橋台45を 河側に押圧する力が作用する。しかし、本例では、橋台45の裏側に土を埋戻す ことに代えて、橋台45の裏側に土木用樹脂発泡体ブロック30を積層し、この 上に道路などを設置している。これにより、橋台45の裏側に作用する圧力を低 減でき、すなわち、アバット背面側圧を軽減することができるとともに、側方流 動圧の軽減を図ることができる。また、これの施工に際しては、積層されたブロ ック30は橋台45の反対側において斜めに施工されているが、この傾斜角度は 、積層されたブロック30と、斜めの盛土46との両方から橋台45に作用する 圧力を考慮して決定されることが好ましく、さらに、積層されたブロック30に 浮力が作用する虞れがあるが、これに対しても十分な考慮を払うことが好ましい 。
【0052】 図14には、本実施例に係る土木用樹脂発泡体ブロック30を用いて、仮設道 路を構築する例を示している。この仮設道路を構築するに際しては、構築箇所に 凹みを形成し、この凹に不織布48を敷設し、この上に土木用樹脂発泡体ブロッ ク30を積層する。なお、この際、ブロック30を2層以上積層しても良いが、 ブロック30を1層のみ配列するだけでもよい。そして、積層した土木用樹脂発 泡体ブロック30の上に、舗装路46を構築する。従来のように、土により盛土 を行って仮設道路を構築する場合には、施工・撤去が煩雑であるが、本例の場合 には、極めて短期に且つ容易に仮設道路を施工・撤去することができ、仮設道路 の工期を著しく短縮できる。また、軟弱地盤に土による盛土を行い仮設道路を構 築すると、盛土した土の土圧が側方に作用し、仮設道路の周囲に影響を与えるこ とがあるが、本例では、ブロックが相互に係合されており、しかもこの土木用樹 脂発泡体ブロック30が極めて軽量であるため、このような側方圧力が作用する 虞れが殆どなく、仮設道路の周囲に影響を与える虞れがない。
【0053】 図15には、自立壁に、本実施例に係る土木用樹脂発泡体ブロック30を用い た例を示している。一対の擁壁49の間に、土木用樹脂発泡体ブロック30を積 層し、その上に、舗装道路などを構築している。この場合には、水平方向に作用 する圧力が減少するため、擁壁49の構造を簡易にできるとともに、最小限用地 の確保が可能になる。擁壁49の構造を簡易にする例としては、擁壁49を鋼矢 板またはスキンプレートにより構成し、擁壁49間をタイバーで締結しておく。 また、擁壁49を吹付・コンクリートにより構成してもよい。このように、擁壁 49に作用する荷重が減少するため、擁壁として簡易な構造のものを用いること ができる。
【0054】 図16には、盛土・造成地の拡幅に、本実施例に係る土木用樹脂発泡体ブロッ ク30を用いた例を示している。擁壁51を設置し、この擁壁51の内側に土木 用発泡体ブロック30を積層し、その上に舗装路52などを設置している。これ により、急傾斜地での道路等を容易に拡幅することができる。この際、急傾斜地 のそばに既設構造物53があったとしても、本例では、擁壁51に作用する水平 方向の圧力が小さいため、既設構造物53が持ち上げられるといったことも有効 に防止できる。その他本例を適用できる具体的な例としては、駐車場の拡幅工事 、ゴルフ場のティーグラウンドの修復工事を挙げることができる。
【0055】 図17には、地すべり地の頭部盛土に、本実施例に係る土木用樹脂発泡体ブロ ック30を用いた例を示している。地すべり面54における頭部に、土木用樹脂 発泡体ブロック30を積層し、その上に覆土している。本例においても、土木用 樹脂発泡体ブロック30が極めて軽量であり、しかもこのブロックが相互に係合 しているため、地すべり面54に作用する圧力を著しく軽減することができ、地 すべりが再度起こることを有効に防止することができる。すなわち、すべり安全 率を向上することができる。また、土による盛土に比べて、極めて迅速に施工す ることができる。
【0056】 図18には、災害復旧盛土として、本実施例に係る土木用樹脂発泡体ブロック 30を用いた例を示している。災害、土砂崩れにあった箇所に、土木用樹脂発泡 体ブロック30を積層した後、覆土している。本例においても、土木用樹脂発泡 体ブロック30が極めて軽量であり、しかもブロックが相互に係合されて積層さ れているので、土砂崩れなどが再発することを有効に防止することができる。さ らに、施工が簡易であるため、災害の早期復旧が可能である。なお、この方法は 、仮復旧だけでなく、本復旧にも適用することができる。
【0057】 図19には、地中管および排水口の沈下防止のために、土木用樹脂発泡体ブロ ック30を用いた例を示している。本例では、地中管等55を埋設するに先立っ て、この地中管等55の下方の位置に、土木用樹脂発泡体ブロック30を積層す る。積層に際しては、深度が深くなる程、ブロック30の個数は減少させてある 。次いで、地中管等55を埋設し、その上に覆土し、次いで、舗装道路等56を 構築している。例えば軟弱地盤などでは、地中管、排水口55などは自重により 沈下する虞れがあるが、本例では、地中管、排水口55などの下方に土木用樹脂 発泡体ブロック30を積層してあるため、これら地中管、排水口55などの沈下 を有効に防止することができる。したがって、地中管55などをより深い深度に 埋設することもできる。
【0058】 図20には、側溝の沈下防止のために、土木用樹脂発泡体ブロック30を用い た例を示している。本例では、側溝57を施工するに先立ち、土木用樹脂発泡体 ブロック30を積層して埋設し、次いで、側溝57を敷設し、覆土などを施す。 この場合にも、軟弱地盤などでは、側溝57が自重により沈下する虞れがあるが 、本例では、この側溝57の下方に土木用樹脂発泡体ブロック30を積層してい るため、この側溝57の沈下を有効に防止できる。また、軟弱地盤の改良のため に土を入れ換えて側溝57を敷設する場合に比べて極めて迅速に施工することが できる。
【0059】 図21は、崖崩れなどの復旧のために、土木用樹脂発泡体ブロック30を用い た例を示している。本例は、図18に示す場合と同様であり、崖崩れの箇所に、 土木用発泡体ブロック30を水平方向に配列した後、覆土している。本例におい ても、土木用樹脂発泡体ブロック30が極めて軽量であるため、土砂崩れなどが 再発することを有効に防止することができる。さらに、施工が簡易であるため、 災害の早期復旧が可能である。さらに、仮復旧だけでなく、本復旧にも適用する ことができる。さらに、この図21の例では、土木用樹脂発泡体ブロック30は 、積層されずに1層のみで水平方向に配列されているのみである。本考案の施工 方法では、土木用発泡体ブロック30は、上記のように複数層積み上げられる必 要は必ずしもなく、1層のみで水平方向に配列されていてもよい。
【0060】 なお、本考案は上述した実施例に限定されず、本考案の範囲内で種々に改変す ることが可能であり、特に、本考案の土木用樹脂発泡体ブロックの用途は、EP S工法に好適であるが、これに限定されず、他の土木用に用いられてもよいこと は勿論である。
【0061】
【考案の効果】
以上説明してきたように、本考案の土木用樹脂発泡体ブロックは、表面および 裏面の特定の位置にそれぞれ突起および凹部を設けると共に、このような樹脂発 泡体ブロックを積層することにより生ずるブロックのズレに対応してブロックを 切断するための切断誘導手段が設けられている。すなわち、本考案の土木用樹脂 発泡体ブロックの表面には、一定のピッチで突起および凹部を設けられており、 この凹部に突起を嵌合させながら樹脂発泡体ブロックを積み重ねると、積み上げ られた樹脂発泡体ブロックの端部におけるブロックのズレは、設けた突起のピッ チ単位になる。従って、このピッチ単位で切断導入溝(あるいは線)などを設け ることにより、積み上げ作業現場で切断位置を容易に特定することができる。
【0062】 そして、このような切断導入溝などに沿って樹脂発泡体ブロックを切断しなが ら積み上げ作業を行うことにより、積み上げられたブロックの端部が直線的にな る。
【0063】 さらに、本考案の土木用樹脂発泡体ブロックは、上記のように一方の面に突起 を有し、積み重ねられたときにこの突起が嵌合可能な位置に凹部を有するので、 従来のように係止具を使用しなくとも隙間なくブロックを積み重ねることができ る。しかも、金属性の係止具を使用する必要がないので、作業効率が向上すると 共に、作業の際、載置されたブロックの表面に鋭利な金属刃が露出していないの で、安全に作業することができる。
【0064】 そして、このように凹部に突起を嵌合して本考案の土木用樹脂発泡ブロックを 積み重ねることにより、積み重ねられたブロックが一体化するので、地盤レベル が微妙に変化して歪が生じたとしても、積み重ねられたブロック全体でこの歪が 吸収され、ブロックの一部にこの歪が偏在することがないので、積み上げられた 土木用樹脂発泡体ブロックを基礎として長期間安定に使用することができる。し かも、金属を使用していないので、金属の腐蝕等による基礎の物性変化も生じな い。
【0065】 さらに、芯材として樹脂発泡体を再利用し、この芯体の周囲は新たなEPSに より形成することにより、成形精度を低下させることなく、資源の有効利用をは かりながら土木用樹脂発泡体ブロックを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の土木用樹脂発泡体ブロックの一例の正
面図である。
【図2】上記図1に示す土木用樹脂発泡体ブロックのA
−A断面図である。
【図3】本考案の土木用樹脂発泡体ブロックのブロック
の一例の斜視図である。
【図4】本考案の土木用樹脂発泡体ブロックに設けられ
る突起の形状の一例を示す斜視図である。
【図5】本考案の土木用樹脂発泡体ブロックを積み上げ
た状態の一例を示す斜視図である。
【図6】切断誘導溝を備えた本考案の土木用樹脂発泡体
ブロックの一例の斜視図である。
【図7】本考案の土木用樹脂発泡体ブロックの断面図で
ある。
【図8】上記土木用樹脂発泡体ブロックを製造する製造
装置の一例の縦断面図である。
【図9】本考案の土木用樹脂発泡体ブロックを用いた盛
土道路の例を示す施工箇所の断面図である。
【図10】本考案の土木用樹脂発泡体ブロックを用いた
急傾斜地道路の例を示す施工箇所の断面図である。
【図11】プールの地盤として同実施例に係る土木用樹
脂発泡体ブロックを用いた例を示す施工箇所の断面図で
ある。
【図12】構造物の埋戻しに本考案の土木用樹脂発泡体
ブロックを用いた例を示す施工箇所の断面図である。
【図13】擁壁の裏込めとして本考案の土木用樹脂発泡
体ブロックを用いた例を示す施工箇所の断面図である。
【図14】仮設道路の地盤として本考案の土木用樹脂発
泡体ブロックを用いた例を示す施工箇所の断面図であ
る。
【図15】自立壁の裏込めとして本考案の土木用樹脂発
泡体ブロックを用いた例を示す施工箇所の断面図であ
る。
【図16】造成地の拡幅に本考案の土木用樹脂発泡体ブ
ロックを用いた例を示す施工箇所の断面図である。
【図17】地すべり地の頭部盛土として本考案の土木用
樹脂発泡体ブロックを用いた例を示す施工箇所の断面図
である。
【図18】災害復旧の盛土として本考案の土木用樹脂発
泡体ブロックを用いた例を示す施工箇所の断面図であ
る。
【図19】地中管および排出口の沈下防止に本考案の土
木用樹脂発泡体ブロックを用いた例を示す施工箇所の断
面図である。
【図20】側溝の沈下防止に本考案の土木用樹脂発泡体
ブロックを用いた例を示す施工箇所の断面図である。
【図21】災害復旧の盛土として本考案の土木用樹脂発
泡体ブロックを用いた例を示す施工箇所の断面図であ
る。
【図22】土木用樹脂発泡体ブロックの係合の為に従来
から使用されていた係止具の斜視図である。
【符号の説明】
30 土木用樹脂発泡体ブロック(樹脂成形体) 26 芯体 62a,b,c 突起 63a,b,c 凹部 71 切断誘導溝(切断誘導手段)

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長方体に成形された樹脂発泡体ブロック
    を積み上げて盛り土を構築する工法に用いられる、幅を
    m×nとしたときに、長稜が、k(m×n)である長方
    体[但し、nは該樹脂発泡体ブロックの幅をm等分(m
    は1〜5の整数)したときの単位長さであり、kは2〜
    4の整数である]からなる土木用樹脂発泡体ブロックで
    あって、 該樹脂発泡体ブロックが、該ブロックの一方の面を幅方
    向および長さ方向に、上記単位長さnで等分する仮想区
    画線によって区画することにより形成されるk×m2
    の仮想正方形のそれぞれの中心を中心とするk×m2
    の突起を有すると共に、該突起が形成されている面の裏
    面の該突起に対応する位置に、該突起が嵌合可能な凹部
    を有し、かつ該仮想区画線に沿って切断誘導手段が形成
    されていることを特徴とする土木用樹脂発泡体ブロッ
    ク。
  2. 【請求項2】 上記樹脂発泡体ブロックの前面および背
    面のいずれか一方の面を長さ方向に、上記単位長さnで
    等分する仮想区画線によって区画することにより形成さ
    れる仮想長方形または正方形のそれぞれの中心を中心と
    する突起を有すると共に、該突起が形成されている面の
    裏面の該突起に対応する位置に、該突起が嵌合可能な凹
    部を有することを特徴とする請求項第1項記載の土木用
    樹脂発泡体ブロック。
  3. 【請求項3】 上記樹脂発泡体ブロックの右側面および
    左側面のいずれか一方の面を幅方向に、上記単位長さn
    で等分する仮想区画線によって区画することにより形成
    される仮想長方形または仮想正方形のそれぞれの中心を
    中心とする突起を有すると共に、該突起が形成されてい
    る面の裏面の該突起に対応する位置に、該突起が嵌合可
    能な凹部を有することを特徴とする請求項第1項記載の
    土木用樹脂発泡体ブロック。
  4. 【請求項4】 上記mが2〜5の整数であることを特徴
    とする請求項1項記載の土木用樹脂発泡体ブロック。
  5. 【請求項5】 上記突起の形状が円柱状または円錐台状
    であって、該突起の高さが10〜30mmであり、かつ該
    突起の上部直径が50〜100mmであることを特徴とす
    る請求項第1項乃至第4項のいずれかの項記載の土木用
    樹脂発泡体ブロック。
  6. 【請求項6】 上記切断誘導手段が、仮想区分線上に設
    けられた溝であることを特徴とする請求項第1項記載の
    土木用樹脂発泡体ブロック。
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