JP2018009313A - 地盤改良工法及びプレキャスト地盤の製造方法 - Google Patents

地盤改良工法及びプレキャスト地盤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】改良すべき地盤を含む現地に十分に均一な強度を有する地盤を形成でき且つ周囲環境への影響を十分に抑えることができる地盤改良工法を提供する。【解決手段】本発明に係る地盤改良工法は、(a)固化すべき対象地盤を含む現地もしくは当該現地以外の土砂をプレキャスト地盤製造設備に運搬する工程と、(b)プレキャスト地盤製造設備において上記土砂に対して微生物の代謝を促進させる培養液を供給することによって上記土砂を含むプレキャスト地盤を製造する工程と、(c)プレキャスト地盤を現地に運搬する工程と、(d)プレキャスト地盤を現地に設置する工程とを含む。【選択図】図3

Description

本発明は地盤改良工法及びプレキャスト地盤の製造方法に関する。なお、本発明におけるプレキャスト地盤とは、その製造設備において所定の形状(例えば、ブロック状及び板状等)に固化処理された土砂を意味する。
微生物の代謝を利用して地盤を固化し、例えば地盤の液状化抵抗を高める地盤改良工法が知られている。特許文献1は、地盤中に存在する微生物の代謝を促進する養分を地盤中に供給し、該微生物の代謝産物によって地盤の液状化抵抗を高めることを目的とした発明を開示する。特許文献1に記載の発明は、主として地盤の水飽和度の低下(微生物による窒素及び炭酸ガスの生成)並びに粘性の増加(バイオポリマー生成)によって液状化抵抗を高まるとしている。
特開2012−107502号公報
微生物の代謝を利用した従来の地盤改良工法は、安価であるという利点がある。その反面、従来の工法は、地盤中に養分を直接供給するものであるため、対象地盤に対して十分均一に養分を行き渡らせることが困難であった。そのため、従来の工法は、対象地盤を均一に固めることが難しく、また対象地盤が固まったかどうかを確認することも難しいという点において改善の余地があった。これに加え、微生物の代謝に伴って周辺環境に影響を及ぼすガス(例えば強い刺激臭を持つアンモニアガス)が発生する場合もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、改良すべき地盤を含む現地に十分に均一な強度を有する地盤を形成でき且つ周囲環境への影響を十分に抑えるのに有用な地盤改良工法を提供する。また、本発明は、この工法において好適に使用できるプレキャスト地盤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は地盤改良工法を提供する。本発明に係る地盤改良工法は、以下の工程を含む。
(a)固化すべき対象地盤を含む現地もしくは当該現地以外の土砂をプレキャスト地盤製造設備に運搬する工程。
(b)プレキャスト地盤製造設備において上記土砂に対して微生物の代謝を促進させる培養液を供給することによって上記土砂を含むプレキャスト地盤を製造する工程。
(c)上記プレキャスト地盤を現地に運搬する工程。
(d)上記プレキャスト地盤を現地に設置する工程。
上記地盤改良工法によれば、微生物の代謝を利用した土砂の固化処理を現地の地盤に対してではなく、プレキャスト地盤製造設備において土砂に対して実施することができる。このプレキャスト地盤製造設備に例えば排ガス処理装置を設置することで、微生物の代謝により周囲環境に影響を与えるガスが発生したとしても、そのようなガスを容易に無害化できる。また、製造直後のプレキャスト地盤に周囲環境に影響を与える物質が残存していたとしても、プレキャスト地盤製造設備においてプレキャスト地盤を洗浄したり、これらの物質が更に分解されて例えば各種環境基準値を下回るまで貯蔵したりした後、現地に運搬して使用することができる。このような対策を施すことにより、周囲環境への影響を十分に低減できる。
更に、上記地盤改良工法によれば、プレキャスト地盤製造設備において土砂を固化させ、これにより土砂を含むプレキャスト地盤を製造することで、現地で土砂(地盤)を固化させる場合と比較し、土砂の全体に十分均一に培養液を供給しやすく、また処理条件を調整しやすいという利点がある。かかるプレキャスト地盤を現地に運搬した後、それを現地に設置することで現地に十分に均一な強度を有する地盤を形成できる。
本発明はプレキャスト地盤の製造方法を提供する。本発明に係るプレキャスト地盤の製造方法は、以下の工程を含む。
(a)固化すべき対象地盤を含む現地もしくは当該現地以外の土砂をプレキャスト地盤製造設備に運搬する工程。
(b)プレキャスト地盤製造設備において上記土砂に対して微生物の代謝を促進させる培養液を供給することによって上記土砂を含むプレキャスト地盤を製造する工程。
上記プレキャスト地盤の製造方法によれば、微生物の代謝を利用したプレキャスト地盤の製造をプレキャスト地盤製造設備において実施することができる。このプレキャスト地盤製造設備に例えば排ガス処理装置を設置することで、微生物の代謝により周囲環境に影響を与えるガスが発生したとしても、そのようなガスを容易に無害化できる。また、製造直後のプレキャスト地盤に周囲環境に影響を与える物質が残存していたとしても、プレキャスト地盤製造設備においてプレキャスト地盤を洗浄したり、これらの物質が更に分解されて例えば各種環境基準値を下回るまで貯蔵したりした後、現地に運搬して使用することができる。このような対策を施すことにより、周囲環境への影響を十分に低減できる。
更に、上記プレキャスト地盤の製造方法によれば、プレキャスト地盤製造設備において土砂を固化させ、これにより土砂を含むプレキャスト地盤を製造することで、現地で土砂(地盤)を固化させる場合と比較し、土砂の全体に十分均一に培養液を供給しやすく、また処理条件を調整しやすいという利点がある。かかるプレキャスト地盤は、改良すべき地盤を含む現地に十分に均一な強度を有する地盤を形成するのに有用である。例えば、上記工程を経て製造されたプレキャスト地盤を現地に運搬した後、それを現地に設置することで現地に十分に均一な強度を有する地盤を形成できる。
本発明において、上記培養液として、尿素と、カルシウム源とを少なくとも含むものを採用することができる。この場合、(b)工程において、土砂に含まれる微生物の代謝に伴う以下の反応により生じた炭酸カルシウムによって土砂が固化する。
(尿素分解反応)
CO(NH + 3HO → 2NH + 2OH + CO
(炭酸カルシウム析出反応)
CO + HO → HCO + H
HCO + Ca2+ + OH → CaCO + H
上記(b)工程は、強度が十分に均一なプレキャスト地盤を製造する観点から、型枠内に土砂を収容すること、型枠の下部から型枠内に培養液を供給すること、培養液の液面を土砂の上面よりも上方に形成すること、土砂の上面上の培養液を排出することを含んでもよい。なお、これとは逆に、型枠内に土砂を収容した状態において、土砂の上面側から培養液を供給することによって土砂に対して十分に均一に培養液を行き渡らせるとともに、型枠の下部から培養液を排出させてもよい。
上記プレキャスト地盤の形状は特に限定されるものではなく、例えば、ブロック状であっても板状であってもよい。例えば、プレキャスト地盤がブロック状である場合、現地に形成した掘削孔(掘削溝を含む)内に複数のプレキャスト地盤を充填することによって改良地盤を構築できる。プレキャスト地盤が板状(例えば厚さ10〜1000mm)である場合、改良すべき地盤の表面に複数のプレキャスト地盤を一層又は複数層に敷き詰めることで浅層改良を実施できる。なお、ここでは比較的薄く且つ所定の面積を有するものを「板状」と称し、それ以外を「ブロック状」と称する。これらの用語の使い分けはプレキャスト地盤の外観に基づく便宜的なものに過ぎず、これらの形状を厳密に区別しなくてもよい。
プレキャスト地盤は、複数の当該プレキャスト地盤を重ねたときに、互いに嵌合する凸部と凹部とを少なくともそれぞれ別々の面に有することが好ましい。かかる構成を採用することで、複数のプレキャスト地盤を積層させた状態において隣接するプレキャスト地盤同士の界面における横ずれの発生を十分に抑制できる。
本発明によれば、改良すべき地盤を含む現地に十分に均一な強度を有する地盤を形成でき且つ周囲環境への影響を十分に抑えるのに有用な地盤改良工法、並びに、この工法において好適に使用できるプレキャスト地盤の製造方法が提供される。
図1は現地における固化すべき地盤が掘削によって取り除かれた状態を模式的に示す断面図である。 図2はプレキャスト地盤の一例を模式的に示す斜視図である。 図3は図2に示すプレキャスト地盤を製造するための装置の一例を模式的に示す断面図である。 図4はプレキャスト地盤製造設備で製造された複数のプレキャスト地盤を掘削孔内に設置することによって改良地盤を現地に構築した状態を模式的に示す断面図である。 図5は板状のプレキャスト地盤の一例を模式的に示す斜視図である。 図6(a)は表面に凸部及び凹部を有するプレキャスト地盤の一例を模式的に示す断面図であり、図6(b)は図6(a)に示すプレキャスト地盤を積層することによって施された浅層改良を模式的に示す断面図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。以下の第一実施形態ではブロック状のプレキャスト地盤を製造し、これを利用して改良地盤を実施する場合を例に挙げて説明する。その後の第二実施形態では板状のプレキャスト地盤を製造し、これを利用して浅層改良を実施する場合を例に挙げて説明する。
<第一実施形態>
本実施形態に係る地盤改良工法は以下の工程を含むものである。
(A1)固化すべき対象地盤を含む現地の土砂Sをプレキャスト地盤製造設備10に運搬する工程。
(B1)プレキャスト地盤製造設備10において土砂Sに対して微生物の代謝を促進させる培養液を供給することによって土砂Sを含むブロック状のプレキャスト地盤P1を製造する工程。
(C1)プレキャスト地盤製造設備10において製造した複数のプレキャスト地盤P1を現地に運搬する工程。
(D1)運搬されたプレキャスト地盤P1を現地に設置することによって改良地盤Mを構築する工程。
((A1)工程)
(A1)工程は、固化すべき対象地盤を含む現地の土砂Sをプレキャスト地盤製造設備10に運搬する工程である。図1は現地における固化すべき地盤が掘削によって取り除かれた状態を模式的に示す断面図である。ここでいう「固化すべき地盤」の具体例としては、構造物の重さで不同沈下を引き起こす軟弱な地盤、地震によって液状化が懸念される地盤、保護すべき法面などが挙げられる。固化すべき地盤(土砂)をバックホウなどで取り除くことにより、図1に示すように地盤Gに掘削孔Hが形成される。なお、掘削孔Hの代わりに所定の長さを有する掘削溝を形成してもよい。掘削によって生じた土砂Sをダンプトラック等によってプレキャスト地盤製造設備10に運搬する。
掘削によって生じた土砂Sを利用してプレキャスト地盤P1を製造することで、その土砂の大部分を利用することができ、土砂の処分問題が発生しないという利点がある。また、土砂を別途調達する必要がないため、費用削減を図ることができる。
((B1)工程)
(B1)工程は、プレキャスト地盤製造設備10においてプレキャスト地盤P1を製造する工程である。プレキャスト地盤P1は、土砂Sに対して微生物の代謝を促進させる培養液を供給する工程を経て製造される。つまり、微生物の代謝に起因する物質(代謝物)によって土砂Sの粒子同士が固着することで所定の強度を有するプレキャスト地盤P1が製造される。
図2は本実施形態のプレキャスト地盤P1を模式的に示す斜視図である。プレキャスト地盤P1はブロック状であり、例えば縦横高さがそれぞれ10〜500mm程度であればよい。プレキャスト地盤P1のサイズはこれに限定されるものではないが、この範囲のサイズであればプレキャスト地盤P1が過度に重くないから運搬しやすく、またプレキャスト地盤P1が過度に小さくないから過度に多くないプレキャスト地盤P1の個数で改良地盤Mを構築することができる。
図3はプレキャスト地盤P1を製造するための装置(培養液供給装置)を模式的に示す断面図である。プレキャスト地盤P1の培養液供給装置10Aは、プレキャスト地盤製造設備10の構成の一部をなしている。図3に示すように、培養液供給装置10Aは、土砂Sを収容する型枠12と、型枠12内に培養液を供給するための培養液供給手段15と、型枠12から液体(培養液)を排出するための液体排出手段18とを有する。培養液供給手段15は、培養液を収容可能な容器15aと、この容器15aと型枠12の下部とを連結しているチューブ15bとを少なくとも有する。型枠12の下部には貫通孔12aが形成されており、チューブ15bから貫通孔12aを通じて型枠12内に培養液を供給できるようになっている。なお、貫通孔12aは型枠12の底面に形成されていてもよい。液体排出手段18は、土砂の表面上の培養液を排出するためのチューブ18aを少なくとも有する。単位時間あたり所定量の培養液を自動的に型枠12内に供給できるように、培養液供給手段15はポンプ等を有してもよい。また、チューブ18aから排出された培養液に対して必要に応じて添加し、再利用できるように培養液供給装置10Aは循環手段(不図示)を有してもよい。
(B1)工程は、より具体的には、型枠12内に土砂Sを収容すること、培養液供給手段15によって型枠12の下部から型枠12内に培養液を供給すること、培養液の液面を土砂Sの上面よりも上方に形成すること、土砂Sの上面上の培養液を液体排出手段18によって排出することを含んでもよい。型枠12の下部から、換言すれば型枠12内に収容された土砂Sからなる層の下部から培養液を土砂Sに対して浸透させることで土砂の毛細管現象を利用して土砂Sの全体に対して十分均一に培養液を供給することができる。なお、土砂Sに対して十分均一に培養液を供給できる限り、これとは逆に、型枠12内に土砂Sを収容した状態において、土砂Sの上面側から培養液を供給するとともに、型枠12の下部から培養液を排出させてもよい。
(B1)工程において使用する培養液の一例として、尿素と、カルシウム源としての塩化カルシウムとを少なくとも含むものが挙げられる。これらの成分を含む培養液を使用した場合、土砂Sに含まれる微生物の代謝(以下の尿素分解反応)に起因して生じる炭酸カルシウムによって土砂Sが固化する。なお、土砂の中には尿素分解能の高低に差はあるものの、通常、尿素分解能を有する微生物が存在する。短時間のうちに強度の高いプレキャスト地盤P1を製造するためには例えば尿素分解能が高い微生物を採取し、これを培養して培養液に混ぜて型枠12内に供給すればよい。
(尿素分解反応)
CO(NH + 3HO → 2NH + 2OH + CO
(炭酸カルシウム析出反応)
CO + HO → HCO + H
HCO + Ca2+ + OH → CaCO + H
上記培養液は、上記成分(尿素及びカルシウム源)の他に、微生物の栄養分(例えばニュートリエントブロス(商品名、Difco社製))、pH調整剤(例えば塩化アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム)などを更に含んでもよい。培養液の組成(成分及び分量)は例えば表1に示すようなものであればよく、プレキャスト地盤P1に対して求められる強度などに応じて各成分の分量等を調整すればよい。なお、型枠12から回収したプレキャスト地盤P1の強度が不十分であると判断された場合、例えば培養時間(養生時間)を長くすればよい。あるいは、高い尿素分解能を有する微生物を培養液に添加し、この培養液を連続的又は断続的に土砂Sに対して供給するようにしてもよい。
Figure 2018009313
上記尿素分解反応はアンモニアの発生を伴うものである。プレキャスト地盤製造設備10は、強い刺激臭を持つアンモニアガスのような周囲環境に影響を与えるガスを無害化する排ガス処理装置(不図示)を備えることが好ましい。また、製造直後のプレキャスト地盤P1に周囲環境に影響を与える物質が残存していても、プレキャスト地盤製造設備10においてプレキャスト地盤P1を洗浄してそれを除去したり、これらの物質が更に分解されて例えば各種環境基準値を下回るまで貯蔵したりできるように、プレキャスト地盤製造設備10はプレキャスト地盤の洗浄装置及び/又はプレキャスト地盤の貯蔵スペースを備えてもよい。
((C1)工程及び(D1)工程)
プレキャスト地盤製造設備10において製造された複数のプレキャスト地盤P1を現地にトラック等で運搬する((C1)工程)。運搬された複数のプレキャスト地盤P1を現地に設置することによって改良地盤Mを構築する((D1)工程)。図4に示すように、複数のプレキャスト地盤P1を掘削孔Hに設置することによって改良地盤Mを現地に構築することができる。本実施形態においては、掘削孔H内に複数のプレキャスト地盤P1を積み重ねるように充填することで、強度が十分に均一な改良地盤Mを効率的に構築できる。
本実施形態に係る地盤改良工法によれば、微生物の代謝を利用した土砂の固化処理を現地の地盤に対してではなく、プレキャスト地盤製造設備10において土砂Sに対して実施することができる。上述のとおり、例えば排ガス処理装置を備えたプレキャスト地盤製造設備10においてプレキャスト地盤P1を製造することで、微生物の代謝により周囲環境に影響を与えるガスが発生したとしても、そのようなガスを容易に無害化できる。また、製造直後においてプレキャスト地盤P1に周囲環境に影響を与える物質が残存していたとしても、プレキャスト地盤製造設備10においてプレキャスト地盤P1を洗浄したり、これらの物質が更に分解されて例えば各種環境基準値を下回るまでプレキャスト地盤P1を貯蔵したりした後、現地に運搬して使用してもよい。これらの対策を施すことにより、周囲環境への影響をより一層低減できる。
更に、本実施形態に係る地盤改良工法によれば、プレキャスト地盤製造設備10においてプレキャスト地盤P1を製造することで、現地の地盤を直接固化させる場合と比較し、土砂Sの全体に十分均一に培養液を供給しやすく、また処理条件を調整しやすいという利点がある。強度が十分に均一に製造されたプレキャスト地盤P1を現地に運搬した後、それを現地に設置することで現地に十分に均一な強度を有する改良地盤Mを形成できる。
<第二実施形態>
本実施形態に係る地盤改良工法は、ブロック状のプレキャスト地盤P1の代わりに、板状のプレキャスト地盤P2を製造し、これを利用して浅層改良を実施することの他は、第一の実施形態と同様である。すなわち、本実施形態に係る地盤改良工法は以下の工程を含むものである。以下、第二実施形態について、第一実施形態との相違点について主に説明する。
(A2)固化すべき対象地盤を含む現地もしくは当該現地以外の土砂をプレキャスト地盤製造設備10に運搬する工程。
(B2)プレキャスト地盤製造設備10において土砂に対して微生物の代謝を促進させる培養液を供給することによって土砂を含む板状のプレキャスト地盤P2を製造する工程。
(C2)プレキャスト地盤製造設備10において製造した複数のプレキャスト地盤P2を現地に運搬する工程。
(D2)運搬されたプレキャスト地盤P2を現地に設置することによって浅層改良を実施する工程。
図5は板状のプレキャスト地盤P2を模式的に示す斜視図である。プレキャスト地盤P2の厚さは好ましくは10〜500mm程度であり、より好ましくは50〜200mm程度である。プレキャスト地盤P2の縦横の長さは例えばそれぞれ500〜1000mm程度であればよい。プレキャスト地盤P2のサイズはこれに限定されるものではないが、この範囲のサイズであればプレキャスト地盤P2が過度に重くないから運搬しやすく、またプレキャスト地盤P2が過度に小さくないから過度に多くないプレキャスト地盤P2の枚数で浅層改良すべき地盤Gの表面を覆うことができる。
図6(a)及び図6(b)に示すプレキャスト地盤P3は、第二実施形態に係るプレキャスト地盤P2の変形例であって複数のプレキャスト地盤P3を重ねたときに、互いに嵌合する凸部1と凹部2とを少なくともそれぞれ別々の面に有する。かかる構成を採用することで、複数のプレキャスト地盤P3を積層させた状態において隣接するプレキャスト地盤同士の界面における剪断応力による横ずれの発生を十分に抑制できる。なお、凸部1及び凹部2は「シェアコッター」又は「剪断キー」と称される場合がある。ここでは、板状のプレキャスト地盤P2の変形例として説明したが、ブロック状のプレキャスト地盤P1の上面、下面又は側面に、凸部1及び凹部2を形成してもよい。
以上、本発明に係る地盤改良工法について第一実施形態及び第二実施形態に基づいて説明したが、本発明に係るプレキャスト地盤の製造方法の実施形態は第一実施形態及び第二実施形態に包含されたものである。すなわち、上記実施形態にプレキャスト地盤の製造方法は第一実施形態に係る(A1)工程及び(B1)工程、あるいは、(A2)工程及び(B2)工程を含むものである。これらの工程を含むプレキャスト地盤の製造方法によれば、既に述べたとおり、周囲環境への影響を十分に抑えることができる。また、この方法によって製造されるプレキャスト地盤によれば、改良すべき地盤を含む現地において効率的に地盤改良(浅層改良も含む)を実施できる。
上記実施形態においては、現地の土砂S(掘削によって生じた土砂S)をプレキャスト地盤製造設備10に運搬してプレキャスト地盤を製造する場合を例示したが、例えば、その現地の土砂Sに存在する微生物の尿素分解能が低い場合などにあっては、当該現地以外の土砂であって尿素分解能が高い微生物を含む土砂を利用してプレキャスト地盤を製造してもよいし、その土砂と現地の土砂Sとを混合した土砂を用いてプレキャスト地盤を製造してもよい。
上記実施形態においては、尿素と、カルシウム源とを少なくとも含む培養液を使用することで、尿素分解能を有する微生物の代謝を促進させてプレキャスト地盤を製造する場合を例示したが、カルシウム源(例えば炭酸カルシウム)と、微生物の栄養源としてのグルコース(C12)とを含む培養液を使用することで、グルコース分解能を有する微生物の代謝を促進させてプレキャスト地盤を製造してもよい。以下の反応式(1A)は主に好気性微生物によるグルコースの分解反応であり、反応式(1B)は主に嫌気性微生物によるグルコースの分解反応である。現地の地盤に対して培養液を供給する場合、地盤内の雰囲気は通常、酸素が不十分であるため、グルコースの分解反応が進行しにくい(反応式(1B))。これに対し、上記実施形態においては、例えば好気性微生物が十分に活性化して反応式(1A)で示されるグルコースの分解反応が支配的となる酸素雰囲気に培養条件を整えることで、より効率的にプレキャスト地盤を製造し得る。
12 + 6O → 6CO + 6HO・・・(1A)
12 → 2CO + 2COH・・・(1B)
Ca2+ + CO → CaCO +2H・・・(2)
1…凸部、2…凹部、10…プレキャスト地盤製造設備、10A…培養液供給装置、12…型枠、12a…貫通孔、15…培養液供給手段、15a…容器、15b…チューブ、18…液体排出手段、18a…チューブ、G…地盤、H…掘削孔、M…改良地盤、P1,P2,P3…プレキャスト地盤、S…土砂。

Claims (10)

  1. (a)固化すべき対象地盤を含む現地もしくは当該現地以外の土砂をプレキャスト地盤製造設備に運搬する工程と、
    (b)前記プレキャスト地盤製造設備において前記土砂に対して微生物の代謝を促進させる培養液を供給することによって前記土砂を含むプレキャスト地盤を製造する工程と、
    (c)前記プレキャスト地盤を前記現地に運搬する工程と、
    (d)前記プレキャスト地盤を前記現地に設置する工程と、
    を含む、地盤改良工法。
  2. 前記培養液は、尿素と、カルシウム源とを少なくとも含み、
    (b)工程において、前記土砂に含まれる前記微生物の代謝に伴う以下の反応により生じた炭酸カルシウムによって前記土砂が固化する、請求項1に記載の地盤改良工法。
    (尿素分解反応)
    CO(NH + 3HO → 2NH + 2OH + CO
    (炭酸カルシウム析出反応)
    CO + HO → HCO + H
    HCO + Ca2+ + OH → CaCO + H
  3. (b)工程は、
    型枠内に前記土砂を収容すること、
    前記型枠の下部から前記型枠内に前記培養液を供給すること、
    前記培養液の液面を前記土砂の上面よりも上方に形成すること、
    前記土砂の上面上の前記培養液を排出すること、
    を含む、請求項1又は2に記載の地盤改良工法。
  4. 前記プレキャスト地盤は、厚さ10〜1000mmの板状であり、前記現地の浅層改良に使用されるものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の地盤改良工法。
  5. 前記プレキャスト地盤は、複数の当該プレキャスト地盤を重ねたときに、互いに嵌合する凸部と凹部とを少なくともそれぞれ別々の面に有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の地盤改良工法。
  6. (a)固化すべき対象地盤を含む現地もしくは当該現地以外の土砂をプレキャスト地盤製造設備に運搬する工程と、
    (b)前記プレキャスト地盤製造設備において前記土砂に対して微生物の代謝を促進させる培養液を供給することによって前記土砂を含むプレキャスト地盤を製造する工程と、
    を含む、プレキャスト地盤の製造方法。
  7. 前記培養液は、尿素と、カルシウム源とを少なくとも含み、
    (b)工程において、前記土砂に含まれる前記微生物の代謝に伴う以下の反応により生じた炭酸カルシウムによって前記土砂が固化する、請求項6に記載のプレキャスト地盤の製造方法。
    (尿素分解反応)
    CO(NH + 3HO → 2NH + 2OH + CO
    (炭酸カルシウム析出反応)
    CO + HO → HCO + H
    HCO + Ca2+ + OH → CaCO + H
  8. (b)工程は、
    型枠内に前記土砂を収容すること、
    前記型枠の下部から前記型枠内に前記培養液を供給すること、
    前記培養液の液面を前記土砂の上面よりも上方に形成すること、
    前記土砂の上面上の前記培養液を排出すること、
    を含む、請求項6又は7に記載のプレキャスト地盤の製造方法。
  9. 前記プレキャスト地盤は、厚さ10〜1000mmの板状であり、前記現地の浅層改良に使用されるものである、請求項6〜8のいずれか一項に記載のプレキャスト地盤の製造方法。
  10. 前記プレキャスト地盤は、複数の当該プレキャスト地盤を重ねたときに、互いに嵌合する凸部と凹部とを少なくともそれぞれ別々の面に有する、請求項6〜9のいずれか一項に記載のプレキャスト地盤の製造方法。
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