JP2839986B2 - 擁壁の築造工法 - Google Patents

擁壁の築造工法

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JP2839986B2
JP2839986B2 JP4202732A JP20273292A JP2839986B2 JP 2839986 B2 JP2839986 B2 JP 2839986B2 JP 4202732 A JP4202732 A JP 4202732A JP 20273292 A JP20273292 A JP 20273292A JP 2839986 B2 JP2839986 B2 JP 2839986B2
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孝彦 堤
茂 藤池
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Toyo Tire Corp
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SATO BENETSUKU KK
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、擁壁の築造工法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】擁壁とは土砂の崩壊を防ぐために設ける
土を支える構造物で、盛土・切土などの土工に際し、土
の斜面では安定を保ち得ない個所に用地を確保する目的
で築造される場合が多い。
【0003】一般的な擁壁は、コンクリートを主体とす
る壁体を持つ重量構造物であり、壁体を構築した後背面
の地山や盛土との空間に裏込め材として土砂を充填して
築造される。
【0004】そして、擁壁の基礎地盤が軟弱で、支持力
が不足する場合には、杭基礎や地盤改良等種々対策工法
を行った後に擁壁を築造している。
【0005】また、最近では、裏込め材として軽量な発
泡スチロールブロックを積層して用いることにより、土
圧の軽減をはかる工法(EPS工法)も実施されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、杭基礎や地
盤改良の対策工法を行うには、多くの工期と費用がかか
っていた。
【0007】また、発泡スチロールブロックを積層する
工法(EPS工法)では、地盤成形を正確に行なう必要
性や、コンクリート床版の施工・発泡スチロールブロッ
ク間や壁体との筋結材の必要性、また石油類に溶解する
といった問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、壁
体構築場所に壁体を構築し、同壁体の背後に位置する地
山等の傾斜面に沿って透水層を形成し、同透水層と壁体
との間に水抜きパイプを設置して、透水層より壁体の外
部へ湧水や雨水等を排出可能とし、壁体と地山等の傾斜
面との間に形成される空間内には、ウレタン発泡原液を
充填すると共に発泡させて、壁体の背面に一体的に接着
する発泡ウレタン層を形成することを特徴とする擁壁の
築造工法を提供せんとするものである。
【0009】また、本発明では、下記の構成にも特徴を
有する。
【0010】 壁体とその背後に位置する地山等の傾
斜面との間に形成される空間内の下部に、骨材を混入し
たウレタン発泡原液を発泡させ、あるいはコンクリート
を打設して、下層に上層よりも重量のある重量層を形成
したこと。
【0011】 発泡ウレタン層中に発泡スチロールブ
ロックを配設したこと。
【0012】 ウレタン発泡原液に骨材を混入して発
泡させることにより、発泡ウレタン層を形成したこと。
【0013】 骨材として、各種発泡樹脂片、各種プ
ラスチック片、タイヤ片、木材片、コンクリート塊、ア
スファルト塊、軽石、及び砕石等の内の少なくとも一種
類を使用したことる 発泡ウレタン層中に補強材を配
設したこと。
【0014】 補強材の一端は、壁体構築場所若しく
は地山に埋設したこと。
【0015】
【作用】地山近傍での擁壁の築造は、次の手順に従って
行なう。
【0016】壁体構築場所に壁体を構築する。
【0017】壁体とその背後に位置する地山等の傾斜
面とに沿って透水層を形成し、同透水層と壁体との間に
水抜きパイプを設置して、透水層より壁体の外部へ湧水
や雨水等を排出可能とする。
【0018】このようにして、湧水や雨水等を擁壁内よ
り円滑に排出して、これら雨水等の浮力により発泡ウレ
タン層が浮上るのを防止すると共に、地山の崩壊等を防
止することができる。
【0019】壁体と地山等の傾斜面との間に形成され
る空間内に、ウレタン発泡原液を充填するとともに発泡
させて、壁体の背面に一体的に接着する発泡ウレタン層
を形成する。
【0020】発泡ウレタン層の上面に一定厚さの土砂
を盛って盛土層を形成したり、舗装をする。
【0021】このようにして、背面地山の斜面を安定な
勾配に保ったまま壁体と発泡ウレタン層が一体化した軽
量な擁壁を築造することができる。
【0022】そして、軽量な擁壁で背面土圧が生じない
ため、地盤改良等の対策工法をほとんど必要としない。
【0023】また、壁体とその背後に位置する地山等の
傾斜面との間に形成される空間内の下部に、骨材を混入
したウレタン発泡原液を発泡させ、あるいはコンクリー
トを打設して、下層に上層よりも重量のある重量層を形
成した場合には、構築した擁壁がトップヘビー(重心が
上部にある)となることを抑制することができると共
に、発泡ウレタン層の浮上りを防止することができて、
擁壁の安定性を向上させることができる。
【0024】発泡ウレタン層中に発泡スチロールブロッ
ク等の軽量材を配設した場合には、擁壁の軽量性を確保
したまま、高価なウレタンの使用量を大幅に削減するこ
とができる。
【0025】ウレタン発泡原液中に骨材を混入して発泡
させることにより、発泡ウレタン層を形成した場合に
は、高価なウレタンの使用量を減量させると共に、強度
を増大させることができるものであり、かかる骨材とし
ては、各種発泡樹脂片、各種プラスチック片、タイヤ
片、木材片、コンクリート塊、アスファルト塊、軽石、
及び砕石等の内の少なくとも一種類を使用することがで
きる。
【0026】発泡ウレタン層中に補強材を配設した場合
には、擁壁をより強固なものにすることができる。
【0027】さらに、補強材の一端を、壁体構築場所若
しくは地山に埋設した場合には、同補強材を発泡ウレタ
ン層のアンカーとして機能させることができて、同発泡
ウレタン層の浮上りを防止することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0029】図1〜図5は、本発明に係わる擁壁Aの築
造工法の施工フロー図であり、かかる施工フロー図を参
照して擁壁Aの築造工法を説明する。
【0030】 図1に示すように、地山Mの近傍の壁
体構築場所Gを掘削し、整地する。
【0031】 図2に示すように、整地した壁構築場
所Gと地山Mの傾斜面とに沿って一定厚の砂の層を形成
したり、又、透水シートを敷設して、透水層1を形成す
る。
【0032】 図2に示すように、壁体構築場所Gに
コンクリートパネル等の壁体2を構築し、同壁体2と透
水層1との間に所定本数の水抜きパイプ3を設置して、
透水層1より外部へ湧水や雨水や地下水等を排出可能と
する。
【0033】 図3に示すように、壁体2とその背後
に位置する地山Mの傾斜面との間に形成される空間S中
にウレタン発泡原液をウレタン噴出・注入装置(図示せ
ず)により噴出・注入させると共に発泡させて、一定高
さの発泡ウレタン層4を形成する。
【0034】 図4に示すように、さらに、ウレタン
発泡原液を噴出・注入させると共に発泡させて一体化
し、所定高さの一体化した発泡ウレタン層4を形成す
る。
【0035】 図5に示すように、発泡ウレタン層4
の表面を、遮水機能を有する遮水シート5により被覆す
る。
【0036】 図5に示すように、遮水シート5によ
り被覆された発泡ウレタン層4及び透水層1の表面に、
土砂を一定厚さに盛って盛土層6を形成し、さらに、盛
土層6の上を舗装して舗装層7を形成する。また、盛土
層6を形成することなく直接舗装をすることもできる。
【0037】このようにして、壁体2や発泡ウレタン層
4等が形成する擁壁Aは軽量であり、背面地山の斜面を
安定な勾配に保つことができるため、安定性が高くな
る。
【0038】ここで、発泡ウレタン層4を形成する発泡
ウレタンは、(1)軽量性、(2)施工性、(3)充填
性、(4)複合構造性、(5)自立性、(6)耐水性、
(7)強度特性、(8)透水・吸水特性、(9)耐熱
性、(10)耐薬品性、(11)衝撃吸収性に対して、
以下のような特徴を有するものである。
【0039】(1)軽量性 単位体積重量が25〜50kg/m(原液配合により
任意に設定可能)と超軽量(土砂・コンクリートの約1
/50)で、軟弱地盤の沈下・支持力不足問題解決に有
効である。
【0040】(2)施工法 原液をホース圧送して、20〜40倍に発泡させて発泡
ウレタンによる擁壁ができる。小さな設備、少量の材料
で、短時間に大量の施工が可能であって、非常に施工性
が良い。また、施工現場での地盤成形が簡単で施工性が
良い。
【0041】(3)充填性 ウレタン発泡原液は、数十倍に発泡した後硬化するた
め、地盤に凹凸がある場合でも充填し、充填性が良い。
【0042】(4)複合構造性 発泡ウレタンは、自己接着性に優れており、対象物とも
なじんで接着固化するため、複合構造体としての一体化
が図れる。また、鉄筋等補強材が容易に組込めるため、
より一層の強固な構造体の造成が可能である。
【0043】(5)自立性 ウレタン原液を、硬化したウレタン発泡体に接して新た
に発泡させると、相互に接着して一体化し、弱線のない
連続したマス(塊)となり、自立構造体として利用でき
る。
【0044】(6)耐水性 独立気泡を内蔵した発泡体であり、化学的に安定である
ため、水による劣化はない。
【0045】(7)強度特性 30〜40倍発泡の発泡ウレタンで、約2kgf/cm
の一軸圧縮強度があり、配合によりさらに大きな強度
の発泡体を形成でき、材料としての必要強度は十分であ
る。
【0046】(8)透水性 独立気泡の発泡体の場合、透水性はない。
【0047】(9)耐熱性 80℃以下では、通常の使用に問題はない。
【0048】(10)耐薬品性 一般的に、酸・アルカリに抵抗性を持ち、ガソリンや灯
油等にも溶解しない。
【0049】(11)衝撃吸収性 良好な衝撃吸収性を持つ。
【0050】また、ウレタンに骨材を混入して発泡ウレ
タン層4を形成することにより、高価なウレタンの使用
量を減量させると共に、強度を増大させることができ
る。
【0051】この際、骨材としては、産業廃棄物である
発泡スチロール片、各種プラスチック片、タイヤ片、及
び木材等を有効利用することも、また、コンクリート
塊、アスファルト塊、軽石、及び砕石等の内、少なくと
も一種類を使用することもできる。
【0052】図6〜図10は、本発明に係わる第2実施
例としての擁壁Aの施工フロー図であり、かかる施工フ
ロー図を参照して、擁壁Aの築造工法を説明する。
【0053】 図6に示すように、地山Mの近傍の壁
体構築場所Gを掘削し、整地する。
【0054】 図7に示すように、整地した壁体構築
場所Gと地山Mの傾斜面とに沿って一定厚の砂の層を形
成したり、又、透水シートを敷設して、透水層1を形成
する。
【0055】 図7に示すように、壁体構築場所Gに
コンクリートパネル等の壁体2を構築し、同壁体2と透
水層1との間に所定本数の水抜きパイプ3を設置して、
透水層1より外部へ地下水等を排出可能とする。
【0056】 図7に示すように、補強材8としての
鉄筋等を枠組して配置する。この際、補強材8の一端
は、空間S内に位置する壁体構築場所G若しくは地山M
に埋設・固定して、アンカー機能をもたせる。
【0057】 図8に示すように、壁体2とその背後
に位置する地山Mの傾斜面との間に形成される空間S中
にウレタン発泡原液をウレタン噴出・注入装置(図示せ
ず)により噴出・注入させると共に発泡させて、一定高
さの発泡ウレタン層4を形成する。
【0058】 図9に示すように、さらに、ウレタン
発泡原液を噴出・注入させると共に発泡させて一体化
し、所定高さの一体化した発泡ウレタン層4を形成す
る。
【0059】 図9に示すように、発泡ウレタン層4
の表面を、遮水機能を有する遮水シート5により被覆す
る。
【0060】 図10に示すように、遮水シート5に
より被覆された発泡ウレタン層4及び透水層1の表面
に、土砂を一定厚さに盛って盛土層6を形成し、さら
に、盛土層6の上を舗装して舗装層7を形成する。ま
た、盛土層6を形成することなく直接舗装することもで
きる。
【0061】このようにして、発泡ウレタン層4中に補
強材8としての鉄筋等を配筋することにより、擁壁Aの
強度を増大させることができるようにしている。
【0062】この際、補強材8としては、鉄筋・金網・
メッシュ・各種土木用シート・ガラス繊維・有機繊維等
を使用することができる。
【0063】図11〜図16は、第3実施例としての擁
壁Aの施工フロー図であり、かかる施工フロー図を参照
して、擁壁Aの築造工法を説明する。
【0064】 図11に示すように、地山Mの近傍の
壁体構築場所Gを掘削し、整地する
【0065】 図12に示すように、整地した壁構築
場所Gと地山Mの傾斜面に沿って一定厚の砂の層を形成
したり、又、透水シートを敷設して、透水層1を形成す
る。
【0066】 図12に示すように、壁体構築場所G
にコンクリートパネル等の壁体2を構築し、同壁体2と
透水層1との間に所定本数の水抜きパイプ3を設置し
て、透水層1より外部へ地下水等を排出可能とする。
【0067】 図12に示すように、補強材としての
鉄筋等を枠組して配置する。
【0068】 図13に示すように、壁体2とその背
後に位置する地山Mの傾斜面との間に形成される空間S
中に、骨材を混入したウレタン発泡原液をウレタン噴出
・注入装置(図示せず)により噴出・注入させると共に
発泡させる、あるいはコンクリートを打設して、一定高
さの重量のある重量層9を形成する。
【0069】 図15に示すように、さらに、ウレタ
ン発泡原液を噴出・注入させると共に発泡させて一体化
し、所定高さの一体化した発泡ウレタン層4を形成す
る。
【0070】 図15に示すように、発泡ウレタン層
4の表面を、遮水機能を有する遮水シート5により被覆
する。
【0071】 図16に示すように、遮水シート5に
より被覆された発泡ウレタン層4及び透水層1の表面
に、土砂を一定厚さに盛って、盛土層6を形成し、さら
に、盛土層6の上を舗装して舗装層7を形成する。ま
た、盛土層6を形成することなく直接舗装をすることも
できる。
【0072】このようにして、重量のある重量層9を形
成して、擁壁Aがトップヘビー(重心が上部にある)と
なることを抑制することができると共に、発泡ウレタン
層4が湧水や雨水等の浮力により浮上るのを防止するこ
とができて、擁壁Aの安定性を向上させることができ
る。
【0073】図17〜図22は、第4実施例としての擁
壁Aの施工フロー図であり、かかる施工フロー図を参照
して、擁壁Aの築造工法を説明する。
【0074】 図17に示すように、地山Mの近傍の
壁体構築場所Gを掘削し、整地する。
【0075】 図18に示すように、整地した構築場
所Gと地山Mの傾斜面とに沿って一定厚の砂の層を形成
したり、又、透水シートを敷設して、透水層1を形成す
る。
【0076】 図18に示すように、壁体構築場所G
にコンクリートパネル等の壁体2を構築し、同壁体2と
透水層1との間に所定本数の水抜きパイプ3を設置し
て、透水層1より外部へ地下水等を排出可能とする。
【0077】 図18に示すように、補強材8として
の鉄筋等を枠組して配置する。
【0078】 図19に示すように、壁体2とその背
後に位置する地山Mの傾斜面との間に形成される空間S
中にウレタン発泡原液をウレタン噴出・注入装置(図示
せず)により噴出・注入させると共に発泡させて、一定
高さの発泡ウレタン層4を薄く形成する。
【0079】 図19に示すように、発泡ウレタン層
4の上面および透水層1上に発泡スチロールブロック1
0を階段状に複数段載置し、同状態にて発泡スチロール
ブロック10の間隙および透水層1上にウレタン噴出・
注入装置(図示せず)により、ウレタン発泡原液を噴出
・注入させると共に発泡させて、発泡スチロールブロッ
クを内包一体化した所定高さの発泡ウレタン層4を形成
する。
【0080】 図20に示すように、発泡スチロール
ブロックを内包した発泡ウレタン層を順次積層して一体
化し、所定高さの発泡ウレタン層4を形成する。
【0081】 図21に示すように、発泡スチロール
ブロックを内包する発泡ウレタン層4の表面を、遮水機
能を有する遮水シート5により被覆する。
【0082】 図22に示すように、遮水シート5に
より被覆された発泡スチロールブロックを内包する発泡
ウレタン層4及び透水層1の表面に、盛土層6を形成す
ることなく直接舗装層7を形成する。また、舗装層7の
下層に盛土6を形成することもできる。
【0083】このようにして、擁壁Aの軽量化を確保し
たまま、高価なウレタンの使用量を大幅に削減すること
ができる。
【0084】この際、発泡スチロールは、単位体積重量
が0.015〜0.03g/cmと超軽量(土砂・コ
ンクリートの約1/100)であり、ブロックは自立性
があり人力で積み重ねることが可能で施工性が良い。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0086】(1)壁体構築場所と地山等の傾斜面とに
沿って透水層を形成し、同透水層と壁体との間に水抜き
パイプを設置して、透水層より外部へ湧水や雨水等を排
出可能とすることができるために、湧水や雨水等を擁壁
内より円滑に排出して、これら雨水等の浮力により発泡
ウレタン層が浮上るのを防止すると共に、地山の崩壊等
を防止することができる。
【0087】(2)壁体と地山等の傾斜面との間に形成
される空間内には、ウレタン発泡原液を現場で充填する
と共に発泡させて、擁壁の大半を占める発泡ウレタン層
を形成することができるために、上記(1)の効果に加
えて、施工が迅速かつ簡単に行えると共に、擁壁の重量
を大幅に軽減させることができる。この重量軽減によ
り、基礎地盤が軟弱であったり地すべりの危険性がある
場合にも、地盤改良等種々の対策工法が不必要となり、
工期および施工費を削減することができる。
【0088】また、背面地山の斜面を安定な勾配に保っ
たまま壁体と発泡ウレタン層が一体化した軽量で安定な
擁壁を築造することができる。
【0089】(3)発泡ウレタンは、構築場所の形状に
なじみ接着一体化した構造体となるため、地盤成形が簡
単で発泡スチロールブロックを積層する工法(EPS工
法)に必要なコンクリート床版の施工や筋結材が不要と
なり、施工性が良い。
【0090】また、石油類に対する対策も不要で、施工
性が良い。
【0091】(4)発泡ウレタンは、各部の用途に応じ
て適切な密度・強度のものを任意に使用でき、さらにそ
れらを連続一体化することができる。
【0092】(5)壁体とその背後に位置する地山等の
傾斜面との間に形成される空間内の下部に、骨材を混入
したウレタン発泡原液を発泡させ、あるいはコンクリー
トを打設して、下層に上層よりも重量のある重量層を形
成することができるために、上記(1)〜(4)の効果
に加えて、構築した擁壁がトップヘビー(重心が上部に
ある)となることを抑制することができると共に、発泡
ウレタン層の浮上りを防止することができて、擁壁の安
定性を向上させることができる。
【0093】この際、重量層は、配合する骨材の種類と
配合量とにより、重量調整を適宜行なうことができる。
【0094】(6)発泡ウレタン層中に、発泡スチロー
ルブロック等の軽量体を配設して複合一体化することが
できるために、上記(1)〜(5)の効果に加えて、擁
壁の軽量性を確保したまま、高価な発泡ウレタンの使用
量を大幅に削減して、施工費を軽減させることができ
る。
【0095】(7)ウレタン発泡原液に骨材を混入して
発泡させることにより、複合一体化した発泡ウレタン混
合層を形成することができるために、上記(1)〜
(6)の効果に加えて、高価なウレタン使用量を減量す
ることができると共に、各部の用途に応じて適切な密度
・強度の発泡ウレタン混合体を選定して使用することが
できる。
【0096】(8)上記(7)において、骨材として、
各種発泡樹脂片、各種プラスチック片、タイヤ片、木材
片、コンクリート塊、アスファルト塊、軽石、及び砕石
等の内の少なくとも一種類を使用することができ、産業
廃棄物を活用できる。
【0097】(9)発泡ウレタン層には、鉄筋・金網・
メッシュ・各種土木用シート・ガラス繊維・有機繊維等
の補強材を容易に配設することができ、上記(1)〜
(8)の効果に加えて擁壁の強度の増大化が図れる。
【0098】(10)補強材の一端は、壁体構築場所若
しくは地山に埋設することができるために、上記(1)
〜(9)の効果に加えて、同補強材を発泡ウレタン層の
アンカーとして機能させることができて、同発泡ウレタ
ン層の浮上りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる軽量盛土工法の、第1実施例と
しての施工図。
【図2】第1実施例としての施工図。
【図3】第1実施例としての施工図。
【図4】第1実施例としての施工図。
【図5】第1実施例としての施工図。
【図6】第2実施例としての施工図。
【図7】第2実施例としての施工図。
【図8】第2実施例としての施工図。
【図9】第2実施例としての施工図。
【図10】第2実施例としての施工図。
【図11】第3実施例としての施工図。
【図12】第3実施例としての施工図。
【図13】第3実施例としての施工図。
【図14】第3実施例としての施工図。
【図15】第3実施例としての施工図。
【図16】第3実施例としての施工図。
【図17】第4実施例としての施工図。
【図18】第4実施例としての施工図。
【図19】第4実施例としての施工図。
【図20】第4実施例としての施工図。
【図21】第4実施例としての施工図。
【図22】第4実施例としての施工図。
【符号の説明】
A 擁壁 1 透水層 2 壁体 3 水抜きパイプ 4 発泡ウレタン層 5 遮水シート 6 盛土層 7 舗装層 8 補強材 9 骨材混入発泡ウレタン層やコンクリート層等の重量
層 10 発泡スチロールブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 29/02 308

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁体構築場所に壁体を構築し、同壁体の
    背後に位置する地山等の傾斜面に沿って透水層を形成
    し、同透水層と壁体との間に水抜きパイプを設置して、
    透水層より壁体の外部へ湧水や雨水等を排出可能とし、 壁体と 地山等の傾斜面との間に形成される空間内に
    ウレタン発泡原液を充填すると共に発泡させて、壁体の
    背面に一体的に接着する発泡ウレタン層を形成すること
    を特徴とする擁壁の築造工法。
  2. 【請求項2】 壁体とその背後に位置する地山等の傾斜
    面との間に形成される空間内の下部に、骨材を湿入した
    ウレタン発泡原液を発泡させ、あるいはコンクリートを
    打設して、下層に上層よりも重量のある重量層を形成し
    ことを特徴とする請求項1記載の擁壁の築造工法。
  3. 【請求項3】 発泡ウレタン層中に発泡スチロールブロ
    ックを配設したことを特徴とする請求項1又は2記載
    擁壁の築造工法。
  4. 【請求項4】 ウレタン発泡原液に骨材を混入して発泡
    させることにより、発泡ウレタン層を形成したことを特
    徴とする請求項1又は3記載の擁壁の築造工法。
  5. 【請求項5】 骨材として、各種発泡樹脂片、各種プラ
    スチック片、タイヤ片、木材片、コンクリート塊、アス
    ファルト塊、軽石、及び砕石等の内の少なくとも一種類
    を使用したことを特徴とする請求項2又は4記載の擁壁
    の築造工法。
  6. 【請求項6】 発泡ウレタン層中に補強材を配設したこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の擁壁の
    築造工法。
  7. 【請求項7】 補強材の一端は、壁体構築場所若しくは
    地山に埋設したことを特徴とする請求項6記載の擁壁の
    築造工法。
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