JPH0630207U

JPH0630207U - 移動式防音壁

Info

Publication number: JPH0630207U
Application number: JP7133092U
Authority: JP
Inventors: 正純片岡
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1992-09-21
Filing date: 1992-09-21
Publication date: 1994-04-19

Abstract

(57)【要約】【目的】建設工事等に用いられる防音壁に関するもの
で、２重壁で防音効果が大きく、また防音壁の移動が容
易である。【構成】２重構造で内部に水等を注入・排出を可能に
した防音壁本体を移動し得る架台に組み立て、ま防音壁
本体を伝搬音を遮断するように多数連結し得る防音壁。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

建設工事，土木工事及びプラント試運転時等，大きな騒音を発生する工事における仮設防音壁に関するもので、電力プラントの試運転時や蒸気ブロー音の防音，道路工事や交通騒音の防止等に用いることができる。

【０００２】

【従来の技術】

従来の建設工事などに用いられている仮設防音壁を図３および図４に示す。図３は単板状の防音壁２１を防音壁基礎２２の上に取り付けた単純構造で、２３は地面である。図４の防音壁３１は工事現場が外側から見えないように単板状のもので目隠し的に用いられている。

【０００３】図３の防音壁２１は遮音性能を良くするためには、単位面積当りの重量（ｋｇ／ｍ²）を大きくする必要があり、重量に比例して遮音量も上がるからである。したがって遮音量を増やそうとすると、重い壁を用いることになり、仮設防音壁の設置に労力を要し、壁材もコスト高となった。また工事終了後の取り外し作業も設置時と同様，大掛かりなものとなる。

【０００４】一方、図４に示した目隠し的に用いられる壁３１は、遮音性能がよくないので、防音壁として余り期待できないものといえるが、さらに遮音量を増やすためには、重い材料（厚さを増す）を用いる等が必要となる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前記のように、従来の単板状の防音壁において、 (1) 遮音性能を良くするためには、単位面積当りの重量を重くする必要があり、設置作業，取り外し作業および移動が困難なものとなる。また、それに伴なうコストも高くなる。

【０００６】 (2) 作業性を容易にするため、（含，移動等）単位面積当りの重量を小さくすれば、遮音性能も減少する。

【０００７】 (3) 建設工事や土木工事等では大きな騒音を発生する。設備や機械類は各工期毎に場所を移動し、移動範囲も広範囲に及ぶ。防音壁もその状況に合せ移動が必要となる。

【０００８】 (4) したがって軽量で、しかも遮音性能が良く、移動が容易にできる防音壁が望まれている。等の課題があった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記従来の課題を解決したもので、２重構造にした防音壁本体を移動自在の架台に組み立て、内部に流体または粉体を注入・排出を可能にし、更に前記防音壁本体を多数連結し、この連結部を伝搬音を遮断する構造にした移動式防音壁である。

【００１０】即ち防音壁本体は軽量材料（例えばＧｌａｓｓｆｉｂｅｒＲｅｉｎｆｏｒｃｅｄＣｅｍｅｎｔ）、クラス（軽量気泡コンクリート）の２重構造とし、防音壁組み立て後、内部の空間部に水や砂または粉体等を注入し、充填する。従って軽量状態で組み立て、完成後は重量が増すことになり、遮音性が上る。必要遮音量に応じ充填材や充填量も適合できる。防音壁はキヤスタ付き架台に設置することで、容易に目的とする場所へ移転することができる。

【００１１】防音壁本体単位毎の両側に壁と壁との継ぎを良くし、壁間からの洩れ音を無くするため片側に凹部、他側に凸部を設ける。

【００１２】

【作用】

本考案の防音壁はこのような構成の手段としたため、内部に充填された水や砂または粉体等により防音壁本体の重量を適量に増大させ遮音性能を増加させることがてきる。

【００１３】遮音性能ＴＬ＝１８ｌｏｇ（ｆ×ｍ）−４４で求められ、遮音性能の増加量 ΔＴＬ＝１８ｌｏｇ（ｍ₁／ｍ₂）となる。ただし、ｆ：周波数（ｃ／ｓ）ｍ：単位面積の重さ（ｋｇ／ｍ²）ｍ₁：充填後の重量（ｋｇ／ｍ²）ｍ₂：充填前の重量（ｋｇ／ｍ²）

【００１４】また、移動させるときは、内部に充填された水や砂等を排出することにより、防音壁本体の重量は格段に減少する。軽くなった防音壁は作業性もよくなり容易に移動ができる。（単なる移動だけであれば、キヤスタ付き架台であり、内部に充填したまま移動ができる。）

【００１５】

【実施例】

本考案の一実施例を図１および図２について説明する。防音壁本体１は２重構造で、内部は空間で、両側の構造は片側が凹部２、他側が凸部３となっている。架台４は移動を容易にするためキヤスタ５を装着し、架台４に設けられた防音壁本体１より若干広い溝６に防音壁本体１を嵌め込み、支持棒７によりボルト８にて組み立てる。

【００１６】このように組み立てられたものを目的場所まで移動させ、防音壁本体１の空間に防音壁本体１の上部にある注入口９から水等の充填物１０を注入し、プラグ１１にて締めて置く。充填物１０は流動性に富み、比重の大きな水等が作業性から見ても好ましいものと思われる。（砂や粉体等も状況により用いられる。）

【００１７】工事終了後は、防音壁本体１の下部にある排出口１２のプラグ１３を開けて充填物１０を排出し、取付用のボルト８を緩め、支持棒７を除き、防音壁本体１と架台４とを分離する。このように簡単に作業ができることも本考案の特徴である。

【００１８】なお、キヤスタ５の高さ分だけ架台４下部に空隙ができ、この部分からの洩れ音が問題となる場合には、この空隙部に土のう等の音洩れ防止材を設置して対処できる。

【００１９】更に、防音壁本体１を多数連結して使用する時は側面の凹部２と凸部３を連結するようにして防音壁本体１と防音壁本体１との洩れ音を防ぐようになっている。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の移動式防音壁によれば、以下に記載されるような効果を奏する。 (1) 防音壁は軽量で作業性が良く、安全に目的場所への移動も容易に行なうことができる。

【００２１】 (2) 遮音性能を向上させる場合は、注入口より充填物を注入するだけで、防音壁本体の単位面積当りの重量を増すことができ容易に行なうことができる。

【００２２】 (3) 充填物は水や砂または粉体等、容易に入手できるものであり、コストも安価である。 (4) 防音壁本体の組立及び作業終了時の片付け作業は短期で簡単に行なうことができる。また、何回でも使うことができるので大幅なコスト低減が計れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る移動式防音壁の斜視図
である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】従来の防音壁の縦断面図である。

【図４】従来の他の防音壁の側面図である。

【符号の説明】１防音壁本体２凹部３凸部４架台５キヤスタ６溝７支持棒８ボルト９注入口１０充填物１１プラグ１２排出口１３プラグ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】２重構造にした防音壁本体を移動自在の
架台に組み立て、内部に流体または粉体を注入・排出を
可能にしたことを特徴とする移動式防音壁。
【請求項２】請求項１記載の防音壁本体を多数連結
し、該連結部を伝搬音を遮断する構造にしたことを特徴
とする移動式防音壁。