JPH06300235A - 廃熱ボイラ付流動床式ごみ焼却炉 - Google Patents

廃熱ボイラ付流動床式ごみ焼却炉

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JPH06300235A
JPH06300235A JP8630893A JP8630893A JPH06300235A JP H06300235 A JPH06300235 A JP H06300235A JP 8630893 A JP8630893 A JP 8630893A JP 8630893 A JP8630893 A JP 8630893A JP H06300235 A JPH06300235 A JP H06300235A
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芳宏 山本
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賢藏 小倉
Kazuaki Sakata
和昭 坂田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃熱ボイラ付流動床式都市ごみ焼却炉の有害
物質を含む排ガスによる過熱器の腐食をなくすると共
に、熱の回収効率を良くする。 【構成】 ごみ焼却炉の炉本体1の下部の流動床の砂層
4の下部に、過熱器15を構成する螺旋状蒸気通路18
aを有する過熱円筒体18を介して不燃物抜出装置14
aを設け、この過熱円筒体18の蒸気入口18bに、廃
熱ボイラから蒸気供給管19を連通させ、有害物質を含
まない流動床を形成する砂層4の高温の砂を過熱円筒体
18の通過路18dに通して蒸気を過熱すれば、有害物
質を含む排ガスで過熱器15が腐食されることがないの
に加えて、未利用の砂の熱エネルギーを回収することが
できるので熱の回収効率が良くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃熱ボイラ付流動床式
ごみ焼却炉の改善に係り、特に、廃熱ボイラで発生した
蒸気を過熱する過熱器の腐食を防止すると共に、熱の回
収効率の向上を可能ならしめるようにした廃熱ボイラ付
流動床式ごみ焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、大型の都市ごみ焼却炉では、都
市ごみの焼却で発生した熱エネルギーを有効利用するた
めに、電力として回収することが多い。その場合、当然
のことながら、高温の排ガスを排ガスの冷却装置を兼ね
た廃熱ボイラに流入させ、この廃熱ボイラで発生させた
蒸気を活用している。このような廃熱ボイラは、その模
式的構成説明図の図7に示すように、都市ごみ焼却炉と
別置きのものと、その断面図の図8に示すように、都市
ごみ焼却炉の炉頂に付設されてなる都市ごみ焼却炉と一
体型のものとがあるが、都市ごみ焼却施設の設置スペー
ス等を勘案することにより、両者の何れかが採用されて
いる。
【0003】前者の廃熱ボイラが別置きの都市ごみ焼却
炉は、図7に示すように、炉本体1の上部に設けられた
排ガス出口9から第1排ガスダクト31を介して、複数
の水管21を有する廃熱ボイラ20が配設されている。
また、この廃熱ボイラ20の排ガス出口23側は第2排
ガスダクト32を介して、例えばバグフィルタを備えた
集塵装置33に連通すると共に、誘引送風機35が介装
されてなる第3排ガスダクト34を介して煙突36に連
通している。なお、炉本体1に突設されてなる符号8は
ごみ投入口あり、また、炉本体1の内側を示す符号5は
燃焼室である。また、後者の廃熱ボイラと一体型の都市
ごみ焼却炉では、図8に示すように、燃焼室5の上方、
つまり、底部に砂層4からなる流動床を有し、外周部に
ごみ投入口8を有する炉本体1の頂部に、複数の水管2
1を有する廃熱ボイラ20が炉の出口絞り部を介して直
接付設されており、この廃熱ボイラ20にはエコノマイ
ザ24からボイラ用の水が給水されるように構成されて
いる。
【0004】ところで、このような廃熱ボイラ20から
得られる蒸気の圧力は、16〜23kgf/cm2 程度
であった。勿論、より高圧の蒸気が得られる方が好まし
い。しかしながら、廃熱ボイラ20を構成する水管21
が、その表面に堆積したダストや排ガス中の有害物質、
特に、HClが複雑な反応を繰返し、一般に、管壁温度
が320℃を超えると腐食量が増加し、例えば、縦軸に
腐食速度(但し、無次元)をとり、横軸に排ガスの温度
(℃)をとって示す排ガスの温度と腐食速度の関係グラ
フ図の図9に示すように、排ガスの温度が350℃以上
になると、いわゆる高温腐食で水管21の腐食速度が急
激に増大するので、腐食速度を配慮して、廃熱ボイラ2
0への排ガスの温度をあまり高温に設定できないからで
ある。
【0005】それでも、できるだけ多くの電力を回収す
ることが好ましい。そこで、廃熱ボイラから得られる蒸
気を過熱して高温・高圧の過熱蒸気にするため、廃熱ボ
イラの一部に過熱器を配設する事例も多くなってきてい
る。例えば、図8に示すような廃熱ボイラとごみ焼却炉
とが一体型のものを例として説明すると、過熱器15は
廃熱ボイラ20内の排ガスの通路内に配設されるのが一
般的である。
【0006】そのため、電力の回収条件を有利にしよう
とすればするほど水管が激しく腐食される。例えば、縦
軸にSTBA22の450℃×200hr時の腐食量を
1としたときの腐食量比をとり、横軸に排ガスの温度
(℃)をとって示すボイラ用水管の腐食速度と温度との
関係グラフ図の図10に示すように、水管の腐食速度は
排ガスの温度上昇に呼応して急上昇する。結果的に水管
が早期に損耗してしまうので、例えば、40kgf/c
2 ・400℃程度の過熱蒸気を回収する過熱器15で
は、毎年1回点検し、必要に応じて新品の過熱器と取替
える必要がある。さらに、30kgf/cm2 ・300
℃程度の過熱蒸気を得る過熱器15であっても、より高
級な材質を採用しなければならない。
【0007】なお、150Ton/日の焼却能力を有す
る都市ごみ焼却炉から回収し得る電力量を比較してみる
と、23kgf/cm2 の蒸気を用いる場合には約22
00KWの電力を回収することができ、蒸気を30kg
f/cm2 ・300℃の過熱蒸気にすると約2400K
Wの電力を回収することができ、さらに、40kgf/
cm2 ・400℃の過熱蒸気にすると約2600KWの
電力を回収することができる。つまり、より高温・高圧
の過熱蒸気を採用すれば熱エネルギーからの電力として
の回収量を向上させることが可能になる。
【0008】勿論、水管の腐食を考慮して、過熱器15
を廃熱ボイラ20の出口側に配設すれば、最近の排ガス
処理設備ではバグフィルタが採用されていることや排ガ
スからの回収熱量を最大にすることのために、廃熱ボイ
ラ20の出口温度が200℃以下に設定されているので
その腐食速度を抑制することが可能である。しかしなが
ら、排ガスと回収する蒸気との温度差が当然少なくなる
ので、過熱器の伝熱面積を広くする必要が生じだけでな
く、回収した蒸気の温度が排ガスの温度よりも高温にな
るので、このような過熱器15を廃熱ボイラ20の出口
側に設置することができない。
【0009】従って、高温・高圧の蒸気を回収するため
の過熱器15では、廃熱ボイラ20の排ガスの入口側の
高温部位に配設せざるを得ないが、効率を最大限に確保
し、しかも、水管の腐食をも考慮し、廃熱ボイラ20の
入口側の第2室に配設する場合が多い。この場合、過熱
器15は他の水管群と独立させて、容易に取り替え得る
ように構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり、廃熱ボ
イラで効率良く電力を回収するためには、過熱器を配設
して、高温・高圧の過熱蒸気を回収する必要があるが、
過熱器は高温の排ガスに晒されるので、排ガス中のダス
トやHCl等の有害ガスで腐食され、高温になればなる
ほど急激に過熱器の腐食が進行してしまう。そのため、
過熱器を取替え易い構造とし、1年〜数年で取り替えな
ければならないのに加えて、頻繁に点検しなければなら
ないので、設備的にも多大な取替・メインテナンス費を
要するだけでなく、長期間の安定した運転も行えないと
いう解決すべき課題があった。
【0011】一方、都市ごみ用の流動床式焼却炉におい
て不燃物は、不燃物抜出装置により流動床を形成する砂
層の砂と共に抜出される。そして、不燃物が分離された
砂は、再び流動床に戻されるというように循環使用され
ているが、抜出された砂の熱量の有効利用がなされてお
らず、炉全体として熱の利用効率が必ずしも十分でない
という解決すべき課題があった。
【0012】従って、本発明の目的とするところは、過
熱器の腐食を防ぎ、長期間安定した運転を可能ならしめ
る過熱器を備え、かつ循環使用される砂の熱も有効活用
し得るようにした廃熱ボイラ付流動床式ごみ焼却炉を提
供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、不燃物抜出装
置により不燃物と共に抜出され、有害ガス等を含まない
流動床を形成する砂層の砂の熱エネルギーを有効活用す
れば、過熱器の腐食を防止し得て、しかも、熱エネルギ
ーの回収効率が向上すると考えてなしたものであって、
従って、上記各課題を解決するために、本発明に係る廃
熱ボイラ付流動床式ごみ焼却炉が採用した主たる手段の
特徴とするところは、砂層からなる流動床を有し、該流
動床の砂層の下方部に不燃物を下方に抜出す不燃物抜出
装置を有し、かつ、該流動床の上方に燃焼室を有する炉
本体が設けられ、該炉本体の排ガスの出口側に廃熱ボイ
ラが設けられてなる廃熱ボイラ付流動床式ごみ焼却炉に
おいて、上記流動床の砂層部と不燃物抜出装置との間
に、蒸気入口を有し、上記流動床から不燃物と共に抜出
される流動床を形成する砂層の砂が通る通過路を有する
過熱器を介装すると共に、上記蒸気入口に上記廃熱ボイ
ラから蒸気を供給する蒸気供給管を連通させたところに
ある。
【0014】
【作用】本発明の請求項に係る廃熱ボイラ付流動床式ご
み焼却炉によれば、廃熱ボイラ付流動床式ごみ焼却炉の
流動床の砂層部と不燃物抜出装置との間に、蒸気入口を
有し、上記流動床から不燃物と共に抜出される流動床を
形成する砂層の砂が通る通過路を有する過熱器を介装す
ると共に、上記蒸気入口に上記廃熱ボイラから蒸気を供
給する蒸気供給管を連通させたので、この蒸気供給管か
ら蒸気入口を介して過熱器に流入する蒸気は、不燃物と
共に抜出される流動床を形成する砂層の砂が通過路を通
ることによって過熱されるが、ごみの燃焼で発生した有
害ガスは、排ガス側に移って砂層中に残らないため、こ
の過熱器は、従来のように有害ガスに晒されることがな
い。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例1に係る廃熱ボイラ付
流動床式ごみ焼却炉(以下、ごみ焼却炉という)の例
を、その概略側面断面図の図1と、図1のA部拡大図の
図2とを順次参照しながら、従来と同一のもの並びに同
一機能を有するものを同一符号を以て説明する。
【0016】図1に示す符号1は、ごみ焼却炉の炉本体
であって、この炉本体1は、風箱2の上に設けられ、1
次空気送風機6から1次空気供給管を通して風箱2に供
給された1次空気が、この風箱2の上部に設けられた分
散板3の散気ノズル3aから炉本体1の内部に吹込まれ
るようになっている。上記分散板3によって砂層4から
なる流動床が支えられており、そして、砂層4の上方に
は、外周回りに周設された複数の2次空気吹込ノズル5
aからこの内部に吹込まれる2次空気により未燃ガスを
燃焼させる燃焼室5が形成されている。上記2次空気吹
込ノズル5aには2次空気送風機7から2次空気供給管
を通して2次空気が供給されるように構成されている。
【0017】また、燃焼室5の上方には炉本体1の本体
の径方向の中心に対して偏心した位置の一方には排ガス
出口9が、また、偏心した位置の他方(側面または上
面)にはごみが投入されるごみ投入口8がそれぞれ設け
られている。一方、排ガスと燃焼空気を確実に混合し、
排ガスを完全燃焼させるために、排ガス出口9の上方に
は再燃焼室10が設けられる。この再燃焼室10には、
燃焼室5から流入する排ガスの流れを乱すために入口側
面に突起部12を設け、その上部壁部には複数の2次空
気吹込ノズル11が炉本体1の壁を貫通して設けてられ
ている。
【0018】上記2次空気吹込ノズル11には、前記2
次空気送風機7から2次空気吹込ノズル5aに2次空気
を送給する2次空気供給管から分岐した分岐供給管が連
通しており、2次空気送風機7から分岐供給管を通して
送給される空気が2次空気として2次空気吹込ノズル1
1から再燃焼室10に吹込まれるようになっている。
【0019】上記再燃焼室10の上部には、再燃焼室1
0の出口の絞部13の径と同じ入口径の排ガス入口22
を有すると共に、複数の水管21を有し、周知のエコノ
マイザ24から給水を受ける廃熱ボイラ20が配設され
ている。そして、図示省略しているが、廃熱ボイラ20
の排ガス出口23は、従来のごみ焼却炉と同様に、第2
排ガスダクトを介して集じん装置に連通すると共に、誘
引送風機が介装されてなる第3排ガスダクトを介して煙
突に連通している。
【0020】さらに、図2に示すように、前記分散板3
の径方向の中心位置から、後述する過熱器15を介し
て、ごみ投入口8から炉本体1に投入されたごみのう
ち、燃焼させ得ない瓦礫や鉄分等の不燃物を抜出す不燃
物抜出管14が下向きに延設され不燃物抜出装置14a
に接続されている。上記過熱器15は、分散板3中央位
置で開口する不燃物抜出口3bの径方向の中心と合致す
る筒状の鉄皮16と、この鉄皮16の内側に設けられる
断熱キャスタブル17と、この断熱キャスタブル17の
内周側に埋設され、外方に突出する蒸気入口18bを下
部側に、また、外方に突出する蒸気出口18cを上部側
に有し、径方向の中心に、不燃物抜出口3bから不燃物
と共に抜出される砂が通る通過路18dを有すると共
に、肉厚部に螺旋状に形成され、蒸気が通る螺旋状蒸気
通路18aを有する過熱円筒体18とから構成されてい
る。
【0021】また、図1に示すように、上記廃熱ボイラ
20から過熱円筒体18の下部に設けた蒸気入口18b
に蒸気供給管19が連通している。そして、図示省略し
ているが、上部に設けた蒸気出口18cから過熱蒸気が
蒸気吐出管を介して発電機駆動用の蒸気タービンに連通
している。なお、上記過熱円筒体18は、例えば、鉄、
銅等の熱の伝わり易い金属の円筒状鋳物で形成されてい
て、通過路18dの内壁面は、抜出中の不燃物が引っ掛
かったりすることのないように滑らかに仕上げられてい
る。
【0022】以下、上記ごみ焼却炉の作用態様を説明す
ると、ごみ焼却炉に投入されたごみは、先ず、流動床で
燃焼するので、流動床の砂層4の温度は600〜800
℃の高温に保持される。つまり、ごみの燃焼で発生した
未燃ガスは、砂層の上方の燃焼室において、ここに吹込
まれる二次空気で完全燃焼が図られ、排ガスの温度は8
50〜900℃の高温になる。高温の排ガスが、廃熱ボ
イラ20の中に流入して冷却されると共に、水管21中
の水を加熱して蒸気を発生させる。このようにして、廃
熱ボイラ20から発生した蒸気が蒸気供給管19から蒸
気入口17bを介して過熱円筒体18の螺旋状蒸気通路
18a中に供給される。
【0023】ここで、例えば、30kgf/cm2 の飽
和蒸気を例として考えると、この飽和蒸気の温度は23
3℃である。このような温度233℃の飽和蒸気をさら
に高温の300℃の過熱蒸気にするためには、Δt=6
7℃昇温させるための過熱用熱量46kcal/kgが
必要となる。この過熱用熱量に対して、流動床を形成す
る砂層4の砂の温度は、上記のとおり、600〜800
℃になっている。つまり、砂層の砂中へは、常にごみの
燃焼により燃焼熱が補充されており、螺旋状蒸気通路1
8a中の蒸気の過熱に必要な熱量と温度差が確保され続
けている。
【0024】また、ごみ焼却炉では、上記した通り、焼
却すべき都市ごみ中に瓦礫や鉄分等の不燃物が含まれて
いるため、これら不燃物を流動床を形成する砂層4中の
砂と共にごみ焼却炉外へ抜出し、抜出した砂と不燃物と
を振動篩いで分離し、不燃物のみを系外に取り出し、砂
を再びごみ焼却炉内へ戻す循環系が付設されている。そ
して、この砂層では、焼却すべき各種のごみは、熱分解
すると共にガス化して燃焼し、固形ごみは、砂の動きに
より細かく解砕され、微粉状のカーボンとなって燃焼が
進行する。そのため、燃焼で発生するHCl,SOX
の有害な腐食原因物質は、砂側には残らずに全てが排ガ
ス側へ移る一方、砂側は、不燃物中のカルシウム分によ
って中和されており、高温ではあるが腐食雰囲気ではな
い状態が確保されている。
【0025】従って、廃熱ボイラ20から蒸気供給管1
9、蒸気入口18bを順次通って過熱円筒体18の螺旋
状蒸気通路18a中に流入した蒸気は、この螺旋状蒸気
通路18aを通過する間に、不燃物抜出口3bから不燃
物と共に抜出される600〜800℃の砂が通過路18
dを通ることにより過熱されて過熱蒸気として蒸気出口
18cから排出されるが、上記の通り、この抜出される
砂にはHCl,SOX等の有害な腐食原因物質が含まれ
ていないので、過熱円筒体18、つまり、過熱器15が
腐食されることがない。さらに、従来回収されていなか
った砂の熱エネルギーが回収されるのに加えて、廃熱ボ
イラ20でも燃焼排ガスの熱エネルギーを効果的に回収
することができるので、ごみ焼却炉の発生熱の回収効率
を大幅に向上させることができる。
【0026】このような過熱器15を設置する不燃物抜
出口3bの抜出口径は、小型のごみ焼却炉では、φ60
0mmが標準であるが、実績的には流動床径φ1.9m
に対して、φ0.6mの抜出口径で確実に適切な炉内の
流動と不燃物の抜出特性が確保できている。また、上記
のような廃熱ボイラ20が付設される大型のごみ焼却炉
では、例えば、流動床径φ6mに対して、抜出口径は約
φ2mまでが可能であって、適切な過熱器15の伝熱面
積を確保することができる。
【0027】次に、この過熱器15で回収し得る熱量
は、抜出されて過熱円筒体18を通過する砂の温度と量
とに関係する。小型のごみ焼却炉では、通常、3Ton
/hr程度の砂が抜出されるが、抜出口径の増加と併せ
て抜出速度を速めることによって、10〜15Ton/
hr程度の砂の抜出量を確保することができる。なお、
この砂の抜出量は、流動床の砂層4の砂の温度を検出
し、不燃物抜出管14の下部が連結される不燃物抜出装
置14aの回転数を調整して制御し、砂層の砂中のごみ
の燃焼と、砂への熱の供給量とをコントロールすること
ができる。
【0028】ところで、図1では、廃熱ボイラ20側で
蒸気を発生させ、分散板3と不燃物抜出管14との間に
介装した過熱円筒体18を有する過熱器15で蒸気を過
熱するようにしたが、ごみ焼却炉の大きさ、発生蒸気量
の程度によっては、実施例2に係るごみ焼却炉の概略側
面断面図の図3aに示すように、廃熱ボイラ20で得ら
れた蒸気を、中間の30kgf/cm2 ・300℃程度
まで、廃熱ボイラ20内に配設した前過熱器15aで前
過熱すると共に、その蒸気を、上記過熱円筒体18を有
する過熱器15に導いてさらに過熱するようにしても良
い。つまり、このようにすると、前過熱器15aの温度
をそれほど高温にする必要がないので、この前過熱器1
5aの水管の腐食量を抑制し得るからである。
【0029】また、前過熱器の他の配設位置説明図の図
3bに示すように、ごみ焼却炉の炉本体1のごみ投入口
8付近における天井壁に前過熱器15aが付設されてい
るものもある。この場合、この前過熱器15aから前過
熱した蒸気を上記実施例に係る過熱器15に送込んで、
過熱蒸気を得るように構成しても良い。
【0030】ところで、ごみ焼却炉の不燃物抜出部の構
造は、ごみ焼却炉の形式や分散板の構造等によって当然
相違する。上記実施例に係るごみ焼却炉は、中央円筒抜
出方式になる円筒型のごみ焼却炉であるが、円筒型のご
み焼却炉の他に、例えば、角型のごみ焼却炉がある。こ
のような角型のごみ焼却炉には、両抜出方式、全面下部
抜出方式、あるいは、中央角型抜出方式等が採用されて
いるが、これらごみ焼却炉の不燃物抜出部に対しても、
過熱器の配設状況説明図の図4,図5、図6にそれぞれ
示すように、本発明に係る構成の過熱器15を配設する
ことができる。なお、以上では、ごみ焼却炉の炉本体1
の頂部に廃熱ボイラが付設された一体型の場合を例とし
て説明したが、本発明に係る技術的思想を別置き型のご
み焼却炉に対しても適用することが可能である。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るごみ
焼却炉によれば、都市ごみの燃焼によって発生した有害
ガスは、排ガス側に移り、流動床を形成する砂層中に残
らないため、流動床と不燃物抜出装置との間に介装され
ている過熱器は有害ガスに晒されることがない。そし
て、不燃物と共に抜出され砂により、蒸気供給管から過
熱器中に供給された蒸気がさらに過熱される。そのた
め、従来の過熱器のように腐食されることなく長期間使
用し得るので、過熱器の取替・メインテナンス費の削減
が可能になるだけでなく、長期間の安定した運転が行え
る。
【0032】さらに、上記の通り、従来活用されていな
かった流動床を形成する砂層の砂の熱エネルギーを有効
に活用することにより、ごみ焼却炉の熱エネルギーが回
収されるのに加えて、廃熱ボイラに流入する排ガスの温
度を、従来のように、高温に設定する必要がないので、
廃熱ボイラで効率良く排ガスの熱エネルギーを回収する
ことができるので、ごみ焼却炉から発生する熱全体の回
収効率が一層向上するという多大な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るごみ焼却炉の概略側面
断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図3aは本発明の実施例2に係るごみ焼却炉の
概略側面断面図、図3bは前過熱器の他の配設位置説明
図である。
【図4】本発明の実施例に係り、角型のごみ焼却炉に対
する過熱器の配設状況説明図である。
【図5】本発明の実施例に係り、角型のごみ焼却炉に対
する過熱器の配設状況説明図である。
【図6】本発明の実施例に係り、角型のごみ焼却炉に対
する過熱器の配設状況説明図である。
【図7】従来例に係る廃熱ボイラが別置きの都市ごみ焼
却炉の斜断面図である。
【図8】従来例に係る廃熱ボイラと一体型の都市ごみ焼
却炉の断面図である。
【図9】排ガスの温度と腐食速度の関係グラフ図であ
る。
【図10】ボイラ用水管の腐食速度と温度との関係グラ
フ図である。
【符号の説明】
1…炉本体(都市ごみ焼却炉)、4…砂層(流動床)、
5…燃焼室、14…不燃物抜出管、14a…不燃物抜出
装置、15…過熱器、15a…前過熱器、18…過熱円
筒体、18a…螺旋状蒸気通路、18b…蒸気入口、1
8c…蒸気出口、18d…通過路、19…蒸気供給管、
20…廃熱ボイラ、21…水管。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砂層からなる流動床を有し、該流動床の
    砂層の下方部に不燃物を下方に抜出す不燃物抜出装置を
    有し、かつ、該流動床の上方に燃焼室を有する炉本体が
    設けられ、該炉本体の排ガスの出口側に廃熱ボイラが設
    けられてなる廃熱ボイラ付流動床式ごみ焼却炉におい
    て、上記流動床の砂層部と不燃物抜出装置との間に、蒸
    気入口を有し、上記流動床から不燃物と共に抜出される
    流動床を形成する砂層の砂が通る通過路を有する過熱器
    を介装すると共に、上記蒸気入口に上記廃熱ボイラから
    蒸気を供給する蒸気供給管を連通させたことを特徴とす
    る廃熱ボイラ付流動床式ごみ焼却炉。
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JP2014040938A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Kiyoshi Asai 流動層式熱反応装置の構造及びその廃棄物の処理方法

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