JPH06299275A - 高強度を有する電気電子機器の構造部材用Cu合金 - Google Patents
高強度を有する電気電子機器の構造部材用Cu合金Info
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- JPH06299275A JPH06299275A JP10895293A JP10895293A JPH06299275A JP H06299275 A JPH06299275 A JP H06299275A JP 10895293 A JP10895293 A JP 10895293A JP 10895293 A JP10895293 A JP 10895293A JP H06299275 A JPH06299275 A JP H06299275A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高強度を有する電気電子機器の構造部材用C
u合金を提供する。 【構成】 Cu合金が、重量%で、Zn:3.2〜10
%、Sn:0.1〜1%、Fe:0.1〜3%、P:
0.01〜0.5%を含有し、さらに必要に応じてN
i:0.2〜1.2%、Si:0.1〜0.5%を含有
し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有する。
u合金を提供する。 【構成】 Cu合金が、重量%で、Zn:3.2〜10
%、Sn:0.1〜1%、Fe:0.1〜3%、P:
0.01〜0.5%を含有し、さらに必要に応じてN
i:0.2〜1.2%、Si:0.1〜0.5%を含有
し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高強度を有し、した
がって各種電気電子機器の構造部材として用いた場合
に、これの薄肉化による軽量化や小型化に寄与すること
ができるCu合金に関するものである。
がって各種電気電子機器の構造部材として用いた場合
に、これの薄肉化による軽量化や小型化に寄与すること
ができるCu合金に関するものである。
【0020】
【従来の技術】従来、一般に端子やコネクタ、さらに半
導体装置のリードフレームなどの各種電気電子機器の構
造部材の製造に数多くのCu合金が用いられていること
は良く知られるところである。
導体装置のリードフレームなどの各種電気電子機器の構
造部材の製造に数多くのCu合金が用いられていること
は良く知られるところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の電気電子
機器に対する軽量化および小型化の要求は増々厳しさを
増し、これに伴ない、これの構造部材にも薄肉化および
小型化が強く求められているが、数多く提案されている
従来Cu合金の場合、いずれも十分な強度をもつもので
はないため、必ずしもこれらの要求に満足に対応するこ
とができないのが現状である。
機器に対する軽量化および小型化の要求は増々厳しさを
増し、これに伴ない、これの構造部材にも薄肉化および
小型化が強く求められているが、数多く提案されている
従来Cu合金の場合、いずれも十分な強度をもつもので
はないため、必ずしもこれらの要求に満足に対応するこ
とができないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、高強度を有するCu合金を開発
すべく研究を行なった結果、重量%で(以下、%は重量
%を示す)、Zn:3.2〜10%、 Sn:0.1〜
1%、Fe:0.1〜3%、 P:0.01〜0.
5%、を含有し、さらに必要に応じて、Ni:0.2〜
1.2%、 Si:0.1〜0.5%、を含有し、残り
がCuと不可避不純物からなる組成を有するCu合金
は、NiとSiが素地に微細に分散する化合物、さらに
必要に応じて同じく素地に微細分散するFeとPの化合
物によって著しく高い強度を具備するようになり、電気
電子機器の構造部材の薄肉化および小型化に十分満足に
対応することが可能であるという研究結果を得たのであ
る。
上述のような観点から、高強度を有するCu合金を開発
すべく研究を行なった結果、重量%で(以下、%は重量
%を示す)、Zn:3.2〜10%、 Sn:0.1〜
1%、Fe:0.1〜3%、 P:0.01〜0.
5%、を含有し、さらに必要に応じて、Ni:0.2〜
1.2%、 Si:0.1〜0.5%、を含有し、残り
がCuと不可避不純物からなる組成を有するCu合金
は、NiとSiが素地に微細に分散する化合物、さらに
必要に応じて同じく素地に微細分散するFeとPの化合
物によって著しく高い強度を具備するようになり、電気
電子機器の構造部材の薄肉化および小型化に十分満足に
対応することが可能であるという研究結果を得たのであ
る。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、以下に成分組成を上記の通りに
限定した理由を説明する。 (a) Zn Zn成分には、素地に固溶して、導電性を大巾に損なう
ことなく、強度、耐マイグレーション性、および耐めっ
き加熱剥離性を向上させる作用があるが、その含有量が
3.2%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方その含有量が10%を越えると耐応力腐食割れ性が低
下するようになることから、その含有量を3.2〜10
%を定めた。
なされたものであって、以下に成分組成を上記の通りに
限定した理由を説明する。 (a) Zn Zn成分には、素地に固溶して、導電性を大巾に損なう
ことなく、強度、耐マイグレーション性、および耐めっ
き加熱剥離性を向上させる作用があるが、その含有量が
3.2%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方その含有量が10%を越えると耐応力腐食割れ性が低
下するようになることから、その含有量を3.2〜10
%を定めた。
【0006】(b) Sn Sn成分には、素地に固溶して強度、ばね性、および曲
げ加工性を向上させる作用があるが、その含有量が0.
1%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量が1%を越えると導電率が低下するようになる
ことから、その含有量を0.1%〜1%と定めた。
げ加工性を向上させる作用があるが、その含有量が0.
1%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量が1%を越えると導電率が低下するようになる
ことから、その含有量を0.1%〜1%と定めた。
【0007】(c) FeおよびP これらの成分には、その一部が素地に固溶するが、大部
分は単独に、あるいは相互に結合して素地に微細に分散
する化合物を形成し、導電率を損なうことなく、強度を
著しく向上させる作用がある。したがって、Feおよび
PのいずれかでもFe:0.1%未満およびP:0.0
1%未満になると所望の高強度を確保することができ
ず、一方その含有量が、それぞれFe:3%およびP:
0.5%を越えると、Fe−P化合物が粗大化し易くな
り、これによって耐めっき加熱剥離性が低下するように
なることから、その含有量を、Fe:0.1〜3%、
P:0.01〜0.5%と定めた。
分は単独に、あるいは相互に結合して素地に微細に分散
する化合物を形成し、導電率を損なうことなく、強度を
著しく向上させる作用がある。したがって、Feおよび
PのいずれかでもFe:0.1%未満およびP:0.0
1%未満になると所望の高強度を確保することができ
ず、一方その含有量が、それぞれFe:3%およびP:
0.5%を越えると、Fe−P化合物が粗大化し易くな
り、これによって耐めっき加熱剥離性が低下するように
なることから、その含有量を、Fe:0.1〜3%、
P:0.01〜0.5%と定めた。
【0008】(d) NiおよびSi これらの成分には、その一部が素地に固溶するが、大部
分は相互に結合して、Fe−P化合物と共に素地に微細
に分散する化合物を形成して、強度を一段と向上させる
作用があるので、必要に応じて含有されるが、その含有
量がNi:0.2%未満およびSi:0.1%未満では
所望の強度向上効果が得られず、一方その含有量がN
i:1.2%およびSi:0.5%を越えると、プレス
打抜き加工での耐金型摩耗性が低下するようになること
から、その含有量をNi:0.2〜1.2%、Si:
0.1〜0.5%と定めた。
分は相互に結合して、Fe−P化合物と共に素地に微細
に分散する化合物を形成して、強度を一段と向上させる
作用があるので、必要に応じて含有されるが、その含有
量がNi:0.2%未満およびSi:0.1%未満では
所望の強度向上効果が得られず、一方その含有量がN
i:1.2%およびSi:0.5%を越えると、プレス
打抜き加工での耐金型摩耗性が低下するようになること
から、その含有量をNi:0.2〜1.2%、Si:
0.1〜0.5%と定めた。
【0009】
【実施例】つぎに、この発明のCu合金を実施例により
具体的に説明する。通常の低周波誘導炉を用い、大気
中、木炭被覆下でそれぞれ表1に示される成分組成をも
ったCu合金を溶製し、半連続鋳造法にて厚さ:130
mm×幅:350mm×長さ:1600mmの寸法をもった鋳
塊に鋳造し、この鋳塊に700〜950℃の範囲内の所
定の圧延開始温度にて熱間圧延を施して、厚さ:10mm
の熱延板とし、水冷後、上下両面を0.5mmづつ、また
両側端部を3mmづつそれぞれ面削し、ついで上記熱延板
に通常の条件で冷間圧延と焼鈍を繰り返し施し、仕上げ
圧延率:90%にて条材とすることにより厚さ:0.2
5mmの本発明Cu合金1〜10および比較Cu合金1〜
4をそれぞれ製造した。なお、上記比較Cu合金1〜4
は、いずれも構成成分のうちのいずれかの成分含有量
(表1に※印を付す)がこの発明の範囲から外れたもの
である。この結果得られた各種のCu合金について、引
張強度と耐力を測定した結果を表1に示した。
具体的に説明する。通常の低周波誘導炉を用い、大気
中、木炭被覆下でそれぞれ表1に示される成分組成をも
ったCu合金を溶製し、半連続鋳造法にて厚さ:130
mm×幅:350mm×長さ:1600mmの寸法をもった鋳
塊に鋳造し、この鋳塊に700〜950℃の範囲内の所
定の圧延開始温度にて熱間圧延を施して、厚さ:10mm
の熱延板とし、水冷後、上下両面を0.5mmづつ、また
両側端部を3mmづつそれぞれ面削し、ついで上記熱延板
に通常の条件で冷間圧延と焼鈍を繰り返し施し、仕上げ
圧延率:90%にて条材とすることにより厚さ:0.2
5mmの本発明Cu合金1〜10および比較Cu合金1〜
4をそれぞれ製造した。なお、上記比較Cu合金1〜4
は、いずれも構成成分のうちのいずれかの成分含有量
(表1に※印を付す)がこの発明の範囲から外れたもの
である。この結果得られた各種のCu合金について、引
張強度と耐力を測定した結果を表1に示した。
【0010】
【表1】
【発明の効果】表1に示される結果から、通常各種の電
気電子機器の構造部材に用いられているCu合金のもつ
引張強さが550〜680N/mm2 程度、耐力が490
〜630N/mm2 程度であるのに対して、本発明Cu合
金1〜10は、これより一段と高い引張強さと耐力を示
すことが明らかであり、また比較Cu合金1〜4に見ら
れるように、構成成分のうちのいずれかの成分含有量が
この発明の範囲から低い方に外れても所望の高強度を確
保することができないことが明らかである。上述のよう
に、この発明のCu合金は高強度を有するので、これを
各種電気電子機器の構造部材として用いた場合、これの
薄肉化を可能とし、軽量化および小型化に寄与するもの
である。
気電子機器の構造部材に用いられているCu合金のもつ
引張強さが550〜680N/mm2 程度、耐力が490
〜630N/mm2 程度であるのに対して、本発明Cu合
金1〜10は、これより一段と高い引張強さと耐力を示
すことが明らかであり、また比較Cu合金1〜4に見ら
れるように、構成成分のうちのいずれかの成分含有量が
この発明の範囲から低い方に外れても所望の高強度を確
保することができないことが明らかである。上述のよう
に、この発明のCu合金は高強度を有するので、これを
各種電気電子機器の構造部材として用いた場合、これの
薄肉化を可能とし、軽量化および小型化に寄与するもの
である。
フロントページの続き (72)発明者 千葉 俊一 福島県会津若松市扇町128−7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 (72)発明者 小野 信雄 福島県会津若松市扇町128−7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 (72)発明者 土川 真由起 福島県会津若松市扇町128−7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 Zn:3.2〜10%、 Sn:0.1〜1%、 Fe:0.1〜3%、 P:0.01〜0.5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有
することを特徴とする高強度を有する電気電子機器の構
造部材用Cu合金。 - 【請求項2】 重量%で、 Zn:3.2〜10%、 Sn:0.1〜1%、 Fe:0.1〜3%、 P:0.01〜0.5%、 を含有し、さらに、 Ni:0.2〜1.2%、 Si:0.1〜0.5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有
することを特徴とする高強度を有する電気電子機器の構
造部材用Cu合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10895293A JPH06299275A (ja) | 1993-04-12 | 1993-04-12 | 高強度を有する電気電子機器の構造部材用Cu合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10895293A JPH06299275A (ja) | 1993-04-12 | 1993-04-12 | 高強度を有する電気電子機器の構造部材用Cu合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06299275A true JPH06299275A (ja) | 1994-10-25 |
Family
ID=14497816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10895293A Pending JPH06299275A (ja) | 1993-04-12 | 1993-04-12 | 高強度を有する電気電子機器の構造部材用Cu合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06299275A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0908526A1 (en) * | 1997-09-16 | 1999-04-14 | Waterbury Rolling Mills, Inc. | Copper alloy and process for obtaining same |
WO2000029632A1 (en) * | 1998-11-16 | 2000-05-25 | Olin Corporation | Stress relaxation resistant brass |
EP1009866A1 (en) * | 1997-04-18 | 2000-06-21 | Olin Corporation | Grain refined tin brass |
US6679956B2 (en) | 1997-09-16 | 2004-01-20 | Waterbury Rolling Mills, Inc. | Process for making copper-tin-zinc alloys |
JP2014019907A (ja) * | 2012-07-18 | 2014-02-03 | Sh Copper Products Corp | 電気・電子部品用銅合金 |
-
1993
- 1993-04-12 JP JP10895293A patent/JPH06299275A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1009866A1 (en) * | 1997-04-18 | 2000-06-21 | Olin Corporation | Grain refined tin brass |
EP1009866A4 (en) * | 1997-04-18 | 2002-02-06 | Olin Corp | GRAIN-TINED BRASS |
EP0908526A1 (en) * | 1997-09-16 | 1999-04-14 | Waterbury Rolling Mills, Inc. | Copper alloy and process for obtaining same |
KR100344782B1 (ko) * | 1997-09-16 | 2002-07-20 | 워터베리 롤링 밀즈,인코퍼레이티드 | 구리 베이스 합금과 그의 제조 방법 |
US6679956B2 (en) | 1997-09-16 | 2004-01-20 | Waterbury Rolling Mills, Inc. | Process for making copper-tin-zinc alloys |
WO2000029632A1 (en) * | 1998-11-16 | 2000-05-25 | Olin Corporation | Stress relaxation resistant brass |
US6471792B1 (en) * | 1998-11-16 | 2002-10-29 | Olin Corporation | Stress relaxation resistant brass |
JP2014019907A (ja) * | 2012-07-18 | 2014-02-03 | Sh Copper Products Corp | 電気・電子部品用銅合金 |
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