JPH06299089A - プライマー組成物および難接着プラスチック素材の加工方法 - Google Patents

プライマー組成物および難接着プラスチック素材の加工方法

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JPH06299089A
JPH06299089A JP5091312A JP9131293A JPH06299089A JP H06299089 A JPH06299089 A JP H06299089A JP 5091312 A JP5091312 A JP 5091312A JP 9131293 A JP9131293 A JP 9131293A JP H06299089 A JPH06299089 A JP H06299089A
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正 北村
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賢一 八城
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カルボキシル基または酸無水物基を含有する
スチレンブロックポリマーとグリシジル基を含有するス
チレンブロックポリマーおよび溶剤とからなる、常温で
液体のプライマー組成物であり、該プライマー組成物を
ポリカーボネートやアクリル樹脂などの難接着プラスチ
ックの表面に薄く塗布し、乾燥および焼付けを行なって
硬化被膜を形成させ、接着加工または塗装などの2次加
工に供する加工方法。 【効果】 プライマー組成物を用いてポリカーボネート
やアクリル素材の表面に対し強靱な熱硬化被膜を形成さ
せた結果、特に100℃以上の環境下での長期耐熱密着
信頼性が発揮され、自動車用灯具などの耐熱シール限界
性が大幅に向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカ−ボネ−ト(以
下PCと呼ぶ)、ポリエステル−ポリカ−ボネ−ト(以
下PEPCと呼ぶ)、ポリプロピレン(以下PPと呼
ぶ)、ポリエチレン(以下PEと呼ぶ)、ポリエチレン
テレフタレート樹脂(以下PETと呼ぶ)、ポリメタア
クリル酸メチル(以下P−MMAと呼ぶ)で代表される
難接着プラスチック素材およびガラス、セラミック、コ
ンクリート、金属等の無機素材を対象として接着・塗装
・ラミネーション・複合化する際に用いるプライマ−組
成物とその前処理加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車輌用部品の例えば自動車用
ヘッドランプのPC、PEPC、ガラスなどで代表され
るレンズ部と、PP、ガラス繊維入りPETなどで代表
されるハウジング部との接着シ−ルは、そのほとんどが
オレフィン系を主体としたホットメルト型シ−リング材
を使用して行なっており、その産業上の有益性は広く知
られているところであり、瞬間接着性、無公害の観点か
らも益々重要な位置を築きつつある。
【0003】また、車輌用部品の例えば自動車用PPバ
ンパーの素材表面にアクリル塗料、ウレタン塗料等の塗
装を行なうに際しては、オゾン酸化後、塩素化PP樹脂
組成物からなるプライマー処理を行なっており、産業
上、プライマー組成物の発展が特に重要となっている。
【0004】また近年では、制振・遮音材料分野、複合
鋼板分野、各種シールド分野等に於いて特に、鋼板同士
の接着、鋼板とプラスチックの接着複合化等の分野に於
いて、耐候性や軽量化さらには低コスト化の観点から外
板としてのプラスチック化が検討されつつある。
【0005】その様な目的達成化のためのプラスチック
素材としてPC、PEPC、PP、PE、P−MMA等
の難接着プラスチック素材が頻繁に使用検討されるよう
になってきている。
【0006】各種の難接着プラスチック素材に対応する
プライマー組成物、接着剤、塗料の開発も盛んに行なわ
れていて、プライマー組成物に関する従来技術およびそ
の加工方法は以下のものがある。
【0007】例えば、PPと金属の接着に際して特開昭
58−117224によれば、金属表面にプライマー組
成物として不飽和結合を持つシラン化合物と過酸化物と
遷移金属化合物からなるプライマー組成物を提案してい
るが、PPが熱時過酸化物で酸化劣化する欠点を有して
いる。また例えば、特開昭62−273241には、接
着性を改善するポリオレフィン樹脂組成物として不飽和
カルボン酸変性のPP樹脂と安息香酸金属塩との組成物
を提案しているが、基本的に常温で固形の熱可塑性の成
型用樹脂組成物であり、この組成物をプライマーとして
応用するとしても変性PP樹脂は結晶質の為、常温では
一般的な溶剤にほとんど不溶であり、したがって液状プ
ライマー組成物とはならない。
【0008】また例えば、α−シアノアクリレート系接
着剤のPP素材専用プライマーとして、高級脂肪酸の金
属化合物のプライマー溶液が提案されているが、α−シ
アノアクリレート系接着剤では有効であるが、その他の
接着剤では効果が極めて小さい。高級脂肪酸の金属化合
物は一般的には高分子樹脂の内部離型剤として知られ、
接着剤または塗料組成物にはおのずと適合性が限定され
る様である。
【0009】また、有機亜リン酸エステル化合物が前記
した難接着プラスチック素材、特にPPの接着耐久性改
良に、効果が有ると一般に認識されているが、単独での
プライマー処理では製品の耐水性が欠ける事や一般的な
塗装製品では塗料組成物の激しい加水分解が起こり劣化
する等の欠点を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで素材として使
用される、PC、PEPC、P−MMA等の接着を行な
った場合に、しばしば界面接着信頼性が損われる問題が
発生している。
【0011】すなわち上記した素材を例えばホットメル
ト型接着剤で接着した場合には、約170℃以上の溶融
状態のホットメルト型シ−リング材の塗布時または接合
時に、素材表面から水蒸気と思われる著しいガスの発生
が観察され、その結果として接着レンズ素材界面にミク
ロのボイド(微小な接着欠陥)を残す。この為著しく接
着信頼性を欠く事となる。
【0012】更に接合時に発生したミクロボイドは、高
温にさらされると、素材からの水蒸気ガス発生応力によ
ってさらに欠陥ボイド部が肥大化し、外観上も界面発泡
状態として観察され、シ−ル性が大きく損われる結果と
なる重要な問題が発生している。
【0013】また、素材として使用されるPP、PE等
の素材の接着・塗装を行なう場合に、一部 で塩素化P
P樹脂系プライマー組成物の使用が行なわれているがま
だ密着性が欠け、特に塗料組成物・接着組成物が限定さ
れる等の問題を有している。
【0014】これまでの従来技術では、まだ良好な耐熱
接着特性を発揮できる塗料用またはホットメルト接着剤
用のプライマ−またはその加工方法に良い物が見当らな
い。
【0015】前記した様に、一般的な接着剤・塗料に適
合できる耐候性、耐薬品性、耐熱性など各種の長期の環
境下での接着信頼性を具備したプライマ−組成物が強く
望まれている。
【0016】詳しくは、PC、PEPC、PP、PE、
PET、P−MMA等の難接着プラスチック素材を用い
た接着・塗装を行なう場合に、一般的な接着剤・塗料に
適合できる耐候性、耐薬品性、耐熱性など各種の長期の
環境下での接着信頼性を具備したプライマ−組成物とそ
の加工方法を提供する事に有り、特にPC、PEPC、
PET、P−MMA素材での接着では、界面発泡性の問
題を合せて解決することにある。
【0017】また更に、金属とPC、PEPC、PP、
PE、PET、P−MMA等の難接着プラスチック素材
との複合化に際しても、これ等の難接着プラスチック素
材を押出し成形する際の、金属との密着性にすぐれかつ
溶融押出し樹脂との新和性および耐久性に富むプライマ
ーが無い事から、金属インサート成形に際し好ましく用
いる事ができるプライマー組成物とする事も本発明の目
的である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、酸変性スチレンブロック樹脂とグリシジル変性
スチレンブロック樹脂からなる熱硬化性被膜を難接着プ
ラスチック素材表面に形成する事で解決できる事を見出
し、本発明を達成した。
【0019】すなわち本発明とは、重量平均分子量が3
千〜10万の範囲にある以下の、好ましくは酸変性水添
スチレン−ブタジエン樹脂、酸変性水添スチレン−ブタ
ジエン−スチレン樹脂、酸変性スチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレン樹脂、酸変性水添スチレン−イソプレ
ン樹脂、酸変性水添スチレン−イソプレン−スチレン樹
脂、酸変性スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン
樹脂から選ばれた1種または2種の、酸変性スチレンブ
ロックポリマー(a)と、重量平均分子量が3千〜10
万の範囲にある以下の、好ましくはグリシジル基含有水
添スチレン−ブタジエン樹脂、グリシジル基含有水添ス
チレン−ブタジエン−スチレン樹脂、グリシジル基含有
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン樹脂、グリシ
ジル基含有水添スチレン−イソプレン樹脂、グリシジル
基含有水添スチレン−イソプレン−スチレン樹脂、グリ
シジル基含有スチレン−エチレン−プロピレン−スチレ
ン樹脂から選ばれた1種または2種以上の、1分子中に
反応性末端基として平均2ケ以上のグリシジル基を持つ
グリシジル変性スチレンブロック樹脂(b)とを、それ
ぞれ混合比率が(a)のカルボキシル基または酸無水物
基と(b)のグリシジル基とのモル当量混合比で1:
0.5〜0.5:1となる様に配合され、(a)と
(b)の良溶剤(c)で常温で液状とした事を特徴とす
るプライマー組成物である。
【0020】また前記したプライマ−組成物を、難接着
プラスチック素材表面または金属表面に塗工し、あらか
じめ乾燥膜厚で1〜50ミクロンの膜厚となるように塗
布、乾燥硬化養生後、該プライマー硬化塗膜を介して、
接着、塗装、ラミネーションまたは複合化させる事を特
徴とする難接着素材の加工方法である。
【0021】より好ましくは、前記、難接着プラスチッ
ク素材がポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリアクリル樹脂から選ばれた1種である事、また該プ
ライマ−組成物を、ポリカーボネート製レンズ素材シー
ル部位表面に塗工し、100〜150℃の雰囲気下で乾
燥と同時に該プライマー硬化塗膜を形成させた後、ブチ
ルゴム主成分系のホットメルトシーリング剤で該レンズ
部材とランプハウジング部材とを接着シールし、自動車
搭載用灯具を製造する事は大いに好ましい態様である。
【0022】また更に、該プライマ−組成物を、金属表
面に塗工し、100〜150℃の雰囲気下で乾燥と同時
に該プライマー硬化塗膜を形成させた後、インサート成
形し、複合材を製造する事を特徴とする前記難接着素材
の加工方法が大いに好ましい態様である。
【0023】以下に本発明をより詳細に説明する。
【0024】本発明の以下のプライマー組成物は、P
C、PEPC、PP、PE、PET、P−MMAで代表
される難接着プラスチック素材及びガラス、セラミッ
ク、コンクリート、金属等の無機素材を対象とした接着
・塗装・ラミネーション・複合化の際に用いるプライマ
−組成物として、特に100℃を超える環境下に於いて
長期の耐熱密着耐久性に富む複合2次加工が可能なプラ
イマー組成物である。
【0025】本発明に於いては、酸変性スチレンブロッ
クポリマー(a)とは、重量平均分子量が3千〜10万
の範囲、好ましくは5千〜5万の範囲、より好ましくは
1〜3万の範囲にある、酸変性水添スチレン−ブタジエ
ン樹脂、酸変性水添スチレン−ブタジエン−スチレン樹
脂、酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン樹
脂、酸変性水添スチレン−イソプレン樹脂、酸変性水添
スチレン−イソプレン−スチレン樹脂、酸変性スチレン
−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂から選ばれた1
種または2種の混合物である。 酸変性スチレンブロッ
クポリマー(a)は、より具体的には、水添スチレン−
ブタジエン樹脂、水添スチレン−ブタジエン−スチレン
樹脂、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン樹脂、
水添スチレン−イソプレン樹脂、水添スチレン−イソプ
レン−スチレン樹脂、スチレン−エチレン−プロピレン
−スチレン樹脂等のスチレン系ブロックコポリマーを公
知の方法で酸変性して得られる物が代表的であり、特に
制約は無く、例えば前記スチレン系ブロックコポリマー
を改質溶液または塊状状態下で以下の不飽和カルボン酸
単量体をグラフト重合して分子鎖にカルボキシル基や酸
無水物基を導入した物が代表的である。
【0026】不飽和カルボン酸単量体としては、例えば
無水マレイン酸やマレイン酸またはそのハーフエステル
化物類、無水イタコン酸やイタコン酸またはそのハーフ
エステル類、クロトン酸、イソクロトン酸、無水シトラ
コン酸等があげられる。
【0027】前記スチレン系ブロックコポリマーに対し
不飽和カルボン酸単量体を0.2〜10重量%程度、好
ましくは1〜3重量%をグラフト重合してなるものは市
場で容易に入手できる事から、大いに好ましい例であ
る。
【0028】すでに公知で市場にある物として、シェル
化学社製品「クレイトンG−190」、旭化成製品「タ
フテックM−1913、同M−1943等」等が代表的
な例である。
【0029】本発明に於いて、グリシジル変性スチレン
ブロック樹脂(b)とは、重量平均分子量が3千〜10
万の範囲、好ましくは5千〜5万の範囲、より好ましく
は1〜3万の範囲にある、グリシジル基含有水添スチレ
ン−ブタジエン樹脂、グリシジル基含有水添スチレン−
ブタジエン−スチレン樹脂、グリシジル基含有スチレン
−エチレン−ブチレン−スチレン樹脂、グリシジル基含
有水添スチレン−イソプレン樹脂、グリシジル基含有水
添スチレン−イソプレン−スチレン樹脂、グリシジル基
含有スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂か
ら選ばれた1種または2種の混合物である。
【0030】グリシジル変性スチレンブロック樹脂
(b)は、より具体的には、水添スチレン−ブタジエン
樹脂、水添スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂、スチ
レン−エチレン−ブチレン−スチレン樹脂、水添スチレ
ン−イソプレン樹脂、水添スチレン−イソプレン−スチ
レン樹脂、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン
樹脂等のスチレン系ブロックコポリマーを公知の方法で
グリシジル基導入変性して得られる物が代表的であり、
特に制約は無い。例えば前記スチレン系ブロックコポリ
マーを改質溶液または塊状状態下で例えばアリルグリシ
ジルエーテル等の単量体をグラフト重合して分子鎖にグ
シシジル基を導入した物が代表的な例である。
【0031】前記スチレン系ブロックコポリマーに対し
グリシジル基が分子中に少なくとも1ケ以上、好ましく
は2ケ以上導入された物が良く、市場で容易に入手でき
るものとしたは、シェル化学社製品「Z−154」等が
ある。
【0032】なお、前記中、水添スチレン−ブタジエン
−スチレン樹脂とスチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レン樹脂の相違点は前者はミッドブロック分子鎖長が基
本的に非晶質であり後者は結晶性を示す事である。また
水添スチレン−イソプレン−スチレン樹脂、スチレン−
エチレン−プロピレン−スチレン樹脂の相違点も同様で
ある。
【0033】酸変性スチレンブロックポリマー(a)や
グリシジル変性スチレンブロック樹脂(b)の最適分子
量を3千〜10万の範囲とした理由は、良溶剤(c)を
用いた溶液の保存安定性と溶融粘度を最適化出来、作業
性にすぐれ所望の硬化被膜を形成できる点で好ましいか
らである。一方、(a)および(b)の分子量が3千以
下の場合は、硬化被膜の靱性が低く問題であるからであ
り、10万以上の場合はプライマー組成物の固形分が高
いと高粘度系となり作業適性に欠け、従って固形分が低
くならざるを得ない為、実用性が著しく乏しいからであ
る。
【0034】本発明に於いて、前記酸変性スチレンブロ
ックコポリマー樹脂(a)とグリシジル変性スチレンブ
ロック樹脂(b)との混合割合は、それぞれ混合比率
で、(a)のカルボキシル基と(b)のグリシジル基と
が1:0.5〜0.5:1のモル比となる様、特に好ま
しくは1:1となる様に調合され、かつ(a)と(b)
の良溶剤(c)で常温で液状とする事が肝要である。前
記割合で使用する事で難接着プラスチック素材の表面に
強靭な硬化被膜を形成させる事ができ、発明の目的であ
る100℃を超える環境下での耐熱密着信頼性が長期間
達成出来る。配合割合が前記以外の場合は熱硬化被膜が
軟化状態のままであり、密着性には富むが、耐熱凝集力
が不足し、特に界面発泡性の防止効果や耐熱密着信頼性
の確保が困難となる。
【0035】また前記した水添スチレン−ブタジエン樹
脂、水添スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂、水添ス
チレン−イソプレン樹脂、水添スチレン−イソプレン−
スチレン樹脂とは、それぞれ分子内二重結合を部分水添
したものや完全水添した物であって良く、各ブロックコ
ポリマ−中のスチレン含有量は10%以上50%以下の
範囲にある事が好ましい。
【0036】なお、本発明のプライマー組成物は予め前
記(a)と(b)を別々に良溶剤(c)に溶解し、使用
直前に前記割合で混合使用しても良く、製品形態や配合
方法に特に限定されない。
【0037】本発明のプライマー組成物は必要に応じて
以下に記載の粘着付与剤、オイル成分、硬化助触媒、カ
ップリング剤等を適宜含有させて使用することは何等問
題ない。
【0038】例えば本発明のプライマー液に、固形分換
算比で、下記の粘着付与剤の40重量%以内と、下記の
オイル成分の10重量%以内からなる組成物とする事
や、固形分換算でシランカップリング剤やチタネート系
カップリング剤で代表されるカップリング剤を2重量%
以内で使用する事、また公知のエポキシ系液状硬化助触
媒として3級アミンやその塩類、ホウ弗酸塩類、フォス
フィン類、有機金属錯体を0.5重量%以内で使用して
も良い。
【0039】前記粘着付与剤は、重合ロジン、ロジンエ
ステル類、C5系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石
油樹脂、テルペン系石油樹脂、またはこれらの水添樹脂
や、低分子量スチレン樹脂、低分子量α−メチルスチレ
ン樹脂などから選ばれた1種または2種以上を使用する
事が好ましく、特に好ましくは、(水添)ロジンエステ
ル樹脂または(水添)石油樹脂系粘着付与剤の軟化点温
度が85℃以上である事が良い。
【0040】また、オイル成分は、ナフテンオイル、パ
ラフィンオイル、液状ポリブテン、液状水添ポリイソプ
レン、デカリン、テトラリンなどから選ばれた1種また
は2種以上を使用する事が良い。
【0041】本発明のプライマー組成物に使用される溶
剤は、その作用効果としてプライマー塗膜を出来るだけ
薄く形成させる事が主目的である。従って、本発明のプ
ライマー組成物が常温で液状となるように、特に制約は
無いが、例えば固形分が5〜80重量%となる様、好ま
しくは10〜20重量%となる様に、以下の溶剤で希釈
し均一な溶液とする事が良い。 好ましい溶剤として
は、例えば沸点が常温から200℃の範囲の、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン、アセ
トフェノンなどのケトン類、シクロヘキサノールなどの
アルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−3−メ
トキシブチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテルなどのエーテル類、テトラヒド
ロフランなどのフラン類、メチルクロロホルム、ジクロ
ルエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3
−トリクロロプロパン、1,1,2,2,−テトラクロ
ロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン化合物
類、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、灯油、
ミネラルスピリット等の芳香属炭化水素類、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、n−オクタン、ガソリン、シクロヘ
キサンなどの脂肪属炭化水素類等が代表的であり、これ
らの一種または2種以上を選択して使用する事が良い。
【0042】前記難接着プラスチック素材に対して用い
る場合には、ソルベントクラックが発生しない様な溶剤
組成を選定する事が慣用であるが、プライマー組成物を
塗布後直ちに乾燥させてプライマー層を形成する前処理
方法では、特に制約されずに使用可能である。また前記
(a)および(b)成分を常温で液状化できる溶剤であ
れば基本的に使用でき、その意味ですでに公知の他の溶
剤も混合または独自使用することができ、特に制約は無
い。
【0043】また、本発明のプライマー組成物を用いた
2次加工に際しては、前記のプライマ−組成物を、難接
着プラスチックス素材や前記無機素材の表面に適宜塗工
し、最終的に1〜50ミクロン程度の硬化膜厚となるよ
うに塗布する事が肝要である。塗布乾燥条件としては、
特に制約は無いが、おおよそ100〜180℃の範囲、
好ましくは120〜150℃で10〜120分程度硬化
乾燥させて該プライマーの熱硬化塗膜を形成させる事が
好ましい例である。
【0044】この硬化被膜を介して、接着、塗装、ラミ
ネーションまたは複合体の製造を行なった難接着プラス
チックス素材の2次加工方法についてより具体的に説明
する。
【0045】本発明のプライマ−組成物を、例えばP
C、PP、P−MMA等の難接着プラスチックス素材表
面に塗工し、乾燥硬化後、該プライマー熱硬化塗膜を介
して、ポリオレフィン系のホットメルト接着剤または各
種塗料を密着附形させる事が好ましい態様である。
【0046】一般に前記素材はエンジニアリングプラス
チックとして重要な位置を占めており、例えば自動車の
ランプ構成部材やバンパーに多用されている。しかも同
分野では発明の解決しようとする課題でも触れたが、P
CまたはP−MMAレンズ部材とPPハウジング部材と
をブチルゴム系のホットメルトシーリング材組成物で接
合・シールした工法で生産されており、ポリカーボネー
トレンズ素材を用いた従来工法の生産ランプでは、10
0℃以上の環境下にさらされると、著しいPC界面発泡
現象が見られ、シール不良、しいてはランプ内に水が漏
水侵入する重要な問題を抱えていた。この課題を解決す
る事が本発明のプライマー組成物をもちいた前記加工方
法のおおきな特徴である。すなわち、自動車灯具の特に
100℃以上の高温シール特性を満足させる事ができる
工法として、本発明のプライマー組成物を特にPC素材
のシール部位に塗布し、硬化膜圧として1〜20ミクロ
ン程度と成るように、120〜160℃の範囲で硬化乾
燥後、ブチルゴム系の従来から使用されているホットメ
ルトシーリング剤でハウジング部材とシール接合させる
事で目的が達成出来る。
【0047】同様に本発明のプライマー組成物では前記
PCやP−MMA素材表面への塗装2次加工でも前記と
同様な作用効果を発揮する。
【0048】また、金属として代表的な亜鉛メッキ鋼
板、アルミ、ステンレス鋼板、ブリキ、銅板などの金属
表面に予め本発明のプライマー組成物を塗布し、乾燥お
よび焼きつけ硬化後、ポリプロピレン成形樹脂やアクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン成形樹脂を鋼板部材
にインサート成形加工する2次加工方法が好ましい加工
方法として挙げられる。
【0049】本発明の液状プライマー組成物の塗布方法
としては、特に限定するものではないが、ハケ塗り、ス
プレー塗布、バーコーター塗布、アプリケーター塗布な
どがあり、薄く塗布出来る方法であれば好ましく採用で
きる。特に制約は無いが通常10〜150ミクロンの塗
り厚みとなるように、好ましくは10〜50ミクロンの
塗り厚みとなるようにする事が良い。硬化乾燥膜圧では
1〜20ミクロンが好ましい。
【0050】本発明の液状プライマー組成物の乾燥焼き
つけ方法としては、例えば遠赤外加熱、熱風乾燥、真空
加熱乾燥などの方法が良く、通常50〜150℃好まし
くは120〜160℃の温度範囲で加熱乾燥し、5〜3
0分程度乾燥する事で塗膜が形成される。
【0051】本発明の液状プライマー組成物を塗布・硬
化被膜形成後の、2次加工の際の接着加工方法では、従
来公知の例えば特開昭60−92379、同62−12
9373、同62−227987、同62−22328
7等に開示されているブチルゴム系のホットメルト組成
物や、その他塩化ブチルゴム系部分架硫されたホットメ
ルト接着剤、水添スチレン系ブロックコポリマー主成分
型シーラント、湿気硬化性の反応性ホットメルト接着
剤、紫外線硬化型ホットメルト、電子線硬化型ホットメ
ルト等のいわゆるホットメルト型接着剤を使用して難接
着性プラスチック同士またはその他との異種間接着する
などの加工方法を包含する。
【0052】また本発明の液状プライマー組成物を塗布
・硬化被膜形成後の、2次加工の際の接着加工方法で
は、従来の熱可塑性成形樹脂の金属インサート成形で金
属との複合材を製造する際の金属表面処理用の熱硬化性
プライマー被膜として本発明のプライマー組成物とする
加工手段が本発明の難接着性プラスチックスの加工方法
として包含される。
【0053】すなわち、本発明の難接着プラスチック素
材を対象とした加工方法とは、前記したように本発明の
プライマー組成物を介して実施される接着加工または塗
装加工またはラミネーション加工および複合化加工など
の2次加工方法に限定される。
【0054】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載するが、例中、
部および%とは重量部、重量%の意味であり、実施例が
本発明を特に限定するものではない。
【0055】また、実施例中記載の界面発泡試験とは、
以下の試験方法で行なった。
【0056】PC、アクリルの厚み2mm、5cm×1
0cm平板を準備し、その片面に実施例記載のプライマ
ー組成物をバーコーターを用いて塗布し、直ちに130
〜140℃の熱風乾燥機で15分間乾燥焼きつけ処理を
行なって、それぞれ膜厚5ミクロンの処理試験片を得
た。
【0057】一方、別に準備したポリプロピレン樹脂
(以下PPと略)またはアクリロニトリルーブタジエン
ースチレン樹脂(以下ABSと略)の、厚み2mm、2
cm×10cm平板平面に、実施例記載のホットメルト
型シーリング材を190℃アプリケーション温度でハン
ドガンを用いて幅6〜8mm、長さ5cmビード状に塗
布した。
【0058】直ちに前記のプライマー処理した試験片、
ならびに無処理PC、同アクリル試験片を前者はプライ
マー塗布面と、後者は無処理面と、ホットメルト接着剤
の厚みが1mmとなるように貼りあわせ、25℃/RH
85%雰囲気下に24時間以上放置、更に130℃恒温
槽に8〜72時間放置して後取り出し、レンズ部素材界
面での発泡が肉眼で観察されるかを測定した。
【0059】また、実施例中記載の密着性試験とは以下
の方法を用いた。
【0060】PC、アクリルの厚み2mm、10cm×
10cm平板試験片に対して、例中記載のプライマ−組
成物を塗布し、ただちに130℃/15分乾燥焼成を行
なって得たプライマ−処理試験片を、50℃/RH85
%の恒温恒湿槽に24時間放置し、とりだして塗布面に
対してセロテープを密着させ、45度の角度で引張って
密着性を測定した。
【0061】以下の実施例で用いたホットメルト型シ−
リング材(1)の調整。
【0062】容量10リットルのニ−ダ−ル−ダ−装置
を用いて、温度150〜180℃でブチルゴム商品名ブ
チル065(日本ブチル製品)900部と、スチレン−
エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマ−商品
名クレイトンG1657X(シエル化学製品)800部
と、粘着付与剤として水添石油樹脂商品名クリアロンP
−125(安原油脂製品)1300部、同じくエスコレ
ッツ5320(トネックス(株)製品)700部、ワッ
クス成分としてポリプロピレンワックス商品名ビスコ−
ル660P(三洋化学製品)200部、可塑剤として液
状ポリブテン商品名HV−300(日本石油化学製品)
350部、酸化チタン50部、カ−ボンブラック0.5
部、アタクチックポリプロピレン(以下APPと呼ぶ)
(三井東圧化学(株)製品)500部と、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−
ト25部、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネ−ト〕50部、2−〔2−ヒドロキシ−3,
5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベン
ゾトリアゾ−ル25部 を均一に溶融混練して後、真空
下で完全脱泡後、グレ−色のホットメルト型シ −リン
グ材(1)を得た。このものの190℃の溶融粘度は9
8000センチポイズ (B型粘度計)であった。ま
た、90℃での流動性は殆どなく、軟化点は136℃
(環球法)であった。
【0063】実施例で用いたホットメルトシ−リング材
(2)の調整。
【0064】容量10リットルのニ−ダ−ル−ダ−装置
を用いて、温度140〜170℃で、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロックコポリマ−商品名カリフレック
スTR−1107(シエル化学製品)750部、同じく
カリフレックスTR−1111(シエル化学製品)50
0部、および粘着付与剤として水添石油樹脂商品名アル
コンP−125(荒川化学製品)1500部、同じく商
品名エスコレッツ5320(ト−ネックス製品)600
部、同じく商品名YSポリスタ−T−130(安原油脂
製品)250部、およびワックス成分として商品名ビス
コ−ル660P(三洋化成製品)250部、商品名ハイ
ワックス600P(三井石油化学製品)100部、可塑
剤としてナフテン系オイル商品名フレックス#2050
N(富士興産製品)350部、カ−ボンブラック2部、
酸化防止剤として、オクタデシル−3−(3,5−ジ−
tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト5
0部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォ
スファイトの20部およびAPP−Lグレ−ド628部
(三井東圧化学(株)製品)を均一に溶融混練した後、
真空下で完全脱泡した後、黒色のホットメルト型シ−リ
ング材(2)を得た。このものの170℃の溶融粘度は
58000センチポイズ(B型粘度計)であった。ま
た、80℃での流動性は殆どなく、軟化点は126℃
(環球法)であった。
【0065】実施例1〜3および比較例1〜3 表−1記載の実施例1〜3に示された配合割合(重量
部)で液状プライマ−組成物を調整し、試験に供した。
【0066】
【表1】 また、表−2記載の比較例1〜3で示された配合割合
(重量部)で液状プライマ−組成物を調整した。
【0067】
【表2】 表1、表2の記号の説明: M−1943;無水マレイン酸3%グラフト変性スチレン-エ
チレンフ゛ チレン-スチレン樹脂 「旭化成社製品:タフテック」 ゲルパ−ミュエ−ションクロマト測定によるポリスチレ
ン換算値で重量平均分子量が4〜6万と推定された。
【0068】G−1901;無水マレイン酸3%グラフ
ト変性スチレン-エチレンフ゛ チレン-スチレン樹脂 「シェル化学社製品:クレイトン」 ゲルパ−ミュエ−ションクロマト測定によるポリスチレ
ン換算値で重量平均分子量が5万程度と推定された。
【0069】G−1650;無変性のスチレン-エチレンフ゛ チレン-
スチレン樹脂「シェル化学社製品:クレイトン」 ゲルパ−ミュエ−ションクロマト測定によるポリスチレ
ン換算値で重量平均分子量が10〜13万程度と推定さ
れた。
【0070】Z−154;グリシドキシ(エポキシ基)
基含有スチレン-エチレンフ゛ チレン-スチレン樹脂 「シェル化学社製品:ゲルパ−ミュエ−ションクロマト
測定によるポリスチレン換算値で重量平均分子量が6万
程度と推定された。実施例1〜3および比較例1〜3で
得たそれぞれのプライマー組成物を用いて行なったポリ
カーボネート素材とポリアクリル素材へのセロテープ密
着性試験結果とホットメルトシーリング材を用いた接着
試験結果を表−3に示した。
【0071】
【表3】 記号の説明 (クロスカット/セロテ-フ゜ 剥離試験);◎ /剥離なし,○ /5
%以内の剥離 界面発泡性試験 ;◎ /全く発泡なし, ○ 加熱48Hrs後ではごく僅か界面発泡現象が見られた △ 界面発泡現象が初期から僅かに観察される × 試験初期から界面発泡現象が多数観察される *1;ホットメルト型シ−リング材(1)を用いて接合 *2;ホットメルト型シ−リング材(2)を用いて接合 PC;ポリカーボネート樹脂,PP;ポリプロピレン樹
脂,アクリル;ポリメタアクリル酸メチル樹脂,AB
S;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹
脂 実施例4.自動車用灯具として使用される厚さ3mm、
200mm直径の半球凸レンズ型PC製レンズ素材と接
着シール部構造がコの字形状となっているPP製の専用
ハウジング材とを用意し、PCシール足部分に対し実施
例2のプライマー−B組成物を用いてスプレー塗布し、
130℃/20分の乾燥・硬化膜圧5ミクロンとなる様
にPC部材を予め調製した。その後更に、190℃熱溶
融したホットメルト型シ−リング材(1)をPPハウジ
ィング部材のコの字シール部に吐出させ、オープンタイ
ム1分、セットタイム30秒にてPCシール足部分を挿
入し接合した。
【0072】この結果、インチ幅でのコの字引張剪断強
度は常態で22kg/cm2の値を得、130℃加熱/2時間
後の熱養生試験後で、同強度は21kg/cm2を示した。
【0073】また115℃/1昼夜の連続環境試験でも
PC界面発泡現象などの問題は全く発生しないことが確
認され、耐熱シール信頼特性に優れた灯具である事が確
認された。
【0074】本実施例の灯具は耐水性、100℃/10
00時間、−40℃,4時間∃80℃,4時間のサーモ
サイクルなどの試験でも全く水洩れは無く、優れた接着
シール信頼性を発揮していた。
【0075】比較例4.実施例4に於いて、プライマー
−Bの替りに比較例2のプライマー−Eとした以外は同
様にして得た灯具またはプライマーなしで得たいずれの
灯具は、115℃、1時間の耐熱試験および130℃/
10分の耐熱試験でPC界面発泡が発生しており、更に
試験を継続するとさらに発泡が著しく成長する事が観察
された。実施例1と同様に行なった接着信頼性値は強度
変化率で常態の−45%以上まで低下し、剪断剥離強度
的にも信頼性低下が認められた。
【0076】実施例5.厚さ0.5mm、5cm角のス
テンレン鋼板に実施例1のプライマー−Aに更に固形分
換算で0.5%グリシドキシシランカップリング材とし
て信越化学製品のシランカップラーKBM−403を追
加添加したプライマー組成物をハケ塗りし、180℃/
15分間加熱乾燥して、熱硬化被膜を形成させた。
【0077】このプライマー処理鋼板を金型内にセット
し、プライマー面に厚さ3mmの熱可塑のPP成形用樹
脂(三井ノーブレン)が被覆できる様に以下の射出・押
出し成形を実施した。
【0078】射出圧が5〜8kg/cm2 でゲート開口
径が5mm直径で3ケ有する金属面に15秒以内で被覆
複合化成形する事が可能な装置と金型を用いて、PP樹
脂吐出温度230℃で実施した。PP成形樹脂用コンパ
ウンドとしては商品名:三井レーブレンが55%、その
他の成分として炭酸カルシウムおよび1mm長の鉱物繊
維、チタンホワイト等が合計45%含有された樹脂ペレ
ットを用いた。
【0079】射出成形後金型よりとり出して、室温で断
面をグラインダーにて切断した結果、剥離現象は観察さ
れず、実体顕微鏡観察の結果で金属と成形樹脂界面にプ
ライマー硬化膜が強固に結合した状態が観察された。
【0080】比較例5.実施例5で用いたプライマー組
成物の替りに比較例3で得たプライマー−Fとした以外
は同様にして金属複合体を調製した。この結果、複合体
を室温でグラインダーでカットした結果、界面剥離現象
が観察された。また、実体顕微鏡観察では金属界面附近
にプライマーが全く存在していなかった。ほとんど吐出
樹脂で溶融流れを呈した為と思われ、ゲートを中心とす
る局部位には全くプライマーが無くなっており、複合化
密着信頼性が確保できなかった。
【0081】実施例6.実施例5で使用したPP成形用
樹脂の替りに、三井東圧製品の成形用熱可塑樹脂「サン
タック」の合計30%以下のタルクおよびコロイダルシ
リカ、カーボンブラックなどの充填材を添加配合したペ
レットにて行なった以外は同様にした複合材を得た。
【0082】その複合材は、室温でグラインダーにて切
断した結果、剥離現象は全く観察されず、実体顕微鏡観
察の結果で金属と成形樹脂界面にプライマー硬化膜が強
固に結合した状態が観察された。
【0083】
【発明の効果】本発明に於けるプライマー組成物は特に
難接着性素材と言われるポリカーボネートやポリアクリ
ル素材等に対し、優れた密着特性を示すと同時に強固な
熱硬化性被膜が形成可能であり、そのプライマー被膜形
成効果は実施例1〜3で明らかにした様に、100℃以
上の環境下においても界面発泡現象が無く、長期耐熱接
着信頼特性が保証されるプライマーとなる事が判明し
た。
【0084】また実施例4や5で明からにした様に、従
来から実用上問題となっていた自動車用灯具の加工方法
分野および金属との複合加工分野に於いて、従来に無い
優れた作用効果を発揮する本発明のプライマー組成物を
用いた2次加工方法となる事が判明した。
【0085】特に自動車用灯具の生産に際しては、耐候
性、熱老化性、靱性、耐熱性等に優れたすでに公知のブ
チルゴム系ホットメルトシ−リング材をそのままシール
材として使用可能である事に実用上の大きな特長があ
り、本発明の意義は大きいと思われる。
【0086】また本発明は、前記した車輌用プラスチッ
ク製灯具のシール加工のみならず、ポリカーボネート性
光ディスク基板やアクリル性光ディスク基盤の複合化接
着分野にも広く応用が可能であり、広い接着加工分野で
利用実施出来るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 5/02 JGP 7415−4J F21M 3/00 9249−3K

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が3千〜10万の範囲に
    ある酸変性スチレンブロックポリマー(a)と、重量平
    均分子量が3千〜10万の範囲にある1分子中に反応性
    末端基として平均2ケ以上のグリシジル基を持つグリシ
    ジル変性スチレンブロック樹脂(b)とを、それぞれ混
    合比率が(a)のカルボキシル基または酸無水物基と
    (b)のグリシジル基とのモル当量混合比で1:0.5
    〜0.5:1となる様に配合され、かつ(a)と(b)
    の良溶剤(c)で常温で液状とした事を特徴とするプラ
    イマー組成物。
  2. 【請求項2】 酸変性スチレンブロックポリマ−(a)
    が、酸変性水添スチレン−ブタジエン樹脂、酸変性水添
    スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂、酸変性スチレン
    −エチレン−ブチレン−スチレン樹脂、酸変性水添スチ
    レン−イソプレン樹脂、酸変性水添スチレン−イソプレ
    ン−スチレン樹脂、酸変性スチレン−エチレン−プロピ
    レン−スチレン樹脂から選ばれた1種または2種以上の
    混合物である請求項1記載のプライマー組成物。
  3. 【請求項3】 1分子中に反応性末端基として平均2ケ
    以上のグリシジル基を持つグリシジル変性スチレンブロ
    ック樹脂(b)が、グリシジル基含有水添スチレン−ブ
    タジエン樹脂、グリシジル基含有水添スチレン−ブタジ
    エン−スチレン樹脂、グリシジル基含有スチレン−エチ
    レン−ブチレン−スチレン樹脂、グリシジル基含有水添
    スチレン−イソプレン樹脂、グリシジル基含有水添スチ
    レン−イソプレン−スチレン樹脂、グリシジル基含有ス
    チレン−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂から選ば
    れた1種または2種以上の混合物である請求項1記載の
    プライマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のプライマ−組成物を、難
    接着プラスチック素材表面または金属表面に塗工し、あ
    らかじめ乾燥膜厚で1〜50ミクロンの膜厚となるよう
    に塗布、乾燥硬化養生後、該プライマー硬化塗膜を介し
    て、接着、塗装、ラミネーションまたは複合化の工程に
    供する事を特徴とする難接着素材の加工方法。
  5. 【請求項5】 難接着プラスチック素材がポリカーボネ
    ート樹脂、ポリアクリル樹脂から選ばれた1種である事
    を特徴とする請求項4記載の難接着素材の加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のプライマ−組成物を、ポ
    リカーボネート製レンズ素材シール部位表面に塗工し、
    100〜150℃の雰囲気下で乾燥と同時に該プライマ
    ー硬化塗膜を形成させた後、ブチルゴム主成分系のホッ
    トメルトシーリング剤で該レンズ部材とランプハウジン
    グ部材とを接着シールし、自動車搭載用灯具を製造する
    事を特徴とす請求項5記載の難接着素材の加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のプライマ−組成物を、金
    属表面に塗工し、100〜150℃の雰囲気下で乾燥と
    同時に該プライマー硬化塗膜を形成させた後、インサー
    ト成形し、複合材を製造する事を特徴とする請求項4記
    載の難接着素材の加工方法。
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