JPH06298934A - 高分子量ポリマー被膜形成方法 - Google Patents

高分子量ポリマー被膜形成方法

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JPH06298934A JP4249689A JP24968992A JPH06298934A JP H06298934 A JPH06298934 A JP H06298934A JP 4249689 A JP4249689 A JP 4249689A JP 24968992 A JP24968992 A JP 24968992A JP H06298934 A JPH06298934 A JP H06298934A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、反応剤が固体状態の形で、
ブロック解除されたルイス塩基をルイス酸オリゴマーと
共に鎖を延長することによって、高分子量のポリマーか
らなる固体状態被膜を形成するための、固体状態鎖延長
法を提供することである。 【構成】 本発明の1実施例によれば、固体状態被膜の
諸領域を選択的に露光することによって、ネガティブ・
レジストを調製する。ルイス塩基の露光領域を適当なブ
ロック解除手段によってブロック解除する。ルイス酸オ
リゴマーとブロック解除されたルイス塩基が露光領域で
鎖延長する。被膜を現像すると、未重合の反応剤が除去
される。任意選択として、放射線で架橋させるとき、ル
イス塩基のブロック解除前にルイス酸オリゴマーが互い
に架橋して、ネガティブ・レジストを形成する。架橋し
たオリゴマーは、後でブロック解除される塩基と重合し
て、高分子量のポリマー被膜をもたらす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、高分子量のポ
リマーを形成するための鎖延長法に関し、詳細には、ル
イス酸オリゴマーとルイス塩基との間の固体状態鎖延長
重合に関する。本明細書では、固体状態とは、基本的に
溶媒のない環境を指すが、下記でより詳細に定義する。
本発明の固体状態鎖延長法は、リソグラフィ工程を用い
た半導体デバイス用被覆の作成、及び平面化を改善する
ためにコーティング溶液中の固体含有量が高いことが望
ましい、被膜コーティンング技術で有用である。
【0002】
【従来の技術】一般に、高温で安定な永久レジストとし
て適した材料は、高分子量のポリマーから構成される。
この種の被膜は、露光領域と被露光領域のどちらか一方
が溶媒に可溶性であり、他方がその溶媒に比較的不溶性
である、予め選択されたパターンを(リソグラフィによ
るパターン付けまたはエッチングによって)その中に形
成できるものでなければならない。さらに、層間誘電体
被膜を含むこの種の被膜は、本来的に優れた機械的特性
を有さなければならない。優れた機械的特性とは、高い
弾性率、高い破壊伸び率、低い溶媒誘発性の(環境的)
ひびまたは亀裂発生率を特徴とするものである。高分子
量の長い鎖のポリマーは、通常、低分子量の類似体より
も優れた機械的特性を示す。しかし、高分子量は、溶媒
拡散速度、溶解速度、コントラスト、分解能、ライン・
プロファイルなど、良好なレジスト材料としての他の重
要な特性に不利益な影響を及ぼす。
【0003】一般に、良好なリソグラフィ特性をもつ材
料は、光線(紫外線及び可視光線)、電子ビーム、X
線、イオン・ビームなどの放射線に対して高い感受性を
示し、露光領域と非露光領域の間で著しい溶解度差をも
つ。高いコントラストは、非常に狭いドーズ範囲で観察
される鋭い溶解度差の存在によって識別される。高コン
トラストの被膜は、レジスト膜中での放射線の散乱によ
って生じる有害な作用を最小にする。さらに、優れたリ
ソグラフィ材料は、最小量の膨潤を示し、高い分解能を
示すことができる。
【0004】最適のリソグラフィ性能のためには、低分
子量ポリマーの方が、溶解度差及び溶解速度に関して利
点をもたらすので、高分子量の類似体よりも好ましい。
低分子量の材料は、高分子量の材料よりも高いコントラ
ストを示し、したがってより高い分解能を示す。
【0005】しかし、オリゴマーは、鎖が短いためにそ
の粘弾性がかなりの量のエネルギーを消散できないの
で、高分子量の類似体よりも機械的諸特性が劣り、被膜
が脆くなる。このため、オリゴマーは、一般に、上記で
論じたように高分子量材料よりも優れた永久レジスト・
リソグラフィ特性を示すものの、半導体デバイス用の永
久レジスト被膜として使用されない。
【0006】基板に被膜を塗布したいと考える実務家
も、被膜が良好な平面化率と低い粘性をもつ必要がある
ことを知っている。溶液状態で良好な平面化率と低い粘
性を併せ示す材料を見つけることは難しいことが多い。
というのは、平面化率が高くなるには、溶液の固形物含
有量が高いことが必要であるが、そうするとオリゴマー
でも粘性が高くなる傾向があるからである。当技術分野
では、溶液の固形物含有量が高いほど溶液の粘性も高く
なることが知られている。したがって、良好な平面化率
と低い粘性の折合いをつけなければならない。
【0007】一般に、被覆の平面化率は次式で記述され
る。 100×(h1−h2)/h1=平面化率 [%] (1) 上式で、h1とh2は概略図5に示す高さの値である。h
2が0のとき、平面化率は100%である。平面化率が
100%の被膜が最も望ましい。被膜のスピン・コーテ
ィングの後で平面化率100%に達した場合、溶媒含有
量が低いときは、固体含有量が高くなるので、その後の
乾燥工程に付随する収縮による平面化率の減少度が小さ
くなる。
【0008】典型的には、高分子量のポリマーの平面化
率の値は約30%である。固形物含有量を増大させるこ
とによって平面化率の値を増大させることは、一般に実
現可能な選択肢ではない。というのは、ポリイミドの前
駆体であるポリアミック酸などの高分子量ポリマー固形
物を20%以上含む溶液は、溶液のスピン・コーティン
グやスプレイ・コーティングなど被膜を付着させる既知
の手順にとって粘性が高すぎるからである。したがっ
て、高分子量ポリマーの溶液は、達成可能な平面化率及
び粘性の値の点で制限がある。
【0009】しかし、オリゴマーから構成される溶液
は、溶液の粘性がずっと低い。したがって、溶液の固形
物含有量を大幅に高めても処理可能性の限界に達しな
い。オリゴマーを用いて高い平面化率を達成することが
可能である。しかし、通常はオリゴマー被膜の機械的諸
特性が不十分なため、この利点が活用できない。
【0010】直線形巨大分子の高い分子量から生じる困
難を避け、依然として良好な機械的特性を得るため、レ
ジスト技術では、架橋系の使用に頼っている。すなわ
ち、比較的低分子量の反応性分子の混合物を、露光時に
架橋反応を開始する放射線感受性の反応剤と組み合わせ
る。このような架橋過程は、最終的に、受け入れられる
機械的諸特性をもつ非常に高分子量のポリマーをもたら
す。
【0011】架橋系に基づくレジストの成功にもかかわ
らず、2つの大きな領域で改良が必要である。第一に、
架橋系は、低分子量の出発分子から高い架橋密度に達す
るので、非常に脆くなる傾向がある。第二に、この分野
で入手可能な大部分の材料は、中間の温度でしか熱的に
安定でなく、その温度が250℃を超えることはまれで
ある。
【0012】直線形巨大分子は、通常、ずっと優れた耐
衝撃性を示す。すなわち、脆さがずっと小さい。しか
し、先に指摘したように、レジスト用としての高分子量
ポリマーの欠点のために、その使用が大幅に制限されて
いる。
【0013】一般に、当技術分野では、同時に、最良の
平面化率、機械的諸特性及びリソグラフィ特性のいずれ
かを犠牲にせずに、高分子量ポリマーを使用して被膜を
調製する方法を提供する教示はない。
【0014】
【本発明によって解決すべき課題】本発明の一目的は、
高分子量ポリマー被膜を製造する、改良された方法を提
供することである。
【0015】本発明の他の目的は、オリゴマー被膜でリ
ソグラフィ・ステップを行い、こうして、オリゴマーの
もつ優れたリソグラフィ特性を利用し、続いてオリゴマ
ーを固体状態で重合させて、受け入れられる機械的諸特
性をもつ所望の高分子量ポリマーを有する被膜を形成す
ることである。
【0016】本発明の別の目的は、基板上にオリゴマー
被膜を配設し、それによってオリゴマーの高い溶解度
と、結果として得られる溶液の低い粘性とを利用して、
固形物含有量の高いこの溶液から作成した被膜で良好な
平面化率を得ることにある。
【0017】本発明の別の目的は、高いコントラスト、
高い感受性、低い膨潤度、高い分解能など低分子量レジ
ストのリソグラフィ上の利点をすべて示す、オリゴマー
被膜を提供することにある。
【0018】本発明の別の目的は、所望のリソグラフィ
特性及び平面化特性をもつオリゴマー被膜を、リソグラ
フィ・パターン付けに続く固体状態での鎖延長法によっ
て、より優れた機械的諸特性をもつ高分子量被膜に転換
することにある。
【0019】本発明の別の目的は、保護解除またはブロ
ック解除後に固形状態でルイス酸オリゴマーと反応し
て、オリゴマーとルイス塩基を鎖延長し、高分子量ポリ
マー被膜を形成することのできる、保護されたルイス塩
基をオリゴマー被膜内で提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような被膜を調製す
るための新しい方法の必要性は、本発明の原理によれ
ば、ほぼ均等に混合したルイス酸オリゴマーと保護され
たルイス塩基からなる、溶媒をほとんど含まない被膜を
調製するステップと、上記の保護されたルイス塩基をブ
ロック解除して、ブロック解除されたルイス塩基を形成
し、上記ルイス酸と反応させて鎖延長された高分子量ポ
リマーからなるポリマー本体を形成させるステップとを
含む、鎖延長法を提供することによって満足される。
【0021】ポリマーに関して、固体状態とは、動的弾
性率が損失弾性率を上回る、ポリマーの粘弾性状態であ
ると定義される。本発明では、この定義の範囲を狭め
て、少なくとも短距離の移動は依然可能な状態とする。
これには、ガラス遷移より上および下の系が含まれる。
移動度はブロック解除分子の影響を受けることも受けな
いこともあり、ブロック解除分子は、局部的または巨視
的可塑化を誘発することもしないこともある。いずれに
せよ、ブロック解除された反応性ルイス塩基が、直ちに
または温度上昇後に、このルイス酸と反応するのに十分
な移動度をもつ、すべての状況が固体状態に含まれる。
【0022】本発明の一態様では、ルイス酸オリゴマー
と保護されたルイス塩基とからなる固体状態の被膜を基
板上に配設するステップと、上記ルイス塩基をブロック
解除するステップと、上記のルイス酸オリゴマーを上記
のブロック解除されたルイス塩基で固体状態で鎖延長し
て、高分子量ポリマー被膜を形成するステップを含む、
固体状態鎖延長法が提供される。
【0023】さらに、ルイス酸オリゴマーと保護された
ルイス塩基とからなる固体状態の被膜を基板上に配設す
るステップと、被膜の諸領域を選択的に露光して、露光
領域と非露光領域とからなる所望のパターンを作成する
ステップと、上記露光領域で上記ルイス塩基をブロック
解除するステップと、上記ルイス酸オリゴマーを上記の
ブロック解除されたルイス塩基で固体状態で鎖延長し
て、上記露光領域に高分子量ポリマー被膜を形成するス
テップと、鎖延長されなかったルイス酸オリゴマーとル
イス塩基を非露光領域から除去するステップとを含む、
ネガティブ・レジストを調製するための固体状態鎖延長
法が開示される。
【0024】放射線で架橋可能なルイス酸オリゴマーと
保護されたルイス塩基とからなる固体状態被膜を基板上
に配設するステップと、被膜の諸領域を選択的に露光し
て、露光領域と非露光領域からなる所望のパターンを作
成するステップと、上記の放射線で架橋可能なルイス酸
オリゴマーを上記露光領域で架橋させるステップと、架
橋しなかったルイス酸オリゴマーを非露光領域から除去
するステップと、上記ルイス塩基をブロック解除するス
テップと、上記の架橋したルイス酸オリゴマーを上記の
ブロック解除されたルイス塩基で固体状態で鎖延長し
て、露光領域に高分子量ポリマー被膜を形成するステッ
プとを含む、ネガティブ・オリゴマー・レジストを使用
するもう1つの固体状態鎖延長法が開示される。
【0025】放射線で分解可能なルイス酸オリゴマーと
保護されたルイス塩基とからなる固体状態被膜を基板上
に配設するステップと、被膜の諸領域を選択的に露光し
て、非露光領域と露光領域からなる所望のパターンを作
成するステップと、上記の放射線で分解可能なルイス酸
オリゴマーを上記露光領域で分解させるステップと、分
解したルイス酸オリゴマーを露光領域から除去するステ
ップと、上記ルイス塩基をブロック解除するステップ
と、残ったルイス酸オリゴマーを上記のブロック解除さ
れたルイス塩基で固体状態で鎖延長して、非露光領域に
高分子量ポリマー被膜を形成するステップとを含む、ポ
ジティブ・オリゴマー・レジストを使用するもう1つの
固体状態鎖延長法が開示される。
【0026】
【実施例】これからルイス酸オリゴマーとブロック解除
されたルイス塩基の間の固体状態鎖延長法について記述
する。
【0027】本発明に従って調製したポリマー被膜は、
所望のポリマー被膜の品質及び種類に応じて、いくつか
の実施例をもつことができる。
【0028】第1のタイプのポリマー被膜は、平面化被
膜またはプレーナ実施例と呼ばれる。本発明の方法を使
用すると、図1の流れ図に概略を示した本発明の諸ステ
ップに従って、パターンのエッチングやリソグラフィな
しで、基本的に平面化高分子量ポリマー被膜を調製する
ことができる。
【0029】図1を参照すると、ルイス酸オリゴマーと
保護されたルイス塩基を含む未反応の混合物を、有機溶
媒に溶解する。適当なルイス酸オリゴマーは、本明細書
では、電子を容易に攻撃する(すなわち親電子性の)モ
ノマー、オリゴマーまたは低分子量のポリマー化学種で
あると定義する。ルイス酸の例をいくつか挙げると、こ
れだけに限られるものではないが、酸無水物、酸塩化
物、カルボン酸、活性エステル、塩化スルホニル、カル
ボニル基からなる群から選択された末端基を含む、モノ
マー、オリゴマー、及び低分子量のポリマーがある。ル
イス酸オリゴマーは、末端に無水物をもつポリイミド前
駆体(すなわちポリアミック酸)のオリゴマー、例えば
次式で表されるビフェニレンテトラカルボン酸二無水物
(BPDA)/フェニレンジアミン(PDA)などのオ
リゴマーであることが好ましい。
【化1】
【0030】二官能ルイス酸オリゴマーが最も望まし
い。
【0031】保護されたルイス塩基とは、熱によって、
または光(紫外線または可視光線)、X線、電子ビー
ム、イオン・ビーム(放射線と総称)によって保護基が
除去または開裂されるまで、電子供与を妨げるために保
護基が付着されている、電子供与性化合物であると定義
する。保護基の開裂は、次記の機構に従って起こる。
【化2】 上式でRは保護基、R1はルイス塩基である。
【0032】上式でR1で表される適当なルイス塩基に
は、フェニレンジアミン(PDA)等の二官能、三官
能、若しくは多官能アミン、またはアルコール等の二官
能、三官能、若しくは多官能水酸基含有化合物、または
二官能、三官能、若しくは多官能チオール、あるいはそ
れらの任意の組合せがある。
【0033】上式でRで表される保護基は、ルイス塩基
の電子供与能力をブロックするが、熱または放射線で容
易に開裂する基なら何でもよい。上式のR1がアミン官
能基である場合、典型的な保護基としては、例えば、カ
ルバミン酸t−ブチル、カルバミン酸アダマチル、カル
バミン酸ビニル、カルバミン酸n−ニトロフェニル、カ
ルバミン酸ベンジル、カルバミン酸ニトロベンジルなど
のカルバミン酸エステル、アセトアミド、ホルムアミド
などのアミド類、及びジメトキシルベンジルアミン、ニ
トロベンジルアミンなどのベンジル誘導体がある。
【0034】ルイス塩基がアルコールなど水酸基を含む
化合物である場合、R1の保護基は、例えばエステル、
t−ブトキシメチルエーテル、メトキシメチルエーテ
ル、テトラヒドロピラニルエーテル、ベンゾイルギ酸エ
ステルなどのエステルまたはカルバミン酸エステルであ
る。
【0035】ルイス塩基がチオールを含む場合は、ベン
ジルチオエーテル、アセチル誘導体やベンゾイル誘導体
などのチオエステルなどのチオエーテル保護基が使用で
きる。この適当な保護基のリストは、例として示したも
のにすぎない。適当なルイス塩基保護基の選択に関する
より詳しい案内は入手可能であり、当業者には既知であ
る。t−ブトキシカルボニル(t−Boc)基とベンジ
ルオキシカルボニル基(Benz−ox)が特に適して
おり、したがってR1がフェニレンジアミン(PDA)
の場合に保護基として使用するのに最も好ましい。t−
Bocで保護したPDA及びBenz−oxで保護した
PDAは、次式で表される。
【化3】
【化4】
【0036】ルイス塩基(R1)上に保護基が存在する
ため、ルイス塩オリゴマーとルイス塩基は、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、N−メチルピロリジノン(NMP)などの有機溶
媒に溶解し、合体して混合物としたとき、反応しない。
このリストは例示的なものにすぎず、限定的なものでは
なく、ルイス酸オリゴマーとルイス塩基とを溶解する有
機溶媒なら何でも適当である。この混合物は、保護基を
開裂させてルイス塩基をブロック解除するまで、安定で
未反応のままである。したがって、この混合物は、保護
基が無傷である限り長い寿命をもつ。
【0037】この混合物を、典型的な半導体基板などの
基板上、あるいはそのような基板上に配設した層上、あ
るいは高分子量のポリマー層をその上に配置することが
望ましい、シリコン、ケイ化物、ガラス、セラミック、
木材その他の適当な材料からなる任意の表面上に配設す
ることができる。従来からのスピン・コーティング、ス
パッタリング、ディップ・コーティング、スプレイ・コ
ーティング、及びドクター・ブレーディングなどのブレ
ードによる物理的塗布の方法が、この混合物の溶液を配
設するのに適しているが、好ましい方法は、層の所望の
構造に応じて決まる。
【0038】本発明の方法の主な利点は、受け入れられ
る粘性限界を超えることなく約30〜80%、好ましく
は40〜60%、特に約50%の固形物を含む固形物含
有量の高い混合物を調製できる能力を実務家に与えるこ
とである。というのは、この溶液は、高分子量のポリマ
ーではなく、溶解したオリゴマーを含むからである。こ
の高い固形物含有量は、80%を超える際立った平面化
率の値をもたらし、したがってその後の溶媒蒸発ステッ
プでの被膜の収縮度を減少させる。
【0039】混合物を基板に塗布した後は、基板を加熱
して、被膜が手で触れて乾燥した状態になるまで、溶媒
を蒸発させる。大部分の有機溶媒は蒸気圧が高く、10
0℃未満の乾燥温度で容易に被膜を手で触れて乾燥した
状態にすることができる。こうした低温では、ルイス塩
基は保護されたままとなり、ルイス酸オリゴマーとの反
応が妨げられる。被膜を乾燥した後の、ルイス酸オリゴ
マーと保護されたルイス塩基とを含む混合物を、以下で
は固体状態で基板上に「配設された」ものと定義する。
【0040】ルイス塩基に十分な熱を加えて、保護基を
開裂させ、ブロック解除することができる。t−Boc
保護基を使用する場合、この保護基は約190℃の熱で
開裂する。
【0041】t−Boc保護基は、酸を生成する触媒を
使って放射線で開裂させることもでき、したがって、基
板上に固形被膜として配設するために、混合物に触媒を
添加しなければならない。固形被膜を放射線にさらす
と、触媒が酸を生成し、それがt−Boc保護基を開裂
させる。適当な酸生成触媒としては、スルホニウムやヨ
ードニウムなどのオニウム塩、トリフレート塩、ホウ酸
塩、トルエンスルホン酸塩、スルホニルオキシイミドが
ある。
【0042】適当なオニウム塩の例としては、米国特許
第4175972号で論じられている第IV族元素の芳
香族オニウム塩や、米国特許第4069055号で論じ
られている第Va族元素の芳香族オニウム塩がある。上
記の2件の特許の開示を本明細書において参照された
い。
【0043】第IVa族元素の芳香族オニウム塩には、
次式で表される物が含まれる。 [(R)a(R1)b(R2)cX]d+(MQe-(e-f) 上式でRは一価の芳香族有機基、R1はアルキル基、シ
クロアルキル基、置換アルキル基のうちから選んだ一価
の脂肪族有機基、R2は脂肪族基と芳香族基のうちから
選んだ複素環や縮環構造を形成する多価の有機基、Xは
イオウ、セレン、テルルのうちから選んだ第IVa族の
元素、Mは金属または亜金属、Qはハロゲン基、aは0
〜3の整数、bは0〜2の整数、cは0〜1の整数であ
り、和a+b+cは3またはXの原子価に等しい価であ
る。 d=e−f 上式でfはMの原子価であり2〜7の整数、eはfより
大きく8までの値の整数である。
【0044】Rに含まれる基は、例えばフェニル、トリ
ル、ナフチル、アントリルなどC(6-13)の芳香族炭化水
素基、及びこれらの基をメチル、エチルなどの1〜4個
の一価の基で置換した基、−C24OCH3、−CH2
OOC25、−CH2COCH3などの置換アルキル基等
である。R2基としては、下記のような構造がある。
【化5】 は、例えばBF4 -、PF6 -、SbF6 -、FeCl6 -、S
bCl6 -、BiCl5 -、AlF6 -、GaCl4 -、InF
4 -、TiF6 -、ZrF6 -などであり、MはSb、Fe、
Sn、Bi、Al、Ga、In、Ti、Zr、Sc、
V、Cr、Mn、Csなどの遷移金属、ランタニド例え
ばCe、Pr、Ndなど、アクチニド例えばTh、P
a、U、Npなどの希土類元素、及びB、P、Asなど
の亜金属である。第IVa族元素のオニウム塩には、例
えば下記のものがある。
【化6】
【化7】
【0045】第Va族元素の芳香族オニウム塩として
は、次式で表されるものがある。 [(R)a(R1)b(R2)c1d+(MQe-(e-f) 上式で、Rはカルボキシル基と複素環基のうちから選ん
だ一価の芳香族有機基、R1はアルキル基、アルコキシ
基、シクロアルキル基及びそれらの置換誘導体のうちか
ら選んだ一価の脂肪族有機残型、R2はX1と共に芳香族
複素環または縮環構造を形成する多価の有機基、X1
N、P、As、Sb、Biのうちから選んだ第Va族元
素、Mは金属または亜金属、Qはハロゲン基、aは0〜
2の整数、bは0〜2の整数、cは0〜2の整数、和a
+b+cは4またはX1の原子価に等しい値である。 d=e−f 上式でfはMの原子価で2〜7の整数、eはfより大き
く8までの値の整数である。
【0046】Rに含まれる基は、例えば、フェニル基、
トリル基、ナフチル基、アントリル基などC(6-13)の芳
香族炭化水素基、及びこれらの基をC(1-18)アルコキ
シ、C(1-8)アルキル基、ニトロ基、クロロ基、水酸基
など1〜4個の一価の基で置換した基、フェニルアシル
基などのアリルアシル基、ピリジル基やフルフリル基な
どのアリルアルキル基である。R1基としては、C(1-8)
アルキル基、C(3-4)シクロアルキル基、ハロアルキル
基例えばクロロエチル基などの置換アルキル基、−OC
265OCH3などのアルコキシ基、−CH2OCH3
などのアルコキシアルキル基、−CH2COOC25
どのアルキルアシル基、−CH2COCH3などのケトア
ルキル基がある。
【0047】R2に含まれる基には、例えば下記のもの
がある。
【化8】 上式で、QはO、CH2、N、R、Sのうちから選び、
Zは−O−、−S−、及び
【化9】 のうちから選び、R1は水素と炭化水素のうちから選ん
だ一価の基である。MQe -(e-f)に含まれる錯アニオン
は、例えばBF4 -、PF6 -、AsF6 -、FeCl6
-、SbCl6-、BiCl5 -であり、Mは具体的にはSb、F
e、Sn、Bi、Al、Ga、In、Ti、Zr、S
c、V、Cr、Mn、Coなどの遷移金属、ランタニド
例えばCe、Pr、Ndなど、アクチニド例えばTh、
Pa、U、Npなどの希土類元素、B、P、Asなどの
亜金属である。
【0048】僅かに加水分解された陰イオン、例えばS
bF5OH-は、その陰イオンが加水分解された形の場
合、本発明にとって完全な等価物であると見なされる。
【0049】Benz−ox保護基は、210℃の熱
で、または放射線に当てることにより、触媒を必要とせ
ずにルイス塩基から開裂させることができる。
【0050】解放されたルイス塩基は、ブロック解除さ
れた後、ただちに適当などんな親電子性のモノマー、オ
リゴマーまたはポリマーとも自由に反応して、瞬間的に
固体状態で鎖延長重合を生成することができる。こうし
て、オリゴマー被膜は、好ましい機械的諸特性をもつ高
分子量のポリマー被膜に変換される。その際、ルイス酸
オリゴマーとブロック解除されたルイス塩基は、次式に
従って重合する。[ルイス酸オリゴマー−ブロック解除
されたルイス塩基]X
【0051】好ましい固体状態の重合が起こるのは、末
端にルイス酸無水物を有する、上記のBPDA/PDA
からなるオリゴマーが、上記のt−BocまたはBen
z−oxのブロック解除されたフェニレンジアミンルイ
ス塩基(PDA)と重合して、高分子量のポリアミック
酸被膜を形成し、これを熱硬化させると、ポリイミド被
膜を形成する。
【0052】ルイス酸オリゴマー及びブロック解除(保
護解除)されたルイス塩基の図1に従った固体状態重合
の確認を、下記の例1と例2に示す。
【0053】例1 BPDAとPDAからなる末端に無水物をもつポリアミ
ック酸の被膜をソルト・プレート上に配設して、重合中
の赤外スペクトルの変化を監視した。オリゴマーは、1
850cm-1と1777cm-1に末端無水物の特徴であ
る2つのピークを示した(図6参照)。無水ルイス酸オ
リゴマーだけからなる被膜を230℃で硬化させたと
き、1850cm-1の無水物のピークは変わらなかっ
た。しかし、末端に無水物をもつオリゴマーとt−Bo
cフェニレンジアミン(PDA)ルイス塩基とを含む第
2の固体状態の被膜をプレート上に配設したときは、1
850cm-1の無水物ピークが消失した(図7参照)。
これは、フェニレンジアミン・ルイス塩基からt−Bo
c基が保護解除されて一級アミン基が解放され、これが
ルイス酸であるオリゴマー末端無水物と直ちに反応し
て、鎖延長して高分子量のポリアミック酸ポリマーを形
成し、それが熱硬化でポリイミド被膜を形成した結果で
ある。
【0054】例2 例1の末端に無水物をもつポリアミック酸オリゴマー
と、t−Bocで保護されたフェニレンジアミン(PD
A)と、放射性感受性のオニウム塩との固体状態被膜
を、例1と同様にソルト・プレート上に配設した。この
被膜を紫外線にさらし、80℃で5分間焼成した。図6
の1850cm-1にあった元の無水物ピークが消失し
て、PDAがオニウム塩から生じた酸との反応によって
ブロック解除され、解放されたアミンが末端に無水物を
もつオリゴマーと反応して鎖延長し、より高分子量のポ
リアミック酸ポリマー被膜を形成し、これが熱硬化でポ
リイミド被膜を形成したことを示した。
【0055】図2の流れ図に概略を示した本発明の鎖延
長法で、ネガティブ・レジストが調製できる。
【0056】ネガティブの高分子量レジストを使用する
本発明の方法を図2に略示する。この場合、図1の流れ
図の諸ステップを繰り返して、基板上に配設された固体
状態被膜を調製する。この固体被膜は、ルイス酸オリゴ
マーと、保護されたルイス塩基と、保護基の種類に応じ
て必要なら放射線感受性の触媒とを含んでいる。
【0057】固体状態被膜の諸領域を選択的に露光し
て、所望のパターンを作成する。選択的露光は、当業者
が通常使用するようなマスクを被膜表面にかけ、露光し
た部分を光学的放射線またはX線にさらすか、あるいは
電子ビームまたはイオン・ビームによって露光したい領
域に直接に放射線を当てるかすることによって達成され
る。それによって、露光領域と非露光領域からなるパタ
ーンが作成される。諸領域を選択的に放射線にさらすこ
とにより、露光領域にある放射性感受性のルイス塩基
は、上記の反応に従って保護解除またはブロック解除さ
れる。
【0058】ルイス塩基がブロック解除されると、固体
状態鎖延長重合がただちに始まる。というのは、保護基
が開裂された後は、解除された塩基がルイス酸と重合で
きるからである。
【0059】選択的に露光された被膜の露光後焼成は、
選択的露光の直後に80℃で5分間行うことが好まし
い。この鎖延長重合は、焼成中ずっと続く。残ったルイ
ス塩基保護基はこの焼成工程によって熱開裂されない。
というのは、この焼成は熱開裂温度よりは低い温度で行
われるからである。したがって、鎖延長は、塩基が自由
に反応できる、露光領域でのみ起こる。非露光領域は、
依然として、ルイス酸と反応できない保護されたルイス
塩基を含むことになる。
【0060】このルイス酸オリゴマーとブロック解除さ
れたルイス塩基の鎖延長重合は、露光領域の重合したポ
リマーと、非露光領域のより溶解度の高い未反応オリゴ
マー及び保護されたルイス塩基との間に溶解度の差を生
み出す。溶媒を使って被膜を現像して、非露光領域のよ
り溶解度の高い未反応の反応剤を除去する。適当な溶媒
としては、例えばジメチルスルホキシド、ブチロラクト
ン、NMP、キシレン、2−メトキシエチルエーテル及
びそれらの混合物がある。
【0061】鎖延長されるポリマーがポリイミドのポリ
アミック酸前駆体である場合、パターン付けし現像した
固体被膜を400℃までの温度で硬化させて、ポリアミ
ック酸をポリイミドに変換することが好ましい。このよ
うに硬化を行うと、機械的諸特性が大幅に改善される。
【0062】ネガティブのオリゴマー・レジストを使用
するもう1つの鎖延長法は、ルイス酸オリゴマー上でレ
ジスト特性を達成し、続いてブロック解除されたルイス
塩基でオリゴマーの鎖を延長することによって実施され
る。この方法は、図3の流れ図に示されている。その際
に、ルイス酸オリゴマーとしては、放射線で架橋可能な
側鎖基を選択する。放射線にさらされたとき、それ自体
の間で架橋するルイス酸オリゴマーを選択することが好
ましい。アクリレートを含むポリイミド前駆体オリゴマ
ーを、ラジカル開始剤/増感剤の存在下で使用して、こ
うした架橋を引き起こした。他の適当な架橋可能なルイ
ス酸オリゴマーとしては、アクリレート、メタクリレー
ト、スチレン、プロパルギルなど、炭素間の二重結合ま
たは三重結合を有する架橋可能な側鎖を含むものがあ
る。
【0063】放射線で架橋可能なルイス酸オリゴマーと
保護されたルイス塩基と触媒の開始剤または増感剤を含
む固体被膜を基板上に配設した後、この被膜を選択的に
放射線源で露光して、上述のように露光領域と非露光領
域とを作成する。露光領域では、オリゴマーが架橋す
る。ルイス塩基は保護基を有するはずであり、したがっ
て放射線に当たっても保護解除されない。次に、標準の
低温露光後焼成を使用する。
【0064】被膜の現像は、ディップ・コーティング、
スプレイ・コーティング、パドル現像または類似の方法
によって、非露光領域の架橋しなかったオリゴマーを溶
媒に溶かすことによって行う。架橋されたオリゴマーは
溶媒に不溶性であり、レジストを現像すると高分解能の
パターンを生じる。レジストの現像完了後、架橋された
オリゴマー中にある保護されたルイス塩基を、保護解除
を起こす波長での放射線フラッド露光または、最も好ま
しくは熱による保護解除によって、保護解除する。ブロ
ック解除されたルイス塩基は、架橋されたルイス酸オリ
ゴマーの反応性末端基と反応し、こうしてポリマーを鎖
延長する。ポリイミド前駆体オリゴマーの場合、フォト
パッケージをバーンオフし、ポリマーを硬化させるため
に、300〜400℃での重合後焼成を推奨する。
【0065】図4の流れ図は、ポジティブ・オリゴマー
・レジストを使用した固体状態鎖延長法を示す。
【0066】ポジティブ・オリゴマー・レジストを利用
する際、ルイス酸オリゴマーの量は、露光したオリゴマ
ーを放射線源で露光したとき、分解または鎖の切断を受
けさせることによって、放射線で露光したオリゴマーが
非露光のオリゴマーよりも溶けやすくなるように選択す
る。適当な分解可能なルイス酸としては、ニトロベンジ
ルエステルやt−ブチルエステルやジアゾ基を含むもの
など、開裂可能なエステル側鎖を有する酸がある。
【0067】図1、図2、図3に概略を示した方法と同
様に、放射線で分解可能なルイス酸オリゴマーと保護さ
れたルイス塩基を含む混合物を調製する。その際に、ル
イス酸オリゴマーは適当な放射線で分解可能な側鎖基を
含んでいる。分解反応に触媒が必要な場合は、触媒も混
合物に加える。図1、図2、図3の初期ステップを繰り
返して、この混合物の固体状態被膜を基板上に配設す
る。
【0068】被膜を選択的に露光して、被膜の最終的に
除去される部分に所望のパターンを形成する。露光によ
ってオリゴマーの溶解度が変化して、露光領域の方が非
露光のオリゴマーよりも溶媒に溶けやすくなる。この溶
媒は、非露光領域を溶解も膨潤もしない。適当な溶媒で
ディップ・コーティング、スプレイ・コーティング、パ
ドル現像または類似の方法によって、パターンを現像す
る。現像後に、ルイス塩基を最も好ましくは上記のよう
に熱によってブロック解除して、非露光領域でルイス酸
オリゴマーによる鎖延長を引き起こし、それによって非
露光領域でポリマー被膜を生成させる。ポリマーがポリ
イミド前駆体である上記のように被膜を硬化させること
が好ましい。
【0069】本発明の方法によれば、例えば、様々なル
イス酸オリゴマーとルイス塩基を鎖延長して、高分子量
のポリマー被膜を形成することが企図されている。当業
者が本発明を実施できるようにするための全般的ガイド
として、組合せの例を下記に記す。
【0070】無水物を末端に有する、二無水ビロメリッ
ト酸/オキシジアニリンのオリゴマーをルイス酸オリゴ
マーとして使って、t−Bocで保護したルイス塩基の
オキシジアニリンと共に、固体状態で配設する。t−B
ocで保護したルイス塩基は、190℃を越える熱を加
えると保護解除され、ルイス酸オリゴマーとルイス塩基
が直ちに鎖延長して高分子量のポリマー被膜を形成する
ことができる。
【0071】オリゴマー性二酸塩化物(無水1、2、4
−トリカルボキジベンゼン物塩化物)を末端に有するア
ミドイミド及びH2N−(CH24−NH2のニトロフェ
ニルカルバメートを溶媒に溶かして、基板に塗布するこ
とができる。溶媒を蒸発させると、基板上に固体状態の
被膜が生成する。ニトロフェニルカルバメートの保護基
は、ルイス塩基をブロック解除するのに十分な熱を加え
ると熱開裂する。ブロック解除されたルイス塩基は、直
ちにルイス酸オリゴマーと反応して、高分子量のポリマ
ー被膜を形成する。
【0072】ジイソシアネート・オリゴマーを末端に有
するポリウレタンをルイス酸オリゴマーとして使用し、
4、4'−ジヒドロキシ−1−ベンゾフェノンのt−ブ
トキシメチルエーテルを保護されたルイス塩基として固
体状態で配設する。t−ブトキシメチルエーテル保護基
は、遊離したルイス酸がルイス酸オリゴマーと重合でき
るように、開裂させなければならない。
【0073】無水物を末端に有するベンゾフェノンテト
ラカルボン酸のメタクリル酸エステル/オキシゾアリン
(ODA)を、酸を発生させるスルホニウム塩触媒と、
t−Bocで保護したルイス塩基のオキシジアニリンと
共に固体状態で配設することができる。t−Boc保護
基は、放射線で開裂することができる。t−Boc保護
基がルイス塩基オキシジアニリンから開裂すると、ルイ
ス塩基のオキシジアニリンは、自由にルイス酸と重合し
て、高分子量のポリマーを形成する。
【0074】二酸塩化物を末端に有する2、2−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロバンのプロ
パルギルアミン塩(6FDA)/二無水2、2−ビス
(3、4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン(6FDA)ルイス酸を、ニトロベンジルで保護し
た6FDAルイス塩基と共に固体状態で基板上に配設す
ることができる。ニトロベンジル保護基を熱で開裂させ
ると、6FDAがルイス酸オリゴマーと鎖延長すること
ができる。
【0075】ジイソシネートを末端に有する無水ジフェ
ニレン(PBDA)のt−ブチルエステル/オキシジア
ニリン(ODA)ルイス酸オリゴマーを、ビスフェノー
ルAのベンゾイルギ酸エステルと共に基板上に配設する
ことができる。このエステル保護基を高温で熱開裂させ
ると、ビスフェノールAがルイス酸オリゴマーと反応し
て、鎖延長し、高分子量のポリマーを形成することがで
きる。
【0076】ジシランを含む無水物を末端に有するポリ
イミド・ルイス酸オリゴマーを、t−Bocオキシジア
ニリン・ルイス塩基と共に固体状態で配設することがで
きる。オキシジアニリン・ルイス塩基のt−Boc保護
基を190℃を超える温度で熱開裂させると、ポリイミ
ド・オリゴマーがブロック解除されたルイス塩基オキシ
ジアニリンと反応して鎖延長し、高分子量のポリマー被
膜を形成することができる。
【0077】本発明をその好ましい実施例に関して具体
的に示し記述したが、当業者なら、本発明の趣旨及び範
囲から逸脱することなく、特定の構成の形状と細部、ス
テップ及びパラメータに様々な変更を加えることができ
よう。
【図面の簡単な説明】
【図1】平面化高分子量ポリマー被膜を調製するための
本発明の方法の諸ステップの概略を示す流れ図である。
【図2】露光領域に鎖延長したポリマーを有するネガテ
ィブ・レジストを調製するための本発明の方法の諸ステ
ップの概略を示す流れ図である。
【図3】露光領域に架橋/鎖延長ポリマーを有するネガ
ティブ・レジストを使用する本発明の方法の諸ステップ
の概略を示す流れ図である。
【図4】非露光領域に鎖延長ポリマーを有するポジティ
ブ・レジストを使用する本発明の方法の諸ステップの概
略を示す流れ図である。
【図5】その上に微細特徴構造を有する基板上に配設し
た被膜サンプルの平面化変数を示す概略図である。
【図6】無水物を末端に有する二無水ビフェニレン(B
PDA)/フェニレンジアミン(PDA)からなるルイ
ス酸ポリアミック酸オリゴマーの赤外スペクトルを示す
図である。
【図7】無水物を末端に有するルイス酸BPDA/PD
Aオリゴマーと保護解除されたPDAルイス塩基の固体
状態反応から形成されるポリイミド・ポリマーの赤外ス
ペクトルを示す図である。1850cm-1の無水物ピー
クはもはや存在しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラウディウス・フェーガー アメリカ合衆国12533、ニューヨーク州ホ ープウェル・ジャンクション、キャシー・ レーン 8番地 (72)発明者 ジェフリー・ドナルド・ジェローム アメリカ合衆国06062、コネティカット州 プレインヴィル、ヘミングウェイ・ストリ ート 30番地 (72)発明者 ジェーン・マーガレット・ショウ アメリカ合衆国06877、コネティカット州 リッジフィールド、ウィルトン・ロード、 ウェスト 336番地

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ルイス酸オリゴマーと保護されたルイス塩
    基とからなる固体状態の被膜を基板上に配設するステッ
    プと、 上記ルイス塩基をブロック解除するステップと、 上記ルイス酸オリゴマーを上記のブロック解除されたル
    イス塩基と共に固体状態で鎖延長して、高分子量のポリ
    マー被膜を形成するステップとを含む、固体状態鎖延長
    法。
  2. 【請求項2】ルイス酸オリゴマーと保護されたルイス塩
    基とからなる固体状態の被膜を基板上に配設するステッ
    プと、 上記被膜の諸領域を選択的に露光して、露光領域と非露
    光領域とからなる所望のパターンを生成するステップ
    と、 上記露光領域の上記ルイス塩基をブロック解除するステ
    ップと、 上記ルイス酸オリゴマーを上記のブロック解除されたル
    イス塩基と共に固体状態で鎖延長して、上記露光領域に
    高分子量のポリマー被膜を形成するステップと、 鎖延長されなかったルイス酸オリゴマーとルイス塩基を
    非露光領域から除去するステップとを含む、ネガティブ
    ・レジストを調整するための固体状態鎖延長法。
  3. 【請求項3】放射線で架橋可能なルイス酸オリゴマーと
    保護されたルイス塩基とからなる固体状態の被膜を基板
    上に配設するステップと、 上記被膜の諸領域を選択的に露光して、露光領域と非露
    光領域とからなる所望のパターンを生成するステップ
    と、 上記露光領域で上記の放射線感受性ルイス酸オリゴマー
    を架橋させるステップと、 架橋しなかったルイス酸オリゴマーを非露光領域から除
    去するステップと、 上記ルイス塩基をブロック解除するステップと、 上記の架橋したルイス酸オリゴマーを上記のブロック解
    除したルイス塩基と共に固体状態で鎖延長して、露光領
    域に高分子量ポリマー被膜を形成するステップとを含
    む、ネガティブ・オリゴマー・レジストを使用する、固
    体状態鎖延長法。
  4. 【請求項4】放射線で分解可能なルイス酸オリゴマーと
    保護されたルイス塩基とからなる固体状態の被膜を基板
    上に配設するステップと、 上記被膜の諸領域を選択的に露光して、露光領域と非露
    光領域とからなる所望のパターンを生成するステップ
    と、 上記露光領域で上記の放射線で分解可能なオリゴマーを
    分解するステップと、 分解されたルイス酸オリゴマーを露光領域から除去する
    ステップと、 上記ルイス塩基をブロック解除するステップと、 残ったルイス酸オリゴマーを上記のブロック解除された
    ルイス塩基と共に固体状態で鎖延長して、非露光領域に
    高分子量ポリマー被膜を形成するステップとを含む、ポ
    ジティブ・オリゴマー・レジストを使用する、固体状態
    鎖延長法。
  5. 【請求項5】実質上均一に混合したルイス酸オリゴマー
    と保護されたルイス塩基とからなる実質上溶媒を含まな
    い被膜を形成するステップと、 上記の保護されたルイス塩基をブロック解除してブロッ
    ク解除されたルイス塩基を形成し、上記のブロック解除
    されたルイス塩基が上記ルイス酸と反応できるようにし
    て、鎖延長された高分子量ポリマーを含むポリマー本体
    を形成するステップとを含む、鎖延長法。
  6. 【請求項6】さらに、上記被膜の諸領域を選択的に露光
    して、露光領域と非露光領域とからなる所望のパターン
    を生成するステップと、 鎖延長されなかったルイス酸オリゴマーとルイス塩基を
    非露光領域から除去するステップとを含み、 上記ブロック除去ステップが上記露光領域で行なわれ、
    上記鎖延長ステップが露光領域に上記ポリマー被膜を形
    成することを特徴とする、 請求項1に記載の固体状態鎖延長法。
  7. 【請求項7】さらに、上記被膜の諸領域を選択的に露光
    して、露光領域と非露光領域とからなる所望のパターン
    を生成するステップと、 上記露光領域で上記ルイス酸オリゴマーを架橋させるス
    テップと、 架橋されなかったルイス酸オリゴマーを非露光領域から
    除去するステップとを含み、 上記ルイス酸オリゴマーが放射線で架橋可能であり、上
    記鎖延長ステップが露光領域に上記ポリマー被膜を形成
    することを特徴とする、 請求項1に記載の固体状態鎖延長法。
  8. 【請求項8】さらに、上記被膜の諸領域を選択的に露光
    して、露光領域と非露光領域とからなる所望のパターン
    を生成するステップと、 上記露光領域で上記ルイス酸オリゴマーを分解するステ
    ップと、 分解されたルイス酸オリゴマーを上記露光領域から除去
    するステップとを含み、 上記ルイス酸オリゴマーが放射線で分解可能であり、上
    記鎖延長ステップが露光領域に上記ポリマー被膜を形成
    することを特徴とする、 請求項1に記載の固体状態鎖延長法。
  9. 【請求項9】請求項1〜9のいずれかに記載の方法に従
    って調製された、ポリマー被膜またはレジスト。
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